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2001-02-23 第151回国会 衆議院 国土交通委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十三年二月二十三日(金曜日) 午前九時三十五分
開議
出席委員
委員長
赤松
正雄君
理事
赤城 徳彦君
理事
大村 秀章君
理事
実川 幸夫君
理事
橘 康太郎君
理事
玉置 一弥君
理事
樽床
伸二君
理事
河上 覃雄君
理事
山田 正彦君
今村
雅弘
君
木村
太郎君
木村
隆秀君 倉田
雅年
君
佐藤
静雄君 坂本 剛二君 菅 義偉君 田中 和徳君 中馬 弘毅君
中本
太衛君
西野あき
ら君 林 省之介君 林 幹雄君 福井 照君 堀内 光雄君 松野 博一君
松本
和那君
吉田
六
左エ門
君
吉野
正芳
君
阿久津幸彦
君 大谷
信盛
君 川内 博史君
今田
保典
君
佐藤
敬夫君
鮫島
宗明
君 永井
英慈君
楢崎
欣弥
君 伴野 豊君 細川 律夫君 前原 誠司君
吉田
公一君 井上 義久君 山岡 賢次君 大幡 基夫君
瀬古由起子
君 原
陽子
君
日森
文尋
君 二階
俊博
君
松浪健四郎
君 森田 健作君 …………………………………
国土交通大臣
扇
千景
君
国土交通
副
大臣
高橋
一郎
君
国土交通
副
大臣
泉
信也
君
国土交通大臣政務官
今村
雅弘
君
国土交通大臣政務官
吉田
六
左エ門
君
国土交通大臣政務官
岩井
國臣
君
政府参考人
(
内閣官房内閣審議官
) 岩橋 修君
政府参考人
(
外務省北米局長
) 藤崎
一郎
君
政府参考人
(
厚生労働省労働基準局労
災補償部長
) 佐田 通明君
政府参考人
(
国土交通省大臣官房技術
審議官
) 白取 健治君
政府参考人
(
国土交通省総合政策局長
) 風岡 典之君
政府参考人
(
国土交通省都市
・
地域整
備局長) 板倉 英則君
政府参考人
(
国土交通省道路局長
) 大石 久和君
政府参考人
(
国土交通省道路局次長
)
峰久
幸義君
政府参考人
(
国土交通省鉄道局長
) 安富 正文君
政府参考人
(
国土交通省自動車交通局
長)
高橋
朋敬
君
政府参考人
(
国土交通省航空局長
) 深谷 憲一君
政府参考人
(
国土交通省航空事故調査
委員会事務局長
) 中島 憲司君
政府参考人
(
海上保安庁長官
) 縄野 克彦君
参考人
(
日本道路公団総裁
) 藤井
治芳
君
参考人
(
日本道路公団理事
)
妹尾喜三郎
君
国土交通委員会専門員
福田 秀文君
—————————————
委員
の異動 二月二十三日
辞任
補欠選任
中本
太衛君
吉野
正芳
君
古屋
圭司
君 林 省之介君
今田
保典
君
鮫島
宗明
君
保坂
展人君
原
陽子
君 二階
俊博
君
松浪健四郎
君 同日
辞任
補欠選任
林 省之介君
古屋
圭司
君
吉野
正芳
君
中本
太衛君
鮫島
宗明
君
楢崎
欣弥
君 原
陽子
君
保坂
展人君
松浪健四郎
君 二階
俊博
君 同日
辞任
補欠選任
楢崎
欣弥
君
今田
保典
君
—————————————
二月二十三日
公共事業
の
生活密着
型への
転換
に関する
請願
(
春名直章
君
紹介
)(第二三一号) 同(
藤木洋子
君
紹介
)(第二三二号) 同(
松本善明
君
紹介
)(第二三三号) 同(
山口富男
君
紹介
)(第二三四号) 同(
吉井英勝
君
紹介
)(第三二五号)
建設労働者
の賃金と
労働条件
の
改善
に関する
請願
(
大森猛
君
紹介
)(第三二四号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
政府参考人出頭要求
に関する件
参考人出頭要求
に関する件
国土交通行政
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
赤松正雄
1
○
赤松委員長
これより
会議
を開きます。
国土交通行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。 この際、
扇国土交通大臣
から、
国土交通行政
の
基本施策
について
所信
を聴取いたします。
国土交通大臣扇千景
君。
扇千景
2
○
扇国務大臣
第百五十一
国会
における御
審議
に当たりまして、
国土交通行政
に取り組む基本的な
姿勢
につきまして私の
所信
の
一端
を申し述べ、
委員会
の御各位に御
理解
と御
指導
を賜りたいと存じます。 まず
冒頭
に、先般、
JR
の新大久保駅で起こりました
ホーム
の
転落事故
につきまして、
一言哀悼
の意を申し述べさせていただきたいと存じます。 同駅におきまして、
ホーム
から
線路
に転落した酔客を救助しようと、
韓国人
の
イ・スヒョン
さん、留学生でございますけれども、またカメラマンの関根さんが
線路
内に立ち入ったところ、折しも進入してまいりました列車にはねられて、三名全員が死亡するという痛ましい
事故
が発生いたしました。救助に入ったお二人が、みずからの犠牲を顧みない勇気ある
行動
の結果、不幸にもお亡くなりになったことにつきまして、大変残念であり、痛恨のきわみに存じております。 特に、韓国から希望を持って
日本
に留学されておりました
イ・スヒョン
さんに、国境を越えたあの勇気ある
行動
に深く敬意を表するとともに、
人命救助
という基本的な理念を持ったお二人の貴重な人材を失ったことに対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。お二人が亡くなられたことに対して、お二人の死をむだにしない、そういう
国土交通省
として責任ある
行動
を果たすべく、省を挙げて、
全力
を挙げて努力してまいりたいと存じております。 また、既に起こってしまいました
日本航空
九〇七便と九五八便の
異常接近事故
につきましても、多数の
乗客
及び
乗員
の
方々
が負傷されたことはまことに遺憾でございますし、負傷されました
方々
に心からお
見舞い
を申し上げますとともに、一日も早い御
回復
をお祈り申し上げたいと存じます。 この
事故
は、一つ間違いますれば大惨事となるということもございまして、
国土交通省
といたしましては、
本件事故
の
重大性
を認識し、
事故
の
原因
の速やかな
究明
のために、
航空事故調査委員会
において、
事故発生
後直ちに
調査官
を
現地
に派遣をし、
調査
に着手しております。 さらに、これと並行して、
再発防止
のために
管制業務
の
実施状況
を緊急に総
点検
し、その結果、
幾つ
かの
改善
すべき
事項
があることも判明いたしました。
事故
後直ちに、
航空管制官
の
訓練監督者
に対する
研修
を速やかに
実施
するとともに、それを必ず実行するという決定をさせていただきました。さらに、緊急総
点検
の結果を踏まえて、
訓練体制
の
強化
、あるいは
ヒューマンエラー
を
防止
する、そういう
管制支援システム
の
整備
、
管制区域
、
航空路
の抜本的な再編等必要な
安全対策
を
検討
し、結論を得たものから速やかに
実施
に移していくということを実行していきたいと思っております。 いずれにしましても、私どもは、本件の
事故
の
重大性
にかんがみまして、
全力
で
原因
の
究明
、また安全の
対策
に取り組んでいくという
姿勢
でやってまいりたいと思っております。 また、先日、ハワイにおいて
海難事故
が生じたことにかんがみまして、
海上
の
安全確保
及び
警備救難体制
の万全を期すべく必要な
指示
をいたしたところでございます。 これらの
報告
をまずごあいさつの
冒頭
にしなければならないということも、私は、今事態、大変残念だと思いますけれども、ひとつこうして
委員会
を開いていただいたことに対しまして、今後私どもは、改めて、
国土
の
政策
あるいは
社会資本整備
、あるいは
交通政策等
の総合的な
推進
を任務として
国土交通省
が発足いたしましたし、
国土交通省
の使命というものは、私たちは、国の人々の生命あるいは財産を守り、生き生きとした暮らしをしていただく、それを支える活力というものを、
経済社会
、日々の安全、美しく良好な
環境
、そして
多様性
のある
地域
を
実現
するということの
ハード
と
ソフト
の基礎を形成するということにございます。 二十一
世紀
の
国土交通行政
の
展開
に当たりましては、「人が動く、
国土
が躍動する。」というキャッチフレーズのもとに、
我が国
が築き上げてまいりました、要するに国際的な地位を確固たるものとして、内外の人々を魅了するような
国際国家日本
を構築していく、そして、そういう国際的にふさわしい
日本
の姿を見据えて戦略的な
政策
の
展開
を図ることが重要であると認識しております。 このような認識のもとに、私たちは、
計画
から
事業
まで一体的な
行政
の
展開
、総合的な
交通体系
の
整備
、
社会資本
の整合的、効率的な
整備
の
推進
を基本に、
施策
の総合的な、あるいは
融合化
を
促進
して、そして、
国民
の視点に立ったより質の高い
行政サービス
を、より低い
コスト
でより早く提供することにより、今般の改革が
国民
のためによかったと言えるような、そういう
国土交通省
になりたいと努めてまいります。 また、
地方ブロック
の
機関
につきましても、
地方整備局
の設置と
事務権限
の委任など、
機能強化
、
体制充実
を図ったところでございますけれども、今後、
地方懇談会
の開催などを通じて、
地域
と
連携
しつつ、
統合
の実を上げてまいりたいと存じております。
我が国
の
経済
、御存じのとおり、緩やかな
回復
を続けておりますけれども、まだ全体的には依然として厳しく、特に
北海道
では厳しい状況が続いております。 こうした中、引き続いて景気に軸足を置き、
経済
を
自律的回復軌道
に乗せることが最
重要課題
でもございます。
補正予算
を含めた
平成
十二年度
予算
の円滑かつ着実な執行に我々は
全力
を尽くしていきたいと思っております。 また、
平成
十三年度の
国土交通関係予算
につきましては、
公共事業
の
関係費
七兆二千五百十一億円、非
公共事業費予算
六千四百九億円、合わせて七兆八千九百二十億円を計上いたしております。
予算総額
におきましては前年度と同程度の規模の中ではございますけれども、
日本新生プラン
の重要四
分野
への
対応
に加えて、
事業
間の
連携
など、
統合
のメリットを生かした
分野
への
重点化
を図ったところでございます。 また、新たに創設されます新
住宅ローン
の
減税制度
、そして
住宅取得資金
に係る
贈与税
の特例の拡充や、住宅金融公庫の
特別割増貸付制度
の
延長等
を図る
法律案
などによりまして、
住宅投資
の持続的な喚起を図ってまいります。 昨年、
公共事業
の抜本的な
見直し
の対象となりました百九十七
事業
の
見直し
を行いましたが、今後とも、
事業評価
の厳格な
実施
、そして
コスト
の縮減、
事業
間の
連携等
によりまして、
公共事業予算
の効率的なあるいは効果的な執行と
事業
の
透明性
の向上を図ってまいりたいと存じております。また、昨年成立いたしました
公共工事
の入札及び契約の
適正化
の
促進
に関する
法律
の適正な運用に努めてまいります。さらに、二十一
世紀
の
公共事業
を進めるにふさわしい
土地収用制度
を
確立
するための
法律案
を提出するとともに、引き続き地籍の
調査
を
推進
してまいりたいと存じております。 また、
国民本位
の効率的で質の高い
行政
の
実現
のために、
政策評価制度
を全省的に導入してまいります。 さらに、
地方分権
、
特殊法人改革
など積極的に取り組むこととし、
地域
の
自主性
が生かせる
統合補助金
の
充実
などを通じて、
地方分権
の着実な
推進
を図ってまいりたいと存じております。 また、測量及び
水路測量
の
世界標準化
を踏まえました
測量基準
の
確立
、
自動車損害賠償責任保険
に係る
政府
再保険の廃止、
倉庫業
の
参入規制
の緩和、
JR
の
完全民営化
、
気象業務
に関する民間の能力の一層の
活用
など、
規制緩和
に係る
施策
を積極的に進めてまいります。 以下、当面の諸
施策
について具体的に申し上げさせていただきたいと存じます。 昨年は、有珠山、三宅島の
噴火災害
、そして神津島、新島及び鳥取県西部における
地震災害
、そして
東海地方
を
中心
といたしました
豪雨等全国各地
で災害が相次ぎ、私も
現地
に赴きましたけれども、
被災者
の
方々
に心からお
見舞い
を申し上げますとともに、
被災地
の一刻も早い
復興復旧
に
全力
を今後も尽くしてまいりたいと存じております。 水害に対します
減災効果
を高めるためにも、
水防法
の
改正案
を提出するとともに、ITを
活用
した監視、
予測体制
の
整備
、
都市
の
地下空間等
の
浸水対策
、あるいは
防災公園
の
整備
、
密集市街地
の
整備改善等
を図り、被害の
防止
に万全を期してまいりたいと存じております。 安全の
確保
は何よりも重要でございますけれども、
航空事故
に加え、
鉄道事故
についても、重大なインシデントも含めまして徹底した
原因
の
究明体制
を
整備
しつつ、
再発防止
に万全を期するために
法律案
を提出いたしております。 また、さらに、
自動車運転代行業
の
業務
の
適正化
のための
法律案
を提出するとともに、
交通安全施設
の
整備
などを通じて、
交通安全対策
の総合的な
推進
あるいは
被災者救済
の
充実
にも尽力してまいりたいと存じております。
覚せい剤等
の密輸あるいは密航、
海賊等
の
犯罪対策
、あるいは
海上
の警備、
監視体制
の
強化
をこれからも図ってまいりたいと存じております。 次に、
国民生活
と
経済活動
の舞台でございます
都市
の
新生
を目指し、町の
中心
となるターミナル駅などの
交通結節点
の
総合的整備
や
都市基盤施設
の
整備
あるいは土地の
有効高度利用
、
中心市街地
の
整備改善
、大
深度地下空間
の
活用方法
の
検討
などを
推進
し、
世界
に誇れる
都市づくり
というものを図ってまいりたいと存じております。
都市
の
緑地保全
と効果的な緑化を進めるための
法律案
及び市街化区域内の農地の
計画
的な
住宅地
への
転換
を進めるための
農住組合法
の
改正案
を提出するとともに、
生活空間
、
公共交通機関
の
バリアフリー化
を
推進
し、魅力ある
生活空間
の
実現
に努めてまいりたいと存じております。 あかずの踏切の解消など、
踏切道
の改良の
促進
のための
法律案
のほか、
通勤通学
のための
鉄道
の
輸送力
の増強、TDMの
活用
、あるいは
都市
内に
通過交通
を入れないための
環状道路
の
整備
による
交通混雑
の解消などを図っていきたいと存じております。 さらに、
公共
の
賃貸住宅
と
福祉施設
との一体的な
整備
を
推進
するとともに、
高齢者
の居住の
安定確保
に関する
法律案
のほか、新たな
住宅建設
五カ年
計画
を策定し、ストックと市場を重視した
住宅政策
を
推進
してまいりたいと存じております。 第三には、美しく良好な
環境
を
保全
あるいは創造するため、
循環型社会
の構築に向けた
整備
を
強化
してまいりたいと存じております。
NOx法
の
規制強化
や
適合車
への
代替推進
など
ディーゼル車
の
排出ガス
の
対策
に積極的に取り組むとともに、
環境ロードプライシング
の試行や、新たに創設されます
自動車
の
グリーン化税制
などによりまして、
環境自動車
の
開発
あるいは普及の
促進
など、それを進めてまいりたいと存じております。
建設廃棄物
や
自動車
などのリサイクルの
促進
に取り組むとともに、
放置艇
の
対策
としては、
小型船舶
の登録を行うための
法律案
を提出いたします。 また、健全な
水循環系
の
確立
を目指した
政策展開
によりまして、渇水に強く、水と緑豊かな潤いのある
社会
の
実現
を図ってまいりたいと存じております。 さらに、
海洋汚染
の元凶ともなります
安全環境基準
を満たさない船舶の排除も図ってまいりたいと存じております。 第四には、国際的に
競争力
のある
経済社会
を支える
基盤
を着実に
整備
するため、高規格の
幹線道路
を初めとして、
新幹線鉄道
あるいは中枢・
中核国際港湾
、
大都市圏拠点空港
など、陸海空の
交通ネットワーク
を
計画
的に
整備
していくほか、
港湾
、
空港
への
アクセス道路
の
整備
など、
交通連携
の
促進
、または物流の
効率化
、海運、
船員対策等
、それらに取り組んでまいっていきたいと存じております。 また、
不動産投資市場
の
活性化
、
不動産鑑定評価
の
充実
などを進めてまいりたいと存じます。 また、さらには、
IT革命
を
推進
するために、光ファイバーの
収容空間
の
整備
によるファイバー・ツー・ザ・
ホーム
の
支援
、あるいはGIS、
地理情報システム
ですけれども、それの
整備
、また
活用
の
推進
、ETC、ノンストップの
自動車料金システム
ですけれども、これを初めとするITSの積極的な
展開
、
海上交通
、
航空交通システム
、そういう
交通システム
の
高度化
に加えまして、
電子入札
や
港湾
のEDI、要するに
電子情報交換
の
推進
など、
電子政府
の
実現
に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。リニアモーターカーやテクノスーパーライナーなど、
世界
に誇れる高度な技術の
開発
あるいは
実用化
にも重点的に取り組んでまいりたいと存じております。 第五に、各
分野
で国際的な
対応
がますます重要になっております。
国際機関等
における多国間の議論に積極的に参画する一方、
国土交通分野
における二国間の協議にも引き続き取り組んでまいりたいと存じております。 また、本年九月の
世界観光機関総会
、明年の初頭に行われます
交通
と
環境
に関する
先進国国土交通担当大臣会合
など、
我が国
で
開催予定
の
国際会議
の着実な準備を進めてまいります。 また、内外の
観光交流
を
促進
するために、
海外観光宣伝
の
強化
、
東アジア広域観光交流圏
の構想の
推進
、
観光地
の
バリアフリー化等
に取り組んでまいりたいと存じております。 最後に、多様で特色ある
地域
の発展を図るために、
関係
府省が一体となって
地域
の
戦略プラン
の円滑な
実施
を図るとともに、多
軸型国土構造
の形成に向け、
全国総合開発計画等
の
国土計画
を着実に
推進
してまいりたいと存じております。 また、多
自然居住地域
の創造に向けた
地域
間の
連携
、
交流
の
促進
、
観光
を通じた
地域振興
にも取り組んでまいりたいと存じております。
豪雪地帯
、離島、
奄美群島
、小笠原諸島、
半島等
の
特定地域
についても、
生活環境
や
産業基盤整備
などの
ハード
、
ソフト
の両面にわたる
施策
の
展開
に努めてまいります。
北海道
につきましては、積雪寒冷あるいは
広域性
に配慮した
社会資本整備
の
推進
を進めてまいりたいと思っております。比類なき
自然環境
を
保全
、
活用
した
観光振興
、そして安定的、効率的な
食料生産基盤
の
整備
、
経済産業
の
新生
、
北方領土隣接地域
の安定、
振興
、そしてアイヌの文化の
振興
などに取り組んでまいりたいと存じております。 また、近年の
産業構造
の変化などを踏まえまして提出いたしました新
産業都市建設促進法等
を廃止する
法律案
とともに、今後の
地方産業
の
振興策
のあり方を
検討
してまいりたいと存じております。 さらに、二十一
世紀
にふさわしい新たな
国土計画制度
の
確立
に向けた抜本的な
検討
を進めてまいりたいと存じております。
首都機能移転
につきましても、今後も
国会
での御論議を活発にしていただいて、
国民
の御
理解
を得られるようにこれは
推進
していかなければいけない、また論議していかなければならないと存じております。 このほか、
需給調整規制
の廃止につきましても、今後、
地域住民
の
日常生活
に必要不可欠な
生活交通
の
確保
に万全の
対策
を講じたいと思っております。 以上、
国土交通行政
の
推進
につきまして私の
所信
の
一端
を申し述べましたけれども、
国民
の皆様の御期待と信頼にこたえ、一層の御
理解
をいただけますように、対話を重視し、かつ厳正な綱紀の保持になお一層努めつつ、引き続き諸課題に
全力
で取り組んでまいる所存でございます。 今後とも、
委員長
を初め
委員各位
の格別の御
指導
をよろしくお願い申し上げて、私の
所信
の
一端
にかえさせていただきたいと存じます。ありがとう存じました。(拍手)
赤松正雄
3
○
赤松委員長
以上で
大臣
の
所信表明
は終わりました。
—————————————
赤松正雄
4
○
赤松委員長
次に、
日本航空
九〇七便の
事故
について、
政府
より
報告
を求めます。
国土交通
副
大臣泉信也
君。
泉信也
5
○泉副
大臣
日本航空
九〇七便の
事故
について御
報告
申し上げます。 まず、
冒頭
に、
衝突回避
をした
日本航空
九〇七便の
機内
で負傷された
方々
に対しまして、心よりお
見舞い
を申し上げますとともに、一日も早い御快癒をお祈りいたします。 去る一月三十一日、十五時三十六分
羽田発那覇
行き
日本航空
九〇七便が、離陸約二十分後の十五時五十五分ごろに、静岡県焼津市付近約十一キロメートル上空において、
釜山発成田
行き
日本航空
九五八便と異常に接近しました。
日本航空
九〇七便は
衝突回避操作
を行い、その際、
機内
に
負傷者
四十二名が発生したため、同機は羽田
空港
に引き返し、十六時四十四分に同
空港
に着陸いたしました。
国土交通省
としては、
日本航空
より
乗客
及び
乗員
に
負傷者
があるとの
通報
を受け、十八時三十分に
航空局長
を
本部長
とする
日本航空機
九〇七便
対策本部
を設置しました。 また、
日本航空
から
乗客
の中に一名の
重傷者
があるとの
通報
を受け、十九時五十分、
航空事故調査委員会
へ
事故通報
を行い、同
委員会
は直ちに
調査官
を
現地
に派遣し、
関係者
から
口述聴取
を行うなど
調査
を開始しております。 翌二月一日、本
事故
の
重大性
にかんがみ、
関係団体
に対して
異常接近
の
防止策
の徹底を通達するとともに、
地方支分部局
に対して、
航空交通
の
安全確保
を図るため、細心の注意を払って
業務
を遂行するよう
指示
しました。 一方、二月二日、
担当航空管制官
二名から事情聴取した結果、上昇中の
日本航空
九〇七便に対して、
日本航空
九五八便と取り違えて、
降下指示
を出していた事実が判明しました。この取り違えが直接の
事故原因
であるか否かは、現在、
航空事故調査委員会
において
調査
中でありますが、その
調査
結果いかんにかかわらず、
航空管制官
が
指示対象機
を取り違えたことは極めて遺憾であります。
事故
の
重大性
にかんがみ、
航空管制官
の
訓練体制
の
強化等
について
検討
を行うべく、二月二日に、
航空局長
を
委員長
とする
航空管制システム検討委員会
を設置するとともに、第一回
委員会
を
開催
し、今後の
再発防止
の
対応策
を
検討
するとともに、翌三日には、
管制業務
の
実施状況
を緊急に総
点検
し
報告
するよう、
全国
の
管制機関
に
指示
しました。 また、五日には、
国土交通省
の
緊急最高幹部会議
を
開催
し、
国土交通省一丸
となって取り組み、
原因究明
及び今後の
対応策
の
検討
を行うこととするとともに、同日に緊急に招集した
全国
の
航空関係
の
地方支分部局
の長の
会議
においては、人間からミスを完全になくすことはできないという前提に立った上で、なお
管制業務
がどうあるべきかを真剣に議論するように
指示
しました。 また、八日には、
扇大臣
の
指示
を受け、
担当航空管制官
が勤務する
東京航空交通管制部
を視察し、約二百名の
航空管制官等
に対し、本
事故
を重く深く受けとめるよう訓示する一方、一
航空管制官
の問題としてとらえるのではなく、
国土交通省
全省を挙げて対処すべき問題としてとらえ、
再発防止
に向け、ともに知恵を出し合うよう呼びかけました。 さらに、九日に緊急に招集した
全国
の
航空管制官
の長の
会議
においては、三日に
指示
をした
管制業務
の緊急総
点検
の結果が
報告
され、
幾つ
かの
改善
すべき
事項
があることが判明しました。
事故
後直ちに、
航空管制官
の
訓練監督者
に対する
研修
を速やかに
実施
することを決定いたしましたが、さらに、緊急総
点検
の結果等を踏まえ、
訓練体制
の
強化
、
ヒューマンエラー
を
防止
するための
管制支援システム
の
整備
、
管制空域
、
航空路
の抜本的再編等必要な
安全対策
を
検討
し、
結論
を得たものから速やかに
実施
してまいることとしております。 いずれにいたしましても、
国土交通省
としては、
本件事故
の
重大性
にかんがみ、
全力
で
原因究明
と
安全対策
に取り組んでまいる
所存
であります。 以上、御
報告
申し上げます。
赤松正雄
6
○
赤松委員長
以上で
政府
の
報告
は終わりました。
—————————————
赤松正雄
7
○
赤松委員長
次に、
平成
十三年度
国土交通省
関係
予算
について概要説明を聴取いたします。
国土交通
副
大臣
高橋
一郎
君。
高橋一郎
8
○
高橋
副
大臣
国土交通
副
大臣
の
高橋
一郎
でございます。よろしくお願い申し上げます。 今般の中央省庁
改革
に伴い、新しく設けられました副
大臣
の責務は極めて重いものと受けとめております。 もとより微力でございますが、
扇大臣
のもとで、泉副
大臣
、
今村
政務官、
吉田
政務官、岩井政務官とともに、一致団結し、新しい
国土交通行政
の
展開
のため努力を重ねていく
所存
でございますので、
委員長
を初め
委員各位
の皆様方の御
指導
、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。私のあいさつといたします。
国土交通省
関係
の
平成
十三年度
予算
について、その概要を御説明申し上げます。
平成
十三年度一般会計
予算
に計上いたしました
国土交通省
関係
予算
額は、七兆八千九百二十億円であります。 このほか、
自動車
損害賠償責任再
保険
特別会計への一般会計からの繰り戻しとして所要額を計上するとともに、
自動車
損害賠償責任再
保険
特別会計、道路
整備
特別会計、治水特別会計、
港湾
整備
特別会計、
自動車
検査登録特別会計、
都市
開発
資金融通特別会計、
空港
整備
特別会計及び特定国有財産
整備
特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。 なお、
北海道
、離島及び奄美に係る
公共事業予算
については、当該
地域
の総合
開発
の
推進
を図るため、農林水産省
関係
予算
等他省
関係
予算
を含めて、
国土交通省
予算
に所要額の一括計上を行っております。 次に、財政投融資
計画
については、当省
関係
の公庫公団等分として十二兆七千三百二十八億円を予定しております。
国土交通省
といたしましては、以上の
予算
によりまして、
我が国
経済
を
自律的回復軌道
に確実に乗せるとともに、豊かで活力ある二十一
世紀
の
経済社会
を構築するための
基盤
となる
国土
政策
、
社会資本整備
、
交通
政策
の
推進
等を図っていくこととしております。 特に、
平成
十三年度
予算
におきましては、
予算総額
が前年度と同程度の規模の中、
日本新生プラン
の重要四
分野
を重視するとともに、
国土交通省
発足に
対応
して、融合、
連携
施策
を一層強力に
推進
し、
予算
の
重点化
を図るなど、省庁
統合
のメリットが発揮できる
分野
に重点的に配分することとしております。
公共事業予算
についても、その
事業
ごとの伸び率にめり張りをつけ、
予算
配分の
重点化
を進めるとともに、二十一
世紀
の豊かな
居住
の
実現
を図るため、
平成
十三年度を初年度とする第八期
住宅建設
五カ年
計画
の策定を行うこととしております。 また、
公共事業
の効率的、効果的な
執行
や
事業
の
透明性
の向上を図るため、費用対効果を含めた
事業評価
の厳格な
実施
や
コスト
縮減を行うとともに、
地方整備局
等への
公共事業予算
の一括配分制度の導入や
統合補助金
の創設、拡充など、地方のニーズをより一層的確に反映した
公共事業
の
執行
を図ることとしております。 次に、
政策
テーマ別の主要
事項
について御説明申し上げます。 第一は、
都市
基盤
の
整備
であります。
国土交通省
の発足に伴い、
連携
施策
を
展開
し、
都市
の
交通
問題の抜本的な解決を図るため、
鉄道
駅等
交通結節点
の
機能強化
、あかずの
踏切
対策
、
交通
需要マネジメント
施策
の
推進
等による
都市
部の
交通混雑
の
解消
、大
都市
における住宅供給及び地下鉄など
都市
鉄道
の
整備
による通勤時間短縮と快適化、
空港
、
港湾
と道路等の
連携
の
強化
による物流の
高度化
と
交流
の円滑化に取り組むこととしております。 また、三大
都市
圏
環状道路
、
大都市圏拠点空港
の
整備
並びに中枢・
中核国際港湾
及び国際幹線航路の
整備
等による
海上
ハイウエーネットワークの構築を行うこととしております。 さらに、快適で美しい
都市づくり
や安全な
都市づくり
の
実現
を図るため、
地域
の創意工夫を生かしたまちづくりの
推進
、
港湾
、
都市
関連
事業
の
連携
、電線類の地中化等を進めるとともに、総合的な
都市
水害
対策
の
推進
や
密集市街地
の
解消
、
防災公園
の
整備
等を行うこととしております。 第二は、
IT革命
の
推進
であります。 情報ボックス等の
整備
や下水道管理用光ファイバー等の
整備
など、光ファイバー
収容空間
ネットワークの
整備
による
IT
インフラの
整備
を図ることとしております。また、高度道路
交通システム
、
IT
Sの積極的な
展開
など、
交通
の
IT
化の
推進
、メガフロート情報基地機能実証実験の
実施
、気象情報、防災情報等の共有化など、防災
分野
での
IT
化の
推進
を行うこととしております。 さらに、
地理情報システム
、GISの
整備
、普及の
促進
や、
電子政府
の早期
実現
に資する申請、届け出等のオンライン化、航空管制や
海上
保安の情報化などを進めることといたしております。 第三は、
環境
問題への
対応
であります。 窒素酸化物、NOx、粒子状物質、PM等を低減するための総合的
対策
として、沿道
環境
が特に悪い交差点における渋滞の
解消
等による沿道
環境
の
改善
を図るとともに、
環境ロードプライシング
の試行的
実施
など、
環境
への負荷の少ない
自動車
交通
や道路利用を
推進
することとしております。 また、きれいな水、豊かな水を目指して
水循環系
の健全化、地球温暖化
防止
のための次世代
技術
の
開発
導入、廃棄物海面処分場、フロンティアランドの
整備
などを行うこととしております。 第四は、少子高齢
社会
への
対応
であります。 バリアフリー
社会
の形成を
実現
するため、駅とその周辺や
公共交通機関
、さらには、住宅、官庁施設のバリアフリーや積雪寒冷地における冬期
バリアフリー化
を
推進
することとしております。 また、
高齢者
向けの優良な
賃貸住宅
の供給など、総合的な
高齢者
住宅政策
の
展開
、公団
賃貸住宅
と
社会
福祉施設
等の併設、子育てしやすい住宅、
居住
環境
の
整備
、生活路線の維持
確保
のための
地域
の
公共
交通
の
確保
などを行うこととしております。 第五は、生活
基盤
の
充実
であります。 活力ある
経済社会
を創出する
連携
、
交流
を
推進
するため、高規格
幹線道路
、
地域
高規格道路については、それぞれ十八カ所、十七カ所の新規供用を図るとともに、
整備
新幹線については、既に着工した区間の工期短縮を図るとともに、三区間の新規着工を行うこととしております。また、
地域
の特色を生かした
観光振興
、訪日外国人の倍増
促進
を図ることとしております。 さらに、快適な暮らしを支える
生活環境
の向上を図るため、緊急渇水
対策
の強力な
推進
、生活
基盤
を守る雨水排水
対策
の
推進
などを行うこととしております。 第六は、安全の
確保
であります。 有珠山や三宅島等近年頻発している火山噴火、地震、豪雨等の自然
災害
に対する安全な暮らしの
実現
を図るため、火山
災害
対策
、水害、土砂
災害
防止
対策
、道路防災、震災
対策
を
推進
することとしております。 また、
事故
多発地点における
交通安全対策
の集中
実施
による
交通
安全の
確保
、
海上交通
の
安全確保
や密輸、密航、海賊事案等への
対応
能力の
強化
など、
海上
保安体制の
強化
を図ることとしております。 最後に、
日本新生プラン
に
対応
した
調査
研究等の
推進
であります。 地籍
調査
の
推進
など
土地
の有効利用
施策
の
展開
、
観光
情報提供システムの
開発
、シックハウス
対策
技術
開発
の
推進
、札幌周辺への研究
開発
機能の集積
事業
等を行うほか、
世界
規模の水危機への
対応
、水の有効利用方策の
検討
や、
交通
と
環境
に関する
先進国国土交通担当大臣会合
の
開催
など、国際協調の
推進
を図ることとしております。 以上をもちまして、
国土交通省
関係
の
平成
十三年度
予算
についての説明を終わります。 よろしくお願い申し上げます。(拍手)
赤松正雄
9
○
赤松委員長
以上で
平成
十三年度
国土交通省
関係
予算
の概要説明は終わりました。
—————————————
赤松正雄
10
○
赤松委員長
次に、
今村
国土交通大臣政務官
、
吉田
国土交通大臣政務官
及び岩井
国土交通大臣政務官
から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。 まず最初に、
国土交通大臣政務官
今村
雅弘
君。
今村雅弘
11
○
今村
大臣
政務官
大臣
政務官を拝命いたしました
今村
雅弘
でございます。 主たる担当
分野
は、
災害
対策
関係
並びに
社会
基盤
整備
関係
でございます。 諸先生方の御
支援
、御
指導
を賜りまして、
業務
が立派に遂行できますように、よろしくお願いいたします。(拍手)
赤松正雄
12
○
赤松委員長
次に、
国土交通大臣政務官
吉田
六
左エ門
君。
吉田六左エ門
13
○
吉田
大臣
政務官 ただいま御
紹介
をいただきました、
国土交通大臣政務官
を拝命いたしました
吉田
六
左エ門
であります。 精いっぱい務めますので、
委員
の皆様の御協力、御
指導
をちょうだいできますようにお願いします。 ありがとうございます。(拍手)
赤松正雄
14
○
赤松委員長
次に、
国土交通大臣政務官
岩井
國臣
君。
岩井國臣
15
○岩井
大臣
政務官 政務官を拝命いたしました岩井
國臣
でございます。よろしくお願い申し上げます。 主に
北海道
開発
関係
並びに
国土
関係
の
業務
を命ぜられました。
委員長
並びに各先生方の御
指導
及び御
支援
を賜りまして、精いっぱい頑張ってまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
—————————————
赤松正雄
16
○
赤松委員長
この際、お諮りいたします。
本件
調査
のため、本日、
政府参考人
として
国土交通省総合政策局長
風岡典之君、
都市
・
地域整
備局長板倉英則君、道路局長大石久和君、道路局次長
峰久
幸義君、
鉄道
局長安富正文君、
自動車
交通
局長
高橋
朋敬
君、
航空局長
深谷憲一君、
航空事故調査委員会
事務局長中島憲司君、
海上保安庁長官
縄野克彦君、
内閣官房内閣審議官
岩橋修君、
外務省北米局長
藤崎
一郎
君及び
厚生労働省労働基準局労
災補償部長
佐田通明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤松正雄
17
○
赤松委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 引き続き、お諮りいたします。
本件
調査
のため、本日、
参考人
として
日本道路公団総裁
藤井
治芳
君及び同
理事
妹尾喜三郎
君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤松正雄
18
○
赤松委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
赤松正雄
19
○
赤松委員長
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。
赤城徳彦
20
○赤城
委員
おはようございます。 自由民主党の赤城徳彦でございます。
大臣
の
所信
、また、それに続く一連の
報告
に対して質疑をするわけでございますが、その前に、このところ事件、
事故
が続いております。そのことにつきまして、特に、さきの
JR
新大久保駅での
事故
の犠牲になった
方々
、
日本航空
のニアミス
事故
での負傷された皆様、また、さきにハワイ沖の
海難事故
に遭われた
方々
に心からお
見舞い
を申し上げる次第でございます。 さて、これらの
事故
から我々は貴重な教訓を学び、二度とこういうことがないようにしていかなければなりません。 最初に、
ホーム
からの
転落事故
に関してでありますけれ
ども
、既にこの転落
防止
対策
についての
指示
がなされまして、非常停止押しボタンか転落検知マットを設置しなさい、あるいはプラット
ホーム
の下に退避用のスペースを設けるとか
ホーム
に上がれるようなステップを設けなさい、あるいはさくを設置しなさい、こういう
指示
があって、この
整備
計画
を五月末までに出す、
報告
をせい、こういうことになっております。 この点について、ちょっと資料を見ていて感じたのですが、安全さくの
整備
状況
がどうもまだ
JR
の方が低い。これは明らかに
JR
の方が低いわけで、今回の
事故
も
JR
の新大久保駅でありました。この点をきちっと
整備
していかなければいけないと思います。また、ただ
整備
しなさいと言うだけではなくて、当然、後押しするための
対策
が必要ではないか、こういうふうに思います。 それからもう一点。飲酒をした、酒酔いで転落をした、こういうことでありまして、お酒を販売するかどうか、これについても
指導
をしてありますけれ
ども
、この自粛の可否を
検討
して、不適当であれば自粛しなさい、こういうことなんですが、これは、
事業
者の方にそれを
検討
せいというのはちょっと難しいかなと思います。むしろ、例えば、通常飲食をしないであろう通勤電車とか近郊の電車については販売をしない、長距離、主に
観光
に使われるものについてはよろしいでしょうとか、何か基準を示してやらないといけないのではないかと思います。 これらの点についての
政府
側の考え方をまず伺います。
安富正文
21
○安富
政府参考人
今先生の方から御指摘ございました
ホーム
の転落の
安全対策
につきましては、先ほど御説明がございましたとおり、二月十九日付で、非常停止押しボタンあるいは転落検知マットの
整備
、あるいは退避スペースの
確保
、
ホーム
さく等の設置の
検討
、注意喚起等を図るように
指示
したところでございます。ここらの
指示
の内容については、五月末日までに
整備
計画
あるいはその
検討
状況
について
報告
するようにしております。 そういう意味で、
JR
の方がなかなか
対策
が進んでいないのじゃないかというお話がございますので、
JR
に対しても、我々は、この具体的な
整備
計画
、
対応
状況
について十分
検討
して
対策
を練るように
指導
してまいりたいと思います。 特に、
JR
東、西、東海は、既に
幾つ
か、当面やれることということで新聞発表等もしておりますが、これをさらに今後どう
展開
していくかということで具体的に
指導
していきたいというふうに考えております。 それから、酒類販売の自粛の問題でございますが、これは先生御指摘のように、長距離列車あるいは
観光
列車が通る駅、あるいは駅の周辺の
状況
、そういうことを考えて、いろいろ販売を自粛すべきかどうかということを
事業
者の方に
検討
するように申しておりますが、当然のことながら、我々としては、その自粛の
検討
の際に、特に
通勤通学
とかいったような非常に混雑する区間、そういうところについては、できればやめるような形でできないかということで今後
指導
していきたいというふうに考えております。
赤城徳彦
22
○赤城
委員
ぜひ、この
対策
に遺漏のないように、一日も早くきちっとした
対策
がとられるようお願いをいたします。 次に、日航機のニアミス
事故
でございますが、私は、この両機と管制官との交信記録を見て、大変背筋が寒くなるような思いがいたしました。管制官というのは、もう間違いがない、絶対のものだ、こういうふうに一般の方も、私もそうですが、考えておったところが、やはり人間だからということもありますけれ
ども
、それにしても、
基本
的なところがきちっとできていなかったのではないかなというふうに感じました。 最初に、
事故
報告
の中にもありましたけれ
ども
、ジャンボ機が上昇していた、この九〇七便に対して三万五千フィートに降下してくださいという
指示
をした、これが実は、DC10型機、九五八便に対しての
指示
を間違えてジャンボ機に出してしまった。ジャンボ機の方は、上昇していたところに降下の
指示
が来たので、普通だったらこれは疑問に感じるはずですが、そこを十分確認しないまま、降下の
指示
があったので降下をした。結果、両機が接近をしてしまったというところが一点まずありました。 その後も、これは最初に
指示
したのは習熟訓練中の管制官ですが、両機が接近して、今度は監督官が割って入ったのですが、この監督官が、九五七便に今すぐ降下を開始してくださいという
指示
をしました。九五七便というのはないわけで、九五八便か九〇七便か、どちらかです。両機とも
指示
の便名が違いますから、当機に対する
指示
ではないなというふうに感じたのでしょう。となれば、当然応答がない。管制官は、応答がなければ、これは伝わっていないということで、何かおかしいぞと気がつくはずなんですが、そのままになってしまっている。 その後も、監督官の方が、九五八便からの連絡に対して、九〇八便、了解しましたと、これまた便名を取り違えていますし、九〇七便の
報告
に対しても、九〇八便、了解しましたと、大変危険な
状況
になってその
報告
をしているのに、ただ、了解しました、了解しました、こういうふうな返答をしていて、およそ監督官らしくない応対をしている。 これは、大変緊迫して混乱している
状況
だということを差し引いても、
基本
的に、確認をする、口頭で確認をして、復唱して、それに対して了解をしたということでなければならない。それから、先ほど申しましたように、
指示
に疑問があれば、それを確認できるというふうな体制でなければいけない、こういうふうに思います。これは、
基本
的にそういうところはやっているはずだったのですが、
指示
が徹底していなかったのか、大いに反省しなければならないと思います。 このことに関して、
機内
で機長と副操縦士との間では意思疎通を密にしよう、こういうことで、クルー・リソース・マネジメント、CRMというふうなシステムができているそうでありますが、管制官と機との間、また管制官同士、ここら辺も、人間のシステム管理といいますか、そういうものをきちっとしていかなければならないのではないかと思います。それがまず一点であります。 それからもう一つ。航空機衝突
防止
装置、いわゆるTCAS、これについてなんですが、今回、この衝突
防止
装置が作動しました。それに対して、平常時は管制官の
指示
が優先します、衝突
防止
装置が働いたらそれの
指示
に従います、さらに、それに従うことが危険だというときには機長の判断に従います、そういう順序になっておりますが、両機が違う
指示
のレベルにあった。 例えば、一方は管制官が
指示
していて、一方は衝突
防止
装置が働いていたとか、一方は衝突
防止
装置が働いていてそれに従ったんだけれ
ども
、一方は機長の判断で動いた。今回はまさにそういうことで、機長の判断を優先して一方は降下した、一方は衝突
防止
装置の判断に従って降下した、それでまさにあわやというところのニアミスが起こったということですから、今どういう
指示
レベルにあるのかということが統一されなければならないでしょうし、それから相手方の機がどういう判断を今しているのか、機が実際に動いてから視認するのではなくて、機長がどういう操作を今したのかということが瞬時に相手方の機に伝わるというふうな、そういうことも必要なんではないか。 危険回避のレベルをどういうふうにそろえるのか、また相互にどういう連絡をとり合ってお互いの判断をフィードバックするのか、そういう点についても
検討
の余地があるだろう、こういうふうに感じました。 これらの点についてどういうふうに考えているか、伺います。
深谷憲一
23
○深谷
政府参考人
二点ほどあったかと思います。 最初の点につきまして、チームを組んで仕事をする場合のポイントでございますけれ
ども
、いわゆるクルー・リソース・マネジメントと言われておるCRM訓練、こういうものが先生御指摘のようにございます。 これは、現在では、クルーの中での
乗員
間の
連携
でございますとか、それから指揮統率、判断決定、そういったことの能力を向上させようということで、座学でございますとか、討論でございますとか、シミュレーター訓練だとか、こういったもの全体を組み合わせながら
ヒューマンエラー
を
防止
していくということにする、それが大変有効であるというふうに言われております。 そういう中で、
国土交通省
でも、昨年の四月から、航空運送
事業
者に対しましては、CRM訓練の
実施
、こういったものが有効だということで義務づけをしてきておったところでございます。 今回の
事故
に関しまして、機長と副操縦士の間においてCRMが有効に生かされていたか、これにつきましては、具体的な事案の、今回の
事故
の関連でございますので、今後の
事故
調査
の中で明らかにされていくのだろうと思いますけれ
ども
、翻って、管制官の方につきましては、通常数人で一つの単位としてチームを組みまして空域の管制を行っておりますので、やはりチームとしての意識、これが当然必要であるというふうに考えております。 したがいまして、今後は、
航空管制官
につきましても、さらにチーム意識の一層の向上に資するようにということで、CRMと同様の方策の導入などにつきましても
検討
していきたいというふうに考えておるところでございます。 また、航空機の衝突
防止
装置、いわゆるTCASに関しましてのお尋ねがございました。 航空機は、いわゆる計器飛行方式によって飛行しておりますときには常時
航空管制官
の
指示
に従うというふうになっておるわけでございますけれ
ども
、急迫した危難が生じたような場合には、機長はその危難
防止
に必要な手段を尽くすということになっておりますので、このような場合には
航空管制官
の
指示
に従わないということも許されておるわけでございます。 これによりまして、エアラインでは、それぞれ社内規定で、衝突
防止
装置の回避
指示
が発生した場合には、機長が回避
指示
に従うことが危険と判断した場合を除いて直ちに回避
指示
に従う、こういう考え方になっております。そういう定めになっております。したがいまして、最終的な判断は御指摘のように機長が行うというルールになっておるということでございまして、これは、例えばアメリカなんかにつきましても同様なルールで行われているということでございます。 また、こういったことについて瞬時に相手機にいろいろなことが伝えられるようなという御指摘でございますが、操作そのものが極めて瞬時の判断に基づいて行われるということを考えますと、瞬時にそれぞれの相手機等に伝えるというのはなかなか難しい点も現在ではあるのかなと。 ただ、今後、今回の事案にかんがみまして、いろいろな点を勉強しなきゃいかぬと思っておりますので、引き続き考えさせていただきたいと思います。
赤城徳彦
24
○赤城
委員
例えはちょっと適当じゃないかもしれませんけれ
ども
、道でだれかとすれ違うときに、こっちによけようと思ったら向こう側も同じ方向によけちゃってぶつかっちゃうというような、そんなのに似ていまして、相手方がどっち側によけようとしているのかということをこちらがあらかじめわかっていれば、ああ、向こうはこっちによけるんだな、じゃあこっちによけよう、そんなふうな感じで、相手方機が今どういう
行動
をとっているか、どういう警報が出ているのかということを相互に把握するということもこれは大事だと思います。 それから、
大臣
からも既にお話がありましたいろいろな
改善
点について、空域、空路の再編とかレーダーとか習熟訓練のあり方とか管制システムとか、ぜひそういった
改善
点を一日も早く
改善
し、こういうことが起きないようにしっかりとした
対策
をとっていただきたいということを再度
大臣
にお願いをしておきます。 それで、時間も押していますので、ほかの
施策
について伺いたいと思います。
国土交通省
という新しい体制になりましたので、特にそのメリットを、再編のメリットを生かせるような
施策
をこれからもやっていかなければならないと思います。 既に
予算
などで、例えば、
鉄道
駅と周辺市街地を一体的に
整備
していきましょうとか、あかずの
踏切
対策
も、まさに道路と
鉄道
の一体的な取り組みが必要でありますし、
港湾
と道路の一体的な
整備
とか、もう既に取り組んでおられます。さらにこういう点、
統合
されたということを最大限生かしてやっていただきたい、こういうふうに思います。 それから、もう一つ大きな
課題
は、少子高齢化に
対応
して、新しいバリアフリー型の
社会
をつくっていくということ。これも、
鉄道
や住宅あるいは
都市
、それぞれについての
対策
を今とっていただいております。 私は、この考え方をさらに進めて、後からエスカレーターや何かを
整備
します、スロープをつけますということではなくて、初めから、どういう世代、どういう人にとっても利用しやすいように、道路や歩道、通路の幅はこういうふうにとりましょうとか、あらかじめスロープをつけた設計にしましょうとか、また住宅であれば、年齢やその構成とともに間仕切りを取ったりとか、階段についてこういうふうにできますとか、いわゆるユニバーサルデザインと言われるような、あらゆる世代、あらゆる人に
対応
できるように初めから
整備
をしておく、そういうことにさらに考え方を一歩進めていくということが大事だと思います。 そういう点について、
大臣
、どのように今後
施策
を進められるか、お考えを伺います。
扇千景
25
○
扇国務大臣
今赤城先生から御質問いただきまして、また叱咤激励していただいたと思っております。 少子高齢化
社会
に対しての今後の二十一
世紀
型の
国土交通省
のあり方、また
国土交通省
になって何が変わったのかと言われることに対しましても、我々は、
政策
面で、あらゆる面で気を配っていかなければならないと思っていますけれ
ども
、今あえて先生から例示をしていただきました。 要するに、今後、
国土交通省
になって、今までと違ったものは何ができるか、メリットは何なのかというふうなことを言っていただきましたので、私
ども
としましては、その
政策
面におきましても、御存じのとおり、今先生がおっしゃいましたあかずの
踏切
というものを一体どの程度
解消
できるのであるか、またバリアフリーに関してはどの程度手当てができるのか、そういうのは大きな今年度の目標としてやっていきたいと思っております。 あかずの
踏切
と言われておりますいわゆるボトルネックというものも、大体
全国
で約一千カ所ございます。今ボトルネックになっています。我々は、そういうものを、少なくともそのうち約半数
解消
していきたい、そういうふうに考えておりまして、少なくとも十年間でこの一千のボトルネック
解消
というものを目標にして、
予算
化もさせていただきましたし、実行もしていきたい、そのように考えております。 また、今お話がございましたことでございますけれ
ども
、今後の
国土交通省
としましては、御存じのとおり、
国土交通省
になって今までと違ったことができるという大きなメリットは、少なくとも連結だと思います。そして、
空港
、
港湾
、道路、この一体化によって我々は二十一
世紀
型の
日本
づくりをしていきたい。そのためには、御存じのとおり、ヨーロッパ、アメリカ等と比べますと、インターチェンジから少なくとも十分で
空港
に行ったり
港湾
に行ったり、そういうのがどの程度できるかというのも、私は、
国土交通省
になって初めてできるという大きなメリットがあると思います。 ちなみに、御存じのとおり、十分でインターチェンジから
空港
に行ったり港に行ったりできるというのは、アメリカの場合は九八%達成しております。けれ
ども
、
日本
の場合は
港湾
からはまだまだできません。
空港
は、アメリカの九八%に対して
日本
は四六%、
港湾
に関しては、アメリカの場合は九三%ですけれ
ども
、
日本
の場合はわずか三三%という
状況
でございますので、私は、これは早急に
解消
していかなければならない、また
国土交通省
になったからこそできる
政策
であろうと思っていますので、頑張ってまいりたいと思います。 もう一点御質問がございましたけれ
ども
、要するに、バリアフリーをするためには、最初からユニバーサルできちんとデザインをしていくべきであるという先生の御指摘がございました。 もうおっしゃるとおりでございまして、今既に上りだけのバリアフリーのエスカレーターをつけているというところもございますけれ
ども
、今回は下りもつけなければならない。お足元の不自由な方は、上りよりも下りの方が不便だとおっしゃる方も大勢いらっしゃいますので、今回は下りの方すべて、今既に上りがついているものは下りもする。また、今おっしゃいましたように、ユニバーサルデザインということで、新しくつくる場合は上り下りとも最初からするというふうに私
たち
は考えておりますので、そのように実行してまいりたいと思います。 また、今赤城先生がおっしゃいましたユニバーサルデザインの中で、時間がありますので一、二例を挙げさせていただきますと、御存じのとおり、ファミリートイレというのがございます。大きなトイレにして、皆さんが子供を連れて入れるようにしよう。あるいはまた、段差のないワンステップの低床バス、それもユニバーサルデザインの一つでございます。 多く例を挙げる時間もございませんけれ
ども
、今おっしゃったようなことに関して、我々は、総合的な
政策
で
国土交通省
の
政策
として実行してまいりたいと思っています。
赤城徳彦
26
○赤城
委員
大臣
から詳細な、また力強いお話をいただきまして、ありがとうございました。 ほかにもいろいろな
課題
があって、それぞれ取り上げていますと時間が幾らあっても足りません。 最後に一つ。これは新しいテーマ、今日的なテーマで、
IT
ということが言われております。このことについて特にお願いをしたいと思います。 全戸にファイバーを引いて、だれもが利用できるようにしましょうというファイバー・ツー・ザ・
ホーム
、これが大変大きな
課題
であります。ところが、幹線までは大体でき上がっているのですが、自宅のところまで、ラストワンマイルと言われるその最後のところがなかなか
整備
が進まない。 そこで、既にもう下水道管というのは各家庭まで全部つながっているわけですから、これをどう生かせるかということが大変大事であります。最初は下水道管理用のファイバーということで敷設しましたけれ
ども
、これを一般にも開放しましょうとか、一般の
事業
者が敷設できるようにしましょうとか、いろいろ改正をしてきました。ところが、総延長五十三キロと聞いていますけれ
ども
、まだ十分生かされておりません。 最初にこの光ファイバーをどう敷設するかという議論があったときに、民間主導でやるのか官主導でやるのかというふうな議論がありました。私は、民間活力を
活用
するのもいいんですけれ
ども
、例えば、道路と同じようなインフラですから、最初にある程度
公共事業
として一気に敷設してしまって、その利用を民間に開放するというふうなやり方もあるんじゃないかなと思っておりました。この下水道を利用するに当たって、あらかじめ光ファイバーを下水道
整備
と同時につくってしまいます、後はどうぞ御自由に、これは大変な大容量ですから多くの
事業
者が利用できると思います、そういうふうな形で一気に
整備
をするということも考え方としてはあっていいんではないかと思っております。 お答えは要りませんけれ
ども
、ぜひ
IT
推進
のために、道路の下の情報ボックスもありますし、あらゆる
施策
を総動員して、この
IT
化
社会
、
世界
に先駆けての
実現
を図っていただきたいと思います。 以上、要望して、時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
赤松正雄
27
○
赤松委員長
赤城徳彦君の質問は終わりました。 次に、前原誠司君。
前原誠司
28
○前原
委員
民主党の前原でございます。
扇国土交通大臣
と、それから後ほど道路公団の藤井総裁に質問をさせていただきたいと思います。 まず、
扇大臣
に質問をさせていただきますけれ
ども
、今赤城
委員
に対して、
国土交通省
、つまり四省庁の
統合
のメリットというものをお話しされました。私が聞いていて、期待をする部分と、また余り
理解
のできない部分がございましたので、四省庁の
統合
の意義とか効果について少々議論をさせていただきたいと思います。 少々意地の悪い数字をまず挙げさせていただきますけれ
ども
、再編前の定員は、
北海道
開発
庁、
国土
庁、運輸省、建設省合計して六万八千四百二十七名でございました。それで、再編後の定員は六万六千十二名になっております。ただ、その中に、独立
行政
法人へ移行している者が千八百六十六名おられまして、つまりは、再編に伴う定員の削減というのは百八人しかない、こういうことであります。 何も数を減らすことのみが
統合
のメリットではないと思いますけれ
ども
、今おっしゃっていたような
施策
の
充実
、あるいは別々にやっていたものを
統合
するということになれば、当然ながら人とか
予算
にその結果が見えてくるべきであって、それが一番
国民
にわかりやすい話であると思います。 そこに関して、
統合
したところだからということなのかもしれませんが、人それから
予算
については、
予算
もきょう御説明をいただきましたけれ
ども
、
予算
規模につきましてはほとんど変わっていない、こういう
状況
であります。この
予算
の概要、
国土交通省
からいただいた資料を見ても、しつこいぐらいに
連携
、
連携
ということで
統合
効果をアピールされている部分があるわけですけれ
ども
、少なくとも人と
予算
のところにはそれが反映をされていないのではないかというふうに思いますが、それについてお答えをいただきたいと思います。
扇千景
29
○
扇国務大臣
前臨時
国会
のときにも前原先生からいろいろお話ございまして、想定してお答えしたことがございますけれ
ども
、実際に
国土交通省
としてスタートして初めての
審議
でございますので、私は、前回にお答えしたプラスアルファというものがあろうと思います。 そういう意味で、今、人員の整理ができていないじゃないか、わずかこれだけではないかとおっしゃいますけれ
ども
、我々
国土交通省
は、陸海空、それに
海上
保安庁、気象庁等々、あらゆる
国民
の生命財産を守る
基本
的な大事な任務を負っております。 ですから、ただ削減したらいいというものではなくて、まず
国土交通省
、四省庁
統合
した機構というものはどうあるべきか、そういうものも私は昨年の臨時
国会
のときに先生にお答えして、
国土交通省
としてはこういうふうに四省庁
連携
していきたいんだというお答えをしたのを記憶しておりますけれ
ども
、少なくとも、今、
国土交通省
としてスタートして、この四省庁の
統合
の機構がいかにあるべきかという機構の
確立
というものがまず大前提でございまして、私は、人数を切るだけでそれが達成できたと思いませんし、よりこの機構を少数で確実にするということで
行政
改革
の大きな道筋をつけるという今途上にあるということをぜひ御
理解
いただきたいと思いますことが一点。 もう一つ。
予算
に関しましては、昨年、皆さん方、本当に全会一致で
公共工事
の
入札
と契約に関する
適正化
法を通していただきました。少なくとも我々は、工事というものの必要性と、そして、よりそれを短期に集中的にする、
予算
は同じ額でも使うところが違うというふうに御
理解
いただき、この
適正化
法を利用しながら、
活用
しながら、むだなものを省いて、より必要欠くべからざるところへ集中的にするということによってスピードアップをし、スピードアップをすることによって
コスト
ダウンをする、そういう
基本
的な
国土交通省
の理念に沿って
政策
の実行をしてまいりたいと思っております。
前原誠司
30
○前原
委員
多分、一般の
国民
からして、一緒になった、そして
連携
をした
施策
をより進めていくんだ、機構のあり方についてはこれから、途上であるということなんですけれ
ども
、そこまでは総論として
理解
ができても、先ほど申し上げたように、何も人員削減というものがすべてではないと私も思っておりますけれ
ども
、
統合
のメリットが出るのであれば、当然ながら人員削減というものはついて回るものだ、これは組織の論理としては当たり前だと私は思うんですね。それを棚上げして、一緒になった、そして
連携
した
施策
を進めていくということだけを言われても、私は
国民
には響いてこないというふうに思います。 それから、
予算
も変わっていないということに対して、いや、使うところを大きく変えたんだというふうなことでありますけれ
ども
、
平成
十三年度
予算
概要、
国土交通省
から出してもらったものの六ページ。つまり、
国土交通省
関係
公共事業予算
額の伸び率、ほとんど変わっていないじゃないですか。配分を変えたとかいうことでかなり大きなことをおっしゃっておりましたけれ
ども
、配分が大きく変わったのはただ一つ、新幹線だけ。これが二・一三倍。あとはほとんど一緒か、〇・九九とか〇・九八とか〇・九七あるいは一・〇九とか一・〇八ということで、ほとんど配分が変わっていないじゃないですか。 つまりは、おっしゃっていることは言葉の上辺だけのことであって、
統合
のメリットというものは、
予算
にもあらわれてきていないし、人員にもあらわれてきていないということの証左だと私は思うのですね。 よくお話をされる
大臣
ですので、私が話すことにコンパクトにお答えをいただきたいと思うわけでありますが、ここの一つの大きなポイントを私から少し申し上げましょう。 なぜ
統合
のメリットというものが
予算
とか人員に返ってこないのか。 今までも、建設省も運輸省もこういう役所だと言われていたのです。別に非難をしているわけじゃありません。局あって省なし、つまり、局がかなり独立性を持って、同じ省の中、建設省なら建設省、運輸省なら運輸省の中でも、かなりみずからの
予算
というものをしっかり持った上で、横の
連携
をとってやってこなかった役所というふうによく言われてきたわけであります。局あって省なし、課あって局なしということも言われていました。 そこの背景にあるのは何かというと、長期
計画
なんですよ。長期
計画
、つまりは、今、十六本の
社会資本整備
にかかわる
計画
があります。五カ年
計画
のものもあれば七カ年
計画
のものもある。こういったものがすべて、つまりは局の
予算
の裏づけとなって全部決定されているわけですよ、
予算
額が。一緒になったといっても、この長期
計画
の
見直し
をしていない。
予算
がついている。したがって、めり張りをつけたと言うが、めり張りがついているのは、ぼんと伸びている新幹線だけ。 つまりは、こういう長期
計画
があって、そのまた前提には全総という
全国
総合
開発
計画
の中で、何年間で
公共事業
はこれだけ使いますよというものがある以上は、器を変えてもなかなか変わらない仕組みになっているんですよ。ここに手を突っ込まなければ、組織も変わらないし内容も変わらない。目先だけ、
国民
に訴える、これは
連携
していますよと、こういう形になっちゃうのですよ。根本を変えなくて変えることができますか。 この長期
計画
の
見直し
、あるいはこの敷居を取って一体化をするなどの大きな
対策
をとらないと、
国土交通省
の
統合
のメリットは僕は出てこないと思いますよ。
大臣
、お答えください。
扇千景
31
○
扇国務大臣
私は、今先生がおっしゃった今までの過去のことは別として、
国土交通省
として新しく出発した以上は、今までと違った形になるというのは、半年、少なくともこの通常
国会
で
予算
を通した後、見ていただければ出てくると思います。 また、それとともに、短く申し上げますけれ
ども
、今長期的とおっしゃいましたけれ
ども
、私は就任のときにも言っております、グランド
計画
、グランドデザインを出すんだ、全
国土
、どこにどうして何をする、いつまでにと。そのグランドデザインを示すことによって、多くの
国民
の
理解
と先生方の御
理解
も得られると思っております。
前原誠司
32
○前原
委員
コンパクトな答弁ありがとうございます。 これからを見ていただきたいと。それはぜひ見させていただきたいと思うわけでありますが、私が質問した内容についてはお答えをいただいておりません。 つまりは、これから、
統合
のメリットとか
連携
というもの、あるいはスピードアップというものを図っていくということでありましたけれ
ども
、大枠の
予算
というのは、建設省、運輸省あるいは
国土
庁、
北海道
開発
庁時代のいわゆる中長期
計画
というもの、それが、五年間ならこれで幾らこの
分野
、例えば道路なら道路、あるいは
空港
なら
空港
、
港湾
なら
港湾
、河川なら河川、こういうことで決まっているものがあるわけですよね。だから、そういう長期
計画
というもの、あるいはその前提となる全総なんかの
見直し
を行わなければ、これから見ていただきたいということで、それについては期待を申し上げておりますけれ
ども
、そういう根本を変えていかなくては、役所を一緒にしただけでは変わらないということを私は申し上げているわけです。 それについての
大臣
の所見を伺いたいということで御質問いたしました。
扇千景
33
○
扇国務大臣
変わらない、変わらないとおっしゃいますけれ
ども
、まず名前も変わりました。 やはり順序というものがございまして、私は、実行する場合にも、今回も、人員を削減していないとおっしゃいましたけれ
ども
、削減はしております。 今回は、少なくとも
地方整備局
というものが
全国
にできました。そして、皆さん御存じだろうと思いますけれ
ども
、先生のお手元に行っているかどうかわかりませんけれ
ども
、
予算
の中から、各地方への補助金は、少なくとも地方の
整備
局からその地方に補助金を出す。一兆円というものを少なくとも地方の
整備
局に任せるんです。そのこと自体も今までかつてないことでございます。補助金を一括して出すのではなくて、
地方整備局
から補助金を出していく、こういうことは今までかつてないことで、これ一つとってみても、変わったというふうにお思いいただきたいと思います。
前原誠司
34
○前原
委員
名前が変わったのは当たり前でして、一緒になったんだから名前を変えないと役所の体というものはなさないわけです。
地方整備局
の話をされました。私は、この
地方整備局
については余り評価していないのですよ。なぜかというと、東京に陳情に来るのを
地方整備局
に陳情に行くのに変わるだけじゃないか、そういう感じがするんですね。つまりは、国の
機関
としての
地方整備局
が権限を握って、
地方整備局
が逆に大きな権限を持ち過ぎるんじゃないかと首長が心配しているところはいっぱいありますよ、話を聞いていたら。 したがって、
地方分権
としての
地方整備局
なのか、あるいは東京に陳情に来てもらうのをやめて
地方整備局
で一括して受けるのかに変わっただけだったら、内容として何も変わっていないじゃないですか。変わったとすれば、どこに陳情に行くかだけ、それだけじゃないですか。
扇千景
35
○
扇国務大臣
私が申し上げておりますのは、陳情政治というものをやめたいということで私は努力しております。それは、陳情は必要ですけれ
ども
、陳情という言葉が私は嫌なんです。
地域
の御意見を聞いたり、
地域
のその気持ちをみんなで話し合うということを私は重視したいと思っております。 今、
地方整備局
に権限が集中するという先生の御意見ですけれ
ども
、私は、それをぜひ
解消
したいと思って、ちなみに申し上げますと、あしたから、あしたはまず中国地方の懇談会、そして二十五日は四国地方の懇談会、三月の二十四日は北陸地方の懇談会、同じく二十四日、西関東の懇談会、そして三月の二十五日には東北地方の懇談会、三十一日と、四月の二十一日まで
全国
の
地方ブロック
を私は回ります。それは、各ブロックの地方自治体の長、政令指定
都市
の市長さん、そして財界、議会の代表者等々で、そのブロックの意見を聞くために私が回るのです。 それは、今おっしゃったように、中央に陳情に行くのが
地方整備局
に陳情に行くだけではないかということではなくて、まず地方の意見を聞いて、そしてその地方の
公共工事
の必要性、これが必要だ、順番はこうしていただきたいということは、今後、地方の分権の本来の姿というものを
確立
していただきたいと思うために回るのであって、今から地方に権限が委譲しただけではないかと決めつけられることではないと思いますので、そうならないように私は努力してまいります。
前原誠司
36
○前原
委員
努力はぜひしていただきたいと思うわけでありますが、言葉じりをとらえるようで恐縮な部分もありますけれ
ども
、地方の意見を聞くために
地方整備局
という形にしたということになれば、では、今までの建設省や運輸省の仕事というものは、それほど聞いていなかったのか、こういうことを言われかねませんよね。 もっと根本的な、もし本当に
扇大臣
が真剣に、陳情政治をやめたい、
地域
の細かな箇所づけまで国が口を挟む、そして、はしの上げ下ろしにまでああせいこうせいという話をする、こういうことをやめるためには、
地方整備局
をつくるのじゃなくて、財源と権限を地方に移譲してやらなきゃだめなんですよ。 つまりは、地方がみずからプライオリティーをつけて、どの
公共事業
をやりたいかということは地方の判断でやったらいいわけですよ。すべて、例えば
空港
なら
空港
、道路なら道路、あるいは
整備
新幹線なら
整備
新幹線、国のお金も出るし、また地方の負担も強いられる。しかし、国の負担がある以上は、あれもこれもということで、とにかく手を挙げていこうということになってしまう。あれもこれもできちゃって、総合
交通体系
がどのような形になっているかといったら、閑古鳥の鳴いている
空港
や港なんていっぱいある。つまりは、そういうところが本当に地方の声を、今までの役所、建設省、運輸省、ここは
国土交通省
ですから農水省も入れたいところでありますけれ
ども
、聞いてこなかった。 だから、その部分については、もし本当に
扇大臣
が陳情政治をやめたいとおっしゃるのなら、財源も権限ももっと大幅に地方に移譲していくべきじゃないですか。その形の中で
国土交通省
の定員というものを、単に今の仕事を残して、行革で
国民
の目が厳しいから減らすんじゃなくて、そもそも
国土交通省
のあり方というものを大きく変えていく中で、実際問題、この機構なり定数なりを
見直し
ていくべきだと私は思います。 この
国土交通省
から出していただいている
予算
概要の八ページ、「
統合補助金
の創設・拡充」。つまり、問題意識は持っておられるのですよ、今の役所の中にも。ただ、言い過ぎる部分があるかもしれませんけれ
ども
、エクスキューズであってはいけない。つまり、ここでやっているから、
地方分権
への流れは
国土交通省
も目配りをしていますよということじゃなくて、根本的に本当にこれをしっかりとやるという形に持っていかなくてはいけないと私は思っております。 今、陳情政治をやめたい、あるいは地方の意見を聞きたい、そういう意味で、
地方整備局
に
大臣
みずから回られて、これからいろいろとお話をされていくということでありますけれ
ども
、もし本当にそういうお気持ちがあるのであれば、もっと財源と権限を地方に移譲していく。ここの「
統合補助金
の創設・拡充」ということが盛り込まれているのであれば、この流れの中で、もう少しこの
施策
を拡充していくというのがこれからのあり方じゃないですか。 御答弁をいただきたいと思います。
扇千景
37
○
扇国務大臣
今おっしゃったように、本当に権限を移譲し、財政も地方に任せる。理想です。その理想に一歩近づくために、我々は
地方整備局
に今回は補助金も回そうということで、なぜなれば、御存じのとおり、先生は一番御存じだと思いますけれ
ども
、各地方がそれだけの受け皿体制ができているかどうかということ自身も私は今クエスチョンマークでございます。そのために私が参るのでございます。 昨年通していただいた
公共工事
の
入札
と契約に関する
適正化
法一つとってみても、その中に評価
委員会
をしなさいと書いてありましても、地方によっては、市町村等々で評価
委員会
もない地方もございます。 ですから、そういう意味では、今先生がおっしゃった、本当の
地方分権
というのは、我々国
会議
員で長い間論議していまして、理想ですけれ
ども
、理想にいきなりいけないものですから、私
たち
は、少しずつ、一歩ずつ確実に、地方の認識と我々の認識、そして地方への移譲というもの、権限と金額の移譲の受け皿をつくっていただきたいということで我々は努力しているということを御
理解
いただきたいと思います。
前原誠司
38
○前原
委員
今の御答弁ならかなり私も、生意気な言い方でありますけれ
ども
、前向きに評価ができると思うのですね。つまり、
地方整備局
に国の権限を、中央に集中していたものを分散させた、しかし結果的に、国の出先
機関
だということではなくて、これから
地方整備局
を
地方分権
の受け皿にしていくための第一歩なんだということであれば、私はそれは評価のできる話だと思います。 ただ、問題は、その先の話だと思うのですね。いかにこれから権限、財源の移譲というものを、その
地方整備局
に仕事を任せる中でやっていかれるかというところが、
国土交通省
になった全体のグランドデザインの描き方だと思います。その先のことを伺いたいと思います。
扇千景
39
○
扇国務大臣
今先生にお答え申し上げたとおり、各地方自治体等々その受け皿がまだ完全ではない。 一つ例を挙げますと、この間の、悪くなったものを例に挙げるのはあれですけれ
ども
、第三セクターということで、リゾート法であんなに私
たち
が夢を持ってしたものでも、第三セクターで、地方は大丈夫だ、地方の財界もみんな推しますといってつくったものでも、いざとなったら何年かたって失敗した例もございます。 ですから、私
たち
は、地方の受け皿というものをきっちりしていただいて、本当に地元の皆さんの要求があるのなら、
公共工事
の必要性、ここにこういうものをつくりたい、あるいは順序はこうしたい、それも地方からぜひ決めていただきたい。そのために私が回るのです。 先のことを示せと言うが、まず私は、地方に丸投げするというのは逆におかしいと思いますので、地方の皆さんと一体になって二十一
世紀
型の
地方分権
の基礎をつくっていくという努力をしているわけでございます。
前原誠司
40
○前原
委員
シーガイアの話をされましたけれ
ども
、それは宮崎県とかに私は気の毒だと思いますよ。 つまりは、大きく二つ問題点があって、リゾート法という
法律
そのものが大きな間違いであったという反省を、やはり
政府
、
国会
でやっていかなくてはいけないということと、第三セクター方式というものがどこに責任の所在があるのかということをしっかりとしないまま進めてきたというところに大きな問題点があって、決して宮崎県が財界も含めて力不足であったからああいうことになったということではないと私は思いますよ。そこは、変な例をとって、分権にいくにはいきなりいけないという理由づけに使わないでいただきたいと思います。 私は、もちろん、いきなり丸投げをしろなどということを申し上げているつもりはありません。したがって、「
統合補助金
の創設・拡充」という
施策
が盛り込まれているということは、だんだんこれから、
公共事業
についても、国が、小さなことまで、はしの上げおろしまで口を挟むのではなくて、金も権限も移譲していくその第一歩としていわゆる
地方整備局
というものをつくるのだということであれば、その先の話というのは、何もいきなりがけから飛びおりろという話じゃなくて、そういう
計画
をつくっていったらいいじゃないですか。
国土交通省
というものができた、そしてこれから効率的な
公共事業
をやっていくのだということであれば、そういう先のこと、
地方整備局
に、国の出先
機関
としてできるだけ分権の発想を取り入れていくということであれば、その先の
大臣
の方向性というものを示す中で、そうすれば、優秀な
方々
がおられるのですから、
計画
を決めていって、どのものは地方に任せられるか、どれだけの財源を移譲していけるのか、そういう話になるはずじゃないですか。 それと、その前提となるのが、さっき申し上げた縦割りの長期
計画
、中期
計画
というもの、これを一たん見直さない限りは、いわゆる硬直的な
予算
配分というのは一切変わらない。その点については御答弁がなかったので、その先の話と、この中長期
計画
、つまりは、各セクターの仕切りを外せ、そういうことが分権の発想の第一歩だということについて、二点についてお答えをいただきたいと思います。
扇千景
41
○
扇国務大臣
先ほどお答えしたとおりでございまして、理想は理想、それは目標として持つべきだ、私はそう思います。 けれ
ども
、私は、後ろ向きの生活はしたくない。
国土交通省
は、新しくなって、二十一
世紀
型で目標を持ってするんだと、いきなり飛び上がれないものですから、私も
地方整備局
へ行ってその地盤をきちんとやってくださいと、そのために私は行くのであって、生まれた子供にいきなり歩けと言っても無理で、やはり、はいはいもし、そして手づかみで歩くようになっていくんであって、私は、二十一
世紀
型の最終目標は、今先生がおっしゃったように、確実な
地方分権
というのは我々の理想でございますから、その手だてをしている段階であるということを私は何度も申し上げました。
前原誠司
42
○前原
委員
中長期
計画
について答弁ください。
扇千景
43
○
扇国務大臣
これも私、昨年から先生にお答えしておりますけれ
ども
、
国土交通省
になったらグランドデザインを出すんだということを申し上げております。そのグランドデザインをつくるために、グランドデザインをつくって、今するもの、十年、二十年かかってするもの、あるいは二十一
世紀
の最後にするもの、私はそういうグランドデザインをつくりたい。 そのためには、
全国
の
地方整備局
を歩いて、そして、地方自治体、あるいは今言った政令指定
都市
の市長さん、住民、財界の皆さんの意見を聞いてグランドデザインをつくろうということですから、この一月六日にスタートしてもうすぐにできるということではなくて、まず話を聞いて、意見を聞いてグランドデザインを早期につくりたいという、その
基本
計画
に基づいた
行動
でございます。
前原誠司
44
○前原
委員
中長期
計画
についての御答弁がないわけでありますけれ
ども
、
基本
的にはそれは変える気はないということだろうというふうに思います。 道路公団の総裁も来られていますけれ
ども
、もう一つだけ
扇大臣
に伺って、道路公団の問題に移りたいと思うわけであります。
政府
・与党で
公共事業
の
見直し
ということをされておりまして、積極的に
政府
も与党も
公共事業
の
見直し
をしているんだということをアピールされています。何度もひもとくこの
予算
概要の中にも、
公共事業
の
見直し
ということで、「
事業
実施
箇所の
重点化
の例」ということで、削減がこの表に載っておりまして、河川
事業
だと約五八%減とか、あるいは
港湾
事業
だと三〇%減とか、
空港
事業
だと約二四%減ということで、費用対効果、それから
コスト
圧縮の努力もされておりますし、その点については、私は、
コスト
圧縮については、本当にそれはお世辞抜きで、しっかりした
方々
が努力をされているというふうに思っております。 ただ、これだけ
公共事業
の
見直し
をして、件数の中止があるにもかかわらず、根本的に、行き着くところは、では額は減らさないのかね、こういうことなんですね。つまりは、先ほど申し上げました、
平成
十三年度、
見直し
の後にもかかわらず
公共事業
費はほとんど減っていない、変わっていないという
状況
であります。 では、
公共事業
費の
見直し
というものは一体何なのだ、また、ここの
予算
概要に書いてある、これだけいろいろ我々としては減らしましたよと皆さん方がおっしゃるものはトータルとして出てきていない、一体これは何なのだということなんですね。そこの整合性がとれていないことを
大臣
に御答弁いただきたいと思います。
扇千景
45
○
扇国務大臣
公共工事
、丸投げだ、談合だ、ばらまきだ、むだ遣いだと、今まで何度も私はそのことに、
公共工事
の必要性というものをだれも評価していただかないのでは、二十一
世紀
、では
社会資本整備
は
世界
水準に達しなくていいのかという大きな問題もございます。 前原先生は前にも、
公共工事
はむだなんだということを私におっしゃいました。先生がむだだとおっしゃいましたけれ
ども
、少なくとも私は、どうしても私に
公共工事
のこれはやっていただきたいという陳情も、民主党の先生方から、党派を超えてその御意見は聞いております、例を挙げませんけれ
ども
、お名前も出しませんけれ
ども
。私は、先ほどのシーガイアも、名前はわざと出しておりません。 ですから、そういう意味では、必要不可欠なものはするけれ
ども
、むだなものは切るというのは当然のことでございますから、あえてそれを数字で出せと言われましても、細かい数字は今ここに
参考人
が来ておりますので回しますけれ
ども
、少なくとも我々は、むだなものは昨年与党三党で
公共工事
の
見直し
ということで大幅に切っているということも先生は御存じの上でお聞きになっていると思いますので、むだを省くのは当然のことでございます。
前原誠司
46
○前原
委員
政府
・与党の逆宣伝の言葉をそのままおっしゃいましたけれ
ども
、民主党があるいは私が、私は
社会資本整備
の
政策
責任者でありますが、
公共工事
がむだだと言ったことは一回もありません。むだな
公共事業
はやめようと言っただけであって、
公共事業
がむだなどということは一言も言ったことはない。ここはしっかりと議事録に残していただきたいと思います。 今申し上げているのは、
扇大臣
と同じですよ。では、むだなものは削りましょう、むだなものは削って、そしていろいろな
コスト
縮減の話が書いてあるけれ
ども
、出てきている
予算
案が変わっていないじゃないですかと。つまりは、
コスト
縮減の努力をし、また談合によってのかさ上げをなくしていこうと。この間法案も通された、我々も賛成をした、そして、むだなものを削っていくということで、具体的な箇所まで挙げて、百八十七件中止ということでこれに書いてある、だけれ
ども
予算
は減っていないじゃないですかと言っているのです。それについて答弁いただきたい。別に、個別の細かな部署を、どうのこうのを答弁してくれと言っているわけじゃありません、全体の話。
扇千景
47
○
扇国務大臣
御存じのとおり、
公共工事
には単年度でできるものもございません、長期にかかるものもございます。ですから、同じ金額でも、その金額で今までは六割しかできなかったものが八割まででき上がる、そういう工事の仕方もございます。 先ほど私は、
国土交通省
になることによってスピードアップをし、スピードアップをすることによって
コスト
ダウンができると申しました。ですから、今までの十年
計画
のものを八年に前倒しすることもできる。そういう意味では、
公共工事
の
促進
というものをやっていくということから、数字の上だけでは言えない。総トータルで見ていただきたい。
公共工事
をなるべく早く仕上げ、早くすることによって
コスト
ダウンできれば、
地域
の
経済
効果が上がるというふうに考えております。
前原誠司
48
○前原
委員
今の
大臣
の言葉をいえば、もちろん単年度でできない
公共工事
がいっぱいあるのは私も知っています。その中で、形として、量としてあらわれてきていないのだということになれば、今の
大臣
のお言葉だと、将来は減るという話になりますよ。今の御答弁だと、将来は減るという話ですよ。
扇千景
49
○
扇国務大臣
工事によったら、でき上がったら
予算
はなくなるのは当然です。
前原誠司
50
○前原
委員
ということは、むだなものを
見直し
ていく中で、あるいは
コスト
縮減をする中で、将来的には
公共事業
の額を減らしていく、あるいは減らしていくということよりも、
事業
を
見直し
ているのだから自然に減っていく、そういうことですか。
扇千景
51
○
扇国務大臣
公共工事
というものが、今先生が、細かいことじゃなくて総トータルで言ってくださいとおっしゃったので、私は総トータルなお答えをしているのであって、少なくとも
公共工事
が、
社会資本整備
というものが、
日本
でどの程度欧米の水準にいくべきなのか、もうこれで結構ですよとおっしゃるのか、その線引きであって、その線引きが、欧米先進国に追いついて
日本
の
社会資本整備
はもうこれで結構ですよとおっしゃったら、当然なくなっていくのじゃないんですか。
前原誠司
52
○前原
委員
最後はそれで多分逃げられるのだろうというふうに思っていました。(
扇国務大臣
「逃げていません」と呼ぶ)私の見方からすると逃げておられるわけであります。 対GDP比でよくあるのは、
日本
の
公共
投資額というのは、狭義の
公共
投資額の定義で大体対GDP比六%ぐらいなんですね。それで、先進欧米諸国はどれぐらいかというと、大体一%から二%台。これは中山建設
大臣
のときにも議論しました。中山
大臣
は、なかなかあの方は博学なところもあって、ヨーロッパの資本の集積の話もされておりました。 しかしながら、我々は、単価の部分あるいは集積の部分を含めても、
公共事業
はアクセルを踏み過ぎて過大であると思います。だからこそ我々は、
公共事業
の
見直し
をやってきて、もう少し雇用をふやすとか、あるいは
社会
保障——
社会
保障などというのは、逆に、対GDP比でいえば公費負担分は欧米と逆転をして、大体
日本
は二分の一ぐらいですよ、対GDP比の割合が。
公共事業
が倍以上。だから、そういう逆転をしたものを我々は変えていきたいというだけであって、削減をしても、ほかのものを一生懸命やっていきますよ、だから額を変えませんよということでは、私は、この
大臣
には
公共事業
の
見直し
は期待はしない、それだけは申し上げたいと思います。 さて、道路公団について質問をさせていただきたいと思います。 まず、取っかかりとして、少し道路公団の具体的なところでお話を聞いていきたいというふうに思います。 質問にも事前に示させていただきましたのですが、東京湾アクアライン、これは大体予定建設費用が九千億円ぐらいでありましたけれ
ども
、最終的に一兆四千億円を超えた、そしてこれの通行量というものは当初予定の半分以下、こういうことでございまして、かなり経営が厳しくなってきております。そこで、京葉
自動車
道、東金
自動車
道のプール制をしいて、償還期限も延ばして何とかやりくりをしようとしているわけでございます。 この三つのプール制というものを、JHの決算ファイルというものを見させていただいて、数字をちょっと挙げさせていただきました。 東金
自動車
道路、京葉道路の収入が、
平成
十一年度が三百二十一億円、そして管理費というものが、管理費、金利、つまりは要った額ですね、これが百九十・九億円ということで、ここは黒字であります。しかしながら、東京湾アクアラインについては、その連絡道も含めて赤字でございまして、問題なのは、プール制にして、では、京葉、東金
自動車
道の黒字部分で東京湾アクアラインを賄えているかというと、賄えていないのですね。百九十九・七億円、つまり、プール制にしても二百億円ぐらいの毎年毎年の赤が出てきている、こういう
状況
に今なっているわけでございます。確かに、償還年度が来たときにとんとんになっていない場合については、準備金みたいなもので、それを取り崩してやるというケースはあるかもしれませんが、これは相当大きな赤字ですよね。 この三つのプール制、これはどうされるつもりですか。総裁、お答えをいただきたいと思います。
藤井治芳
53
○藤井
参考人
お答えします。 先生、もう百も御承知でございますけれ
ども
、千葉県、東京間の
交通
需要、これは非常に大きなものがございます。そのために、東京湾岸
地域
全体を考えて、国として、東京湾アクアラインを
事業
化し、つくり、そして現在使わせていただいているわけでございます。 その結果、現時点で、新たな全体の道路網と既存ネットワークの有効
活用
という観点で、道路機能の
改善
と沿道
環境
の
改善
という視点を入れて、関連道路プール制の適用を含めて
事業
変更申請を行って、お認めいただいたわけでございますが、その中で、このアクアラインの
事業
についても、料金を千円値下げさせていただいて、そして全体として採算がとれる、こういう見通しを持っております。その際に、資金
コスト
を三%、そして償還期間を五十年としたのは、先生御承知のとおりでございます。 なぜこういうことをしたのかという一つの引き金として、私
ども
が特に気になっておりましたのは、この
計画
を立て、でき上がったときまでの
状況
では、房総
地域
を含めて、いろいろな
事業
がもっと
展開
していくであろう、こういう前提がございました。
経済活動
も
地域
開発
ももっと進んでいくだろう。ところが、御承知のように、世の中の情勢が厳しくなってそういうものが抑えられてきました。その結果、この東京湾アクアラインの利用効率も落ちてきたわけです。 その例を具体的に一つだけ申します。 今回、成田の二期がいよいよ目前に近づいてまいっております。あるいは、来年はワールドカップもございます。そのときに、成田から、例えば東京方面は、東関東
自動車
道と京葉道路を現在使っているわけでございますが、今、市川—船橋断面で三十二万台の
交通
量がございます。ということは、一車線で一日一万八千台通っているわけでございます。このことが
環境
問題を、あるいはいろいろな問題を起こしております。では、ここの断面
交通
量をふやせればいいわけですけれ
ども
、もう
地域
の
状況
からそういう
計画
も事実上難しゅうございます。 そこで、房総半島、千葉県全体として、これをうまく
地域
全体として
活用
したいという知事と、あるいは県議会からの御要望もございまして……(前原
委員
「質問にだけ答えてください」と呼ぶ)はい。ということもございまして、それで今回の、現在使っているような京葉道路と、そして千葉東金道路等々と一体となったプール制をとって、償還の見通しを立てて、現在その推移を見守っておるというところでございます。
前原誠司
54
○前原
委員
だから、プール制でその償還
計画
を立てて推移を見守っているのじゃなくて、プール制にしても年間二百億円の赤字が出ていますね、どうするんですかという質問をしているんです。あなたへの質問全部むだ。どうするんですか。その一点だけ答えてください。
藤井治芳
55
○藤井
参考人
一つの断面だけで二百億円というのが現在あるのは承知しておりますけれ
ども
、私
ども
は、五十年間で全体が採算がとれるという長期的な見通しで
事業
を
展開
させておりますので、その中でその問題も十分解決し得るという見通しを持っております。
前原誠司
56
○前原
委員
そうしたら、ここで資料要求をさせていただきたいと思います。 今、総裁が、五十年というタームでは、今単年度では二百億円という赤字が出ているけれ
ども
、五十年というもので見ればちゃんとそれはうまく合うんだ、償還できるんだ、こういう話でありました。 その試算の根底になっているいろいろな数字、つまり、
経済
成長率をどう見込んでおられるのか、あるいはその
地域
の人口動態をどう見ておられるのか、通行量をどう見ておられるのか、その点の試算のもとになった資料を提出していただきたい。
委員長
に要請をいたします。
赤松正雄
57
○
赤松委員長
藤井総裁、いいですか。
藤井治芳
58
○藤井
参考人
はい。
赤松正雄
59
○
赤松委員長
わかりました。
前原誠司
60
○前原
委員
それでは、そういう資料をぜひ見てみたいものであります。お願いをいたします。 それでは、同じように、誤解なく、していただきたいわけでありますが、高速道路というものは、今まで非常にうまい形で
整備
をされてきたと私は思います。つまりは、国費だけでは、あるいは税金だけではなかなか、多大なお金がかかりますので、利用者からも負担をしていただく、そしてまた財政投融資などから借金をして、そしてその通行料収入でそれを返していく、そういったやり方というのは非常に私はうまくやれたと思いますし、高速道路というものが、
日本
の
経済
発展に対しては相当大きな役割を果たしてきたんだろうと思っております。 そういう意味で、今までのことと、ただ、きょうちょっと心配しておりますのは、将来のお金のことなんですね。将来のお金のことを私は相当心配をしております。 一つの指標としてありますのは、昔つくったものはかなり採算性がとれている。私は京都でございますけれ
ども
、京都を通っている名神高速道路というのは、これは中央高速道路の西宮線というんですね。これについては、今、百円もうけるのに十八円でしたか、かなり安い額ですね、そのぐらいで済んでいるということであります。西宮線、十八円ですね。中央
自動車
道西宮線、これは名神高速道路であります。東名高速道路につきましても十五円、つまり百円もうけるのに十五円しかかかっていない、こういうことでございます。 しかし、新たにつくり始めたものは百円もうけるのに百円以上のお金がかかっておりまして、いわゆるプール制において何とか全体としては半分でそれがうまく回ってきているということでありまして、もしここで、道路建設をやめて返していくという
計画
を立てれば多分うまくいくんだろうと思いますが、これからは相当大変なんじゃないかというふうに思っております、新しいものをつくっていくのは。地価も違いますし、人件費も違うし、工事費も違うということで、大分お金がかかってくるんじゃないかと思うのですね。 そこで、これは、つくるべきではないとかどうのこうのという話を除外して、一番我々が危惧をしているのは、一番お金がかかるであろうと思っている第二東名、第二名神なんです。あったら便利であろうということは間違いないことでありますけれ
ども
、これをつくったときに果たして、今、百円もうけるのに、全体のプール制で高速道路が五〇ということで何とか償還ができるだろうという見込みになっておりますけれ
ども
、これで果たして将来返していけるのかということを非常に心配をしております。したがいまして、第二東名・名神の総工費、通行台数見込みとその根拠、償還
計画
について、具体的にちょっとお話を聞かせていただきたいと思います。 高速道路
整備
の流れというのは、道路公団さんからいただいたハイウエーリポート二〇〇〇にも書いておりますけれ
ども
、まず
基本
計画
策定に必要な
調査
をやるということで、路線の比較
検討
もするし、
交通
需要の推定や
経済
的効果の
検討
もするということでありますので、箇所ではなくて、第二東名、第二名神の全体の総工費が幾らかかるのか、幾ら通行台数が見込まれるのか、償還
計画
はどうするのか、そういうところの数字をお示しいただきたいと思います。
藤井治芳
61
○藤井
参考人
第二東名・名神、現在
整備
計画
が出ておりますのが四百五十六キロでございます。このうち、
実施
計画
認可を受けて私
ども
が
事業
しておりますのが四百七キロでございまして、その
事業
費は九兆五千億でございます。将来の
交通
量につきましては、二十年後の二〇二〇年ごろには、海老名—神戸間が供用しているものということで、平均断面
交通
量を一日約五万台となるものと見込んでおります。 この推計は、私
ども
もやりますが、この
計画
そのものが、もともと
国土
開発
幹線
自動車
道
計画
の
整備
計画
のときに全体の償還
計画
をチェックし、そして施行命令を出すときにチェックし、そして概算要求をするごとにチェックをしてやってきております。そのときに使われる一つの数字でございます。 こういうことで、私
ども
は、
全国
の路線を一体として償還する、プール制のもとに償還をするという仕組みでございますので、この第二東名・名神を含めて、現在
整備
計画
が出されている全区間、九千三百四十二キロでございますが、これにつきまして、
業務
執行
の
効率化
とか、建設費、管理費の節減とか、こういうものとあわせて、
政府
出資金、利子補給金等の充当をいただいておりますが、現在の料金水準を上げない、その水準のもとで十分償還
計画
がとれるということを前提に今
事業
をさせていただいております。
前原誠司
62
○前原
委員
そうなればいいわけでありますけれ
ども
、先ほどの、東京湾アクアラインの話をさせていただきましたけれ
ども
、五十年間で見てもらえればちゃんと大丈夫ですよという総裁の御答弁でありましたので、そこについては資料も出していただいて、その発言には責任を持っていただきたいと思うわけでございます。 このプール制というのは、一つ厄介な問題がありまして、個別の路線、
計画
されているものも含めてでありますけれ
ども
、かすんじゃうんですね。つまり、全体のプールに入れちゃって、悪く言えばごまかしがきくわけです。要は、換算起算日というものをどんどん先送りしていく中で償還
計画
が先送り先送りされていって、本当に償還できるのかどうかがよくわからない、こういうところに大きな問題点があると思っています。 私の、ど素人の見込みでありますが、先ほど申し上げましたように、現段階で道路建設をやめて、そして今までの借金、ここに借金が書いてありますね、かなりの大きな額に及んでいますよね。資産総額が三十七兆四千二百二十三億円で、その中の道路資産、つまりは、かかった借金三十二兆二千八百四十億円と、工事中の道路資産、この道路資産という書き方もやめてもらいたいのですが、四兆四千二百二十九億円。つまりは、全体でかかった費用が三十六兆七千六十九億円で、返したお金、借入金の返済に充てた額が八兆六千三百五十三億円ですから、それを引いた額、およそ二十八兆円が借金として今残っているわけですね。今建設をとめればこれを何とか返していけるのではないかと思います。 先ほど申し上げましたように、これからつくる道路というのは、先ほど、第二東名、第二名神の総工費用、九兆五千億円とおっしゃいましたけれ
ども
、とてもこれでつくれるはずはないと私は思っています。つまりは、そこの資産の問題と通行量見通し。通行量見通しだって、さっきおっしゃった東京湾アクアラインだって大きく違うわけですよ。かなり違う、この数字については。 東京湾アクアラインの話をして申しわけないですけれ
ども
、例えば推定
交通
量、
平成
九年、一日の台数二万五千四百六十八台、これが推定
交通
量であるけれ
ども
、実際に走った平均は幾らだったかというと一万一千八百七十六、四六・六%しかない。推定
交通
量の半分以下。
平成
十年はもっとひどい。二万八千七百二台、つまりは、ふえると見込んでいたのが、実際に走ったのが九千九百九十六、三四・八%まで落ちていて、
平成
十一年は、また伸びると見込んで三万一千五百八十一台、しかし実際は九千六百四十七台ということで、推定
交通
量の三分の一以下ですよ。三〇・五%。 つまりは、今の道路公団の持っておられる資産が本当に信頼できるものなのかどうなのかということを、情報公開を相当していただいて、我々が鉛筆をなめながら、人口動態とか
経済
成長率とかいうものをしっかりと調べた上でチェックする必要がある。先ほど総裁がおっしゃった話は、私はそのとおりだと思うのですよ。今までの手続はしっかり経ておられる。しかし、先ほどの
扇大臣
の話にもありましたように、
計画
を立てて、そしてやり始めるまでに時間がかかる、やり始めてから完成するまでに時間がかかるということで、私は、いわゆる高度
経済
成長の前提のもとでこの推計がなされた可能性がかなり高い、このように思っています。 したがって、これも道路公団総裁にお願いをしたいわけでありますが、
整備
計画
が九千三百四十二キロ、今できているのが大体六千七百キロぐらいですか、そのぐらいですね。ですから、まずは、
整備
計画
の九千三百四十二キロから六千七百キロを引いたものについて、今建設中あるいは
計画
中のものについて、幾ら総工費がかかるのか、そしていわゆる通行台数見込み、そしてどういう償還
計画
なのか、そして
交通
需要の推定、そしてそれは換算起算日はいつか、そしてどのような償還
計画
を立てるのか、個別の路線についてすべて資料を提出していただきたい。その中で我々は、その資料を見させていただく中で、このままのやり方で大丈夫なのかどうかという判断を
国会
で責任を持ってやらせていただきたい。その情報が欲しいのです。答弁をいただきたいと思います。
藤井治芳
63
○藤井
参考人
二点についてぜひお答えさせていただきたいと思います。 まず高速道路は、
事業
を
実施
し、毎年
予算
をお認めいただくという段階で、先ほど言いましたように、国の
計画
として
整備
計画
をつくるときに一回採算性のチェックをします。それから、施行命令を国が道路公団に出すときに償還
計画
のチェックをいたします。それから、毎年概算要求をするときにチェックをいたします。それから、
予算
が決定した際にもまたチェックをいたします。そのときに、
交通
量であるとか、金利であるとか、こういったものは変動いたしますから、そういうものの変動要因を入れて全部チェックをいたしております。そういう仕組みの中で私
ども
は仕事をしている、こういうことをまず言わせていただきたいと思います。 それから、二点目。今先生からいろいろと数字について言われましたが、それらについては、早速まとめて先生のお手元に出させていただきたいと思います。 私
ども
は、こういった財務内容等、財務諸表とか
事業
報告
書とか路線別の収支
状況
表とか、こういったものは広報誌のハイウエーリポート、年報あるいはインターネットで公表しております。しかし、さらに、十三年度からは財投
機関
債を発行させていただきますので、当然、民間の有価証券
報告
書に準じた新たな情報公開資料の作成もしなければならないと思って、その準備もいたしております。そういうことで、私
ども
、なるべく大勢の
方々
に誤解がないように、しかも、ちゃんとチェックをしてやっているのだということを
理解
していただいて仕事をしませんと、私
ども
はそういう国の
指示
において仕事をしている立場でございます。 最後に、三点目。ちょっとだけつけ加えさせていただきますと、そういう償還
計画
の中で、高速道路全体の収入と費用の比率を見ますと五〇%ということで、その差は償還準備金として借入金の返済に充てさせていただいております。さらに、先生が先ほど数字で言われましたが、営業中の高速道路の資産総額二十七兆四千億でございますが、それで償還準備金の累計は八兆四千九百億でございます。そこで、資産総額と償還準備金の比率、いわゆる償還率ですが、これは、十年度は二九%でしたが、十一年度は三一%ということで、これらも、毎年そういう償還
計画
をチェックすることからこのような形のものになってきていると思っておりますし、これからも、厳しくすることを旨としてやってまいりたいと思います。
前原誠司
64
○前原
委員
確認で恐縮なのですが、今総裁のおっしゃったことは十分
理解
はしております。ただ、チェックをする際に、プールで今までチェックをしているわけですが、つまりは、プールだとよくわからない。そして、換算起算日がどんどん先延ばしになって償還期間も延びるという中で、個別の道路の採算性というものが薄められて、そして将来的に
国民
負担が、ふたをあけたときにどんとのしかかってきたということではこれは大変なことだということで、今申し上げたのは、今建設中あるいはこれから建設予定のものも含めて、その見通しですね、需要見通し、
交通
量、総工費、償還
計画
、それをすべて明らかにしていただきたい。こういうことでありますけれ
ども
、それはやっていただけるのかどうか、もう一度済みません。
藤井治芳
65
○藤井
参考人
今のことにつきましては、公団の立場は、施行命令を受けてから以後の立場でございますので、
国土交通省
と十分御相談して、それぞれの立場でできることをさせていただきたいと思います。
前原誠司
66
○前原
委員
それはおかしいのじゃないですかね。つまりは、一つ一つの路線の決定というもの、予定路線を立てて
基本
計画
を決定し、
環境
影響評価というものを
国土交通省
の中でやっていくわけですよね。その中で、
国土交通省
と相談をしてということではなくて、そうしたら、総裁、これは
国土交通省
が明らかにする、
扇大臣
がそれについては明らかにするというお答えを
扇大臣
からしてくれと、そういうことですか。
藤井治芳
67
○藤井
参考人
高速道路の全収入というのは、先生も百も御承知のプール制でやっております。それは、先につくったところだけが得して、後でつくったところは、待っていてかつ損してしまう。こういうことではだめですから、
国民
がひとしく、みんな痛みも利益も分け合う、こういう前提でプール制でやっております。 したがって、収入も、その中で内部補助といういろいろな仕組みがございまして、先生御承知のように、それについても過度にならないように、今二分の一以下、こういうことになっておりますが、そういう償還の状態というものにつきまして、私
ども
でできるだけの努力をさせていただいて、先生のお手元に出させていただきたいと思います。 なお、私
ども
が
事業
をしておるという路線は施行命令を受けた路線であるということだけは追加させていただきます。
前原誠司
68
○前原
委員
ちょっと頭が悪いので最後のところはよくわからなかったのですが、総裁のおっしゃっていることはよくわかっているのです。要は、プール制になっていて、最初につくったものは費用が安く済んでいて、後でつくるものは金がかかる。だから、もうかっているところから内部補助という形で、そして二分の一を超えない形で何とかそれを後発部隊に充てていくんだ、だからプール制をしいているんだ、こういう話ですよね。それはよくわかっているのです。 それで、つまりは、内部補助ということも各路線で決めているわけですよ、各路線で。三%ルールというのも各路線で決めているわけです。各路線の見込みとか実績は出してもらっていますよ、もうハイウエーリポートで、実績は。私が心配しているのは、これからのことを心配しているのです。これからのことをです。 何度も申し上げているように、今やめたら、建設中のものをすべてやめたら、六千七百キロですか、ここであとの二十数兆円の負債は多分返していけるだろう、今のルールの中で。しかし、これから新たにつくり続けますよね。
整備
計画
だけでも九千三百四十二キロ。これから二千キロ以上つくらなきゃいけない。
基本
計画
では一万一千を超えるわけですよね。その中にあって、果たして今のやり方でいけるのかどうか。 さっきおっしゃったように、
機関
債もこれから、これからというか、今までも道路公団さんが発行されているわけでありますけれ
ども
、財投
改革
においてけじめをつける中で
機関
債を発行させるという言い方をあえてさせていただきますが、
機関
債を発行される中で一番大事なのは、くどいようだけれ
ども
、各路線がどのぐらい金がかかって、そしてどのような収支状態になるのかということを一つ一つ明らかにしていかないと、プールでどんぶり勘定にされるとよくわからない。 だから、事細かな、今建設中、これから建設されるものについて、
機関
債を買われる人も含めて、
国会
で議論する者も含めて、我々が判断できるような資料をしっかりと公団として出してください、こう申し上げているわけです。それについてはよろしいわけですね。
藤井治芳
69
○藤井
参考人
先生、くどいようでございますが、今のいろいろな推計方法、いろいろな方法がございますから、その中で可能な限りの努力をさせていただきます。
前原誠司
70
○前原
委員
出していただいたもので納得しなかったら、また質問をして出していただくようにいたしますので。 以上で終わります。
赤松正雄
71
○
赤松委員長
以上で前原誠司君の質問は終わりました。 次に、細川律夫君。
細川律夫
72
○細川
委員
民主党の細川律夫でございます。
国土交通
委員会
になりまして初めての
審議
、この場で質問ができることを光栄に思っているところでございます。 先ほど
扇大臣
の方から
所信表明
がございました。ただ、私は、森内閣の一員であります
扇大臣
がこれからの
日本
の
国土交通
政策
についての
所信
を述べられておりますのを、複雑な心境で聞いておりました。 今、森内閣の支持率は、報道ではいわばもう一けた台になっておりまして、これはもう
国民
の大多数の方が森内閣の退陣を願っているということでございます。したがいまして、森内閣の一員として
扇大臣
が
所信
を表明されましたけれ
ども
、しかし、この
所信
に対して、
国民
の方から見ますといま一つ信頼ができないのではないかというふうに私は率直に感じるところでございます。
予算
が成立をしましたならば、森内閣は、森首相は
辞任
というような観測もあるわけでありまして、それでは次の政権がどういうものになるかということにつきましても、これまた不透明でありまして、
国民
の政治に対しての不信というものはますます高まっているところでございます。 そこで、
扇大臣
にお伺いしますけれ
ども
、こういう
状況
になっておりますことについて、連立を組んでおられる保守党の党首でもあられる
扇大臣
は、どのようにこの事態を認識しておられるのか、また森総理の進退についてはどのように考えておられるのかを、まずお伺いいたします。
扇千景
73
○
扇国務大臣
今、細川先生から、
委員会
で
審議
できるのがという大変謙遜したお話がございましたけれ
ども
、この百五十一回
国会
が一月の三十一日に開会されました。るる事情はあろうと思いますけれ
ども
、きょう二月二十三日、初めて
国土交通
委員会
が開かれました。 私は、そういう意味では、少なくとも
国土交通省
が一月の六日にスタートしたものですから、一月の三十一日に
国会
が始まりまして、一日も早く皆さん方に
所信
を聞いていただきたい、また皆さんとお顔合わせをして、二十一
世紀
の新しい
日本
のあり方というもの、
国土交通省
を含めて各先生方の真摯な御意見もいただいて、
国土交通省
というもののあり方を探っていきたい、そのように私は念願もしておりました。やっと、二月二十三日という日にちになってしまいましたけれ
ども
、きょう私が
所信
を申し上げるのも、私、申し上げる前にも、いささか日が
たち
過ぎているなと気にしながら
所信
を申し上げた次第でございます。 私は、そういう意味では、本当に、今後、残された日にちの中で、
国土交通
委員会
として、特に皆さん方の、先生方の貴重な御意見を
国土交通省
の二十一
世紀
のグランドデザインに反映していきたいというのが原点でございますので、活発な御論議をぜひお願いしたいというのが第一点でございます。 それから、今の現状をどう見るかというお話がございましたけれ
ども
、私は、本当に嘆かわしいといいますか、支持率の低下というものをどうこうということではなくて、昨今起きております事例、
国民
の皆さんが新聞、テレビを見て、またか、そういう気持ちをお持ちになる事例が多過ぎる。また、政治家がまた悪いことをしている、何で政治家というのはこんなに悪いことばかりできるんだろうか、また、するんだろうか、そういう御懸念が
国民
の皆さん方の中にあるということに対しては、同じ国
会議
員の一人としても、身の処し方あるいは綱紀の粛正等々、私は、二十一
世紀
の初頭にこういう論議を
国会
の中でしなきゃいけないということは本当に残念至極と思っておりますし、二十一
世紀
、希望に燃えた明るい二十一
世紀
を迎えるその
国会
の
冒頭
に、
予算
委員会
等々拝見しておりましてもふさわしくない論議が連日あるということは、本当に残念なことだと思っております。 また、諸般の事情によって、五Kだとか六Kだとかと言われております多くの事件の内容に関しては、私は逐一ここで申し上げる立場にはございませんけれ
ども
、少なくとも、与野党を超えてパーティー券の購入等々、だれが悪いとかということ自体よりも、私は、
大臣
という立場を離れましても、国
会議
員の一人としても、自分の身の正し方、身の処し方、
国民
の目に疑問を持たれたことはなるべく明快にしていく、
国会
論議の中で
国民
の皆さんに疑義を持たれないようにより明快にしていくべきであろうと思っております。 今、森内閣が云々とおっしゃいましたけれ
ども
、私は森総理に任命された閣僚でございまして、森内閣の一員としても、今の
経済
状況
、
日本
の二十一
世紀
の最初の
国会
でございますので、
国民
の生活の安定と
経済
のより安定した成長を望むためには、本年度の
予算
を一日も早く通していただき、そして
国民
に明るい二十一
世紀
を持っていただくために、おかしいと思うところは私は
国会
の中で堂々とただしていただきたい。証人喚問も現場でお決めになったようでございますし、私は、その場で是々非々、いけないことは
国民
の前で、
国会
で律していくということの決意を皆さんとともに共有していきたいと思っておりますので、
国民
の信頼を得るように
国会
審議
を進行していきたいと思っております。
細川律夫
74
○細川
委員
森総理に任命をされたその
扇大臣
が支持率一けた台の森内閣の一員として
所信
を表明する、その心境をちょっとお聞きしたかったんですけれ
ども
、ちょっと一方的なお話になりまして、私の質問の趣旨に答えていただけなかったようでございます。 続いて、総合的な
交通
政策
についてお聞きをいたします。
国土交通省
という大変大きな官庁が誕生いたしました。この官庁に対しましては、巨大官庁とかあるいは利権官庁とか何かと批判も多いところでございます。しかし、うまく機能すれば
交通
政策
を総合的に行えるというような可能性もまたあるわけでございます。 これまでは、運輸省あるいは建設省その他いろいろ、それぞれ別々にやっておりましたので、整合性という面でなかなかうまくいかなかった点があったかと思います。
整備
新幹線にしろあるいは高規格道路にしろ、いろいろな
交通
のモードの整合性に欠ける点があったかというふうに思います。 これまでの総合的な
交通
政策
につきましては、どの官庁が所管をしてやっていたかといいますと、これは
経済
企画庁の所管でございました。しかし、残念ながら、総合的な
交通
政策
につきましては実効性のある提言がこれまでなされていなかったわけでありまして、わずかに
国土
庁の
全国
総合
開発
計画
の中で多少提案をされているにすぎなかったところでございます。 そこで、今度
国土交通省
が誕生いたしましたけれ
ども
、この総合的な
交通
政策
立案の部門はこの省庁再編で一体どういうふうになるのか。当然私は
国土交通省
が
中心
になって行っていくものだというふうに思いますけれ
ども
、陸海空合わせて、どういうような総合的な
交通
政策
を立案していくのか、この点について
大臣
がお考えになっていることをお聞かせいただきたいと思います。
扇千景
75
○
扇国務大臣
今先生がおっしゃいました総合的な
交通体系
というのが、二十一
世紀
の
日本
にとっては大変重要なことだと私は思っております。 なぜなれば、
世界
の中での物流というものを考えたときに、
日本
は欧米先進国に比べて物流
コスト
が大変高うございます、数字を言っていると時間がかかりますのでやめますけれ
ども
。そういう意味では、まず、二十一
世紀
、
世界
に
日本
が伍していくためにも、物流
コスト
を考えなければ、
世界
じゅうから物も来ませんし、
日本
の物を外へ出せない。 そういうことから考えますと、今先生が御指摘になりました
交通体系
というものは、私は、すべからく二十一
世紀
型の指針をまずつくっていかなければならないということで、大変大事なことを御指摘いただいたと思っておりますし、また、この総合的な
交通体系
というものを
確立
していく、それが
国土交通省
であろうと思っております。 そういう意味では、今後、
国土交通省
としては、高規格
幹線道路
一つとってみても、あるいは
整備
新幹線一つとってみても、あるいは
交通体系
への総合的な取り組みというもの、先ほ
ども
前原
委員
とお話ししておりましたように、いかに効率よく、安く、そしてより早く
国民
のニーズにこたえることができるかということのためには、
空港
、
港湾
の
整備
、そして、私先ほ
ども
申しましたので重ねては申しませんけれ
ども
、
空港
、
港湾
からのインターチェンジへの接続のパーセントの低さ、それも今まで、
日本
の、
国土交通省
でなくて、運輸省、建設省とばらばらになっていたからこそ効率が上がっていないと私は思いますので、今御指摘いただいた
交通
の総合的な体系というものは、
国土交通省
としては二十一
世紀
の
日本
に欠くべからざるものであるという認識のもとに頑張ってまいりたいと思っております。
細川律夫
76
○細川
委員
大臣
の方からは力強いお話がありましたけれ
ども
、最初に御答弁をされたのは、物流のことからお話に入られましたけれ
ども
、物流、人流、総合的な
交通
政策
をぜひ早くきちっとつくっていただきたいというふうに思います。 ちょっと答弁がなかったんですけれ
ども
、これは、
国土交通省
の中でこれまで
経済
企画庁の所管でやっておりましたことをきちっとやるということで承ってよろしゅうございますね。うなずいておられるので、そういうふうに確認をして、進めてまいります。 そこで、私は、総合的な
交通
政策
をつくり、そして着実にそれを
実現
していくということ、これは大変大事なことで、ぜひやっていかなければならないというふうに思っておりますが、それに加えて、私
ども
は、
交通
の
基本
法というものをぜひつくらなければいけないんじゃないかというふうに思っております。 それは、これからは、
環境
とかエネルギー効率などにも配慮いたしまして、効率的な資本
整備
も、きちっとしたそういう視点を持ちながら、
鉄道
、
自動車
、航空、
船舶
、こういったモード全体を考えた物流、人流のあり方を考えるために、きちんとした方針を出していかなきゃならない。そのためには、その根拠となる法源、
交通
基本
法というようなものをつくって、そして総合的な
交通
政策
をきちっと進めていかなければならないのではないかというふうに思っております。 今、私
ども
も、そういう
交通
基本
法をつくるということで勉強も重ねておるところでございますけれ
ども
、
交通
権といった権利も
検討
をいたしながら、
災害
とか安全性の問題についても内容に含めるようなきちっとした形のものにしていきたいというふうに思っておるところですけれ
ども
、
大臣
として、
交通
基本
法というものをつくるということについてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
扇千景
77
○
扇国務大臣
先生御存じのとおり、昨年も私は
公共工事
の
入札
と契約に関する
適正化
法もつくりました。今先生がおっしゃいました、
交通
の
基本
法はいかにということでございますけれ
ども
、御存じのとおり、フランスには国内
交通
基本
法というものがございます。私も、
公共工事
の契約と
入札
に関する
適正化
法のときにも、まず外国の
基本
法というものを勉強させていただいたわけでございます。 私は、今先生がおっしゃいましたように、総合的な
交通体系
を
整備
するという、その上に立ってすれば、各
交通
機関
の特性を生かして、またその各
交通
機関
の
連携
というものを図られていくということに対しては重要であるというふうに考えておりますけれ
ども
、そのためには、各
交通
機関
の
連携
を重視した
交通
基盤
整備
というものをまず進めていかなければならないと私は思います。
日本
の場合は、先ほ
ども
私お答えしましたように、運輸省と建設省と、みんな縦割りでできていたものですから、
交通
基盤
整備
ということがもともとできていなかったというのが、私が
国土交通省
を担当しました大きな出発点でございます。ですから、そういう意味では、
交通
機関
の運営及び
ハード
、
ソフト
両面にわたって
交通
の
基盤
整備
を進めるということがまだ
日本
には欠けていたと私は思っておりますので、まず
国土交通省
として、
国民
にとっても望ましい
交通体系
というものを、
法律
ができたからということで規制を一方的にできるものではないと現段階では私は感じておりますけれ
ども
、
基本
的には、
市場
のメカニズムを
活用
しながら誘導すべきものであると私は考えております。 今細川先生おっしゃいましたように、
基本
法はいかにということでございますが、今後も私は、
交通
機関
の
連携
による総合的な
施策
でありますマルチモーダル
施策
というものを
推進
するということによって、このような取り組みを通じて、御指摘の
環境
あるいはエネルギーの効率な
ども
配慮した
交通体系
の
確立
ということをまず第一歩にしたいと思いますので、今おっしゃった大きなことは二歩目にしたいと思っております。
細川律夫
78
○細川
委員
今
大臣
が最初に言われました外国の例でありますけれ
ども
、フランスの
基本
法などは、いわゆる
基本
法と言えるようなものではないというふうに私
ども
は
理解
をしております。 今
大臣
が言われました、
交通
基盤
を
整備
する、あるいは総合的な
交通
政策
をきちっとつくり上げていく、そのための法的な根拠というものをまずつくる、そのための
交通
基本
法というふうに私
ども
は考えております。
大臣
は、まずは
交通
基盤
整備
というふうに言われましたけれ
ども
、その根拠となる
法律
をまずつくるべきだというふうに私
ども
は考えておりますので、ぜひ
検討
もしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。
大臣
は今ちょっとほかの
委員会
に行かれるようでありますから、いろいろ
大臣
に質問するところは少し飛ばしまして質問をいたしたいと思います。 それでは、先ほ
ども
質問に出ておりましたけれ
ども
、一月の三十一日に発生いたしました日航機同士のニアミスの
事故
の問題について質問をいたしたいと思います。
事故
が起こった場合、何よりも大事なことは、
事故原因
の徹底的な
究明
と、再発の
防止策
を立てて実行するということでございます。今航空機
事故
調査
委員会
の方で
調査
をしているという
報告
が先ほ
ども
ございましたけれ
ども
、その
事故原因
は一体何なのか。今現在わからないということの
報告
ならばやむを得ませんけれ
ども
、それについて、
事故原因
がわかれば説明していただきたいと思います。 今回の
事故
の最大の
原因
は管制のミスというふうに言われております。
日本航空
の九五八便と九〇七便を取り違えて
指示
をしたということであります。 しかしながら、報道によりますと、これまでにもこのような
事故
はいろいろあったのではないか、ニアミスはあったというようなことも報道されております。九九年度には、衝突
防止
警報装置、TCASが作動して回避の警告が出たケースが二十七件あったというふうに報道をされております。問題が表面化したのと表面化しないのをあわせていろいろ考えますと、こういうような大変な
事故
につながりそうなニアミスというようなこともたくさんあるのではないかというふうに思います。 今度の事件にしても、これは急降下によって
乗客
に負傷が出ましたからこういうように表面化いたしましたけれ
ども
、それがなかったならば果たしてこういうような問題が起こったのかどうかということも疑問でございまして、あるいは見逃されたのではないかというようなことも心配をするわけでございます。 そこで、お聞きをいたしますけれ
ども
、これまでいろいろなニアミスが起こっておりますけれ
ども
、一体これはどういうような
原因
で起こったのか、インシデントの
検討
は十分これまで
調査
検討
を重ねてきたのか、お伺いをしたいと思います。今度の
事故
は管制のミスだというふうに言われておりますけれ
ども
、これまでも大体そういうような管制のミスなのか、これまでの
検討
した結果を御
報告
いただきたいと思います。
泉信也
79
○泉副
大臣
今回の
日本航空
九〇七便の
事故
につきましては、けさほど御
報告
をさせていただいたとおりでございます。 特に、先生御指摘の、今回の
事故
が管制官のミスによるものかというお尋ねでございますが、このことにつきましては、現在、
事故
調査
委員会
で鋭意御
検討
をいただいておる最中でございます。この場で私
ども
の方からその判断をするのはできないと申し上げざるを得ません。 ただ、
指示
すべき
対象
機を管制官が間違えたということにつきましては、
国土交通省
としても大変重く受けとめておりまして、今後の
対応策
を含め、今、必要な措置をとらせていただいておるところでございます。 今日まで十年間でいわゆるニアミスというものが何度あったかということをまず御
報告
させていただきますと、件数では三件ございました。 一件は、パイロットが自分の位置を正確に把握していなかった、そのことによっていわゆるニアミスが生じた。これは
平成
三年の事件でございますけれ
ども
、セスナ機が自分の位置を正確に把握していなかったことによって生じたものでございます。それからもう一件は、レーダーに映らない空域においてニアミスが起きた。これは太平洋上で生じたことでございまして、
平成
六年の
事故
でございます。それから、最後のもう一件は、パイロットと管制官の間の情報が必ずしも十分でなかった、そういうことが
原因
で起きた
平成
八年の
事故
でございます。こうした三つの事件がニアミスとして
報告
をされ、それぞれの
対応
をとってまいったところでございます。 さらに、TCASの二十七件があるというようなことを先生から御指摘をいただきましたが、機長からの
報告
をなされておりますものは確かにこの三件以外にもあるわけでございまして、これは航空法の七十六条の二に基づいて、機長からいわゆる
異常接近
報告
がなされておるわけでございます。それを、重要なもの、確かにそうだというようなものについては、
原因
を
究明
し必要な措置をとらせていただいておるのが今日までの実態でございます。
細川律夫
80
○細川
委員
そうしますと、今のお答えによりますと、これまでのいろいろ起こりましたニアミス、あるいはまた、先ほど私の方から申し上げました衝突
防止
警報装置が作動して回避警告が鳴ったような事例に対しては、
調査
検討
を重ねてきて、今回の
事故
が起こる前、きちっといろいろ
対策
も立ててやっていた、こういうふうにも聞こえますけれ
ども
、果たしてそういうのを十分やっていたならば、今回のような本当に単純なミスといいますか、びっくりするような、そういう
ヒューマンエラー
が出るというようなことはちょっと考えられないわけでございますので、したがって、もうちょっと管制のあり方についてここでお聞きをしておきたいと思います。 今度のニアミスの
原因
の一つが管制にあるというのは、今よくわからない、まだ判断できないというふうに言っておられますけれ
ども
、私、だれから見ましても、今度の大きな
原因
の一つが管制にあるということは間違いないというふうに思います。したがって、管制執務をどういうふうに立て直していくのかという点が大変大事だというふうに思っております。 特に
管制業務
というのは、本当に、私も実際に
管制業務
に携わって最近おやめになった方に直接お聞きをいたしましたけれ
ども
、大変な激務でございます。とりわけ、ラッシュ時といいますか、航空機が多く飛ぶときには、管制官は本当に悲鳴を上げたくなるほど大変だそうでございます。 したがって、人間のミスというようなものは、これはどんなにいろいろ訓練したとしてもある程度発生をするということはやむを得ないということで、人間のミスをある程度前提として、どういうふうにミスを減らすか、あるいは仮にミスがあったとしてもどういうふうにそれを修正して
事故
に至らないようにするのか、そういう仕組みをきちっとつくっていくことが大事だというふうに思っております。衛星を
活用
いたします次世代航空保安システム、これを早期に稼働させる、加えて、航空機システムとインターフェースいたしました信頼の高い、管制をきちっと
支援
していくシステムの構築が必要だというふうに思います。 そこで、今後の問題ですけれ
ども
、管制官をどのように教育していくのか、あるいは勤務実態をどういうふうに改良していくというか
改善
をしていくのか。あるいは、今回は訓練生がやっていた、そこでミスが出たのでありますけれ
ども
、訓練生に対する
指導
監督、あるいは
基本
的に、航空機がたくさん今ふえているわけですけれ
ども
、それに伴った人員がふえていないというような指摘もされております。そういう要員の不足とか、そういうものに対して、
国土交通省
として今後こういうことが起こらないようにするためにどういうように取り組んでいこうとされるのか、それについて説明をしてください。
深谷憲一
81
○深谷
政府参考人
御指摘について御説明をさせていただきたいと思います。 今般の
事故
が、いわゆる管制官の便名の取り違えがきっかけだったという事実にかんがみまして、その事実が我々の聴取によりまして判明しまして、我々としましては、直ちに
航空管制システム検討委員会
というのを航空局の中に設けまして、現場からの
改善
策とかこういったものを取り入れながら、鋭意必要な
安全対策
の
検討
をスタートさせました。 その中で、先生御指摘のように、
ヒューマンエラー
の件、あるいは管制官の
訓練監督者
の件、そういった問題がございますので、やれることは速やかに
対応
しよう、現在、既資格取得者全員に対する一定期間の
訓練監督者
研修
、これは速やかに
実施
しようということにいたしますとともに、やはり
ヒューマンエラー
の
再発防止
をきちっと図らなければいけないということから、既に資格を持っていらっしゃる方に対しても一定期間ごとの再訓練制度、こういったものをつくる必要があるのではないか、あるいは訓練教官の体制についても
強化
する必要があるのではないだろうか、また訓練機材も
充実
させる必要があるだろう、職場
環境
の
改善
な
ども
考えなければいけない、こういうふうな全般的な問題について鋭意
検討
を進め、遅くとも六月までをめどに最終的な
結論
を得て、
実施
に移していきたいと思っております。もちろん、六月までを待たずとも、
実施
に移せるものがあれば
結論
に達し次第
実施
に移していきたい、かように考えておりますし、先生御指摘の要員につきましても、その
検討
の中で必要に応じて定員要求も考えていきたい、行っていきたい、かように考えております。
細川律夫
82
○細川
委員
ぜひしっかりとやっていただきたいと思います。 次に、空域の問題についてお伺いをしておきたいと思いますが、管制と密接に
関係
があるのがまさに空域の問題でございます。 この空域の問題につきましては、かねてから横田基地の空域の返還を求めております石原都知事も、この
事故
の背後には民間航空機の空域が狭過ぎるということを指摘しているところでございます。米軍の管制下にあります横田空域というものは、断面積で比較をいたしますと、成田の進入
管制空域
と比較をしますと二倍強でございます。日米安保条約があったとしても、私は、こういう実態は、
日本
は正常な主権国家と言えないのではないかというふうにも思います。 また、空域に関しては、民間空域と自衛隊の訓練空域というものが分離をされておりますけれ
ども
、自衛隊の基地と訓練空域の間には回廊というものがございまして、
航空路
が設定をされております。そのことが民間
航空路
を制約いたしているところでございます。民間航空機というのはもう本当に数がふえてきておるわけでありまして、しかし空域の方は全く拡大をしていない、こういうことでございます。 そこで、これは
大臣
にお聞きしたかったのですけれ
ども
、米軍との空域の設定について、現状を改めるようなことを交渉できないものかどうか。あるいはまた、自衛隊の訓練空域を含めて、民間の飛行ルートを拡大するような、最優先するような空域を設定できないのか。こういうことについて
国土交通省
はどういうふうに考えているのか、これは
大臣
に聞きたかったのですけれ
ども
、いませんから、では副
大臣
にお願いします。
泉信也
83
○泉副
大臣
細川
委員
御指摘のように、民間の航空需要が大変多くなっております。その中で、
日本
の空でいかに安全を
確保
していくかというのは、御指摘のとおり、我々が最も配慮していかなければならないことだと思っております。 先ほど
航空局長
から一部御説明をいたしましたけれ
ども
、今回の
事故
に絡んで、
航空路
あるいは空域の再編等にまで踏み込んで議論をし、安全の
確保
をしたいということを考えておるところでございます。 まず、複線化あるいは一方通行あるいは最適経路の設定、こうした空域、航路の再編をやっていこう。それで、どこまでやれるかというようなことも議論をしていこう。その際、必要があれば米軍あるいは自衛隊等との協議をさらに進めていくという考え方で取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
細川律夫
84
○細川
委員
それはぜひやっていただきたい。必要があればじゃなくて、私は必要だというふうに思いますから、ぜひやっていただきたいというふうに思います。 そこで、次にお聞きをいたしますのは、今回の
事故
でも、機長に対するいわゆる尋問といいますか、羽田に帰ってきました、
負傷者
が出た、この飛行機について、機長に尋問をするということについていろいろトラブルがあって、なかなか早く事情を聞けないというようなことがあったようでございます。 航空機の
事故
が起こった場合、
事故
調査
委員会
の方での
調査
と、それから機長に過失があったのではないかという刑事責任を問うための捜査、この二つがあるわけなのですけれ
ども
、いわゆる
事故
調査
委員会
の方での
調査
と、それからいわゆる捜査とが競合をする場合に、一体どちらが優先をするかという問題がございます。 こういう
事故
が起こった場合には、とにかく
原因
の
究明
、そして
再発防止
を最優先にしなければいけないのではないか。とりわけ航空機の
事故
などというのは故意犯なんかはないわけですから、過失犯ですから、そんなに急いで捜査をする必要はなかろうというふうに私は思うのです。 それにつきまして、捜査といわゆる
事故
調査
の
関係
を取り決めております覚書というのがございます。第六十八回の通常
国会
のころに、警察庁長官後藤田正晴さん、そして運輸事務次官の町田直さん、この連名で覚書というのができております。これを見ますと、どうも捜査の方が優先をして、
事故
調査
の方は遠慮するというような覚書にとれます。 そういうことで、私は
事故
調査
を最優先にしなければいけないというふうに思いますが、
事故
調査
の障害にもなりかねないようなこの覚書について、
国土交通省
は今どのように考えておられるのか。 それから、今
国会
に法案が提案をされまして、
鉄道
の
事故
調査
も常置の
機関
になるわけでありますけれ
ども
、これについても同じような覚書を交わすつもりなのかどうなのか、その点についてお聞きをしたいと思います。
泉信也
85
○泉副
大臣
今回の
日本航空
九〇七便の飛行機が羽田に着陸しましたときに、警察の方が
機内
に最初に入ったということから、今先生御指摘のような、捜査が先に行って、
事故原因
調査
が後から行くというようなことになっておるのではないかという御心配だと思います。 このことにつきましては、当然のことながら、
事故
調査
と犯罪捜査、それぞれ異なる目的で進めさせていただく、異なる
法律
のもとで進めさせていただくということでございまして、一方が他方に優先するということではない、またあってはならないというふうに
理解
をしております。 御指摘の覚書の内容も、そうした観点に立ってお互いに交わさせていただいたものでございまして、両者が競合する、犯罪捜査と
事故原因
調査
が競合する場合でありましても、
委員会
と捜査
機関
との間で協力、調整をやっていく、そういう趣旨からあの覚書が締結されたわけでございます。 プロの先生から見られると、覚書がどうも捜査優先という記述になっておるのではないかという御指摘かと思いますが、これまでの
事故
調査
においては、そうした心配はなく、お互いに協力して事実を
究明
してきた、
原因
を
究明
してきた、こういうことでございまして、今後ともこの覚書を尊重していきたいと考えております。 なお、今回
法律
を提出させていただいております
鉄道事故
に関してもこうした覚書が結ばれるのかという御指摘がございましたけれ
ども
、このことについては、今こうしたものが必要であるというふうには思っておりませんが、なお今後もう一度
国土交通省
といたしまして
検討
して、必要があれば覚書を結ばせていただくというようなことを考えたいと思います。
細川律夫
86
○細川
委員
検討
して覚書を結ばせていただくというようなことでありますけれ
ども
、今私が申し上げましたこれまでのような覚書ならば、私は、つくらない方がいいんじゃないか、やらない方がいいんじゃないかというふうに思っておりますから、念のためにつけ加えておきたいと思います。 これまでの経験からいたしましても、例えば、あれはどこでしたか、山梨で起こった
鉄道
の
事故
に関して私は鮮明に記憶しておりますけれ
ども
、列車
事故
が起こって、運転手の方が最初に警察の方に連れていかれて、運輸省の方が調べようにも全く接触もできない、ずっと警察に身柄をとられているという
状況
が続くわけですね。 私は、確かに運転手の責任、それがどうあるべきかということで捜査も必要と思いますけれ
ども
、しかし、どういう
原因
で
事故
が起こったのか、
事故
調査
あるいは
再発防止
、これが大変大事だ。やはり、まずはこれを優先して、早く解明して、二度とそういうことが起こらないようにするのが大事だ。大体、過失犯ですからそんなに捜査を急ぐことはないわけでありますから、私は、まずは徹底的な
原因究明
を優先すべきだというふうに考えているところでございます。 そこで、続いてお聞きをいたしますけれ
ども
、今度、航空機の
事故
の
調査
体制というか、それについてお伺いしたいと思います。 航空機
事故
の
調査
につきまして規定しております国際民間航空条約十三附属書には、航空
調査
当局は、航空機の
事故
調査
に当たっては、独立性を保ち、かつ無制限の権限を有しなければならないというふうに規定をされておりまして、これは本当に強い権限が与えられているところでございます。ところが、
日本
の航空機
事故
調査
委員会
の方は、監督官庁の
国土交通省
の一
機関
として設置をされておりまして、この国際民間航空条約の求める独立性を満たしているというふうには言えないと思います。 一方、アメリカの国家運輸安全
委員会
、今、例の練習船と原潜の衝突
事故
でマスコミでもいろいろと登場いたします国家運輸安全
委員会
、これは監督官庁から完全に独立をしておりまして、大変強力な権限が与えられております。今回の事件でも、いち早くこの
原因究明
に乗り出しまして、米国の海軍に対しても強力な権限を持って臨んでいるということが言えるわけでございます。 そこで、
航空事故
と
鉄道事故
をあわせた
調査
委員会
の設置法案が、この
改正案
が今
国会
に提案をされるというふうに伺っておりますけれ
ども
、この際、設置というものを、独立性の強い、内閣直結の強い独立性を持たせるような、そういう
委員会
にすべきだというふうにも考えられますけれ
ども
、この点についてどういうふうにお考えですか。
泉信也
87
○泉副
大臣
今のお尋ねにお答えいたします前に、先ほどの
鉄道
との
関係
で一つだけ追加させていただきます。 もう一年になります日比谷線の地下鉄の
事故
に際しまして、
原因究明
を、これは
委員会
ではございませんが、それに準ずるような形で
国土交通省
としてやらせていただきましたが、その際は、警察の方ともお互いに協力して支障なく
原因究明
をさせていただいておるということでございますので、今後とも今の体制で、覚書の趣旨を十分生かして、
事故原因
あるいは警察としての
調査
をやっていくことができるのではないかというふうに思っております。 また、今お尋ねがございました、今
国会
で御
審議
をいただきます、新しい、
鉄道
も含めました
事故
調査
委員会
ということにつきましては、今日までの
委員会
の活動からしますと、
国土交通省
の中で
原因究明
をやっていくことについて支障はない、このように私
ども
は考えておるところでございます。 的確な
調査
、公平、適切な
調査
を行う、特に公正な
調査
を保障するということは、
航空事故
の場合も、
調査
委員会
設置法の四条に、
委員会
の
委員長
及び
委員
は独立して職権を行うというふうに規定されておりまして、まずこのことが保たれる仕組みであるかどうかを私
ども
は考えたいと思っております。 そしてまた、
航空事故
調査
、
鉄道
もこれから同じことになると思いますが、
事故発生
の
通報
、現場保存、応急の事実
調査
、情報の提供、こうした事柄が非常に大切になるわけでありまして、
国土交通省
の所属
機関
の、
関係
の
機関
の援助がどうしても不可欠だと考えております。また、常日ごろからこれらの各
機関
との連絡を密にする必要があるということを考えておりまして、
委員会
を
国土交通省
に置くということで今後とも
対応
させていただきたい。また、
法律
もそのような体制で提案をさせていただいているところでございます。
細川律夫
88
○細川
委員
私の意見の方もぜひ
検討
もしていただけたらと思います。 時間がありませんから、先に進ませていただきます。 新大久保の駅の
事故
についてお伺いをいたします。 この
事故
で三人の方がお亡くなりになりまして、心からの御冥福をお祈りしたいというふうに思いますが、この
事故
の後、
転落事故
につきましては、
再発防止
のためのいろいろな提言がなされ、
改善
も進んでいるわけでございます。それ自体は大変結構なことでございますけれ
ども
、昨年のバリアフリー法案が前の運輸
委員会
などでいろいろと議論されたときにも、
ホーム
さく、
ホーム
ドアの問題などがいろいろ議論をされたところでございます。また、
交通
バリアフリー法の施行のための省令の中にあります円滑化基準の中にも、我が党などが強く要求をいたしまして、
ホーム
さく、
ホーム
ドアの設置などについて追加された経緯がございます。 そこで、
JR
の西
日本
では
ホーム
さくを試行的に設置するというようなことでありますけれ
ども
、中には、なかなか進んでやるというようなことを言われない
鉄道
、
JR
の会社もあるわけでありまして、一体、この
ホーム
さくあるいは
ホーム
ドアなどの設置について、民鉄の会社はどういう動きをしているのか、そして
国土交通省
としては強い働きかけを今後どういうふうにしてなさるのか、それらについてお伺いをしたいと思います。それが一点。 もう最後になりますからもう一点だけお伺いしますが、この
JR
新大久保駅で亡くなられた三人の方のうち、カメラマンの関根さんという方からは労災の申請がされたようでございます。 労災の適用につきましては、通勤途上の場合には労災が適用されるというようなことになっているようでありますけれ
ども
、この件について労災が適用されるのかどうなのか。私は、本当にとうとい犠牲になられた関根さんには、ぜひ労災の適用をスムーズにしていただくということが大変大事じゃないかというふうに思いますので、その点についてお答えいただきたいと思います。
泉信也
89
○泉副
大臣
新大久保の
事故
を契機に、改めて
鉄道
事業
の安全策を再
検討
する必要があるということで、
調査
もし、
関係者
への新たな
対応
を
指示
させていただいたところでございます。その中には、検知マットあるいは避難空間あるいは非常ベルの設置等、いろいろなことを
検討
していただくようにお願いをいたしました。 今先生御指摘の、
ホーム
ドアあるいは可動式
ホーム
さくといったものにつきましても、現在、十一社十二路線で採用された例があります。しかし、これを一律に強制的にすることが、その
ホーム
の旅客の流れでありますとか、幅と申しますか広さ、そうした特殊な事情で、必ずしも適切ではない部分もあるというふうに私
ども
は考えております。したがって、駅の構造、利用
状況
等を個別に勘案して
事業
者が
検討
していく、我々も注視をしていくということで
対応策
をとっておるところでございます。
JR
西
日本
で試行的に行うということでございますが、他の
JR
各社あるいは民鉄等におきましても、先ほど申し上げましたような、それぞれの
状況
に応じて安全策をもう一度
点検
し、必要な
施策
をとってもらうように我々は
指導
し、また
報告
をこれからも受けていくつもりでございます。 関根さんの労災の問題につきましては、
関係
の担当者からお答えをさせていただきたいと思います。
佐田通明
90
○佐田
政府参考人
カメラマンの関根さんにつきまして、御遺族の方から今週初めに労災の請求が出てまいりました。 労災は、御案内のように、
業務
上の
災害
と通勤途上の
災害
を
対象
としておりますので、
事故
の当日の
状況
につきまして、
関係者
の方から事情をお伺いし、
調査
し、迅速に
対応
してまいりたいと考えております。
細川律夫
91
○細川
委員
時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。 ぜひ労災の適用を早くしていただきたいと思います。 えひめ丸の問題についてもお聞きをしたかったのでございますけれ
ども
、外務省あるいは
海上
保安庁の方においでをいただきましたけれ
ども
質問ができませんでした。大変失礼をいたしました。 では、私は終わります。
赤松正雄
92
○
赤松委員長
以上で細川律夫君の質問は終わりました。 午後一時から
委員会
を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ————◇————— 午後一時一分
開議
赤松正雄
93
○
赤松委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。 質疑を続行いたします。山田正彦君。
山田正彦
94
○山田(正)
委員
自由党の山田正彦です。 それでは、私の方から、きょうは日航機同士のニアミス事件についてお聞きいたしたいと思います。 大変な
事故
にはならなかったのですが、ニアミス
事故
というのは、今や結構頻繁になされているような報道も伺っております。アメリカの連邦航空局によりますと、現在の
事故
率のままで、このまま二〇一五年になりますと、恐らく八日に一件の全損
事故
が発生する、そういう予測すらなされているようですが、ひとつ副
大臣
に、ニアミス
関係
について今どのような実態にあるか、先ほど細川先生も聞いておられましたが、少しお話を伺いたいと思います。
泉信也
95
○泉副
大臣
先ほど十年間に三件のニアミスがあるという
報告
をさせていただいたところでございます。 今回の
日本航空
九〇七便の
事故発生
の
状況
についてお尋ねがございましたが、まず、今もなおお一人の方が入院加療中でございまして、一日も早い御快癒を願っておるところでございます。 この
事故
は、一月三十一日の十五時五十六分ごろに、
羽田発那覇
行き
日本航空
九〇七便が焼津市付近上空において
釜山発成田
行き
日本航空
九五八便と
異常接近
し、
衝突回避操作
を行う際に発生したものでございます。お話しのように、一つ間違えれば大惨事となるというところでございましたが、幸いにしてと申しましょうか、大きな
事故
にならなかったということは事実でございます。 ただ、問題は、重大な
事故
を発生する要因を内包しておるという認識を持っておりまして、
事故原因
の速やかな
究明
のための
調査
委員会
が直ちに
調査官
を
現地
に派遣し、
口述聴取
を行うなどの
調査
を行っておるところでございます。聴取の結果、担当しました
航空管制官
の
指示
が
対象
機を間違えたという事実が判明いたしまして、このことについて、私
ども
は、
航空交通
管制のあり方についてそれぞれの立場でその
対応
を今
検討
し、直ちに行うべきもの、それから今後なお
検討
をするものと仕分けをして取り組んでおるところでございます。 いずれにいたしましても、
原因究明
に
全力
で取り組んでまいりたいと思っております。
山田正彦
96
○山田(正)
委員
今回のニアミスについては、九〇七機が上昇中に下降せよと管制部からの
指示
を受けて、相手方機を目撃したので手動で降下を開始したが、その直後に
衝突回避
装置が働いていわゆる上昇を
指示
された、そうなっておりますが、九〇七機の機長としては、既に下降を続けておったので、上昇するにしても、一たん機首を下げて、それからそのまま上げなきゃいけない。ところが、相手方の機が目前に迫ってきたので、一たん下げている機首を上げるということはとてもできないと判断して、そのまま深くさらに突っ込んでいった。その深く突っ込んでいったのがかくんと落ちて、今回の大変な傷害
事故
につながった、そう解釈しております。 後日、新聞等の報道を子細に
検討
してみますと、管制官の
指示
が誤っておった、いわゆる管制官が九〇七機を取り間違えて
指示
したと。先ほど泉副
大臣
もそう申しておりましたが、もしそうだったとすれば、これはいわば管制官の監督的立場にある
国土交通省
、国としての責任は当然おありだ、そう考えますが、それについて、
大臣
、どうお考えでしょうか。民事その他の損害等についても。
扇千景
97
○
扇国務大臣
今お話を伺っておりましても、御指摘いただきましたように、一つ間違えれば大惨事という、私
ども
は、少なくとも
国土交通省
は、陸海空あらゆるところでの安全を期するということが第一目的、また第一心がけとしてはしなきゃいけないというのですけれ
ども
、今おっしゃいましたように、責任の所在というよりも、まず
事故原因
の解明というのが先決であるということで、御存じのとおり、私は多くの反省も含めて対処させていただきましたけれ
ども
、今、賠償問題がどうとか民事がどうとかというよりも、
国土交通省
としては、まず
原因
がどこにありきかということのために、二月の九日には、緊急総
点検
の結果をすぐ
報告
しなさいということで、
全国
の先任の
航空管制官
に緊急
点検
の
指示
をいたしましたものの結果を九日に上げてまいりました。 そして、先ほ
ども
お話がございましたように、緊急に
点検
結果というものが出てまいりまして、六項目ございますので、全部言っていると時間がありませんけれ
ども
、項目だけ言わせていただきますと、
点検
をした結果、確実な管制間隔の設定、それが一つ。二つ目には、適正な管制用語の使用。ベテランには私語的なものを言う人もあるということで、二点目としては適正な管制用語の使用。三点目が、交信内容の適正な把握及び確認。そして四番目が、訓練生に対する適切な監督。そして五番目が、
管制機関
、管制席相互間の確実な連絡調整、そして交信。六つ目には、
交通
状況
に応じた要員の配置等適切なマネジメントということを反省材料として
全国
から上げてまいりました。 ならば、今先生がおっしゃったように、
改善
策はそれに対してどうするのかということがあるものでございますから、その上がってきた六つの要項に関して、私
たち
は適切な
対応
というものをまた五つ決めておりますけれ
ども
、これはまた次の御質問があればということで、時間ばかりとると失礼ですので、五つ再
点検
して見直そうということを決めております。
山田正彦
98
○山田(正)
委員
えひめ丸も、原潜
事故
等についても、あれはもう明らかに原潜の過失ですが、今回も管制官の過失だとすればの話です、当然のことながら、米国大統領も陳謝の意を電話ででしたか表明したようですが、
我が国
としても、このような
事故
が管制官のミスであったとしたら、国としても当然陳謝の意を先に表明して、そしてそれから
原因
の
究明
、こういうことがないようにとするのが人情あふれる
大臣
としてのとるべき立場ではなかろうか、そう思って申し上げたわけです。 次に進めさせていただきます。 今回の九〇七便において、機が
空港
に到着後、実は、まだ
負傷者
を含む
乗客
がおりていないうちに警察官三名が操縦席に立ち入って事情聴取を始めたということなのですが、このことは、私の方で調べてみますと、航空法の七十四条、七十五条によりますと、機長としては
乗客
を、けがした
乗客
も含めて、まずは安全におろさせる、誘導させる責任が書かれております。それをしないうちに警察官にそのまま事情聴取されて何もできなかった、こういった事態、これは航空法に反するのではないか、そう思われますが、泉副
大臣
、どうお考えでしょうか。
泉信也
99
○泉副
大臣
司法の立場、警察の立場で捜査をしなければならないということは、私
ども
も当然あり得ることだと思っております。 今先生御指摘の、航空法に違反するのではないかという事柄につきましては、機長として、今回の着陸に際して、乗務員それぞれの立場で
対応
を図ったという
理解
をいたしておりまして、直ちにそれが航空法の違反に該当するという
理解
は私
ども
はいたしておりません。
山田正彦
100
○山田(正)
委員
そういう行為をした警察官の行為そのものについて、実は、御承知だと思いますが、シカゴ条約と呼ばれております国際民間航空条約、この条約の第十三附属書によりますと、
事故
調査
は、罪や責任を課することなく、将来の
事故
を防ぐために徹底した
調査
をする、そのためには黙秘権を使われては困るから、すべての事実をあからさまに述べてもらう、そのかわりに、調べられた事実、
事故
調査
の結果は、司法上、
行政
上の手続と分離されるべきである。私も随分この条文を読んでみたのですが、
事故
調査
委員会
で調べた内容について、これを司法あるいは
行政
上の手続に供してはならない、開示してはならない、そういう趣旨で条約は書かれてある、そう考えられます。 そうしますと、今回、司法警察のとった捜査、これについて、シカゴ条約との兼ね合いで、
航空局長
にお聞きしたいと思うのですが、司法
調査
と
事故
安全
調査
、これについて、その判断、これをどう考えられるかお聞きしたいと思います。
深谷憲一
101
○深谷
政府参考人
お答え申し上げます。
事故
調査
と警察の捜査との
関係
でございますけれ
ども
、
事故
調査
と犯罪捜査、いずれもそれぞれの公益
実現
のための重要な作用だと思いますが、一方が他方に優先するという
関係
に必ずしもあるものではないと思いますので、仮に両者が競合するような場合でありましても、捜査
機関
と調整の上、
事故
調査
を行うこととなっておると承知しておりまして、
航空事故調査委員会
が行います
事故
調査
に支障があるとは承知しておりません。 また、国際民間航空条約の
関係
でございますけれ
ども
、その十三附属書におきましても、
調査
当局と司法当局との調整の必要性についても触れられておると承知しております。
山田正彦
102
○山田(正)
委員
本件事故
の場合においては、今申し上げましたように、いきなり機長室に警察官が入ってきたということ。そしてまた、実際に過去にあったことなんですが、一九八三年、中標津
空港
でのYS11の
事故
調査
において、残骸主翼の一部を警察官が
事故
直後、チェーンソーでそれを切っておった、
事故
の一日か二日後なんですが。本来、これは
事故
調査
委員会
の方が、当然先に
調査官
が調べた上で、どこにどのように残骸が落ちてどうなっているか、本来ならその後警察官が捜査をするのが当然でしょうが、直前にやってしまったら
事故
調査
も何もあったものじゃない。 そういった非常に強引な司法警察の
調査
、これが、今回機長が、新聞で報道されたように、弁護士を入れてしか供述しないとか、いろいろな報道がなされましたが、そういうことにつながったのじゃないか。そうすると、シカゴ条約にいうところの、本当に次の大きな
事故
を起こさないために十分な
調査
ができなくなっているのではないのか。 この事態について、実は今私の手元に、昭和五十年につくられたという警察庁長官と運輸省事務次官の覚書、これを手に入れておりますが、この覚書によりますと、これを素直に読めば司法捜査が優先する、そういうふうにとれます。今言ったような、司法の捜査が踏み込んできたときに大変ないがしろにされている事実、これを
大臣
、どうお考えでしょうか。副
大臣
、泉先生で結構です。
泉信也
103
○泉副
大臣
中標津の
事故
については、ちょっと具体的な
状況
を把握しておりません。必要があれば、また調べた上で御
報告
をさせていただきます。 先ほど先生御指摘のようなICAOの十三附属書に基づいて、
日本
の
航空事故調査委員会
も役割を果たす仕組みにしてあるわけでございまして、お尋ねのように、司法が先に行く、結果として
事故原因
の
究明
ができなくなっておるのではないかという御指摘がございました。しかし今日まで
幾つ
かの
事故
を不幸にして経験いたしておりますが、私
ども
は、御指摘の覚書に基づいて司法の
調査
とそれから
事故原因
の
究明
を、お互いに協力し、譲り合い、そして今日までやってきて、支障はなかった、こういう
理解
をしておるところでございます。当然、
航空事故
調査
の結果は、先ほど
委員
御指摘のように、犯罪捜査のために認められるものではないということも十分踏まえた上で、我々は
事故
の再発を防ぐための
調査
に専念する、そして今日まで支障はなかったと
理解
をしておるところでございます。
山田正彦
104
○山田(正)
委員
事故
調査
において支障はなかった、競合して話し合いでやっているということですが、実際の現場においては決してそういう
状況
ではない、私がいろいろ調べた限りではそう思っております。 この中で一つ、私が今持っているのが二〇〇〇年四月六日の機長組合ニュースというんですが、この機長組合ニュースによりますと、会社・
事故
調の
調査
報告
、これは九九年九月三十日の関空で発生した滑走路逸脱事件の
調査
結果ですが、これについて、いわゆる機長さんとか飛行機のいろいろな
乗員
ですね、
乗員
にアンケートをとったところ、
事故
調査
委員会
の
調査
報告
を九七・三%の
乗員
が信じられない、信頼できない、そういうアンケートが寄せられている、これはゆゆしきことであると。 今、泉副
大臣
がおっしゃったように、いわゆる司法の方と
事故
調査
委員会
の方との
調査
が信頼を持って非常にうまく機能しているとは決して言えないんじゃないか、そう思われますが、いかがでしょうか。
泉信也
105
○泉副
大臣
九七・三%の人が信じられないという……(山田(正)
委員
「信頼できない」と呼ぶ)信頼できないという
調査
が出ておるということでございますが、その
調査
の母体、あるいはどういうアンケートでなされたかというようなことを承知いたしておりませんので、直接のコメントはできません。 しかし、先ほどお答えを申し上げましたように、
幾つ
かの
事故
を経験する中で、お互いに司法と
事故
調査
委員会
との信頼
関係
も醸成をされておりまして、私
ども
は、今日の両者の
関係
は、繰り返しになりますが、それぞれの立場を尊重しながら
事故原因
の
究明
ができる状態にあると思っております。
山田正彦
106
○山田(正)
委員
これ以上言っても仕方がないんですが、
国土交通省
航空局としては、いわゆる
事故
の安全性の
調査
というのは国際的に大変大事なことであって、その役割と、先ほど細川
委員
も話しておりましたが、過失
事故
の司法での
調査
の役割というのは全く違うものですから、それが競合して話し合いでというあいまいなことでは絶対に済まされる問題ではない、その辺はひとつぜひ御
検討
いただきたい、そう思います。 その次に、
事故
調査
委員会
のいわゆる構成でございます。 きのうの本
会議
で新しく
委員
も任命されました。我が党としても一応賛成はいたしたんですが、私としては、まず、
委員
五人の構成の中に、
日本
の場合は、大学の名誉教授とかかなり年配な方、また
空港
環境
整備
協会の
理事
長とか、いわゆる名誉職になる方が五人おられている。
大臣
、お聞き願いたいんですが、ところがアメリカの場合には、操縦できる人が五人なっている。五人とも全部が操縦できるとは言っていませんが。
日本
の場合には、いわゆる操縦できる、飛行機に乗ったことのある人がだれもいない、それでいて
事故
調査
委員
になっている。これは、その構成がおかしいんじゃないか。ひとつ
事故
調査
委員
について、その任命等々についてもう一度改めて考え直す必要があるんじゃないか。
大臣
、いかがでしょうか。
泉信也
107
○泉副
大臣
事故
調査
委員会
につきましては、つい先日改めて
国会
の御承認をいただいたところでございますが、全部で五名の
委員
から構成をさせていただいております。 確かに、その専門
分野
を見ますと、航空工学、航空法制、運航・
整備
、人間工学、そして航空機構造力学といった
分野
の専門家にお願いをさせていただいておりまして、いわゆる操縦桿を握ったパイロットの経験者が含まれていないということは事実でございます。アメリカのこれと同じような
委員会
にパイロットの経験者がいらっしゃることは承知をいたしておりますが、我々としては、こうした専門
分野
の方でカバーができておるのではないかと。 なお、パイロットと航空管制の問題その他につきましては、この航空
委員会
とは別に、
国土交通省
として必要な意見の交換等をさせていただきながら今日までやってまいりましたことを御
報告
させていただきたいと思います。
山田正彦
108
○山田(正)
委員
委員会
については、もちろんぜひもう一度
大臣
も含めて御
検討
いただきたいと思うんですが、同時に、
委員会
の下にある
技術
調査官
、これは、先般アメリカのえひめ丸の原潜
事故
でも見られたように、アメリカにおいては、
調査官
が若い三十代の、黒人の方だったと思うんですが、若い方が
調査官
でおられた。
日本
の場合に、残念なことに
技術
調査官
の中に、今大型の飛行機というのは大変なハイテク機器ですが、そういったものの操縦とかあるいは
整備
とか、そういった資格を持っている方がだれ一人もいない。それで
事故
調査
に携わっているという。こんなばかなことが許されていいものかどうか。 今度は副
大臣
ではなく、
大臣
に、個人的見解で結構ですが、どう考えられるか、率直なところをひとつお聞かせ願いたいと思います。
扇千景
109
○
扇国務大臣
今、山田先生からお話がございましたように、少なくとも外国の場合はパイロット自身が入っているというお話もございまして、私
ども
の方でもイギリス、アメリカ、両方調べさせていただきましたけれ
ども
、少なくとも経験のある人
たち
が入っていることも確かではございます。 けれ
ども
、今の
日本
の
事故
調査
委員会
というものは、少なくとも、航空工学あるいは航空機の構造及び航空機の運航・
整備
、人間工学など、あらゆる
分野
において高度の学識及び経験を有する者を任命するということになっておりまして、日進月歩でございますから、必ずしもその人
たち
の
技術
が今の進歩に追いついているかどうかという、そこまで私は能力がございませんけれ
ども
、少なくとも今申しました条件に合った方をお選びしているというのは現実でございますので、私は今後も、外国の例、そして今の
事故
調査
委員会
からの
報告
等々がどの程度完備したものが早期に出てくるかということも見きわめながら、ぜひ
検討
させていただきながらも、私は今のメンバーが不適任であるというふうには現段階では考えておりません。
山田正彦
110
○山田(正)
委員
ちなみに、国際民間航空条約の中の
事故
調査
マニュアルの第一章にこのように書いてあります。 特に重要なのは探求心、この種の仕事に対する献身、勤勉さと忍耐といった素質を備え、訓練を受けた人員によってのみ
実施
されるべきである。
事故
技術
調査官
がその技量を伸ばす基礎として、職業操縦士の素地、航空工学の知識または運航、航空管制、気象、航空力学、設計などの航空専門
分野
の適切な経験を持つことが望ましい。 経験を持つこと、いわゆる学識ではありません。
大臣
がおっしゃったように、そういう知識のある人、いわゆる学者であるとかそういった人ではなく、実際に操縦、そういったことの経験のある人をというふうにシカゴ条約ではそうなされ、そして
日本
もそれを批准している、ところが実際にはそうではないというところ、これについてはひとつ十分に御
検討
をいただきたい、そう思っております。
扇千景
111
○
扇国務大臣
今先生がおっしゃいましたように、基準というものを重視しなければならないと思います。現段階では、
航空事故調査委員会
の設置法というのがございますので、その設置法に基づきまして、先生はもう既に御存じだと思いますけれ
ども
、一つには、航空機
事故
の
原因
を
究明
するための
調査
を行うこと、これは当然です。二つ目には、航空機
事故
調査
結果に基づいて、
航空事故
の
防止
のために講ずべき
施策
について
国土交通大臣
に勧告すること。また三つ目には、少なくとも、航空機
事故
の
防止
のために講ずべき
施策
について
国土交通大臣
または
関係
行政
機関
の長に建議すること。そして最後、四つ目には、上記に挙げる事務を行うために必要な
調査
及び研究を行うことということで、これは設置法によって決められておりますことで、今そのとおりのことを少なくとも実行されておりますし、この
委員会
発足以来、私も調べてびっくりしたのですけれ
ども
、一千件の航空機
事故
の
調査
を
実施
したということでございまして、その一千件の中で、勧告が七件、建議が十三件ということでございまして、これがより一層今後の航空安全のために必要な
調査
委員会
になるようにということを私は念じております。
山田正彦
112
○山田(正)
委員
時間も参りましたが、最後に、これから私の方は管制官側の組合からも事情をお聞きいたしました。今度の
事故
に至った事情というのはいろいろ聞いたつもりです。 これまでにいろいろな質問もあります。航空
管制空域
の問題とか、あるいは発着件数が非常にラッシュであるとか、いろいろなことがありますけれ
ども
、私が管制官の組合の方から聞いた中では、大変なストレスがある。例えばレーダーをずっとにらんでいるわけですが、一時間見たら例えば十五分か二十分休憩するとか、人間ですから、そういう一つの、待遇とかそういったものを早急に
改善
してやる必要があるのじゃないか。 もう一つは、実は、管制官というのは大変大事な仕事なので、あなた方は随分給料もいいし待遇もいいんでしょう、そういうお話をいたしましたら、一般の
技術
職公務員と全く同じで、ただ管制官手当を一万七千円いただいているだけなんです、そういうお話でございました。 私も毎週飛行機で長崎の方と往復いたしておりまして、こういう
事故
に至らないように、どうかひとつ、何とか管制官の待遇も含めて御
検討
をお願いいたします。
扇千景
113
○
扇国務大臣
先ほど先生にも私は申し上げまして、後ほど御質問があればということで、少なくとも緊急に
調査
した結果というものを申し上げました。では、その結果、まず
国土交通省
として
改善
するものは何かということ、これもまとめさせていただきました。 そのときに、今管制官の待遇
改善
ということをおっしゃいましたけれ
ども
、御存じのとおり、管制官というのは、どの就職よりも就職率が高いという、希望者が殺到するという
状況
でございます。待遇
改善
はもとよりも、私は、今度の
事故
を教訓にいたしまして、五つの
改善
計画
をまず決めさせていただきましたので、中身に関しては長くなりますので、その項目だけ五つ挙げさせていただきます。 一つは、
管制業務
の
実施
体制の
強化
の関連、そして二つ目には、教官体制の
強化
の関連、三つ目には、訓練の体制
強化
に関する関連、そして四つ目には、
管制支援システム
の
整備
に関する関連、そして最後に、五つ目には、空域あるいは
航空路
の抜本再編の関連、以上の五つの点の緊急の
整備
を必要とするということにまとめさせていただきました。 内容については詳しく申しませんけれ
ども
、まずそれをさせていただきたい。とりあえず早急に
改善
するというふうに手配をさせていただきましたので、ぜひそれも御
理解
いただきたいと存じます。
赤松正雄
114
○
赤松委員長
以上で山田正彦君の質問は終わりました。
—————————————
赤松正雄
115
○
赤松委員長
この際、お諮りいたします。
政府参考人
として
国土交通省
大臣
官房白取
技術
審議官
の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
赤松正雄
116
○
赤松委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
赤松正雄
117
○
赤松委員長
続いて、
瀬古由起子
さん。
瀬古由起子
118
○瀬古
委員
日本
共産党の
瀬古由起子
でございます。 先月二十六日、山手線新大久保駅構内で発生いたしました
鉄道事故
で亡くなった
人々
や遺族の無念の思いにこたえる道は何か。二月十九日に、
国土交通省
が
鉄道
局長名で、各地方の運輸局長あてに、プラット
ホーム
からの
転落事故
に対する
安全対策
、この通達を出して、その徹底を図っています。 まず、
安全対策
の具体策として、非常停止ボタンまたは転落検知マットの
整備
を
鉄道
事業
者に求めています。 実は、非常停止ボタンと言うのですけれ
ども
、この停止ボタンは、自動的に電車がとまるのは、首都圏内では山手線と京浜東北線、そして総武線の一部だけなんですね。ある意味では、警報的といいますか、運転士はそういうところでチェックしなければ、自動的にはとまらない。それから、同じ線でも、列車によって、完全にストップ、自動的にとまる場合と、そうでないのもございます。こういう、同じ非常停止ボタンについても、大変問題があるわけですね。ですから、ボタンを押したらとまる、とまったかなと思って助けに行ったら、突然電車が走ってきて、間一髪という
事故
も実は起きているわけですね。 それから、検知マットの問題なんですけれ
ども
、検知マットについても、
ホーム
と電車の間の乗降口のスペースだけ置かれているわけです。しかしこれでは、新大久保駅の
事故
でも明らかになりましたように、本当に検知マットを有効に働かせるというようになりますと、
線路
内まで設置しなければ実際には検知できないわけですね。こういう問題がございます。 そういう不十分な設備でも、実際に設置している
状況
はどうかといいますと、非常停止ボタンの設置率は、例えば
JR
の六社でいいますと、わずか七・九%です。全体の
鉄道
でも一〇・七%。それから転落
防止
マットでも、
JR
の六社で〇・七%、全体では一・八%、こういう状態なんですね。 こういういろいろ問題のある機器を設置して、しないよりはあった方がいいというのは、それはそうですけれ
ども
、こういう程度の認識でよいのかということを私は率直に申し上げたいと思うのです。 亡くなった
韓国人
留学生の
イ・スヒョン
さんのお父さんは、あの駅に来られて、
安全対策
が本当に未熟だと感じた、そして、職員による巡視の
強化
を提案されておりました。
転落事故
は、二〇〇〇年までの四年間で大体千九百五十一件も発生していると言われております。
鉄道
事業
者が利用の安全を
確保
するためにも、
関係
設備の
整備
促進
、これが大変重要だというふうに思います。それと同時に、今求められているのは、やはり
ホーム
要員の配置なんですね。これは利用者も
国民
も強く望んでいることです。 さきの
所信表明
で、
大臣
は、
国土交通省
として、この問題について責任ある
対応
を果たす、この決意を述べられました。では、国として、利用者や
国民
の要望にこたえて
ホーム
の安全を
確保
するという点でも、人の配置、一定の
ホーム
については
ホーム
要員の配置を義務づける、そういう基準を決める必要があるかと思うのですけれ
ども
、その点はいかがでしょうか。
扇千景
119
○
扇国務大臣
けさから、この新大久保の
ホーム
の
転落事故
に関しましての大変心痛む話題が多々出ております。 今、瀬古先生おっしゃいましたように、あらゆる手だてというのは考えられます。私も、全員を集めまして、今まで出た案をるる
検討
させていただきました。あるいはさくをつくったらどうなんだろうかとか、あるいは
事故
の停止ボタンも、私は、余りにも目立たないところにあり過ぎるのではないか、そこにボタンがあると知らない人も多過ぎるのではないかと。 では、マットを敷けばいいのかというよりも、私は、少なくとも落ちないことをまずお互いにすると。この間のように、新大久保の、残念ながらお酒に酔っていたという、しかも、私は、まさかあそこの売店でお酒を売っていないでしょうねと後で調べたら、売っていたんですね。ですから、午前中に御意見がございましたように、上野とか東京駅とか、長期にわたる駅で、やむを得ずお売りになるのはいいけれ
ども
、山手線の、とにかく五分間隔で来るようなところでどうして売店でお酒を売っているのと、私はまず申したのですね。そして、あの
転落事故
を見ていらした皆さん方が、落ちる前までもまだお酒のカップ、何かお酒を手に持ったままふらふらというのを見ていた人がたくさんいらっしゃいます。 ですから、少なくとも我々は、どういう方法が一番いいのかということも
検討
させていただいて、今申しました停止ボタンであるとかマットであるとか、とにかくマットが敷けないようなところでも、空間がとれるところはとらなきゃいけないというような
改善
方策は既に連絡もしてございますし、徹底するようにもさせていただきましたし、しかも、停止が短いところでは、短距離のところは、売店でお酒を売らないようにということも申しました。果たしてそれがどの程度効果が出るかというのは今後見直さなければいけないところでございますけれ
ども
、一番問題は、最後におっしゃいました
ホーム
要員の配置ということなんでございます。 これはもう、とにかく全部見ていればいいというものですけれ
ども
、それだけの要員というものが、今、定数削減で、なかなか皆さんに御満足いただけるような
ホーム
要員の配置ができないという苦しさもあります。また、駅によっては、乗降の人数のばらつき、そして時間帯の格差等々、
ホーム
によっていろいろあるものですから、今の要員の中でも配置の工夫をすればできるではないかということも含めて、できる限り配置要員の効率的な試案、そして、できれば一律の基準ではなくて、
鉄道
業者みずからの判断で、自分
たち
の
鉄道
はこういうふうにするという、個々の現場の現状を踏まえた
対応
の必要性というものをそれぞれが考えていくという、まずその手配だけはさせていただいたところでございます。
瀬古由起子
120
○瀬古
委員
まず落ちないようにするといいましても、酒を飲んで落ちてしまったという場合も、これはそれこそ亡くなった
イ・スヒョン
さんのお父さんが言っていたのですけれ
ども
、駅構内でお酒を飲んでいた人にもっと早く駅員が注意できたらということも言っておられました。 それと同時に、お酒を飲んで落ちるだけじゃなくて、例えば視覚障害者の方なんかはもう本当に落ちた経験のない人がいないぐらい、障害者の方が転落されているという実態もあるわけですね。 そういう場合は、例えば非常ボタンを押しても、私も現場に行ってきましたけれ
ども
、なかなかボタンを利用者が押すというのは勇気が要るのです。駅員さんに聞いても、私が押すというのは電車をとめるということになるから、なかなか迷うんだと言っていらっしゃったのですね。そういう意味では、やはり訓練された職員の配置というのはどうしても必要だと思うのです。 これは
事業
者でも、この亡くなった以降、各駅に、当分の間は
ホーム
の巡回をしてほしいという
指示
も、
事業
者自身が出していらっしゃる。当分の間というのがくせ者で、もう大体、
国民
から少し忘れ去られたら、また人を引き揚げちゃう、こういう状態もあるわけです。それから、ガードマンみたいな人を配置している。そんなのじゃなくて、やはりちゃんと職員を配置するということをやるような仕組みというか、基準というのが必要だと思うのです。 私は、すべての駅に一遍に置けということを言うつもりはありませんけれ
ども
、少なくとも、利用客の多いところ、それから朝と夕方、障害者の多い場所だとか、いろいろ考えられると私は思うのですね。その点で
事業
者任せにした結果、どんどん人が減らされて、大変な乗降客のある駅でも、ラッシュ時でも夜でも人がいないという状態になっているわけですから、その点は改めて、
国土交通省
としては、
鉄道
の安全という点で、人の配置の問題については、もう少し、単に今の人数でやりなさいよというのじゃなくて、ちゃんと配置しなさいということを御
指導
いただくということが必要ではないかと思うのですけれ
ども
、
大臣
、いかがでしょう。
扇千景
121
○
扇国務大臣
今申しましたとおりでございまして、限られた要員の中で最大限の努力をするようにということは私から言ってございます。 また、私は、さくをつくったらどうだということも
検討
しました。それは、先生御存じのとおり、新幹線の通過駅は、すべからく、さくができています。あるいは、先生も御存じかどうかわかりませんけれ
ども
、京都の東西線のように、電車が着かなければあかないという全面さく、あれはさくと言いませんね、壁でしょうか、そういうものもあるところはありますけれ
ども
、中途半端なさくはラッシュどきにはかえってけが人が出るというような現実も
検討
いたしまして、できれば共産党からもこういうところは要員を増員しろと言っていただくともっとありがたいのですけれ
ども
、ぜひ、限られた中での要員配置は考えていきたいと思っています。
瀬古由起子
122
○瀬古
委員
ぜひ積極的に、重要な駅、特に住民から本当に何度も指摘されている駅がたくさんございますので、改めて駅の職員の配置という問題については御
指導
いただき、そして
国土交通省
としても、安全という点でも責任を持っていただきたいと思います。 時間がございませんので、次に、今回のニアミス
事故
の問題について入りたいと思います。 私
たち
日本
共産党は、私
たち
の憲法というべき綱領の中で、航空機など大量
交通
機関
の
事故
などを防ぐために、
関係
企業の安全無視の利潤追求体質に厳しい規制を求めております。こういう立場から、今の航空機の安全という面をぜひ考えていきたいと思っています。 そして、一月三十一日に起きた日航機のニアミス
事故
についてなんですけれ
ども
、今回の
事故
では、危機一髪での回避操作で、両機合わせて本当に六百七十七名の大惨事になるところだったわけです。そういう意味では、
事故
の教訓というものは
国民
共有の財産、こういう立場から、今回の
事故
は、もちろんどういう経過があったのかということは正確につかむ必要がありますけれ
ども
、しかし同時に、犯人捜しでない、
再発防止
のために、科学的な徹底した
原因究明
と教訓化、しっかりそれを図るべきだと思いますけれ
ども
、その点での
大臣
の決意を伺いたいと思います。
扇千景
123
○
扇国務大臣
きょうは朝からもそのお話が各党から出されまして、大変貴重なことでございますし、今おっしゃったように、一つ間違えれば大惨事ということで、もしもあれが大惨事であれば、私は今ごろここに立っていないだろうと思っております。 そういう意味でも、私は、大いに反省もしなければならないし、また、何よりも、今先生がおっしゃいました
事故
の
原因
追及、何があったのか、なぜこうなったのかということは、私は
調査
委員会
の
報告
も早急に出していただきたいということも
指示
をいたしましたし、先ほ
ども
申しましたように、緊急に管制官の皆さん方にも
全国
から集まっていただいて、今自分
たち
で持ち寄って、これがおかしかったのではないかということも、全部私は
報告
をさせていただきました。その上で、
改善
し得るものは今すぐに
改善
しようというものを、先ほど山田先生にも申し上げましたように、出しておりますので、もう一度ここで重ねて言いますと、お時間、申しわけないので、省略をいたしますけれ
ども
、何しろ、
本件
の
重大性
にかんがみましても、私
ども
は
全力
で
原因
の
究明
と、少なくとも今この時間も飛行機に乗っていらっしゃる方がいらっしゃいますので、安全を期していきたいというふうに考えております。
瀬古由起子
124
○瀬古
委員
ニアミス
事故
もしくは航空機の
事故
から本当にその教訓をくみ出して
事故
防止
に生かしていく、
再発防止
に生かしていくという面で、大変貴重なというか、重要な教訓を私
たち
は持っています。それは、一九七一年に岩手県の雫石上空での全日空と自衛隊の衝突
事故
なのですね。
幾つ
かの航空機の
事故
はありますけれ
ども
、実はこのときに
政府
は、
航空交通
安全緊急
対策
要綱、こういうものを出して、これは閣議
報告
されているわけですけれ
ども
、ここでは、民間機と自衛隊機の空域を完全に分離する、こういう方針を出されているわけですね。これは
事故
の苦い教訓の上に打ち立てられた方針だと思うのですけれ
ども
、この方針はその後どのように具体化されているでしょうか。
深谷憲一
125
○深谷
政府参考人
お答え申し上げます。 御指摘のとおり、昭和四十六年七月に全日空機と自衛隊との衝突
事故
、大変痛ましい
事故
がございました。それに関連しましての
航空交通
安全緊急
対策
要綱のお尋ねがございましたけれ
ども
、これは昭和四十六年八月の七日に中央
交通安全対策
会議
の決定ということで、その八月に閣議
報告
をされたのは御指摘のとおりでございます。 その後、この要綱に基づきまして、
航空路
等の空域と自衛隊が訓練等を行います空域、これを分離するために自衛隊訓練・試験空域を設定しまして、公示をしておる、そういう状態でございます。
瀬古由起子
126
○瀬古
委員
その後どのように具体化して、完全分離したのですか。方針がそういうようにされたわけでしょう。今までにそれはどういうような具体化になったのでしょうか。
大臣
、お願いします。
扇千景
127
○
扇国務大臣
今
参考人
から申し上げましたとおりですけれ
ども
、少なくとも一九七一年の岩手県の雫石のあの事件、それにかんがみまして、今先生も発言なさいましたけれ
ども
、
航空交通
安全緊急
対策
要綱、これができておりまして、その後もその要綱に基づきまして、高度差を設ける、飛ぶ高度差ですね、それを設けるということをしておりますし、また、混雑している空域におきましても、あのときの反省で、自衛隊機は立ち入らさない、これもしております。 そういう意味では、雫石での反省に関してはそれらのことを実行しておりますけれ
ども
、少なくとも私
ども
は、その要綱に基づいて、空路の空域、あるいは自衛隊機の訓練等を行う、今申しました分離と、自衛隊訓練・試験空域を設定して、それを公示を行っておりますので、それ以外のところは飛ばないということも、この雫石に関しての処置は全部できているということでございます。
瀬古由起子
128
○瀬古
委員
高度差を変えたとしても、これは完全分離にならないわけですよ。 さらに、では今訓練・試験空域に入り込んでいる民間
航空路
というのはないですか。全然、それは解決されたのでしょうか。
深谷憲一
129
○深谷
政府参考人
分離の件でございますけれ
ども
、今お尋ねの、自衛隊が専用に使っている空域の中に例えば
航空路
の設定がないか。それは現にございますけれ
ども
、分離と申しますのは、水平分離もございますし、時間分離もございますし、そういう意味合いにおいて分離を完全にして運用しているということでございます。
瀬古由起子
130
○瀬古
委員
そうすると、七一年のこの
航空交通
安全緊急
対策
要綱による完全分離というのは、水平もそして高度差の分離も、当然完全分離といえばそういうものをいうわけですから、当然それは
実現
していないということでしょう。それはどうですか。
深谷憲一
131
○深谷
政府参考人
今御答弁申し上げましたように、水平分離あるいは高度差の分離それから時間の分離、こういったものを含めまして、安全上問題ないように担保をしているということでございます。
瀬古由起子
132
○瀬古
委員
完全分離じゃないのですよ。方針どおり、決めたようになっていない。 それで、私が言いたいのは、そうやっていろいろな空域の効率的な利用だといって高度差をやる、時間差をやると言いながら、実際に訓練・試験空域に入り込んでいる民間
航空路
というのは、私は今いただいたところなんですけれ
ども
、三十四本も民間航空機の空路がその中に入っているわけですね。それは時間差だとかいろいろあるかもしれませんけれ
ども
、入り込んでいる。これは、少なくとも雫石の教訓から導き出された完全分離という方向にはなっていない。 驚くべきことに、それどころか、この雫石で起きた
事故
以降、自衛隊の訓練空域の総面積は約二倍になっていると言われているのですね。うんとふえている。こういう状態に今なっているわけです。 きょう、私、これは全運輸労働組合がつくった資料なんですけれ
ども
、これを持ってきましたが、この赤いのが米軍の空域なんです。それで、このちょっと黒っぽい薄い色が自衛隊空域なんですけれ
ども
、これはパネルなので立体的に見ていただくというのは難しいのですが、しかし、これを見ても、これだけでも、この空域、この
日本
の狭い中に、民間機がこの固まりの間を縫って飛んでいるということが大変わかりやすくパネルで、させていただきました。 それで、自衛隊の空域などはどんどん広げてきているわけですね。それで、この空域については、民間機が通りたいと言ったら、ではよそのところでふやすとか、高さを調整すると言ったら、今度は水平部分を広げてもらいたい、こういうやり方でどんどん自衛隊の空域などは広がってきて、今民間
航空路
の空域がもう本当に狭い状態になって、ぎりぎりの状態になっている。こういう事態の中で今回の
事故
が起きてきているわけです。これは、雫石のときの教訓でも完全分離してやっていくんだというところから、大変外れてきているということです。 それで、私、これも今いただいたのですけれ
ども
、衝突
防止
警報装置、TCASというのがあるわけですが、それが発して回避操作
指示
をやるわけですけれ
ども
、そういう回避操作をやったというのが、一年間で、これは
平成
十一年になっておりますが、五百十七回も起きているわけですね、
全国
で五百十七回。一番多いところでは、中部で八十四回とか。これは
地域
別なんですが、図面に落とすとびっくりします。沖縄なんかいっぱい打ち込んであったり、それから、やはり羽田とか成田だとか名
古屋
空港
だとかこういうところで、これがすべて機械が全部いいように動いたかどうかわかりませんよ、しかし大変危険な状態で、一年間で五百十七回も回避操作
指示
が出ているということだけでも、この空域の問題というのは大変だというふうに思うのです。 そういう意味では、私は、やはり今の時期には、自衛隊機の専用空域を制限して、ちゃんと民間
航空路
の空域を拡大する、この今回のニアミスの教訓や今までの教訓も踏まえて、改めて本格的にこの問題に取り組むべきだというふうに思うのですけれ
ども
、
大臣
、いかがでしょうか。
扇千景
133
○
扇国務大臣
今おっしゃったように、空域の問題は、それぞれ専門家が
日本
の権威にかけて、しかも
国土交通省
としては少なくとも
国民
の生命財産を守るというのは当然のことでございますから、危険にさらすような空域で飛行機を飛ばしているわけではございませんで、地上の道路
交通
と同じように、いかにそれを整理し、いかに安全を守りながら役目を果たすかというのが、私
ども
国土交通省
としては、
管制業務
等々も含めて私
たち
は安全を期しているので、先生のお話を伺っていると怖くて飛行機に乗れないような恐怖感を私
たち
持つものですから、私もあしたすぐ乗りますけれ
ども
、少なくとも我々は、
国土交通省
としては、所管としては、確実にその安全を守れるように、なおかつ危険は少なくともないようにというのが私
ども
の日ごろのあれでございまして、危険をあおるというか、あおったとは言いませんけれ
ども
、少なくとも
日本
人である以上は
日本
の空をなるべく安全に航行できるようにというのは今後も
検討
していきたいし、また努力していくし、
国民
の皆さんに安心して乗っていただきたいと思っております。
瀬古由起子
134
○瀬古
委員
別に私はあおってなんかいませんよ。事実を正確に申し上げただけなんです。この事実を見ても本当に背筋の寒い思いがする。これを何とか解決するということは、雫石の
事故
のときに約束されているわけですよ。それを今まで何をしてきたのかということを私は言いたいわけです。 どんどん自衛隊の空域は広がっているわけですよ。そして、民間航空機の飛ぶ空域は少なくなっている。これは改めてもう一度きちっと、本当に安全を守るという点でいえば、それはちゃんと自衛隊や米軍と交渉するということになっているわけですから、本格的にやるということは必要じゃないですかと言っているんです。いかがですか。
泉信也
135
○泉副
大臣
先ほど
大臣
がお答えを申しましたように、
国土交通省
として空の安全を守る、これは第一の命題でございます。したがって、必要な調整があるとすれば、それは我々は、自衛隊、米軍とも協議をしながら一層の安全を
確保
していくという考え方でございます。 先ほどTCASの話が出ました。TCASにつきましても、警報が鳴らないことが一番望ましい空の状態かもしれませんが、鳴ったから必ず危険ということではないことを申し上げさせていただきたいと思います。
瀬古由起子
136
○瀬古
委員
これだけ鳴ったら危険ですよ、これだけの警報がやはり一年間でやられるということは。こういう積み重ねがニアミスや大
事故
につながっていくわけですね。それは
世界
の教訓なんですよ。 ですから、今のお話だと、この問題で、民間機の空域を拡大するために自衛隊や米軍と本格的に交渉するつもりはないということですか。やるということなんですか。どっちかはっきり言ってください。
扇千景
137
○
扇国務大臣
やらないというのは一度も言った覚えもございませんし、今雫石のお話もるるおっしゃいまして、少なくとも防衛庁とか米軍とお互いに協議をして、向こうもぶつかったら困るわけですから、自衛隊、米軍とも協議しておりまして、少なくとも現段階で一定の成果を見ながらも、ただ、米軍と自衛隊のみならず民間同士も大変な混雑
状況
であるということにかんがみまして、私は先ほど先生にるる細かいことを言うのは申しわけないと思って遠慮いたしましたけれ
ども
、それは少なくとも今回緊急に
点検
するということの中に、確実な管制間隔の設定、そして空域もきちんとお互いにこれを確認し合おう、また適正にこれをしようということも五つの項目の中に入っておりますので、どうかお互いに、私
たち
だけが怖いわけじゃなくて、米軍も自衛隊も向こうも怖いわけでございますので、空の安全のためにはお互いに、米軍、自衛隊、そして民間等々、私
たち
は
日本
の空の安全のために万全を期していくということは今まで以上にやっていきたいと思っています。
瀬古由起子
138
○瀬古
委員
私は、この雫石の事件以降、
日本
の
政府
が何もやっていないとは言わないんですよ。米軍や自衛隊とも、防衛庁とも交渉されているんです。された結果、どんどん民間機の空域が減ってきているという問題について指摘しているのです。だから、本気であなた
たち
はこの問題をやってきたのかと私は言いたいのです。 時間がございません。最後の質問に参りますけれ
ども
、今回の中で、管制官の仕事なんですけれ
ども
、先ほ
ども
出ました。本当に二十五
空港
の
管制機関
取扱数も一九九〇年から九六年までの間に二四%ふえておりますし、
航空路
管制の取扱機数も三五%ふえている。一人当たりの取扱数で十年間で大体二三・七%ふえている。
交通
量がふえ、なおかつ方向の違った航空機があっちへ行ったりこっちへ行ったり、そして米軍や自衛隊機もある、こういう中で管制官が大変な思いをされて仕事をしています。 そういう点でも私は、やはり今回のニアミスの教訓からいうと、管制官の
業務
を抜本的に
改善
するという点では、やはり人をふやす、このことを本当にやらなければならないというふうに思っているのですけれ
ども
、この
検討
はどうなっているでしょうか。
深谷憲一
139
○深谷
政府参考人
御説明申し上げます。 管制官の要員の
関係
でございますけれ
ども
、現在、
平成
十二年度の
航空管制官
の定員全体で千七百三十二名ということになっておりまして、五年前に比べまして六十三名、三・八%の増という
状況
でございます。 一方で、御指摘の取扱機数でございますけれ
ども
、
平成
十年、暦年でございますけれ
ども
、一人当たり二千三百三十四機の取り扱いがございました。これは
平成
七年、やはり五年前に比べまして七・二%程度の増となってございます。 ただ、この間に、
管制業務
の運用方式の
見直し
でございますとか、あるいは
航空路
のレーダー表示につきましてカラー化などの管制機器の性能向上、こういったものも図ってきておりまして、そういった措置を講じておることから、我々といたしましては、安全上問題があるとは考えておりませんけれ
ども
、御指摘の要員につきましては、今後、必要に応じて増員等については
検討
してまいりたい、かように考えております。
瀬古由起子
140
○瀬古
委員
国民
の命と安全というのはやはり政治の最優先
課題
だと思うんですね。そういう点ではやはり、この
ホーム
の
転落事故
や航空機のニアミス
事故
からしっかり学んで、その背景にある体制の問題もしっかりぜひ
充実
できるように頑張っていただきたいと思っています。 今回、こういう命と安全という問題を本当に大事にしなければならないときに、例えばアメリカの原子力潜水艦の衝突
事故
の問題でも、子供が海にほうり出されたのに平気でゴルフに興じている、こういう
状況
があるわけですから、本当に襟を正して、改めて
国土交通省
としての
対応
をぜひ
検討
を願うことをお願いしまして、私の質問といたします。ありがとうございました。
赤松正雄
141
○
赤松委員長
以上で
瀬古由起子
君の質問は終わりました。 続きまして、
松浪健四郎
君。
松浪健四郎
142
○松浪
委員
保守党の
松浪健四郎
でございます。
国土交通行政
に関する
国土交通大臣
の
所信表明
がございました。その
所信表明
の中に、国際的に
競争力
のある
経済社会
を構築するには、物流の
効率化
、これも
推進
していかなければならないという表明がございましたけれ
ども
、私はこれについて質問をさせていただきたい、このように思います。 そこで、淡路・阪神大震災が起こりました。そして、あの神戸
地域
の復興はすさまじい勢いで、今、神戸の町を歩きますと、大変な震災があったのかどうか忘れさせられるぐらい見事に復興されているわけであります。この復興の背景には、やはりこの国が物流という面においてかなりな発展をしたおかげではないのか、私はこのように思うものであります。 ところが、いろいろな規制がございまして、これからの国際
競争力
をつけていく
社会
をつくっていくためには、もう少しいろいろな面から我々は研究を進めていかなければならないのではないのか、そういう思いから、物流の効率について質問をさせていただきたい、こういうふうに思います。 持ち時間が大してございませんので短い質問にさせていただいて、具体的にわかりにくいかもわかりませんけれ
ども
、お許しをいただきたいと思います。 そこで、道路運送車両の保安基準に基づく基準
緩和
車両につきまして、分割不可能な単体物品の輸送に限定されているわけでありますけれ
ども
、実際の輸送に当たってはどのような手続が必要なのか、
自動車
交通
局長からお聞きしたいと思います。
高橋朋敬
143
○
高橋
政府参考人
お答えさせていただきます。 道路運送車両の保安基準につきまして、車両の
安全確保
のために、
自動車
の最大限の長さとか幅、高さ、総重量を規定しておりまして、このため、一般の貨物
自動車
におきましては、この保安基準に定める寸法、総重量等に関する規定に適合しなければ運行できないことになっております。 お尋ねの、一般の貨物
自動車
で運べないような分割不可能な重量物品を輸送する場合でございますが、その車両につきまして、寸法、総重量等に係る保安基準の
緩和
の認定を受けることが必要となります。すなわち、運送
事業
者の方は、地方運輸局に基準
緩和
認定の申請を行っていただきまして、地方運輸局では、車両の安全性
確保
などの観点から、輸送の必要性、積み荷の確認、車両構造に関する審査をいたしまして、積載物につきまして、分割不可能な単体物品に限るなどの条件、それから二年間の有効期限を付して、一台ごとに認定を行っております。 実際に輸送する場合には、道路法に基づく特殊車両通行許可というのを受ける必要がございます。具体的に運送
事業
者の申請によりまして、道路管理者が、道路構造の
保全
、
交通
の危険
防止
の観点から、通行経路等につきまして審査をいたしまして、必要な条件を付して許可を行うことになっております。 以上のような手続を経て輸送が行えることになっております。
松浪健四郎
144
○松浪
委員
そこで、非常にわかりにくいというか、
理解
しにくい、分割不可能な単体物品の定義というのは非常にわかりづらいわけなんですね。それは一体どういうふうになっているのか、局長の方から御説明いただきたいと思います。
高橋朋敬
145
○
高橋
政府参考人
お答えいたします。 基準
緩和
の
対象
となります分割不可能な単体物品と申しますのは、一個の貨物が分割不可能ということでありまして、その重量とか寸法が一般の貨物
自動車
で運搬できる限度を超えている物品のことを言っております。 具体的な事例といたしましては、超重量物品である単体の鉄鋼製品、薄板のコイルでありますとか、厚板の鋼板のようなものでございます。それから超重量物品であります単体のコンクリート製品、テトラポッドのようなものでございます。あるいは
鉄道
車両でありますとか、使用済みの核燃料の運搬機器などが例でございます。
松浪健四郎
146
○松浪
委員
経済
団体連合会であるとかあるいはトラック運送業界では、高価な基準
緩和
車両の使用効率を高めて、輸送回数を減らして
環境
問題にも寄与するためにも、
規制緩和
の一環として、積載条件の
緩和
を強く要望しているというふうにお聞きしておりますけれ
ども
、その内容について、局長からお聞きしたいと思います。
高橋朋敬
147
○
高橋
政府参考人
お答えいたします。
経済
団体連合会あるいはトラック運送業界から、基準
緩和
の認定を受けた車両にかかわる積載条件の
緩和
、この要望を受けているところでございます。 その内容でごさいますが、基準
緩和
の認定を受けた車両、例えばトレーラーで申しますと、基準というのは二十八トンまででございますが、これを超えて一定のトン数の最大の総重量、これにつきまして基準
緩和
の認定を受けた車両といったようなことになりますが、これにつきまして、認定の際に付された、積載物は分割不可能な単体物品に限るといった規制、これを
緩和
いたしまして、貨物を積載した場合の車両総重量が基準内の範囲、今申し上げた例で申しますと、トレーラーの場合だと二十八トンになりますが、これまでである場合には、分割可能な複数個の貨物の輸送、いわゆるばら積み輸送というふうな言い方になりますが、これも可能にしてほしいという要望と承知しております。
松浪健四郎
148
○松浪
委員
二十一
世紀
の物流の緊急の
課題
は、輸送の
効率化
、
環境
問題への
対応
、そして情報化であろうと思っております。
経済
団体連合会やトラック運送業界の要望に対しまして、現在どのような
対応
を行っているのか、
大臣
政務官にお尋ねしたいと思います。
吉田六左エ門
149
○
吉田
大臣
政務官 お答えを申し上げます。 積載条件
緩和
という要望は、
委員
おっしゃるとおり、今の時流であり、実際に、物流の低廉化、そして
環境
、これらに重要な事案だと思っています。 基準
緩和
車両、この
関係
の中で、今ほど御質問あった、分割不可能な貨物を運びますね。帰りに同じ分割不可能な貨物が用意されているなどという機会はそうないわけですよ。そのときには、分割されたものでも運んで帰りたい、この要望、まさに当たり前だと思うのですね。 そうしたときに一番問題になりますのが、二つございます。一つは、
事故
が起きた場合に、大きな荷物、そして
緩和
された量が乗っているものですから、死亡
事故
につながりやすいということが一つあります。それからもう一つは、やはり台車が、あるいは用意されたトレーラーが大きなものを積めるように用意されているものですから、ついつい過積載になってしまう、また過積載したくなってしまう。この二点をどう
防止
していくか、このことについて鋭意今
調査
検討
をさせていただいておりまして、そしてできれば年度内にでも
結論
を得たい、そんな
状況
でおりますことを答弁させていただきたいと思います。ありがとうございました。
松浪健四郎
150
○松浪
委員
吉田
六
左エ門
大臣
政務官の答弁は非常に
理解
しやすくて、お礼を申し上げたいと思いますけれ
ども
、
大臣
政務官の馬力で、ぜひ年度内に成案を得るようによろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、
経済
団体連合会などの団体から、分割可能貨物積載車両の総重量の
緩和
、先ほど政務官からお話をいただきましたけれ
ども
、さらなるそれらの
規制緩和
を求めておるというふうに聞いておるのですけれ
ども
、これはどういうものであるのか。道路局長、よろしいですか。
大石久和
151
○大石
政府参考人
道路の通行に関しましては、道路の構造を
保全
し、
交通
の危険を
防止
する観点から、道路との
関係
において必要とされる車両の幅、重量、高さなどの限度を政令で定めておりまして、これを超える車両については、原則として通行をさせることはできません。 政令におきましては、車両の種類、通行する道路種別等に応じまして、それぞれの最高限度を定めているところであります。これまでも、物流の国際化等に
対応
して、規制の
緩和
や重量車に
対応
したネットワークの拡充等を行ってまいりましたが、経団連などからは、さらに車両の高さの制限の
緩和
、分割可能貨物積載車両の総重量の
緩和
、特殊車両の通行できる道路の拡大、特殊車両の通行許可申請手続の
緩和
等が出てきております。
松浪健四郎
152
○松浪
委員
国土交通省
ができたということは、やはり運輸
行政
と道路
行政
、これが一体になって、そして効率よくやっていくということでございます。したがいまして、先ほどの
経済
団体連合会などの団体の要望、これを
検討
しやすくなったんじゃないのか、そういう思いがあるのですけれ
ども
、ただいまの道路局長の話をお聞きした上で
大臣
政務官の見解をお尋ねしたい、こういうふうに思います。
今村雅弘
153
○
今村
大臣
政務官 ただいま松浪
委員
がおっしゃるとおりに、こういった問題は大変
検討
しやすくなりました。 御指摘の件につきましても、物流の
効率化
という点から、私
たち
もぜひ積極的に取り組んでまいりたいと思っておりますが、何せ、橋が落ちてはまた困るものですから、できるだけそういった需要の強い地区等々を重点的に、路盤の
整備
でありますとかあるいは橋梁の
強化
、あるいは
ソフト
面でもいろいろ、手続の簡素化等々を精力的に今後
検討
してまいりたいと思っております。
松浪健四郎
154
○松浪
委員
どうもありがとうございます。とにかく前向きに
検討
していただきますよう、心からお願いを申し上げます。 我が党の党首であられます
大臣
は、御就任に際しまして、
国土交通省
の誕生は物流そのもののためだと思っています、
コスト
面や物流施設のあり方を
見直し
、効率的な物流をつくり上げるのが
国土交通省
の仕事です、二十一
世紀
のグランドデザインをつくっていきたい、このような決意を述べられております。 本日、この
委員会
で私の意見を述べさせていただきましたけれ
ども
、
大臣
の御所見をお伺いしたいと思います。
扇千景
155
○
扇国務大臣
私は、今松浪先生が私の就任のときの話を引用していただきましたけれ
ども
、まさに二十一
世紀
、
日本
の国が国際
社会
の中で生きていけるかどうかという、その原点に立ったのがこの物流問題であろうと思います。 今るる専門的なことも申し上げましたけれ
ども
、私は、少なくとも
日本
の航空、
港湾
等々からインターチェンジに果たして十分以内に上がれるような体系ができているかどうか。物流といっても、
日本
は全部周りが海でございますから、外国から入ってくるもの、
日本
のものを出すもの、そういうものがいかにできるか。ですから、
世界
じゅうで考えてみますと、アメリカは
空港
から十分以内でインターチェンジに行けるというのが九八%、
日本
は四六%、ヨーロッパは七二%、
日本
は一番低いわけでございます。また、
港湾
からインターチェンジにというのは、アメリカは九三%、そしてヨーロッパは九三、両方とも九三%。
日本
は
港湾
から十分でインターチェンジというとまさに三三%、お寒い限りでございます。 例えばそういうことを考えますと、今私
ども
は、何としても物流の効果を上げなきゃいけない。けれ
ども
、
日本
の
交通
網を考えてみますと、どこでどうなっているのかということを考えますと、道路の渋滞、これは、渋滞で一人どれくらい損失しているかといいますと、時間にとりますと、
日本
国民
一人が、渋滞に巻き込まれて、一年間で四十二時間の損失をしているのですね。そうすると、四十二時間も損失している、これを金額に換算するとどうかといいますと、年間全部で計算しますと十二兆円の損失になる、これも大きなことでございます。 話が大き過ぎて、じゃあ東京二十三区はどうなんだといいますと、御存じのとおり、東京二十三区、一応速度は三十キロと書いてございますけれ
ども
、実際の二十三区内の車の速度は、十六・七キロしか走れません。そうしますと、この都内を三十キロの目標どおり走らすようにすることだけ、目標どおりですよ、違反じゃなくて、この十六・七キロしか走れないのを目標どおりに三十キロにするだけで、何と一年間で少なくとも四兆九千億円の
経済
効果がある。 このように言っておりますと切りがありませんけれ
ども
、例えば、同じ百キロのものを岩手から横浜まで陸送しますと、この陸送料が千四百九十円かかる。その同じものを、今度、横浜から北米へ船で送ったら千百円なんです。何で、岩手から横浜が陸送して千四百九十円で、横浜からアメリカが千百円。これでは、
日本
の物流というものは、二十一
世紀
、
世界
に伍していけない。 そのためには、我々は、少なくともボトルネックをなくし、そして低廉な運送料がいかにできるか。先ほどからお話しになりました、トラックが行きは満杯でも帰りが空ではというようなことがないようにしよう、あらゆる
日本
の物流、
空港
、
港湾
、道路、
鉄道
、あらゆるもの一体になって二十一
世紀
のグランドデザインというのを申し上げたのはそういうことでございますので、
国土交通省
として、
政策
的には、明るい二十一
世紀
のために頑張った
政策
を立てていきたいと思っております。
松浪健四郎
156
○松浪
委員
大臣
から力強いお言葉を賜りました。感謝をさせていただきたい、こういうふうに思います。 私の後ろに森田健作代議士が質問をされるから私がするのじゃございませんで、実はけさ
予算
委員会
で、ニアミスの問題、そして羽田の国際チャーター便の問題について質問をさせていただきました。たまたま
大臣
がいらっしゃいませんでしたので、
大臣
がいらっしゃるここの場で質問をさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございますけれ
ども
、小笠原は、本土へ復帰した昭和四十三年以来、早くも三十年以上が経過している。その間、国や東京都によりまして、小笠原住民のためにさまざまな
対策
を講じられてまいりました。しかし、
全国
的に高速
交通体系
の
整備
が進む中で、先ほど
大臣
からもお話がございましたけれ
ども
、いまだ小笠原諸島にとりましてはそのネットワークが取り残された
地域
でございます。そうした中で、小笠原
空港
は、真に小笠原が自立、発展するために欠くことのできない基幹施設であり、小笠原住民にとっても、返還以来の大きな悲願となっております。ところが、東京都は場所はここだ、あるいは
環境
庁がここだというふうになりますと、ふらふらとなって、いまだどうしようもない
状況
にあるわけであります。 歴代の小笠原村長さんは、何としても
空港
をつくっていただきたい、こういうふうに熱い思いで述べておられますが、
大臣
、これについてどのように考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
扇千景
157
○
扇国務大臣
私は、
国土交通大臣
になりまして、一月の二十四日、小笠原を訪問してまいりました。 御存じのとおり、東京と小笠原間、一千キロメートルあるわけでございまして、隣の国へ行くよりも小笠原へ行くのが時間がかかる。
空港
がないものですから、海路で行きますととにかく二十五時間かかるわけでございます。しかもこれは、今、六日に一度しか便がございません。そして約二十五時間を要する
状況
で、行った人が今度いつ帰ってこれるか。例えば天候が悪くなると帰ってこれない。 私は生まれて初めて一月の二十四日に小笠原を訪問したものですから、大した時間はございませんでしたけれ
ども
、拝見させていただいて、あの自然に恵まれたすばらしい小笠原の
自然環境
を守りながら、なおかつ小笠原特産の、外国から輸入するよりも、フルーツとかいろいろなものを生産していらっしゃいますので、それをより新鮮に、早く本土に持ってこれるのかということを考えますと、やはり一番の理想は飛行場をつくってあげることだなと。 けれ
ども
、今の段階で、飛行場をつくるということを
事業
決定するまでにも時間を要しますので、とにかく私は、
国土交通省
としては、TSL、テクノスーパーライナー、これを今しておりますので、もうTSLの実験船は終わりましたので、せめて小笠原の人
たち
に、
空港
ができるまではこのTSL、テクノスーパーライナーを使って、これですと、少なくとも船で二十五時間かかるのが、テクノスーパーライナーですと約十五時間で行けます。 ですから、私は、
空港
というのが
予算
がついたり
事業
認定をしたり手続が大変なものですから、小笠原の皆さんの悲願として気持ちはすごくよくわかるのですぐにも
事業
認定したいところですけれ
ども
、東京都の領域でございますし、これも東京都と
国土交通省
へ申請が上がってこないとできないものですから、まずは約十五時間で行けるそのテクノスーパーライナーを
活用
して、小笠原の皆さん方、あるいは病気になったときも二十五時間では大変なんです。一々自衛隊を要請するということになりますので、とりあえずは当分テクノスーパーライナーで島の皆さんの
環境
と生産物の流通を図っていくように努力していきたいと思っております。
松浪健四郎
158
○松浪
委員
テクノスーパーライナーでということでございますが、非常にありがたいわけでありますけれ
ども
、これでお茶を濁すというようなことがあれば、小笠原の皆さんに対して申しわけない、私はこういうふうに思っておりますので、今の件について深谷
航空局長
に一言だけお尋ねしたいと思います。
深谷憲一
159
○深谷
政府参考人
お尋ねの小笠原
空港
の件でございますけれ
ども
、実は、私自身も
大臣
のお供をいたしまして、一月に小笠原の
空港
の候補地まで御一緒させて見せていただく機会がございました。まさに小笠原の置かれている
状況
というのは
大臣
とも
ども
実感をさせていただいたところでございます。都の御意向もあろうかとは思いますけれ
ども
、航空局といたしましては、この小笠原
空港
の必要性、これにつきましては十分認識を持っておりまして、
関係者
の
理解
が進んで
本件
が前進すればと強く念じているところでございます。
松浪健四郎
160
○松浪
委員
どうもありがとうございました。
赤松正雄
161
○
赤松委員長
以上で
松浪健四郎
君の質問は終わりました。 続いて、森田健作君。
森田健作
162
○森田(健)
委員
21
世紀
クラブ森田健作でございます。 私は、何分時間が少ないものですから、
松浪健四郎
議員が御配慮をしていただきまして、心から感謝を申し上げます。 さて、泉副
大臣
、東京というところは車が多いですし、移動するのにいろいろ困るでしょう。それから、高速なんか乗ったりすると、あるときは時間が全然読めないこともあります。私なんかどちらかというと気が長い方ですが、泉副
大臣
は見かけよりも気が短いと聞いております。本当に、いらいらすることも、私、多々あると思うんですよ。でも、私みたいな男でも非常にいらいらすることがあるんです。 それは、私、千葉県の成田に農場を持っているんです。で、時々行くんです。東京都内というか、行きでもなかなか込んでいるんです。でも、それはそれなりに我慢の範囲で行けるんですが、帰りが大変。東京に入るときがすごく込むんです。特に料金所、これがまただあっと並んでいるんですよ。それで、もうさすがに私も途中で嫌になって、冗談じゃないな、これはもうどうなったらすくんだろうな、何とかならないのか、これは、と思うんです。 待てよと。私、東京に戻るまでに料金所を四つぐらい通るんです。この料金所がなくなったら、車はすうっと意外と通るんじゃないかなと思っていたそのやさきに、私の隣にいた車がぴゅうっと通っていって、あれっと思って、あっ、金も払わないで行きやがった、とんでもないやつだなと思ってぱっと見たら、そうしたらETC専用と書いてある。これは例のうわさのやつだなと私、思いました。 でも、あれだけ車が並ぶということは、さっき
大臣
がおっしゃっていましたけれ
ども
、
経済
効果だとか、それからとまったり出たりする、言うなればガソリンの大気汚染、
環境
問題、そういうのも含めると、これは絶対普及していかなきゃいけないんじゃないかな、私はそう思うのでございます。だから私、これは友達だとかいろいろな人に、
国民
に宣伝するために、こう言ったら一番いいですよ。聞くところによると、このETCが全車の半分ぐらい普及したら混雑がなくなる、
交通
渋滞がなくなるということも聞いたんですが、これが本当かどうか。要するに、皆さんに宣伝するための何かいい知恵があったら、道路公団の方、お教えくださいませ。
扇千景
163
○
扇国務大臣
今ETCのお話が出ましたので、まず私から。 ETCの問題は、
全国
で千三百カ所の料金所がございますけれ
ども
、このETCを、今度の
予算
におきましても御
審議
いただいておりますけれ
ども
、本年度十三年度におきましてはこの千三百カ所の中でETC八百カ所を
予算
化しておりますので、御期待いただきたいと思います。
森田健作
164
○森田(健)
委員
いや、それはわかっています。 だから、そうじゃなくて、
国民
だとか友人に一体どういうふうに言ったら一番説得力があって、皆さんが受けやすいかということを言っているんです。お願いします。
妹尾喜三郎
165
○妹尾
参考人
説明申し上げます。 ETCは、先生がただいまおっしゃられましたように、料金所の渋滞の
緩和
とか、それから料金所周辺の大気汚染や騒音などの
環境
改善
のほか、キャッシュレス化による利便性の向上、それから管理
コスト
の削減等の効果があると考えております。それで、道路公団としまして、路側機器の
整備
、それから試行運用等に努めておるところでございます。 それで、現在のETCの普及でございますが、先生お尋ねの普及のさせ方でございますけれ
ども
、例えば料金決済につきましては、現在はクレジットカード等を
活用
しまして、高速道路の利用後に料金を支払う後納システムを採用しております。一方、現在のハイウエーカード等のような前納の割引制度を御利用するお客様もおりますので、ETCにつきましても、利便性を一層高めるために、前納システムを早期に導入して、現在のハイウエーカードと同様な割引制度をできる限り早期に導入するなどしまして、ETCの普及に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
森田健作
166
○森田(健)
委員
だから、私が聞きたいのは、五〇%導入したら、それこそ
交通
渋滞がなくなるなんという話を聞いたことがあるんですが、それはどうなんですか。
泉信也
167
○泉副
大臣
今先生御指摘のように、五〇%普及すれば、待ち時間が非常に少なくなって、料金所での渋滞がほぼなくなるのではないか、一応こういう計算をさせていただいているところでございます。
森田健作
168
○森田(健)
委員
いやいや、一般の方がぱっとわかるような、そういうことが大事なんですよ。そうすると、ああ、そうだなと。いらいらしていた。でも、これが入ることによって、全部とは申しませんけれ
ども
、そういうものがなくなるんだ、こういうぴちっとした説明が僕は欲しいなと思っています。 しかし、泉副
大臣
、考えましたら、このETC、機械を入れるのに二万九千五百円かかりますね、これは。では、道路公団の方、これは二万九千五百円かかるんですか。
妹尾喜三郎
169
○妹尾
参考人
申し上げます。 車載器はあくまでもメーカーがつくってメーカーが販売しているものでございます。そういうわけでございまして、道路公団が車載器の価格が幾らかということは直ちには承知していないのでございますけれ
ども
、新聞報道等によれば、ただいま先生のおっしゃったような値段とか、そういうような水準であるように伺っております。
森田健作
170
○森田(健)
委員
やはり高級車より大衆車が多いわけです。これは、モニターを前にやっていたみたいですね。私の友人がそれをやっていた。彼いわく、非常に便利だ。ところが、高速券を大量に買うならば、一〇%ぐらい安くなる。これはまんまの料金が来るわけですよ。なおかつ、市販されるのは約三万円とする。そうすると、三万円を払って、なおかつ今までより一〇%ぐらい高い料金を払う、クレジットカードでもやらなきゃいかぬ、こういう煩わしさがある。ここなんですよ。 これはやはり、
交通
渋滞の
緩和
というのはどうしても今特に首都圏においてやらなきゃいけないんですから、例えばクレジットカードで引き落とす場合、高速券は今一〇%ぐらい安く済むんだから。三万円も初めとりあえずかけるんだから。いや、それは将来安くなるかわかりませんよ。かけるんだから、一五%ぐらい安くなるよと。それが、あなたが一台入れることによって、みんなが入れたら、これだけ
交通
渋滞が
緩和
され、そして
経済
的にも大気汚染にも、
環境
に優しい道路になるんですよ、そのようにしたらいいんではないかな、そう思います。 私、何分時間がないものですから、申しわけございませんが、一般のユーザーがこういう機械を導入しETCが本当に一日も早く浸透することを私は心から願うものであります。 ありがとうございました。
赤松正雄
171
○
赤松委員長
以上で森田健作君の質問は終わりました。 次に、
日森
文尋
君。
日森文尋
172
○
日森
委員
社民党の
日森
文尋
でございます。
大臣
がいらっしゃいますので、少し大きな話から最初にお伺いをさせていただきたいと思います。
国土交通省
、発足をしましたけれ
ども
、依然として、旧局といいますか、これまでの建設省、運輸省の局がずっと残されていて、縦割り
行政
が余り変わっていないんじゃないか、どうもこんな気がしてなりません。 せっかく
国土交通省
という、
統合
されて大きな省庁になったんです。ちょっと利権なんかできちゃ困るんですけれ
ども
、せっかく大きな省庁になったわけですから、
統合
のメリットをぜひ発揮していただきたい。そのために、横断的でかつ総合的な
行政
をぜひ行っていただきたい、そういう視点で
扇大臣
もお話しになったと思うんです。二十一
世紀
のグランドデザインをつくろう、大賛成でございますけれ
ども
、そういう意味では、どうも来年度
予算
案に示されている
連携
の
施策
というのはまだまだ不十分じゃないか、そんな気がしてなりません。 そういう意味で、これからこの
連携
施策
も含めて横断的、総合的な
政策
、これをどういう展望を持って
大臣
はやろうとしているのか、これをまずお聞きをしたいと思います。 時間がありませんからもう一つ聞いちゃいますけれ
ども
、中でも、これは細川
委員
からお話がございました総合的な
交通
政策
。 先ほど
大臣
は物流を
中心
に物をお考えになっているような気がしたんですが、実は人的な
交流
も含めて大変重要ですし、その際、
交通
弱者であるとか、人間を大切にする、そういう
政策
が
基本
に据えられてしかるべきじゃないかというふうに思うんですが、そういう意味で、総合的な
交通
政策
、これを
国土交通省
の中でどんな組織でどのように
展開
をされていくおつもりなのか、
大臣
の決意をまず最初にお伺いしたいと思います。
扇千景
173
○
扇国務大臣
お時間がないとおっしゃいましたので短く言わなければいけないので、でも、御質問が全体の二十一
世紀
の
政策
ということで大きなものですから、端的に申し上げさせていただきたいと思いますから、前略、後略でお許しいただきたいと思います。
国土交通省
といたしましては、少なくとも二十一
世紀
の
国民
の皆さんに目に見えるグランドデザインをつくりたいというのは先ほど私が申し上げたとおりでございますけれ
ども
、
計画
から
事業
まで一体的な
行政
の
展開
をする、これが私はまず第一だと思います。そして、二つ目には、総合的な
交通体系
の
整備
、これは二つ目で私は大事なことだと思います。三つ目は、少なくとも
社会資本整備
の整合的あるいは効果的
整備
の
推進
、これが大きな柱でございます。この三つの柱を
基本
といたしまして、
政策
の融合制を
推進
して、
ハード
・
ソフト
一体で、私は二十一
世紀
のグランドデザインを考えていきたい。 その三つの
基本
の中から、また
鉄道
駅等々の、今弱者とおっしゃいましたが、私は先ほ
ども
どなたかに申し上げましたけれ
ども
、路線も、低床バスを運行するとか、あるいはバリアフリーを上りだけではなくて下りもつけるとか。そして、私はいろいろなことを、あかずの
踏切
もさっきも御答弁いたしました、あるいは
空港
、
港湾
、道路の連結の問題も申しました。
国土交通省
になったからあらゆることが総合的に考えられるというのが、今回の省庁の再編をした大きな要因であろうと私は思いますので、総合的な
政策
が立案できるということだけでも、今後
国土交通省
としては目に見えたものにしていきたいと私は思っております。
日森文尋
174
○
日森
委員
ありがとうございました。 そこで、縦割り
行政
を排してというふうに先ほど申し上げましたけれ
ども
、
国土交通省
として、どういう組織、
機関
がそういうグランドデザインをつくって責任を持って進めていくのか、そこまで踏み込んでお答えいただけたら大変ありがたいと思っています。
泉信也
175
○泉副
大臣
新しく発足をいたしました
国土交通省
、従来の四省庁の部局がそれぞれの立場でそれぞれの
政策
を実行するということは当然でございますが、その上に、
国土計画
局、総合
政策
局、こうした部局を設けまして、各部局間の調整を図る、この体制をとらせていただいております。また、幹部会というようなものを設けまして議論をすること、そして省議を設けて、それぞれの局長以下が出まして議論をする、そうした中で総合調整を図っていく、総合
政策
を樹立していく。このような仕組みをつくり、現在動かし始めたところでございます。
日森文尋
176
○
日森
委員
関連してですが、そうしますと、先ほどお話もありましたけれ
ども
、局が仕事をしっかり持っている、あるいはその下の課が持っている、そういう体制を少しばらそうということでやっていかないと
国土交通省
になった意味がないじゃないかというお話がございました。私も全くそのとおりなんですが、その際、総合
政策
局というのは、これまで各局がやっていた仕事をそれぞれ集めてきてそれを調整するだけ、その程度の話なのか。それとも、もう少し具体的な権限と言うとおかしいですけれ
ども
、調整するだけじゃなくて、全体の、この国のグランドデザインをどうするかということまで具体的に提起をして、各局に仕事をさせていくということであるのかどうか。その一点だけ聞きたいと思います。
扇千景
177
○
扇国務大臣
御存じのとおり、
国土交通省
、一月の六日に発足をして、私はまず省議というものを開きました。そして、省議を開きましたら、十三局、局長以下
審議官
、そして技監等々で四十数名の省議になりました。 四十数名集まりますと、顔が見えないんですね。一人ずつ一分発言してもそれだけ時間がかかりますということで、私は、大変申しわけなかったんですけれ
ども
、再編をさせていただきたい、一々省議をして決定しなければこれが動かないということでは、皆さんが巨大だ巨大だとおっしゃることそのままになりますので、申しわけないと思いましたけれ
ども
、私は、その人数を見て第一回の省議で決断をいたしまして、最高幹部会というのをつくらせていただきました。省議が四十数名ですけれ
ども
、その上に最高幹部会、十五名でございます。それで、お互いの
国土交通省
の
政策
というものあるいは意見の集約、最高の決定
機関
は最高幹部会であるということで、十五名に絞らせていただいて、その組織を今つくって動き出しているところでございます。 省議は月に一回、最高幹部会は少なくとも月二回ということで、今総合
政策
局というお話がございましたけれ
ども
、総合
政策
局は、
政策
を、皆さん方に法案を出す前に、一応こういうものをするという、四省庁でございますので、法案が今
国会
だけでも十五本ございますので、それを作成する場合には総合
政策
局がまとめて持ってきて省議にかけ、なおかつ省議でする場合と、決まらないときには最高幹部会をする、そういう組織の再編をさせていただきまして、縦割り、横割りもすべてうまくいこうということで、なくした次第が、そういう図式になりました。
日森文尋
178
○
日森
委員
ありがとうございました。ぜひ
全力
でやっていただきたいというふうに思います。 二つ目に、ニアミス問題。 先ほどから、
大臣
、重大な責任もあるというお話もございましたし、
再発防止
のために徹底した
原因
の
究明
を行うというお話もございました。特に
調査
の問題は大変重要な問題でございまして、
再発防止
には何としても徹底した
原因
の
究明
がなきゃだめだということはだれしも一致をしていることだと思うんです。 その意味で、改めて、その
調査
それから
国土交通省
としての責任問題も含めて、
大臣
の所感といいますか感想をお聞きしたいと思うんです。
扇千景
179
○
扇国務大臣
けさから、重大なニアミスがあったということで、本当に
事故
に至らなかったことがせめてもということで、反省をしながらるるお答えしてまいりました。 そして、御存じのとおり、
事故
調査
委員会
を、七名でございますが、すぐ現場に派遣をさせていただきましたけれ
ども
、
事故
調査
委員会
の
報告
を待つだけではなく、
国土交通省
として即刻できることは何かということで、全部集まっていただきました。 そして、管制官がどういう
状況
であったかということで、すぐ
国土交通省
から担当官を管制室に、
現地
の管制室にも、静岡にやりましたし、また、私は、
全国
の主要の管制責任者を全部一堂に集めまして、四十三名の管制官の長を全部集めていただきまして、反省する点はないかということも、先ほど申し上げましたとおり、そのときに出た項目に関しては、長くなりますので、重なりますから失礼させていただきますけれ
ども
、少なくとも私は、
事故
調査
委員会
の
調査
と、そして今
国土交通省
としてでき得る限りのものは何かという選別をして、私はすぐに
対応
させていただいたというのが現状でございます。
日森文尋
180
○
日森
委員
先ほどの副
大臣
の
報告
によりますと、この
事故
で、今
大臣
、直ちに
事故
調を派遣したというふうにおっしゃいましたけれ
ども
、
対象
機が羽田に着いてから
事故
調に連絡するまで三時間ぐらい時間がございますね。その辺は、直ちにというふうに、三時間も直ちに入るかもしれませんが、どうも
対応
が遅いんじゃないか。 聞くところによると、
重傷者
以上が出ないと
事故
というふうに判断しないんだというふうなお話がございまして、そこでこの三時間のタイムラグというか、ずれがあったのかという気もするんですけれ
ども
、その辺はどんなふうになっていらっしゃるんでしょうか。
深谷憲一
181
○深谷
政府参考人
その点についてお答えいたしますけれ
ども
、一月三十一日に
事故
が発生したわけでございますけれ
ども
、これがいわゆる
法律
上の
航空事故
に当たるかどうか、これの確認を航空局でさせていただいて、その上で、これが
航空事故
に当たるという判断をいたしまして、同日の十九時五十分に、
事故
調査
委員会
の方に
航空事故
が発生しましたという御
報告
を御通知申し上げた。
法律
上の
航空事故
に当たるかどうか、これは決めがございまして、これは国際的にもICAOの方でも一定の基準を持っておりまして、
我が国
でもその基準にのっとりまして、例えば先生今御指摘のように、一定時間以上、これは具体的には四十八時間、入院するとか、あるいは大きな骨折があるとか、そういった基準に基づいて判定をした上でそういう
通報
をした、その判定に多少の時間がかかった結果でございます。
日森文尋
182
○
日森
委員
これまではそういう
対応
であったと思うんですが、ちょっと関連して、ちょっとわき道にそれますけれ
ども
、今度新しい
事故
調ができますね、
法律
が
整備
される。そうすると、これは重大インシデントというふうに我々ごく普通に考えるんですが、仮に新しい
法律
のもとでやると、例えば
重傷者
がいなくても、ああいう重大
事故
になりそうになったということになると、
事故
調が
調査
に入るということで
理解
してよろしいでしょうか。
中島憲司
183
○中島
政府参考人
ただいま御指摘がございましたけれ
ども
、今
航空事故調査委員会
設置法等の一部を改正する
法律案
をお上げしてございますけれ
ども
、その中で、重大インシデント、これにつきましても
航空事故調査委員会
の方で
調査
をする、こういう内容になってございますので、先ほどお話がございました、例えばニアミスでありますとかそういったものにつきましては、その法案が通り、施行されれば、
航空事故調査委員会
の方で
調査
を行う、このようになります。
日森文尋
184
○
日森
委員
わかりました。これからは、三時間も時間がたたないで直ちに
事故
調が
調査
に入るという種類の
事故
であったということでよろしいんですね。 ちょっと関連して、それから、先ほどの
報告
の中で、とりあえず管制官のミスが明らかになった、管制の仕事についていろいろ
見直し
をして、
改善
できる点については直ちに
改善
をしていこうというお話がございました。それはそれで確かにそのとおりだと思うんですが、しかし、管制官の個人の資質であるとか管制官個人の責任を問うということであっては、本来の意味での
事故
の
基本
的な
原因
を明らかにするということにならないんじゃないかという気がしているんです。 そういう意味では、管制官の数を聞きました。それから、管制する飛行機の数も大分ふえているという話、具体的な数字を聞きました。 そこで、千七百三十二人とふえておりますけれ
ども
、しかし、六十六万機だった飛行機が九十六万機、九〇年から九八年のこの九年間で三十万機、
対象
の飛行機がふえているという
報告
もあるようです。これは、管制官の数、三・八%ですか、ふえたけれ
ども
、飛行機の数はもっとふえている。その分は機械化でカバーしているんだというお話だったんですが、これで十分
対応
できる体制なのかどうかということについてひとつお聞きしたい。 それから、機械の
高度化
によって、確かに人がいなくても
対応
できるというお話がございましたけれ
ども
、逆に言うと、どんどんハイテク化が進んでいくことによって、管制官自体がハイテク化になかなか追いついていかない、こんな事態も発生するんじゃないかと思っているんです。それについてどうお考えなのか。 それからもう一つ、今
行政
改革
でどこでも人を減らしなさいというお話になっていますね。管制官についても、一説によると、七十数名これから人を減らすんじゃないかというお話もちょっと伺ったことがあるんです。この行革の中で、管制官について、先ほど
大臣
でしたかね、今後要員については協議をしながらふやす努力もしたいという趣旨のお話があったと思うんですが、実際には七十二人減らされるんじゃないかというお話もあって、ちょっと心配しているんですが、その三点についてお答えいただけますでしょうか。
深谷憲一
185
○深谷
政府参考人
御説明申し上げます。 管制官の一人当たりの処理の機数がふえていていろいろ大変ではないか、こういう御指摘がございましたけれ
ども
、先生御指摘のように、現在、千七百三十二名の管制官がおりまして、これは最近五年間で三・八%増をしておりますけれ
ども
、他方で、一人当たりの取扱機数、これは五年間で七・二%ほどふえている、こういう
状況
でございます。 これにつきましては、
業務
の運用の方式の
見直し
でございますとか、あるいはレーダー
関係
の機器の性能向上、こういったものによって対処しておりますので、安全上特段問題はないというふうに考えております。 その中で、そういった機器が進歩していく中で、管制官の
研修
と申しましょうか、その点の御指摘もいただきました。今回のニアミス
事故
を契機といたしまして、今回は
ヒューマンエラー
が一つのきっかけになっておるわけでございますが、そういったことの反省に立ちまして、
訓練体制
の
強化
、こういったものを図る必要があるだろうということで、直ちに
実施
すべきような
研修
、これは既資格取得者全員に対する一定期間の
訓練監督者
研修
、こういうものはすぐやろう、その一方で、さらに、今申し上げましたように、
ヒューマンエラー
の
再発防止
という観点から、機器も進歩してまいりますので、いろいろ、訓練教官の体制でございますとか、あるいは既に資格を取った人に対しても一定期間ごとに再訓練、そういった制度の創設も必要なのではないかというふうなことを
検討
の視野に入れまして、現在、鋭意
検討
させていただいておりますので、そういう方向で
結論
を出せればというふうに思っております。 他方でまた、先生が御指摘の要員の問題で、定員削減の御指摘もいただきました。事実といたしましては、
平成
七年度以降十二年度まで
全国
で五十名の定員を削減しておりますけれ
ども
、他方で、今申し上げましたように、
平成
十二年度の、今年度の定員は千七百三十二名ということで、今申し上げました五年間で五十名の定削はございましたけれ
ども
、他方で、五年間で、それを含めましても六十三名の増員になっておりまして、要するに、結果としては、それぞれの配置を
適正化
してきているという意味合いにもなっておるかと思います。 いずれにいたしましても、管制官の要員配置につきましては、それぞれ
管制機関
におきますところの
航空交通
量の増加の
状況
でございますとか、あるいは管制運用上の特殊性もそれぞれにございます。あるいは機器の
整備
状況
、こういったものも踏まえながら、安全上問題のないように、必要ならば増員も含めまして要員配置を適正にやっていきたい、かように考えております。
日森文尋
186
○
日森
委員
そうすると、私が聞いた、一部のうわさである七十二名も削減するという話はないというふうに判断してよろしいのでしょうか。
深谷憲一
187
○深谷
政府参考人
先ほど申し上げましたように、これまでも管制官につきましても定員削減というのを
計画
的にやってきた部分はございます。そういう意味では、これからも定員削減、そういったことを
計画
的にやっていく部分はあろうかと思いますが、これからも、必要な新規増員もきちっと
確保
するように努めてまいりたい、かように考えております。
日森文尋
188
○
日森
委員
確かにそのとおりで、羽田も新しい滑走路ができたり、それから成田もそうなんです。ますます大変になるわけですから、行革といっても、これは事人間の命にかかわる問題ですから、行革で一律に人を減らしていいところと、いや、むしろきちんとふやして
国民
の命をきちんと守ろうという部分があるわけですから、ぜひその辺は
大臣
も含めて慎重に配慮をしていただきたい、そんなふうに思っています。 それから、ちょっと時間が足りなくなってしまいました。私も実はパネルを持ってきたんですが、共産党さんのパネルよりもっと見づらいパネルで申しわけないのですが、ともかく、
日本
列島そこらじゅう米軍と自衛隊の訓練空域になっていまして、実は先日、機長組合の
方々
からビデオを見せていただいたのです。CGで立体的に自衛隊、米軍の訓練空域をつくって、その間を我々自身が飛行機に乗って飛んでいる、そういうCGがあったのですが、それを見せていただいたら、まさに軍事訓練の空域、壁のすき間を民間の飛行機が飛んでいるということを実感できました。 先ほど瀬古先生からもお話がございましたけれ
ども
、米軍、自衛隊、施設庁もそうですが、これはぜひ真剣に交渉もしていただいて、まず民間の空路をきちんと
確保
するということを前提にやっていただきたいと思うのです。特に今、朝鮮半島も含めて、
世界
史の流れというのは平和を志向しているという流れになっているわけですから、
国土交通省
としては、
大臣
を先頭にぜひそのことをやっていただきたい。 と同時に、この地図でもわかるのですが、今度、
大臣
も閣議で恐らく了承された話だと思いますけれ
ども
、空中給油機というのを買いますよね。あれは、輸送なんかに使うのもそうなんですが、空中待機警戒、戦闘機が空中に待機をしながらずっと警戒するということにもこの空中給油機は使いましょうというふうに防衛庁の資料はなっているんですね。そうすると、この訓練空域の中で、今までよりもはるかに長い時間、自衛隊の戦闘機が空中待機をしながら警戒態勢をしいていくということになるわけなんですよ。そうすると、それでなくても、これだけ膨大な
地域
が訓練空域になっているわけですから、ますます民間の空路に対して圧迫を与えるんじゃないか、そんな気がしているんです。 これについては、今、
扇大臣
から、いやそれについてはという話はできないでしょうけれ
ども
、そういう心配を私
ども
しているものですから、ぜひ民間空路の
安全確保
、これは第一義という立場で
対応
していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。 それから、続きまして、
ホーム
の
事故
の
関係
なんですが、御承知のとおり、
ホーム
から転落をするという
事故
が相次いでいて、新聞の記事によりますと、年間約三十件ぐらい
転落事故
が起きていて、三十人から四十人が死亡しているということを
国土交通省
が発表したというふうに日経新聞に出されておりました。 それで、問題は、先ほど瀬古先生もおっしゃいましたけれ
ども
、中でも視覚障害者、目の悪い
方々
が転落する例が非常に多い。この間、障害者の団体に問い合わせたところ、新聞にも載っていますが、三人に一人は
ホーム
から転落した、そういう経験を持っているというのです。多い人は一人で何回も転落しているという事例があるわけなんですね。 最初に聞きたいのは、視覚障害者が
ホーム
から転落をして死亡なり負傷された、そういう事例は把握をされているでしょうか。
安富正文
189
○安富
政府参考人
具体的に、
鉄道事故
等
報告
規則というのがございまして、その中で
報告
があります案件は、例えば九年度ですと五十四件の
転落事故
、それから十年度が五十五件、十一年度四十七件と、約五十件ずつぐらいございます。そのうち視覚障害者の方が実際に負傷あるいは死亡されたという件数ですが、この三年間で見ますと、五件発生しております。そのうち一名が死亡
事故
ということで、一件発生しております。 ただ、先ほど三人に一人の方が落ちるという話ですが、いわゆるこの
鉄道事故
等
報告
規則で上がってきますのは、負傷とか死亡した方ですので、落ちて、たまたま何もなくてはい上がってきたという人はこの件数に入っていませんので、そういうことも数えての数字かと思います。
日森文尋
190
○
日森
委員
それで、酔っぱらって落ちるという人もあって、それは駅で酒を売らなきゃ大丈夫かという話もあるのですが、それはともかく、視覚障害者のような方や、あるいはお年寄りという人
たち
が
事故
に遭わないためにはそれなりの防護措置をとるしかないのです。 先ほどから話に出ています、例えば防護さくをつくる、これについて、
大臣
もそういう
指示
を出しているとか
検討
しているというお話がございましたけれ
ども
、
鉄道
会社の方は、お金がかかるから、どうもなかなか、はいわかりましたと言えない
状況
になっているんでしょう。 それから、古い
ホーム
は、全部コンクリートで固めてあって逃げ場がないような、新しい
ホーム
はすき間をつくって逃げ場をつくってあるようですけれ
ども
、僕も見てきたのですが、実際に古い駅の
ホーム
というのは逃げ場が全然ない、そういう構造になっているんですね。これも何とかしなきゃいけないんじゃないかとか、いろいろな問題が出てきていると思うのです。 確かに、
鉄道
の方で、プラット
ホーム
からの転落者に対する
安全対策
で
幾つ
か出されていました。非常ボタン、プラット
ホーム
下の避難スペースの
確保
、
ホーム
さく。しかし、これはお金がかかる。それで、
鉄道
業者に、さあおまえ
たち
がやってくれと言っても、はいわかりましたとなかなか言えないんじゃないかという気もするのです。 これも、安全という意味から見ると、それなりに
国土交通省
が、
鉄道
事業
者が積極的にこういうことをできるような、そういうインセンティブを何かの形でつくっていかないと、実際は思ったように進まないんじゃないかというふうに思っているんですよ。その辺のお考えがあったら、ぜひお聞きしたいと思います。
安富正文
191
○安富
政府参考人
今お話がありました、例えば
ホーム
さくの問題、それから、先ほど、コンクリートで固めてあって退避スペースがないということでございましたが、まず後ろの方の退避スペースがない場所につきましては、今回の
指示
の中でも、ステップを設置しまして、健常な人だったらはい上がれるような形にするという方法があるんじゃないか。 それから、
ホーム
さくにつきましては、実際に
ホーム
さくを設置した方がいいかどうかというのは、実はいろいろ、非常に問題な場所があります。例えば曲線のプラット
ホーム
ですと、
ホーム
さくを設置すると旅客の乗降が見えないという
状況
になってきます。あるいは、混雑しているところですと、かえって危なくなってくるといったようなこと、いろいろなことがございますので、我々としては、
事業
者に、各駅あるいは旅客の流動を見て、
ホーム
さくが設置可能かどうか、そこら辺を
検討
してくれということで、今回
指示
をしているところでございます。 さらに、今後これらの
対策
について、先ほ
ども
申しましたように、五月末日までに
対策
の
実施状況
あるいは今後の
検討
状況
について
報告
を受けることになっておりまして、今後は、具体的な
支援
策についてどうしていったらいいか、これは
JR
とか大手民鉄という大きな会社もございまして、中小もございます。本来ですと、こういう
安全確保
ということについては
鉄道
事業
者の責任でやるべきだと我々は思っておりますけれ
ども
、その中で何ができるか、いろいろなことを
検討
していきたいというふうに考えております。
日森文尋
192
○
日森
委員
時間が来てしまいまして、要望だけしておきたいと思いますが、これらの
施策
をやるには、本当に
鉄道
事業
者が積極的にこれに乗り出していけるような、そういう
支援
策をぜひ考えていただきたいということが一つ。 それから、これは瀬古
委員
からも出ましたけれ
ども
、やはり要員の
確保
。大変混雑したときに、新宿駅にも
ホーム
に要員がいないとかいう話もあるわけなんです。これはもう大変危険な話ですから、何かの基準をつくって、どこの駅でも置けというわけじゃないんですが、要員については、必ずどこの
鉄道
事業
者も、一定の基準を超えた
ホーム
などについては置くようなことを義務づけるような、そういう規制もしていかないと、これらの
事故
は、ずっと減っていないわけですから、これからも、ふえることはあっても減らないだろうというふうに思っているので、そのことを要望して、終わりたいと思います。ありがとうございました。
赤松正雄
193
○
赤松委員長
以上で
日森
君の質問は終わりました。 次に、河上覃雄君。
河上覃雄
194
○河上
委員
きょうはいろいろと都合がございまして、午後の一番バッターでございましたが、最終バッターになりました。 これまでの議論を伺っておりまして、やや重複というより、かなり重複するところがあるかもしれませんが、それぞれ、私も
現地
に行ってまいりましたので、それらを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。
大臣
からもございましたが、初めに、去る一月の二十六日、
JR
新大久保駅でとうとい命を失われた
韓国
留学生
イ・スヒョン
さん及び関根史郎さんに心から哀悼の意をささげるとともに、その勇気ある
行動
に衷心から敬意を表するものでございます。 そして、一月の三十一日、日航機のニアミスによりまして負傷された
方々
を初め
乗客
の皆様に、お
見舞い
を申し上げますとともに、一日も早い心身ともの御
回復
をお祈り申し上げる次第でございます。 持ち時間三十分でございまして、非常に短うございますが、日航機のニアミス、そして新大久保駅の
事故
の二点に集約をして御質問をさせていただきたいと思います。 今回の日航機のニアミス
事故
の直接的な
原因
が管制官の誤った
指示
によって誘発されたものであるということは、ほぼ間違いないと私も思っております。機長に対して絶対的な権限を持っております管制官の
ヒューマンエラー
が
乗客
を初め
国民
の多くに与えた影響というものは極めて大きい、私はこう考えております。辛うじて空中での激突こそ回避されたとはいえ、大惨事につながるところであったわけでございます。詳細な
原因
というものは
事故
調査
委員会
の
調査
報告
を待つことになると思いますが、再びこのような
事故
を起こさないために、
国土交通省
は徹底した
事故原因
の
究明
に取り組むとともに、万全な
再発防止
策をつくる必要があると思います。 以下、
再発防止
という観点に限定いたしまして、質問をいたします。 まず一点、私
ども
は、ニアミスが発生いたしました翌日の二月一日、
乗客
四十二名が重軽傷を負った
事故
というものを重視いたしまして、直ちに
事故
調査
対策
委員会
を設置させていただきました。そして二日の日に、
赤松
国土交通
委員長
も含めまして、埼玉県の所沢の東京管制部に赴きまして、
管制業務
の実情を検分してまいりました。 航空
管制業務
、初めて私も参ったわけでございますが、管制官の勤務実態というのは、四日間働いて一日休むという交代勤務でありました。東京管制部では、五チームが二十四時間体制で勤務に当たっておりますし、一チームは一日六時間の勤務につく、このシフトで
対応
されておりました。一人の管制官が一度に五機ないし六機、自分の担当するエリア、隣にまたエリアを移してその方に引き継ぐ、これをずっと繰り返して目的地まで誘導するわけでございますけれ
ども
、五機、七機という、適正規模を超えた、たしか私の記憶では八機か十機ぐらい、このミスと言われます管制官は
事故発生
時点には自分のエリア内にあったということを伺っております。 航空
管制業務
は、さまざまなお話を伺った中で、非常に心理的なストレスがたまりやすく、激務であるなという率直な感想も持ちました。その上、管制官には経験や、同時に瞬間の判断力あるいは記憶力というものが問われまして、こういう側面から考えますと、管制官の教育訓練、技能、これらについては果たして十分だろうか、心理的ケアの側面、心理的ケアの体制は本当に整っているんだろうか。私は実は労働畑が長かったものでございますから、この
方々
の余裕ある勤務体制というものが
確立
されているのかな、この仕事で六時間連続ということもかなり激務でありますし、ストレスもたまるということを踏まえまして、必要ならば要員の
確保
という観点も十分考慮してやっていかなければいけないのではないのかなと思ったところも多々ございます。 今申し上げました私の質問に対しまして、
国土交通省
としての御見解をいただきたい。
深谷憲一
195
○深谷
政府参考人
御説明申し上げます。
事故
後、担当しておりました
東京航空交通管制部
を早速御視察いただきまして、大変ありがとうございました。つぶさに管制の現場を見ていただいたかと思います。 先生御指摘のとおり、管制官の勤務体制、これは今先生からお話があったようなことを原則として体制を組んでやっております。今回、
東京航空交通管制部
が担当しておりましたけれ
ども
、今回の具体的な事案につきまして、その勤務体制との
関係
はどうであったかということにつきましては、今後、
事故
調査
委員会
で
原因究明
がされると思いますので、それについての発言は差し控えさせていただきますが、いずれにいたしましても、勤務時間等の設定につきましては、管制官の負担が過度にならないようにというようなことで配慮はしてまいっておりますけれ
ども
、今後もさらに引き続きそういった側面を絶えず念頭に置きながら
検討
をしていきたい、かように考えております。 また、管制官それぞれ個人が精神的に受けるストレス云々の御指摘もございましたけれ
ども
、管制官の精神面に対しますケア、これも大事なことであろうかと我々も認識をしておりまして、管理監督する立場の管制官が、常日ごろから職員に対しましては観察を行いながら、必要に応じてストレスの
解消
を図るように配慮に努めているというところでございますけれ
ども
、これらの管理職管制官等に対しましては、より適切な
対応
ができるように、
研修
等のカリキュラムの一つとしましても、専門家によるいわば職場におけるメンタルヘルスの講義、こういうふうなものも設定しているところでございますけれ
ども
、今後さらに受講機会がふえるような、そういった配慮もしてまいりたいというふうに考えております。 また、要員につきましても、他方で合理化をする部分もございますけれ
ども
、他方で必要なところには必要な要員配置がきちっとできるように努めてまいりたい、かように思っております。
河上覃雄
196
○河上
委員
東京管制部の現在の
航空管制官
数は四百三十一名と伺いました。要員の
課題
については今御答弁がございましたが、ふやすという側面からぜひとも早急に御
検討
をいただければと思っております。 もう一点は、今度は管制官の適格性のチェックをどうするか、私は、これをもう一遍再
検討
する必要性があるのではないのかと。今回の
事故
が、管制官が便名を間違えて
指示
したこと、これが直接的な
原因
となったことはほぼ間違いない、しかもダブルチェック体制も機能しなかった。なぜ便名を間違えたのか、またミスに気づかなかったのか、この解明をきちっとする必要があると思います。それは、管制官という人間の心理的な側面の
分野
に属するかと思いますけれ
ども
、管制官の適性や教育訓練の方法にかかわる問題であろうと私は思います。
国土交通省
としては、
管制業務
の緊急総
点検
を
指示
されまして、管制官からの要望
事項
等を取りまとめたところでありますけれ
ども
、管制官のあり方について、採用段階そして採用後の一定段階において、管制官の適格性のチェックということは必要があるのではないだろうか、私はこのように考えますが、これについて、御見解はいかがでしょうか。
深谷憲一
197
○深谷
政府参考人
先生御指摘の点につきましては、現在、管制官の採用試験の際に適性検査をやっておりますけれ
ども
、こういう事案を考えますと、今後、管制官の技能証明の取得後であっても、一定期間ごとに管制技能のチェックを行う制度、そういったことも必要なのではないだろうかというふうなことで、現在、今回の事案を契機としていろいろなことを
検討
させていただいておりますけれ
ども
、その中の一つのテーマとして考えさせていただくことにしております。
河上覃雄
198
○河上
委員
局長、ぜひ具体的に御
検討
いただきたいと思っております。 もう一つ、管制部に参りまして、東京管制部としては一日どのくらい扱っていらっしゃるのか、あるいは年間どうなんだと、資料をいただいてまいりました。私もびっくりいたしましたが、東京管制部の
平成
十二年におきます一日の平均取扱
交通
量は二千七百十七機でありまして、一日二千七百十七機、年間にいたしますと九十九万四千五百六十四機。五年前の
平成
七年の一日の取扱量は二千三百二十五機でありましたので、この五年間におよそ四百機ふえているわけでありまして、年間取扱量はおよそ十四万五千機ふえている。今後新たな
空港
建設などによりましてさらに
交通
量の増加が見込まれます。 私は、航空機会社の
関係者
等に友人もおりますのでお話を聞きますと、やはり
事故発生
率が一番高いのは離着陸だ、私もずっとそう思ってまいりました。しかし、今回のようなニアミス、一瞬間違えれば大惨事、これはなかなかの問題でございますが、離発着も、羽田あたりで時計を見ながら見てみますと一分か一分半に離発着するわけですね。これは本当に大丈夫かな、
空港
周辺のあのさまを見ますと、やはり心配するのは私だけではないんじゃないか。 その意味では、いつ
事故
が起こってもおかしくないなというふうに考えるわけでございますが、
国土交通省
といたしましても、第一回の
航空管制システム検討委員会
を
開催
されました。そして、管制システム、
管制空域
、そして
航空路
の再編などがテーマに上げられております。 そこで、午前中あるいは午後の答弁でお話をされておりますけれ
ども
、
結論
が出ればできるところからすぐさまやると泉副
大臣
も御答弁をなさっておりました。もう既に着手し、具体化をしているものもあるかと思います。今私が申し上げました管制システム、空域、
航空路
の再編、これらについては現在どこまで、どういう議論で進んでいらっしゃいましょうか。そして、これらの問題については抜本的に見直す用意はあるのでしょうか、この点について御答弁をいただきたいと思います。
泉信也
199
○泉副
大臣
航空機需要が毎年あるいは日に日に増大している現状からしますと、
安全対策
については幾ら気を使ってもやり過ぎることはない、そういう考え方を
国土交通省
は持っております。そしてまた、一管制官の問題ではなくて、今回の
事故
は省を挙げて、
国土交通省
全体でこの問題の解決、
原因究明
も含めました
対応策
を考えるというのが
扇大臣
のもとでの
国土交通省
の考え方でございます。 管制システムの
見直し
あるいは空域、
航空路
の再編、やや次元の違う問題に取り組んでおることは事実でございまして、
管制空域
あるいは
航空路
の再編等につきましては、これから少し議論をさせていただきながら調整をしていくテーマだと思っております。少なくとも、六月ごろまでにはある種の物の考え方が整理できればなという思いを持っております。そして、管制のシステムにつきましては、当然、現状においても
異常接近
警報装置などが
整備
をされておりますが、
ヒューマンエラー
というのがどうしてもつきまとうわけでございますので、その部分は管制官の能力を高める
研修
を繰り返す、あるいは大変厳しい勤務
状況
の中ではありますけれ
ども
、緊張感をさらに持って
対応
していただくというような事柄がまず一つの取り組んでおる現状でございます。 今後、このシステムをもっと機能的に働かせますためには、
異常接近
情報をより適切に発出する、今の機能を機器的にもっと高めるということがどうしても必要であると思っておりまして、人間の努力、そして機器の向上というこの二つの面から取り組んでおるところでございます。機器の性能向上については、いろいろな
検討
を、これまでも
国土交通省
に所属します研究所等あるいは民間の力をかりながらやってまいっておりますが、さらにスピードを上げて対処していくようにいたしたいと思っておるところでございます。 なお、若干時間をちょうだいしなければならないと申しました空路の再編成等につきましては、必要な場合には米軍あるいは防衛庁、そうした
関係
機関
と緊密な調整を図った上で、万全な
対策
をとってまいる
所存
でございます。
河上覃雄
200
○河上
委員
今回の
事故
が発生した焼津上空というのは、横田空域の南側に位置をしています。また、
日本
の上空には軍用機の訓練空域や米軍基地周辺の米軍
管制空域
が複雑に入り組んでいるわけでありまして、管制官にとってもこれは大きな負担になるという指摘もあります。 そこで、今申し上げましたシステム
検討
委員会
で、管制システム、空域、
航空路
の再編などの中に、今私が質問いたしました米軍
関係
あるいは自衛隊
関係
、これらの項目も
検討
する
対象
になっているでしょうか。これは事実
関係
を教えていただきたいのと同時に、私は、いろいろな意味で調整する必要があるんではないのかと思いますが、その調整についてはどのようにお考えでしょうか。
深谷憲一
201
○深谷
政府参考人
今回の
事故
を契機に、二度とこういった
事故
を起こさないため、あらゆる考えられる側面について、抜本的にいろいろ
見直し
をして
再発防止
に役立てたいということで、管制システム
検討
委員会
というものを局で立ち上げて、
検討
に入っております。その中では、今回は
ヒューマンエラー
というのが一つのきっかけだったということで、
訓練体制
の話、そういったことを
中心
にしながらも、
管制支援システム
の
開発
の問題でございますとか、今御指摘の空域、
航空路
の再編でございますとか、将来の新しい管制システムの
世界
をにらんだ上での問題でありますとか、そういったことを幅広く勉強したいというふうには考えております。 しかしながら、今回の
事故
についての
事故原因
そのものにつきましては、
航空事故調査委員会
において
調査
中でございますので、コメントは差し控えさせていただきますけれ
ども
、今先生御指摘のような、横田の空域でございますとか、あるいは防衛庁
関係
の空域でございますとか、そういったいろいろな空域がある、難しいのではないか、こういう御指摘でございます。その中で我々管制をやっておるわけですが、このような
管制業務
の
実施
形態が今回の
事故
に直接結びついているというふうには考えてございませんので、今回の
事故
と直接関連づけて米軍の云々というふうなことではないかなと思っておりますが、いずれにしましても、
航空路
あるいは空域のあり方が、今回のような
事故
の、少なくとも要因にならないような空域、
航空路
の再編については視野に入れて考えてまいりたいと思います。
河上覃雄
202
○河上
委員
ニアミスについてもう一点だけ質問をいたしておきたいと思います。
事故
調査
委員会
の権限については、先進国では
事故
調査
を担当する
機関
に強い権限を持たせていまして、
原因
の
究明
に優先権が与えられる。当事者の法的違反や怠慢がなければ、刑事免責も与えられる場合もある。
日本
では、
調査
委員会
の
報告
書が刑事訴追の証拠として認められる。したがって、米国は証拠採用を法的に禁じているようでございますが、こうした
関係
から、なかなか真相が語られないという実情があるやに伺っております。 今回の
事故
で、
日本
乗員
組合連合会など四団体はこれらの
課題
に対しまして、
冒頭
、
事故
調査
委員会
に先んじて刑事捜査を開始したことは極めて異常であり、
事故原因
究明
優先に逆行する、まことに有害であったという見解を公表しております。この
日本
乗員
組合連合会等々の御指摘に対して、どのようにお考えか。また、警察との
関係
性において整理の必要性をあると考えられるのか。
国土交通省
の御見解を尋ねます。
中島憲司
203
○中島
政府参考人
航空事故調査委員会
の
調査
と警察による捜査、これが競合する場合に、それぞれの使命達成に支障を生ずることのないよう、
調査
機関
と調整の上、
事故
調査
を行うことにいたしておりまして、
事故
調査
に支障は生じていないと考えております。
本件事故
の場合も、パイロットの口述の聴取等につきまして、警察と調整をいたしまして、
航空事故調査委員会
が先に
実施
するなど、
調査
に支障を来していないと考えております。 なお、本
事故
の場合、私
ども
は十九時五十分に
事故通報
を受けまして、
調査
を開始いたしました。したがいまして、それ以前のことにつきましては、承知をいたしていないところでございます。
河上覃雄
204
○河上
委員
事故
が起こりましたら、航空会社、そして航空局の
指示
に基づいて
事故
調査
委員会
、こういうタイムラグがあるという意味で事務局長もおっしゃったんだと思いますが、これらの点についても、もう少し素早く機能できるような体制というものはあるのかないのか、これもぜひとも御
検討
しておいていただきたいと思います。答弁は要りませんので。 もうあと五分しかございませんので、新大久保駅の点についてお伺いいたしたいと思います。 これも
赤松委員長
とともに、すぐさま新大久保駅を視察させていただきました。新大久保駅は、一日の平均
乗客
数は
平成
十一年で六万九千人。これは
平成
十一年の御
報告
を
国土交通省
からいただきましたが。視察の際に駅員に尋ねましたところ、最近では五万人程度と受けました。非常停止ボタンはと、これは十二カ所、転落検知マットはと、これはゼロ、それから退避スペースはと、一カ所。この一カ所、見てまいりましたが、新大久保駅は高いところにございまして、その下にずっと道路が走って、非常に高いところです。ちょうどそこのところに退避スペースがあるので、ここにあってもほとんど機能しないなというのを実感いたしました。
ホーム
に職員がお立ちになるのはどういうときですかとお聞きしましたら、朝のラッシュ時だけです、
事故発生
時は当然おりませんでしたと。新大久保の職員の皆さんの勤務時間はと。朝の九時から夜の九時であります、新大久保の職員は全体で十五名、それを一日五名の体制でローテーションを組んでやっておりますと。こういう実情をお伺いいたしました。ちなみに、お隣の新宿駅は一日の乗降客どのくらいなんですか、百五十二万人ですと。右隣の高田馬場はといいますと、四十万人と教えていただきました。 私も
ホーム
を検分いたしますと、
ホーム
の一番広いところで約六メートル、一つの
ホーム
で両サイドに上り、下りが入ってくる構造になっておりまして、当然階段がついておりました。階段のところは、その幅というのは一人の人が通れるスペースしか新大久保駅はないという実情でございました。 二月十九日に
国土交通省
は、
JR
六社、大手民鉄十五社、公営地下鉄十社等、これらの実情について実態
調査
を発表されておりますが、それによりますと、非常ボタンの設置率は一〇・六%、転落検知マット設置数は一・八%、退避スペース設置数は、
ホーム
全体に設置がされているというのは二八・六%、
ホーム
の一部に設置というのが二八%と、この三点の
安全対策
から見ても十分まだ具体化されていないなということを実感いたしました。 もちろん、これだけでも
ホーム
の数が六千九百九十九になるようでございまして、大変な数に上ります。私は、すべてとは申し上げませんが、今回の
事故
を教訓にいたしまして、平均
乗客
数の実態や
ホーム
の立地条件、形状等を十分考慮に入れながら、非常ボタンの設置、そしてその周知徹底法、転落検知マットの設置、
ホーム
下の退避スペース、さらに
乗客
用の
監視
モニター、
ホーム
ドアあるいは可動式
ホーム
さくなどの
安全対策
を順次とる必要があるんだろう、このように考えるものでございます。 また、それらの
施策
に対しては何らかの
支援
策は講じることができるのかどうか、それらも視野に入れてぜひともお考えになっていただきたいということについての見解を求めて、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
安富正文
205
○安富
政府参考人
今先生の方からいろいろ御指摘ございました。 先ほ
ども
申しましたように、二月十九日付で、当面、列車速度が高く、かつ、一時間当たりの運転本数が多いプラット
ホーム
を重点的に、非常停止押しボタンあるいは転落検知マット、退避スペースあるいは
ホーム
さく等の設置についての
検討
といったようなことを順次進めていくように
指示
したところでございますが、今後、五月末に上がってきます
対策
実施状況
を見ながら、我々も
事業
者と一緒になって、あとどういうことをやっていったらいいのか、さらには、先ほど言いましたように、
支援
策についてどういうことがあり得るのか、特に、我々としても
JR
、大手民鉄の自主的な取り組みはぜひ期待したいところでございますけれ
ども
、何らかの方策というのがあるのかどうか、
事業
者の意向も聞きながら
検討
してまいりたいというふうに考えております。
河上覃雄
206
○河上
委員
ぜひこれも具体化をよろしくお願いします。
大臣
は午前の質問で、陸海空の安全を
確保
する
国土交通省
とおっしゃいました。残念ながら、陸海空、直近で三つとも
事故
が起こったわけでありますから、しっかりと頑張るようによろしくお願いして、終わります。
赤松正雄
207
○
赤松委員長
以上で河上君の質疑は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会