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鈴木(淑)
委員 自由党の
鈴木淑夫でございます。
私は、民間の市場経済というものがうまくワークをして、そこで業を営んでおる業者にとってもやりやすい、そして
消費者にとっても利益になる、そういう状態になるための市場対策、市場政策というのは基本的には二つの側面がなければいけない、いわば車の両輪で進まなきゃいけないと思っています。
一つは、
規制の
撤廃で参入を促進し、業者が創意工夫で競争ができるようにする、
価格競争の促進もその中に入りますが、そういう政策は片っ方の車だと思うのですね。しかし、もう
一つ大事なのは、公正取引の確保ということだと思います。不公正な手段で
販売しちゃいかぬ、
不当廉売しちゃいかぬ。そして、
酒類の
販売の場合に、そこに、
社会的規制の
一つである
未成年者に売ってはいけないというのも広い
意味での公正取引の中に入ってくると思うのですが、この二つがそろって初めて、
酒類販売という市場が業者にとってもやりやすい、
消費者にとってもプラスになるというふうになっていくのだと思うのですね。
振り返ってみますと、
日本のお酒というのは、昔は国内で高かった、内外
価格差が非常に大きかったということもありまして、どちらかといえば
規制撤廃、競争促進、値を下げろという方にウエートがかかってきたのですが、それはそれなりに歴史的な
意味があったと思います。現在は、私はウイスキーをよく飲みますからわかっておりますが、海外へ行ってウイスキーを買って帰ってくる、あるいは飛行機の中で買う、これはばかげたことで、スコッチはほとんど国内で安く買える、そこまで来ているわけであります。
公正取引委員会に今ここで質問するつもりはないのですが、むしろはっきりと申し上げておきたいが、戦後の歴史の中で、
公正取引委員会は割とカルテル対策にウエートを置いた、
価格競争促進にウエートを置いた。それはそれなりに評価するが、しかし、ここまで来たら、車の両輪のもう一方である公正取引という方にもっとウエートをかけなければいけないと思います。
酒類の
販売について言えば、先ほ
ども話題になっておりましたように、例えば、
ビールの大手メーカーの
リベートのやり方なんというのは多種多様ですよ。五十種類ぐらいあるそうですが、しかもそれが、ルールが明示されていない、いいようにやっています。これなんかは
不当廉売の温床になっていることであって、
公正取引委員会は、今後こういう、競争促進だけじゃなくて、公正な取引という
観点から、今言った大手
ビールメーカーの
リベートのあり方なんというのにもメスを入れて、それをはっきり明示させる、ルールをはっきりさせる、
公正取引委員会の判定
基準をはっきりさせる、こういうことが必要だと思います。
しかし、今出ているのは
酒税法でありますから、
酒税法の問題に入りますと、今言ったような
観点からいって、私
ども自由党は、
未成年者に対する
販売の
規制を強化する、
罰金を五十万円にし、それに違反した場合、
罰金刑を食らった場合に
免許取り消しあるべしというこの二つの
法案については
賛成であります。
ただ、ここで私、
確認をしたいことが幾つかあります。それは、この
改正法案を
実施に移した場合の
運用の仕方であります。
一つは
警察庁、もう
一つは税務署長であります。
警察庁の方は、
未成年者飲酒禁止法の方にひっかかってくるわけですが、これを読みますと、「満二十年ニ至ラサル者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ」売ったらいかぬと書いてあるのですね。ですから、
販売業者は、一部の方が戦々恐々としているのは、アメリカのように身分証明書を提示させて年齢をチェックする権限なんかない、それで厳しくやられたらたまらぬぞ、こういうふうに言っておりますが、
法律をよく読めば「知リテ」なんですね。
だから、売るときに、あなた幾つと聞いて、相手が二十歳以上という答えをしちゃったら、これで売る方は免責になるというのが
法律の
趣旨だと僕は思いますし、お母さんに頼まれて買いに来た、お父さんに頼まれて買いに来たと言われたら、それを調べる権限なんというのは業者にはないわけですね。そこのところをちょっと、
警察庁から
政府参考人で来ていると思いますが、
確認しておきたいと思います。
知りて売ったらだめなんだけれ
ども、聞いて、向こうがそういうふうに答えちゃったら、それ以上追及のしようがないというのが
実態だと思いますが、どうですか。