○瀬古
委員 こういう削減を屈辱的だというふうにとりながらこれから
見直しをするという場合には、やはり私は、今後本当に
公共事業が抜本的に見直されるんだろうかという不安を覚えます。
特に今までの
見直し案でいいますと、どういう内容かというと、既に休止状態になっている、ほぼこの
事業は難しいというのがだあっと出されてきて、これを中止したということが言われているわけです。そういう点では、在庫一掃セールだなんて酷評をなさる方もいるぐらいなんですね。本当はもう、いつ切ろうかと思っていたので、ありがたいというか、そういう点では、これで
国土交通省もほっとしたというか、切るべきものを切っちゃったというか、この程度のものでしかないというふうに私は思うのです。
といいますのは、例えば、今、
環境と漁業
被害で大変大きな問題になっております諫早の干拓
事業の問題や、それから裁判になっております川辺川のダムの問題だとか、これは
見直しの対象に入りませんでした。
だから、私は率直に
大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、見直すという場合に、金額をこれだけ削減するぞといって
見直しをしてもらうというのも
一つの方法だし、一番効果的だと私は思うんですね。
公共事業を段階的に半分なら半分にするとか三分の一にするとか、まあ三分の一はちょっとすぐには難しいけれども、そういうやり方で、ある意味では、必要だと思っても、将来は必要になるかもしれない、しかし財政事情からいうと今は選択せざるを得ないという場合には、それは切らざるを得ないということもあるでしょう。そういうように金額でばしっと切るという方法もあります。
それからもう
一つは、
見直しをする場合に、やはり基準というものを指示してあげないと、さあ何か不要不急のものだけ出していらっしゃいというと、また在庫一掃セールの、やや残ったものが出てくるみたいなことになってはならないと思うんですね。そういう意味では、
公共事業の今後のあり方という点で、やはり今の段階における物差しというものをきちんとつくっていくということが私は大事だと思うんです。
そういう点では、前回、二百三十三
事業をはかった物差しが、残念ながら、やはりお粗末だったと思うのです。本格的に、だれが見ても、これは将来必要かもしれないけれどもやむを得ないなと、だれもが納得できるものをやはりきちっとつくるべきだ。
そこで私は提案したいと思うんですけれども、
公共事業という場合に、先ほど
大臣は、
道路の
関係でいうと、空港や港湾、こういうところに
道路をどうつくるかという、そういう意味では、
グランドデザインを私がつくって、それで指し示していくと言われたんだけれども、私は逆だと思うんですよ。もっと、住民サイドからどういう要求があるのか、確かに各知事とかを集めるのもいいですけれども、本当に、
生活している住民の
皆さんがどういうものを望んでいるかということを、私は、
公共事業を担当する
国土交通省としても、そういう
視点でもきちっと見ていかなきゃならないんじゃないかと思っているんです。ですから、物差しでいえば、やはり
国民の要求がどこにあるのかというのが第一点だと思うんですね。
それから二つ目は、やはり
公共事業というものの主な財源は
税金ですから、そういう点では、費用対効果だとか採算性がどうなのかということを見ないと、じゃんじゃんつくった本州と四国の間のあの橋の赤字なんかもめちゃくちゃひどくて、それこそ通行料金で建設費の利息も賄えない。これは、
国土交通省がどうしても必要だと言ったって、初めからこんな深刻な事態を招いていいというわけじゃないと思うんです。そういう反省がどうしても必要だと思います。費用対効果、採算性の問題。
それから、今
公共事業をやる場合に、
環境保護がどうなのかということは、やはり切れない。今後、
公共事業を考える場合に、特に二十一
世紀の
公共事業がどうあるべきかという点では、考えなきゃいかぬと思うんですよ。だから、こことここの間に
道路が走っていないから何とかしなきゃみたいな、そういう
扇大臣の発想というのは二十
世紀型だと私は思って、もっと二十一
世紀に向かった前向きな
公共事業のあり方というのを考えないと、やった結果、また大変な事態になるということがあるということで、私は具体的に提案したいと思うんです。
二つ大きな面があるんですけれども、
一つは、
公共事業の
予算の執行過程を
透明化するということが大事だというふうに思うんですね。何か、知らない間に決められて、そして中止になるのも、どういう状態で中止になったのかなかなか明らかにならない。そういう点では、私は、例えば開発計画、先ほど言われたような
グランドデザインをやって、こういう計画のもとでそれやるんだというやり方はもうやめて、やはり必要な
事業を積み上げていく、そういう方式に切りかえていく必要があると思うんです。
今それが一番できない理由は、今、総額これだけの金額だということで
公共事業を決めている。開発計画だとか
長期計画がありますよね。これで縛られて、本当に、新しい住民からの要求の積み上げがなかなかできない。こういう
公共事業のあり方もやはり考えなきゃいかぬのじゃないかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。