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浜田卓二郎君 今お答えになった中で、ソルベンシーマージンについては今いろいろ議論が出ておりますね。早期是正措置が導入されても、これはまだ一度も発動はされてないわけで、今回の相次ぐ破綻の場合でもこの是正措置には至っていない。それには、ソルベンシーマージンが二〇〇というんですか、それを割ったということがなかったわけですから発動に至ってない。御努力はされたけれ
ども、効果的な手法ではなかったということになるんでしょうか。
あるいはまた、標準予定利率算定の適正化の問題も、これからの予定利率の問題であって、逆ざやの根本原因というのは、過去の既契約分の予定利回りが非常に高い、それが現実の運用利回りを大きく上回るということですから、ここには何の解決にもならないわけでありますし、最後に確認させていただきました更生特例法の適用問題も、これはもう破綻をした、いわば破綻の定義にもよりますけれ
ども、要するに最終局面に至っての話でありまして、途中の努力とかあるいは途中の
改善ということにはなってないわけですね。ですから私は、それしか答弁の仕方がないというよりも、行政としての
対応がそれ以上なかなか難しいんだろうということだと思います。
特に、今回の協栄生命の破綻については、これはもういろいろな分析が新聞や雑誌でもされておりますけれ
ども、千代田生命の場合のように、むちゃな不動産投資をやったとか、いわばバブルのときのツケを払わされる形での破綻ではない。その経営にはいろいろ問題はあるでしょうけれ
ども、総じて言えば、ごく健全な生保経営に取り組んできて、そのあげくの破綻だと。そこに私は深刻さをお互いに感じなきゃいけないと思うんですね。
実は今、きょう発売で読んでおりませんけれ
ども、新聞の広告で、週刊朝日が何か危ない生保の特集みたいなのをやっているとか、あるいは
幾つかの週刊誌も同じようなセンセーショナルなタイトルでこの問題を取り上げております。その中で出てくることは、逆ざやはこれからも続いていくだろうと。これはむしろ構造的な問題になっちゃっているわけで、今、ゼロ
金利から離脱したといっても
金利水準は低く誘導されておりますし、現実に低いわけですからこの逆ざやという構造は変わってないわけで、言ってみれば優良な生保も含めてみんないわば血を流し続けているという
状況です。
だから、その逆ざや額で資産額を割り返したのが、ある週刊誌によればその余命だと言うんです。あと何年生きられるかという余命計算までされているわけでありまして、
金融再生委員長はほかは大丈夫だとおっしゃったけれ
ども、俗説でしょうけれ
ども、余命計算を見ればまだまだ危ういと言われそうな
生命保険会社もあるわけで、それをセンセーショナルにジャーナリズムが書き立てているという
状況なんですね。
私は、これは放置していいことなのかどうか、つまり何ら
改善策というものを
考えなくていいのかどうか、そこを
一つ考えるべきときだと思うんですね。
先ほど更生特例法の話をされました。更生特例法というのは、これは普通に
考えれば破綻なんですね。破産した会社に適用する手続なわけでしょう。ところが、予定利回りというのはこの更生特例法の適用がなければ変更できないわけですよ。たしか
平成八年でございましたか、
保険業法の改正がありましたよね。私、当時
国会におりませんで、そのときの議論は承知しておりませんけれ
ども、この
平成八年の
保険業法の改正によって予定利回りの途中変更というのができない制度にしてしまったというふうに聞いておりますが、これはどういう
考えなんでしょうか。
つまり、私の聞きたいことは、長期的に低利回りが続いていく、そして既契約分についての予定利回りが高過ぎる、それは変更できない。そうすると、その逆ざやという形で体力の低下というのがみすみす続いていかざるを得ない。直しようがない。それを直すとしたら更生手続まで行かなきゃいけないというのは、いかにも経営の選択肢のない話になっちゃうなと。
平成八年の改正の意図と、今日この問題について
政策当局としてどうお
考えになっているのか、その点について御答弁をいただきたいと思います。