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2000-08-04 第149回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年八月四日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 小平 忠正君    理事 小坂 憲次君 理事 佐藤 剛男君    理事 佐藤  勉君 理事 吉田六左エ門君    理事 伊藤 忠治君 理事 中沢 健次君    理事 高木 陽介君 理事 佐藤 公治君       亀井 久興君    熊代 昭彦君       左藤  章君    佐田玄一郎君       坂井 隆憲君    阪上 善秀君       園田 博之君    高橋 一郎君       西川 京子君    宮腰 光寛君       山口 俊一君    山本 明彦君       小沢 鋭仁君    大出  彰君       武正 公一君    中村 哲治君       山村  健君    神崎 武法君       矢島 恒夫君    横光 克彦君       平井 卓也君     …………………………………    郵政大臣         平林 鴻三君    郵政政務次官       佐田玄一郎君    郵政政務次官       常田 享詳君    政府参考人    (外務省経済協力局長)  飯村  豊君    政府参考人    (郵政大臣官房長)    團  宏明君    政府参考人    (郵政省電気通信局長)  天野 定功君    政府参考人    (自治省行政局選挙部長) 片木  淳君    逓信委員会専門員     大久保 晄君     ————————————— 委員の異動 八月四日  辞任         補欠選任   野中 広務君     西川 京子君 同日  辞任         補欠選任   西川 京子君     野中 広務君     ————————————— 八月四日  ペースメーカーなど医療機器への電波障害の解消に関する請願(玉置一弥君紹介)(第一〇八号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  逓信行政に関する件     午前十時開議      ————◇—————
  2. 小平忠正

    小平委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、本日、政府参考人として外務省経済協力局長飯村豊君、郵政大臣官房長團宏明君、郵政省電気通信局長天野定功君及び自治省行政局選挙部長片木淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小平忠正

    小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 小平忠正

    小平委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤勉君。
  5. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 おはようございます。自由民主党佐藤勉でございます。  今回、郵政大臣並びに政務次官、御就任まことにおめでとうございます。おくればせながらお喜びを申し上げたいと思います。郵政大臣には、大変な時期にこういう大臣を受けられまして、これからいろいろな郵政事業に対しましてさらなるすばらしい御活躍をいただきますことを、まずもってお願いを申し上げたいところでございます。  早速でございますが、質問に入らさせていただきたいと思います。  全国二万四千七百の郵便局ネットワーク国民に最も身近な国の窓口であるということはもう言うまでもないところであります。過疎地域も含めて地域に密着したサービス展開して、地域社会貢献する国民共有の大切な資産であるというふうに私は思うところであります。  そこで、高齢者の世帯への、声をかけたり日用品の注文を受け付けて行ったり、ひまわりサービスというサービスがあるわけでありますが、大臣地元であります鳥取県が発祥の地と伺っております。このサービスは、高齢化の急速な進展という状況のもとで、過疎地で生活するお年寄りに対して郵便局が支援をしていこうという、ネットワークを利用した非常に大切な事業だと私は思っているところであります。  そこで、このひまわりサービス現状と今後の展開についてまずお伺いをし、また、郵便局地域に密着した存在として今後どのような機能を果たし、住民ニーズにこたえていかれるつもりなのか。また、県知事を経験なされました大臣におかれましては、大変地方自治に明るいわけでございます。郵便局におけるワンストップ行政サービスなど、地方行政連携を今後どのようにお図りをするつもりなのか、大臣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
  6. 平林鴻三

    平林国務大臣 御質問ひまわりサービスでございますが、御指摘のように、私の地元智頭町という町の郵便局が始めたことでございまして、私も、興味、関心を持って、期待を持って眺めておるところでございますが、平成七年の四月からこの智頭町で始められたひまわりサービスが好評でございましたので、平成九年度から、全国過疎地域を対象に全国的に展開を図っておるところでございます。平成十二年三月末日現在では、百九十一市町村の二百五十三郵便局実施をいたしております。平成十二年度においても百地域を追加する、こういう考え方で措置をいたしております。  今後とも、地方公共団体あるいは社会福祉協議会警察署、あるいはまた、地域の協力してくださるお店などと連携を図りながらサービス充実を図って、地域住民安心して暮らせる地域づくり国営事業ならではの御評価をいただけるように貢献をさせていただきたいと考えております。  また、郵便局地域に密着した存在として今後どのような機能を果たしていくかというお尋ねでございますが、これまで郵政省では、全国の二万四千七百の郵便局ネットワークを通じまして、郵便貯金、保険のサービスをあまねく公平に提供してまいったところでございますが、地域への貢献を期待する住民ニーズに応じまして、郵便局ネットワークを活用して、ひまわりサービス、あるいは、災害の前兆と見られるような事象の早期発見や、災害時の相互協力を行う防災協定の締結なども実施をいたしております。  今後とも、このサービス充実させて、郵便局情報安心と交流の拠点としてふさわしい機能を果たすように取り組んでまいりたいと思っております。  いわゆるワンストップ行政サービスでございますが、これにつきましては、地方公共団体との連携を深めて、これまでも、行政情報端末住民票の写しなどの自動交付機郵便局に実験的に設置いたしておりましたが、本年四月から自治省との共同の研究会を催しておるところでございます。  御承知のように、来年一月に郵政省自治省、総務庁が統合されて総務省になるわけでございます。このような中で、この研究会に参加を願っております地方公共団体代表者等の御意見も踏まえまして、関係省庁地方公共団体連携協力のもとに、今申しましたワンストップ行政などのサービス充実、県や市町村郵便局とのさらなる連携方策を図っていきたい、国民共有財産であります郵便局ネットワークというものをさらに活用したい、そう考えております。
  7. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 ぜひともワンストップ行政サービスについては、もう名前が出てからかなり久しくたつわけでありますので、さらなる発展お願い申し上げたいと思います。  次に、郵便貯金事業についてお伺いをしたいと思います。  基本的な話でありますが、国民の暮らしに定着した身近な金融機関、そして、全国あまねく公平に、基礎的に金融サービスを提供するという意味では、重要な役割独立採算のもとで的確に果たしていかなければならないというのが郵便貯金事業だというふうに私は理解をさせていただいておるところであります。  先般、郵政事業平成十一年度の決算状況が発表されたというふうに新聞記事がなされておりました。新聞報道だけを見ておりますと、郵便貯金事業赤字について、「郵貯赤字三倍に」「過去最大の一兆八千億円」、そして「郵貯二年続き赤字」「累積黒字は半減」などという大変な思いをするような記事が載っておりました。  私は、郵便貯金事業経営については今後とも堅実な経営が図られていくものと理解をしておりますが、この記事だけを取りざたしてみると、国民の皆様が郵便貯金経営は本当に大丈夫なのかという心配を起こしてしまうのではないかという危惧を私自身抱いているところであります。  そこで、十一年度の郵便貯金決算状況はどうなっているのか、また今後の見通しについてどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
  8. 常田享詳

    常田政務次官 ただいま、平成十一年度の郵便貯金決算状況がどうなっているのか、また今後の見通しはどうなのかというお尋ねでございます。  平成十一年度の郵便貯金の取り扱いに関する一般勘定決算は、今先生御指摘のとおり、一兆八千七百八十五億円の赤字となっております。これは、平成二、三年度の高金利の時代に預けられた定額貯金資金は、資金運用部預託期間七年で預託されており、この預託金が順次満期を迎え、現在の低金利の預託金に振りかわったため、預託金利子収入が大幅に減少したことによるものであります。また、平成十二年度につきましても、同様な理由から、予算上、約一兆二千億円の赤字を計上しているところであります。  しかしながら、高金利定額貯金が、平成十二、十三年度に順次満期を迎えることから、今後、支払い利子は急激に減少してまいります。現在のような金融情勢のもとでは、平成十三年度は約一兆円の黒字、また平成十四年度以降も黒字基調で推移するものと考えております。  以上でございます。
  9. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 いずれにいたしましても、報道等々、最後まで読めばちゃんと書いてあるんですけれども、なかなか、見出しだけ読みますと非常に不安を感じざるを得ないというふうな状況がございます。ぜひとも郵政省においてもその辺のところを、国民にわかるような報道等々もしっかりとしていただきたいというふうなお願いを申し上げたいと思います。  次に、森内閣において、日本新生プランという重要な一つの柱として、経済新生を掲げております。その中で、新生経済起爆剤であるIT革命を積極的に推進することを重要課題一つとしております。  IT革命は、農業革命産業革命に大変類似しておると思いますし、国民だれもがその恩恵を享受できる日本型のIT社会というものを実現できるか否かが二十一世紀に向けた我が国新生のかぎであると言っても過言ではないと私は思います。  IT革命原動力情報通信技術発展であることは申すまでもないわけでありますが、現時点をとれば、インターネット発祥地でありますアメリカが圧倒的な技術的優位にあることは、もう皆さん御承知のとおりだと思います。インターネットパソコンを支えるハード、そしてソフトの主要な部分は、アメリカの企業によってつくられているということになっていますし、IT我が国産業の重要な部分として推し進めていく上で、この事実は極めて憂慮すべきことと私は考えているわけであります。  一方、モバイル情報家電分野世界市場でも我が国が大変優位に立っているという分野でもあると思うのです。このような我が国得意分野を生かしたIT戦略を施していくことが、我が国国際競争力観点から極めて重要であり、今後国を挙げて財政的、人的資源集中投入実施していくことが私は不可欠ではないかというふうに思っております。  そこで、ITを所管する郵政省としては、インターネットだけではなく、携帯電話家電機器を活用したITをどのように戦略的に展開していくのか、お伺いをしたいと思います。ややもすると、IT革命といっても具体的なものがまだ見えてこないという現況があるのではないかと思いますので、ぜひともお伺いしたいと思います。
  10. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 今委員の御指摘にあったとおりでありまして、IT革命に代表されるような今の現状を見たときに、これからの景気の問題も含めて、家電も含めて、やはり我々としては積極的にこれに関与していかなくてはいけない、かように思っております。  委員が今御指摘いただきましたように、IT革命原動力というのは情報通信技術発展、こういうところにある、かように思っております。そしてまた、先ほど大変憂慮された部分がありますけれども、情報通信技術のうちのパソコンを活用したネットワーク技術分野では、基本的なソフトを中心に確かに米国が優位な状況となっている一方でありますけれども、携帯電話情報家電分野では、我が国が高品質または高信頼を特徴とした高い国際競争力を保っておるというのが現状でありまして、これがまた我が国得意分野になっておるわけであります。  以上の状況を踏まえまして、郵政省といたしましても、国際的におくれた状況にある技術分野についてはそのおくれを解消し、また、今申し上げましたような得意分野につきしてはさらに発展させる観点から、平成十二年の予算におきましても、現在のインターネットをさらに高度化、高信頼化する次世代インターネット技術につきましても精力的に検討すると同時に、情報家電を駆使したインターネット上の多様な情報の送受を可能とする技術等プロジェクトを提案し、いわゆるミレニアムプロジェクトとして採択したところであります。  今後、郵政省といたしましても、各業界、そしてまたプロジェクト検討しながら充実を図っていきたい、かように思っております。  以上です。
  11. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 特徴ある日本政策を掲げて、ぜひとも発展に関与していただきたいというふうに思っております。  私は、我が国におけるIT革命推進していくためには、インターネットを初めとする新しい情報通信技術開発先ほどもお伺いをしましたが、モバイル情報家電など我が国が得意とする分野発達促進情報化推進を支える人材の育成、さらには政府みずからが情報化推進していくことということを先ほども申し上げました。  一方、去年の例にもございますように、ハッカーやハイテク犯罪個人情報の漏れに対し迅速的確に対応し、国民安心感を醸成していくことも私は必要だと思っているわけであります。  これからの諸施策政府が一丸となって強力に進めていく上で、今回設置されたIT戦略本部及びIT戦略会議の意義及び果たすべき役割は大変大きなものがあるということは認識をしておるわけでありますが、情報通信分野を所管する郵政省として、IT戦略本部及びIT戦略会議において今後どのような対応をしていくのか、いまいち私どもには見えないところがございますので、お答えをいただければありがたいと思います。
  12. 平林鴻三

    平林国務大臣 お話のありましたIT戦略本部、これは従来から高度情報通信社会推進本部という組織がございましたが、これを発展的に改組する形で内閣に設けられまして、内閣総理大臣本部長でございます。今回設置されましたIT戦略本部の副本部長として私が指名をされております。  関係省庁との連絡強化を図ってまいりますとともに、IT戦略会議、これは民間有識者の方々と一緒になって、官民協力してやっていこうということでございますが、この戦略会議における議論を踏まえながら、IT革命恩恵をすべての国民が享受できるように、またスピードを大事にしてIT関連の諸施策推進していきたいということでございます。  郵政省としては、IT革命が進展する中で、世界最先端の高度な情報通信ネットワークを整備する、先進的な情報通信技術を開発する、電子商取引促進のための規制改革を行う、教育の情報化電子政府推進をする、情報セキュリティー対策個人情報保護対策を徹底するというふうなことをこれから努力をしてまいりまして、新たな我が国IT関係発展基盤を構築するために、今申し上げたようなことを大事なこととしてやっていきたいと思っております。  以上でございます。
  13. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 ぜひともそういう会議内容等々も明らかに、ディスクロージャー等々を明確にしていただくことをお願い申し上げておきたいと思います。  さらに、沖縄サミットにおけるグローバルな情報社会に関する沖縄憲章の採択も、IT革命推進に向け、国家レベルでも国際レベルでも総合的に取り組んでいこうとする姿勢のあらわれだと私は受けとめさせていただいております。  こうした中で、電気通信事業は、IT革命推進する原動力としてはより一層の発展活性化を図っていくことが求められていると思います。しかるに、現況を見ると、地域通信市場における東西NTT、事実上の独占状況は依然として解消されていないというふうに私は思っております。地域通信市場競争が十分に発展しているとは言いがたい状況にあるのではないかと思います。  また、インターネット携帯電話爆発的普及に見られるような市場構造の急激な変化サービス高度化多様化に対するニーズも大変高まっております。技術革新に伴う新しいサービスの登場など、予想をはるかに上回る環境変化に対し、現行の競争に関する枠組みが必ずしも十分に対応していない状況が生じつつあると私は考えておるところであります。さらに、KDDが本年十月にDDI及びIDOと合併するなど、事業者間の合併が進展しつつあるというふうなこともあるわけであります。  また、NTTあり方についても、昨年の再編成からまだ一年余りしかたっておりませんが、郵政省電気通信審議会の答申が出されてからは既に四年以上も経過しているところでありまして、この間事業を取り巻く環境が大きく変化をしていることから、KDDなどの通信事業者公平競争確保NTTユニバーサルサービス確保研究開発推進普及責務等の問題について、今日的視点に立った見通しをすることが求められていると私は考えております。  そこで、IT革命推進するための電気通信事業における競争政策について、今月、電気通信審議会に諮問したところでありますが、NTTあり方も含め、今後どのように検討を進めていくのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  14. 平林鴻三

    平林国務大臣 お話のように、七月に電気通信審議会に諮問をいたしまして、IT革命推進するための電気通信事業における競争政策あり方全般につきまして、幅広い観点から御審議をいただきたいというつもりでおります。  御承知のように、十五年前に電気通信市場自由化が始まったわけでございますが、最近の情勢は非常に大きく変化しておりますので、NTTをめぐる諸問題を含めて、これから幅広い御審議をいただきたい、そういうぐあいに考えております。  特に、IT革命の進行ということが、我が国電気通信事業のさらに一層の発展活性化を図るのみならず、二十一世紀における我が国経済社会発展を左右する重要なことだと存じております。  検討項目は、大変多岐にわたると思います。また、我が国通信政策の根幹にかかわる重要なものでございます。ですから、この電気通信審議会におきまして、集中的かつ専門的に審議をしていただくために特別部会を設置するということが決定になっております。さまざまな方面からの御意見を踏まえながら幅広い観点から十分審議していただきたい、そのようにお願いをしておるところでございます。
  15. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 最後になりますけれども、電気通信事業者東西NTTの回線を利用するときの利用料に当たる事業者間の接続料引き下げにつきましては、長距離、国際電話等の従来の電話料引き下げにつながり得ることから重要な政策課題であるというふうに思います。  日本接続料が高いということはよく耳にするところでありまして、これも今回大変問題になった点だと思うわけであります。  今回の日米規制緩和対話決着を踏まえて行われる接続料引き下げによって、東西NTT収支にどのような影響を及ぼすことになるのか、また、今回決着した内容東西NTTが円滑に実施可能と考えているのか、お伺いをしたいと思います。  続けて、この接続料というのは、私は卸料金だというふうに理解をさせていただいておりますが、利用者が直接払う料金ではありません。したがいまして、接続料引き下げユーザーにとってどんなメリットがなされるのか、また期待されるのか、お聞かせをいただければ非常にありがたいと思います。
  16. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 委員の言われたことはまさにごもっともなことでありまして、引き下げになって、そしてユーザーにできるだけ還元される、またベンチャービジネスに関与していく、こういうことは非常に重要なことだ、かように私も思っております。  東西NTT接続料引き下げにつきましては、五月に平成十一年度の東西NTT財務状況が当初の見込みよりも好転したことが判明したことに伴いまして、東西NTT収支見込み見直し実施しまして、この見直しを踏まえて、七月の米国との対話におきまして、三年間で二二・五%の提案を行ったわけであります。その前には四年間でということでありましたけれども、その経営内容を見まして、三年間で二二・五%ということを提案させていただいたわけであります。この基本的な枠組み日米間の決着をしたということであります。  そしてまた、NTT地域会社においては、厳しい経営状況ではありますけれども、三年間での実施については、いろいろな経営努力を重ねることによって乗り切れるのではないか、この辺の話し合いをしっかりと我々としてもやらせていただいているところであります。  そしてまた、このような引き下げ期間の短縮は、当初見込みよりも好転した東西NTT収支見込みに基づくものでありまして、今回の決着内容は、東西NTT経営改善に向け一層の努力を行うことにより、その経営に破壊的な影響を及ぼすことなく実施可能なものということで、話し合いをさせていただいております。  実際問題として、先ほど委員がおっしゃいましたとおり、できるだけ安くしていく、これは当然のことでありますけれども、やはり情報というものは非常に重要なものでありますから、そういう観点からしっかりと我々もこれからも考えていきたい、こういうふうに思っております。  以上であります。
  17. 平林鴻三

    平林国務大臣 御質問の後段にございました事業者間の接続料引き下げられることによってユーザーに対してはどんなメリットがあるか、こういうお話でございますが、このたび、NTT接続料長期増分費用方式という方式に変えまして、事業者間接続料引き下げるということになりました。したがって、NCC側といいますか新規参入事業者側接続料支払いが軽減されるということになります。したがって、それらの事業者電話料金引き下げが可能になるわけでございます。  そこで、NCC側において接続料支払い軽減分利用者料金引き下げや新しいサービスの提供のための設備投資に振り向ける、そのようなどういう方向に持っていくかということは、最終的には事業者経営判断となるものと考えております。この経営判断のいかんによるわけでございますが、一部のNCCにおきましては、今回の接続料引き下げを契機に市内通話を三分十円より安く設定するという計画を検討中であると聞いております。  郵政省といたしましては、この事業者間接続料引き下げメリット国民すなわち利用者に還元されるということを期待いたしますとともに、そのように促していきたいと思っておるところでございます。
  18. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 最初の質問で大変すばらしい答弁をいただきましたことをお礼申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  19. 小平忠正

    小平委員長 次に、小沢鋭仁君。
  20. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 民主党小沢鋭仁でございます。  本日は、昨日ですか、郵政大臣発言をいただきまして、それに関連する質問を私と民主党の仲間のあとお二方と三人で分担をしてさせていただきたいと思います。私の方は、一般論といいますか、どちらかというと総論的に質問をさせていただきたいと思います。  さきに国会活性化法ができまして、政治家同士議論委員会でもしよう、こういう話の中で特にこのようにいわゆる所信に関する質問ということでございますので、どうか大臣あるいはまた政務次官も、メモから目を離していただいて、大いに談論風発、議論をさせていただきたい、こうまず冒頭お願いを申し上げたいと思います。そのかわり、言葉じりをとらえた揚げ足取り等はするつもりはございませんので、どうぞ御安心いただいて、中身のある議論をさせていただきたいとお願いを申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきますが、まず、先ほど佐藤委員の話にもありましたIT戦略会議あるいはまたIT戦略本部について御質問をさせていただきます。  まず、大臣民主党が、かつてから首相直属の情報通信戦略本部を設置すべきだと一貫して主張をしてまいりました。民主党のこの「人間中心の情報化社会をめざして」という提言、この中にもきちんと書き込んで発表させていただいておりますし、私もこれまでの逓信委員会で過去何回この話を申し上げたかわからないわけでございます。今までの民主党のそういった主張を、大臣、御存じでございましたでしょうか。
  21. 平林鴻三

    平林国務大臣 私は、従来、この方面に余り精通をいたしておりませんで、御党の方でどのような御方針か細かいところまでは承知いたしておりませんが、小沢委員が従来から政府直属といいますか内閣総理大臣直轄でやったらどうかという御意見で、この委員会でもお話があったということは承知をいたしております。今回の戦略本部あるいは戦略会議というのは、小沢委員がおっしゃった方向に進んでおるということかと理解をいたしております。
  22. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 冒頭お褒めをいただいたりすると、なかなか後がやりづらくなるのですが……。  まさに今大臣がおっしゃっていただいたように、民主党は、IT革命、俗にIT革命と言われているそのまま呼びますが、この重要性はもう本当に情報通信の分野だけではない、あるいは経済だけへの影響ではない、社会全般あるいは個々の人たちのライフスタイル、生き方の問題まで関連する極めて広範で物すごく大きな影響を持つものであるから、それだけ重要であるから、この問題に関しては、もっとその重要度を政府はしっかり認識して、そしてきちっと、まさに総理直結のそういった本部をつくるべきだ、こう主張してきたわけですね。それに対して、今まではどちらかというと郵政大臣の御答弁は、その重要性はわかるけれども、例えば高度情報通信社会推進本部、これがありますよ、こういうような発言があったわけであります。私は、それではだめだ、こう言ってまいりました。  ちなみに、御存じなくていいと思いますが、一応お聞きしますが、この高度情報通信本部というのがいつできて、だれの発案でできたか御存じですか。
  23. 平林鴻三

    平林国務大臣 たしか村山内閣当時にでありますから平成六年に設けられたと記憶をいたしております。
  24. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 まさにそのとおりでありますが、実は、そのちょっと前の経緯を申し上げますと、羽田内閣というのがございましたですね。大変短期内閣でありましたが、その際に、羽田総理がこの提唱をして、そして、短期でありましたために、その後の村山内閣が引き継いでできた、こういうふうに私は承知しておりまして、そういった意味を含めて、羽田孜議員は我が民主党の幹事長でありますから、いわばそういった意味で、我々はこういったものをしっかりやらなければいかぬとずっと言ってきたところでございます。  そして同時に、私は、幾つかの論点を申し上げてきましたが、大きく言って二つが大事だと申し上げてまいりました。  一つは、例えばその国家ビジョン、その推進本部の答申は実は二回出ておるのですが、しかし、それが国民に知れ渡っていないではないか。スーパーハイウエー構想とか、そういったまさに国民にしっかりと周知徹底するようなビジョン、そして、それで国民の意識を喚起して引っ張るような、まさにそういう政策というのが必要で、それをつくるのが政治の役割じゃないか、こう申し上げてきたわけで、そういった意味ではまさにビジョンが必要だと申し上げてきました。  それから二番目に、それを裏づけるものとして予算が必要だという話を申し上げてまいりました。ことしの通常国会冒頭のこの委員会質問でも、郵政省予算は幾らだったですかと、一千億ですよと。それでまさに世界と対抗できるような、そういうIT革命をしっかりと推進できるのですか、そういう話を申し上げてまいりました。  ビジョンの必要性、予算の必要性、ずっと一貫して言ってまいって、ようやっとそういった方向に政府が目覚めていただいたのかな、こう思うのでありますが、このあたりに関して、大臣、感想いかがですか。
  25. 平林鴻三

    平林国務大臣 御指摘は、確かに、従来の経過を十分御承知委員がおっしゃること、そのとおりだと思っております。私自身も、このIT革命というようなことに関しましては、これは国民全体がその利便を享受できる、また享受すべきものでございますから、決して政党の利害とかそういうものにこだわりなしに、むしろ利害を超えて政策を立案し、またその利益を追求していくべきものだと私も思っております。  国家ビジョンということに関しましては、今回、森内閣が発足と同時にこのIT革命ということを大きく取り上げまして、国民のいわば広い範囲での御理解を求める、そういう政策として取り上げたということは、従来の政策よりも一歩前進をしたと私は思っております。これをさらに確実なものにして、二十一世紀IT革命とともに幕をあけるということで、皆さんの御関心を期待しながら、政策がさらに強化され、実行されるということに努めていきたいと思っております。  私は戦略本部の副本部長を仰せつかっておりますが、IT担当大臣というものが任命されたということも、またこれは一つのエポックを画するものだと思っております。官房長官がIT担当大臣をなさり、私と通産大臣がこれを助ける、そういうことの御指示をいただいております。  また、予算のことでございますが、これは来年度予算にも密接に関係のすることでございます。目下、来年度予算の編成作業につきまして概算要求基準というようなものを取りまとめつつある段階でございますから、この予算の編成に関しましても、このIT革命にふさわしい予算が編成できるように努力をいたしてまいりたいと思っております。
  26. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 ぜひそうした方向で頑張っていただきたいとお願いを申し上げながら、若干宣伝めいて恐縮でありますが、我が党の中にも、我が党は残念ながら今野党でありますが、ですから首相直結というわけにはいきませんので、代表直結のIT革命推進本部というのを先般発足させていただきました。私がその筆頭副本部長ということでやらせていただくことになっておりますので、切磋琢磨させていただいて、頑張りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  今、IT担当大臣、こういうお話大臣からありましたので、一言私からも申し上げておきますが、かつての委員会の中で、私は、CIO、チーフ・インフォメーション・オフィサーというのを各役所に置かなければいけないのじゃないか、こういう話も申し上げてございます。内閣の中にIT担当大臣ができたというのは一歩前進だと評価はいたしますけれども、各役所の中にまさにチーフ・インフォメーション・オフィサー的なものをつくる必要があるということをかつて申し上げ、そしてまたこの場でも改めて御提案を申し上げておきたいと思います。  それでは、具体的な中身に入らせていただきますが、そうしたものを実現していく上で最も重要なといいますか、一つの大きな柱が光ファイバーの敷設だというのは、これはもう衆目の一致するところだと思います。  これに関しまして、最近、扇建設大臣が、建設省の中に、ファイバー・ツー・ザ・ホーム事業推進するためIT都市基盤戦略委員会を設立する意向を表明した、こういう新聞報道がありました。それに対して大臣の方では、政府の今までの方針と違うではないか、こういう話で、民間主導が原則ではないかという発言があったやに、これは新聞報道ですが、ありますが、いかがでございますか。
  27. 平林鴻三

    平林国務大臣 これは、先般の閣議の後の閣僚懇談会で扇建設大臣の方から御発言がございまして、建設省でIT推進をやる、そういう推進組織を設けたという御報告がございました。その中で、下水道を利用して光ファイバーの整備を図るというようなことについても言及をされたわけでございます。  それで、下水道という事業は、これは事業自体は都市計画事業に基づきますいわば公共事業でございまして、税金で建設をして、そして使用料の方は住民からいただく、こういうシステムになっておるものでございますから、その際に、私は、従来郵政省が光ファイバーの通信網の整備についてとってきた基本方針、あるいは現状、あるいは将来の課題ということについて申し上げたわけでございます。別段、建設省のお考えに、全然考えが違いますよということを申し上げたわけではございません。  一つは、郵政省政府の方針として光ファイバーの整備を民間主導でやるという方針をとってきたということを申し上げました。それから、大都市あるいは中都市におきましては、既に相当の光ファイバー網の整備が行われております、これを下水道の整備状況と比較いたしてみますと、下水道もまた大都市及び中都市には大体整備されておりますから、そういう状況にありますよということを申し上げました。それから、今後の課題といたしましては、小都市及び町村がどうやって整備するかという問題なので、これを私どもは今、この整備をどうやって進めるかということを課題として持っておりますということを申し上げたわけでございます。  何も、火花を散らしたなんというような新聞記事がございましたが、別段そんなところで大きな火事が出るわけはございませんので、お互いに協力をしてやっていきたいと思っております。
  28. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 まさにお互いに協力してやっていただくのは大いに結構でありまして、私も、平成十二年の二月二十四日、委員会の中でこの提案も実はしてございます。民主党として、一番大事なのはまず光ファイバーを早期に敷設すること、そのスピードが最も大事だという話をまず一点申し上げておきます。  それから、今大臣お話があった、民間主導でいくのかあるいは官も進めるのかということに関しては、平成六年の電気通信審議会の答申がございますから、せっかくその電気通信審議会が開かれるわけでしょうから、その中でもう一回議論なさったらどうでしょうか。  ここは、もし民主導であっても、しかし官がやるべきことはある。民主党は、減税政策でやるべきだ、民主導であっても減税政策という形で打てますよという話をその際も申し上げた。直接的にもし公的資金を使うのであれば、財源の問題や何かももちろん考えてやらなければいけないが、それはそれでも結構だと思う。我々は、今とりあえず申し上げておきたいのは、スピードが大事だということをぜひ申し上げさせていただきたいと思います。  その際も、岡山だとかあるいは富山、そういった例も申し上げて、郵政省だけじゃない、厚生省、建設省、ありとあらゆるところ、国民にとっては役所の垣根なんて関係ない、そこをとにかくスピードアップをしてやってもらうのが大事だという点を申し上げたことを改めて申し上げておきたいと思います。  それで、時間がだんだんなくなってまいりましたから、早口で恐縮でございますが、他の役所の皆さんも来ていただいていますので、その皆さんたちに質問をできないと申しわけないので、少し早口、手短にさせていただきたいと思います。  放送の問題に入らせていただきます。  いわゆる放送のデジタル化、大臣意見表明の中でもありましたが、私の手元にある資料によりますと、二〇〇五年には百六十六チャンネル、二〇一〇年には千六百六十チャンネル相当の通信ネットワークが今郵政関係でも計画をされているやに聞いております。放送のデジタル化は、BSデジタルがことしの秋、それから地上波が二〇〇三年のスタート、それからそれの完全移行が二〇一〇年、こういう予定だと承知しておりますが、その二〇一〇年は、いわゆるネットワークの方でいったときも、もう千六百六十チャンネルが十分可能な状況が出ている。  放送のデジタル化というのは、そのとき必要になるんでしょうか。金をかける価値がありますか。これはどうお考えでしょうか。
  29. 平林鴻三

    平林国務大臣 私も、若干の疑念なしとしないと思って担当の方に聞いてみたんですが、それぞれにやはり効果がある、そういうことでございましたので、私もなるほどなと思っております。どっちかがなくなって、どっちかが残るということではなさそうな感じがいたします。
  30. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 これに関しましても、郵政省は、研究会を先般六月上旬に、これに特化する話じゃないかもしれませんが、お持ちのようでありますから、ぜひそこはそういった視点も含めて御検討いただきたいという点を申し上げておきたいと思います。  それでは、ちょっとその後、サミット関連のところで飛ばさせていただいて、御通告を申し上げている六番のところは一緒に六、七でさせていただきたいと思います。これは外務省さんの方に申し上げているんでしょうか。  そこで、昨日の新聞記事でありますが、東大の月尾教授が、「今週の「異議あり!」」という毎日新聞の記事の中で、今回の百五十億ドルのいわゆるデジタルディバイドの支援に関して、「身の程知らぬ大国気取り」と我が国について批判をしております。ITに関して、先進国にはほど遠い、こういう批判をしております。月尾教授は、まさに逓信委員会にもお越しいただいた、私も大変尊敬するこの分野の第一人者だと思っておりますが、こういう批判があるということが一つ。  それから、百五十億ドルというのは大変巨額でございます。御承知のとおりですね。一兆を超える、為替レートによりますけれども、一兆五千億を前後する金額になります。我が国のODAは、例年大体一兆ちょっとくらいの水準であります。五年でやる、こういう話でありますが、そうしますと約三千億程度ぐらい。郵政省予算をはるかに凌駕する、まさにそういった海外支援。これは財源はどこから用意するんですか。
  31. 飯村豊

    飯村政府参考人 先般の沖縄サミットの前に森総理の方から、ITにつきまして包括的な協力策が発表されておりますけれども、五年間で約百五十億ドル程度をめどということですが、私ども、IT分野は一義的には民間活動によって推進される分野であるということから、この包括的な協力策においては、民間活動、特に我が国企業の活動を促進するとの観点から、基本的に、国際協力銀行の投融資もしくは輸出信用、したがいまして非ODAの公的資金でございますけれども、これを中心に協力していくというふうに考えております。  他方、途上国でもおくれたところがございますので、そういった国々に対しては、政策支援、人材育成あるいは地方通信網整備等、民間活動が渡りにくいということで、そこら辺はODAを活用して手当てしていく、そういう二重の構造になっております。
  32. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 時間がありませんから、また次回にこの問題は回させていただきますが、私の意見だけ申し上げておきます。  まず一つは、ODAは国会の審議がございますが、今おっしゃったような融資を含めた部分に関しては、国会がなかなか審議できない分野であります。そういう意味で……(発言する者あり)もちろんそれはやろうと思えばできますが、そのまま資料が提出される形にはなっておりません。そういう意味において、私は、この問題は、これからも民主党としてはきちっと議論をさせていただきたいという意味で、まず第一点、それを申し上げておきます。  それから、この話は、まさに降ってわいたような話に近いような状態のように各省庁の皆さんの反応を聞くと感じます。これは、まさにサミットを議長国として日本が運営するということの中で、いわゆるばらまき的な、そういうお土産話というような話でもし使われたんだとすれば、これは大変な問題だと。国内においてのばらまき予算、海外に対する、ある意味ではそれに相当するばらまきお土産みたいな話では、これは国民は納得できない。そして、もちろん途上国のデジタルディバイドの問題が極めて重要だというのは民主党はよく承知をしておりますから、しかし、それはただ単に金をばらまきゃいいだろう、そういう発想ではないんじゃないかという点を意見として申し上げておきたいと思います。  それであと、自治省の皆さんにも来ていただいておるものですから、むだにしてはいけませんので、その問題に移らせていただきたいと思います。  今回、我々は、選挙を戦ってここに来ております。その選挙を戦いながらつくづく感じたのは、まさにそのIT関連の、ある意味では規制でありました。  選挙に入る前も、もちろん話題に、我が党の仲間が議論をさせていただきましたが、例えばホームページ、このホームページが解禁になっていなかったということでございます。ホームページの解禁は時代の要請だと私は思っておりますし、民主党としては既に法案の準備もほぼ終わっておりますけれども、まず、それに対しての御意見をお聞かせいただきたいというのが一点。  それから、時間がないので、もう一つついでに、あわせて質問をいたします。  インターネット投票というのが米国のいわゆる予備選の中で、民主党、アリゾナで行われました。これはさきの委員会の中でも私は申し上げましたが、こうした時代の流れが進んでおります。そして、さきのいわゆる有識者の皆さんとのこの逓信委員会の懇談会の中で、私は当時、あのときに村井慶応大学教授に、この問題の専門家だということで、技術的にこういう問題は暗号化の問題を含めてどうかと質問したところ、村井教授の方からは、技術的には何ら問題はないと思う、こういう返答があったのは委員の皆さんも御承知のとおりであります。  インターネット投票も推進すべき、こう思っておりますが、この二点について、あわせてお答えいただきたいと思います。
  33. 片木淳

    片木政府参考人 二点お尋ねがございました。  まず、第一点でございますが、ホームページの関係でございます。  インターネットのホームページ等のコンピューターのディスプレーに表示されます画面は、これはもう御理解いただいておると思いますけれども、公職選挙法上の文書図画に当たると解しておるところでございまして、御案内のとおり、選挙運動のために使用することができる文書図画は法に定める一定のものに限られておるわけでございます。したがいまして、現行法上、インターネットのホームページを使用して選挙運動を行うことはできないと解さざるを得ないところでございます。これは解釈論でございます。  一方、選挙運動にわたらない政治活動のためのホームページを選挙運動期間前に開設いたしましたり、これをそのまま選挙運動期間中に掲示しておきますことにつきましては特段の規制はございません。  それで、選挙運動のことに戻りますが、選挙運動の方法につきましては、これまでの国会における御審議、各党間の御議論の積み重ねの中から現在のようなルールが設けられてきているところでございまして、インターネットのホームページを選挙運動手段として認めるかどうか、これにつきましては、まずは各党各会派におかれまして十分御議論、御論議いただくことが肝要かというふうに考えておるところでございます。  それから、インターネット投票についての御質問でございます。  お話のありました米国の予備選でのインターネット投票につきましては、アリゾナ州での民主党予備選挙で行われた、新聞記事等で承知をいたしておるところでございます。  我が国の選挙制度における電子機器を用いました投票方式の導入につきましては、開票時間の短縮等選挙の管理、執行の面でメリットを持っていることは確かでございますが、御案内のとおり、現行の公職選挙法が原則として自書式投票方式をとっておる、これを改める必要がございます。これにつきましては、平成六年の衆議院議員選挙制度の改革にあわせまして、一たん自書式をやめまして記号式が採用されましたが、議員提案によりまして、一度も実施されることなく自書式に戻った経緯がございます。したがいまして、その経緯等を踏まえますと、国会を初め国民の皆様の間に合意が形成される必要があるものと考えておるところでございます。  また、お話にありましたとおり、電子機器を用いた投票方式を導入するということにつきましては、費用の問題もございます。費用対効果の検証、あるいはハード、ソフト両面での安全対策等解決すべき多くの問題もあるというふうに考えておるところでございます。  しかしながら、自治省におきましては、選挙事務に電子機器を導入することによりまして、有権者の利便の向上を図り、投開票事務の迅速化を図ることは重要な課題と考えておりまして、昨年七月に電子機器利用による選挙システム研究会を設置いたしております。研究会におきましては、現行の投開票事務における電子機器利用の状況、諸外国における電子機器を利用した投票制度について調査研究を進めておりまして、今月中に中間報告を取りまとめる予定としております。  さらに、今後は、技術的な側面、経費的な側面、そういった観点からの検討も必要であり、また住民基本台帳ネットワークなど選挙システム以外のネットワーク化の現状や将来展望も踏まえながら、引き続き、お話のありましたインターネット投票も含めまして、選挙システムに電子機器を導入するに当たって解決すべき問題、課題をより明確にしていきたい、このように考えておるところでございます。
  34. 小沢鋭仁

    小沢(鋭)委員 時間でございますので終わらせていただきますが、まず二つだけ申し上げます。  一つは、今課長さんの御説明、ありがとうございました。しかし、きょうは実は、冒頭にも申し上げましたように、課長さんの御説明は解釈論を——選挙部長さん、失礼しました。訂正いたします。役所の皆さんの解釈論としてはそのとおりだろうと思いますが、本来であれば、ここは政治論、政策論として議論をしたかった。きょうは一斉に委員会が開かれておるようですから、私も無理を言う人間ではありませんが、そういった意味で、問題提起として、ぜひ与党の皆さん方もお考えをいただきたいし、受けとめていただきたいというのが一点。  それから、今研究会をつくってやっていただいている、こういう話でありますから、そこの技術論の部分に関してはぜひ詰めておいていただいて、我々の相談にもまた乗っていただきたいとお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  35. 小平忠正

    小平委員長 次に、伊藤忠治君。
  36. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 平林郵政大臣が御就任なさいまして、日米交渉の申し入れの際に直接対面をさせていただいて、それが初めてでございまして、今回は委員会で初めて質疑を通じて対面をさせていただくことになりますが、よろしくお願いいたします。  私は、きょうの三十分の持ち時間を二つのテーマで質問をさせていただきますが、まず初めは、日米交渉の問題に絞って重点的にお伺いをいたします。  日米交渉、特に電気通信問題の分野が焦点になったわけですが、これは、郵政省の報告によりますと、日本側が措置する事項だけではございませんで、アメリカ側が措置をする事項、交渉ですから双方対等の立場で課題をしょっているわけですが、アメリカ側の措置事項の概要という資料をいただいておりまして、六項目にわたって、今回の日米交渉を通じて各課題がどのように進展をし、どういう結末になったのかということがわかりよい資料で、私も見させていただきました。  日本側の措置というのは、いつもアメリカ側の強い圧力を受けまして、きりきり攻められておりますので、私もその中身はよく知っておるのですが、対比をいたしますと、日本側は日米交渉でまじめに約束も果たしつつありますね。具体的に実行あるいは問題が進展しているわけです。  アメリカ側の措置というのは、言えばほとんどこれは解決していない。継続課題になっているし、中には、そうはいかないよというので、言うならば事実上はねられているようなテーマも多いわけですね。これを見ても、いかに今日の日米交渉が、私は、不平等だとかそういう言い方はやめまして、非対等、対等な立場にないと判断せざるを得ない、こう思っているわけでございます。  とりわけ、その中でも四項にございます、アクセスチャージ、LRIC方式の導入という項目がございますが、この中で、日本側も、やってくれなきゃ困るじゃないかということでアメリカに問題提起をした課題なんですが、それはこういう結論になっています。州際LRICの我が国との同時実施へのコミットは拒否したが、FCCのLRICモデル作成プロセスの透明性を確保することを約束した。この程度なんです。  我が国にはこのLRIC方式の導入を強く迫っているアメリカが、自国ではどういう状況かといったら、こういう状況なんです。現実にはほとんど実施していなくて、それは州内というか市内電話は全然進んでいないわけです。州際電話の部分について、この程度なんです。にもかかわらず、日本に対しては、いかにも世界で一番先進国の中ではおくれていると言わんばかりに、日本政府に対してはそこに一点集中の格好で導入を迫ってきているわけです。  どう考えても、対等の立場で交渉がやられているような姿には映らないと思うのですが、このあたりは大臣、どうですか。
  37. 平林鴻三

    平林国務大臣 NTT接続料問題に関しまして、私、就任早々でございましたが、民主党からお申し入れをいただきました。感謝をいたしております。  実は、私も、日米対話といいますか交渉におきましてNTT接続料問題だけが一方的に取り上げられておるというのはどうもおかしいのではないか、こちらの言い分もいろいろあるはずだし、いわば交渉ですから、お互いに問題を提起して、意見を述べ合って、話がつくところをつけていくというのが本筋ではないか、こう思って、事務当局にそのことをまず聞いてみたんであります。  そうしましたら、委員が今おっしゃいましたように、いろいろな項目が実はあって、こちらからアメリカ側に申し入れていることもたくさんある、それについて今回も議論をしようと思っております、こういうことでありましたから、それならよろしいが、一方的にこちらばかりが譲るというのは私は不本意ですよということを事務当局に申し上げて、とにかく、次官級折衝まででけりをつけるべき問題、問題の性質はそういうものだと思いますから、しっかりやってほしいということを事務当局に申したことでございました。  委員の側からごらんになると、もちろん不満足という御意見はごもっともでございますけれども、郵政省当局としては、今申し上げましたような態度で、いろいろな問題について双方向性でもって議論をして決着をつけるべきものをしていった、そういう態度であることはどうか御理解をいただきたいと思っております。
  38. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 つまり、大臣の感じといいますか、そのようにお感じになられて役所の方にそう指示されたというのはよくわかりますよね。これは常識的だと思うのですよ。だれが考えたって、そのように感じますものね。  問題なのは、アメリカがLRIC方式がなかなか思うように進まないということは非常にわかるのです。なぜかというと、アメリカは民間の歴史ですね。民間会社なんですよ。特殊会社というのは全然ないんです、通信事業者には。そういう歴史なんですね。ですから、民間会社に行政がこのようにやってくださいよと言うにしても、限界があります。それは採算がとれませんからできませんと言われたら、これが壁になってなかなか解決するには時間がかかるというのは私よくわかるのです。  ところが、日本の場合は、特殊会社でありますから、これは法律でもって規制がかかっていまして、権限、権能がフリーじゃありませんから、郵政省が所管をしていますから、郵政省が法律でもって所管をしますので、いろいろな規制をかけていますから、今、特殊会社であるということを相手は前提にしまして日米交渉に上げてくる。政府をやっつければ、言い方は悪いですよ、政府をとにかくその気にさせれば、これは特殊会社であるNTTは嫌とは言えないであろうということだと思うのですよ。基本はそこにあると思うのですね。ここが全然違うわけですよ。  ですから、アメリカ日本郵政省に対してというか、政府に対してLRIC方式をこのように導入しなさいと強く迫れば、そうしますと、NTTは純粋民間じゃありませんから、どうしてもそこで一定の答えを出さざるを得ないというところに追い込まれるという仕組みの違いが基本にあるということを頭に置いて対応していただかないと、どうしてもこれは、今言ったような現象面としては、実質もそのような格好であらわれてくるし、そういう結論にならざるを得ないということは客観的に見ますと私はよくわかるのです。  実は、なぜそのことを問題にしたいかといいますと、これは委員会審議でございましたように、これは当時の、現在でもそうですが、天野局長が答弁をきちっとされておるのですが、何年間で合計どれだけのパーセントに接続料引き下げるかどうかというのは、これは郵政省は一応そういうことはお願いをしますけれども、最終的には、業者の自主的な判断で一応計画を立てられまして、このような格好でやりたいと思いますからいかがでしょうかというふうに申請がございます、そのことに対して郵政省は、では、この点も考えてくれましたねということで、最終的な業者の申請に従って結論を出すのです、認可をするのです、こういう手続を言っているわけですね。  ですから、そういう仕組みに国内ではなっているにもかかわらず、アメリカの言うことをそのままストレートに受けて業者に対してそのように言うということになれば、これは国内の自主性というのですか、我が国の自主性は一体どこへ飛んでしまうのかということになりますが、今回の日米交渉は、私は結果的にはそういう最悪の事態に追い込まれたのではないか、こう判断しておるのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  39. 平林鴻三

    平林国務大臣 ちょっと問題から外れるかもしれませんが、日米の交渉で政府が、特殊な会社でありますけれども、いわば株式会社のNTT接続料金のことを真っ正面から取り上げるということは、やはりおっしゃるとおりいささか意外な感じが私もいたしました。けれども、従来の日米の規制緩和の対話の中にこういう問題が入っておる、しかも相当進んでおるということは、それなりの理由があってお互いに取り上げたものだと思って、私はそのまま、それは民間のことだというような突き放しはできないと思って、引き続き交渉をするようにしたわけでございます。  その相手方がUSTR。まともに考えれば、アメリカにも連邦通信委員会という行政機関がございますから、役所同士でいえば、FCCという連邦通信委員会郵政省とがいわばカウンターパートになるのかなと思ったりしておりますが、今までの交渉の経過ですと、FCCが郵政省と直接交渉をしたという経過は、ございますけれども、そうたくさんはなかったということでありまして、これはお互いに意思疎通をする意味では、今後、FCCが郵政省とコンタクトをとってもらいたいものだなという気がいたしております。そのようなことができるかどうか、今後の努力目標の一つだと思っております。  NTTの関係につきましては、もちろん我が国の今申した特殊な株式会社でありますから、認可権もこちらにございますので、もちろん内面的には連絡をとりながら日米の交渉に当たったということでございます。  詳細のことは若干申し上げかねますけれども、そういう経過で今日まで交渉をいたしてまいりました。
  40. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 平林大臣が初めて触れられたと思うのですね、FCCの関係は、両国交渉の場で。カウンターパートになっていないんですよね。  それで、これも過日の郵政省の資料なんですが、つまり交渉の場にFCCを出しなさいということは主張してきたと思うのですね、日本政府としても。ところが、なかなかそれが実らずに、かなり時間がかかっているんですよね。数年間かかっているんですか。それで、なかなかカウンターパートとして出てこない。相手は理屈があるんでしょうかね、それは政府じゃありませんと。独立行政法人みたいな位置づけになっていませんかね。日本でいうと公取みたいな格好なんでしょうか。公取ではありませんが、独立行政法人みたいな、そういう行政機関ですよね。  ですから、そこが言うならば政策指導あるいは許認可の関係を仕切っていると思うのですよ。だから、ポストオフィスというのは、これはアメリカ郵政省ございますが、電気通信分野と分けていますから、恐らく向こうはそこを振り分けて、悪く考えれば上手に立ち回っているのじゃないですか。  USTRというのは、通商問題の言うならば一番の機関でございまして、外国に対してがんがん国益で物を言うときにはUSTRを使うのですが、それでは、今度は受けて立つ場合は、私のところは、国内はFCCで、直接関係ありませんと逃げてしまう。そうしたら、なかなか国内の話について話をしようかと思っても、それが、対等な話が、相手の受け皿を明らかにしないものですから出てこないというのでは、これはもう外交交渉の、言うならば舞台装置が非常に不平等な関係にしかなっていないわけですから、そこで交渉をやるというのですから、これはいい結果の出るはずがない、私はこう思っておるのです。  常々そのことが私は頭にあったのですが、ところが、そういう問題意識が、大臣は初めておっしゃいまして、私は、そのようにこれからはアメリカに対してきちっと問題提起と整理をいただきたいと思っておるのですが、きょうはお役人の方は呼んでおりませんので、この場面では出られませんが、省の方としてはそういう意識がどこまであったのかなというのが大変私は疑問に思っております。  もう一つ問題なのは、外務省もきょうは政府参考人の人を呼んでいませんので、外務省に質問はできませんが、外務省はそういうことぐらいはわかっているはずなんですね。ところが、外務省というのはほかの価値観で動くのかどうか知りませんが、非常にへぬるいですね、私に言わしたら、本当にへぬるい。  これは、前郵政大臣は言われました。自分も自民党の外交部会長をやっているときにかなり外務省がへぬるいということは言ってきましたというので、いい格好をされたこともありますが、前委員会でそういう答弁がございまして私もちょっと失笑したのですが、そういうところはあるのじゃないでしょうかね。  もう少し、やはり国益を踏まえてきちっと交渉に当たるということがありませんと、これは、日本はやはり農耕民族でございまして、狩猟民族には、一点突破でがりがり力で押してくるという交渉には、理路整然と立ち向かっておったのでは、なかなかこれは対等な交渉、そういう格好にはならぬのではないか、こんなふうに私は常々思っているわけです。  最後になりますが、この問題について委員会審議は、明らかに四年間で二二・五%という確認を得ているわけです。ところが、結果的には、二年半ですか、二年半ぐらいで二二・五%、三年と言い直してもいいと思うのですが、三年間で二二・五%で決着をつけたわけですよ、決着をつけてしまったわけです。それは、決定的にNTTを縛るということには理屈の上ではならぬわけですが、政治的にはそうはいきません。結局そういう格好になるわけですね。  これでは、会社としては何を、どこに希望を置いてこれからやっていけばいいのかというのは、これはNTTの話だけじゃないのですよ。いわゆる特殊会社というのはやはりそういう立場にみんな置かれるのじゃないのかということを考えますと、大変これは国益の立場から考えても問題ですから、国会審議と明らかに違いますが、そのことについて大臣はどのようにお考えなのか。私たちとしては、これは責任も感じていただきたいし、これからの姿勢について明らかにしていただきたいと思います。
  41. 平林鴻三

    平林国務大臣 これは、当委員会の御審議の中で、伊藤委員がおっしゃったような経過があったことを私も承知をいたしております。本年の四月にこの委員会でこの御議論がありまして、そのときに、四年後に二二・五%引き下げるという方針ということを政府側から申し上げたように思います。  問題はその後の経過でございまして、その後に、平成十年度のNTT決算でなくて平成十一年度のNTT決算が、もちろん確定はいたしておりませんけれども、明らかになってきた。その経過によりましていわば交渉の内容変化をしてきたということでございます。  もちろんこのことに関しましては、NTTとも郵政省は内面的に連絡をとりながら、経営がどのようになっていくかということを、十分にお互い相互の認識をしながら交渉を進めていった。さようなことで、結果的には、委員おっしゃいますように三年間で二二・五%の引き下げを行うという結論に達したわけでございます。  御審議をいただきました時期と、その後の情勢変化といいますか、実態の変化といいますか、さようなことで変わったということで、御理解を願いたいと思っております。
  42. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 あとの問題に触れたいと思いますので、時間の配分の関係からこれ以上申し上げる時間がございませんが、大臣答弁をいただきましても、これは議論をしますとまだ延々と続きますので、私は納得するわけにはまいりません。企業と政府との関係と私たちとは別でございますから、国会としては納得するわけにまいりませんので、これはまた継続して問題をこれからも議論してまいりたいと思います。  次に移りますが、実は、これは電気通信と関係ございませんが、省の関係ですが、私が例えば県庁だとか市役所に、選挙が終わりまして、それで知事さんや市長さんに面会を求めますね。そうしますと、市長さんや知事さんがもし不在の場合にはその次の方が対応いただくとか、その席に組合の皆さんも連合の関係でお世話になるとちょっと呼んでくれませんかと、お見えにならない場合には、帰り際に組合事務室に顔を出してありがとうございましたと言って帰るのです。大体これが普通やられていることなんですね。  ところが、今回私が問題にしますのは、ある地方の特定する郵政局管内で、実は、今どき珍しいと思うのですが、ある代議士が、連合の事務局長さんも伴いまして、選挙が終わってしばらくたってから、事前の電話を入れまして、それで面会に行かれました。そうしたら、そこで受付の方が見えまして、だれか少し上役の方もおいでになったのでしょうか、こういう用件で参りましたと言ったら、それはお会いいただくことができません、入局をしていただくことはできませんと言うので、その場で立ちはだかって、入局が結局阻止をされたというのか、ストップをかけられたということなんですね。  それで、今どきこんなことが特定の局で起こるということがそもそも、これはなぜそうなるのかということで疑問なんでありますが、その結果、指示を仰ぐからというので、本人たちは局内に入りまして、本人はそこで二十分程度待たされたままで、結果、上役に聞いたらだめですということで、面会を断られたということなんですね。  こんなことは、普通常識では考えられないことが現実に起こっているわけですが、もし本省でそういう内部指導を行っているのかどうか。それともそれは郵政局レベルで指導をしているのかどうか。さらにもう一点。これは、自民党の幹事長さんが選挙前にかなり連合を攻撃されまして、チェックオフの廃止だとかいろいろなことが出まして、それの一連のそういうものが背景にあって、連合の事務局長が同行したから局側としては拒否をされたのか。  三点聞くのですが、これは官房長、ひとつお答えをいただけますか。
  43. 團宏明

    ○團政府参考人 お答え申し上げます。  別途、委員の方からは具体的な事例をお伺いしているところでございます。  まず庁舎管理ということでございますけれども、これは庁舎管理規程がございまして、例えば郵便局においては、郵便局長が庁舎管理者としまして、国の施設でありますから、庁舎の使用の仕方あるいは出入りの仕方について管理しているというものでございまして、これを根拠に管理をしているわけでございます。  御指摘いただいた事態でございますけれども、これにつきましていろいろと調査もしてまいったわけでございますが、この庁舎管理につきましては、職場の秩序の維持、それから業務運行の確保という点からしておりまして、別途、公職選挙法等の規定がございますので、そういうことについては、当然、政治的な中立ということもあって、これを留意していくというふうなことは当然のことと思いますが、一般には事細かく指導はしておりませんで、自発的な対応をしているというのが一般でございます。したがいまして、そういう今御指摘のような点につきまして、事細かく本省が全国的に指導をしているということはございません。  では、しからばどうしてこういう事態が生じたのかということにつきましては、非常に申しわけない事態でございますけれども、たまたま管理者の連絡不十分によりまして局長以下いなかったというようなことがありまして、適切な対応ができなかったという事情がございます。  もう一つは、全国的にはそういうことでございますけれども、選挙期間前後の扱いにつきまして、特定の管内におきましてやや規制的な解釈がある指導をしていたということがございまして、これは先週会議を開きまして、そういうことについて誤解のないような指導をしたところでございます。  最後の点でございますけれども、あくまで庁舎管理につきましても政治的な中立ということが基本でございまして、先生御指摘ありましたような政治的な配慮ということについては全くございませんで、庁舎管理ということで、あくまで中立的、ある意味では機械的にやっていくというのが基本的な方針でございます。
  44. 平林鴻三

    平林国務大臣 今の伊藤委員お話でございますが、本質的に郵便局というのは行政官庁の権力的なことをいたすところではございませんで、いわば国民皆様がお客様でございます。さような郵便局でございますから、お客様に対する粗相のないように、これは根本的な問題としてよく注意をしてまいりたいと思っております。
  45. 伊藤忠治

    ○伊藤(忠)委員 最後になりますが、今大臣もおっしゃられたように、何も訪れている人も、何か胸を張ってこういうふうに行ったわけでもなくて、事前に電話をして行ったというんですよ。そうしたら、そこのところはそごがあったんだと思いますよね。運が悪かったと思うんです。  しかし、内部指導が特定の郵政局におりていたことは事実なんですよ、これは本省が出したんじゃなくて。その管内は、それが徹底したことは事実なんです。ですから、もちろん濃淡はありますが、そういう雰囲気がずっとあるわけです。ですから、結構これはトラブっていないから表に出ていませんが、たまたまこういう問題が極端に出てきたというふうに私たちは判断しています。  いずれにしましても、全国的には常識的な対応がされているわけです。これは極めて自然に対応されておるわけで、だから、やはりその地方も全国的な常識的な対応をされるように、これは本省の方もむしろそういう指導をしてほしいんですよ。  そういう指導をしないと、まだあの通達が生きておるんじゃないか、解釈がどっち向いたと。もう本当に信じられぬような解釈をしておるわけです。それではまたトラブルが起きますから、ぜひとも、大臣がおっしゃられたように、そういうふうにやれば本当に平和にいくと思いますから、どうぞひとつ、郵政本省としても、よろしく大臣の方でも御指導いただきたいと思います。  以上です。ありがとうございました。
  46. 小平忠正

    小平委員長 次に、武正公一君。
  47. 武正公一

    武正委員 臨時国会の代表質問に新人の水島議員を配した民主党、各常任委員会で一年生議員どんどん質問をしろということで、今回質問の機会をいただきました。小平委員長初め委員の皆様に感謝を申し上げたいと思います。  また、大臣、総括政務次官政務次官、御就任おめでとうございます。今回、政府委員に対する質疑という形はやっておりませんので、明快な、そして活発な御答弁を期待したいと思います。  まず、我が国は、もう来年は二十一世紀ということでございますが、平たく言えば、この日本が何で飯を食っていくのかというのはもう二十年来の課題であったと思います。この二十年間にそれが準備できたのかどうかということが、例えば空白の十年あるいは後退の十年というようなことで、いろいろと検証がされているわけでありますが、もう待ったなしで二十一世紀を迎えるといった段階でございます。  その中で、このIT情報通信技術、これは日本が二十一世紀、飯を食っていくネタとしてはもう欠かせないものであるという認識がもう常識的になっている。その中でのこのITにかかわるさまざまな政府政策が大変重要であるということは論をまたないことだと思っております。  このような重要な岐路に当たりまして、私は、生産性の向上と効率的な政府の形成こそ、今後の我が国経済社会を成り立たせる重要な二つの柱と考えておりまして、このような観点からきょうは御質問をさせていただきます。  まず生産性の向上ですが、まだまだ経済的には厳しい状況でありますが、経済システムが動かなくなるという危機からは脱して、設備投資もふえて、緩やかながら景気回復軌道と。しかし、御承知のように、少子高齢化、これが進んでおりまして、六人に一人が老年人口。これはどの主要国の中でも高いわけですが、これが二〇二五年には三・五人に一人ということですね。また、少子化は、合計特殊出生率一・三八人ということで、これもドイツに次いで低い状況です。  こういった少子高齢化の中で、これから財政的な負担がどんどん増していくということで、効率的な政府の形成ということは後ほど触れますが、まず生活水準を上げるためにも生産性を上げていく必要があるということであります。この生産性の向上ということが、先ほど言ったようにITがそれをもたらすであろうというふうに考えるわけでありまして、生産性を向上させるためにも、また構造改革も必要であるということでもあります。  私は、まずここで、生産性の飛躍的な向上をどうやって図れるかということの中で、それこそ学校でいえば紙と鉛筆というようなことを例にとりますと、鉛筆が例えばパソコンとかモバイルとか、そういった端末だとすれば、紙が通信インフラであるというふうに考えるわけですね。紙が大量に安くどんどんと手に入る。一方、鉛筆であるパソコンとかそういったものもどんどんと手に入る。この紙と鉛筆が国民あまねく行き渡るような社会というものがやはり今必要ではないかなと思っております。  その紙に当たる通信インフラの早期整備ということから、まず質問をさせていただきたいと思います。  先ほど小沢委員からも指摘がありましたが、私は光ファイバーの整備についてまずお伺いをしたいんですが、まず饋線点のカバー率、饋線点というと配線点ということで、メタル線が自宅から集まるその配線点のことでありますが、これが九九年度末で三六%、光ファイバーの加入者系ケーブルの総延長に占める比率は同じく九九年度末で一七・七%、総延長二十二万キロメートルということであります。  九八年十一月に高度情報通信社会推進本部から、高度情報通信社会推進に向けた基本方針、光ファイバー網の全国整備を二〇〇五年までに実現するという方針が出たわけなんですが、果たして本当に二〇〇五年までに、この饋線点でさえ三六%、加入者系では一七・七%という現状で、要はあと四年半ぐらいで本当に達成ができるのかどうか、まずこれをお伺いしたい。また、それを実際どうやってやるのかなといったことをお伺いしたいなと思っております。  続けて、九四年の電気通信審議会の答申では、「光ファイバ網整備の進め方」として、「民間企業の活力による効率性が、最大限発揮されることが望ましい。」とされ、経済新生対策でもその方針が堅持されているわけですが、このような低水準の整備率を引き上げるためにはNTTのみでは、NTTという言葉を使いましたが、民間主導、民間主導ということはNTTによる光ファイバー網ということでありますが、それだけでは競争条件という点で効率性が担保されないのではないか。もう少し幅広く、公共部門も含めて、さまざまなインフラ整備を認める時期にあるのではないかというふうに考えるのですが、郵政省の御所見をお伺いしたいと思います。
  48. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 今委員が言われたとおり、これから少子高齢化に向けまして、やはり生産性を高める。そういう観点からいたしますと、もちろんソフトも非常に大事でありますけれども、基盤整備はその基礎でありますから早く進めていく。先ほど小沢委員の方からもありましたように、もう本当に一年でも二年でも早くこれを整備していくということが非常に重要な課題になってきておる、かように思っております。  基本原則としては民間主導ではありますけれども、その中におきましては補助金でやる部分もありますし、そしてまた、これから地域間格差をなくしていくという観点からすれば、公共投資の部分にもこれをお願いする可能性も出てきているのじゃないかと私は感じておるわけであります。  今お話にもありましたように、全国の平均の整備率は三六%ということでありますけれども、人口十万以上の都市の主要エリアは七二%、政令指定都市及び県庁所在地級都市の主要エリアが九三%、都市部においては特に順調に整備が進捗しております。一方、人口十万未満の都市等における整備率は一四%にとどまっており、地域間格差がちょっと広がっておりますけれども、最初に申し上げましたとおり、あらゆる方法を使いまして何としてでも予定どおりに進捗をさせたい、かように思っております。  今後、二〇〇五年における全国整備の実現を図るためには、採算のとりにくい地方における光ファイバー整備を強力に推進することが必要でありまして、政府といたしましても従来にも増して積極的な支援を行っていきたい、かように思っております。  したがって、先ほども申し上げましたように、民間を主にそれをやっていくということは基本でありますけれども、あらゆる方法を駆使して、何としてでも、一年でも早くこれが達成できますように努力をしていきたい、かように思っております。
  49. 平林鴻三

    平林国務大臣 ただいま総括政務次官が申し上げたとおりでございますが、私がただいま懸念をいたしておりますのは、いわゆるデジタルディバイドというものが地域によって生ずるという問題をどうして早く解消するかということでございまして、そのためには今次官が申しましたようなさまざまな知恵をこれから出していかなければいけないなと思っておる最中でございます。  どうかひとつ、そういう御理解のもとに、この地域間格差の解消について、また御意見がいただければと思っております。
  50. 武正公一

    武正委員 私は埼玉県議を五年間務めてまいりまして、地方自治に精通されておる大臣ということで、先ほど岡山県の情報ハイウエー構想のお話もよく出るわけであります。  また、埼玉県も情報化長期戦略というのをつくってはいるのですけれども、やはり基盤整備は、要はNTTさんということになりますので、どうもソフトとハードがかみ合わないといったことも県議時代感じております。  岡山がなぜいいかというのは、自設線を設置されているということでございまして、建設省の情報通信ネットワークビジョンというものもあるやに聞いておるのですが、やはり自治体にとってはいろいろな選択肢があっていいのじゃないかなというふうに思うのですね。  岡山県や岐阜県や高知県、いろいろな事例が、また今度東京都がどうするのかなというのもありますが、ある面、自治体に選択肢をもうちょっと広げてあげてみてはどうかなというふうに考えるのですが、これについて御所見をお伺いしたいと思います。
  51. 平林鴻三

    平林国務大臣 おっしゃいます問題は、要するに、それぞれ役割分担をできるだけ明確にしなければなりませんが、今申しましたデジタルディバイドの解消というようなことに関しましては、政府地方公共団体と民間がどういう役割を担って整備を早くやるのがいいか、そこらのところをこれから研究をして、地方公共団体の果たします役割というものをどのように組み込んでいくか、あるいは公的な資金というものをどのように調達するかというようなことをさまざまな角度から検討させていただきたい、そう思っております。
  52. 武正公一

    武正委員 地方自治体からすると、郵政省のお顔をいろいろと気にしながらというところも正直やはりございますので、やはり地方自治体が自由にいろいろなフリーハンドを持てるように選択肢をいろいろな形で御提供いただければな、あるいはそういう選択肢を自由に選べるような、そういった雰囲気づくりが大事かなと思っております。  光ファイバー網のことをお伺いしてきたわけなんですが、要は、通信インフラの早期整備という観点からすると、デジタル加入者線、DSLということでちょっとお伺いをしたいのですが、これは八月二日付の読売新聞にも、アメリカで百万回線、韓国で五十万回線、一方日本は千五百回線しかまだ回線契約されていませんよというような記事が大きく出ておりました。  これは、光ファイバーを使わなくても、既設電話線、先ほど言ったようなメタル線を利用して、ISDN、総合デジタル通信網の十倍以上の速度で情報通信できるものなんですが、一九九二年ぐらいに技術開発されたこのDSLが実際に導入されたのが最近といったことも含めて、もっとこのDSL事業促進してもよかったのじゃないかな、光ファイバーと同時並行でやってもよかったのじゃないかなというふうに思うのです。  郵政省は、既にNTTに要望書を提出するなど、このDSL事業に対しての支援策も検討中というふうに聞いておりますが、高速インターネットの普及促進が極めて重要だという認識が多分おありだと思うのですね。そうであれば、光ファイバー網の整備に関して、公共部門がIT化の促進に極めて重要な役割を担い得る可能性がありますので、実際にそれを実行している自治体も先ほど言ったようにあるわけですから、NTTさんだけではなくて、そういった意味では、先ほど言った実際にNTTに整備スピードを速めるインセンティブを与えるということも必要なものですから、このDSL事業、これについてのお考えをお伺いしたいと思います。
  53. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 今お話ありましたDSLサービスの問題でありますけれども、今委員がおっしゃいましたとおり、郵政省としてもこれはいい部分をとって推進していきたい、かように思っております。  御案内のとおり、これはNTTの場合はNTT局内に必要な設備を設置しなくちゃいけないという状況があるわけですね、機械を取りつけるということで。こういうことをコロケーションというふうにいうのでありますけれども、こういう手続の問題。それとまた、東西NTTの主配電盤、MDF、こういう接続の技術条件。また、要するにそういうところにつけるわけですから、料金の問題。こういうこともいろいろクリアしなくちゃいけないという問題があるわけでありまして、郵政省としても、既に省令の改正案を電気通信審議会に諮問中でありまして、八月の末を目途に省令案を確定して、九月にも実施していきたい、こういうふうに思っております。  また、七月三十一日に、東西NTTに対しまして、DSLサービス提供のための先ほど申し上げましたMDF接続の全国拡大、申し込みから開通までの工事期間を七営業日に短縮すること等について、文書による行政指導を行っておるわけであります。つまり、今までですと、まだこれは新しい技術なものですから、申し込んでもなかなか時間がかかる、それを七日以内にやっていく、こういうふうなことで今行政指導を行っているところであります。  委員も御案内のとおり、これは大変有効な技術でもありまして、韓国では光ファイバーを例えばマンションの近くまで引いて、それから要するにDSLの技術を取り入れている。非常に有効な部分もありますので、そういうところもよく研究しながら進めていきたい、かように思っております。
  54. 武正公一

    武正委員 さまざまな形で通信インフラ整備を行っていこうというような御決意を承りました。また、けさの新聞では、これは自民党さんの方でしょうか、建設国債から非公共部門、このIT関連もというようなことも出ておりましたので、そういった方向性が徐々に出されているのかなと。ただ、民主党とすれば、やはり財政再建、財政構造改革ということは堅持をしているわけですので、その分、ほかの公共部門が逆に減っていくべきであろう。ITは必要だけれども、むだな公共事業はやはり指摘をせざるを得ない。これは当委員会のまた所管ではありませんが指摘をして、次に移りたいと思います。  さて、生産性の向上を図る上でITがかぎになるということであります。ただ、IT推進は、どなたも言われるように失業がふえる、いわゆるアウトソーシング、中間管理機能が不要となるためにということと、それからITに必要な人材が実は不足している、本当に必要な人材が融通されていないという意味では、雇用の流動化こそ進めるべきだ、この二つの観点が言われるわけであります。  資本の効率的な利用を促すために、資本と労働は相互に補完的な関係にあります。当然、働く人々の仕事の内容も同時に変えていくようなことが予想されますが、これまでの工業社会を前提とした人づくりから、教育の内容を変えていこうということでありますね。これは沖縄憲章でもうたわれていることなんですが、教育制度もカリキュラムの内容も新しいIT社会に対応したものに変えていかなければならないということであります。  こういった一般的なこともさることながら、きょうは、労働と技術の複雑な現実を一つ指摘をさせていただいて、御所見を伺いたいと思います。  それは、システム開発ということでありまして、これは例えばNTTさんからNTTデータ通信、そこから大中小のソフトウエアハウスという流れで、段階的にシステム開発の仕事が受注されているケースがよく見られるんですね。  例えばNTTデータ通信にシステム開発全体を依頼すると、データ通信はプロパーの社員だけでは大規模システム開発を仕上げる労働力を持ち合わせていないために、下請の上場クラスのソフトウエアハウス数社に切り分けて仕事を発注します。NTTデータ通信と直接取引ができる会社はそう多くありませんので、信用上、過去の取引実績やコネクションなどが必要となるためでありますが、仕事を受注した上場クラスのソフトウエアハウスは、さらに仕事を細分化して、中規模のソフトウエアハウスに下請に出します。同様に、中規模のソフトウエアハウスは、小規模ソフトウエアハウスに仕事を分配します。このように段階的にどんどんと仕事が切り分けられていく。  そうすると、小規模のソフトウエアハウスは一番厳しい状況にあるわけなんですが、システム開発の一番下流工程であるために、端末を使ったコーディングという人海戦術を一番末端では繰り広げる、それで徐々にその仕事を上に上げていくような形なんですね。人海戦術がとられているわけです。  ですから、小規模のソフトウエアハウスは、人材を抱えることができずに、システム開発者をレンタルするなど、苦しいやりくりをしているのが現状であります。そこで、人材派遣会社に対して可能な限りプログラマーを派遣するよう要請し、人材が来るのを待ち続けるという状況が蔓延しておりまして、まさしく人材の自転車操業がITの下部構造を支配しているわけです。  また、小規模ソフトウエアの最後のとりでというべき人材派遣会社は、ソフトウエアハウスと労働者派遣契約を結びますが、時間労働者の派遣という大前提がありまして、つまり何時から何時まで労働者を現場に派遣しますけれども、生産性には責任は持ちません、あるいは成果物が上がるか上がらないかも責任は負いかねますというようなことが実態でございます。  しかし、ソフトウエアハウスは成果物に対する責任を負っていますからトラブルが生じることもあると聞きますし、また、日進月歩で進む技術開発の中で、エンジニアの政府認定国家資格、これは情報処理技術者ですから通産省の所管にはなるんですが、こういった資格が事実上今権威を失っているといった問題とも絡んでおります。  まず、こういった実態を御存じかどうかということを一つ伺いするとともに、きょうお伺いしたいのは、システム開発におけるこうした段階的な下請構造というものが実はIT化をおくらせる現実的な要因というふうに考えられるのですが、IT戦略本部の副本部長として御所見をお伺いしたいということが二つ目。  それから三つ目なんですが、大ざっぱに言うと、エンジニアの給料が上から百万円、八十万円、六十万円、四十万円、二十万円という格差でどんどんなってきまして、実際に派遣エンジニアは、NTTデータ通信という固有会社名を挙げるとあれなんですが、一緒に働いているそれぞれの方の給与を知っていますから、どっちかというと貴重なエンジニアが自分の仕事に、立場に疑問を持って開発現場から離れていくようなことが起こっていまして、現場はますます猫の手も借りたいような状況なんですね。これはまた労働省の守備範囲かもしれませんが。  人が技術を支えて、その積み重ねがITをつくっているわけですので、この人という問題は非常に大きいということでありまして、こういった構造的な問題についてどのような御所見をお持ちか、副本部長としてお伺いをしたいと思います。
  55. 平林鴻三

    平林国務大臣 今のシステム開発に必要な人材をどうやって増加させるか、確保するかという問題は、確かに今の雇用といいますか、そういう方面においても非常に重要な課題であると思っております。私もシステム開発の下の部分にいる人を一人知っておりますけれども、大変な忙しい目に遭っている、そういう話も聞きました。  これは、ゆっくり養成をしておればそれはいいんでしょうけれども、それでは間に合わない問題だと思いますので、私、副本部長として、労働省とか通産省とか、いろいろなところとも相談をいたしまして、できるだけ早くこの雇用の関係を円滑に充実する、そういう方途をこれから研究させていただきたいと思っております。今のところはおっしゃるような状況で推移しておるという認識を持っております。
  56. 武正公一

    武正委員 そうしましたら、先ほど触れました効率的な政府の形成ということに移りたいと思います。  六百四十五兆円の政府債務ということで、いかにお金のかからない効率的な政府をつくり得るかというテーマが大変重要な課題でありまして、このような観点に立って、来る中央政府の再編で総務庁、自治省郵政省が統合すると、果たして何がこれまでの郵政省単体の場合と異なる統合のメリットがあるのか。特に、郵政省として、どのような政策企画に影響があると考えているか、この点についてお伺いしたいと思います。
  57. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 今、御指摘ありましたように、これはもちろん国民のためにしっかりとメリットをつくっていかなくちゃいけない、かように思っておりますけれども、総務省は各省庁にかかわる制度の管理運営というところが原則でありまして、今回、人事管理であるとかまたは組織管理、行政監察、こういうところは今までの総務庁がやっていたところでありまして、そしてまた地方自治制度の管理運営、これは自治省が担当されておったわけであります。そしてまた、郵政省の方におきましては、情報通信そしてまた郵政事業ということで、今回郵政事業庁ということで下につくわけでありますけれども、こういう体制で行っていきたいと思っております。  郵政行政が一体となって総務省に移行するわけでありますけれども、総務庁であるとか自治省と統合していく中におきまして、統合して要するに垣根がなくなるわけでありますから、そういう中におきまして、例えば行政の情報化推進、また電子政府であるとか、こういうことも含めてやっていくわけでありまして、そしてまた地方の情報化推進、また、今までもこれはやっておりますけれども、特に郵政省なんかではワンストップサービス推進ということで、いろいろなことが考えられるのじゃないかと思っております。  そしてまた、これからはそういう意味におきましては、やはり先ほど大臣からもありましたように、デジタルディバイドだけではなくて、本当に地域間格差をなくしていく。そういう観点から考えますと、例えば二万四千七百の郵便局のあらゆるいろいろな業務がふえてくる、アプリケーションがふえてくる。こういうことを踏まえて、今までの郵政事業にない、もっと国民に対する大きな利便性がふえてくるのじゃないか、私はこういうふうに期待をしております。
  58. 武正公一

    武正委員 先ほど経済問題として、生産性向上のために経済ITをいかに使いこなし得るかということを聞いたのですが、今度は、効率的な政府の形成に当たって政府ITをいかに使いこなし得るかというテーマだと思っております。  沖縄憲章でも、「すべての国民による政府へのアクセス」云々ということが出ておりましたし、IT戦略会議でも、電子政府の実現、検討課題と出ておりますが、ただ、このときに余り行政改革という視点が強調されていないというふうに私は感じておりまして、結果的にはそうなるというふうに言われてしまえばそうなんですが、私は、六百四十五兆円の政府債務等も考えますと、やはり行革の視点からこの電子政府化といったことについて御所見を伺いたいと思っております。
  59. 平林鴻三

    平林国務大臣 確かに、行政改革の観点からも、電子政府と申しますか、ITを極力活用するということは大事なことかと思っております。  政府も既に着手をいたしておりますけれども、これからも努力をいたしまして、行政が効率的に行われるように、これは地方分権もあわせてでございますけれども、その中でITが果たす役割というのがさらに増大すると私は思っておりますので、その点の誤りなきを期したい。下手いたしますとミスだらけになりますので、そういうことのないようにやっていきたい、そう思っております。
  60. 武正公一

    武正委員 民主党が先般、「人間中心の情報化社会をめざして」ということでも提案を、その中でも電子政府の実現はもう提案をしておりますので、ぜひそれを着実に実行できるように、あるいはどんどんと先取りをしていただくよう要望して、終わりたいと思います。ありがとうございました。
  61. 小平忠正

    小平委員長 午後一時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ————◇—————     午後一時一分開議
  62. 小平忠正

    小平委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。高木陽介君。
  63. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。  本日は、大臣の所信に対しての質疑ということでございますけれども、本来なら郵政行政全般にわたって御質問をしたいんですが、時間も限られておりますので、本日はIT関連に関して絞らせていただいて質問をさせていただきたいと思います。  世の中、もうITITという言葉がはんらんしているような形の中で、特に先日の沖縄・九州サミットでもIT憲章が採択をされる、そういう状況下の中にありまして、先日も総理が所信表明で日本IT社会という表現を使われたと思います。その中で、コンピューター、インターネットを駆使したITがまさにグローバル化の象徴であると思うんです。  今世の中は、経済、金融、さまざまな分野において国境を越えて世界的な広がりを持っている。そのような中にあって、この日本IT社会というのは果たして具体的にはどのようなものなのか。例えば、日本独特にこれに力を入れてやっていきたいだとか、さらには、この部門については世界各国と比べても突出して力を入れていく、そういうような角度があるのかどうか。そういった部分、まず最初に大臣にお伺いをしたいと思います。
  64. 平林鴻三

    平林国務大臣 日本型という言葉の定義は人さまざまになっていく可能性がございますが、郵政省考え方を中心に申し上げたいと存じます。  やはり情報通信分野は、ITの活用によりまして、新規産業とか雇用の創出を通じて、我が国経済新生、今ちょっとまだ悪うございますから、新生をリードするとともに、二十一世紀発展基盤として大きな役割を果たす、そういう認識を持ちまして、郵政省としては、二十一世紀を開く発展基盤の整備、新規産業と雇用の創出、だれもが参加できる情報通信社会の構築、この三つの観点から、関係の省庁とも連携しながら諸施策展開していきたい、そう思っております。  具体的には、光ファイバー網などのネットワークインフラの高度化促進地域通信市場競争促進による料金低廉化の促進等のことが第一点でございます。それから、ギガビットネットワーク技術研究開発などの新市場の創出に役に立つイノベーションを生み出す、さような研究開発をやっていく。それから第三点といたしましては、これは世界でも最も進んでおると言われております日本モバイル情報家電を活用したインターネットに関する研究開発。第四点といたしまして、高齢者や障害者の方にも使いやすい情報バリアフリーの端末や、SOHOの活動を支える情報通信システムの開発というようなことを具体化していきたいと考えておるところでございます。
  65. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 まさにそれが全部できればすばらしいなというふうにも思いますし、そこのところを郵政省を挙げて進めていただきたいなとも思います。  さらに、IT革命を進めていく上において、まず政府だけが幾ら力んでみてもできない。もっと言えば、民間が果たしてどこまですそ野を広げていけるかどうか、これが一番重要な部分ではないかなと思うんです。ところが、郵政省というのはなかなか、規制官庁とも言われておりまして、さまざまな規制がある。もう一九九〇年代から規制緩和の流れというのが時代の流れであるんですけれども、やはり民間の力をさらに引き出していく上でも、どんどん規制の緩和、規制の撤廃、こういったものを進めていかなければいけないと私は思います。  そういった中で、今後の規制緩和に対する取り組みについてお伺いしたいと思います。
  66. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 郵政省でも一九八五年に電気通信分野における競争を導入いたしまして、もう委員御案内のとおりで、市場メカニズムのもとで競争原理を基本とした情報通信分野規制改革を行ってきたところであります。  この結果、十五年前には例えばNTTであるとかKDDの独占であったこの分野に八千三百社を超える事業者が参入いたしまして、こうした事業者間の競争を通じて通信料金の低廉化やサービス多様化が進展するなど確実に競争メリット国民に還元されてきたところであります。今現在も、そういう意味におきましては相当な競争が行われておるところが現実であります。  今後とも、こうした競争状況等を踏まえつつ、積極的かつ着実に規制の見直しに取り組んでまいる所存であります。  去る七月二十六日に電気通信審議会に諮問したIT革命推進するための電気通信事業における競争政策あり方、こういうことも踏まえながら、しっかりとそういうふうな形で競争を取り入れながら進展するように努力をしていきたい、かように思っております。
  67. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 この規制緩和はまさに、先ほど申し上げましたけれども、IT革命の大きな位置づけを持っていると思います。  ちなみに、今からもう七年前になりますか、当時公明党が連立政権、細川内閣でございましたけれども、本委員会委員でもある我が党の神崎代表が郵政大臣のときに携帯電話の売り切り制を推進した。その当時携帯電話がレンタルで数万円していたのが、今本体価格はほとんどただ同然という、まさに規制緩和をすることによって競争促進、さらにはそれが利用者におけるすそ野を広げていくという重要な役割をなしていくということで、しっかりとこの部分郵政省は推し進めていただきたいなとも思います。  次に、先ほど大臣の御答弁の中で、だれもが参加できるという表現がありました。これはまさに重要な問題だと思います。  というのは、よく言われるデジタルディバイド、いわゆる情報格差、これは先ほど質問の中でも地域格差という話もありましたけれども、ここでちょっととらえたいのは、特に障害者、高齢者に対する情報格差であります。  というのは、私ども公明党も、結党以来三十数年間、福祉を重視しながらやらせていただきました。そういった中で、だれでもが利用できる、まさにインターネットをだれでも利用できるようにするためにIT革命が進められていくということなんですけれども、まず、例えば手の不自由な方がマウスを使うのがなかなか大変である、または目の不自由な方々が画面でそれを認識していくのが大変、そういった中での端末の構造も考えていかなければいけないでしょうし、そういった部分での障害者、また高齢者等々に対する情報格差をなくしていく。  そのために、これは何も郵政省だけではないと思うんです、これは政府を挙げて、例えば通信機器になりますと通産省も絡みますでしょうし、そういった中で、今IT戦略本部の副本部長でもあられる大臣が、そこら辺のところをリーダーシップを発揮してやっていただきたいと思うんですが、そこら辺のところはどうでしょうか。
  68. 平林鴻三

    平林国務大臣 委員がおっしゃいますように、むしろ、このITというものは、高齢者とか障害者の人のために役立つということが望ましいと私も思っております。  それで、郵政省におきましても、先ほど申し上げましたように、だれもが情報通信の利便を享受できる情報バリアフリー環境の整備ということを考えながら、だれでも使える、易しく使える技術研究開発、あるいは民間における機器の設計、開発等のガイドラインづくりを支援するというようなことをやっていきたいと思うわけでございます。  現状を申し上げますと、次世代バリアフリーシステムの研究開発というようなことに取り組もうとしておりまして、これは、さまざまな障害に対応した、音声の読み上げや文字の拡大など、そういうようなパソコンインターネットを使いやすくする機能が自動的に提供されるということが目標でございますが、今はまだ、簡単なものはできておるわけですけれども、そこから先が開発過程であるということであります。  それからもう一つは、障害者等の電気通信設備アクセシビリティーガイドラインというものをつくりまして、ガイドラインの普及、定着を支援していきたいということでございます。  家庭、企業、地域など、生活のあらゆる部面ですべての人がIT恩恵を享受できる、いわゆるデジタルオポチュニティー社会というものの実現を目指していくべきであると考えております。
  69. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 今お話がありましたけれども、正直、障害者そして高齢者、例えば私の地元でもずっと歩いていて感じるのは、やはり高齢者の方々、文字配列というか、キーボードを見ただけでもうお手上げになっている、または、マウスといっても、何かアイコンが小さいだとか、そういうことで全くさわれない。そこら辺のところを克服するためにも、いろいろな機種の工夫だとかをやっていただきたいと思いますし、まさにそのためには、いろいろな優遇措置、その研究開発、こういったものにもっともっと力を入れていかなければ、ある意味では欧米のIT革命に追いつけない、もっと言えば全く離されてしまう、そういったことも考えられると思います。  もう一つ、障害者、高齢者に対する考え方で私も気をつけなければいけないなと思ったのは、バリアフリーという言葉はもうかなり定着したと思います。バリアフリーという問題は、バリアがあるからそれをどかしましょうという、私たち健常者から見れば、何か施してあげるみたいな発想というのがバリアフリーというのにある。  実は先日、これはちょっと逓信とは関係ないのかもしれませんけれども、考え方として知っていただきたいのは、ある障害者のNPO団体の会合に参加をさせていただいたときに、そこはもうユニバーサルデザインでいくべきですと。  過去何十年間か、そういうバリアを撤廃するためにみんな障害者の人たちも頑張ってきた。その障害者の人たちはいつも仲間内で集まって、陳情をしたり要望をしたりしてきた。これからはそうじゃない。健常者であろうが障害者であろうが、同じ土俵に立ってやるべきである。それには、最初から、スタートラインが同じ土俵であるというユニバーサルデザインという考え方、これを私たち国会議員を初め政治家がしっかりと身につけていかなければいけないという問題。  特に、これからIT社会になるわけですから、その社会構造、大臣が、まさに高齢者、障害者に対して本当に使いやすいためのIT社会なんだというふうにおっしゃられた。それがまさにユニバーサルデザインの考え方であるなと私自身は思いますので、それはまた郵政省の方でもしっかりと検討を重ねていただきたいなと思います。  続いて、次の質問でございますが、これも先ほど大臣の御答弁にありました料金の低廉化、これも大きなキーワードになってくるのではないかなと思います。特に、通信料金または接続料金。  実は先日、本会議での代表質問で、我が党神崎代表が質問をさせていただいたときに、この問題を取り上げさせていただきました。そのときに、通信料金引き下げ問題はIT革命の決め手となると。さらに、具体的な料金設定までうちの代表は本会議お話をされました。通信料、プロバイダー料込みで二千円から三千円台がいいのではないかというか、そういうところまで具体的に指摘をいたしました。  実は、これも、私ども公明党、昨年の秋口から署名運動をやらせていただきまして、本当に、政治に無関心な若い人たちも含めて、一千三百五十万人の方々の署名が、通信料を下げてもらいたい、接続料を下げてもらいたい、こういった署名が集まりました。  これはまさに国民の声であると思いますので、この問題について、郵政省としてのお考え、具体的な取り組みについてお聞かせ願いたいと思います。
  70. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 委員の言われることはもう本当にごもっともなことでありまして、低廉な定額料金制を我が国も導入することは、IT革命推進していく上で非常に不可欠なことだと私ども感じております。  具体的に申し上げますと、東西NTTは、通信料金に関しましては、ISDNを利用した月額四千五百円の完全定額制のサービスを本年七月から本格サービスとして開始しております。ただ、これもまだ、首都圏周辺または政令指定都市級の大都市から徐々にサービスを拡大し、本年度末までに県庁所在地級の都市まで広げていく、そういう段階にあるわけであります。  委員もこれは御専門ですから御案内のとおりで、要するにほかのインフラにつきましても、CATVの事業者が月額五千円から六千円の定額制を実現しているということもありますし、また、昨年末から、東京めたりっく通信等が、NTT加入者回線に先ほどお話に出ましたMDF接続することによってDSL、先ほどこれも出てまいりましたけれども、こういうことによって、料金体系を変えてできるだけ安くサービスができるようにしておるわけであります。  郵政省としましても、なお一層、低廉な完全定額制を早期に全国実施できるように、多様なアクセス系ネットワークの導入の促進NTT加入者回線のアンバンドル化等の環境整備を引き続き行う所存であります。できるだけ早く諸外国並みになるように努力していきたいと思っております。
  71. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 早くよろしくお願いいたします。  時間も限られましたので、最後、五番目の話と、六番目の質問については私の意見として述べさせていただきたいと思います。  まず、情報インフラの整備、これもネットワークインフラの基盤整備をしっかりしていくということで、これは先ほど来の質問、または先ほど大臣の御答弁の中にもありました。  この情報インフラ、例えば光ファイバー等は公共財として取り扱うべきであろう。昨日、きょうの新聞にも出ておりましたし、三党の政策責任者会議でも、光ファイバー網を公共事業一つとしてみたいな考え方が出てまいりました。今までは、NTTが敷設する中で、低利の融資ということで郵政省も頑張っていただきましたけれども、まさに光の道というものは公共財である、こういう考え方の中から、公共事業として敷設していこう。  また、これは郵政省予算のスキームの中だとなかなか大変なんですけれども、その枠内でどう考えておられるのか、それをお伺いしたいことと、あともう一つは、実はこれからのIT革命を進めていく上に、一つのモデル地域をつくったらどうかという意見もございます。  そんな中で、実は私の地元である八王子、多摩地域、八王子市だけで大学が二十一、多摩地域だけで三十を超えます。そういった中で、産学そして官、これが一体となったシリコンバレーみたいなものをどんどんつくっていくべきではないだろうか、そのための情報特別区、情報特区構想みたいなものをやったらどうかということで、実はその地域の大学が中心となって、TAMA産業活性化協議会、こういった会議体ができました。  そこの中で意見が出てきたのが、公共財であればこれは税金を投入してつくる、NTTがつくるから通信料がかかる、道路というものは税金でつくっているからただじゃないか、だから、光の道、光ファイバーの道を税金でつくってもらえれば、通信料がただとはいかないまでもかなり安く済むのではないか、こういった御意見がございました。  こういったことも含めて、情報インフラの整備について、公共財としての考え方、ここら辺のところをお伺いしたいと思います。
  72. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 先ほど来の質問にもありましたように、基本的には、政府の方針としましては、民間主導で光ファイバーを敷設していく、目標はもちろん二〇〇五年までに一〇〇%やりたい、こういうことで進んでおるわけでありますけれども、委員の言われるとおりでありまして、これは一年でも早くやっていくということは非常に大事であると同時に、光ファイバーをなぜ引くかということを考えた場合に、やはりデジタルディバイドであるとか地域間格差をなくしていく。  それとまたは、今言われたように教育関係であるとか、あらゆるところを地域的にネットワークをつくっていく、こういうことも非常に重要でありますので、それは、ある意味においては補助金を使ってみたり、そしてまたは、そういう意味におきましてはこれは公共的な重要なインフラであろう、私はかように思っております。  そしてまた、一番最初に申し上げましたような地域間格差ということを考えた場合に、例えばこれだけIT革命といっても、地域では携帯電話もなかなか通じないようなところがあるわけでありますから、そういうところもしっかりと公共的にやれるように努力をしていきたい、こういうふうにも思っております。
  73. 高木陽介

    ○高木(陽)委員 時間が参りました。  この情報通信問題に関しましては、これは党派を超えて必要だという認識になっていると思います。衆議院選挙のときには、公共事業あり方について与野党いろいろな意見が交わされている中で、この問題に関しましては民主党さんも進めるべきだという意見でございますので、しっかりと協力をし合って進めてまいりたいなとも思いますし、郵政省、しっかりと頑張っていただきたいと思います。  以上で終わります。
  74. 小平忠正

    小平委員長 次に、佐藤公治君。
  75. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 自由党の佐藤公治でございます。  本日、委員会におきましては初めての質問ということで、多少の失礼がありましたらお許し願えたらありがたいと思います。このたび、初めてということで、皆様方には本当に私どもの気持ちを酌んでいただき、各自、政治家みずから、大臣、皆さん方のお言葉で物を語っていただきたいと私どもは考えております。  先般、大臣の所信表明を受けまして、これを私も聞かせていただきました。これをつくられるに際して、森内閣が、また森総理が、やはりIT革命に国を挙げて全力でやっていく、こういうようなお気持ちなりお話を私どもも多々聞いておりますが、森総理と大臣との間での相談なり御指示はどういうものがあったのか。また、サミットを終えた後、またサミットを受けて、大臣にどんな御指示、御相談があり、IT関係に関して郵政としてやっていこうというのか、お聞かせ願えればありがたいかと思います。
  76. 平林鴻三

    平林国務大臣 御尊父の守良先生には随分お世話になったものでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  IT革命の関係でございますが、私が最初に郵政大臣にというお話を総理からされましたときに、まずIT革命推進努力をしてほしいということをおっしゃられました。あと二点ほどございましたが、さようなことで、最初から森総理が私に今おっしゃいましたことをはっきりと指示をされたわけですから、そのつもりで私も取り組んでいこうと思っております。  沖縄サミットの前さばきといいますか、いろいろな行事が東京でもございまして、その中でも、森総理が直接出席されて、各界の人たちと会議をなさったとか、いろいろなことがございまして、沖縄サミットを通じましても、IT革命の仕事の重要性というもの、私も認識を深めながら、総理のおっしゃったことに努力をいたしておるところでございます。
  77. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 今のお話の中で、森総理からお話があったということですが、大臣、具体的な森総理の、将来性のビジョンとか自分なりの考えとか、そういうもののお話があったのかどうか、あればお聞かせ願いたいと思います。
  78. 平林鴻三

    平林国務大臣 これは私だけではございませんけれども、総理は、早速にITの戦略本部及び戦略会議をおつくりになりまして、戦略会議で総理のお考えをるるおっしゃっておられます。この内容は、郵政省に関しては、今までに申し上げました。また、私のごあいさつでも申し上げましたとおりでございます。
  79. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 私は、そういうものに関して、発表されているものに関しては大体目を通させていただいたのですが、やはり本当に森総理及び平林大臣政治家同士での話がどうだったのかを聞きたかったのが本音でございます。しかし、時間の関係上もございますので、この所信の内容に従って幾つか御質問をさせていただきたいかと思います。  大臣の先日の所信の内容の中で、「電気通信分野における競争政策の一層の推進」、こういうようなことがございました。先ほど委員の方からの御質問にもちょっと重なる部分がありますが、私として、ここの部分で、大臣御本人が一番この競争政策に大事なこと、もしくは大事な政策、今お答えができるのであれば、教えていただけたらありがたいと思います。
  80. 平林鴻三

    平林国務大臣 この競争政策につきましては、もう十五年も前から着手をしておりますけれども、どんどん世の中が変わってきておりまして、改めて現在の姿において、あるいは将来を見通し競争政策あり方というものを今郵政省としても真剣に検討をいたしておるところでございます。  現在のことを具体的に若干申し上げますと、事実上独占状態にありますNTT地域網のオープン化、それからDSL、FWAというような多様なアクセス系のネットワークの導入を促進する。それから三つ目には、諸外国に対して、通信市場の開放を働きかけるなど、我が国通信事業者のグローバルな事業展開を支援するというようなことを今やっておるところでございます。  御承知のように、先月、電気通信審議会に対しまして、IT革命推進するための電気通信事業における競争政策あり方についてという文言で諮問を行いまして、今後の競争政策につきまして御審議をいただいておるところでございます。
  81. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 IT関連に関してまだまだ聞きたいことがあるのですが、時間も余りないので、所信の部分で私の聞きたいところを順番に、ランダムに出させていただきたいと思います。  これでいきますと五ページ目ということになりますが、「郵便貯金事業及び簡易生命保険事業につきまして」ということで、これにおける「全額自主運用等に向け、体制の整備を図るとともに、」という、こんなことを大臣がおっしゃられました。この「体制」ということに関して少し御説明、また「整備」ということに御説明いただけたらありがたいと思います。
  82. 平林鴻三

    平林国務大臣 この郵便貯金資金の自主運用のことにつきましては、財投の改革の一環として平成十三年の四月から全額自主運用が開始されるということになっております。  この資金運用の体制につきましては、従来若干の実績が、郵貯資金の一部を自主運用してきたという実績がございますが、その実績を生かしながら体制の整備を図りたいと思っておるところでございます。  そこで、平成十二年度の予算におきましては、運用職員の定員の拡大、資金運用システムの充実につきまして措置をいたしました。引き続き、上手に運用ができるように人材を養成していきたい、そう考えておるところであります。  資金運用に当たりましては、法律におきまして、確実で有利な方法により、かつ、公共の利益の確保にも配慮しつつ行うという原則が定められております。具体的には、運用対象につきましては、安全確実な債券を中心にする、また二つには、実際の運用手法におきまして、特定の銘柄等に偏った運用にならないように分散投資を行う、また、長期安定的な運用方法、バイ・アンド・ホールドというような名前になっておりますが、そういう運用方法を取り入れるというようなことで、安全性を考えてリスクの低減を図りたい、そういう考え方でございます。
  83. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 今お話がありまして、もう安全、確実、有利、こういうようなことでお話大臣にいただけましたけれども、今の体制に関して、まだまだ不十分な部分が多々あると私は思います。今、民間の会社を含めて大変いろいろな損失、いろいろと損をしている部分が多々ある中、ここの部分の安全、確実、有利ということに、やはりその体制なり人の問題、こういうものをより一層強化していただいてお願いしたいかと思います。  所信の方の前の方に戻るのですけれども、これはまたITの関係にもなるのですが、大臣が先般「デジタルオポチュニティーの活用」、「デジタルディバイドの解消」、こういうことをおっしゃられたのですけれども、こういうことに関しても、委員の方からも御説明、また質問等がございましたけれども、大臣のお思いになられる考え一つ二つあれば、言葉をいただけたらありがたいと思います。
  84. 平林鴻三

    平林国務大臣 郵政省考え方を少し細かく申し上げますと、今検討しておりますことは、一つは、地域情報化促進ということでございまして、地域インターネット導入促進事業、あるいは新世代の地域ケーブルテレビの施設の整備、あるいは沖縄の国際情報特区構想の推進というようなことがこの内容でございます。  二番目は、情報バリアフリー、SOHO、テレワークというような方面のことでございまして、身体障害者向けの通信・放送サービスの開発、字幕番組、解説番組等の制作促進、SOHOの普及に役立つようなシステム開発というようなことが内容でございます。  三番目は、国際間格差の解消でございまして、アジア太平洋IT研究者、技術者を育成する、それから、グローバルな遠隔研修パイロット実験というようなことを考えて研究しておる最中でございます。
  85. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 大臣、今も大体ごあいさつの中にも入っていたことでございまして、私は、本当に思うことは、大変失礼でございますが、大臣の知事時代も含めていろいろなことで見させていただく中、大変その能力たるや、私どもも敬意を表したものがございました。こういう中で、大臣の経験の中で本当に自分が思う、地方も日本もこうあるべきだというお言葉なりお話が聞かれればありがたいかと思っておりましたが、きょうのところはそういうことでの御回答ということでお聞きをさせていただきます。  これは私、質問等に特に考えてはいなかったのですが、今各党において、また与党において、利得あっせんとか入札干渉等々のことが議論され、話をされているかと思います。今、盛んに建設省、建設委員会等々でこういうことが、予算委員会でも話をされておりますが、このことに関しましては、私どもが考え、見てきたことは、騒ぎが起きてからばたばたするような事態ということがいつもいつもあるような気がいたします。  郵政に関しましても、建設や何かに負けないぐらいのいろいろな大変な公共的な部分の仕事があるかと思います。こういう部分で私ども議員も襟を正し、もう一度考え直さなきゃいけないこともたくさんあるかと思いますが、こういうことに対して大臣のまた御意見なり御感想、今後の省における目の光らせ方をお話し願えればありがたいかと思います。
  86. 平林鴻三

    平林国務大臣 実は私、デジタルディバイドのことに関して気になりますのは、やはり私どもが住んでおります田舎の状況がどうかということでありまして、これは、常田参議院議員、政務次官でありますが、私と同郷でございますので、特にお願いをして、田舎のデジタルディバイドというものの状況をよく見てほしいということを実はお願いしておるところでございます。そのことをつけ加えて申しますが。  政治倫理の問題というのは、これはもう政治家の一人一人の自戒自粛がやはり一番大事なことであると心得ております。また、公務員倫理につきましても、現在は相当厳格ないわばルールを定めまして、その維持確保に努めておるところでございます。  特に郵政省というところは、国民のお金を預かるそういうところでございますから、特に職員の自覚を高めるとともに、いわゆる監察制度等の活用によりまして誤りのないようなことを期していきたいと思っております。
  87. 佐藤公治

    佐藤(公)委員 わかりました。今後とも何とぞよろしくお願いいたします。  今までのいろいろな話の中で私が重要だと思う一点だけをお話しさせていただければ、このIT革命を含めて、情報産業関係、やはりそのスピード、時間、その期限、期間、こういうものが本当に大事だと思います。本当に国民が豊かになるがために、この時間を先送り、先延ばし、期限を切らずだらだらやるような、もしも今までのそういう体質、体制があるのであれば、ぜひとも大臣の御手腕、その決断力、実行力でこれを早めていただければありがたいかと思います。  最後になりましたが、先ほども名前が出ました私の父佐藤守良がこの委員会を含め皆さん方に長きにわたり本当にお世話になり、後を受けてというわけじゃございませんが、新たな一政治家としてこの委員会で一生懸命頑張らせていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  88. 小平忠正

    小平委員長 次に、矢島恒夫君。
  89. 矢島恒夫

    ○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。  持ち時間の関係で、私は、先般決着しましたNTT接続料引き下げの問題に絞って、幾つかの問題をただしていきたいと思います。  先般の決着を見ますと、モデルケースAを三年間で実施する、三年間のうち当初の二年間に引き下げを前倒ししてやっていくんだ、こういう中身になっていると思います。  私は、これまでも何回も当委員会等でただしてきた問題ですけれども、このことによってユニバーサルサービス確保に支障を生じたりしてはならないとか、あるいは既存の地域電話会社の利用者料金及び経営に破壊的な影響を与えないよう適切に配慮するという答弁を何回もいただいております。  今度のこの決着について、本当にそのことがきちんと守られるのかどうかという点を、幾つか私も危惧している点も含めてただしていきたいと思うのです。  そこで、一番最初に大臣にお聞きしたいのですけれども、今のことなんです。今回のこのNTT接続料金の引き下げ交渉の結果、電気通信のユニバーサルサービス確保に支障を生じてしまったり、あるいは利用者料金が値上がりするというようなことは絶対に起きないとぜひ断言していただきたい。そのことを確認したいと思います。
  90. 平林鴻三

    平林国務大臣 今矢島委員がおっしゃいましたことは、二年前でございましたか、ちょっと日にちが間違っておりましたら後で訂正いたしますが、アメリカに三つ示しておりますが、一つは、ユニバーサルサービス確保に支障を生じたり、既存の地域電話会社の利用者料金及び経営に、NTTとは書いてございませんが、経営に破壊的な影響を与えないよう適切に配慮する、さような表現を用いてやっておったものでございます。さようなことでございます。
  91. 矢島恒夫

    ○矢島委員 大臣の決意として、それを守っていくということをぜひお答えいただきたかったわけですが、その経過は私もわかっていますので、それでいいのですね、大臣
  92. 平林鴻三

    平林国務大臣 さようでございます。
  93. 矢島恒夫

    ○矢島委員 そこで、私は、その料金の問題とユニバーサルサービスの問題で幾つかの懸念を持っています。  というのは、今回の交渉の結果、現在のスキームではどうもユニバーサルサービス確保が難しくなるのではないかということで、NTT法の改正など法的な手当てが必要だという論議がいろいろ起こっているのですね。それから、先ほども佐田総括政務次官お話がありましたが、電気通信審議会にこれからのNTTあり方という問題で諮問をされているといういろいろな状況を見るときに、前にも、あれは三年前になりますけれども、今回こういうような方式、つまり長期増分費用方式というものを入れるに当たっての日米間の話し合いの中で、当時の郵政大臣が、当時はまだそのことは国会にもいろいろ諮られたわけじゃないのですが、結局は、アメリカとの間での公約にしてきたということがそもそもの発端として今日こういう事態を招いているわけですね。  そこで、私が危惧するのは、今回のこの日米共同現状報告を読みますと、どうもまたそういう公約を新しくやったのかなという心配があるのです。それは、郵政省は、ノントラフィックセンシティブ、いわゆるNTS、このコストをどのように回収するかに関する研究を二〇〇〇年中に開始し、NTSコストを現在の従量制接続料で回収すべきか否かについて二〇〇二年中に決定する、こういう文書が入っていますね。  そこで、まず確認したいのですが、これは局長で結構です。これは饋線点RTなどのNTSコストを従量制接続料で回収しないとするモデル、つまりケースBですか、四一・一%の引き下げ率、基本料金が三百円ぐらい値上げになってしまうから郵政省としてはこれは受け入れられないといったケースB、この導入に向けて二〇〇二年まで検討をする、こういう解釈でよろしいですか。
  94. 天野定功

    天野政府参考人 お答え申し上げます。  今回の日米の最終的に取りまとめられた共同現状報告書では、このケースBの扱いにつきましては、NTSコストを現在の従量制接続料で回収すべきか否かについて二〇〇二年中に決定するとしており、ケースBへの移行を前提とするものではございません。
  95. 矢島恒夫

    ○矢島委員 ケースBを前提とするものではない、これでいいのですね。では、ケースBは入れるか入れないか、移行するかどうかを検討するんだということではないというのですね。そうだということですか。
  96. 天野定功

    天野政府参考人 この報告書の正確な表現は、NTSコストを現在の従量制接続料で回収すべきか否かについて二〇〇二年中に決定すると言っていますから、検討はするわけです。検討はするのですけれども、あらかじめケースBに移行を前提として、当然に移行することを前提に検討するものではない、こういうことでございます。
  97. 矢島恒夫

    ○矢島委員 言い方は、今までもいろいろ郵政省の答弁は、そのときに言われると、いやそんなことは前提ではないと言って、その時期になりますと、そういう方向へどんどん行ってきたという例がありますので、検討するということは、少なくともこれは、中身そのものはケースBについて検討するのですから。移行するかどうかは別としてですよ。  ケースBは今までだめだった、こういうことが起こるからケースAでいこう、こうなっていたわけですよ。今度の決着も、前倒しはありますが、そういう方向で来たわけです。ところが、それが最近になったら、今度はケースBを研究していかなきゃならないということは、今までもケースBの問題はこの委員会でも取り上げてきたのですから、ケースBをまた考えるということは、一般的にとらえれば、そっちへ移行するんだなと思われても仕方がないけれども、私はケースBになった場合について、重大な問題があるだろうと思うのですよ。それは今までのこの委員会における郵政省の答弁そのものからしたって、これは受け入れられないんだということが結論として出ていたわけですからね。  そこで、こういうことでお聞きしたいのですが、もし、このNTSコストを従量制接続料で回収しないとすれば、だれが負担することになるのかということです。  これをNTTが負担しないということになったときにはというので、ことしの二月の電気通信審議会の答申では、基本料金として回収するか、もしそうなった場合には、NTS費用が利用者に新たに直接転嫁されることになり、それから定額接続料金で回収した場合には、米国の例に見られるように、接続業者が定額制で利用者に間接的に転嫁するおそれがある。つまり、いずれにせよ、利用者負担になるんだなと。これがことし二月の電気通信審議会の答申ですよね。明確に利用者負担になる。  今回のこの日米共同現状報告を見ますと、そのケースBを採用するに当たって、改定されたLRICモデルが、我が国ユニバーサルサービス確保に支障を生じないこと、NTT日本及びNTT西日本経営に破壊的な影響を与えないこと、そしてもう一つ、三つ目に、従量制接続料金から定額エンドユーザー料金へのコスト回収のあり得べき移行に対して幅広く公の支持を得るように適切な考慮を加える。  この文章そのものはまことに持って回った言い方ではありますが、しかし、これを読んでみますと、利用者料金への転嫁に際して、幅広く公の支持を得るようないわゆるLRICモデルに改定するようにしていくんだと、素直に読めば。先ほど局長が言ったように、それが前提じゃないんだ、研究するだけだということかもしれませんが、大体そういうふうにして、公の支持が得られるような適切な考慮を加えるという形になっている。  そこで大臣お尋ねしたいのですが、これは三年後には、先ほど局長が答えましたが、ケースBを導入して、その減収分を利用者料金の値上げで賄うという約束なのか、そうではないのか、その辺を明確に答えてください。
  98. 天野定功

    天野政府参考人 ただいま御指摘のケースBを私どもはこれから検討するわけでありますが、このケースBの検討は、委員指摘のように、今までNTSコスト、いわゆるネットワークのコストの中で固定的な部分、これは接続料で回収しておったわけでありますが、ケースBの考え方は、それを加入者回線のコストとして回収することになりますので、これは利用料金にはね返るおそれが十分あるわけであります。  ですから、これを導入することは、アメリカが言うように直ちに何年目から導入するというようなことはお約束できません、十分検討をして、そういった料金体系に対して国民的幅広いコンセンサスが得られた場合でなければとてもそれは導入できません、こういうことを言ってきたわけであります。  今回の、先ほど委員のお読みになりました現状報告の日本訳の部分でございますが、それと同じ趣旨のことを書いているわけでございまして、決して当然にアメリカに導入を約束したわけではありません。あくまでも今後検討して、その検討の結果、そういう新しい料金体系なり料金政策国民的に受け入れられるような土壌が形成されなければそれは実施できないという考え方は、今もって変わっておりません。
  99. 矢島恒夫

    ○矢島委員 今局長が言われたように、国民的ないろいろなコンセンサスを得た上でなければだめなんだということの答弁でした。  そこで、私は、郵政大臣として、ぜひこのNTSコスト回収方法の決定に当たっては、利用者料金に転嫁しない、値上げしていかないんだと大臣の政治的な考え方として発言していただきたいと思うのですが、これは無理ですか。
  100. 平林鴻三

    平林国務大臣 今はっきりと申し上げるわけにはいきませんけれども、私どもとしては、利用者料金というのは上がるよりも下がる方を目標にしておるわけでございますから、もしさような事態が生じました場合には、今局長が申しましたように、それはもう国民的な合意というものをはっきりと形成した上でこのお願いをするということでなければなるまいと思っております。
  101. 矢島恒夫

    ○矢島委員 ぜひその検討の中では、料金値上げということをしないという方向での検討お願いしたい。  時間がなくなりましたから、少し飛ばします。非常に基本料金日本は高いという、これは郵政省の方、ことしの通信に関する現状報告の中に出ておりまして、下げるべきだ、むしろ下げる方向でと大臣が言われたように、内外価格差のところに出ておるのですけれども、例えば東京千七百五十円に対してパリでは千二百五十一円だというような数値も含めて書いてありますので、私としては、大臣の今の御答弁のように下げるという方向こそあれ、上げるには国民的な合意が必要なんだ、その点をひとつしっかりと貫いていただきたいと思います。  そこで、きょうも既にいろいろと問題になってきたいわゆるデジタルディバイド、この問題に関連して、ユニバーサルサービスの問題で少しお聞きしたいのです。  ただし、私は、このいわゆる通信のユニバーサルサービスという問題ですが、今度接続料金を引き下げるということを契機にしまして、いろいろと、日本テレコムだとかあるいはKDDIが市内電話に参入すると。先ほど大臣も答弁の中で使われましたけれども、三分九円だとか八円だとか、こういうことが報道されています。  しかし、私一番危惧しているのは、全国あまねくサービスを提供する義務があるのはNTTだけです。日本テレコムやKDDIというのはそういう義務はありませんから、全国すべて参入しているところを九円や八円にするというわけではない。既に東京ではTTNetというのが参入していますから、これは三分九円ですか、だから、都市部では参入しても十分にやっていけるのですよ。ところが、山間部だとか離島だとか、そういうような部分にはなかなか参入してこないのですよ、こういうところは。ということは、NTTのいわゆるユニバーサルサービスをどう考えていくかという非常に基本的なものになってくるわけです。  私は、いわゆる政治というものは、このユニバーサルサービス考え方について、NTTはそれが義務づけられている、しかし、一部そういう新たな参入によって安い地域が出てくる、それから引き続き料金の下がらないところがある、これもなくしていくことがいわゆる政治的な意味でのユニバーサルサービスだと思うのですよ。NTT料金格差をつくったとかなんとかという問題じゃなくて、ほかの業者との間の格差という問題も考えていかなきゃならないと私は思うのです。  そこで、どうも今の状況を見ますと、このままいきますと、都市部の料金は安くなる、ところが、それ以外の地域料金は安くならない、あるいは場合によっては相対的に高くなる、こういうような事態が来てしまう。  どうなんでしょうね、ユニバーサルサービスについて、都市部の料金だけ安くなればいいんだという考え方はないと思うのですが、今のままいったらそうなってしまうという危惧があるのですが、何かそれに対する手だて、どんなふうに考えていらっしゃるのですか。
  102. 平林鴻三

    平林国務大臣 法律に書いてあることでございますが、「会社及び地域会社は、」というのは日本電信電話株式会社等でございますが、「国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、」云々、こういうことで法律に明示をされております。そのとおりに、現在、東西NTTの電話サービスが行われておると考えております。  それで、今回の接続料引き下げを契機として、一部のNCC、いわゆる新規参入事業者でありますが、NCCが市内電話への三分十円以下の料金での参入を検討中という話を今聞いておるところでございますが、このような地域通信分野における競争の本格化といったことを考えますと、現在、東西NTTにのみ課されておりますユニバーサルサービスあり方について問題も生じてくるだろう、そういうことはやはり考えておかなければなりません。  したがって、今後でございますが、競争が進展する中でのユニバーサルサービス確保あり方というものにつきましては、今回七月に諮問をいたしました電気通信審議会の中でこれはもう十分に御審議を願わなければいかぬことだ、そう思って、現在その段取りをしておる最中でございます。
  103. 矢島恒夫

    ○矢島委員 時間になりましたので、お尋ねするのじゃなくて、私の意見だけ申し上げて終わりにしたいと思うのですけれども、IT革命の中の論議の中で、大臣も言われたように、デジタルディバイドという問題が出てまいりました。この影の部分、こういうものが論議されているわけですけれども、やはり、インターネットもそうですが、こういう高度情報通信は都市部と過疎部との間を問わずあまねくというのは、これは所信の中でも、IT革命恩恵をすべて国民が享受できるとか、あるいはだれもが参加できる情報通信社会を構築するのだと言われておるとおりだと思うのです。  ただ、私が危惧するのは、今私が論議してきたように、これからひとつ、NTTの電話通信についてもユニバーサルサービスというのをいろいろ検討しなければならない。つまり、ユニバーサルサービスというのを広く大きく考えていくのじゃなくて、だんだん何とかこの概念を狭めていこうというような方向で論議されたのではこれは大変なことになるし、そのことは、いわゆるIT革命といいながら、この問題を発展させない方向へ行ってしまう問題ですから、十分この点を考えながら、しかもそれを拡大するという方向で論議していただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
  104. 小平忠正

    小平委員長 次に、横光克彦君。
  105. 横光克彦

    ○横光委員 社民党の横光克彦でございます。  大臣、お二方の政務次官、御就任まことにおめでとうございます。  日米間のここ数年来の懸案事項でございましたいわゆるNTT接続料金問題が決着をいたしました。決着をしたというより、私の考えでは、アメリカの要求を丸のみされたのではないか、そういった印象を強く持っているわけでございます。  この合意によりまして、NTT経営に与える影響をまずお聞きしたいわけでございますが、政府は、従来から日米交渉あるいはこの国会の中における答弁で、NTT経営状況にかんがみ接続料引き下げは四年間で二二・五%が限界であるとずっと答弁されてきました。しかし、これが今回は三年間で二二・五%、しかも最初の二年間で二〇%程度引き下げる、さらに最初の二年を経過した後見直すという合意になっているわけですね。  四年間で二二・五%ということを前提に今NTTは三カ年の経営計画をつくり、合理化に大変努力している。その上に今回こういった引き下げに合意したわけで、経営に非常に深刻な影響を与えるのではなかろうか、とりわけ人員削減等のリストラをさらに強いるのではなかろうか、こういったことが予測されますが、いかがお考えでしょうか。
  106. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 今委員お話にありましたように、東西NTT接続料引き下げについては、五月の平成十一年度の東西NTT財務状況が当初の見通しよりも好転をした、こういうことを受けましてこういうふうな形になってきたわけであります。  今お話がありましたように、四年間で二二・五というふうに言われておりまして、今回、アメリカの方では二年間で二二・五と言ってきたわけであります。そういう中におきまして、事務レベルで、我々の方としては何としてでも三年間で二二・五、この枠は絶対に基本として変えない、決して丸のみということではありませんで、これはしっかりと守っていきたい、こういうふうにも思っております。  それと同時に、NTT地域会社においても、三年間での実施についていろいろな経営努力、そしてまた乗り切る旨を明らかにしているところでありまして、先般の交渉の場面におきましても、NTTの方とはよくその辺の協議はさせていただいておるわけであります。  また、大変心配されておりますリストラの関係でありますけれども、NTTとしては、今回の決着内容を実現できるよう努力していきたいとしているところでありますけれども、このことをどのように実現していくかは社内で検討中のところであるわけであります。ただ、今のところ、これはもう既にいろいろな意味で経費節減、こういうことを中心に今行っているところであります。  以上です。
  107. 横光克彦

    ○横光委員 経営が好転したというお話ですが、これは極端によくなったというわけでもないし、これからこれは普遍的にずっとよくなるというわけでもない。そういった中で今回の合意はかなり影響が大きいだろう。今これから社内で検討するということですが、相当厳しい合理化に取り組まなければいけない事態になったなという気がいたしております。  なぜ私がこのことを心配するかと申しますと、先ほど来多くの委員質問されておりますいわゆるユニバーサルサービスに大変影響するからでございます。  まず郵政大臣にお聞きいたしますが、ユニバーサルサービスの是非をまずお聞かせください。これはこれからもずっと維持していくのだ、あるいはもう打ち切るんだ、どちらかをはっきりまず姿勢を示していただきたいと思います。
  108. 平林鴻三

    平林国務大臣 現行法におきましては、ユニバーサルサービスというのを日本電信電話会社法で東西NTT等に対して義務づけておると解しております。将来どのようになっていくかということにつきましては、現在、電通審に諮問をいたしております中で、いろいろな角度から研究がされるもの、また議論もされるものと考えておりまして、ユニバーサルサービスというものが非常に大事なことだという認識は引き続き国民各位がお持ちになるものだとは思いますけれども、これをどのように具体化するかはこれからの論議にまつべきものだ、そのように思っております。
  109. 横光克彦

    ○横光委員 今の御答弁によれば、ユニバーサルサービスはこれからも維持が必要であるという趣旨だと思う。ただ、これから電通審にゆだねるというお答えでございますが、私は、先ほどからお話ございますように、国民にあまねく平等のサービスを提供するという意味からも、このユニバーサルサービスはやはり維持していくべきだという気がしているわけですね。  ところが、今回の合意によって、いわゆる市内通信に本格的な競争が始まろうとしております。先ほどからお話がありますように、新規事業者がもう来年の五月には日本テレコムとKDDIですか、三分間九円で参入しようと表明しております。ここでお聞きいたしますが、この表明が郵政省にどのように報告されているか、いわゆる全国的に展開する気があるのかどうか、そこのところをお聞かせいただきたいと思います。
  110. 平林鴻三

    平林国務大臣 私どもは、まだはっきりしたことを聞いておりません。
  111. 横光克彦

    ○横光委員 これは来年五月という時期的なことをある程度表明されておりますので、そのための体制というのを会社としては今からとっておるわけで、そういった意味では、ユニバーサルサービスを含めて非常に大きく事業展開が変わる転換期になる問題ですので、郵政省としてもかなり積極的に意見交換しながら、やはり進めていってほしいと思います。  そして、なぜユニバーサルサービスが必要で、なぜ今までこれが維持できていたのか、これはもう当然のごとく、NTTはこれは義務化されているわけですから、都市部の黒字で地方の部分赤字を補てんしてきているわけでしょう、それでようやくユニバーサルサービスというものが維持できているんですよ。  それが、私が今聞いたのは、新規事業者全国展開するには、そういう意欲があっても時間がかかるし、恐らく都市部、中心部だけに参入してくるんですよ。これはもう目に見えているわけですね。収益の上がらないところに参入してくるわけないんですから。そうしますと、結局、先ほど言ったNTTが都市部の黒字で地方のユニバーサルサービスの義務のために補てんしている形が、だんだんそういった市場が侵食されてくるわけでしょう。しかも、向こうが値段を下げても、義務化がありますからNTTは値段を下げるわけにはいかない。あるいは、下げたらさらに厳しくなる。  そういった状況の中でこのサービスを維持していくにはどうすればいいのかということで、いわゆる完全に競争上不利になる、あるいは競争的に公平性を欠くような事態が生まれる。それが、先ほど私が心配している経営に大変な影響を与えるということにつながる、こういう思いがしているわけでございます。  通信コストの引き下げIT革命の成功のキーポイントである。アメリカでは、その引き下げがあれだけIT革命が成功した最大の要因であるということが如実に示されております。それは必要でしょう。  そしてもう一つ、やはりこの革命の成功を握るのが私は研究開発だと思うんですね。いろいろこれだけすさまじい競争、著しい進歩の中で生き残っていくためには、研究開発が私は勝敗を分けると思う。この研究開発には膨大な先行投資が必要なわけですね。そうした場合やはり、世界に打って出る日本IT革命を成功させるには、何といってもNTT抜きでは考えられないわけですよ。そのNTTがそういった経営状況になってしまうと、研究開発に膨大な先行投資が必要な競争の中でそれが実行できるかどうか、そういうことさえも不安視されるわけですね。  ですから、私は、あくまでもユニバーサルサービスを維持するという国是であるならば、これは新規事業者にも、ユニバーサルサービスに準じるサービスを提供すべきだ、そういうことを促していくべきだ、そういう思いをいたしておりますが、その点はいかがでしょうか。
  112. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 委員の言われることは大変ごもっともなことでありまして、ユニバーサルサービスは今までのNTTの独占の形態、こういうことからなされてきたわけでありますけれども、情報通信のインフラの一番の基本は何かといったらば、やはり委員の言われるように地域間の格差の是正、デジタルディバイドも言われておりますけれども、そういうことをまず基本に考えていくということは非常に重要なことだと私も考えております。  と同時に、日米間でも、ユニバーサルサービスの堅持ということは、これは約束されておるわけでありますから、しかしながら、今言われましたように、接続料が下がってくる、そしてまた、その中でこれをやっていかなくちゃいけないということになりますと、基本的な部分からこれは考え直さなくちゃいけない。  そういうところで、先ほど大臣も言われましたように、電通審で今議論をしていただきまして、その中でしっかりとそういうものが満足できるように、そしてまたなおかつ、この研究というのは、今委員が言われたことも非常に大事でありますから、今アメリカの方のAT&Tでも連絡をとり合いながらやっているというお話も聞いております。その辺もしっかりと踏まえてこの結果を見てまいりたい、かように思っております。
  113. 横光克彦

    ○横光委員 電通審の審議というものに非常に頼っているわけですが、それはそれでいいと思います。しかしやはり、郵政省もこの問題は今から考えておかなきゃいけないと思うんですね、ユニバーサルサービスを維持していくためにはどのような方法があるのか。NTTだけで対応できるのか、地方の通信を一体だれが担うのか、そのためには、サービス維持にはどのような方策があるのか、そこまでやはり考えていかなきゃならない。  いろいろな欧米各国の実例もあるわけですね。いわゆる基金を募るファンド方式もある。あるいは、やはりここで、大臣のきのうの発言にもございましたように、IT革命恩恵をすべての国民が享受できるように図ってまいる、そして、関係省庁との連携施策を積極的に推進し、IT関連分野への政策資源の集中投入を図ってまいりますというふうに言われておるんです。総理もそういった趣旨のことを言われている。今の森内閣も、経済新生プランでIT革命推進する、財政的にも重点的な思いで立ち向かうというようなことを言われているんですね。  ですから、そういったファンドという方策と、もう一つは、みんなにあまねく享受を与えるという大臣の意思があるならば、やはり国がある程度支えていかなきゃならない、いろいろな形でサポートしていかなきゃならない、そういったことも念頭に置かなきゃならないと思いますが、いかがでしょうか。
  114. 平林鴻三

    平林国務大臣 ユニバーサルサービスの問題が焦点といえば焦点でございますが、そのほかにも電気通信関係の社会的なあるいは世界的な情勢変化というのが多々ございますので、さようなことをあらゆる角度からと申すとまたちょっと言い過ぎになるかもしれませんが、各方面からのお考えというものを素直に伺いながら、郵政省としての政策を確立していくということが必要だと思っております。  電通審に対しまする諮問につきましても、私どもが予断を持って、あらかじめどういうことになるだろう、したいというような気持ちを抱かずに、各方面の御意見を素直に伺いながら、電通審が意見をまとめてくださる、それを受け取って政策に移すというような考え方で臨んでいきたいと思っておるわけでございます。
  115. 横光克彦

    ○横光委員 市内通信とともに、私は、これからIT革命によりインターネットの普及はすさまじく爆発的になるであろう。現在で二千七百万人がこれに加入しているような状況、こういった中で、インターネット分野でも、私はユニバーサルサービスという問題が生じてくると思いますよ。現在でも格差がはっきり出ているわけですね、定額制の問題で。  先ほどからもお話出ていますが、やはり、インターネットの本旨といいますか一番のすごいところは、都市部と地方の格差を縮小することができる、地方でも一瞬にして世界情報を得ることができる、これがインターネットのすばらしさ。ところが、ここに料金の問題が出てくると、この格差が縮まるどころか、中央と地方の料金の差があるために、差が縮小するどころかえらい拡大しているのが現実なんですよ。こういった意味からも、ユニバーサルサービスという意味が、必要性が出てくるという気がするんですが、この分野においてもユニバーサルサービスの対象にすべきである、そういったお考えはありませんか。
  116. 平林鴻三

    平林国務大臣 いずれにいたしましても、今後の電通審の審議におきまして、今おっしゃったようなことがいろいろと議論が行われると思いますので、その議論にまちまして郵政省としての方針を確立していきたいと思いますが、委員のおっしゃいましたようなことも十分頭に置きまして今後に対処してまいります。
  117. 横光克彦

    ○横光委員 どうぞよろしくお願いいたします。  もう一問お聞きしたいんですが、アメリカで、長期増分費用方式による接続料の算定方式について、アメリカ高等裁判所は、地域通信会社が実際のコストを回収できないとして違法との判断を下した、そういった報道がございました。  さきの通常国会で電気通信事業法を改正して、接続料の算定方式として長期増分費用方式ということを導入する、こういうことになったわけですね。となりますと、この方式は果たして妥当なものであったのかどうかということが改めて問題になってきたんじゃないか。  アメリカで、まあこれはまだ高等裁判所ですから、さらに最高裁まで控訴して問題が裁判で論じられるんでしょうが、最終結論ではないとはいえ、アメリカの高裁がコストを回収できないということで違法の判断を下した方式日本で導入することが果たして妥当かどうか、ここのところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  118. 平林鴻三

    平林国務大臣 これは、委員指摘のように、アメリカの連邦高裁で七月十八日に判決が出ておりまして、FCC、これは連邦通信委員会でございますが、FCCが規則で規定している長期増分費用方式という接続料の算定方式が、米国通信法の接続料算定原則を定めた条文、第二百五十二条に合致しないという高裁判決が出た由でございます。  これまた委員指摘のところでございますが、我が国では、さきの通常国会において電気通信事業法の第三十八条の二を改正いたしまして、長期増分費用方式を導入する根拠規定を整備いたしましたことから、米国のように法律条文に合致するかどうかという問題は、日本においてはない、アメリカではあるという関係になってしまっております。  なお、我が国におきましては、相互接続料引き下げ観点から、いわば通信政策として新しい算定方式すなわち長期増分費用方式を導入するために、電通審に諮問をして、答申を受けた上で法律の改正を行ったという経過もございます。  今日のところでは、アメリカの通信法上の位置づけの行方につきましては十分注視をする必要はございますけれども、直ちに我が国の法律制度に影響はない、そういう観点に立っております。
  119. 横光克彦

    ○横光委員 本当に終わりますけれども、この問題はいずれ大変な問題になりかねないという気が私はしていますので、郵政省としては、この問題を注視しながらしっかりと対応していただきたいと思っております。  終わります。ありがとうございました。
  120. 小平忠正

    小平委員長 次に、平井卓也君。
  121. 平井卓也

    ○平井委員 21世紀クラブの平井卓也でございます。  十人の新しい会派ということで、しかも私は新人議員でございまして、委員長初め皆さんの御配慮によりまして質問のお時間をいただきますことを、本当に感謝を申し上げます。  限られた時間でありますので、インターネットの接続の環境についてのみ御質問をさせていただきたいと思っております。  平林郵政大臣にお伺いします。  先日の逓信委員会における大臣の御発言の中に、IT革命の基盤となる情報通信サービスの向上を促進するため、とりわけインターネット向けの低廉な定額料金制の全国普及を図るとありました。しかし、現状は必ずしも将来の姿が明確ではないように思います。  私もインターネットのヘビーユーザーでありまして、時、場所を選ばず利用させていただいておりますが、その中で、選択肢として、携帯であったりPHSであったりCATVであったりISDNであったり光ファイバーであったりDSLであったり、いろいろな選択肢がありますが、安くて早いインターネットの接続サービスの普及のために、具体的にどのような施策をお考えでしょうか。
  122. 平林鴻三

    平林国務大臣 インターネットユーザーとして非常に活用しておられるというお話でございますから、実態は私よりもはるかに詳しく御承知だと思いますが、お答えをいたします。  御承知のように、東西NTTはISDNを利用した月額四千五百円の完全定額制サービスを七月から本格サービスとしてやっております。これは全国すべてというわけではございませんで、首都圏周辺とか政令都市級の大都市から徐々にサービスエリアを拡大していって、本年度末までに県庁所在地級の都市での提供を開始する、そういう状態でございます。  また、さような状況にありますために、郵政省としては、東西NTTに対しまして、早期に全国展開をするようにということを申し上げたところでございます。  ISDN以外にも、CATV網とかDSLとか、いろいろなシステムがございまして、NTT以外の事業者につきましても、なお一層低廉な完全定額制を早期に全国で実現できるように、かようなことを考えて、多様なアクセス系ネットワークの導入の促進NTT加入者回線のアンバンドル化等の環境整備を図ってまいりたい、そういうぐあいに考えております。
  123. 平井卓也

    ○平井委員 インターネットや企業内情報ネットワーク利用者を中心に、今すぐに利用できる高速アクセスネットワークニーズが強くなっています。そうした中で、こうしたニーズにこたえるために、既存の電話線を利用して高速伝送を行う技術の実用化が、これは技術としては結構古い技術でありますが、十年前にアメリカで開発されて、各国でもう既に利用されております。  午前中の佐田総括政務次官の御答弁の中でも触れられておりましたが、普通に家庭やオフィスで使用している電話回線で高速のデジタル通信を行うDSL、デジタル・サブスクライバー・ラインという技術は、考えてみると、コストの面でも非常にすぐれていますし、ISDNよりも実は高速であるということも言えます。そういった中で、今の光ファイバーの普及とか、現状をかんがみると、現状ではDSLは優位性もあり、本来ならもう少し普及してもいいものではないかと私は考えていますが、佐田総括政務次官の所見をお伺いします。
  124. 佐田玄一郎

    佐田政務次官 先生今言われたとおりでありまして、日本におきましては始まったばかりでありますけれども、このDSL技術は、既存の東西NTTの電話線を利用し、電話によるインターネットよりも十倍以上の高速サービスの提供を可能とする技術でありまして、DSLサービスは、光ファイバー等を利用する他のサービスと比較して、極めて安価な費用でネットワークの構築が可能となるというふうに考えております。  また、東西NTTや東京めたりっく通信などでは、昨年十二月から、東京、大阪及び大分の一部地域でDSLサービスを開始し、七月現在では千五百を超える回線を提供中でありまして、郵政省としましても、DSLサービスの提供エリア拡大を東西NTTに要請するなど、DSLサービスの導入促進に向けて取り組んでいるところであります。  郵政省としては、DSLサービスに加え、CATV等の多様なアクセス回線の利用により、定額制サービスの早期全国展開が可能となるように環境整備をしていくわけでありますけれども、先生言われたとおり、先ほども私は韓国の例を出しましたけれども、韓国なんかの場合は非常にマンションが多いわけですね。日本なんかの場合はちょっと違いますけれども、その辺を加味して、日本に合ったDSLのサービスができるように鋭意努力をしていきたい、かように思っております。
  125. 平井卓也

    ○平井委員 それでは、天野電気通信局長にお伺いいたします。  今のお話のDSLですが、先月末までにADSLの施設を認めた電話局、いわばDSLに必要なスプリッターでありますとかルーターというものの設置ですが、電話局に、東京では六カ所、大阪では七カ所、千葉の柏市、大分市に各一カ所だと聞いております。また、ADSLの一部の業者から、NTTの対応が障壁になって、新規事業サービスというものの実施に支障を来しているというようなことを新聞の記事等で拝見をさせていただきました。  地域間格差をなくすということも考えてみると、電話線というものは今日本の国に地方も含めて全部行っているわけでありまして、そういう意味では、地域間格差を解消する意味でもこのDSL普及をもっとしなければならないのではないかと私は思います。  そこで、DSL普及のための施策をどのようにお考えか、お尋ね申し上げます。
  126. 天野定功

    天野政府参考人 DSLの普及促進策につきまして、現在私どもが取り組んでいる状況を御説明申し上げます。  まず財政金融上の措置といたしましては、本年度から、MDF、いわゆる主配線盤と呼んでおりますが、MDF接続によりましてDSLサービスを行う第二種の電気通信事業者に対しましては、政府金融機関による低利融資を実施いたしております。  それからまた、今先生御指摘のように、DSLサービスを行う場合には、NTTの設備との接続など、あるいはNTTの局舎へDSL事業者の設備を同居させる、いわゆるコロケーションといった問題がございます。そういったものをルール化していこうということで、七月の末に、私どもは東西NTTに対しまして、DSLサービス提供のためのMDF接続の全国拡大、それから申し込みから開通までの工事期間を七営業日に短縮すること、またDSLサービスなどに関する情報開示等につきまして、文書による行政指導を行ったところでございます。  このコロケーションに関する手続だとか、あるいは今申し上げました東西NTTのMDF接続の技術的条件や料金に関するルール化につきましては、既に省令改正案を電気通信審議会に諮問中でございまして、八月末を目途に省令案が確定し、九月にも施行の見込みでございます。  このような形で、DSLの早急な普及について今鋭意取り組んでおるところでございます。
  127. 平井卓也

    ○平井委員 平林大臣も御指摘のとおり、地域間格差の解消というのが大変重要であります。それは共通の認識でありまして、確かに光ファイバーの敷設というのは重要で急がれますが、インターネットの接続サービスは、料金体系ということも一つありますが、もう一つ利用者の選択性というものも重要ではないかと考えております。ですから、DSLの新規事業者が速やかに順調に新規事業として立ち上がれるように、今後とも御配慮をいただきたいと思います。  私もインターネットのヘビーユーザーでありまして、柔軟な対応をしていただくと利用者は喜ぶということを身をもってわかっておりますので、どうか、ぜひ今後とも御配慮をいただきたいと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。
  128. 小平忠正

    小平委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十四分散会