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虎島国務大臣 大変痛ましい現場と申しますか現地の
状況をお述べいただきまして、私も承っておりまして大変に胸痛む思いでありました。
実は私、
長官に就任いたしまして、庁舎に入りまして、慰霊碑がありました。慰霊碑に献花をしたわけであります。花をささげたわけであります。千七百四名の方が実は殉職をしていらっしゃるわけであります。
自衛隊五十年でそのような
状況にあります。私は、せっかく志を立てて
自衛隊に入った諸君が志半ばにして命を失うということについては、極めて悲しい、そして胸詰まる思いがいたしました。
そこで、幹部諸君と話をいたしまして、とにかく事故を撲滅しようじゃないか。
一つは、このような人身事故と申しますか、これを撲滅しよう、もう
一つは、システムが起こす、組織が起こしてくる汚職等の不祥事、こういうもの、この二つを徹底して
防衛庁の中から追放しようじゃないかということを提案いたしたわけであります。
特に人身事故については、ただ単に意識の高揚とか精神の緊張感の保持とかいうことだけではこれは律し切れないんじゃないのか。したがって、広く職場としてのメンタルなものにまで実は思いをいたして、そしてメンタルヘルスケアという、
先ほど局長からも
答弁がありましたけれども、
防衛庁の中には
自衛隊関係の医学校もあるわけでありますから、そういうところには心理学の先生もいらっしゃる。したがって、そういう人方も広く意見を求めて、どうしたならばこの事故が消滅されるのかということをひとつやろうということで、部外の専門家の
方々も入っていただいて実は検討をし、既に答申をいただいておるわけであります。
そして、そういうことから、相談業務というものをどうしてやったらいいのか、あるいは、組織の中で、もう少しみんなの生活環境等々についても、これはプライバシーの問題もあるけれども、可能な限りやはりお聞き取りいただいて、そして組織として配慮することができるならばこれを配慮していくということ等も幅広く取り上げていくべきではないかというようなことで、今着々としてその成果を実は見つつあることを御
報告申し上げたいと思います。
いずれにしても、こういう痛ましい事故というのはとにかく絶滅したいというのが、今
防衛庁の中での最大の
課題の
一つにしておるということだけは御理解いただきたいと思います。これらを完全になくするということが、オンブズマン方式がいいのかどうかということについてはまだいろいろ検討すべきこともあろうし、我々
自身もまた勉強してみたいと思いますけれども、要するに、今
防衛庁を挙げて事故撲滅、その中の人身事故についても科学的な手法を交えながら頑張っているということだけは御理解いただきたいと思います。
ともあれ、二十五万の
自衛隊諸君がその職務に忠実に、しかも立派な
自衛隊魂を持って訓練に励み、その職務に精励しておることだけは、ひとつ先生方も御理解いただきたい。そして、一部の不祥事を起こすような諸君については、この間から再々場所を求めて申し上げておりますように、徹底して組織として根絶を期する、そして、今申し上げましたようなことについては、広く組織の中でまた
研究をし、検討を加え、そして相談業務その他が本当に家族同様の相談ができるような雰囲気の中で、しかも科学的な手法を交えながら対応をしていきたいと思っておるわけであります。
貴重な御提案でありましたけれども、今ここでそのようなものに加えましてオンブズマン制度を採用するとかいうことを
答弁できませんけれども、真摯に御提言を受けとめながら検討していきたいと思っております。どうかひとつ、
自衛隊諸君がまじめにやっている、それをまた先生方が支えていらっしゃるということがよくわかりましたから、さらに気を引き締めて頑張っていきたい、こう思っておるわけであります。