○山内(惠)
委員 サラマンカ宣言の中では、すべての
政府に対して、やむにやまれぬ
理由がない限り、普通
学校にすべての
子供を在籍させるインクルーシブな
教育の原理を採用することということを求めています。
その
意味では、私がいました地元の
学校にも、車いすの
子供が一年生に入り、全校生徒の拍手で迎えられたという体験があります。しかし、
学校というのは本当にこの日本において貧しい発想でつくられているということを、その子が一人来てもっとよくわかりました。この子が来るに当たって、玄関のスロープをやっと
一つつけただけです。この子が六年間、階段を
自分で車いすをおりて上るという暮らしをせざるを得なかった。本当に
先生方も
子供たちもみんな応援態勢は見事でしたが、この子が中学へ行ってまた同じ暮らしをし、高校は、先日会いましたこの子は地元の高校には通えず汽車通をしています、車いすで。これはもう親の同伴はない
状況でしたから、あの子も頑張っている姿を見て、じんとくるものがありました。
私は、一九九〇年、スウェーデンの
学校に行きましたが、みんなと一緒に勉強する中で、重度の
子供は三台の車いす、そして腕
一つで戸があく
学校、そういう
状況を見てきただけに、日本の
学校の
状況はもっともっとインクルーシブな
状況になるような改革が必要だということを申し上げて、次に参ります。
子供観につきましては何ら変わらなかったとおっしゃったのは、子
どもの権利条約を批准したということの重みをわかっていらっしゃらないと私はきょう思います。かつて、
子供に対しては、保護するものという発想が強くあったはずです。そして、
教育されるものという発想。しかし、子
どもの権利条約では、
子供は権利の主体者である、
子供は表現者である、そして、
子供には最善の利益としての
教育を保障することだというふうに
考え方が大きく変わったのが、この条約を批准する
意味にあったと思います。
外務省が批准した六年前に、世界じゅうの
子供たちの幸せのためにと書かれているのですが、日本の
子供たちのどこを直すかという方針がなかなかなかったのではないかと思います。それだけに、
文部科学省が、この
子供観が違うのだ、変わったのだということを、
教育現場にいる者や
子供たちにも伝える努力が必要だと思います。
しかし、前にお聞きしたときは、それぞれの自治体でというお
答えでした。これは五月の二十四日の新聞ですが、全国の新聞の一ページに載ったと思いますが、全国初の川崎市
子供の権利条例スタートという新聞のコマーシャルです。そして実は、次の日の新聞ですね、私の北海道でも、奈井江町というところでは、
子供の権利条例を制定すると。ニセコ町では町づくり条例の中にうたっている。こういう努力は自治体がしてきています。そして、川崎の
子供たちのために今制定されたという
内容は、
子供の絵で、
子供たちの努力でこんなすばらしいものが実現してきています。でも、これができた
学校だけがこのことを知っている
状況では、私はだめだと思います。全国の
子供たちが子
どもの権利条約は
自分のものなのだという自覚をして初めて
子供の
意見表明権が生かされると思います。
時間も相当短くなっていますけれ
ども、きょう配付しました「子
ども」という詩、これは実は、「あなた
自身の社会」というスウェーデンの
中学校の
教科書に載っている詩を、ここで皆さんに配付させていただきました。この
教科書を編集するに当たって、実社会への手引きとなる
教科書だということがあって、この詩が載っているのは、家族と
子供というところで、十八歳になればあなたたちは結婚ができるのだというページの中でこれが使われています。
実は、先日の本
会議で西議員が使われた、西議員の先日の発言の中にも、褒めることで育つとおっしゃったという
意味では、高校の
先生をしていらしたとお聞きしましたが、間違いだったらごめんなさい、
子供に対する目線が私と共通したのかなと思います。
批判ばかりされた 子
どもは
非難することを おぼえる
殴られて大きくなった 子
どもは
力によることを おぼえる
笑いものにされた 子
どもは
ものを言わずにいることを おぼえる
皮肉にさらされた 子
どもは
鈍い良心の もちぬしとなる
全部読むには時間がありませんので、下の方へ行きますと、
フェアプレーを経験した 子
どもは
公正を おぼえる
そして、友情を覚えれば親切、そして、安心を経験した子は信頼を、
可愛がられ 抱きしめられた 子
どもは
世界中の愛情を 感じることを おぼえる
しかし、今回の
教育改革にかかわる体験学習としてのこの奉仕体験の部分で言えば、どうも国家が
子供たちのわがままを抑えつける発想で出てきたのではないかと心配する声が相当たくさん新聞紙上にもあったように思います。
時間が限られていますので、確認をしながら、この
委員会の中でも、何度も出てきている部分の確認もさせていただきながら、次の
質問に行きたいと思います。
この
子供にかかわる発想、
視点というものをぜひ
文部科学省としても持っておいていただきたいという
意味で、この奉仕
活動についての
質問ですが、
改正法案十八条は、言うまでもなく努力せよということですから、努力義務ととらえて間違いないであろう。もし間違いがあれば後でおっしゃってください。きのうの言葉では、義務でもなく、強制でもないとおっしゃったので、そのように確認をしていきます。
国民会議の報告書には、
活動の期間が書いてありますけれ
ども、
法案には書いていない。このことも明示はしていないけれ
ども、理解を得るとおっしゃったわけですから、しかも
地域での実情に合わせてというわけですから、合わない場合には、無理にできないというときもあるということを確認してもよろしいでしょうか。