○脇雅史君 自由民主党の脇雅史でございます。
昨日からただいまの
入澤議員の御
質問まで、テレビやこの議場で伺っておりまして、大分この今回の
改正法案の中身が明らかになってきたのではないか。私自身も理解を深めた次第でございますが、
国民の皆様も多分理解をしていただく素地ができたのではないかというふうに思うわけであります。
さらに細かい点について疑義がないわけではありませんが、その点につきましては同僚
議員にお譲りさせていただくことにいたしまして、私は、ただいま
入澤先生からも
お話がありましたが、この
改正法案が何ゆえに今出てきたのか、そういった総論的な部分についてさらに
議論を深めさせていただきたいというふうに思います。
お答えは、
発議者の先輩、大先輩の
議員諸氏にお願いをするわけでございまして、大先輩ではございますが
議員同士ということでございますから、
発議者、
答弁者という立場はもちろんおありでしょうけれども、
個人的な見解も含めて、
国民の皆様に十分理解いただけるように、率直な開かれた
議論をぜひお願いしたいと思うわけであります。
そこで、場合によりますと、これはまさに場合によりますとということでありますが、一度お答えをいただいて、さらに真意をお確かめしたり御
意見を伺ったりするという場面があるかもしれませんが、どうぞお許しをいただきたいと思います。
さて、こうやって議場を見渡してみますと、昨日からも
お話がございましたが、こちら側があいているというまことに変な事態といいましょうか、許されない大変異常な事態になっているわけでありますが、何でこんなことになってしまったのかということで、我々もひっくるめて、与党、野党それぞれが反省すべき点は反省すべきだと思うわけでありますが、発端は十月六日、皆様御
承知の議院運営
委員会の開催に際してでありました。
野党の皆様は、今回の与党三党の
法案は党利党略だということで、何が何でも反対だということで、体を張ってでも物理的にその開会を阻止しようという行動に出たわけであります。これに対して、当然にやるべきことは粛々とやるというのが我々の務めでありますから、与党三党、衛視の力をかりて議院運営
委員会の開催をしたわけでありますが、その際に若干の、若干のと言っていいのか、大変なと言った方がいいのかもしれません、混乱がございました。ちょっと見過ごせない点があったのではないかと。
大変な混乱の中ですから、一々どうかということは言いにくい部分もあるんですけれども、衛視が十人けがをされた。通常の勤めをして、言論の府で勤めておられる衛視が、
議員の騒動に巻き込まれてけがをしてしまう。これはとても見逃せないのであります。これも単に混乱ということで、お互い力ずくでというところがありますから、そういう蓋然的な偶然のことならいいんですけれども、け飛ばしたとか衛視をつかんで引きずり倒したとか、とてもとても良識の府には
考えられないようなことが野党
議員にはあった、私も見ましたし。
特にこれは大変なことだと思うんですけれども、
衆議院の
議員の
先生がこちらに来られてそれに参加をしている。これは通信傍受
法案のときもそうだったわけでありますが、
委員会室になだれ込んで、傍聴は結構でございますが、
参議院に力ずくで入ってきて行動する、これはとても許しがたいことでありまして、議院の秩序を回復するという
意味で、これはぜひとも善処をお願いしたいというふうに申し上げておきます。
さて、この
法案に野党の皆さんが反対をしている。何を反対しておられるのか。これは手続論と中身と
両方あると思うんですね。手続論についてはいろいろ言い分もあろうと思うんです、お互いに。それは大事なことかもしれませんが、本質的なことではないと私は思っております。この手続論、野党の皆さんが
お話しになっている部分について、本当に言われているとおりなのかどうかということは後に
弘友議員の方から少しその
経緯を
お話しになられるように私は伺っておりますので触れませんけれども、中身について
議論をする、これを放棄するということは、これは言論の府、
国会議員に許されないことなのではないか。
きのうから
片山発議者がかなり
お話しになっておられましたけれども、我々にとって一番大事なことは
委員会の場において、本
会議もありますけれども、特に
委員会の場においてお互いに主張をし
意見を言い、そしてよりよいものをつくり上げていくというのが
国会の仕事でありますから、それを放棄するというのは単に職場放棄、もう
議員をおやめになった方がいいのではないかとすら私は思うのでありますが、まさに責任感の欠如としか言いようがないわけであります。言い分があるのはわかります。我々も反省しなければいけません。今からでも遅くはありませんから、ぜひとも、もしこの
会議の模様を見ておられる方がおられましたらおいでいただきたいというふうに思うのであります。
そして、その中身の
議論をいかに詰めるかというときに、テレビなんかでやっているんですね、街頭とかテレビとか。最近、日曜の朝のテレビを見ていますと、何か
国会の場でなくてテレビで政策を決めるのかなという、全く私はおかしいなというふうに思うのであります。いっとき、野球の試合で、某有名監督が出てこられまして、そしてシーズン中であるのにもかかわらずテレビへ出て、自分の野球の方針といいましょうか、いろんな攻め方とか守り方とか、そういったことについて話をしていて、おかしいんじゃないか、野球はグラウンドでやるんだという批判が巻き起こったことがありますが、我が国も、
政治は
国会でやるんだ、
国会の場でこそ最初に論じるんであって、どこかの民放のテレビ局で何かここで答えなさいなんというようなことで政策論議をする、
国民の皆さんにお伝えすることは大事ですけれども、それはちょっと違うのではないかなというふうに思うわけであります。やはり、この
国会の場の
議論を充実させるということに与野党協力をして、さらに我々は努力をしなければいけないと痛切に感じております。
そして、こういった
経緯を見ながらつくづく感じることなのでありますが、ちょっと
法案そのものからずれてしまって恐縮でありますが、本当に我々は一度決めたことを変えるのが下手だなと。これは
政治家、我々も反省しなければいけませんし、行政の皆さんにも特に反省をしていただかなければいけない。本当に、一度決めちゃうとそのまま行く方が楽だということもあるんでしょう、なかなか
改正案というのがうまく出てきません。
例えば
憲法、もう成立以来五十年余たちながら一回も変えたことがない。どこの世界を見たってこんなところないんです。一度決めたことでも、世の中が動いていけば必ず変えなければいけない。背広だって一度つくって何十年も長持ちさせて着ればいいですけれども、それはおなかが出れば少しは緩めたりいろんなことをするんですね。当たり前の話です。一度できたものは守らなければいけないという精神は、もうそこでだめなんですね。
我が国は、戦後はほとんど無から始めて、さまざまな分野でいろんな
法律をつくって、新しい背広をどんどんつくった。最初につくる話ですから非常にその時流に合ったいいものができた。その結果、これだけの繁栄した国家を築くことができた。ところが、もう五十年もたってそれを守る姿勢では、とてもではないけれどもこれから先我々はおぼつかない。二十一世紀に向かって新しい背広をつくっていかなければいけない。
そこで大事なことは柔軟な思考ですね。前にとらわれない。前例は大事にするけれども、先輩も大事にするけれども柔軟な思考で対応しよう、柔軟な発想で対応しよう、そして冷静な思考をしなければいけない。興奮して、
先ほど来出ていましたポピュリズムに惑わされてはいけません。そして、果敢な決断、強い決意、そういった意志が大事なわけで、そういったものを備えてさまざまな問題に対応していかなければ我が国の二十一世紀はないのではないか。
この問題でのこうした混乱を見ながらつくづく思うんですが、何で与党三党がいいと思うとこうやって提案をしている
議論に参加をしてくれないのか、本当に嘆かわしいことだと。
それで
一つ申し上げたいんですが、与党三党が、党利党略ではない、国家
国民のため、二十一世紀の日本のために
選挙制度は今いじるべきだ、一歩でも前進するためには非
拘束式名簿にしよう、そういう価値判断をしたわけですね。そういう価値判断が本当に、本当にと言ったら失礼ですけれども、あるわけです。そうしたら、一刻も早くそれを適用しようというのが当然の務めですね。野党の皆さんがよく言われる、問題の先送りだ、何をしているんだ、政府・与党はちっともやらない、そういう批判を我々も受けているわけですから、それならよしやろうということで、これはいいことだからやろうと思ったら今度はおかしいと言うわけですから、批判のための批判をされているように私は感じるんですけれども、やはりいいことは自信を持って進めなければいけない。
日ごろから大変御指導いただいております、冷静な思考力と果敢な決断力、柔軟な発想をお持ちの
片山発議者にぜひともその辺のことについて御見解を賜りたいと思います。