○
原田(義)
委員 今、
現行の
制度による
区割りの
見直しというか、これは今御
報告をいただいたとおりでありますけれ
ども、いずれにしましても、それだけにとどまらず、これから
選挙制度そのものの改革の
議論が行われるというふうに
認識をしております。ここから先は、逆に、
政府というよりも
政党間で、
政治の側で恐らく決めることになるのではないかと思います。
一つは、
選挙制度そのものを
見直したらどうかという
意見もあるやに聞いておりますし、もう
一つは、
定数の是正といいますか、
小泉総理も非常に
歯切れよく、最近の
報道でもまたいろいろな場で、一対二の間におさめる、そういうふうに
努力すると発言しておるようでございます。
時間が来ましたので、
結論から言いますと、私は、
選挙制度というのは絶対のものはないと思っているのですよ。要するに、この
制度になれば
問題点がない、この
制度にすればすべていいというものはないと思っています。
そういう
意味では、私は、中
選挙区から小
選挙区に変わったその間をずっと
政治家としておりまして、中
選挙区を直すときに、何か全部悪い、小
選挙区になれば全部
バラ色になるみたいな、そういう論調の中で、
平成何年ですか、新しい
法律ができたわけですね。しかし、今になったら、また小
選挙区が問題があり過ぎるというような言い方をしていますけれ
ども、私は、
選挙制度というのは
ルールなんだから、それはいい面も悪い面もある。それ
自体が理想的ですべて完璧無比というのでもないのであって、要するに使い方だ。それの活用の仕方であって、
ルールなんだから、その
ルールに基づいて
自分たちも
選挙をやり、またそのベースに
政党ができ上がって、その
政党が
政治をつかさどるということだろうと思うんです。
ですから、そういう
意味では、今の
選挙制度をまた一からやり直して全く違う
制度に変えるということには、
結論から言うと、私は絶対
反対なんです。この
ルールを見直すのに、それだけのまたすさまじい
エネルギーとコストといろいろなのがあって、その間のいろいろな混乱を考えますと、今の小
選挙区
制度の悪いところはもちろん直さなきゃいけないけれ
ども、私はそういうような
立場を持っておりまして、また何かの
議論のときにやりたいと思っております。
それからもう
一つ、
定数の件ですけれ
ども、
小泉さんはさっき言ったように非常に
歯切れよく一対二以内と言っていますけれ
ども、これは
現行の
法律でもそうですし、
平成八年の最高裁大
法廷判決でもそういう書き方になっているんですが、まずは一対二というのが基本であることは間違いないにしても、その数字だけが唯一の
基準ではなくて、やはりそれ以外の
政策目標、目的、そういうものを十分加味しながらこれを
判断すべきである、こういうトーンになっております。
諸外国の例を
幾つか引いてきておりますけれ
ども、アメリカもイギリスもフランスも、これを見る限りは、例えば州とか、日本の恐らく県に当たるんでしょうか、そこについてはある程度のでこぼこがあってもしようがない、しかし、その県内、その州内ではできるだけ平等なあれが維持される、大体こういうような規則になっておるようであります。決して、都市部と
地方というか、それは対立する必要も全然ないし、しかし、ただ人口だけでそれを削っていけば、それこそ、田舎の県とは言いませんけれ
ども、もうほとんど国会に発言権を失ってしまうという心配も出てきます。そこをバランスとるのがやはり私は
定数の配分だろうと思っております。
この
現行の
法律でも、一名ずつをまず配分した上で、その上で人口比をうまくつけ加える、加味するというような形になっておりますけれ
ども、そういうのがやはり私は妥当なというか、英知を集めた
結論ではないかなと思いますが、いずれにしても、この問題はこれから、特に参議院
選挙が終わってから、大
議論になろうかと思います。
私は、
平成二年に当選しまして、三年半、一期を務めました。それから落選したんですけれ
ども、その約五年ぐらいの間というのは、これは恐らく
選挙制度の
議論一色なんだよね。その間はもうそれ以外のことは耳に入らぬぐらい、やはりみんなが当然のことながらこれは関心事になるわけでございます。それによって得たのが今日の
選挙制度であるわけですから、やはりそれはそれで大事にしていかなければいけないなというのを、個人的な
意見も含めて披瀝させていただきました。
時間が来ましたので、少し
お話ししたいこともありますけれ
ども、またの機会にさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。