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坂口国務大臣 ただいま議題となりました
確定拠出年金法案について、その提案の理由及び
内容の概要を御説明申し上げます。
我が国は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の需要の多様化、雇用の流動化等社会経済情勢が大きく変化しており、このような変化に対応しつつ、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって
公的年金の
給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与する
制度を創設することが要請されております。
このため、
厚生年金基金、国民
年金基金等の
年金制度に加えて、新たな選択肢として、個人または
事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた
給付を受けることができる
制度を創設するための
確定拠出年金法案を第百四十七回国会に提出いたしましたが、衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。
しかしながら、この法律案は、
老後の所得の確保を一層
充実したものとするために新たな
制度を創設するものであり、一刻も早くその実現を図る必要があることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な
内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、
確定拠出年金は、
事業主が
労使合意に基づいて
実施し、六十歳未満の
従業員が
加入者となる
企業型
年金と、国民
年金基金連合会が
実施し、国民
年金の第一号被保険者及び
公的年金に上乗せする
給付のない六十歳未満の
厚生年金保険の被保険者が申し出により
加入者となる個人型
年金の二種類とすることとしております。
第二に、掛金は、
企業型
年金においては
事業主が、個人型
年金においては
加入者が拠出することとしております。
第三に、
加入者は、個人ごとに管理された資産について運用の指図を行うこととしております。このため、
加入者に対して十分な情報の提供等が行われるよう所要の措置を講じております。
第四に、
給付は、
原則として六十歳に到達した場合のほか、高度の障害を負った場合または死亡した場合に
支給することとしております。また、
加入者が離転職した場合等においては、他の
企業型
年金または個人型
年金に個人ごとに管理された資産を移換することとしております。
第五に、個人に関する記録の保存、運用の
方法の選定及び提示等の業務を行う者は、
確定拠出年金運営管理機関として
厚生労働大臣及び内閣総理
大臣の登録を受けなければならないこととするとともに、両
大臣が必要な監督を行うこととしております。
第六に、
加入者の
受給権保護等を図る
観点から、関係者の行為準則を定める等必要な措置を講ずることとしております。
最後に、掛金、積立金及び
給付について、各税法で定めるところにより、税制上必要な措置を講ずることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその
内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。よろしくお願いします。