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深谷政府参考人 御
説明申し上げます。
訓練空域につきましてのお尋ねでございますけれ
ども、
事故原因につきましては、先ほど
事故調査
委員会の方からの
お話がございましたように調査中でございますけれ
ども、私
どもといたしましても、この
事故の重大性にかんがみまして、中
日本航空におきましては、私
どもの要請により、訓練飛行の自粛を現在行っております。また、今回
事故のありました訓練空域では、中
日本以外の民間の各社も、当分の間自主的に訓練を取りやめているという
状況でございます。
お尋ねの訓練空域につきましては、昭和四十六年の七月に全日空機と自衛隊機の空中衝突
事故がございまして、御記憶にあろうかと思いますが、いわゆる雫石
事故、これをきっかけにいたしまして、
航空の安全を確保するという
観点から、訓練機とそれから民間定期
航空機が飛行する空域、こういうものを分離することとして訓練空域を設けまして、
航空交通の安全を図りたい、こういうことでやってきたところでございます。
ただ、訓練空域につきましては、陸上の目標物を視認しながら有視界飛行をする、操縦練習などのこういった性格から、どうしても飛行場の周辺の陸上に設定するという必要もございまして、他方で、また、ある程度の広さの空域、こういうものも必要な事情がございます。
訓練飛行それ自体は我が国の
航空界のすそ野を構成する
部分でございますけれ
ども、広く
航空の安全あるいは発展、維持、向上、こういうためにも、十分な訓練飛行、こういうものは必要だと思いますし、それが実施できるような環境を整えるということも必要なことじゃないかというふうに思っておりまして、ただ他方で、訓練飛行そのものが普通の一般の飛行と比べまして特に危険なものだというふうには私
どもは認識してございません。
航空というものは私
どもの国民生活にどうしても欠くことのできないものになっております。訓練というものが我が国の
航空の安全と発展に必要不可欠、こういう点についてはぜひ御
理解をいただきたいと思います。
こうした訓練空域の設定の背景ですとか利用者のニーズ、あるいは訓練飛行そのものの
必要性、安全性を考えますと、訓練空域の場所的な見直し、これ自体を行うことはなかなか難しいということについても御
理解をいただければありがたいと思います。
ただ、
航空の安全確保とそれから
事故の再発防止、このためには、訓練空域の実態を踏まえながら、訓練空域の中で訓練飛行を行う
航空機が一定時期に一定の場所に集中することをできるだけ避けるというふうなことの空域管理あるいは運用方法、こういったことについて、現在、鋭意検討を行っておりまして、成案を得て速やかに安全で実効のある再発防止対策をとりたい、かように考えております。