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国務大臣(
扇千景君) 私、就任早々申しましたように、全く思いもかけない、まして当日の朝の新聞辞令は全部
建設大臣というところは私の名前ではございませんでした。そういう
意味で全くの予期しないポストに、まして女性として初めて
建設大臣というポストが回ってまいりました。随分ためらいもいたしましたし、そういう何かがあったから女という不純なことには許せないという気持ちも私はございました。
けれ
ども、少なくとも引き受けた以上は何としても私は、建設行政と
国民の疑惑を晴らす、また、あるのであれば是正する、そういうことに敢然と私は挑戦していこうというふうに覚悟を決めてやらせていただきました。
また、今まで疑惑がございましたるるのこと、ゼネコンの疑惑あるいは汚職等々事件がございましたけれ
ども、それと
建設省のかかわりはどうなのか。また、どれほど
建設省が過去の例によって改革してきたのか。そういうことも含めて私は検証し、なお私はそのときに、今も失礼したのは、衆議院の本
会議で通していただきましたけれ
ども、今まで
公共事業に対する基本法がないということ自体が私はこの国にとっては大変不幸なことであろうと。戦後五十五年、土建国家と言われながらも、
公共工事の基本法さえ
我が国はなかったと。しかも、外国には、フランスもあるいはイタリーもアメリカも含めて基本法、アメリカの場合はちょっと州が多くて別途違いますけれ
ども、そういうことのためには私は何としても、ただ
公共事業は悪だというイメージよりも、それを払拭する手当てにはどうしても法案が必要だということで、本来であれば閣法で五年ぐらいかかります、
政府の法制局も通して私はかかるのをわずか二カ月で、少なくとも私を手伝ってくれた役所の中では二人ばかり倒れたのもいましたけれ
ども、それくらいみんなが熱意を持って
建設省ぐるみ、これはぐるみでございます、
建設省ぐるみで努力してくださり、また森総理が、全省庁の
公共事業にかかわるものですから全省庁に声をかけていただいて二カ月ででき、たった今衆議院を通させていただいて参議院に回ってくるわけですけれ
ども。
こういうことも、やっぱり本来であればいろいろしがらみがあってできないと思いますけれ
ども、私は全く真っ白で
建設省に入ったものですから、あえて言わせていただければ、真っ白だったから、私だったからできたかなと。いろいろしがらみのある方にとっては本来はしたくない法案だったかもしれませんけれ
ども。
そういうことで私は、戦後初めてこういうものができて、
世紀末、来年二十一
世紀を迎えるときに当たっては本当に、しかも衆議院では全会一致で御賛同いただいたということも私は大きな
成果であったと思って、今やっぱりこの
大臣のポストに入ってこれができたなということは大きな私は喜びを今感じている次第でございます。
また、
公共事業の
見直しも、今高野
先生がおっしゃいましたように、
与党三党でも出しましたけれ
ども、
与党三党で百二の
事業の
見直しをしましたけれ
ども、私は就任当時、二カ月という猶予を持って、
建設省独自というのを指令しましたのが、二カ月後に
建設省独自でも三十四という
事業の
見直しの数を出しましたことも、他省庁に先駆けて
建設省がそれに着手し、なおかつその名前も
地元の
皆さんに土曜、日曜かけて大至急で連絡をとって公表させていただいたということも私は大きな前進であり、
国民の目に見える
公共事業の
見直しということが私は目にとまっていただいたのではないかと。また、国会でそのことに対してこういう場で御論議いただける材料の提供に私は寄与できたのではないかと思っておりますので、この件に関しても、今後の御
審議の中でぜひ進捗させていただきたいと思います。
それから、災害がどういうわけですか立て続けにございまして、本当に私は申しわけないなと思うんですけれ
ども。災害と同時に私は三宅島あるいは新島、神津島、そしてまた重ねては名古屋の秋雨前線によるあの集中豪雨、あの大水害、そういうことも経験して現地を見せていただきましたし、また、続いては鳥取の西部地震がございまして、現地へもこれも入らせていただきまして、私は神戸出身でございますから、阪神・淡路大震災直後にも行ったんですけれ
ども、今回もこうして鳥取に行きまして多くの経験をさせていただきました。
日本列島全部地震列島と言っても過言ではない中で私は多くの経験をさせていただき、教訓も受け、そして私は、これからも早急に
国民に不安を与えないような
対応ができる。鳥取県が防災の訓練を事前にきちんとなすっていたということが、全市町村に対しても各都道府県に対しても私は大変な教訓になったと思っておりますので、これも大変いい経験をさせていただいたと思っております。
また、就任早々から、ちょうど来年の六月で切れます
住宅ローン減税に対しても、今の
状況を考えれば私は経済の
発展あるいは経済の抑揚ということを考えても、来年六月で切れる
住宅ローン減税に対しては、これは時限立法ですから、新たに私は
住宅ローン減税の必要性というものを就任の記者会見でも言いましたけれ
ども、今、
政府税調、
与党税調等々で御論議になっておりますけれ
ども、この
住宅ローン減税は新たな選択をしながら私は大幅に延長させていただきたいということも申し上げました。
そして、まだたくさんございますけれ
ども、今の渋滞緩和ということによって
高速道路を速やかに通れるようにETCの導入ということも促進するようにということで、十三年度は本当は六百と言っておりましたけれ
ども、これも八百カ所に早急に上げてもらいまして、十四年度九百カ所に拡大するということで、これも大きな前進になって経済効果が上がるものであるというふうに私は思っております。
また、私は
公共事業の電子入札をしようということで、電子
政府というのを森総理がおっしゃっておりますけれ
ども、
公共事業がより透明性、そして多くの
皆さんが参加できるように電子入札という方法も取り入れるということも今回は法案の中にも書かせていただきました。
また、二十一
世紀の新生プランというのが森内閣の目標ではございますけれ
ども、その中で特に、少なくとも
建設省関係で多くの
事業のスピードアップとそして
コストの削減に私は寄与していきたいと思っております。
また、これも大きなことですけれ
ども、二十一
世紀の
日本の国際レベルのあり方はどこにあるか。これは国際
都市も含め国際空港も含めあらゆる物流も国際的に可能かどうかということも含めまして、これも私
どもは大きな
建設省としてのグランドデザインを
国民に提示するというのはことしじゅうにお示しし得るという
作業を今行っておりますので、これも今まで、先ほ
どもちらっとお答えしましたけれ
ども、
公共事業の
ハードだけではなくて二十一
世紀の
ソフト面を、女だから気がつくという面も少しはございますので、女らしくないかもしれませんけれ
ども、その辺のところも含めたグランドデザインを提示したいと思っております。
また、省内に「知恵箱」というのを設置しまして、
皆さん、職員と全部会えませんので、インターネットを通じて私に要望を全部出してもらうというのをしておりますけれ
ども、これも少なくとももう百以上の職員からの要望が出てまいりまして、意見交換をするというのも
建設省始まって以来とみんなに言われております。
るるございますけれ
ども、そういうことも多くの
皆さんの御理解と御
協力があって、建設行政の正確さあるいは貢献度というものを促進していきたいと思っております。
長くなって失礼いたしました。