○佐々木(秀)
委員 どうも、
裁判官分限法を見ても、その点は全くはっきりしていないんですね。
分限裁判の手続も、どういうようにやるのかなんて全然書かれていないんですよ。だから、ある意味ではこれは全く別世界で、それこそこれも秘密のうちにやられているようなもので、せめて、どういうように行われたかということは、それぞれの
裁判所で、差し支えない範囲で
国民の
皆さんにも明らかにされた方がいいと僕は思うんですね。それこそ、これも
裁判だと言っているんだから、
裁判の
信頼性の問題もあるわけで、こういう点は、今後の問題もあろうと思うけれ
ども、考えなきゃならないと私は
思いますね。
そして、そこで行われた
決定が、さっきも質問がありましたように、これは法定でそうなっているからしようがないんだけれ
ども、過料一万円でしょう。これは
司法罰ではありますよね、過料だから。科料ではないよね。
行政罰ではなくて
司法罰ではあるけれ
ども、一万円以下でしょう。あとは戒告しかないんですからね。
処分の
内容としてはまことに軽い。ただ、そういうところにかけられたということで、それこそ
裁判官の信用性ということが著しく損なわれるというダメージはもちろんあるんでしょうけれ
ども、それにしても、この手続問題を含めて、これもなかなか
国民の
皆さんの御
理解を得られないところではないかなと私は
思います。
それから、
法務大臣がもうそろそろ来られるそうですけれ
ども、その前にもう一つ聞いておきたいと
思いますが、先ほど、
裁判所としては、古川
裁判官については
証拠隠滅だとかそういう疑いはかけられたけれ
ども、
調査の結果その嫌疑はない。結局は、事務総長のお話、また
調査報告にも書いてあるように、実質的な弁護活動と見られるようなことをやった。それについては西村議員の方から、いや、しかしそれは人間としてはという話もあったわけですけれ
ども、なかなか難しいところではあろうかとは思うんです。
これについて、この
コピーをほかへ話をするなんというのは、
司法行政上の必要に基づいてごくごく限られた条件では許される場合があるけれ
ども、
本件の場合にはそれを逸脱しているんだ、だから、例の
コピーの方の問題からいうとそれが問題になっている、こういうお話だったですね。この
司法行政の問題というのは、
裁判所法によると、実は最高
裁判所、高等
裁判所、地方
裁判所それぞれに
裁判官会議があって、ここで本当は決められるものだと。
司法行政の問題というから、さっきお話があったような
人事の問題だとか、そういう身分
関係あるいは処遇の問題も本当は
裁判官会議で行われるべきところだと思うんだけれ
ども、その後に、所長にあるいは長官に権限を移譲してそこに任せるというようなことがずっと慣例として行われてきたんですね。かつてだったら、こういうような問題が起こった場合に
裁判官会議があってもおかしくないと私は思うんです。
例えば、余り時間がないから詳しく申せませんが、昭和四十四年だったと
思いますけれ
ども、札幌の地方
裁判所で長沼
裁判が起こったときに、例の、
事件を担当した福島
裁判官に対して札幌地方
裁判所の当時の所長の平賀さんがこの
事件の結果を云々するような書簡を送って、それが平賀書簡
事件として大問題になりましたね。あのときには、札幌地裁で地方
裁判所全
裁判官が
出席をした
裁判官会議が開かれてけんけんがくがくの議論が行われて、その結果、その
裁判官会議の
決定として平賀所長に対して注意
処分が出されたというようなことが
報道であった。
最近、
裁判官会議なんということは全く行われていないんでしょう。今度の場合でも、
福岡地裁あるいは
福岡高裁で
裁判官会議なんというのは開かれていないわけですね。その点どうですか。
〔
奥谷委員長代理退席、
委員長着席〕