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2001-03-08 第151回国会 衆議院 本会議 第11号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年三月八日(木曜日)
—————————————
平成
十三年三月八日 午後一時 本
会議
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及び
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
山元勉
君外四名
提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後一時三分
開議
綿貫民輔
1
○
議長
(
綿貫民輔
君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及び
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
山元勉
君外四名
提出
)の
趣旨説明
綿貫民輔
2
○
議長
(
綿貫民輔
君) この際、
内閣提出
、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
及び
山元勉
君外四名
提出
、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について、
趣旨
の
説明
を順次求めます。
文部科学大臣町村信孝
君。 〔
国務大臣町村信孝
君
登壇
〕
町村信孝
3
○
国務大臣
(
町村信孝
君)
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。
社会経済
や
科学技術
の急速な
発展
が予想される二十一
世紀
を迎え、豊かな
人間性
と
創造性
に富み、みずからの能力、適性、興味、
関心等
に応じて主体的に行動できる人材を育成していくためには、
学校教育
において、
基礎学力
の定着の上に
児童生徒
一人一人の
可能性
を余すところなく発揮できるよう、個に応じたきめ細かな
指導
を推進することが不可欠であります。 この
法律案
は、
児童生徒
の
基礎学力
の向上ときめ細かな
学習指導
の
充実
を図るため、
平成
十三年度から
平成
十七年度までの五年間で、少
人数指導
の
実施
のための
教員配置等
を主な
内容
とする
教職員定数
の
改善
を図ることとするとともに、
教育
の
地方分権
を推進し、
児童生徒
の
実態
に応じた
学校教育
の
充実
を図るため、
都道府県教育委員会
の
判断
により、
学級編制
の
基準
の弾力的な
設定等
を特例的に可能とし、また、常勤の
教職員定数
を活用して
非常勤
の
講師等
を
配置
できるようにするものであります。 次に、この
法律案
の概要について御
説明
を申し上げます。 まず第一は、
公立
の
義務教育
諸
学校
及び
公立
の
高等学校等
の
教職員定数
の
改善
であります。
公立
の
小中学校
の
教職員定数
の
標準
について、
学級
とは異なる
学習集団
により少
人数指導
が行われる場合には
教職員
の数を加算できることとするとともに、
公立
の
高等学校
の
教職員定数
の
標準
についても、少
人数指導
を
充実
するための
教職員
の数の
改善等
を行うこととし、あわせて、
公立学校
の教頭及び
養護教諭
の
複数配置基準
、
公立
の
小中学校
の
学校栄養職員
の
配置基準
、
公立
の
特殊教育
諸
学校
の
教職員
の
配置基準
の
改善等
を行うこととしております。 第二に、
公立
の
義務教育
諸
学校
の
学級編制
の
基準
について、
都道府県教育委員会
の
判断
により、
児童生徒
の
実態
を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める
学級編制
の
標準
により定められる数を下回る数を、その場合の
基準
として特例的に設定できることとするとともに、
公立
の
高等学校等
の
学級編制
については、
設置者
の
判断
により、
生徒
の
実態
を考慮して特に必要があると認める場合には、国の定める
学級編制
の
標準
を下回る数により
学級編制
を特例的に行うことができるようにすることとしております。 第三に、
公立
の
義務教育
諸
学校
に
非常勤
の
講師
を置く場合には
教員
の
定数
を活用できることとし、その
報酬等
は
都道府県
が全額を
負担
し、国がその二分の一を
負担
することとするとともに、
公立学校
に再
任用
短時間
勤務職員
を置く場合にも
教職員
の
定数
を活用できることとする
規定
を整備することとしております。 このほか、
公立
の
高等学校
の
設置主体
を
都道府県
及び一定の
基準
に該当する
市町村
に限定する
規定
を削除するなど所要の
改正
を行うこととしております。
最後
に、この
法律案
は、
平成
十三年四月一日から
施行
することとしておりますが、その
実施
については、
改正
後のこの
法律
の
標準
に漸次近づけることを旨として、必要な
経過措置
を設けることとしております。 以上が、
法律案
の
趣旨
でございます。(
拍手
)
—————————————
綿貫民輔
4
○
議長
(
綿貫民輔
君)
提出者山元勉
君。 〔
山元勉
君
登壇
〕
山元勉
5
○
山元勉
君
民主党
の
山元勉
でございます。 私は、
民主党
・
無所属クラブ
、
日本共産党
及び
社会民主党
・
市民連合
の
提出者
を代表いたしまして、ただいま議題となりました
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について、その
趣旨
及び主な
内容
について御
説明
申し上げます。 現下の
我が国
の
社会構造
は、
グローバル化
や
科学技術
の
高度化
、
複雑化等
に伴う
価値観
の
多様化
など、大きな
変革
の中にあります。この
社会
の
変革
の波は、当然のように
学校教育
にも押し寄せてきており、新たな時代に適合した今後の
教育
の
あり方
が模索されてきているところであります。 これまで
我が国
の
学校教育
は、画一的に
知識
を教え込むことに重点が置かれ、
知識
の量を競う
受験競争
がこれを一層助長してまいりました。そのため、
子供たち
がみずから学び、
思考力
や
判断力
、
創造力
を養う
教育
、豊かな
人間性
をはぐくむことへの取り組みが見失われてきました。 また、このようなことを
背景
に、
校内暴力
や
いじめ
などが頻発し、不
登校
の
子供
の数が急増するとともに、近年では、いわゆるキレる
子供
による
暴力行為
や、
授業
が成立しない
学級崩壊
などの現象も発生し、
学校教育
が深刻の度合いを深めていることは御存じのとおりであります。 このような
状況
にどのように対応していくのか、このことに
我が国
の将来がかかっていると申し上げても過言ではありません。
中央教育審議会
の答申では、今後における
学校教育
の
あり方
を、ゆとりの中で
子供たち
に生きる力をはぐくむことであるとし、みずから学び、みずから
考え
る
教育
への
転換
を掲げるとともに、
学校
が
子供たち
一人一人を大切にし、
子供たち
が自分のよさを見出し、それを伸ばし、
存在感
や
自己実現
の
喜び
を実感できることが重要であると
指摘
しております。
学校
が
教育効果
を高め、
子供たち
が
学校生活
を通して
喜び
や楽しさを実感するには、
教職員
と
子供たち
との全人格的な触れ合い、きめ細かな
生活指導
、
生徒指導
、丁寧でわかりやすい
授業
などが不可欠であります。 そのためには、
現行
の四十人
学級
を見直し、その
規模
の縮小を図ることが先決であり、あわせて、
教育職員
の
専門的力量
を高めるための
人的確保
とその
適正配置
を図ることが喫緊の
課題
であります。 また、それとともに、
地方自治体
の
自主性
、
教育現場
の要請を十分反映させた
学校運営
、
学級編制等
が行われるよう、地域に根差した
教育環境
の整備を進め、
教育
の
地方分権
を図る必要があります。
教育
は
未来
への
先行投資
であります。現在を将来につなぐ営みであり、
未来
への
希望
と
期待
の
具体化
であります。 二十一
世紀
を迎え、
我が国
は今、
一大転換点
に立っております。このようなときであればこそ、なお、
未来
を担う
子供たち
のために
教育
の問題を最
優先課題
とし、適切な諸
施策
を早急に講じていかなければならないのであります。 ここで、
政府
から提案されました部分的な二十人
授業
への
改革案
について一言申し述べておきたいと思います。 今や
先進諸国
の中では見ることのできない四十人という大
規模学級
をそのままに、
特定教科
だけは
学級
の
子供
を分割して
授業
を行うという
小手先
の
改善
は、
子供たち
と
学校
に混乱を持ち込むだけの方策であります。
森総理
が、この
国会
の
冒頭
の
施政方針演説
で「
子供
一人一人、
国民
一人一人が、
学校
がよくなる、
教育
が変わるという実感が持てるような本格的な
教育改革
に取り組んでまいります。」と胸を張って述べられたこととはほど遠いものであり、二十一
世紀
の
日本
の
学校教育
のありようを指し示すものでは全くないというふうに申し上げておきたいというふうに思います。 以上のような
認識
に立って、
公立
の小
学校
、中
学校
及び
高等学校等
に関し、三十人以下
学級
の
実現
と
教職員
の
配置
の
適正化
を図るために
本案
を
提出
した次第であります。 次に、
本案
の主な
内容
について御
説明
申し上げます。 第一は、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律
の一部
改正
であります。 まず、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
の
標準
に関して、
小中学校
の同学年の
児童
または
生徒
で編制する一
学級
の
児童
または
生徒数
の
標準
を四十人から三十人に引き下げることとするなどの
改善
を図ることといたしております。 次に、各
都道府県教育委員会
は、
公立
の
義務教育
諸
学校
の
学級編制
について、
児童
または
生徒
の
実態
を考慮して必要があると認める場合については、
標準
により定めた数を下回る数を
学級
の
児童
または
生徒
の数の
基準
として定めることができるものといたしております。 また、
都道府県教育委員会
は、
公立義務教育
諸
学校
を
設置
する
地方公共団体
が弾力的な
学級編制
を行うことができるよう配慮しなければならないものといたしております。 さらに、
複数指導
、多様な
選択教科等
に係る
加配
に加え、
通常
の
学級
に
障害
を持つ
児童
または
生徒
が在籍する場合の
加配
など、
教諭等
の
配置基準
の
改善
を図ることといたしております。 また、
教職員定数
を新たに導入される
高齢者
再
任用制度
による短時間
勤務教職員
の数に換算することができるものといたしております。 第二に、
公立高等学校
の
設置
、
適正配置
及び
教職員定数
の
標準等
に関する
法律
の一部
改正
であります。 まず、
公立高等学校
において、現在四十人とされている
学級編制
の
標準
を、全日制については三十人に、
定時制
については二十人にそれぞれ引き下げるとともに、
設置者
が、
生徒
の
実態
を考慮して必要があると認める場合には、
標準
として定める数によらない
学級編制
をすることができるものとすることといたしております。 次に、
公立高等学校
の
設置主体
を、
都道府県
及び政令において
基準
に該当する
市町村
に限定している
規定
を削除するとともに、本校の
学校規模
について、
生徒
の
収容定員
を二百四十人以上から百八十人以上に引き下げることといたしております。 さらに、
通信制
の課程及び
生徒指導担当
の
教諭等
の
配置基準
の
改善
に加え、
通常
の
学級
に
障害
を持つ
生徒
が在籍する場合などの
加配
を行うものといたしております。 また、
教職員定数
を新たに導入される
高齢者
再
任用制度
による短時間
勤務教職員
の数に換算することができるものといたしております。 本
法案
の
施行期日
は、
平成
十三年四月一日とし、
施行
のための
経過措置
を定め、今後十年間の
年次計画
で
実施
することといたしております。 現今の
財政状況
はまことに厳しいものがあります。だからこそ、
公共事業
の
ばらまき
や
官房機密費
にも見られた不適切、不透明な
予算
は大幅に削減することを私
ども
は強く求めているところであります。しかし、
子供たち
の
教育費
は、あすの
日本
への
先行投資
であり、より積極的な
確保
が必要不可欠だと
考え
ます。そして、これは圧倒的多数の
国民
の
理解
するところであります。 何とぞ、慎重御
審議
の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。(
拍手
)
————◇—————
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)及び
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
山元勉
君外四名
提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
綿貫民輔
6
○
議長
(
綿貫民輔
君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
牧義夫
君。 〔
牧義夫
君
登壇
〕
牧義夫
7
○
牧義夫
君
牧義夫
でございます。
民主党
・
無所属クラブ
を代表いたしまして、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
の
政府案並び
に
民主党
・
無所属クラブ
、
日本共産党
、
社会民主党
・
市民連合
の三
会派共同提出
の
法律案
、両
法案
について
質問
いたします。 まずは、
教育改革
についての
現状認識
についてお
伺い
をいたします。
社会
の急激な変容の中で、また長引く不況と将来への不安の中で、また
国民
の
意識
から大きく乖離した
政治
、そして
政治家
への根の深い
不信感
の中で、今、
我が国
の
社会全般
にわたって著しいモラルの低下が散見されるわけでございます。
教育
も例外ではございません。
いじめ
、不
登校
、
中途退学
、
学級崩壊
、そして
凶悪犯罪
の低
年齢化
、絶望の低
年齢化
が間違いなく進んでおり、大きな
社会
問題となっております。
教育
に対する
閉塞感
は日に日に強まっております。
教育
の
現場
をもうこれ以上荒廃させてはならない、二十一
世紀
の
日本
を担う健全な青少年を育成するための確固たる基盤をもう一度きちっと整備したい、そんな
国民
の切なる
希望
と
期待
を受けて、
政府
が
教育改革
を打ち出してもう何年もたちますが、一向にその成果が見えてきません。
教育
の
現状
に対して、
町村文部科学大臣
はどのような
認識
を持っていらっしゃいますか。 また、先般、新聞のインタビューで、これまでの
教育改革
が
目標どおり
にいかなかった
理由
について、これは
社会
全体の
意識
の問題なんだと
文部大臣
はコメントしておられました。確かに、
国民
の
意識
は大切な要素でございます。しかしながら、
教育行政
を預かる
文部科学大臣
が、
改革
が進まなかった
理由
を
社会
の
意識
という一言で片づけてしまうのは、余りに無責任ではないでしょうか。改めて
お尋ね
いたしますが、
町村大臣
、今までの
教育改革
がうまくいかなかった原因はどこにあるとお
考え
でしょうか。 次に、
教育予算
の
配分
について
お尋ね
いたします。 今、
政府
に問われているのは、国における
教育
の
位置づけ
です。
国家
全体で抜本的な
構造改革
を行い、
教育
を
名実とも
に国の第一の
重要課題
に
位置づけ
るべきだと私は思います。今の
教育
が抱える問題の深刻さを
考え
れば当然のことであります。
GNP
に対する
公財政支出
における
学校教育費
の割合は、
日本
の三・六%に対し、アメリカは五・〇%、イギリスは四・六%、フランスは五・六%、ドイツは四・六%となっており、それら
先進諸国
と比べて、
我が国
は一%以上の開きがございます。一方で、
日本
の
公共投資額
は、対
GDP比
約六%でございます。他の
先進諸国
はほぼ二%から四%でございますから、
景気対策
という名目のもとに、いかにむだの多い
ばらまき投資
がまかり通っているかが、これでわかるわけでございます。
教育
は
未来
への
先行投資
です。これだけ
教育
が問題視され、
教育改革
を標榜していながら、従来の
予算配分
を踏襲するだけでは、
文教族
を自認する
森総理
の名が泣くのではないでしょうか。この点について、
町村大臣
、
総理
とはどのようなお話をされているのでしょうか。 これまで
政府
は、
財政的負担
を
理由
に挙げて、
学級編制基準
の引き下げを拒んでまいりました。さきに述べましたように、諸外国と
比較
しても
日本
の
教育予算
は大変貧弱であります。
教育現場
の荒廃を食いとめるための思い切った財政的な
措置
も念頭に置いた
抜本的改革
が、今、求められていると私は
考え
ます。 少
人数学級
を
実現
することにより、
子供たち
一人一人への目配りが行き届き、
子供たち
への
理解
が深まること、また、個に応じた
学習指導
が行われるようになることは確かでございます。他に有効な
手段
や
対策
が見つからない現段階では、まず、
財政的負担
を
覚悟
の上で、
教員
の数をふやすことは有効な手だての
一つ
だと思われます。この点、
町村大臣
はどのようにお
考え
でしょうか。
教育予算
の
あり方
、
位置づけ
について、
財務大臣
にお聞きいたします。
教育改革
のために
財政措置
が必要であれば
予算
をつける
おつもり
があるのか、財政難の今、
教育
であっても
予算
をつけることはできないとお
考え
なのか、また、
冒頭
に述べましたように、
公共投資
と
学校教育費予算
は他の
先進諸国
に比べて著しくバランスを欠いておりますが、その点、いかがお
考え
でしょうか。 これまで
文部省
は、
学級編制
は四十名という
基準
に固執し、それ以外を認めてまいりませんでした。全国一律、画一的な
文部省
の
教育行政
をまさに象徴していると言えます。今回は、単に
地方
の
負担
で少
人数学級
を
実現
したいならそれを許しますよというだけのことで、国は何の
負担
も
痛み
も負っていません。少
人数指導
と聞こえのいいことを言いながら、
政府
は
痛み
を伴わない
小手先
の
改革
に終始している
印象
を持ちますが、その点、
文部科学大臣
はどのようにお
考え
でしょうか。 続きまして、少
人数指導
と少
人数学級
の違いについて
質問
いたします。
政府案
について、例えば、
公立小中学校
で二十人
授業
とか、
公立
三十人
学級
可能になどの報道がなされております。あたかも
教員
の数がふえるような
印象
を持ってしまいますが、何度も述べているとおり、
学級編制
の
基準
は、
現行
の四十名を二十年間も堅持しているわけでございます。従来の枠の中で、
自然減
の
教職員
を
改善計画
として打ち出したにすぎません。つまりは、
子供
の数が減った分だけ
教員
を首にするわけにもいかないので、そのつじつまを合わせただけの、場当たり的な
帳じり合わせ
にすぎないわけでございます。 しかし、今、
教育改革
の一環として求められていることは、そういうことではございません。今こそ
教育そのもの
の
抜本改革
が求められているわけでございます。 来月より
総合学習
が始まります。一方的な
授業
ではなく、体験を通じて一人一人みずから
考え
る力をはぐくむ、そういう
趣旨
であると私なりに
理解
をいたしておりますが、四十人
学級
という
規模
ではその
効果
も低くなるのではないかと
考え
ますが、いかがでしょうか。 実際、
政府案
では、
主要科目
において少
人数指導
をうたっており、
政府
も、少
人数
でなければやっていけない、そういう
意識
を持ち始めたことを推察いたします。 なぜ少
人数指導
が必要だと
考え
るのか、さらに、少
人数指導
は必要だが少
人数学級
は不要と
判断
し、
学級編制
の
標準
を下げなかった
理由
を
文部科学大臣
にお聞きいたします。 また、三
会派提出法案
に対しては、少
人数指導
だけでなく、少
人数学級
が必要なんだ、そう
考え
た、その
背景
にあると思われる
教育現場
の実情について詳しくお聞きいたしたいと存じます。 さらに、心配される
教育
の
地方格差
についてもお
伺い
をいたします。 両
法案
とも、いずれも
地方自治体
の
判断
による
弾力的運用
を認めております。
文部科学大臣
は、
教育行政
における
地方分権
の青写真をどのように描かれておられるのか。国の
役割
、
都道府県
の
役割
、そして、
市区町村
の
役割
をどのようにお
考え
になっていらっしゃるのでしょうか。
教育
の
地方分権
は
中央教育審議会
でも明確に打ち出されておりますが、
政府
が
考え
る
地方分権教育
とはいかなるものでしょうか。将来、
教育
の
権限
を
地方自治体
と
学校
に移譲する徹底した
地方分権
まで目指しておられるのでしょうか。それとも、今回のように、
財政支出
という
痛み
を伴うものは
地方
に押しつけ、しかし
権限
は依然
政府
が抱え込むといった、そんな中途半端な
地方分権
で終わらせる
おつもり
なのでしょうか。
文部科学大臣
並びに三
会派案提出者
に見解を
伺い
ます。
地方
の
財政負担
による少
人数学級
を認めた場合、財政的に
余裕
のある
自治体
では、
教育
に
予算
がつぎ込まれ、恵まれた
教育環境
が整備され、一方、
余裕
のない
自治体
では、
教育予算
がつかず、
地方
により
格差
が生じることが予想されますが、
政府
はそれを是認したと
考え
てよろしいのでしょうか。
文部科学大臣
にお聞きいたします。 続いて、
教育改革関連法案
について
質問
いたします。
文部大臣
を経験している
総理
は、今
国会
を
教育改革国会
と名づけておられましたが、
KSD事件
、
外務省機密費事件
などで、
教育
の名は吹っ飛んでしまった感がございます。
文部科学大臣
は今でも本
国会
が
教育改革国会
であると
認識
されていらっしゃいますでしょうか。その意図、意気込みを御確認いたします。 今
国会
では、昨年末に出された
教育改革国民会議
の
最終報告
に基づき、
教育改革関連法案
が
審議
されます。今
国会提出予定
の
法案
には、いわゆる不
適格教師
を本人の同意なしに他の職種へ異動させる、問題を起こす
子供
の
出席停止要件
を定めるなど、見方によっては切り捨ての
発想
ともとれる
内容
が含まれております。
根本治療
ができないので、ひとまず患部を切り捨てていくようにもとれます。 確かに、
教育
の荒廃した
現状
を
考え
たとき、このような
手段
が必要な場合もあり得るとは思います。しかし、
立法趣旨
、その
要件
がはっきり
国民
に明示され、コンセンサスを得ることが不可欠でございます。どのような
発想
でこのような
法案
を
考え
ておられるのか、
文部科学大臣
のお
考え
をお聞かせください。 そして、
最後
に一言申し添えさせていただきます。 依然回復の兆しすら見られない
経済情勢
、また、国と
地方
の深刻な
財政状況
については、私も十分に
認識
しているつもりでございます。その中で今、少
人数学級
を
実現
することは決して容易ではないとの
認識
も持ち合わせているつもりでございます。 しかし、
国民
の皆さんの家庭を見ていただきたい。苦しい家計の中でも、
子供
の
教育
のためなら最大限の無理をしているというのが
現状
ではないでしょうか。それがどうしてこの国にはできないのか。 もっとも、
教育
に限らず、将来世代への責任を一切放棄しているという点では、現在の
歳出構造
は見事に
整合性
がとれていると言ってしまえばそれまででございますが、ぜひとも、二十年先、三十年先を見据え、議論を深め、
審議
を進めていただきたく
希望
を申し上げまして、私の
質問
とさせていただきます。(
拍手
) 〔
国務大臣町村信孝
君
登壇
〕
町村信孝
8
○
国務大臣
(
町村信孝
君)
牧議員
から数多くの御
質問
をいただきましたので、若干のお時間をいただきまして、お答えを申し上げます。 まず、
教育
の
現状
及び
教育改革
に関しての
お尋ね
がございました。
日本
の戦後の
教育
は、
機会均等
の理念ということから、
国民
の
教育水準
を高め、
経済社会
の
発展
の原動力となってまいりました。しかし、近年、先ほど御
指摘
のあった、
いじめ
、
学級崩壊
等々、非常に厳しい現実を抱えておりまして、
我が国
の
教育
は危機に瀕している、こう
考え
ております。 なぜそうなるかということを
考え
てみたときに、やはり
一つ
の大きな要因では、個人の尊厳を強調し過ぎる余りに公を軽視する傾向が広がってきたことや、あるいは平等ということを強調する余りに行き過ぎた
平等主義
による
教育
の
画一化
でありますとか、過度の
知識
の詰め込みなどが
指摘
されているところであります。 なぜ
国民
の
意識
ということを言ったかといいますと、多少の
制度
を変えてみたり、あるいは
教員
の数を多少増減させてみても根本的な
教育改革
にはならない、こう私は
考え
るわけでありまして、
国民
の
意識変革
なくして真の
意味
の
教育改革
はあり得ない、そういう
意味
から、私は
意識
ということを申し上げたわけであります。 いずれにいたしましても、
教育改革
を進めるためには、
国民
全体の幅広い御支援が必要だということで、今、この
教育改革
を
一大国民運動
にしていこうということで努力をしているところであります。 次に、
教育予算
の
配分
についての
お尋ね
がございました。
公財政支出
における
学校教育費
の
GNP
との
比較
、これは、国によりましていろいろな条件が違っております。どのくらい
地方分権
が進んでいるか等々、さまざまな
状況
がございますから、単純な
比較
は非常に難しいわけであります。 いずれにいたしましても、
議員
御
指摘
のとおり、
教育
は
未来
への
先行投資
という
意識
は私
ども
も共通をして持っておりますので、
日本
の二十一
世紀
において心の豊かな美しい
国家
を
実現
するためには、思い切った
教育改革
を断行していき、また、必要な
施策
に必要な
予算
を着実に
確保
していくということが必要であると
考え
ます。この点につきましては、
総理
も同様の
考え
方を持っているところであります。 次に、
財政負担
を
覚悟
の上で少
人数学級
を
実施
し、
教員
の数をふやすべきではないかという御
指摘
がございました。 きめ細かな
指導
の
充実
のために、
教職員定数
の
改善
など、
教育
指導
体制の
充実
を図ることはとても重要なことだと
考え
ております。 しかし、
教育
指導
体制の
充実
方策につきましては、
教育
指導
を
効果
的に行うためには、固定的な
学級
にとらわれないで、教科等に応じて少
人数指導
を行うなど、きめ細かな工夫が必要であること、また、個々の
児童生徒
にとって多数の
教員
がかかわることが個性をはぐくんでいく上で
効果
的であるといったような点から、少
人数学級
の
実施
よりもより
効果
的な
手段
を選択する必要がある、かように
考え
ております。 このため、新しい
改善計画
においては、教科等に応じて少
人数指導
を行うなど、わかる
授業
づくりを進めることとしております。これにより、五年後には、
教員
一人当たりの
児童生徒
数が、小
学校
では十八・六人、中
学校
では十四・六人と欧米並みの水準になり、
教育環境
の
改善
には大変有効な手だてになると
考え
ております。 次に、国は何の
負担
も負わずに
小手先
の
改革
に終始しているのではないかという御
指摘
がございました。 今回の
改正
案におきましては、
基礎学力
の向上のため、教科等に応じた少
人数指導
の
実施
のための
定数
改善
を行うとともに、
地方分権
の推進の観点から、各
都道府県
の
判断
により弾力的な
学級編制
を行うことを可能とすることとしております。 この少
人数指導
の
実現
を含め、新たな
改善計画
では、
義務教育
諸
学校
について二万六千九百人の
改善
を行うこととしており、従来の国庫
負担
額約三兆円に加えまして、初年度、
平成
十三年度においては、国として、五千三百八十人、約二百二十三億円の
財政負担
をすることといたしております。 なお、
学級編制
の引き下げに要する
教職員
については、
教職員定数
の総数を活用してある程度対応することが可能でありますが、それを超える部分への国庫
負担
につきましては、国庫
負担
制度
が
義務教育
の妥当な
規模
と
内容
とを全国的に保障するものである、この
趣旨
から困難であると
考え
ております。 全国一律に
学級編制
の
標準
を引き下げるという
お尋ね
がございました。 これにつきましては、いわゆる
学級
王国と言われる
状況
は変わらないこと、あるいは集団の中での人間関係の形成や切磋琢磨という面から、一
学級
当たりの
人数
はある程度の
規模
が必要であると
考え
られることなどから、必ずしも有効な
手段
であるとは
考え
ておりません。 このため、今回の
改正
では、例えば小
学校
の国語、算数、理科、中
学校
の英語、数学、理科など、習熟度に差がつきやすいような教科や、あるいは小
学校
の低学年、一年生、二年生などについて、二十人程度の集団による
指導
が行えるようにするための
定数
改善
や、特に必要があると
都道府県
が
判断
する場合には特例的に
学級編制
の引き下げを可能とする
制度
改正
を行うこととしているのであります。 なお、総合的な学習の時間についてお触れがございましたが、取り扱う
内容
に応じて、
学級
の枠を超えたグループ別の活動や、あるいは学年を超えた異なる年齢集団での活動など、必ずしも
学級
の枠にとらわれないさまざまな学習形態が
考え
られます。このため、
学級
規模
が大きくなると
教育効果
が低くなるということは、一概には言えないと
考え
ております。 次に、
教育行政
における
地方分権
についての
お尋ね
であります。
教育行政
においては、国と
地方公共団体
が、それぞれの責任と
役割
を果たしていくことが大切だと
考え
ております。国は、基本的な
制度
の枠組みや全国的な
基準
の制定、必要な財政援助等の
役割
を担い、次に
地方公共団体
の方は、
学校
を
設置
するなど、さまざまな
教育
事業を
実施
する
役割
を担っているわけであります。 こうした国と
地方
の
役割
分担のもと、
地方分権
を推進するために、いわゆる
地方分権
一括法によりまして、
教育
長の任命承認
制度
の廃止などの
制度
改正
を既に行ったところでありますが、また、
教育
課程についても、
基準
の大綱化、弾力化を行ってきたところであります。 今回の
学級編制基準
の弾力化につきましても、
地方分権
を推進する観点から、各
都道府県
が、必要に応じ、国の定める
標準
を下回る
基準
を定めることができるようにするものであり、今後とも、
教育
の
地方分権
をしっかりと進めてまいりたいと
考え
ております。 次に、
地方
の
財政負担
による少
人数学級
を認めることは、財政的な
格差
に基づく
自治体
間の
格差
を是認することになるのではないかとの
お尋ね
でございます。 御
指摘
のように、
都道府県
が、
児童生徒
の
実態
に応じ、特に必要があると
判断
する場合には
学級編制基準
を弾力的に設定することを可能とすることにより、各
都道府県
ごとの
学級編制基準
が異なるということが予想されるわけであります。 しかしながら、今回の
改正
は、国としては、従来どおり
義務教育
の妥当な
規模
と
内容
とを全国的に保障することを前提としながら、各
都道府県
の主体的な
判断
と責任に基づいて、
実態
に即した創意工夫ある取り組みを一層推進できるようにすることを目的とするものであり、
教育
の
地方分権
の
趣旨
にのっとったものであると
考え
ておりまして、ぜひ御
理解
をいただきたいと思います。 それから、この
国会
を
教育改革国会
とする、その意気込みがあるのか、こういう
お尋ね
でございました。 もちろん、あるわけであります。文部科学省におきましては、昨年十二月の
教育改革国民会議
の
最終報告
を踏まえまして、ことしの一月二十五日に、二十一
世紀
教育
新生プランを決定いたしました。今後、このプランに基づきまして、
教育
の新生を目指しまして、
学校
がよくなる、
教育
が変わるという実感が持てるような
教育改革
を、スピーディーに、果断に実行してまいることとしております。 私としては、今
国会
を
教育改革国会
と
位置づけ
て、まずは緊急に対応すべき事項として、ただいま御
審議
をいただいております
公立学校
の
学級編制
、
教職員定数
等に関する
法律
の
改正
など六本の
教育改革関連法案
を
提出
を、一部しましたし、また予定をしておりますが、また、
教育改革
関連
予算
を盛り込んだ
平成
十三年度
予算
案の成立に、今、参議院で御
審議
をいただいているところでありますので、この成立に向けて全力を尽くしてまいりたいと
考え
ております。KSD、その他の議論よりはもっともっと
教育改革
を御議論いただきたいと心からお願いをする次第でございます。(
拍手
)
最後
に、
児童生徒
への
指導
が不適切な
教員
や、出席停止に関する
法案
についての
お尋ね
であります。
教員
の職務は、
児童生徒
の人格形成に大きな影響を与えます。このため、
指導
が不適切な
小中学校
の
教員
が
都道府県
の
教員
以外の職に転職できるように、
地方
教育行政
の組織及び運営に関する
法律
を
改正
する
法律案
を
国会
に
提出
いたしました。 また、問題行動を起こす
児童生徒
について、
学校
が最大限に努力しても他の
児童生徒
の
教育
を妨げる場合には、やむなく出席停止の
措置
を講ずるということが必要な場合もございます。このような
児童生徒
に一層適切に対応できるように、出席停止
制度
について、
要件
の明確化、手続
規定
の整備、出席停止期間中の
児童生徒
の学習支援等を
内容
とする
学校教育
法の
改正
を予定しているところであります。 以上であります。(
拍手
) 〔
国務大臣
宮澤喜一君
登壇
〕
宮澤喜一
9
○
国務大臣
(宮澤喜一君)
教育予算
の
あり方
についての
お尋ね
でございましたが、
我が国
が、今後、創造的で活力に富んだ
国家
を目指していくために、
教育
の果たす
役割
は非常に重要であります。
教育予算
については、時代に応じたあるべき
教育
の
実現
に資するため、必要な経費について十分配慮してきており、その結果、例えば、
教員
一人当たりの
児童生徒
数が欧米と遜色ない水準となるなど、
教育環境
の
改善
が十分図られてきていると
考え
ております。 また、十三年度
教育予算
におきましても、
教育改革
の推進のための環境整備として、現在お諮りしております
法案
に基づきまして、少
人数指導
の
実施
等を推進しておりますほか、
教員
の
指導
力、資質の向上やいわゆる
いじめ
、不
登校
等の諸
課題
への取り組みの推進、育英奨学事業の
充実
、高等
教育
、学術研究の推進などを行うこととしておるところであります。 なお、
我が国
の
公共投資
と
学校教育
予算
は他の
先進諸国
に比べてバランスを欠いているとの御
指摘
でございましたが、
我が国
の場合、
公共事業
費については、極めて厳しい自然条件、地理的条件、あるいは都市部における高額な地価や複雑な権利関係などが存在いたしますために、建設コスト、用地費、調整コストがかなりかさむという事情がございますが、他方、
学校教育
予算
については、
教育予算
の基礎の
一つ
である
児童生徒
数の総人口に占める割合が各国に比べて小そうございます。また、私立
学校
の比率が高いといった
教育
制度
の相違があることなど、
公共投資
、
教育
をめぐる各国の
状況
に相当な違いがございますので、単純な
比較
は困難であると思います。 いずれにせよ、今後とも、
予算
の
配分
につきましては、時代のニーズや
経済社会
のあるべき姿を踏まえつつ、効率的、重点的な
措置
を講じていくことが肝要であると
考え
ております。(
拍手
) 〔山内惠子君
登壇
〕
山内惠子
10
○山内惠子君
社会民主党
・
市民連合
の山内惠子でございます。 少
人数指導
だけではなくて、少
人数学級
が必要と
考え
たその
背景
にある
教育現場
の実情と、三十人以下
学級
の必要性についてお答えいたします。
子供たち
をめぐる
状況
は、今、
いじめ
、不
登校
、
学級崩壊
、そしていわゆる十七歳少年問題等々、深刻な
状況
にあります。不
登校
は全国で十三万人を、高校中退は十一万人を超えていると言われています。むかつく、キレるという言葉の裏に、
子供たち
の悲鳴が聞こえるような気がいたします。 高度経済成長の入り口で、何もないけれ
ども
希望
だけがあったという戦後
教育
のシステムが、今これほど耐用年数を切らして、
子供
とミスマッチしていることはありません。最も遊びの必要な低学年に過重な
負担
を負わせる
学習指導
要領の責任も大きいと思います。三割削減で許されるようなものではありません。
子供
の人権が本当に尊重されてきた時代があったのでしょうか。平等が本当に
実現
されてきたのか、疑問です。
学校
といえば、
子供たち
が思い浮かべるのは、テスト、通知表、入試、校則等々です。こういう
学校
に対するすくみ現象が不
登校
の最大の原因ではないかと思います。事実、
学校
現場
は、特に担任は、
授業
の準備、それから
授業
、そして評価、各種行事等々に追われ、一人一人の
子供たち
とゆっくり向き合えるような
現状
にないのです。 中高生に、人間として大切にされるということはどういうことか、人間として大切にされるということはどういうことかと
質問
をしましたら、成績で差別されない、このことをトップに挙げています。中学生の六一・五%がこれを挙げているのです。
子供たち
は、習熟度別の少
人数
グループを願っているのではありません。 第二番目に、言い分をきちんと聞いてほしいと言っています。担任や友人に自分の言い分をきちんと聞いてほしいと願っているのです。それには、一クラス四十人では多過ぎます。 子
ども
の権利条約第十二条には、
子供
の意見表明権というのがあります。大人は
子供
の声に耳を傾ける責任があるということです。問題行動を起こす
子供たち
を出席停止にするのではなく、悩みを聞き、問題解決に向けての支援をしなければならないと思います。そのために少
人数学級
は有効です。
教育
にお金をかけないということはもう限界に来ています。
小手先
だけの
改革
で片づけられるようなときではありません。
子供
が輝ける二十一
世紀
にするために、ともに学び、ともに生きることのできる三十人以下
学級
の
実現
こそが、子
ども
の権利条約の言う最善の利益の重要な
一つ
であるということを申し上げて、答弁といたします。(
拍手
) 〔石井郁子君
登壇
〕
石井郁子
11
○石井郁子君
教育
の
地方分権
化についての
お尋ね
がありました。
学校
は、本来、地域に根差し、地域によってはぐくまれるものです。その地域に住む住民によって支えられ、その
期待
を担って
学校
そのものがはぐくまれてきたのは、そう遠い昔の話ではありません。
教育
基本法の制定当時の
教育行政
は、
地方分権
の原理のもとに進められたのです。そうした
考え
で公選制の
教育
委員会
制度
が発足しましたが、
教育
内容
も含めて、相当の部分を
地方
の
教育行政
に移していくという徹底した
地方分権
の構想に基づいて進められました。 ところが、任命制の
教育
委員会
制度
に変えるなど、
我が国
の
学校教育
は
文部省
に縛られ、
学校
が息苦しい暗い場に、そして
画一化
し、個性や特徴のないものに変えられていったのです。
地方自治体
が少
人数学級
に踏み出そうとしても、それにストップをかけてきたのが
文部省
でした。 今必要なのは、地域に根差した
教育
であり、一人一人が大切にされ、個性を豊かにはぐくむ
教育
です。何よりも、
子供たち
に基礎的な学力を保障することが求められています。どの子にも行き届いた
教育
のために、三十人以下
学級
の
実施
はどうしても不可欠です。 そのために、
教育
の
地方分権
を進め、各地域の実情に応じて
教育
が行われることが重要です。
教育行政
の主体的担い手は
地方自治体
であり、
教育
委員会は、地域に根差した民主的な
教育行政
を推進すべきなのです。そして、国は、
教育
の
機会均等
確保
のために、条件整備に最大限の支援を行うことに徹しなければなりません。
政府案
は、四十人
学級
はそのままで、少
人数学級
をやりたければ
地方自治体
が全額
負担
せよというのでは、余りにも無責任です。管理と統制は強化し、一方で
財政支出
を
地方
に押しつける、そうしたやり方は
教育
の
地方分権
に逆行するものと言わなければなりません。 以上をもって答弁とさせていただきます。(
拍手
)
綿貫民輔
12
○
議長
(
綿貫民輔
君) これにて
質疑
は終了いたしました。
————◇—————
綿貫民輔
13
○
議長
(
綿貫民輔
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十二分散会
————◇—————
出席
国務大臣
財務大臣
宮澤 喜一君
文部科学大臣
町村 信孝君 出席副大臣 文部科学副大臣 河村 建夫君