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国務大臣(
河野洋平君) 御
指導いただいてありがとうございます。
確かに、
沖縄サミットは、警備をしてくださった皆さんの御
努力、一番の私にとってありがたかったのは地元
沖縄県民の皆さんの大変な御
協力、こうしたことがあって初めて
沖縄サミットは
事故もなく行うことができたという点はもう
議員のおっしゃるとおりだと思います。
議論の中身について申しますと、これはいささか
考え方がいろいろございまして、と申しますのは、先進国首脳
会議は特定の国の国益を論ずる場所ではないのでございます。むしろ
国際社会全体を視野に置いて
議論がなされる。しかも、今回の場合には物によってはかなり中長期の話をするということもございました。
地域
情勢、まさに
安全保障にかかわる地域
情勢について言えば、先進国の首脳が集まって、今
国際社会をずっと見渡して、やはり一番問題なのは例えば中東問題であろう、中東和平がいよいよ
最後の場面に来ていると。この中東和平についてどうするか。これは
一つの八人の合意、みんながそうだと、これは一番問題だと。これはだれしも異論のないところだと思います。あるいはコソボを初めとするバルカンの問題も今極めて重要な問題だと。これもみんなそのとおりだということでございました。それからアフリカ、これはもう最近のアフリカの内乱と申しますか、アフリカにおきますさまざまなトラブル、これはもう
本当に頭の痛い問題で、これについても
議論をしよう、それはそうだと。これらはいずれも
世界の首脳が
考えてみて今
議論をしなければならない問題なのでございます。
例えば、
ロシアのチェチェンの問題をテーマに
議論をしようと言っても、これは合意ができませんでした。
ロシアは、全然こんなことは心配事ではないと。これはただ単に我々がテロリスト
たちを、
言葉はちょっと悪い
言葉で申しわけありませんが、テロリスト
たちを退治しようと思ってやっていることであって、
国際社会の皆さんがとやかく言う話ではありませんよと。
国際社会の中には人道的な問題があると言って
指摘をした国もありますけれども、これはそういう問題ではありません。これは合意がございませんでした。
私どもは、これは私ど
もというのは、まず宮崎の外相
会議で、私
出席をしておりましたので、私どもは、アジアの問題はぜひ
議論をして地域
情勢の中に入れてもらいたいと。どこが問題かと。朝鮮半島の動きは極めて最近刮目して見るに値する、この問題はぜひ議題にしてもらいたいと。さらにもう
一つ言えば、インドネシアと東ティモール、この地域の問題について
議論をしてもらいたいと。それもそうだなというところまででございまして、それ以外の問題について今
世界の首脳が、あそこが危ない、あそこの問題を急いでことし
議論をしなければならないという問題意識の中に入ってきていないんです。
そうしたことを我々としても
考えて
議論をしませんと、それは中東和平の問題、バルカンの問題、アフリカの問題、こういった問題に比べると、それはもちろん
一つ一つのトラブル、
一つ一つの状況というものはそれぞれ隣接国にとっては大きな問題であることは間違いありませんけれども、すべてそういうわけにいかないということもあるわけでございまして、私どもは、地域
情勢の中で
議論をしたのは、そうした各国の何といいますか認識の一致というものがあって初めてそれが
議論になったと。
そして、
サミットの場では、その中からさらに
森総理が非常に強く提案をされて、朝鮮半島問題については特別声明という形で別途出すべきだという議長国としての非常に強い提案があってこれは特別声明になったということが状況でございますので、その点はぜひ御
理解をいただきたいと思っております。