運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2000-10-26 第150回国会 衆議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年十月二十六日(木曜日)     午前九時一分開議  出席委員    委員長 佐藤 静雄君    理事 大野 松茂君 理事 阪上 善秀君    理事 平沢 勝栄君 理事 持永 和見君    理事 荒井  聰君 理事 山元  勉君    理事 斉藤 鉄夫君 理事 塩田  晋君       岩倉 博文君    岡下 信子君       熊谷 市雄君    高木  毅君       谷川 和穗君    谷田 武彦君       近岡理一郎君    根本  匠君       二田 孝治君    森  英介君       井上 和雄君    石毛えい子君       仙谷 由人君    中田  宏君       長妻  昭君    楢崎 欣弥君       山花 郁夫君    白保 台一君       松本 善明君    植田 至紀君       北村 誠吾君    粟屋 敏信君     …………………………………    国務大臣    (内閣官房長官)     中川 秀直君    国務大臣    (総務庁長官)      続  訓弘君    内閣官房長官      安倍 晋三君    内閣官房長官      上野 公成君    総務政務次官       海老原義彦君    沖縄開発政務次官     白保 台一君    政府特別補佐人    (人事院総裁)      中島 忠能君    政府参考人    (人事院給与局長)    大村 厚至君    政府参考人    (総務庁人事局長)    中川 良一君    政府参考人    (外務大臣官房審議官)  横田  淳君    内閣委員会専門員     新倉 紀一君     ————————————— 委員の異動 十月二十六日  辞任         補欠選任   熊谷 市雄君     高木  毅君   井上 和雄君     長妻  昭君   山花 郁夫君     仙谷 由人君 同日  辞任         補欠選任   高木  毅君     熊谷 市雄君   仙谷 由人君     山花 郁夫君   長妻  昭君     井上 和雄君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出第六号)  高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案内閣提出第一四号)     午前九時一分開議      ————◇—————
  2. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として人事院給与局長大村厚至君、総務庁人事局長中川良一君及び外務大臣官房審議官横田淳君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤静雄

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。
  5. 仙谷由人

    仙谷委員 まずは、人事院勧告関連法案について御質問をいたしたいと存じます。  内閣官房長官に、この人事院勧告、ことしもいわゆるボーナスを〇・二カ月分引き下げる、基本給の改定は見送るというふうな勧告案が出たわけでございますが、今いろいろな指標が政府の方でとられているわけでありますが、いわゆる家計調査というのをごらんになったことがあると思うんですね。どのぐらいの期間この家計調査による実収入が、あるいは可処分所得が対前年度比落ち込んでいるか、御存じですか。御存じであるとすれば、これがどういうことを意味しておって、人事院勧告との関係はどうなのか、お答えをいただきたいと思うのです。
  6. 中川秀直

    中川国務大臣 突然の御質問であり、手元に資料がございませんので明確なお答えはできませんが、家計調査で、今委員お触れの、実質所得ですか、可処分所得のことでございましょうか、どちらでございましょうか、よくわかりませんが、そういうものがマイナスになった時期があるということは承知をいたしております。  しかし、これは国全体の状況の中で人事院勧告との関連を今お尋ねなんだろうと存じますが、今回の人事院勧告で、年末の期末・勤勉手当の引き下げを含むために、職員平均給与が昨年に引き続きましてマイナスになるということは、事実でございます。これは、専門第三者機関である人事院が、今申しました日本全体、民間給与実態を正確に調査した結果を人事院勧告制度の趣旨で反映したものであると認識をいたしております。  本年度の公務員給与改定につきましても、政府として人事院勧告制度尊重基本姿勢のもとに、給与関係閣僚会議を開催しまして、景気への影響等も含め、国政全般観点から十分議論した上で、勧告どおり実施することを決定したものでありまして、その意味ではやむを得ざることではないかと考えております。
  7. 仙谷由人

    仙谷委員 私が持っております家計調査資料を見ましても、平成九年の十月から一貫して実収入可処分所得が対前年度比減り続けているんですね、どんどん減っている。とりわけ深刻な問題は、昨年の十二月、実収入マイナス七・三、可処分所得マイナス五・七、あるいはことしの六月、実収入マイナス四・五、可処分所得マイナス六・〇、ずっと対前年比下がり続けて、なおかつボーナス月に特に落ち込んでいる。  家計調査のモニターをされている御家庭がいわゆる地方公務員が多いという説もありますけれども、要するに、人事院勧告が出されますと地方公務員の給料まで間接的には連動するという構造が日本に今ありまして、それで家計の収入可処分所得、それから、したがって消費もこれに連動して落ち込んでおる。消費不況という言い方がよくありますけれども、この低迷から抜け出せないという問題があるんですね。  だから、民間の賃金が少々安いということで人事院勧告を連動させるというふうなやり方もある種の従来型パターンではあるんだけれども、このことによって、日本景気回復という面では、とりわけGDPの六〇%を占める消費をどうするのかという観点では、非常に与える影響はよくないということを認識していただいて、その上で人事院勧告実施をちゃんとやってもらいたいということをお願いいたしておきます。何かございますか。
  8. 中川秀直

    中川国務大臣 実収入また可処分所得が、平成九年何月とおっしゃいましたか、ちょっと聞き漏らしましたが、今委員お触れ以来、統計で下げをずっと継続しているということは事実だろうと存じます。他方物価水準も、名目成長実質成長よりも低いわけでございますから、物価水準というものもずっと下落、横ばい、あるいはまた下落といったような状態で来ているということも事実であろうと存じます。  今委員お触れの御意見、これも一つの御意見としていろいろな観点から考えていくべき点があろうかと存じますけれども、そういう上で、他方労働権制約代償措置としての人事院勧告制度、これをやはり政府としては基本的に尊重して完全実施していくということもこれまた極めて大切なことでございまして、そういう意味で、今の御意見は承らせていただいた上で、ぜひ実施をさせていただきたい、かように考えておる次第であります。
  9. 仙谷由人

    仙谷委員 それでは、官房長官せっかく御出席でございますので、この間の官房長官をめぐるさまざまな問題といいましょうか疑惑について、私の方からお伺いをいたしたいと存じます。  といいますのは、新聞で、与党の有力議員からうそつき三羽がらすというふうな表現がなされる、あるいは国会の本会議代表質問でも、どうも国会の中で虚言を弄しておるのではないかという質問が堂々と行われるということになりますと、官房長官スポークスマンですから、毎日毎日最低一回あるいは二回は記者会見をされて、外に向かって、全世界に向かってメッセージを発信する、こういうお役目も重要なお役目でありますから、そのスポークスマンのおっしゃっていることが、本来、そもそもうそつき三羽がらすの一翼を占めるとか、この人の言っていることはどうも客観的な事実と違うのではないかという疑念を持たれたままだと、これは日本メッセージとしても信用力がなくなる。早くこの不信を払拭される処置をおとりになるべきだというのが私の思いでございまして、そういう観点からお尋ねをいたしたいと存じます。  そこで、いわゆる内容証明郵便滑川さんという人から平成八年の十月十四日に来た。ここに書かれてあることは事実無根だ、こういうふうにおっしゃっておるんですよね。  まず、その前に、滑川さんという人は存じ上げないということも含めてでいいんですが、一切官房長官に、滑川さんも全く無関係の人であって、内容証明郵便で摘示された、指摘された事実の数々、六項目ございますね、これはすべて事実がない、事実無根である、こういうことなんですか。それとも、記憶がないだけの部分もあるんですか。これをちょっと整理しておっしゃってください。
  10. 中川秀直

    中川国務大臣 先月の予算委員会でもお答えをし、また本会議でも御答弁申し上げましたが、滑川さんという人を私が存じ上げているかということについては、直接的に存じ上げていないということを申し上げておるわけでございます。  報道によると、呉の時代にお会いしたんだ、また、その写真はこうなんだ、こういう報道がなされておるわけでございますけれども、何回も申し上げておりますとおり、委員はその報道をすべて真実であるという前提でお尋ねなのかもしれませんが、また、私自身もその写真誌は拝見いたしておりますけれども、そもそも写真人物が御指摘人物なのかどうか、繰り返し申し上げておるとおり、面識がないわけですから判断ができないわけであります。また、その写真そのものも、お顔を隠したような掲載のなさり方をなさっている。  それから、委員は別に何かの根拠をお持ちなのかもしれませんが、その上での御指摘だとは思いますけれども、もしその御指摘が今お名前の挙げられたそういう人物である、こうおっしゃるのであれば、私自身幾ら記憶をたどっても、名刺を交換したこともないし、それからまた、交際とか交友とか言われておりますけれども、一度もお目にかかったこともないし、そういう意味で、写真を見ると、地元時代ということでありますし、中選挙区の時代でございますから、少なくとも七、八年前でしょうか。新制度になってもう何年になるのでしょうか、五年ぐらいでしょうか。その前でありましょうし、それから、私の顔のやせ方といいましょうか、そういうのを見ますと、何か相当若いころのようでございます。  しかし、大勢の会食の場で撮られたものとするならば、それは私も、もとより長い、本当に二十年を超える政治生活をいたしておりますから、いろいろな会合へ、それこそ一日に何会場、一晩に三会場、四会場回ることだってございます。そういうときに、たまたま同席したことがあるのかもしれません。しかし、そのことと、名刺を交わして、こういう人であるということではないわけで、そういう意味で私は、直接的に存じ上げていない、記憶がない、こう申し上げておるわけでございます。  それから、もう一点の内容証明云々のことでございますけれども、平成八年に突然参りまして、どういうお立場でそういう御質問をいただくのか全くわかりませんので、しかも、書いてあることは、もしそれが事実であるならば、私自身、薬物だ何だなんということがあれば、これはもう私自身が名誉を問われることでございますから、そんな内容も含めて事実無根である、こう申し上げて回答させていただいた。そのとき平成八年、そういうことでございます。
  11. 仙谷由人

    仙谷委員 そうしますと、滑川さんとの面識という表現をされていますけれども、かかわりについては、記憶がないというだけの話で、お会いしたことはあったかもわからないと。  あるいは、写真を見て、相手の顔が隠れているという話ですが、この写真自身には、呉市の料理屋さんで官房長官がある種の人々と会って、官房長官の前の席に滑川さんがおったんだと説明がついていますよね。  これをごらんになって、記憶がよみがえってきませんか。普通ならば、事実無根という話じゃなくて、写真を見て、ああ、こういうこともあったのかな、いや、ちょっと待てよ、記憶の糸を手繰り寄せてみると、ああ、こういうこともあったな、ああ、あのときにおった人か、滑川さんというのは、というのが大体普通の記憶喚起の過程なんですよ。そういうふうな記憶がよみがえってまいりませんか、滑川さんについて。
  12. 中川秀直

    中川国務大臣 ともかく、その写真誌を拝見しましたが、幾ら記憶をたどっても記憶がないというのは申し上げたとおりでございまして、ただ、私は、冒頭委員お触れになりましたが、事実無根、そういうことに、お会いしたことも事実無根と申し上げたことは一度もございません。会ったことがあるのか、存じ上げておるのかということでございますから、名刺も交換したことないし、またその後お会いしたことも一度もないし。  それは、写真誌で報ぜられているような形で、地元の呉で、本当に十数年前、二十年前に近い、そのころにそういう会合が幾つもありました。中選挙区の時代でございました。そういうところを回っていて、たまたまどなたかがお呼びになっていて同席したかもしれない。しかし、あの写真を見て、私の前にいて、そして乾杯をして深々とおじぎをした、そんなことをそのまま載せられましても、私、今なおその方のお顔は思い出せませんし、また知りませんし、そういう意味では、この方なんだという記憶がよみがえってこないわけであります。  もしそうおっしゃるのであるならば、報ずる以上、何月何日のどこの場所でいつ撮られたものだ、あるいは、委員も、お尋ねがあるならば、そういうことも裏づけをとってお尋ねをいただかないと、私自身記憶がないと言っていることをうそだと決めつけられましても、本当に事実そのまま申し上げておるわけでありますし、その後長い間会ってもいないわけですから。  逆に、本当に二十年前ぐらいにそういう会合でたまたま同席していたという方のお顔を全部、名刺も交換もしないで、どなたがお呼びになったかもわからぬで、そして全部覚えているということは、私は、なかなか難しいのではないか。逆に、全部覚えておられるでしょうかとお尋ねしたいぐらいでございまして、そういう意味では、日時も特定して、いつお撮りになってというようなこともはっきりお示しいただかないと、それから、ちゃんとこういうお顔の方だとお載せもいただかないと、私は記憶が幾らたどってもよみがえらない、こう申し上げておるわけであります。
  13. 仙谷由人

    仙谷委員 うそだと決めつけているわけじゃないんですよ。普通の人は、こういう写真を見せられると、ああ、そういうことがあったなということをだんだんと記憶をよみがえらせてくるものだと言っているだけの話です。ということは、この写真を見て、あなたが存じ上げない、一切知らない人だということを幾ら言い張っても、世間の人は、どうも中川さんの言っていることはおかしいんじゃないかな、これが常識的な見方となって残っておる、いつまでたってもこの疑惑は消えませんよということを申し上げているにすぎない。  それから、今あなたがおっしゃって、場所日時をもっと具体的に特定せよと。あなたのところで繰ってみたらわかるんじゃないですか。本人は、これは私と、滑川本人中川さんの同席したときの写真だと認めているらしいですよ。多分、あなたが今おっしゃったことは、次から次に、これは昭和何年何月何日、中川秀直長官がどこそこでお会いした場所写真だというのが出てきますよ。そのときに、またあなたが、いや、そう言われてもそんな昔のことはわからない、こうおっしゃるんじゃしようがないですよ。  そこで、続いてお伺いするのですが、では、ここに、内容証明に書いてある、「広島県の呉市で何度か食事をし、選挙も票の買収までして協力したことは承知していることと思います。」内容証明に書いてあるね。  まず、何度か食事をしたことは、あなたの記憶にはないけれども、そういう事実はあったかもしれないのか、事実そのものがあり得ないのか、ないのか、一点。  それから、「選挙も票の買収までして協力した」と書いてあるんです。そんなえげつない話はイエスとは答えられない。選挙の協力をこの滑川さんがしたということについて、あなたの記憶認識はあるのかないのか、その点だけ答えてください。事実だけで結構です。
  14. 中川秀直

    中川国務大臣 何度か食事ということですが、二度も三度もお会いしているならば、私はそんな、存じ上げないとか面識がないとか、こうは申し上げられないと思います。そんな何度もお会いしたなんということは全くないと思います。  ただ、たまたま、さっきから申し上げているとおり、何か一度の会合で同席した人はあるかもしれない。今、御本人はそう言っているらしいよとおっしゃいますが、委員お尋ねいただく以上はちゃんとそれは御本人に確認して、らしいじゃ私も困ります、そんなことでは。  それからもう一点。選挙の応援を頼み、買収を頼んだなんて、そんなことは全く事実無根でございます。あると言うならばそういう根拠をお示しいただきたい、このように思います。(発言する者あり)
  15. 仙谷由人

    仙谷委員 委員長不規則発言をちょっと。  次の質問に移ります。  予算委員会で、内容証明つき文書を送られたことがある、全く事実無根だとお答えを申し上げました、こういう話を予算委員会でも答弁されていますね。これは、具体的には、だれがだれに、どのような方法事実無根だというふうにお答えになったんでしょうか。
  16. 中川秀直

    中川国務大臣 これは、石井委員お尋ねであったと存じますが、内容証明書簡が送られてきたということでありますが、こういう事実はございますかということですから、平成八年に送られてきたことは事実でございますとお答えいたしました。  そして、今冒頭の、おっしゃった、まず、何度か食事したことがある、選挙買収をお願いしたことがある、何かまあ全部覚えておりませんけれども、覚せい剤のどうのこうのとか、いろいろなことが書いてある、そういうことについて事実無根でございます、こう申し上げたということでございます。
  17. 仙谷由人

    仙谷委員 私の質問に答えてください。だれが、つまりあなた本人なのか、秘書を通じてなのか、代理人を通じてなのか。いいですか。だれに対して、どのような方法お答えになったのかということを聞いているんです。
  18. 中川秀直

    中川国務大臣 それは、私の議員会館の事務所より、その書簡を送ってきた滑川という人に対して回答をいたしました。
  19. 仙谷由人

    仙谷委員 方法を聞いているんですが。それから、秘書さんの名前もおっしゃってください。
  20. 中川秀直

    中川国務大臣 電話が何回もかかってまいりまして、その電話の何回目かのときに、そんなことはありませんとかいろいろ言っていたようですが、もう最終的に、どうしてこういうふうにお電話をいただくんでしょうか、お尋ねについては全く事実無根でございますと言うて、うちの当時の政務秘書官であった立花という者が答えております。
  21. 仙谷由人

    仙谷委員 そうしますと、この内容証明郵便には、内容証明郵便回答をしたとかという方法ではなくて、立花秘書滑川さんとのやりとりで、電話でそういう事実はない、それでおさまったんですか。これは何か解決方法を別にとったんじゃないんですか。
  22. 中川秀直

    中川国務大臣 電話お答えをしまして、その後もいろいろ、今申しましたように、電話があったようですが、ずっとそういうお答えをして、そのうち電話もかからないようになった。  別の解決方法ってどういうことでございましょうか。全くそんなことはいたしておりません。
  23. 仙谷由人

    仙谷委員 いや、別の解決方法、普通だったら弁護士さんに頼むのが普通でしょう、これ。弁護士さんに頼むのが普通ですと言っている。  こんな私にとって事実無根の困った内容証明が来た。あなたの今までのお話によると、どこのだれだかわからぬわけでしょう、滑川さんというのは。見ず知らずの人なんでしょう。そういう人からこんなものが来て、あなたがおっしゃっているように、大変困惑したはずですよ。だれだって困惑しますよ、これは。私の経験からいっても困惑しますよ、こんなものが来たら。そのときだれかに相談するはずだ。専門家とか、あるいはポジション的に警察に相談することもあり得るかもわからない。しかるべき専門家に任せて、それで、しかるべき回答をするのだったらする、無視をするのだったらするという解決方法しかないじゃないですか。
  24. 中川秀直

    中川国務大臣 当時は、私、科学技術庁長官をいたしておりました。それなりに私も職務に、しっかりやらなきゃいけない、そういう思いで一生懸命、微力ながらやっていた時期でございまして、こういうことで、今先生無視と言いましたが、そんな警察に届けるとか弁護士さんに相談するとか、そんなことよりも、もうきちっとお答えしておけ、こんな電話がかかってくるならば、そんなことはありませんとお答えしておきなさい、そういうことで、今さっき御説明したようなことで終わったわけであります。
  25. 仙谷由人

    仙谷委員 常識的には納得しがたいお答えであります。  今、内容証明郵便を持っていらっしゃる。(中川国務大臣「持っておりません」と呼ぶ)持っていない。それじゃ、読まないとわかりませんね、ここに書いてあること。  ここに書いてあることのまず一項目め、何か調査をするとお名前が間違っておるということなんだけれども、「中川秀直先生と、水島朋子こと大野信江が月々百五十万円の手当てで赤坂パークビルヂング二四一二号室関係していたこと。」と書いてある。この一項目めは、これは記憶にないんですか、事実がないんですか、いかがですか。
  26. 中川秀直

    中川国務大臣 国会法百十九条で、個人の私生活にかかわることは言論してはならぬ、こう書いてありますので、それは私は先ほどからお答えしています、そこの部分については私はコメントいたしません。  もとより、私も聖人君子ではないそういう期間が、本当に短い期間でありましたけれども、あったかもしれません。しかし、そういうことはこういう国会の場であれこれすることではない。国会法に書いてあることでございますから、そういうことについてはコメントは差し控えさせていただきます。  そして、他の事実無根というところは、買収とかそれから覚せい剤とか、そんなおどろおどろしい部分事実無根だ、こう申し上げて、予算委員会でもそう分けて私は申し上げておりますし、今の部分もそう申し上げておるわけでございます。
  27. 仙谷由人

    仙谷委員 そうすると、この六項目については、事実無根部分と、あるいはこの内容証明郵便全体については、記憶のない部分とノーコメントの部分と、三つあるんですね。つまり、滑川さんとの知悉の程度というか、知友の程度のところは、ひょっとしたら写真に写っているのが本当かもわからぬ、しかし、これは幾ら思い出しても記憶がないんです、こういう話。だから、事実はあったかもわからないけれども、記憶にない、こういう話ですよ。  それから、さっきあなたが言った覚せい剤の話がどうのこうのという話、あるいは、その他ここに書かれておることの相当部分は、本当は摘示してもらいたいんだけれども、事実無根だ、無根の部分があると。今私が聞いた部分は、これは私事にわたることであるからコメントできない、こんなことは国会でコメントすべきじゃない。ということは、事実の存否については答えないということであるんですよ。  問題は、官房長官、その事実を取り上げてどうのこうの評論しようということを言っているわけじゃない、議論をしようということを言っているわけじゃない。つまり、あなたが記者会見とか国会答弁でやってきたことが、包括的にそんな事実はありません、こうおっしゃっているから、それは本当なんだろうかと。次から次に、あなたがそんな事実はないと言えば、毎週毎週週刊誌が、このとおり写真があるじゃないかと連週出ているじゃないですか。そのたびごとにあなたのおっしゃっていることは信用力が毀損しているんですよ。それを心配しているから言っているんじゃないですか。  だから、この三つの、ノーコメント部分と、記憶がない部分と、それと事実無根部分、明らかに事実がないのにでっち上げだという部分と、三つに分かれているのですかと聞いているのです。
  28. 中川秀直

    中川国務大臣 委員のおっしゃることはわかりました。  私は虚偽答弁をしているわけではございませんで、事実でない部分、それはもう天地神明に誓ってそういうことはありませんとちゃんとお答えをしております。もしそれがそうだというなら根拠をお示しいただきたいとも申しております。  それからもう一点、本当にそういう人物に会っていないのかということについては、はっきり言って、以上、先ほどのやりとりの中でございますとおり、十分な記憶がないわけでありまして、そういうふうに申し上げておるわけであります。  あとの私事にわたる部分は、数年前のことでございますし、六年、七年前のことでございますし、そしてまた国会法の規定もございますから、これについてはコメントは差し控えさせていただく、こう申し上げておるわけで、どうも、申し上げたいことはいっぱいございますけれども、私は、官房長官として確かに国民の皆様に政府の方針をいろいろ申し上げなければならぬ、そういう意味においては、その職務において一点の曇りもあってはならぬ、こう考えております。  しかし、この職についてから、こういうものが次から次へと出されておる、それが委員は全部真実である、こういうような前提でお尋ねでございますけれども、それはそれとして根拠をちゃんとお示しいただいてお尋ねをいただかないと、私はもう本当に困ると。  申し上げたいことはほかにもございます。いろいろ私どもで調べていて、全くその報道自体が根本的に誤りであるということがわかっているものもございます。しかし、今は申し上げませんが、いずれしかるべき措置はとらせていただきますけれども、そういうことでございます。
  29. 仙谷由人

    仙谷委員 もう一点、本会議でも……(発言する者あり)情けないのはどっちですか。こっちだってこんな質問をするのは情けないよ。何を言っているんだ。(発言する者あり)
  30. 佐藤静雄

    佐藤委員長 続けてください。どうぞ、続けてください。
  31. 仙谷由人

    仙谷委員 もう一点、本会議で、いわゆるフォーカスに掲載された人工妊娠中絶に対する同意書、平成七年二月十六日付のこういう書面について、中川一郎という字をあなたが左手で署名したと、港区六本木七丁目というのも署名したということについて問われて、事実無根だ、事実ではないとおっしゃいましたね。これは、これをごらんになっても本当に事実がないんですか。それとも記憶がよみがえらないんですか。どっちですか。
  32. 中川秀直

    中川国務大臣 事実ではございません。  本当は私事にわたることですからコメントは差し控えたいのですが、しかし、虚偽の署名をしたり押印をしたりするということは、これは私事だけではございませんので、はっきり申し上げておきますけれども、その報道内容事実無根でございます。
  33. 仙谷由人

    仙谷委員 これは本会議の中でも申し上げたのだけれども、もし事実であれば犯罪行為ですから、だからあなたの名誉にかけて、こんなぬれぎぬを着せられたときには、冤罪を晴らすべく早急に手を打たれた方がいい、お勧めしておきます。  かわります。
  34. 佐藤静雄

    佐藤委員長 長妻昭君。
  35. 長妻昭

    ○長妻委員 時間もないので、手短に今の関連質問をさせていただきます。  愛人だったと言われている中川さんの女性、その女性に中川さん、あなたが、覚せい剤の捜査が入る、こういうような情報を教えたことというのは御記憶にありますか。
  36. 中川秀直

    中川国務大臣 そういう情報が私のところへ入るわけもございませんし、そしてまた委員は、私からすれば、十分裏づけもなく、そういう報道をなさること自身がまことに心外でございますけれども、それを根拠に公のこういう国会の場でお尋ねになるからには、本当にそういう事実関係が、私が当事者ではございませんから、だれか漏えいする人がいなければ私は聞くこともできないわけですから、そういうこともちゃんと裏づけをとってからお尋ねをいただきたい、このように思います。
  37. 長妻昭

    ○長妻委員 非常に強気な御答弁ですけれども、裏づけはきちんととっています。それはおいおいお話をいたします。  あなたとその愛人だったと言われている女性との電話での会話、これがテープにあります。読ませてもらいますと、あなたが「ともかく、なにか、覚醒剤の関係警察も動いているよ、多少」、女性が「私、でも、やってないです。だから来ても、全然関係ないです、私」、そして中川さん、あなたが「警視庁の保安課が動いているから。覚醒剤の動きが確かにあるよ。本当に……」、女性が「エッ、どう言うことですか」、中川さんが「いや、君の関係を内偵しとるちゅうんだよ」、女性が「そうですか。エッ、それはどこの情報ですか?」、あなたが「それは警察情報だよ」、女性が「それは先生が調べた情報ですか」、中川さん、あなたが「そう、私の方の情報だ」、女性が「私、でも絶対そういうことないですから」、こういうような話が、あなた、されているわけですよ。  本当に決定的な証拠がこれだけ出ていながら、全くしらを切る。それは国民の皆さんが、これだけその疑惑が続いて、ずっと続いている。本当は、みずから中川さん本人疑惑を晴らす説得力のある御説明をする、これが疑惑を打ち切る本当の最善のことなんですよ。我々にこういう疑惑を解明する仕事をさせないでください。あなたみずから疑惑を解明して、正直にお話しください。  今のような会話の事実はありますか。
  38. 中川秀直

    中川国務大臣 それは仙谷委員にも、また長妻委員にも、こんなことでこの国会の場でお尋ねいただくということ自身、私自身本当に大変に遺憾でありますし、国民の皆さんにも本当に遺憾であると思っておるわけです。  しかし、今お尋ねの点は、それはどういうテープなんですか。確かに私は、写真週刊誌でそういうやりとりがあるというのは読ませていただきました。私自身はそういう会話をした覚えはございません。記憶もございません。そしてまた、そのような情報を得てそういうことを伝えるなどという、そんなルートもなければ、そういうこともございません。  もしそういうものが、どういうテープなのか。そしてまた、別段私は、そういうものは工作されているとか加工されているとか、そう決めつける根拠も何もございませんけれども、どういうものであるのか。そういうこともきちんとお示しをいただかないと、委員自身がそれではどうやってそのテープを御入手なさったのか。そして、相手のおっしゃることが全部真実であるのか。  そういうこともきちっとおっしゃっていただかないと、実は正直言いまして、私自身の名誉にかかわることでもあるし、家族の名誉にかかわることでもございますから、こういう席で申し上げることではないのですが、最近号の出たことについても、正直言いまして全く心外でございまして、それについて私自身も調査をいたしました。  その結果、詳しくは申し上げませんけれども、私どもの留守中、かつて、その当時でございますけれども、私どもの運転手をしていた者がその女性と接触を、接触というかアプローチを受けまして、何回か会ったあげく、頼まれて、留守中に私どもの自宅を案内した、こういう事実が判明してまいりました。  それが、あたかも私が連れて帰って、そしてまた、そういうところで写真を撮っておるというようなことまで書かれておるわけであります。その者は、本当に申しわけないと言って、このメモを書いてきてくれておりますけれども、そういうことがお尋ねがあるならばきちんと事実関係も説明すると申しております。  一事が万事そういうことでございまして、そういうことも含めてお尋ねいただかないと、これは、私事にわたることではございますけれども、私自身、本当に心外だし、こういう席でお尋ねになるからにはきちんと裏づけもとり、そして報道も裏づけをとってちゃんとやっていただきたい、このように思います。
  39. 長妻昭

    ○長妻委員 何でこれだけ疑惑が晴れないのか。テープのお話がありました。このテープは九五年にとられたテープで、私は聞いているんですよ、テープを。この部分は、あなたとその愛人と言われている女性の会話、三日間会話はとられていますよ。その一日分、三十分間のテープ。確かに、どう考えてもあなたの声なんですよ、言い回しも含めて。ため息を何度もつかれております。さぞ大変だったんでしょう。これを私聞いておりまして、それで質問をこういうふうにしているわけです。  九五年というと、あなたが首相補佐でいらっしゃったときだと思いますけれども、ある意味では権力で警察情報を得て、それをその捜査対象となっている人に漏らす。事実、その後、警察も動いているわけですよ。こういうような事実がある。あなたの水割りのグラスの氷の音も聞こえて、水割りを飲みながらお話しされているんですよ、その女性と。これでもまだしらを切られるんですか。  中川官房長官、山下官房長官が十年ぐらい前に愛人問題でやめられた。事実関係をきっちりお認めになって、潔く、これ以上政務に支障があってはいけないということでやめた。ところが、何ですか。これだけ事実、証拠が出て、何でこれだけ国民の皆さんが疑惑疑惑、ずっとおさまらないじゃないですか。それは、あなたの発言がうそだと皆さん思っているからですよ。  ですから、説得力のあるような御説明を願います。何でこういうテープがあるんですか。
  40. 中川秀直

    中川国務大臣 何度も申し上げますけれども、あなたはそのテープをお聞きになったとおっしゃいますけれども、どこから入手されたテープなんでしょうか。そしてまた、それが私の声である、似ている、こうおっしゃいますけれども、その背景は何なんでしょうか。どうしてそんなテープがあるんでしょうか。また、私は、どこにいたか知りませんけれども、水割りなんかカタカタやって、そんなことなんてありません。家で水割りなんか飲んだこともありません。  それから、さっきからもお話ししておりますとおり、どんな立場にあったって、そんな警察情報なんか入るものではありません。あるというならば、そういう根拠をお示しいただかなければなりません。  それからまた、先ほどから、そのテープはどなたがおとりになったか知りません。仮にそのテープが一方の方がおとりになったというのであるならば、ちゃんとそうおっしゃっていただきたいと思う。そして、あなたはどういうルートでそれを手に入れられたかもおっしゃっていただきたいと思います。そして、本当にそれが全く加工もない、つなぎもない、そういうテープであるのかどうかもちゃんとお調べいただきたい、このように思います。  そしてまた、相手のおっしゃることが何でも真実だというのは、先ほど、今週号の写真週刊誌に出たことについて、私が若干の事実関係を、こういう席で申し上げることではございませんが、申し上げましたが、本当に、事務所の者まで利用して、自宅を見て写真を撮っていかれる、そういうような事実まであるわけでございまして、そういうことも全部事実だ、こうおっしゃるのは、私はいささか、こういう公の場で言うのには、裏づけもちゃんととって言っていただきたいということに当たるのではないかと存じます。
  41. 長妻昭

    ○長妻委員 実際、中川さんと思われる人とこの女性と会話があったその二、三日後に……(発言する者あり)事実だよ。その二、三日後に、この電話の相手の女性に、警察の方が、家宅捜査が入った。捜査令状を持ってこの女性の自宅に家宅捜査が入った。私ども確認しております。この電話の録音された数日後にそういうことがあったというふうに女性も言われているわけです。(発言する者あり)私は、今週刊誌の話は全然していません。自分で聞いて、我々が確かめて質問しているわけです。週刊誌の話は言っていない。  こういう事実があるわけですよ。余りに偶然、あなたがその女性と話して、その二、三日の後に捜査令状を持って家宅捜査に入っている、こういうようなことがあるわけでありますから。  委員長、いずれにしても、このテープをこの委員会に出せるようにお取り計らいをいただきたい。委員長にお願いします。  そして、実際、いずれこのテープが出ると思いますけれども、中川さんが、御自身が聞かれて、もしあなたの声だということが証明された場合、科学的に証明された場合、そのときはどういう対応をされますか。
  42. 佐藤静雄

    佐藤委員長 今テープの件は、理事会で協議をさせていただきます。  官房長官
  43. 中川秀直

    中川国務大臣 たくさんたくさんお尋ねでございますから、一々全部はお答えできないかもしれませんが、そういうような捜査が行われたなどということも私は存じません。また、そういうことは警察当局にお聞きをいただくしか私は確認のしようがございませんし、お聞きいただいたらいいんだろうと思いますけれども、私は、そういう会話をした記憶、覚え、それは委員だって六年前、七年前の会話なんか全部覚えておられましょうか。そういう記憶は私にはございません。  それから、そういうテープが、どこから入手をされて、委員はそのテープをおとりになった方からこういうテープであると御確認の上のお尋ねなのか、今のお尋ねでははっきりいたしませんけれども、私自身には、捜査情報を漏らすとか、またそんな情報も入りもしませんし、そのような事実関係が、日時関係がどうなのか、そんなことも私にはわかりません。  いずれにしても、全く不可解であり、心外でございます。
  44. 長妻昭

    ○長妻委員 政治倫理綱領というのが、私どもが持っている、皆さんも持っている手帳に書いてあるんですよ。これは、昭和六十年六月二十五日議決された政治倫理綱領。この中に、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と書いてあるわけです。  ですから、疑惑の解明がまだ今の時点でなされていないというふうに世間は考えて、これだけきょうもマスコミの皆さんも集まって、世間が騒いでいるわけです。官房長官という要職にあられるわけですから。ただ否定をされているだけなんですよ。否定をされているだけじゃなくて、じゃ、例えばいろいろな、内容証明の問題でも、こうこうこういう事実があるからそれは違うんだ、あるいはその写真の問題も、こうこうこういうところで実は会合に出たけれども事実と違うんだとか、官房長官みずからその疑惑の解明に努められる努力を本当にされているのか。そして、その結果をきちんと国民の皆さんの前に公表する。だから、我々も、官房長官という職、この権威が今傷ついているわけですから、それを回復したいと願っているわけです。
  45. 中川秀直

    中川国務大臣 倫理綱領をお出しいただいて、みずから立証しろ、解明しろ、こういう御主張でございますけれども、委員もおわかりかもしれませんが、十分な裏づけをとって報道された、そういうことでないと私は思います。そういうものについて、ないことを証明するということはなかなか容易なことではございません。第三者の本当にそれを証言する人がいるとか、そうでない限り、なかなか難しいことでございます。  ただし、私自身も調査することはいろいろ調査しております。正直言って、最初に出ました滑川という人の会食の写真についてもいろいろ調べてみました。当時の担当秘書、正直言って、物故して、いないわけでありますけれども、その当時のお世話人、それも物故して、いらっしゃらない。何せ古いことでございますから、そういうことまでいろいろ調べながら、この集まりなのか、あの集まりなのか、それなりに調べてみました。  しかし、十七、八年前、あるいはもう少し、十五、六年前かもしれませんが、いろいろな会合について問い合わせもいたしましたけれども、どの会合であるかとか、あるいはだれが呼んでおられるのかとか、そういう事実関係が明らかでございません。明確にできないわけでございます。したがって、そのことは私なりにそういう努力もしているけれども、私自身記憶をたどっても、記憶がございません、こう申し上げるしかなかったわけでございます。  そして、あたかも私が法に触れたことをしているように報じられておりますけれども、いろいろ、私なりのきちんとしたお答えをこの場でも、あるいはさまざまな委員会の場でも、記者会見でも、それは事実無根であると正式の場で私は申し上げておるわけであって、一方で、その一方のことだけが全部真実であって、おまえが言うのはそれは認めないから真実でない、それはおかしいと私は思いますし、私自身の名誉にかかわることでもございますので、専門家とも協議をしておりますし、いずれ何らかの措置をとらせていただきます。
  46. 長妻昭

    ○長妻委員 これだけ次から次へと真実がどんどん出てきて、それで調査して努力している、疑惑解明に中川さん自身も努力されていると今答弁されていますけれども、その努力された結果が全然出てこないじゃないですか。ただ違う、違う、天地神明に誓って事実無根。それであれば、いろいろ今疑惑が出ているそれぞれについて、もっと、これはこういうことでこうだとか、具体的な説明が全くない。  そして、それをまず押さえておいて、若干角度を変えましょう。  先ほど、何か運転手が云々というお話がありましたけれども、これは昨日発売されたフォーカスという写真週刊誌に、御自宅で撮られた、そこに女性が写っている、フォトは中川秀直、こういう記事が出ましたけれども、あの写真はどういう状況で撮られたのか、よく考えて御答弁いただきたいと思います。
  47. 中川秀直

    中川国務大臣 あなたは、これだけ疑惑が出ているのに、真実が出ているのに私がうそをついて逃げている、こうお決めですが、どれが真実なんでありましょうか。裏づけをちゃんととって、一方のことだけで、私が何か覚せい剤をやったとか、あるいはそういう捜査情報を漏らしたとか、一方的にお決めつけでございますけれども……(発言する者あり)だから、いずれ措置をとるとちゃんと申し上げておるわけであります。  そして今、最後のお尋ねでございますけれども、本当は国会は私生活についてお答えすべき場ではないのでコメントを差し控えたいのでございますが、昨日のことでございますけれども、当時運転手をしていた者が、平成七年の初秋ごろだったと思うけれども、時間は夕方過ぎに事務所へ訪問され、少し話をしましたところ、その前にも空港へ私を出迎えたときに声をかけられてお会いしているようでございますが、相手の方が、自宅を見たい、こういうことで何も考えずに案内しました、軽率きわまることをして今大変申しわけなく思っておる、今になってこのような大事を起こし、自分の女性に対する甘さを痛感しているという、いろいろなおわびということを送ってまいりました。  いずれにしても、それにしたって、あれはフォトが中川秀直だとか、あるいは私が連れて帰って泊めて写真を撮ったとか、もう書かれておるわけですよ。それも真実ですか、あなたのおっしゃる。やはり、そういうこともきちんと……(発言する者あり)写真のことも含めて私は申し上げておりますよ。私どもが夫婦そろって留守にしていることだってしばしばあるわけでございます。そういうときに、私の事務所というか家は、事務所と前と一緒になっておりまして、二十四時間事務所の者がおるような態勢でございますから、そんな、私が連れて帰るなんということはあり得ないことですし……(発言する者あり)  写真をだれが撮ったかということは、この本人も、すべて覚えていないんで許してください、こう書いてありますけれども、そこはわかりません。わかりませんが、いずれにしても、私が撮った写真だなどという、フォト中川秀直などという、そんなキャプションまでつけてやるということは全く心外でございますし、それから、あなたがだれなんですかと言うんだったら、その方にお聞きになったらいいではありませんか。
  48. 長妻昭

    ○長妻委員 まあ、不可解な話であります。運転手がその女性に、見ず知らずの女性にせがまれて、中川さんの御自宅を見たい、では、運転手が軽率だったけれども連れていった、そして部屋の中まで案内して寝室に案内した、しかし、写真はだれが撮ったのかはわからない。ということは、その運転手さんは、そこまでしゃべっているんですから、写真は自分は撮っていないと言っているんでしょう。ではだれが撮ったのかわからない。  だから、常識で考えて、私も意地悪な質問をしているわけじゃないんですよ、常識で考えておかしいから、国民の皆さんもおかしい、おかしい、こういうことを言っているわけですよ。疑惑のデパートとかそういうことを言われているわけです。  いずれにしても、時間も残り少なくなりましたので、このテープ、実際私が聞いておりますから、いずれ中川さんも聞くことになると思いますけれども、そのときに今のここでの御答弁をお忘れなく、出処進退を明らかにしていただきたいということを強く求めます。  そして、先ほどもお話し申し上げました、山下官房長官が十年前に官房長官をやめられた、この決断については何か御感想をお持ちでしょうか。
  49. 中川秀直

    中川国務大臣 そのときの状況は私はつまびらかにしておりませんが、山下先生は山下先生なりの御判断であったんだろうと存じます。  私は、官房長官になったのはことしの七月でございまして、それをさかのぼること七年前の私事が、なった途端にこうやってわっと出て、しかもその真実が、本当にあたかも真実のように、そういうふうにいろいろ書き連ねられている、まことに心外でございます。そしてまた、正直申しまして、そのうちの本当にたくさんのことが真実ではございません。私は、法に触れるようなことは一切いたしておりません。そういう中で、多くの人たちと今一生懸命、日本さえよくなればいいという思いで懸命になって頑張っているところでございます。  以上です。
  50. 長妻昭

    ○長妻委員 法に触れることを一切していない、法に触れなきゃ何でもいいということじゃないわけで、いずれにしても、この疑惑は今の御答弁でも私ども全く納得できませんし、これは国民の皆さんが広くごらんになられているわけですから、国民の皆様も納得できない。官房長官うそをついている、こういう目で見られている状態は依然と続いて、日本の政治は非常に暗たんたる状況からいまだ抜け出ていないということを申し添えて、このテープの問題あるいは御自宅で撮られた写真の問題、いずれにしても、長官が天地神明に誓って、そして事実無根というふうに言われているわけですから、それが仮にうそであれば、ここまで言われているわけですから、それなりの責任をおとりいただくということを確認いたしまして、私の質問を終わります。
  51. 佐藤静雄

    佐藤委員長 松本善明君。
  52. 松本善明

    ○松本(善)委員 官房長官に伺います。理事会の合意に基づきまして、法案の質問の前に、官房長官の問題について若干伺いたいと思います。  この問題は、官房長官の個人の問題ではなくて、昨日の党首討論でも取り上げられましたけれども、総理大臣の答弁は、大筋で言えば、第三国案というのは外交機密ではない、周知の事実だ、それから、私の立場は一貫しているというものでありました。もしそうだったら、これだけ大騒ぎにならないんですよ。マスコミもみんなばかだということになります。私は、そうではないと。やはり、政府の対応が二転三転をしている、それが国際的にも重大問題だからこれだけ問題になっているわけですよ。  中川官房長官の問題につきましては、私は個人的にもつき合いはありますけれども、これは、その原因をあなたがつくっている、あなたの記者会見から。それから、それについては総理は、私はそういう指示もしていない、こういうお話でございました。  私は、その問題、そういう大きな問題だということの位置づけの中でいろいろ伺いたいと思いますが、しかし、これは官房長官の責任だけの問題ではなくて、我が国の北朝鮮外交にも影響いたします問題ですから、最初にちょっと事実を確認しておきたいと思うのです。  上野官房副長官に伺いますが、あなたは二十日の日英首脳会談の後の記者会見で、いわゆる第三国案については北朝鮮から明確な返事が来ていないということを述べたということが報道されていますけれども、これは事実でしょうか。
  53. 上野公成

    ○上野内閣官房長官 二十日に行いました記者説明の際、私よりは、明確な返事をいただけなかった、そういう旨を総理が発言したと御説明したものと記憶をしております。
  54. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、上野さん、それだけで終わろうと思ったのだけれども、きのうの党首討論の速報版を見ますと、ちょっとそれだけでは済まなくなっちゃったのです。  総理の答弁は、その後半年してから、北朝鮮側から、いわゆる行方不明者はいろいろ捜査しましたがありませんでしたと。これは一体どういうことなんだろうか。あなたは明確に返事がないと。総理は、半年後ですよね。だから、それより前に行方不明者はないという返事があった。これは、あなたを追及するというより確かめたいので、わからないならわからない、そういうふうにお答えをいただきたいと思います。
  55. 上野公成

    ○上野内閣官房長官 会談の中では、三年前の話としてそういうことがありましたけれども、その団としては明確な返事をいただけなかった、三年前のそのときの話として記者説明をさせていただいたわけであります。
  56. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務省の横田審議官、これも確かめておきたいのですが、では、行方不明者はいないという返事は、一体いつ来たのでしょうか。官房副長官も、二十日の段階ではそのことは御存じなかったようですね。それがいつ来たのか。それから、河野外務大臣は、二十四日の会見では、少なくとも今の時点でいわゆる第三国案を排除するということは言うべきではないと。だから外務大臣は、これは政府の態度としてはあり得ることだ、いわばそういう会見をしていらっしゃるんですよね。  審議官に伺いたいのは、この返事が来た、総理が党首討論で言われた返事が来たというのはいつなのか、どういう形で来たのか。それから、外務省は、外務大臣の記者会見との関係でこの問題をどう考えているのか、伺いたいと思います。率直に事実を話してください。
  57. 横田淳

    横田政府参考人 お答え申し上げます。  まず最初の、森総理が言及された点についてでございますけれども、昨日のクエスチョンタイムでの森総理の御発言は、九七年の訪朝団の際のやりとりにおいて、北朝鮮側は行方不明者として調査するとの反応を示し、その調査の結果といたしまして、翌年の九八年の六月五日でございますが、朝鮮赤十字会の談話といたしまして、引用いたしますけれども、残念ながら日本が求める十人のうち一人も見つからなかった、日本が求めている人物は我が国領土内には存在せず、我が国に入国もしくは一時滞在したこともなかったことが最終的に証明された、そのように朝鮮中央通信より発表されたこと、そのことを総理としては言及されたと承知しております。  第二点の、河野外務大臣の発言に関連してでございますけれども、政府といたしましては、現時点におきまして、拉致問題について特定の決着方法を固めているわけではございません。他方において、人道的観点から申しますと、あらゆる可能性を閉ざすべきではないと考えております。  拉致問題は、我が国国民の生命にかかわる重要な問題でございまして、国民の納得のいく形で解決することが不可欠であると考えておりまして、引き続き国交正常化交渉などを通じまして、この問題の解決の糸口を見出すべく粘り強く取り組んでいく考えでございます。
  58. 松本善明

    ○松本(善)委員 これも将来問題になり得ることですけれども、きょうはこの程度にしておいて、官房長官に伺いたいと思います。  本会議で森総理大臣は、いわゆる中山正暉氏の個人的発言だというのをいわば撤回をして、これが訪朝団としての正式発言だったということを認めた。もちろん官房長官、そういう考えでいるんでしょうね。それだけです。まずお答えをいただきたい。これは訪朝団としての正式発言だったと。イエスかノーかで結構です。
  59. 中川秀直

    中川国務大臣 三年前の話でございます。また、政府でなく議員訪朝団であったということでありますから、政府の立場で訪朝団の正式な見解なのか、あるいはまた一部の見解なのか、そういうことを有権解釈する、これは団のものですとかそうでないとか言う立場に私は本来ないのだろうと思います。  それから、情報を正確につかめていなかったということもございましたが、訪朝団の会談後の記者会見でもこの点について触れられていないこと、また、事前に協議されたものでないということ等々の観点から、個人的なものと私はそのとき判断をして申し上げたわけで、他意はないわけでございます。  クエスチョンタイムで土井党首から、この総理が言う、新聞にまで全部出ておりましたその中山さんの北朝鮮以外での発見、そういうのが出ていたわけでありますが、そういう周知の話とはいえ、これを位置づけるということは、なかなか、団全体なのか、そのときは全員この連立政権で行っておるわけでありますから、そういう難しさも実はあることも御理解いただきたいと思います。  しかし、その後、中山議員御自身からお話を聞くと、正確な情報がつかめましたので、私は正式に訂正をしておわびも申し上げたわけでありまして、基本的に言えば、これは本当に何回も申し上げておりますとおり、周知のものだし、同時にまた、総理を含む他の団員の同席の席でなされたわけだし、副団長の立場で北朝鮮側に説明されたものだし、同席した当時の訪朝団員で異を唱えた方はいらっしゃらなかった、こういう位置づけでございます、こういうふうに私は訂正をさせていただいたということでございます。
  60. 松本善明

    ○松本(善)委員 なぜ一問一答でやるかといえば、やはり疑問があるから議員が聞くんですよ。それに対して一応きちっと答えないと。そして、自分の弁解だけするというのは、やましいところがあるんじゃないかと思われますよ。  それで、あなたの今の言ったことだけでも問題がある。官房長官としては本来言うべきでなかったことだ、訪朝団の、それをあなたは言ったわけだ。このこと自体、一番最初に言ったでしょう。本来、官房長官として訪朝団のことを言うべきかどうかという問題もあるということを言ったでしょう。それは、あなた自身がこの発言が不適切だったということを半ば認めたことになる。それも一つの問題です。だけれども、きょうは時間がないから、それを追及することはしませんけれども、そんな簡単な問題ではないですよ。  私は、中山さんが、中山さんもずっと初当選以来存じ上げている方で、この人は、うそつき三羽がらすなんということをそう簡単に言う人じゃないですよ。長い政治経験もある。私も本会議質問の後お会いしました。本当にかんかんになって怒っていた。三羽がらすがだれかということは言いませんけれども、あなたが入っていることは間違いない。自民党の、本当に十分な経験を持って、軽々に発言をされる人も自民党の中にはありますけれども、軽々に発言されるような人ではないですよ。この人が、うそだ、うそつきだとあなたのことを言っている、そういう抗議をされているわけです。  あなたはどういうふうに思いますか。私はやはり、中山さんの個人見解だと言ったのがうそだと思う。それが公式に本会議で総理大臣によって否定されたんですよ。総理大臣によって、あなたの言ったことがうそだと認定されたという問題だと私は思いますけれども、あなたはどういうふうに受けとめていますか。
  61. 中川秀直

    中川国務大臣 この御批判は御批判として謙虚に受けとめさせていただきますが、まず第一点、訪朝団のことを官房長官として触れるべきではなかったとまずお触れがございました。  これはもう松本先生御承知のとおり……(松本(善)委員「あなたが言ったんだよ」と呼ぶ)いやいや、それを踏まえておっしゃいましたけれども、時間がございませんから簡潔に申し上げますが、これは、日英首脳会談で、総理が過去の経緯の御説明の中で周知の話として申されたと、それをソウルでの記者会見でそういうお話を申し上げたわけでありますから、私は留守番役でございますけれども、それについてお尋ねがあったから、それはこの政府のものではなくて、三年前の訪朝団のときのことでございます、こういうふうに申し上げたわけでございます。そのときは、拉致問題解決に向けた熱意のあらわれであって、そういう経緯の説明であって、政府の見解ではない、こう申し上げたわけであります。  翌日の会見でさらにお尋ねがございましたので、御質問に答えて、三年前の話でもございますし、政府でなく議員の訪朝団であったことから情報を正確につかめていなかったが、訪朝団の記者会見で触れられていないこと、事前に協議されているものでないこと等の観点から、個人的なものではないかと申し上げたわけでございます。  その後、中山先生から直接御訪問がございまして、事情を私はつぶさに伺いました。そうしましたところ、そうじゃないんだ、ちゃんとおれは、この拉致とよど号の問題については中山先生頼むということで、発言を正式の会談でしたんだ、そして、他の団員も皆同席の席で行ったんだ、それに対して異を唱える者もいなかったんだ、そして、そのことについては、自分も帰ってきて新聞でも書かれるような講演もいたしたし、また、いろいろ講演でも取り上げた、こういうお話でございました。  そこで正確な情報がつかめましたので、そういう扱いのものであった、しかし、それが団の見解であるかどうかについては政府が申し上げることではない、決定的な最後の見解のところは政府が申し上げることではない、こう申し上げたわけでございます。
  62. 松本善明

    ○松本(善)委員 これもあなたのまた二転三転だわな。だって、上野官房副長官の会見は外務省とも打ち合わせして、ちゃんとやっているわけですよ。それを、だから、あなたが今になって、あれは言うべきでなかったなんて言っていること自体が、もう二転三転なんです。  打ち合わせについては、二十一日に森総理大臣が帰国をして、あなたは羽田までお出迎えに行ったでしょう。そして、首相専用車に乗せてもらって善後策を協議したというわけじゃないですか。それは、大問題になっているから、あなたはそれで相談したんだ。そしてその後、個人見解という会見をやったんですよ。それを今になって、連絡が不十分だとかなんかと言っていること自体が、この問題で政府がばたばただと、本当に対応がその場しのぎで、本当に日本の外交を任すわけに絶対いかない、こういうことを証明していますよ。  私、時間の関係で次の問題にしますけれども、今民主党からもお話がありました問題。私は、細かくやりませんけれども、やはりフォーカスの二つを見て、これはなかなか大変だと思いました。これを見れば、やはりどうも中川さんの言っていることは分がないように見えます。だけれども、これは週刊誌の報道ですから、それが全部事実だというわけにもいかないから、私はフォーカスの編集部に電話をしたわけです。それで、テープを見せてくれ、テープを聞かせてくれと。そうしたら、やはりこれだけのことですから、提供者だとか、いろいろな関係者の了解を得ないといけないと。その時間がちょっと足らなくて、私はきょうまでにそれを見ることはできませんでしたけれども。  あなたはさっき盛んに事実を調べてこいと言うけれども、いい方法があるんですよ、さっきも提案されましたけれども、理事会に出してもらう、このテープとそれから写真も。あなたは、この写真は目のところが隠されているからよくわからぬと言うけれども、これは報道上の配慮でしょうが、私は目のところの隠されていない写真を持ってくると思うんですよ、そうすれば。写真とテープが五、六本あるそうですから、みんな持ってきて、あなたも一緒に聞いたらどうです。  石井さんも聞かれたそうですね、石井一さん。あの人は聞き間違いはないだろうと思う、随分長いつき合いでしょうからね。ほぼあなたに間違いないと。長妻さんもそうおっしゃっています。私はまだ聞いていませんけれども、みんなで聞いてみたらいい。もしあなたの言うとおりなら、あなたも一遍に無実が晴れますよ。これだけ大問題になっていることをこのまま放置できませんよ。私は、委員長、どういうふうにするか理事会でよく協議をして、そしてやはりこの真実を明らかにする方法をとらないといけない、こういうふうに思います。委員長、そういうふうにお計らいをいただきたいと思います。
  63. 佐藤静雄

    佐藤委員長 今の件は、理事会で協議する事項だと思いますから、理事会でさせていただきます。
  64. 松本善明

    ○松本(善)委員 官房長官、私の今の提案、御賛成ですか、伺いたいと思います。官房長官に、私の今の提案について、御賛成ですか。官房長官も出てきて一緒に聞くということですよ。
  65. 佐藤静雄

    佐藤委員長 それは理事会の問題ですから、理事会で協議します。
  66. 松本善明

    ○松本(善)委員 だけれども、官房長官が、こんなものは反対だと言われるか賛成と言われるか、大事なことですよ。
  67. 佐藤静雄

    佐藤委員長 それは理事会でさせていただきます。
  68. 松本善明

    ○松本(善)委員 いや、それは聞いておきたいです。質問します。
  69. 佐藤静雄

    佐藤委員長 今の件は、理事会で検討させていただきます。
  70. 松本善明

    ○松本(善)委員 自民党の方から官房長官にも来てもらおうというお話でございましたから、では、答弁は求めません。  それで、右翼幹部との癒着問題なんですが、あなた、たくさんいるんじゃなくて、七人、割に小さい集会ですよ、これは。私は、立食の大パーティーならいろいろあるけれども、これはちょっと記憶にないというわけにいかないだろうと思うのです。これも理事会で資料を取り寄せてやりましょう。  私が伺いたいのは、住吉会の最高幹部、日本青年社の最高幹部は住吉会の最高幹部にもついている、指定暴力団、そうなんですよ。尖閣諸島に上陸をして灯台だとか神社を建てる、政府も遺憾のやり方だ。これはもう日本外交にとっては重大な問題ですよ、こんなやり方をするのは。それで、そのビデオを日本青年社から贈られて、それに対して礼状を出して、それで機関紙の上で七月にでかでかと掲載されて、それで、これは私は本会議で聞いたら、あなたは儀礼的なつき合いだと。あなたはこういう指定暴力団と儀礼的なつき合いをして、官房長官、いいと思っているんですか。森内閣は指定暴力団と儀礼的なつき合いをする内閣ですか。伺います。
  71. 中川秀直

    中川国務大臣 本年の七月ごろに、議員会館の事務所に日本青年社という名前でこのビデオテープが贈られてきた、都知事の御講演の記録である、こういうことであった。  それは、いわゆる儀礼的なつき合いといったってつき合いなんということはありませんが、社会儀礼上のこととして礼状を発出した、出させていただいたということは事実でございます。ビデオの内容は私は見ておりません。  尖閣列島に対する我が国政府の立場は我が国固有の領土ということでございますから、歴史上も国際法上も疑いないところでございますから、我が国がこれを実効的に支配しておるわけでありまして、殊さらに我が国の国民が上陸して主権を主張する必要性がない、こういうふうに考えておるわけでございます。また、あわせて、この諸島をめぐって近隣諸国や地域との関係全体が損なわれるようになってもいけない、こう考えるわけでありまして、政府の見解は、そこは何ら変わるものではございません。  それから、そういう団体と私が交際をしておる、交友がある、こういう今お話でございますけれども、私はその写真人物記憶がないと申し上げておりますが、その方と本当にこの二十年来、その記憶がないものも含めて、その後一度も会っておるわけではありませんし、その記憶がない部分については本当に記憶がないわけであります。  今、数人のとおっしゃいましたが、写真の撮り方次第で、それは何十人の会合かもしれないわけです。角度によってそれがたった数人であると御断定ができるんでありましょうか。よくわかりませんけれども、いずれにしても、何度もお目にかかったなんということもございませんし、名刺も交換したことがございませんし、そしてまた交際をしておるなどということもございません。事務所が日本青年社に礼状を出したのは、あくまで社会儀礼上のものとして出してしまった、こういうことでございます。
  72. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、あなたのいろいろな弁解を聞いていると本当に情けない感じがするんですよ。暴力団というのは、要するに政府としてはなくさなければならぬ対象でしょう。それを、いや、儀礼的でございますとかなんとか言って弁解するのはちょっと男らしくないよ。日本の言葉で言えば恥を知るということじゃないですよ。私は、これ以上はやりません。  給与法の質問をします。  給与法は二年連続の賃下げ改定でありまして、一時金の削減金額は平均で六万九千円、二年間で十六万四千円にもなります。これは公務員にとっては、大体ボーナスで予定のローンを返済するのに充てているんですよ。それは大変なことですよ。これは家族の生活を直撃します。しかも、今大幅な定員削減によって労働強化になっている。みんな忙しくなっています。それで、本省の職員にこの間の委員会でも質問しましたけれども、八人に一人が百時間以上の残業です。百時間の残業が一年続けば過労死予備軍なんです。  仕事がきつくなって、ところが給与は減らされる、これが一般職員の気分じゃないでしょうか。これで安心して公務に取り組める環境と言えるか、総務庁長官。     〔委員長退席、大野(松)委員長代理着席〕
  73. 続訓弘

    ○続国務大臣 お答えいたします。  ただいま今回の給与改定についての御質問がございました。もう松本委員百も承知のとおり、人事院勧告を受けまして、我々はいろいろな角度から検討をいたしました。その結果、今回お示ししておりますような改定をお願いしているわけであります。御理解を賜りたいと存じます。
  74. 松本善明

    ○松本(善)委員 これはやはり到底理解ができないんですよ。  官房長官に聞きます。  この公務員給与の切り下げというのは、国家公務員だけにとどまらないわけで、地方公務員や特殊法人職員、福祉関係職員、農協職員ら七百五十万の労働者を初め、最低賃金とか生活保護の水準など広範な国民生活に影響を与えるわけです。当然経済への影響、個人消費に対する影響というのは到底否定できないと思います。  景気対策上も賃金引き上げの選択肢があってもいいのではないかということを前回質問いたしましたけれども、あなた方はこれをそのままやっていくというお話でございますが、公務員賃金の引き下げというのは個人消費の足を引っ張る役割をするんじゃないか。官房長官、どう思いますか。
  75. 中川秀直

    中川国務大臣 お答えをする前に、先ほど先生から一方的に決めつけられたことについて一言だけ申し上げさせていただきます。  事務所が日本青年社にビデオテープの礼状を出したというのは、今先生お触れになった暴力団の関係とかそんなことは、何にもそういうこと、つき合いもございませんし、わからずに、ただこういうビデオが来て、都知事の講演録だといって出してしまったということであって、私も後から知っただけのことでございます。そこだけは明確に申し上げておきます。  今お尋ねの件でございますけれども、確かに今回の人事院勧告が、期末・勤勉手当の引き下げを含むために職員平均給与が昨年に引き続きマイナスとなっておることは、事実でございます。  しかし、他方、これは、専門第三者機関である人事院民間給与実態を正確に調査して、その結果を適切に反映していく、こういう制度の上に立って勧告をしてきたものでございます。確かに、景気への影響等も含め、給与関係閣僚会議でも十分いろいろな議論をいたしましたが、国政全般観点から、人事院勧告制度尊重基本姿勢のもとに、勧告どおり実施することを決定したものでございます。
  76. 松本善明

    ○松本(善)委員 暴力団との問題は全体の状況判断ですよ。やはりいいかげんに引いた方がいいと私は思いますよ。  それからもう一つ、前回の委員会で官房長官にお聞きしました。労働組合で賃下げを要求するところはない、これは労働組合の自己否定だ、人事院が、労働三権の、労働基本権の代償だというのならば、賃下げを勧告するというのは、しかも二年連続勧告するというのは、人事院のあり方そのものの自己否定ではないかと。あなたはまともに答弁がおできになれなかったという私の記憶ですが。  野中自民党幹事長は十四日、大津市で、警察、消防、自衛隊、海上保安庁を除くすべての公務員に労働三権を与えてもいいという発言をしました。さらに加えて、公務員も民間の厳しさの中に、対価を得られなければ給料もボーナスも下がる、民間と同じ苦しさを味わい、競争できる環境に置かなければだめだということを言っているということが報道されました。  私は、これは、後半はちょっといただけませんけれども、注目をしているのですが、あなたは官房長官ですから、自民党の幹事長がこういうことを言った、野中さんとこの点で話したんじゃないかと思いますが、野中さんがどういう話であったか、それから、政府はこの野中発言についてどういう考えを持っているか、伺いたいと思います。
  77. 中川秀直

    中川国務大臣 今の件に関しましては、幹事長の講演における発言という形で報道で承知したところでございます。幹事長から直接政府に対してこう思うという御連絡はございません。政府としては報道以上の内容は承知していないわけであります。しかし、行政の効率性を高めるための公務員制度のあり方、こういう観点からのお話ではないか、このように受けとめておる次第であります。  また他方、公務員の労働基本権については、その地位の特殊性あるいは職務の公共性にかんがみまして、国民全体の共同利益の保障という見地から制約を免れ得ないものではないか、こう考えておるわけでございまして、一方、同時にまた、国家公務員も勤労者でございます。そのため、生存権保障の見地から、労働基本権制約に見合う人事院勧告制度等の代償措置を設けているわけでありまして、政府としてはその制度を尊重するという基本姿勢に立っているところでございます。政府としては、現行制度、このようなものによって対処していくのが適切である、このように考えておる次第であります。
  78. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、官房長官はやはり職責を全うしていないと思いますよ。ここで、与党の幹事長がああいう発言をしているのに、何にも知りませんでしたと、それでこの委員会に出てこられるというのは不用意ですよ。私はちゃんとそのことは聞くよということを言ってあるんだから。官房長官、そのぐらいのことは務めを果たさなくちゃいかぬのじゃないですか。政府のかなめなんですからね。本当に、私はあらゆる点からいって、あなたはやはり自分で身を引くべきだと思いますよ。  それで、質問としては、あなたにもう一回聞くけれども、労働組合として賃下げを要求するところがあるか。代償措置だというのならば、やはり労働条件の引き上げを勧告するのが本来ですよ。それを二年も続けて引き下げの勧告をする。そうしたら、公務員の労働者は、自分たちの労働三権、憲法では保障されているんだけれども、おかしいじゃないかと思うのは当たり前ですよ。あなた、この点はどう思っているの、聞きたいと思います。     〔大野(松)委員長代理退席、委員長着席〕
  79. 中川秀直

    中川国務大臣 この議論は松本委員と先般のこの内閣委員会でも議論を交わさせていただきましたが、民間企業の中には、本当に厳しい経済状況の中で、労使が話し合って、ベースダウンを含むそういう協定を結ばれたり、あるいはまた年間のそういうものをお決めになったりということは、私はあり得ないことではないように記憶いたします。しかし、今、国家公務員についてあるいは公務員のことについて、人事院制度が果たしてきた役割というのは、先ほどるる申し上げたような大きな意味合いがあるわけでございまして、政府としてはこの制度を本当に尊重していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  また、野中幹事長の御発言について私がちゃんと確認していない、こうおしかりでございますけれども、この幹事長の報道で、そういう講演があった後、私どももいろいろな政府・与党の会議もございますので、そういう会議で幹事長からそういうお話が講演の後おありになるのだろう、こういうふうに思いましたが、それについては特段のお触れがございませんでした。幹事長も、今すぐこれをこうしなさいと言っているのではございませんで、行政の効率性を高めるために、先ほど松本委員が講演を引かれたように、そういう意味合いで、ある意味では長い観点での検討という意味合いで問題提起をされたのだろう、このように受けとめて、政府政府として現行制度によってやっていかなければならぬ、こういうふうに判断をし、そのようにまた記者会見でも申し上げ、そしてきょうも御答弁を申し上げておるところでございます。
  80. 松本善明

    ○松本(善)委員 二回のマイナス勧告を見て明らかなように、この人事院の勧告制度というのが公務員労働者の労働基本権の代償になり得ない、私どもはこのことをずっと主張してまいりましたが、今日の事態は、やはり公務員労働者に労働基本権を回復する、そのことが求められている。これは今度の勧告と給与法の実態を見れば明白だということを指摘して、質問を終わります。
  81. 佐藤静雄

    佐藤委員長 午前十一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十時三十七分休憩      ————◇—————     午前十一時二十分開議
  82. 佐藤静雄

    佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  塩田晋君。
  83. 塩田晋

    ○塩田委員 給与法の改正法案につきまして御質問を申し上げます。  言うまでもなく、公務員に対する労働基本権の代償措置としてこの人事院勧告制度があるわけでございます。それを前提とした場合に、この労働基本権の制約というのは非常に重大なことであるわけでございます。その点から、この人事院の勧告というのは非常に重いものであるということをまず前提としなければならないところです。  今回の勧告に基づく給与法の改定内容といたしましては、一般給与については据え置き、しかし年末及び夏季のボーナスについては減額、ボーナスについての減額という措置が二年連続行われるわけでございます。それは、民間給与の実態を反映したものだということが基本であるわけでございますけれども、現在の民間給与の状況、民間の企業経営の状況等から見まして、ことしの年末の民間ボーナスは恐らく昨年よりは上がるであろうということが予想されます。現に夏季の場合でもふえておるわけでございますから、年末はもっとふえるだろうということが予想されるわけでございます。  これは、民間企業の利益の状況が好転しておる、極めて好転しておるという面もあるわけでございます。それから、設備投資その他の経済状況も、経済成長を促す大きな要因としての各種経済指標もよくなってきているという中で、消費が低迷していることによりまして景気の回復が思わしくないという状況にあることは、皆さん御承知のとおりです。その中で、公務員の年末ボーナス影響というものが国民経済、経済成長、国民所得に対して大きな影響、すなわち六割のウエートを持っておる消費の問題に直結しておるわけでございます。  その中で、公務員給与ボーナスは下がる、そして民間は上がる。受け取る側から見まして、これは非常に矛盾を感ずるといいますか、公務員の皆さんは、労働基本権の代償措置としてのこの問題でございますので物が言えない、しかし非常に内心不満であるという気持ち、これは公務員だけでも三百万人の影響があると思うのですね。家族を含めますと一千万近いものになるだろう。その人たちの直接の所得、期待しておったボーナス、しかも隣の民間の勤労者はみんなふえていくという中で、本当につらい思いをしておるのが公務員の本当の気持ちではないかと思うのです。物が言えませんので、これを黙って耐えなければならない、家族を含めて非常な苦痛だと思うのでございます。  現在の民間給与の実態調査の反映の仕方、人事院勧告の仕方、これは一定の方式がありますから、これをそうしょっちゅう変えるわけにいかぬというのはございますけれども、公務員の、また家族を含めての感情からいって、やはりこの辺は考えないといけないんじゃないか。  今までとっておる方式、給与はよろしいです、給与はまだ今年度については四月現在の状況を反映しての勧告でございますから、一般給与についてはこの方式でも今年度通用すると思いますけれども、ボーナスは昨年の実績なんですね。それでこういう矛盾が起こる。逆に言えば、民間給与ボーナスが下がっているときに、公務員だけが前年の実績によってやりますから上がるという場合が現に起こったわけです。今回の場合は逆になっているわけですね。これは、やはり勧告の制度、そして給与を算定する根拠、方式、ここに問題があるのではないか。  私もいろいろと事情を聞きましたところ、ボーナスの調査はなかなか今年の分を反映する方式が見つからない、こうおっしゃるわけでございますが、今年の分が反映されるような方式を工夫して、知恵を出したらどうか。今の時点でやれば年末のボーナスに間に合うわけですから、現時点までで一、二カ月かかるか知りませんけれども、今年の分の調査をする。あるいは、見通し等も含めてそれを反映するにはどうするか、適切な方法を見出して、知恵を出して反映するのが公務員の皆さんの、家族を含めての気持ちに合うわけであります。  そして、現在の日本の経済の状況から見ましても、やはり消費ということが非常に景気回復のポイントになっている。景気の回復がもたついているのは消費だというところからいいますと、なおそれにマイナスに働くような公務員のボーナスの支給が決まっていくということは、国民経済の政策上からいってもやはり問題がある。そういったことを一々考えながら公務員給与を決めるとこれまた問題があるとおっしゃると思いますけれども、今最初に申し上げた点と、経済政策としての消費の低迷をどうするかということもあわせて考えて、適切な方法、措置をとる御検討をぜひとも早急にいただきたいと思います。いかがでございますか。
  84. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 御指摘のように、公務員の期末・勤勉手当、いわゆるボーナスにつきましては一年おくれの調査になっておるということで、いろいろその間声が出てきております。例えて言いますと、平成九年、十年、十一年の半分ですか、民間は下がったけれども公務員は下がらなかった、あるいは上がったというようなことで、そのときにはそのときでまた公務員がよ過ぎるじゃないかという声が国民の間から出てまいりました。現在はそれと反対の現象が生じておるわけでございます。  したがいまして、その間のずれというのを何とかできないかということで、給与局長のところで研究会をつくりましていろいろ議論をしていただきました。結局、どういう方法をとりましても民間企業側に二度の調査の手続をお願いしなきゃならないということになりやすい。そしてまた、都道府県と大都市の人事委員会にもかなり御苦労願わなきゃならないということが避けられないわけでございます。  先生はよく御存じでございますので申し上げませんが、人事院以外に民間給与の実態を調査している団体が幾つかございます。そういう団体の調査率というのを見てみますと、大体三〇%内外の調査率だ。五〇%を超えているところはないと思います。  ところが、私たちの給与の調査というのは、九五%を超えております。九五%を超えている調査をしている、そういうことができるというのは、やはり民間企業側が相当な御負担をしてくれておる、そしてまた、都道府県や大都市の人事委員会の職員も大変な努力をしてくれているということがありますが、そういう負担とか努力というのを改めてまたお願いするかどうかということになってくるだろうというふうに思います。  ただ、おっしゃるずれをなくするということの意味もわかりますし、大変御示唆に富んだお話だというふうに思いますが、私たちは、そういう負担をかけ、また手数を煩わせて、なおやらなきゃならないという客観的な、大きな状況変化があるかどうかというところが一つのポイントではないかというふうに考えております。
  85. 続訓弘

    ○続国務大臣 塩田委員お答え申し上げます。  塩田委員は、御案内のように、労働行政のベテランであります。したがいまして、働く公務員労働者の家族や、それらに思いをはせながらの御質問でございました。  今、制度論につきましては人事院総裁からお答え申し上げましたけれども、この今回の二年続きのボーナスの減額につきましても、実は閣僚懇談会の席上でいろいろな議論がございました。  確かに、今おっしゃいましたように、景気の問題についても配慮する必要があるんじゃないかという議論もございました。しかし、御案内のように、公務員制度の中で、御質問にもございましたように、労働基本権の問題、これを担保するための人事院制度がある。その人事院が客観的なデータに基づいて調査をされたその勧告に我々は従おう、政府として、もちろん従来もそうでありましたように、今回もその答申をちゃんと踏まえて給与改定を行おう、こういう経緯でございましたので、その辺のところも御理解賜りたいと存じます。
  86. 塩田晋

    ○塩田委員 人事院のお考え、また政府のお考えを今お聞きしたわけでございますが、人事院勧告をそのまま政府が完全実施ということだけでは済まされない問題だと思うのです。  過去には、人事院勧告があっても、政府が若干値切って実施した場合がありますね。完全実施は大体定着してきているという状況ですけれども、そういうこともありましたが、上回ってということはなかったですね。人事院勧告を上回って政府が決めたという例はないと思います。  今、閣議か経済閣僚会議かでいろいろ議論があった、景気対策の面からも考えるべきではないかという御意見があったということもお伺いしたわけでございます。それは、やはり経済の状況からいって、ここは人事院勧告をそのまま認めるのではなくして、マイナスだということはないでしょうが、プラスしてもいいじゃないかという余地を持った御議論だったと思うのです。  それはそれとしまして、そういうことができ得る、政府が決定すればできるわけですから、あと問題は予算措置ですね。それをすればできる。予算は後で追加する場合がかなりありましたから、できないことはないということを今申し上げたいと思います。  それから、人事院勧告の計算の仕方、これは民間給与の実態を反映してということですが、ボーナスについては一年おくれるということに問題があるということを指摘申し上げたのですが、何とかできないかということに対しましては、調査がなかなか、民間に頼む、二度目は大変だと。面倒くさいと言うとあれですけれども、大変だからそれはやらないという方向を言われたわけですが、これは、公務員の先ほども申し上げました労働基本権、ストライキをやろうと思ったって、不満があってもやれないんですね。その前提のもとに考えますと、やはり少々の手続煩瑣、あるいは調査が大変だということがあっても、やはりそこは工夫をしてやるべきだ。  やる方法はいろいろあると思うのです。あれは七千六百でしたか、調査をする。それと同じことをやらなくても、サンプルで、標本調査の中では層化抽出法を十分に活用して、そういうのをやっておられると思いますが、それを、数を少なくして精度を高めながらやる方法も、小規模でもやれるじゃないか、傾向は見られるのじゃないか、こういうことも考えますし、それが八月、九月の間にできれば、六月のボーナスについて再勧告をしたっていいし、その結果を見ての追加の勧告があってもいいのではないか。そういうことを、従来の慣習にとらわれて、できません、できませんということでなくして、やはり創意工夫し、知恵を出して、三百万公務員のことを考えれば、苦労してでもこれはやらなければならぬ問題だと思いますが、いかがでございますか。
  87. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 私たちは人事院職員として、調査が面倒くさいとか、大変だということを申し上げているわけじゃございません。また、先ほどの答弁でもそういうことは申し上げていないと思います。この調査というものを実施するときに民間企業側に大変な御負担がかかるということと、協力していただく都道府県と大都市の人事委員会にもまた手数をお願いしなきゃならないということを申し上げているわけです。  したがいまして、そういう負担を願う、あるいは手数をお願いするということを承知の上で、さらにということをお願いするだけの大きな事情の変化があるかどうかというところがポイントになりますねということを先ほど御説明申し上げたわけでございまして、先生のお話というのを頭から否定するとか、あるいはそのこと自身が無理だということを頭から申し上げておるわけじゃございません。やはり状況の変化に応じてそういう議論というのはしていかなきゃならないというふうに思います。  ただ、今回の場合には、今先生がお話しなさるような方向の議論ができますけれども、平成九年とか平成十年というのは全く逆の現象がございましたので、あのときにはやはり、今度公務員のボーナスを切り下げるために特別調査をするというようなことになります。そうしますと、調査の精密度ということが必ず議論になってくるだろう。その議論にたえ得るだけの調査をやらなきゃならないというのが私たちの念頭から離れないところだというところも、ひとつ御理解いただきたいと思います。
  88. 塩田晋

    ○塩田委員 手間暇がかかって、民間の業者の方、経営者の方に迷惑をかけるからというその考え方と、公務員が非常に矛盾を感じて、家族を含めて非常に苦しみに耐えなきゃならぬ、それの両方を比較勘案した場合、どちらが大事なんですか。やはり工夫をして、知恵を出して、そういった公務員の気持ちに沿って何らかの適切な措置をするという方向で早急に検討しないと、今も言われましたように、民間が下がっているのに公務員は上がった、これも民間の人からいったら大変な苦痛だったと思うのです。おかしいじゃないか、公務員だけ上がって何だと。ありますね。  今回の場合は逆になっております。それが二年続いて行われている、しかも経済的には消費の低迷という問題がある中で、本当にこれは、手間がかかる、暇がかかる、迷惑かけるからやらないんだということで済まされる問題じゃないと私は思います。この辺をぜひとも前向きに、早急に検討に着手をしていただきたいということを要望いたします。  続きまして、公務員の一般給与についての民間給与の実態反映ということでは、算式、前回にもいろいろと議論しました。いわゆるラスパイレス方式で民間給与との比較をして公務員の給与に反映する。これは完全にいいとは言いませんけれども、まあベターな、これ以上のものはほかになかなか見つからないという方式だと思いますので、これはこれとしておきまして、ボーナスの計算の仕方、民間企業の実態の反映の仕方、これは非常に問題があるということを前回も指摘を申し上げたのです。  これは途中になったんですけれども、私は具体的な例を挙げて、ボーナスは、民間で、去年に比べてことしは上がらない、一斉に上がらないというときであっても、これだけ状況の変化によって平均が上がったり下がったりするじゃないかということを具体的に、かなり極端な例も含めて申し上げたわけでございますが、そういう問題が、毎回やっておられるボーナス民間給与ボーナスの算定の仕方に問題があるということを申し上げておるわけです。  恐らく事務当局も、ある段階では非常に苦労をしておられる、困っておられることはもう本当に目に見えるんです。それはやはり計算の仕方に問題があると思いますね。ずっと以前は単純平均でやっておられた。これはもう話にならない。ぶれが大きく出過ぎる、したがって、加重平均に今しておられるわけですね。だけれども、加重平均でも、この前、大きな矛盾点がある、問題が出てくるということを申し上げたわけでございます。これをやはり改正、やり方を変えないと、もっと実態を反映する方法、そして計算の仕方、構造が、ちょっと変化しただけで結果が違ってしまう、実態が変わらないのに、ほとんど横ばいの場合でも上がったり下がったりするということを申し上げたわけですが、そういう問題点、言うなれば欠陥があると思うのです。  これについて給与局長さん、技術的なことになりますから、御見解を聞かせていただきたいと思います。
  89. 大村厚至

    大村政府参考人 ボーナスにつきましては、民間の調査によりまして民間の過去一年間の支給実績を正確に調査して、これに公務の支給月数を合わせることを基本として行っておるわけでございます。具体的に申しますと、七千六百事業所における従業員の過去一年間の特別給の一人当たりの平均額を、同じ過去一年間の一人当たりの平均所定内給与月額で割りまして、特別給の支給割合を算出しておるわけでございます。  この際には、事業所の抽出の階層ごとにウエートをかけまして母集団に全部復元しておるわけでございまして、若干の標本の入れかえ等がございましても、その平均値につきましては大きなぶれが生じないということを私ども思っております。  したがいまして、申し上げますと、全体の三万五千事業所に全部復元するということによってそのぶれはできる限り小さくなるんだろうというふうに考えております。
  90. 塩田晋

    ○塩田委員 サンプルを母集団でもって還元する、これはもう当たり前のことなんですね。いわゆるサンプリング調査においては、常識的、当たり前のことですね。それは、特にそのことでどうということじゃないのです。  私が申し上げたいのは、五・〇カ月とか四・九五カ月分の給与、こういったことが全国の平均で出てくるわけでしょう。そして、そこで問題になるのは、〇・二を減らすかふやすかとか、〇・三カ月分をどうするかという、ポツ以下の問題として、月の平均なんですね、月数の平均をやっているわけでしょう。そこに大きなぶれが出てくるということを申し上げておるのはその理由なんですね。〇・一とか二とか、それが非常に微妙な問題になるわけです。そのときに、今のような計算の仕方だと前年とつながらないことだってあり得るわけです。  民間給与、一般給与の場合はいいですよ。あれだけ大きい金額で、しかもそれは何百何十、何千円とか何百円とかいう数字になって、しかも、それをラスパイレスで可能な限り正確に反映しようということになっておりますね。ですから、ボーナスの計算の仕方がこれでもう正しくて、いいんだ、母集団へ還元するからいいんだとか、そういうことなら、一般給与だってそういう理屈は成り立つんじゃないですか。それをラスパイレスにしているというのは、やはりそこにそれだけ、より民間実態の変化をとらえようとしている。しかも、金額としては、月額にすれば何十万何千何百円という数ですね。  ところが、ボーナスについては、せいぜい五カ月分をめぐる〇・一とか二とかの、そういう問題ですね。そこにやはり、本当に事務当局として技術的に困っておられることがあるんじゃないか。困っておりますとは決して言われないでしょうけれども、内々大変苦労しておられると思います。その辺、もっといい方法はないんでしょうかね。お伺いします。
  91. 大村厚至

    大村政府参考人 先生、私ちょっと今説明が足りなかったかと思いますが、それぞれ月数で出すというのではなくて、まず総支給人員とその総支給額、額を全部足し上げた上で一人当たりの特別給の平均支給額と平均所定内給与額を算出しておるわけでございますから、途中段階で月数に換算するということではなくて、トータルとして全部支給額同士を積み上げるということでございますので、それほど大きなぶれは出ないというふうに考えております。
  92. 塩田晋

    ○塩田委員 まさにそこに問題があるということを私は指摘しているのです。総支給額をやるなら、民間給与、一般給与の場合でもそういうことをやりますか。それをやったらぶれるでしょう。そのぶれるようなことをボーナスについてはやっておられるということです。総支払い額を頭数で割っている、そういう基本的な説明だとすれば、それこそ非常にぶれの大きく出る問題だ。  今日、中小企業を含めて、日本の企業数は五百七万ぐらいです。そして、今まさに倒産数が非常に多いですね。どんどん消えていくわけですよ。そして、どの部分から消えていくか。中小企業が多いでしょう、大企業も中にはあるでしょうけれども。そういった構造的な変化が起こっているわけですね。これは前年に比べて非常に違った状況が起こっていますよ。  そういう中で、総支払い額を頭数で割るだけということでは大変なぶれが起きると思います。いかがですか。
  93. 大村厚至

    大村政府参考人 民間ボーナスを調査するときに、月例給と異なりまして、ボーナスについてはなかなか個人個人の支給額というのがつかみにくいということでございます。特に管理職層につきましては、民間の調査に行きましてもなかなか部外に出さない、民間企業の協力を得ることが非常に難しいということでございまして、そういうことでラスパイレス方式による比較は行っていないということでございます。  それではどうするかというと、次善の策というのですか、そういう事情がございますので、事業所ごとの調査を行いまして、それでボーナスの支給月数を出すということをやっております。  先生指摘のように、倒産とかそういうことでそれぞれの事業所の入れかえというのは起こってきますが、それはある意味で、本俸の方も、事業所がそれぞれ変わっていきますので、そういう本俸の動向とボーナスの動向というのは、同じ事業所をやっている限りにおきましては一致するのではないだろうかというふうに考えております。
  94. 塩田晋

    ○塩田委員 お話を伺いましても、また聞いておられる委員の皆さんも、そんな大きな違いがあったのか、一般給与ボーナスの計算の仕方はそんなに違うかと、しかも、その御説明は十分私は納得できません。  そこに問題があるということを強く指摘をいたしまして、この問題につきましても、また直近のボーナスなりの民間の実態の反映をする仕組み、方法、これをひとつ今の計算方法とあわせまして早急に検討して、公務員の気持ちにもまた現在の経済の状況にも配慮して、これは従来の慣習、方式にとらわれず、前向きにいい知恵を出して早急に改善していただきたい。ぜひともそれを当局の皆さん方にお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
  95. 佐藤静雄

    佐藤委員長 次に、植田至紀君。
  96. 植田至紀

    ○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。  きょうは、給与法の改定にかかわっての話は後でしますけれども、まず簡単に、官房長官にお伺いしたきお話もございますので、御答弁いただければと思います。  まず、せんだって人事院勧告が出た際にも私は官房長官にお伺いしたことがございまして、それはどういうことかといいますと、ひょっとしたら官房長官はお忘れかもしれませんが、議事録がありますので、内容証明の郵便は必要じゃないと思いますが、ここで、いわゆるイギリスの大臣規範にかかわって、日本でも厳格な行動の規範を定めていく必要がある、どうでしょうか官房長官ということでお伺いしたと思うのです。  そのときに官房長官の方も、従来より、国民の疑惑を招くような行為は厳に慎むということで、倫理の保持に万全を期すということを申し合わせてきているということをおっしゃった上で、こうした申し合わせが、閣議の申し合わせであったり官房長官の発言であったりあるいは閣僚懇談会の申し合わせであったり、幾種類か積み重ねるような形で来ておりますので、そういうものもきちっと一本にまとめて整理することも必要であるかな、そんな観点もございまして、種々これから検討していかなければならぬというふうな御発言をされておるわけです。  この件については、今回、やはり行政府に参画する政治家として、新たに一本にまとめたそういう規範というものが必要だ、また、そうしたものをつくっていくためにそれを検討していきたいという意思をお示しされた、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。まず、その点についてお答えいただけますでしょうか。
  97. 中川秀直

    中川国務大臣 植田委員の前回の内閣委員会においての御質疑はよく記憶をいたしております。そこで申し上げました、中央省庁再編、新省庁体制が明年の一月六日から始まる、これを受けまして、副大臣や政務官等々新しい体制もまた始まってくるわけでございますので、今日までございました、今お触れになった申し合わせあるいは官房長官発言、閣僚懇での申し合わせといったようなものを一本にまとめまして、なおかつ、でき得れば、公務員の政治的中立性を守るということについて、大臣がそれを犯してはならないといったようなことも十分視野に入れながら検討して、そして大臣規範という形でまとめられたらいいのではないか、こういう観点から、今、官房において検討を進めているという状況にございます。
  98. 植田至紀

    ○植田委員 これは前向きにやっていただきたい。もし、中川長官長官を続けられるのであれば、これはひとつお仕事としてやっていただければと思うのです。  ただ、従来から、こうした国民の疑惑を招くような行為は厳に慎むということで常に申し合わせをやられていることは、現在でもやられているわけですよね。そして、もし万が一、いろいろな問題が起こってくる、過去、現在にわたって現職の閣僚にさまざまな問題が起こってくる、そういう場合、例えばですよ、だれがどうしたこうしたということを私は聞こうとは思いませんが、例えば覚せい剤疑惑で、現職の大臣が過去、現在において何かそういう問題があったんじゃないかというようなことで追及をされるような事態が起こったときに、当の本人うそを言ったり、国民が納得できぬような説明しかされていなかった場合、やはりそういう場合は国民の疑惑を招くような行為に該当するんじゃないかなと私は考えるのですが、長官の御所見はいかがでしょうか。
  99. 中川秀直

    中川国務大臣 そこに違法性があり、そしてまた法に触れるような行為があるという場合には、やはり国民の疑惑を招くのであろうと存じます。大臣の職にある限り、その職責を全うするそのときに、そういうような法に触れること、また国民の疑惑を招くということが起きた場合は、当然、そこは厳に慎まなければならぬことですし、また、行為規範に具体的にそういうことまで書くかどうかは別として、やはり責任を明らかにしていかなければならないケースではないかと思います。
  100. 植田至紀

    ○植田委員 官房長官は、男女共同参画の担当もなさっておられますよね。私自身、この内閣委員会でも一般質問をやるときには、特にこうした男女平等社会に向けた課題について、一度やらせていただきまして、これからもやっていきたいなと思っているのですけれども、これからの、例えば、最近はDV、ドメスティック・バイオレンスに関しての問題等も答申が出ておりますけれども、やはり二十一世紀、男女共同参画社会というものをしっかりと形成していく上で、男女共同参画担当大臣として要求される資質というのはどういうものだと長官はお考えでしょうか。
  101. 中川秀直

    中川国務大臣 今、男女共同参画基本法に基づきます基本計画を策定すべく審議会からも御答申をいただいて、そしてその作業に取り組んでいる最中でありますし、明年からは新しい男女共同参画局、新しい体制も、担当大臣もできましてスタートしていくわけでございます。  この審議会の答申では、男の役割とか女の役割とか、そういう固定的な役割ではなくて、やはりジェンダーフリーといいましょうか、そういう新しい観点での個人の選択性といったものも十分視野に入れるようにといったような観点もございました。そういう意味で、二十一世紀の共同参画社会は日本の社会の新しい発展のために一つの大きなかぎでもございますから、そういう意識を持ったものが必要であろうというふうには思います。
  102. 植田至紀

    ○植田委員 当然、男女共同参画社会基本法に書かれている中身、それを具体的に実現するという意味では、そういうことを十分認識しているというのは一つの条件だろうとは思います。ただ、そのことを読みました、理解しましたというだけで資質がありますとはなかなか言いがたい面もありまして、やはり公私ともに、男女共同参画社会の形成に向けて適性を持っているかどうかということも問われるべきものだろうと私は思うのです。  そういう意味で、例えば、過去、現在にわたって、恋愛関係にあった女性に対して不実を働いた、また、不実を働いたなどとあちこちで言いふらされたというふうなことをされた方というのは、当然ながら、ちょっと男女共同参画という観点から見てふさわしいのかな、いや、やはりふさわしくはないのと違うかなと私は思わざるを得ないのですけれども、長官の御見解をお伺いしたいと思います。
  103. 中川秀直

    中川国務大臣 記者会見でもそれは申しましたが、今委員お触れになったようなケースは好ましいことではないと思います。  しかし、翻って、現在私は、その担当大臣として、この基本法に書いてある、男性も女性もいろいろなものを、喜びも、また家政のそういったお互いの共同参画の気持ちも、お互いに分担し合ってやっていく、こういう基本法の精神にのっとって、今職務に、至りませんが全力を尽くしているところでございまして、過去の私事、そういうことだけで左右されるということではなく、その職にあるときにそういうことをきちっとやっているかどうかが大切なことなのではないか、このように考えます。
  104. 植田至紀

    ○植田委員 いや、今記者会見とおっしゃいましたけれども、私は一言も主語は申し上げてございません。長官が何かしたからその件についてこうだとは聞いていないつもりだったのですけれども、身に覚えがおありだということを私も認識させていただきます。  さて、これも一般的にですが、大臣の資質としていろいろな条件があると思いますけれども、その一つにやはり記憶力というのはあると思うのです、大臣の資質の中で。私はそう思うのですけれども、長官の御見解をちょっとお伺いできますでしょうか。あると思うか思わないかだけで結構です。
  105. 中川秀直

    中川国務大臣 お尋ねの趣旨がわかるようでわからないところもございますが、記憶力というのは、やはり個人差もあろうかと思いますし、また状況によって、年齢によって弱まるところもあろうかと存じますし、状況にもよるものだと思います。本当にある意味で、きちっと記憶にとどまるようなそういう状況と、また、記憶にとどまらないまますっと終わってしまう事実もあるのではないか、かように考えますから、それは一概に言えることではない。  それからまた、閣僚と記憶力というもの、これが明確に、数量的にこれだけは必要だ、そういうことは簡単には言えない。記憶よりも大事なのは、やはり職務に対する熱情だとかあるいはまた精神だとか、そういうものの方がもっと高い評価を与えるべき、そういう要素だってあるのだろうと存じます。
  106. 植田至紀

    ○植田委員 いや、別に、大臣の資質すべてを私は言おうとしたわけじゃないですから、その一つにはそういうこともあるでしょう。当然職務に対する情熱も必要だと思います。私だって物を忘れますし、十日前の晩御飯がサンマだったかアジだったか、そんなの一々覚えていません。そういうレベルの話で別に私は議論しようとは思いませんけれども、当然そういう意味では、人間も物忘れをする生き物ですから、忘れることも多いわけですね。  ただ、少なくとも重要な問題について、これは長官が主観的に重要と思われるかどうかではありません。少なくとも重要な問題について指摘される場合、そういうことについて記憶がないとおっしゃる場合、そういう記憶力のなさというのは、やはり資質ということが問題にされるのじゃないかなというふうに思うのですけれども、御見解はいかがですか。
  107. 中川秀直

    中川国務大臣 これまた余り抽象的過ぎて、どうお答えしていいのかよくわかりませんが、重要な問題という、価値観といいましょうか、判断、認識というものは、その都度個人個人で判断、認識していくしかないのだろうと思います。一々これは重要でしょうかと、本人が判断するのじゃなくて、周りに聞きながら、これだけは覚えておかなければいけないというような、そういうことはなかなかできないわけで、長い人生の中には、やはり覚えておかなければいけないことだったけれども、それだけのまた状況でなく、相手の名前を忘れておったり、あるいは本当にお会いしたんだかどうだか、先生だってそういうことがおありになるでしょう。  今まで私も、本当に何万人という方々にお会いし、それを二十数年続けておれば、それ掛けるもう本当に大変な倍数の数お会いしておるわけですけれども、その全員を覚えておる、あるいは本当にお顔を合わせたことも全員覚えているということは、私は不可能だと思います。植田先生、私が逆に反論というか、お尋ねして恐縮ですが、全員覚えておられましょうか。私は、それはなかなか難しい。  一般論でお尋ねでございますから、そういうようなケースも含めて、一々、これだけは覚えておかなければいけないと、その都度周りの方々に聞きながら、御意見を伺いながら覚えておく、そんなことはできることではないのではないでしょうか。
  108. 植田至紀

    ○植田委員 いや、私も、人間は当然物を忘れる生き物やと言うているわけです。だから、重要な問題についてぐらいは、記憶がありませんというのは、これはあきませんやろという話をしているわけですよ。  例えば、国民から現に疑惑を受けているような自身にかかわる問題に関して、事実かどうか記憶がないというふうにもし仮に国民におっしゃるようであれば、それはやはり資質にかかわるのじゃないですかということを言っているんですよ。いかがですか。
  109. 中川秀直

    中川国務大臣 その疑惑と言われていることをもう少し具体的におっしゃっていただきたいのです。そうでないと、どの部分記憶が弱くて資質にかかわるのか、お答えしにくうございます。  例えば、私が御指摘をいただいているような右翼団体幹部とお会いしたのかどうか、そこについての記憶が、そんな大事な、二十年前に疑惑だったわけではないのであって、今日出てきていることでございますから、それについて記憶がないのはおかしいではないか、こう言われるケースであるならば、先ほどお答えしたように、植田委員も、忘れることもあるんだ、覚えられないこともあるんだとおっしゃったケースのうちに入るわけであって、個々についてお答えさせていただきます。
  110. 植田至紀

    ○植田委員 いや、こちらはできるだけ、別に具体的な話をしたくないからしていないわけじゃないんですよ。はっきり言って、正直申し上げて、かつて、十年前だろうが二十年前だろうが、どこそこの右翼の幹部と酒を飲もうが飯を食おうが、別にそのこと自体一向に構わぬと私は思います。たまさか、それは知っていてか知らずかは別にして。恐らくまともな右翼だったら、自民党の国会議員と酒食をともにはしないでしょう、そういう骨太な人もいるでしょうから。  ただ、要するに、忘れました、忘れました、植田さんも忘れることはたくさんあるでしょうとおっしゃるけれども、例えば、右翼の幹部、それも指定暴力団の幹部を兼ねているとされる方であるとか、女性問題にしてもそうです、覚せい剤疑惑にしてもそうですよ。いろいろな意味で、記憶がないとかいうことで、果たして国民に対する説明責任というのが果たせるんですか。  もし、その記憶がないというだけではなくて、少なくとも、過去の事実関係について、自身は仮に万が一お忘れになっていても、当時の事実関係をとにかくどんなことをしてでもきちっと調査をする、そして、その上でそれをきちっと説明されるというのが、当然ながら大臣たる方に課せられた説明責任だと思うのです。だから、ある種の部分がどうしても記憶にないんですじゃ、これはちょっと困るわけです。だから、そこの部分を言っているわけです。どうですか。
  111. 中川秀直

    中川国務大臣 今お触れになった点でございますけれども、私が記憶がないと申し上げている点は、二十年、正確に言って何年なのか、要するに、調べているのですが、正確なところが特定できない、確定できない。つまり、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、たくさんの会合へ出ていて、どの会合でそれが御一緒だったのか特定できない。  それから、少なくとも、御指摘されている方が右翼の幹部であるということを事前に知っていたなんという、そういうことであれば、私、もうちょっと記憶があるかもしれませんが、そういうことは全くない。たまたまどこかで同席したかもしれない、こういう話でございまして、そのように申し上げておるわけでございます。  それから、調べている中で、例えば当時の、呉という地域の担当、その秘書はだれだったのか、それはたまたま、申しわけないが、私より年配、先輩の者が秘書で担当しておりまして、それは先年物故してしまいました。彼がいればもっとわかるんだろうと思います。しかし、それを聞くことができません。  それから、今指摘されている方が本当にその当時そういう方であったのか、そしてまた、何の席でその方がいらっしゃったのか、大勢の中での会合でたまたま同席したかもしれない、そういう流れの中で、私自身記憶がない、こう申し上げておるわけでありまして、いいかげんに申し上げているんじゃなくて、そのとおり私は申し上げておるわけでございます。  それから、あとの事実、覚せい剤のどうのこうのというのは、記憶がないと申してはおりません。事実無根である、こう申し上げておるわけでございます。
  112. 植田至紀

    ○植田委員 さっきもちょっと申し上げましたけれども、仮に、中川官房長官が過去、例えば右翼団体の人と会食された、一緒に御飯を食べられたという事実そのものは、私はけしからぬとは思いません。それは、そこで悪巧みをすればだめですよ、悪いことを相談していた、悪いことをやっていれば。悪いことをするんであったら紳士と飯を食ったって悪いわけですから。しかし、それが暴力団相手であろうが右翼であろうが、たまさか、どういうわけかそこで対面しちゃったということ自体、別に私自身はそんなに問いません。社民党がそんなことを言うたらおかしいなと思うかもしれへんけれども、別にそれは構わないと思います。  ただ、どうも、記憶にないとかなんとかかんとかおっしゃると、要するに、そういうふうに、隠ぺいされるような印象を国民は受けるわけですよ。そんなら何か悪いことをしておったん違うかいな、何かそういう相談あったん違うかいなということは、やはり疑われるわけですよね。私は疑っていませんよ、疑われるわけですよ。疑われればそれを晴らしましょうよ。  やはり、それは、中川長官自身の人権をしっかり守る意味でも、記憶にない、記憶にない、本当にそうなんだからそうなんですだけじゃなくて、とにかく丹念に、今も、なかなかその過去の事実を調べようがないとおっしゃったけれども、それを調べて、可及的速やかに調査して、納得がいく形でそれについて御報告をされるというのが、少なくとも大臣に課せられた説明責任ではないかと私は思うんですけれども、どうですか。きちっと調査されて、記憶にない以上の報告をきちっとしていただきたいんですけれども、可及的速やかにそれをされる用意はあるでしょうか。(発言する者あり)
  113. 中川秀直

    中川国務大臣 お約束は、完全にするということはできないかもしれませんが、引き続き努力をいたします。
  114. 植田至紀

    ○植田委員 速やかにそれはやっていただきたいと思います。  何かちょっとひとり言が聞こえて、法案審議とおっしゃっていましたけれども、当然それは十分用意しておるつもりでございます。はっきり言って、こういう話については、正直言って私はそんなに時間はとりたくない。  改めて申し上げますけれども、中川長官がどういう女性と交際されようがどうされようが、別にそんなことは私は何も関心がないわけです。ただ、そういう中で、少なくとも、グレーゾーン、どうもよくわからない部分がある。それが公人として疑惑と言われるわけですから、そのことを晴らすという努力をきちっとやっていただきたい、晴らされれば皆さん納得するわけですから。そうでしょう。
  115. 中川秀直

    中川国務大臣 私も努力いたしますけれども、こういう場でお取り上げをいただくからには、やはりお取り上げいただく方も、いろいろお名前も出ているわけでございますから、私が今皆さんが御指摘になっている方のところへ行って、これは事実はどうだったんでしょうかとお伺いするのは、私の立場ではない。私は、私自身のことについて、そういう会合出席したのか、そういう中でそういう方がいらっしゃったのか、そういう観点から調べなければなりません。したがって、お取り上げいただくからには、一部報道でだけお尋ねいただくのではなくて、こういう疑惑があるのではないか、そして、こういうことではないかということもひとつ視野にも入れてお取り上げいただきたい、かように存じております。  いずれにしても、そういうことについても、私自身も引き続き努力をしてまいります。
  116. 植田至紀

    ○植田委員 十分努力していただきたいと思います。その努力が十分に達成されなければ、それは当然出処進退にかかわってくる話でございますから、あえて辞任せよとは申し上げません。やはり立派な政治家でございますから、そうであれば、だれが言わなくてもみずから御判断されることだろうと思いますので、それ以上私も余計なことは申し上げませんけれども、当然、その結果いかんによっては出処進退にかかわるということだけは申し上げた上で、給与法にかかわっての質問の方に移りたいと思います。  これについてはもう人勧のときにも幾つか御質問させていただいたんですけれども、給与法、これは公務員労働者のみならず、国民生活、地域経済にもやはり影響を及ぼすわけですね。それは、公務員の家族、年金生活者、また多くの中小企業がその人勧で給料を上げ下げしている。私の父親もそうでしたので、人勧、人勧というのは、なぜか中小企業に勤めているうちの父親も非常に関心事でした。  そういう意味で、今回の、既にもう質問でも、詳細に塩田先生も取り上げておられますけれども、二年連続で年間ベースが落ちるというような状況の中で、非常に大勢の人が影響を受けるのではないか、そんなふうに私は考えておるんですけれども、この点について、まず総務庁長官に、どんなふうにお考えかということをお伺いしたい。  それと、やはり、内閣の中核にお座りでございますので、官房長官にもその点についての御所見をお伺いしたいと思います。ひょっとしたら最後の答弁になるかもしれませんが。
  117. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほど松本委員、塩田委員にもお答え申し上げましたけれども、今回の給与改定は、政府として、人事院勧告制度尊重基本姿勢のもと、民間が厳しい経済状況にあることなどを踏まえ、経済への影響などを含め国政全般観点から十分議論を尽くした結果、勧告どおり実施を決定したものでございます。この点も御理解を賜りたいと存じます。
  118. 中川秀直

    中川国務大臣 ただいま総務庁長官お答えになられたとおりでございますが、確かに二年連続のマイナスということでございますけれども、専門第三者機関である人事院が、植田委員もよく御承知のとおり、人勧、人勧とお父さんが言っておられたということですが、長年のそういう人事院勧告制度、こういうものにのっとって、民間給与の実態等も正確に調査した上で出した答申。政府としてはこれを制度尊重の基本姿勢で決めていくというのは、これはもう当然のことでございまして、勧告どおり実施を決定した、こういうことでございます。  いろいろ、国民生活や地域経済に与える影響等についても議論もいたしました。給与対策閣僚会議で議論もいたしました。しかし、最後は国政全般観点から、そういう議論を十分した上で、勧告どおり実施するというふうに決定したものであります。
  119. 植田至紀

    ○植田委員 さっきも申し上げたわけですが、そういう意味で、民間中小はやはり定期昇給もないところも非常に多いわけですね。そして、人事院勧告がないと、うちの父親の例を挙げましたけれども、給与改定されないところもあるわけです。そういう意味で、人勧というのは、国、地方の公務員労働者の給与改定だけではなくて、今申し上げたように地域経済へ与える影響も非常に大きい。  そういう意味で、国民からの関心も高いわけでございますけれども、そういう意味での人勧の機能として、公務員労働者の賃金、労働条件の決定機能だけでなく、定期昇給の仕組みが未整備の民間中小に働く人々に対する影響にも大きいものがあるというようなことを、やはり政府がしっかり受けとめて今後も運用をしていただきたいというふうに私は考えておるのですけれども、総務庁長官、御見解、御所見をお伺いいたします。
  120. 続訓弘

    ○続国務大臣 確かに今御指摘のように、ここで法案をお願いしている直接の影響は五十万人の国家公務員でございますけれども、なおそのほかに特別職国家公務員等々七百五十万人の方々に影響をするものであります。あわせて民間給与にも関係があると存じますけれども、先ほど来お答え申し上げましたように、いろいろな事案を検討した結果、人事院勧告を尊重すべしとの政府の方針を踏まえて今回お願いしておるわけでございますので、重ねて御理解を賜りたいと存じます。
  121. 植田至紀

    ○植田委員 今度は関連しまして、公務員の人数の削減にかかわって若干幾つかお伺いさせていただきたいのです。  実際大幅削減になれば、当然公務員労働者の処遇や労働条件に大きくかかわってくるわけですけれども、まず、これはせんだっても申し上げたと思うのですけれども、大幅削減する必要があるならば、やはり現場とのしっかりした話というもの、現場の声というものをしっかり踏まえた対処策が必要であろうと思うのです。  そこで、特に現場の声として切実な問題になっているのは超過勤務の問題であろうと私は考えるのですが、超過勤務については、昨年人事院として、三百六十時間を上限とする超過勤務の縮減の指針というのを出されているはずですね。そしてまた、先日の公務員人事管理の改革に関する報告でも、人事院として支援を積極的に行うというふうにされているようです。  しかし、現実はどうか。例えば、きょうもお越しでしょうけれども、霞が関のお役人の皆さん、夜遅くまでどこの省庁でもこうこうと明かりがついています。恐らく日本の中で一番よう働いてはる人らやと、その点については非常に評価いたします。その状況は、実際変化がないわけです。今でもやはり、夜遅くまでこの霞が関の官庁街、明々と明かりがともっていますね。そういう状況は変わらない。いわゆるサービス残業というのも少なくないということは伝え聞いておるわけです。そういう中で、一九九六年度からの定員削減によって、職場では要員不足で、超過勤務というのは慢性化している。そして、労働過重と心身の健康障害、病気休業、自殺者の急増というふうな、そうした事例がやはり頻発しているわけです。そういう見過ごすことのできない状況にある。  その意味で、総務庁はこの実態、サービス残業、公務員労働者の置かれている現在の労働実態についてどれぐらいまで正確に把握されているのか、どういうふうに把握されているのか。そして、その把握されている状況を踏まえてどうした対策を講じようとされているのか。その二点、お伺いできますでしょうか。
  122. 海老原義彦

    ○海老原政務次官 超過勤務の実態把握、それから、それに対する対策という御質問でございます。  超過勤務の実態把握というなかなか難しい問題でもございます。簡素で効率的な行政の実現の要請を踏まえまして、国家公務員について、必要かつ最小限の定員によって業務の遂行に当たるという一つの前提があるわけでございまして、新規行政需要に対処するために、毎年度所要の増員措置を行うなどによって必要な人員を確保した上で、一時的な業務の繁忙に関しては、必要に応じ超過勤務等により対処しているところでありまして、超過勤務というのは、本質的にはそういった一時的な業務の繁忙に対応するものだとお考えいただいていいのだろうと思います。  ところが、おっしゃるようないろいろな現象があるのかということでございますけれども、実はこの超過勤務について、その実態を正確に把握することはなかなか困難な面もございまして、人事院でもその把握に努めておられる、いろいろ資料もございますけれども、必ずしも十分な把握が行われているということは言えないという面もございます。もちろん、今後の方向といたしましては、業務の合理化あるいは行政運営の改善などを通じまして、超過勤務の縮減に努めてまいる所存でございます。
  123. 植田至紀

    ○植田委員 公務員の削減にかかわっては常に、前にも申し上げましたけれども、公務員の定数が多過ぎるというふうな問題、また公務員は労働条件が恵まれている、そういうふうないわゆる謬論が風説として飛び交っている。そして必ず、行革といったときに公務員のそうした問題に常に行くわけですね。  でも、今おっしゃったように、実際、そうした実態把握も非常に困難な状況にあるということを政府の側としても改めて認識していただいて、公務員労働者の置かれている実態というものを正確に把握することは困難だ、今申し上げたような問題についてもなかなか困難だとおっしゃるようですから、特にそうした面、これからより精細な調査なりなんなりを行っていただいて、適切な対応をとっていただくことを希望しております。やはり行革というのは、政官業の癒着、利権、高級官僚の特権、そこにメスを入れることであって、一生懸命額に汗して働く公務員が真っ先にやり玉に上げられるものではないのだということだけは、一応申し添えておきます。  それで、最後なんですけれども、一点だけお伺いして終えたいと思うのですけれども、一つ提案させてほしいのですが、週休二日から始まって、育児休暇なんかも浸透しつつある。そういう意味で、滅私奉公と言われた日本も、ここに来てやっと休暇に関する認識が変わってきたように思うのです。  ただ、そうはいっても育児休暇、もう制度自体まだまだ不備なところもあります。そんな中で、政府が昨年、少子化対策推進基本方針の中に育児休暇の拡充を盛り込まれた。これは非常にいいことだと私は評価しているのですけれども、ただ、もっと今働く人たちが切実に願っているのは、例えば子供や年をとった御両親が病気になったり、予防接種や定期健診で子供に付き添わなければいかぬということはしょっちゅうあることなんですね。  そういうときに、職場の同僚に、子供の注射を打ちに行くからちょっときょうは休むねんと、やはりまだ気兼ねなくそれが言えぬ状況に職場があるわけです。そういう意味で、いざというときに有給休暇をできるだけ使わないで残しているような状態というものじゃなくて、気兼ねなくそういうときにちゃんと休暇が使えるような、特にこれは、実質的に育児や看護をされている働いている女性にとって、切実な悩みだろうと思うのです。  週休二日制というのは、これは公務員が先行したわけですね。そして、それが社会に拡大していった。そういう過去の成果もあるわけですので、そういう意味で、公務員労働者がパイロット的役割も果たしてきた。そこで、検討してほしいなと思っているのが、家族看護休暇制度を公務員労働者に設ける必要があるのじゃないだろうかと思うのです。これは、やはり働く女性が本当に社会進出するためにも、一番冒頭申し上げましたけれども、担当大臣がいらっしゃいましたが、男女共同参画社会を本当に具体的に形成していくためにも喫緊の課題だろうと考えるのですけれども、できれば前向きの答弁をいただければと思うのですが。
  124. 海老原義彦

    ○海老原政務次官 公務員に対する家族看護のための休暇制度という御設問でございますけれども、おっしゃるとおり、男女共同参画社会の形成に向かって今社会が動こうとしておるとき、非常に重要な問題かと考えます。  具体的には、これは八月の人事院報告の中にもございますように、今、人事院において各方面の意見を聞きながら検討を進めているところでございます。その導入につきまして、社会的な合意形成の状況、あるいは男女共同参画社会の実現に向けての条件整備の必要性などを勘案しながら御検討を進めているというふうに報告にもございます。  総務庁といたしましても、民間におけるこの制度の導入の動向などを参考にし、また人事院の検討状況を十分踏まえまして、適切に対処してまいりたいと存じます。
  125. 植田至紀

    ○植田委員 終わります。
  126. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  127. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。松本善明君。
  128. 松本善明

    ○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、一般職給与改定案に対し、反対の討論を行います。  反対する第一の理由は、賃金を切り下げ、国家公務員労働者とその家族の生活に打撃を与えるものであるからであります。俸給表の改定を見送り、期末手当、勤勉手当等合わせて〇・二カ月分引き下げられた結果、年収ベースで平均六万九千円もの引き下げ、前年と合わせて平均十六万四千円もの大幅引き下げとなるものであり、到底認めることはできません。  第二は、今回の賃金引き下げは、消費不況に拍車をかけて、景気回復に冷水を浴びせるものとなるからであります。  国家公務員給与改定影響を受ける労働者は、特殊法人職員地方公務員、農協職員、社会福祉関係職員など約七百五十万人に上ります。さらに、最低賃金、生活保護基準などにも及びます。  広範な労働者と国民生活に影響を与える給与改定は、消費不況を一層深めるものとなります。  最後に、二年連続のマイナス勧告は、いわゆる労働基本権の代償措置としての人事院の役割を自己否定するものであり、公務員労働者の労働基本権回復がいよいよ求められていることを指摘するとともに、附帯決議にはこうした立場から賛成できないことを申し上げまして、討論を終わります。
  129. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  130. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これより採決に入ります。  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  131. 佐藤静雄

    佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  132. 佐藤静雄

    佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、平沢勝栄君外五名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山元勉君。
  133. 山元勉

    ○山元委員 ただいま議題となりました自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合及び21世紀クラブの各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府並びに人事院は、人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることにかんがみ、勧告制度を尊重する基本姿勢を引き続き堅持するとともに、給与勧告機能を十分に発揮させ、公務員の適正な処遇を確保するよう努めること。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。  よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上です。
  134. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  135. 佐藤静雄

    佐藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。続総務庁長官
  136. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨に沿い、努力してまいりたいと存じます。     —————————————
  137. 佐藤静雄

    佐藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 佐藤静雄

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  139. 佐藤静雄

    佐藤委員長 次に、内閣提出高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。中川内閣官房長官。     —————————————  高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  140. 中川秀直

    中川国務大臣 ただいま議題となりました高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  現在、情報通信技術の活用により、個人の活動、生活様式、社会経済活動、行政のあり方等広範な分野において、急激かつ大幅な変化が世界的規模で進展しております。  我が国においてもこのような変化に的確に対応し、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報や知識を受発信することにより、創造的かつ活力ある発展が可能となる社会、すなわち、高度情報通信ネットワーク社会を形成することが喫緊の課題であります。  このような状況にかんがみ、本法案におきましては、所要の施策を迅速かつ重点的に推進するため、基本理念とこれに基づく基本的な施策の枠組みを定めるものであります。  次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。  第一に、六つの基本理念を掲げております。すなわち、すべての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現、経済構造改革の推進及び産業国際競争力の強化、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現、活力ある地域社会の実現、民間主導の原則と適切な官民の役割分担、情報通信技術の利用機会の格差の是正であります。  第二に、施策の策定に係る基本方針として、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成、教育及び学習の振興並びに人材の育成、電子商取引の促進、行政の情報化、ネットワークの安全性の確保、研究開発の推進、国際的な協調等を規定しております。  第三に、推進体制として、内閣に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設置することとし、内閣総理大臣を本部長とするなど組織、所掌事務等を規定しております。  第四に、本戦略本部が策定する重点計画について、原則として施策の具体的な目標や達成の期間を付すべきこと等所要の事項を規定しております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  141. 佐藤静雄

    佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る三十一日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十八分散会