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下地委員 きょう、こうやって
閉会中
審査が、このような
事件が起こったことで行われることは非常に残念なことでありますけれ
ども、この
委員会で、今後このようなことが起こらないように
努力をしていく、私
どもは前向きな
審議をしていかなければいけないと思っております。
今度、先ほど
委員会の
報告がありましたけれ
ども、私が印象的に残っているのは
三つあります。
一つは、一点目には、
警察の
警務部長さんの
現場の
説明を聞かせていただきました。
委員会では全部を話すことはできませんけれ
ども、まさにこれは凶悪な
犯罪であるという認識を、その
警察官の
説明から私
どもは受けました。そして、立件に向けても強い自信を
沖縄県警が示したことも、私は非常にこの
事件の重さを感じるようなことであります。
それで、もう
一つ、二点目には、
北谷の
町長が私
どもの
委員会に対してこんなことを言っておりました。
日米安保条約を認めて、この
沖縄に
基地の存在が今すぐなくならないというふうなことになるならば、
政府はその
治安に対しても
責任を持ってもらいたい。金銭的だとかいろいろな経済的な効果も非常に大事でありますけれ
ども、この
治安に関しても
政府の
責任で、
日米安保条約を認めている以上はしっかりといろいろな
対策をつくってもらいたい。そして、
美浜に対する公園をつくる、そういうふうな
県警の、厚みのある
基地問題の
対策をぜひ立ててもらいたいというのが二点目であります。
三点目は、私
どもが
ノース准将や
ヘイルストン調整官のところに行ったときに、私からも、きちっとした
メッセージが
中央に届いていないからこんなにおくれているじゃないか、あなた方がもっと、この問題は非常に重い問題で、これは
米国にとっては大きな貸しがある、だからこの問題に関しては早急な
対応をしなければいけないという
メッセージをきちっと送らないから、これが、
犯人の
引き渡しがずるずるずるずるここまで延びているのじゃないかという話をした。それに関して、いや、そんなことはないという話でありましたけれ
ども、私は、この
三つの
委員派遣の中の私として重く感じた
部分をしっかりとぜひ
外務省にも受けとめてもらいたいというふうに思っております。
それで今、この問題が起こってからずっと動きがあります。初めは、
地位協定の
改定、そういうふうな話が
新聞紙上も多く起こりましたけれ
ども、今の
新聞紙上は全部、
運用の
改善をすべきである、
運用の
改善を先にしなければならないという
トーンに変わっております。
これは、私からすると、間違いなくこの
トーンは後退をしている
トーンだというふうに思っているのです。なぜ私がこの
運用の
改善を後退していると言うのかということは、この
委員会の
議事録を全部とればいい、歴代の
外務大臣がどんなふうに答えてきて、
役所がどんなふうに答えてきたかを全部見れば、私は、その
トーンがまた同じ歯車に、三年前に戻っていることを感じればいいと思うのです。
平成十年の十月七日午前四時二十五分、中城村において
上間悠希さんという女の子が
交通事故に遭って亡くなりました。
ひき逃げですよ。
ひき逃げ、
飲酒運転、
スピード違反、これは
殺人ですよ。これは、この
三つの重なっているような
状況の中で十八歳の
子供が亡くなった。そのときに
河野外務大臣にも話をした、これはぜひ
運用の
改善をしてもらいたいと。私
ども自民党は、そのときは、
地位協定の
改定よりもまず先にできるもの、それは
運用の
改定ですよ、
運用の
見直し、これをやってもらいたい、だから早急に
運用の
見直しをして、十七条の五項の(c)であるその他
事項に、
殺人と
暴行に
放火も加えたらどうでしょうか、それにこういう
ひき逃げの凶悪な
交通事故も加えたらどうでしょうか、そういう話を三年前に私
どもはやったんですよ。
三年前にやって、
外務省の当時の
大臣は何と言ったかというと、前向きに検討します、その問題を重く受けとめてやりますと言って、三年間たった。そして、ことしの一月にも
北谷町で
放火の
事件があった。一月の
放火があって、そのときも、これは
放火も
運用のその他
事項に加えたらいいのじゃないかという話があった。それもやって、もう今になって、七月までずっとほったらかしている。
藤崎局長は、この前の私の六月十三日の
質問にも言っていますよね。私が、
地位協定のその他
事項、相当煮詰まっているみたいですけれ
どもいかがですかと
質問をしたら、一月の
放火事件を
契機に前
外務大臣から指示がございまして、これにつきましては、
関係省庁と十分に
協議を重ねました結果、
米側と五月に至りまして
協議を開始したところですということなんですね。
本件に関しては、
米側のいろいろな
立場もございますし、私
どもの
日本政府の中でも、
司法当局、
外務当局、
防衛当局といろいろなすり合わせが必要でございますので、まだ御
報告できる
状況ではございませんが、引き続き鋭意
努力してまいりますと。
まあ、あのときは別の件で
質問させていただいたからこれで終わりましたけれ
ども、この答弁はもう三年間続いております。三年間続いて
運用改善の話ができていないから、私
どもはこれはどうなっているのかと思うのは当たり前のことだと思うんですね。
それで、もし
外務大臣が、
小泉総理がですよ、
運用の
改善をしますとか何とか言っても、だれが信じますか、そんなもの。十八歳の
子供が亡くなってから、三年間も
運用の
改善を一個も
外務省はしないで、今、
運用の
改善をやります、やりますと言って、その場的に今言って、だれが本当に、
沖縄県民が、これは前向きにやりますねと、そんなことだれが思うんでしょうかね。全くこれは
信頼のできない話だと
思いますよ。
私は、この問題をその場限りには終わらせてはならないと思うんですよね。いつでもその場限りです、いつでもその場限り。初めてですよ、
委員会でこうやって
地位協定に対する
決議をしようと。それに関してもいろいろな話が出ております。
それは後で
採決されるはずですけれ
ども、怒られるかもしれませんけれ
どもね、私は、この三時以降に
採決される文言に関しても、心の中からすっきりおりるような
採決の文章じゃないと思っていますよ。これは
理事の
皆さんに怒られるかもしれませんけれ
ども、本当にそれでいいのかどうなのかねと、そろそろ本気で考えてくださいよ。
事件が起こるごとに怒っても何もしないでずっと来て、それで今また
改定という文句も入らないような
採決をして、私は、これで多くの
皆さんがよかったと思うかといったら、思わないと思うのです。
ぜひそのことを
政府は頭に入れて、私は、どんなふうに感じているのかということを感じてもらいたいなと
思いますよ。
外務大臣、どうですか。