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2000-08-04 第149回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年八月四日(金曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長 中山 成彬君    理事 稲葉 大和君 理事 今村 雅弘君    理事 中野  清君 理事 望月 義夫君    理事 日野 市朗君 理事 渡辺  周君    理事 赤羽 一嘉君 理事 山田 正彦君       岩倉 博文君    奥谷  通君       木村 太郎君    砂田 圭佑君       高木  毅君    竹本 直一君       林田  彪君    福井  照君       町村 信孝君    松下 忠洋君       松宮  勲君   吉田六左エ門君       渡辺 博道君    筒井 信隆君       中津川博郷君    松崎 公昭君       松野 頼久君    松原  仁君       三村 申吾君    山井 和則君       山村  健君    山本 譲司君       漆原 良夫君    山名 靖英君       黄川田 徹君    大森  猛君       塩川 鉄也君    藤木 洋子君       金子 哲夫君    北村 誠吾君       西川太一郎君     …………………………………    国務大臣    (国土庁長官)      扇  千景君    国土政務次官       蓮実  進君    運輸政務次官       実川 幸夫君    政府参考人    (国土庁防災局長)    吉井 一弥君    政府参考人    (大蔵大臣官房審議官)  木村 幸俊君    政府参考人    (文部省教育助成局長)  矢野 重典君    政府参考人    (厚生省生活衛生局長)  西本  至君    政府参考人    (厚生省社会援護局長) 炭谷  茂君    政府参考人    (農林水産大臣官房総務審    議官)          田原 文夫君    政府参考人    (中小企業庁長官)    中村 利雄君    政府参考人    (運輸省運輸政策局観光部    長)           鷲頭  誠君    政府参考人    (気象庁長官)      山本 孝二君    政府参考人    (建設省都市局長)    山本 正堯君    政府参考人    (建設省河川局長)    竹村公太郎君    政府参考人    (建設省住宅局長)    三沢  真君    政府参考人    (自治省税務局長)    石井 隆一君    政府参考人    (消防庁長官)      鈴木 正明君    衆議院調査局第三特別調査    室長           飽田 賢一君     ————————————— 委員の異動 七月三十一日  辞任         補欠選任   相沢 英之君     亀井 久興君 八月四日  辞任         補欠選任   松岡 利勝君     松宮  勲君   葉山  峻君     松原  仁君   塩川 鉄也君     大森  猛君 同日  辞任         補欠選任   松宮  勲君     松岡 利勝君   松原  仁君     葉山  峻君   大森  猛君     塩川 鉄也君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  災害対策に関する件(平成十二年有珠山火山活動及び対策状況並びに伊豆諸島における火山地震活動及び被害状況)     午後二時二十一分開議      ————◇—————
  2. 中山成彬

  3. 中山成彬

    中山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 中山成彬

    中山委員長 本日は、特に平成十二年有珠山火山活動及び対策状況並びに伊豆諸島における火山地震活動及び被害状況について調査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。蓮実国土政務次官
  5. 蓮実進

    蓮実政務次官 有珠山火山活動及び伊豆諸島における火山地震活動について御報告を申し上げます。  このたび、国土総括政務次官を拝命いたしました蓮実進でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  神津島における地震でお亡くなりになられました方とその御遺族に対し、心から哀悼の意を表したいと存じます。  また、有珠山噴火三宅島の火山活動神津島新島式根島等地震による被災者方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  総括政務次官として、扇長官を補佐し、災害対策全力を尽くしてまいる所存でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。委員長を初め、委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。  有珠山火山活動に対しましては、三月三十一日に噴火後、直ちに国土庁非常災害対策本部現地現地災害対策本部設置し、対応を図ってまいりました。今日まで人的被害発生をしておりません。噴火後四カ月余りが経過し、火山活動も低下しつつあり、これに伴って、避難対象者は現在三百七十八名となっております。  このようなことから、政府といたしましては、被災地における対策については、復旧復興段階に移りつつあると認識をしております。今後、地元自治体がまとめられる計画について、国としてもできる限り御支援をしてまいりたいと考えております。  次に、伊豆諸島における火山地震活動について、三宅島では六月の二十六日以来火山活動が活発化するとともに、新島神津島三宅島、式根島等震度六弱を初めとする地震が多発をいたしております。これまでの火山活動及び地震活動に伴い土砂崩れが多発し、特に七月一日の地震による土砂崩れにより、神津島において男性一名が死亡したほか、十一名が負傷をいたしております。また、現在、新島住民四百十三名を対象避難勧告が、神津島住民二百二十六名を対象避難指示及び避難勧告が出されております。さらに、降灰による被害住宅、道路、水道等への被害発生をいたしております。  政府といたしましては、三宅村、新島村及び神津島村への災害救助法適用、自衛隊、警察、消防、海上保安庁による要員、航空機、船舶の派遣等必要な対応を図るとともに、被災箇所応急復旧に努めてきたところであります。  伊豆諸島災害については、引き続き予断を許さない状況にあり、監視活動注意深く続け、住民方々安全確保に万全を期するとともに、速やかな復旧復興に向けて、地元自治体と密接に連携を図りながら、政府を挙げて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
  6. 中山成彬

  7. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 有珠山火山活動及び三宅島の火山活動新島神津島近海等地震活動について御説明いたします。  まず、三月三十一日噴火しました有珠山につきましては、引き続き金比羅山及び西山西ろくの二つの火口群噴火を継続していますが、深部からのマグマ供給は停止しており、一連マグマ活動は終息に向かっていると考えられます。懸念されていた火砕サージを含む火砕流の発生可能性もありません。しかしながら、両火口群で現在と同様の爆発が継続すると考えられることから、当分の間、火口から五百メーター程度の範囲では、噴石及び地熱活動に対する警戒が必要であります。  次に、三宅島の火山活動についてですが、三宅島につきましては、六月二十六日十八時三十分ごろからマグマ活動に伴う地震が多発し、マグマは当初三宅島西側山腹に貫入し、その後西方海域に移動、二十七日午前海底で噴火しました。その後マグマ供給はほぼ停止しましたが、七月四日ごろから山頂直下地震が観測され始め、八日、山頂陥没による高さ八百メーターの噴煙を観測し、十四日から十五日にかけて山頂陥没火口水蒸気爆発発生しました。現在、山頂陥没火口の深さは約五百メーターであります。  今後の火山活動見通しでございますが、山体の収縮が継続していることから、マグマは降下していると考えられ、これに伴い山頂陥没が起きております。現在も山頂直下地震活動及び地殻変動が観測されており、今後も水蒸気爆発発生する可能性があります。このため、山頂付近では噴石等に引き続き注意が必要ですが、山ろくでの噴火可能性はありません。しかし、山ろくでの降灰、雨による泥流には注意が必要です。  この三宅島のマグマ活動影響により、六月末から三宅島西方海域地震活動が活発化し、また、神津島東方海域の地下には、三宅島のマグマとは別に岩脈状マグマが貫入していると考えられています。これらのマグマ活動影響を受け、新島式根島神津島三宅島及びその周辺海域を含む領域では、これまで震度六弱の地震が四回、震度五強が七回発生しています。  神津島東方海域マグマ活動は直ちに火山噴火等表面現象にはつながらないと考えられますが、これらの領域では、しばらくの間地震活動が継続するものと考えられ、地震発生する場所によっては強い揺れを伴うことが考えられます。  なお、三宅島の火山活動新島神津島近海地震活動等によるわずかな量の体積ひずみ変化が東海地域で観測されていますが、現時点では東海地域地震地殻活動影響を与える可能性はありません。  気象庁監視体制でございますが、この地域では、気象庁のほか国土地理院防災科学技術研究所、大学、地方自治体等観測機器を整備しており、気象庁はみずからの観測網に加えて各機関の地震計震度計、GPS、傾斜計等各種観測データをオンラインで収集し、迅速に処理しております。これにより、一連地震火山活動状況を把握しております。  また、これまでの地震により地盤の緩み等発生していることから、少量の雨でも土砂崩れがけ崩れ等発生するおそれがあります。このため、土砂災害発生について警戒を呼びかける適切な気象警報気象情報等の発表に努めてまいります。
  8. 中山成彬

    中山委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  9. 中山成彬

    中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤羽一嘉君。
  10. 赤羽一嘉

    赤羽委員 公明党赤羽一嘉でございます。  質問に入ります前に、今般の有珠山また伊豆諸島噴火火山活動におきまして、また地震活動におきまして大変な被害を受けられた被災者皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  今回、限られた時間でございますが、有珠山火山活動について、また三宅島、新島初め伊豆諸島火山活動地震活動について、今御報告のあったことについて何点か質問をさせていただきたいと思います。  まず、質問に入らせていただきたいと思うんですが、きのう実は質問通告をするそのときに、きょう私の質問では九人の政府参考人の方が出席をされている。私はこういうことを意図していなかったわけであります。非常災害対策本部長国土庁長官だ、その国土庁長官代理をされている総括政務次官の方が当然災害について全般を掌握されているものの認識の中で、総括政務次官と今の現状、またこれからの展望について質問をし、回答をいただきたい、こういうふうに思っておりました。しかし、細かな点になりますと、それは国土庁では回答できません、学校を防災拠点にするのは文部省でありますとか、いろいろ防災無線受信機の配備についてはどうなのか、こういうことを聞いても、それは消防庁でしか答えられませんと。  このような役所とのやりとりをしながら実は思いましたことは、五年前起こりましたあの阪神淡路大震災のときの教訓というのはどうなったのかということであります。  私、実はきのう、ほかの委員会質問もありましたものですから夜十時まで議員会館におりましたが、それから議員会館の部屋の棚にある小里地震担当大臣が書かれた「震災大臣特命室」という本を引っ張り出してきまして、どんなことが書かれてあったのかということを夜遅くまで読んでおりました。  このときに言われているのは、小里さんは現場に入られて、私も被災地選出議員として本当に一緒に震災復旧復興に走ってきたわけでありますが、国の体制の強化、要するに政治のリーダーシップが大事なんだと。それは、組織、非常災害対策本部、また現地対策本部、こういった枠組み、一体だれがその責任者となるかということと、それにあわせて財政支出の決断、財布がないとなかなか何もできない。また、被災者というのは非常に不安で、いろいろなことが、うわさも流れますし、これからの先行きがどうなるかということも明示されない。これについては政府の明確な姿勢を示す必要が大事だということが小里大臣のこの本、危機管理という項目に書かれてあります、総括政務次官も読まれたと思いますが。  このような中で、本当に今回、国土庁というのは調整官庁とも言われておりますが、非常災害対策本部本部長長官を据えたからには、私はもうちょっと、各官庁がつかさつかさで具体的なことをやっていくということはよくわかりますが、その連携ぶりということはぜひやはり国土庁が掌握をしてしかるべきではないかという感想を持ちました。それについてまず言及をさせていただきたいというふうに思っております。  具体的な質問に入らせていただきますが、有珠山の方につきまして、るるこれまで国土庁から御説明をいただいた中で大変な状況だなというのは、この数カ月、三月から四、五、六、七、八と五カ月目を迎えていまだに避難所におられる方、また、結局もともといた居住場所に戻れない方、これは二百二世帯いるという報告がございました。三百七十八名の方が戻れない。  この居住不可能となった方たちに対して、国会で議員立法ででき上がりました被災者生活再建支援法対象として最高百万円という額が生活支援金として支給されたわけでありますが、しかしこれは、二百二世帯のうち百三十世帯の方が公営住宅だ、七十世帯の方については多分持ち家の方だと思います。この持ち家の方が避難されて戻ることができない地域に指定された。この方たちに対してどのような支援策があるのか、現状はないのか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。     〔委員長退席今村委員長代理着席
  11. 蓮実進

    蓮実政務次官 お答えを申し上げたいと思います。  有珠山噴火災害長期避難世帯支援策についてのお尋ねがありました。これは、七月二十八日に、現在も避難指示が継続をしている地域は今お話しのように約二百世帯被災者生活再建支援法適用対象となる長期避難世帯としてこれは認定したところであります。こうした適用は、この法が施行して以来初めての事例となるわけであります。今後は、支援金の支給が円滑に行われるよう努力をしてまいる所存であります。  また、今の持ち家を失った被災者に対する総合的な支援必要性についてのお話がありましたが、持ち家を失った被災者に係る支援につきましては、町で検討しております復興計画の実現のためにどのような事業手法が可能なのか、関係省庁と検討し、総合的な支援を講じる所存でおります。町が具体的に復興計画を北海道と住民と相談をしているところだと思っております。被災者が移転する場合に計画書が出てくると思いますので、それをもとに支援してまいりたいというふうに思っております。
  12. 赤羽一嘉

    赤羽委員 阪神淡路大震災のときも住宅再建の問題というのは大変な問題がありまして、そこが制度としてクリアされたというふうな理解を私はまだしておりません。  この七十世帯についてどのような計画が出てくるかということについて、恐らく町のレベルで対応できるような話ではないのではないか。被災者生活再建支援法案も、あの阪神淡路大震災ででき上がった。これまでは常識ではなかなかできなかった法ができ上がりました。今回、この有珠山噴火災害において、このような特殊事情の中で国として国民に対して何をなし得るのかということを、ぜひ具体的に支援を進めていただきたいというふうに思っております。  また二点目は、洞爺湖温泉ホテル旅館、これが十六軒ありますが、そのうち、ようやく七月の末、この八月の頭から九軒が再開されたという報告を聞いております。  この虻田町という町内、私はテレビで見たんですが、虻田町の町内税収の七割が実は旅館ホテル街固定資産税だ、このように伺っております。その納めるべき旅館ホテル街は、この三月からほとんど営業ができてこなかった。恐らく、今どういう状況になっているのか御報告をいただきたいと思いますが、噴火災害以前の客のにぎわいというのはなかなか期待できないのではないか。運輸省も大変なキャンペーンをしてバックアップに努めておりますが、なかなか、行くのは国民ですから、非常に厳しい状況に置かれているのではないか。  そういった中で、今そこの町、被災地の実質的な財政を担っている旅館ホテル業現状がどう掌握されているのか、そして今後どのような支援を考えられているのか、このことについてお答えを願いたいと思います。
  13. 鷲頭誠

    鷲頭政府参考人 それでは、まず洞爺湖温泉ホテル旅館営業状態現状、それから見通しについてお答えしたいと思います。  有珠山噴火以降、避難指示対象とされ営業を行うことができなかったホテル旅館等でございますが、火山活動鎮静化に伴いまして、七月二十八日までに避難指示がすべて解除され、順次営業が再開されているところでございます。  ただいま先生から御指摘ございましたが、政府登録ホテル旅館について申し上げますと、洞爺湖温泉内の十一軒のうち八軒が現在営業を再開しておりまして、残りの三軒につきましても、営業再開に向けました準備を進めているというところでございます。
  14. 赤羽一嘉

    赤羽委員 営業状態はどうなっているのですか。
  15. 鷲頭誠

    鷲頭政府参考人 手元にあります資料で、例えば洞爺温泉ホテルなどでは、前年の宿泊数四千名に比べまして、八月でございますが、予約状況がまだ三百ということで、おっしゃるとおりよくない。もう一つ、洞爺パークホテル天翔というところでは、前年の宿泊数が八月で二万五千でございましたが、現在予約状況が四千といったような状況で、そういう意味ではまだまだという状況でございます。
  16. 赤羽一嘉

    赤羽委員 ですから、二万五千の予約で四千とか、今の具体的な数字が出ておりましたが、前年度に比べると激減ですよね。被害を受けられ、その修復だけでも大変な費用がかかっていると思いますが、そこにかかわる人件費、これまでの営業ができていなかった期間のロス、それに加えて、営業を再開したとはいえこういった状況の中で、こういったことについてどこが責任を持って対応していくのですか。運輸省なんですか、国土庁なんですか。この観光協会人たち被災者ですよね、被災者の声というのはどこの省庁が聞いていくのですか。
  17. 吉井一弥

    吉井政府参考人 災害を受けました地域についての復旧はもちろん復興につきましても、国土庁関係省庁と連絡調整しながら施策を講じているところでございまして、今先生指摘になりました地域復興というのも、今後有珠山火山活動が大分終息してきた現状を踏まえまして、これから大変大きな課題になってまいると思いますので、運輸省初め関係省庁とよく連絡をとりながら、政府全体として考えてまいりたいと思います。  先ほど蓮実総括政務次官からお話しになりましたように、町として全体の復興計画を立てるというふうにお伺いしておりますので、それを政府としても全力を挙げて支援してまいりたいと思います。
  18. 赤羽一嘉

    赤羽委員 観光協会の問題だけではなく、その観光協会からの税金が町の大半税収になっている、こういった状況の中で、当然自治省運輸省とともに国土庁が旗を振って、有珠山の被災されているこの地域方たちと、やはりこの夏、非常に観光の書き入れどきでありますから、総括政務次官、ぜひ一度現地に行かれ、国土庁の幹部とともにその機会を持たれることを強く要望したいというふうに思っております。  三宅島を初めとする伊豆諸島のことについて質問を移らせていただきたいと思いますが、こちらについて非常災害対策本部というのは設置されておりませんが、その設置をされる、されないという判断というのはどこにあるのですか。防災局長で結構ですから。
  19. 吉井一弥

    吉井政府参考人 お答え申し上げます。  政府非常災害対策本部設置に関しましては、災害対策基本法の二十四条に規定がございまして、非常災害発生した場合において、当該災害の規模その他の状況により当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣設置することができるというふうになってございます。これ以上の具体的な基準は定められておりませんで、最近の例では、阪神淡路大震災の後、平成九年に東京湾油流出事故がありました際に、運輸大臣だったと思いますが、本部長といたしまして設置されておりまして、あとは、今回の有珠山噴火に対しまして設置されてございます。  伊豆の地震噴火等に対しては非常災害対策本部設置されてございませんが、地震あるいは噴火があります都度、官邸に関係省庁の局長レベル等集まりまして、この中で二回、総理大臣官房長官も御出席いただきまして対策を検討しておりますし、また別途、噴火とか地震があったときではない別の時期に、内閣官房長官関係省庁関係局長等を集められまして、政府全体としての対策について検討しているところでございます。  そのような形で、伊豆諸島火山活動地震に対する政府としての対応政府全体として取り組んでいるところでございます。
  20. 赤羽一嘉

    赤羽委員 今の回答ですと、非常災害対策本部設置基準というのが明確じゃない。五年前の阪神大震災のときにもいろいろ問題があったと思いますが、ここもやはりなかなか簡単ではないと思います。災害の種類も違いますし、初期動作のときに判断できないこともあると思いますし、三宅島のようにもう終局をしたと思いながら地震活動震度六の地震が続いている、こういった状況の中でどう認識をしているのかということは一つ課題ではないかというふうに思います。  そこで、三宅島、新島神津島等々の報告を見ていて、私たち公明党は何度かにわたってこの伊豆諸島現地視察団を送っておりますが、家屋の全壊というのは、御報告では神津島の一棟と式根島の一棟ということになっております。しかし、現実、島の特性だと思いますが、この島の斜面のところに住んでいてがけ崩れになって、家が壊れていないように見えて、のぞくと、その家の中の大半土砂で埋もれている。現実居住不可能となっている世帯というのは、ここに数字に出てきていないのではないかというふうに思うのです。  被災者生活再建支援法案のとき、地震を根拠につくった法律でしたから、その判断基準として、全壊、半壊というような罹災証明基準が採用されましたけれども、これは水害のときにどうなのかとか、台風が、去年ですか、おととし、かなり来たときに、水害全壊という概念がどれだけ持ちこたえられるのかということ。また、今回の島における火山活動土砂に埋もれている、こういったことについて、本来は被災者生活再建支援法案というのは、家の住居空間がつぶれてしまったということからああいった法律が出てきたのではないかというふうに思っているのです。  今回、有珠山の方、先ほども御答弁ありました初めてのケースだ、家は壊れていないけれども居住不可能となったということで二百数世帯適用があったわけですけれども、今回この伊豆諸島について、そういった観点での被災者生活再建支援法適用を考慮するような被災者世帯というのはないのだろうか。ないのかあるのか、今の現状はどうなんでしょうか、回答をお願いします。
  21. 吉井一弥

    吉井政府参考人 お答え申し上げます。  被災者生活再建支援法適用につきましては、法律適用となる自然災害によりまして住宅全壊したもの、または住宅が半壊し解体を余儀なくされる住宅等が対象となっております。  また、先ほども総括政務次官の答弁にありましたが、有珠山のところにありますように、いわゆる長期避難世帯の被災世帯としての認定につきましては、火砕流等の発生により身体または生命に著しい危険が切迫している等によりまして、住宅への居住が長期にわたり不可能な状態が継続することが見込まれるというような必要性が生じていると判断される場合ということになってございます。  今回の三宅島、新島神津島等の噴火地震災害につきましては、各村からの報告では、私どもでは、現在のところ支援法の対象となるような被害状況ではないというふうに承知してございますが、今後の被害状況を見ながら適宜適切に対応してまいりたいと思います。
  22. 赤羽一嘉

    赤羽委員 よろしくお願いします、外見だけではなくてどうなっているのか。  それで、土砂または降灰の除去作業についてなんですが、伊豆諸島の島というのは、現地に行っていただければわかりますが、若者というのはほとんど東京、島外に出ている、極めて高齢者率の高い状況になっております。降灰を除去したくてもそれをする人手がない、また金もない。先ほど、土砂で家の中が埋もれているような家というのは数多くある。それも同じような状況であります。  あの阪神淡路大震災のときに、解体の処理、これは当時、個人の家の解体処理は私有財産であるから公費ではできない、こういった話で始まりましたけれども、そのようなことを言っていては全く復旧の第一段階が始まらない。こういった中で、当時の政治的な判断、決断の中で、公費による解体処理ということが認められました。  今回の個人の家にある降灰の除去、また土砂の除去、こういった作業についての費用負担、また現実的な、物理的な人手としての除去をどうするのか、どのように国土庁として考えられているのでしょうか。
  23. 吉井一弥

    吉井政府参考人 お答え申し上げます。  宅地に堆積いたしました降灰等の除去につきましては、災害により大量の灰の堆積等が発生した場合、市町村長が指定した場所に運搬、集積されたものにつきまして、市町村が都市災害復旧事業として実施するものにつきましては、国がその費用の二分の一以内を補助することができるというような制度がございます。  ただ、先生ただいま御指摘ありましたように、三宅島の火山噴火によりまして、多くの方々住宅への降灰の堆積や土砂の流入に大変御苦労なさっているということは私どももお伺いしておりまして、特に高齢者等の災害弱者の方々が、宅地から降灰を除去することにつきましては、大変強い要望をお持ちだということをお伺いしております。火山噴火は、例えば今回の有珠山でございますとか桜島等でも、全国各地でいろいろ被害が出ておりますが、それぞれの被災地域におきまして降灰等の除去が実際にどのように実施されてきたのか、またされているのか、実態を過去の事例も含めまして十分調査検討してまいりたいと思っております。  今後とも、被災地復旧に向けまして、地方公共団体と緊密に連携を図りながら、地元の要望にきめ細かく対応していけるように努めてまいりたいと思います。     〔今村委員長代理退席、委員長着席〕
  24. 赤羽一嘉

    赤羽委員 まさに、降灰は雨が降ると泥流となって二次災害につながる可能性がたくさんあると思いますし、今のように、島は急傾斜地が多いわけですから、公有地まで持ってこれるんだったらそれは処理はできるんですよ。そこに持ってこれないという大変な悩みがあるのであって、ぜひ地元の状況をつまびらかに調査されて、これはもうある意味では前例ができていることだと思いますので、ぜひこの点について特段の御配慮をいただきたいということを要望しておきたいと思います。  あと、三宅島の人たち、また新島人たちについては、これほど毎晩のように震度四、五、六の地震がある。そのことに対して、皆さんはやはりテレビでしか知らない、ニュースとしてどうなのかと。そこの心理的な、精神的な負担感というのは非常に大きくなっていると思います。  私も阪神淡路大震災被災地におりまして、しばらく、今揺れているのか揺れていないのかわからなくなる、平衡感覚がもう完璧に狂ってくるんですね。これが、震度二ぐらいでも相当精神的に参っているのが、きのうの夜もテレビを見ていると地震速報がずっと続いている。さっきの地震速報なのかなと思うと、時間が微妙に違う。こういったことは、高齢者が相当の、一般の人よりもまさに社会的弱者の方たちの負担というのは、我々の想像以上のものがあるのではないかということを本当に心配しております。  そこで、例えば、具体的な情報を提供する。再地震について、また避難の的確な情報を供給するということの中で、有珠山については防災無線受信機の配備というのがされているんですが、伊豆諸島についてはこれはされていない、こういう現実があるわけです。この伊豆諸島に対して防災無線受信機の配備について検討することはないのかどうか、ぜひ御回答いただきたいと思います。
  25. 鈴木正明

    鈴木政府参考人 お答えいたします。  防災無線は、お話しのように、住民方々への災害情報の伝達手段として大変有効だというふうに考えております。  それで、お話し伊豆諸島、中でも、現在これまでに避難が行われております三宅村、それから神津島村、新島村、これは式根島も含みますが、そこにおきましては防災無線が整備されております。具体的には、地区ごとに屋外スピーカーを整備し、また、それぞれのおうちに、戸別受信機と申しまして、ラジオぐらいの大きさの戸別の受信機を置いているという形の整備が整っておりまして、そういったものが防災情報の伝達に有効に活用されている、こういう状況でございます。
  26. 赤羽一嘉

    赤羽委員 今、その現状なんですけれども、私たち認識している現地調査団から聴取していることは、そういったものの配備が不十分だということも聞いておりますので、ぜひもう一度現地状況を確認していただきたいというふうに思います。  幾つか質問があるのですが、時間も押していますのでなんですが、毎回の震災とか自然災害のときに避難所に集まる。避難所は大体学校の体育館が使われる。体育館には畳はない、マットもない、だからいつもそこらじゅう毛布か何か敷いて、非常に劣悪な状況で、洗面所もない。こういったことが毎回の自然災害のたびに繰り返される。特に、有珠山についても三宅島についても、何十年に一遍は必ず噴火するんですね。これは多分、これから永遠に続いていくんでしょう。  全国でそういった地域というのは限られていると思いますので、国土庁としてぜひ一度洗い出して、学校の体育館に限りませんが、そこの地域避難所となるようなところには、防災設備、マットレスとか洗面台とか何でもいいと思いますが、そういったものを常備する。そして、避難所というと、何となくいつまでも、何十年たっても、みんなで雑魚寝をして何日も眠れぬ夜を過ごすなんということを経済大国日本がいつまでもやっているというのは、私は、ちょっと余りにも防災意識というか、準備態勢に欠けると思いますね。  ですから、避難所に行ったとしても、そこでゆっくり寝られる、こういうのがどこまでできるかわかりませんが、そういったことの意識づけというのをぜひやるべきではないか、このことを聞きたいと思ったら、文部省でしか答えられませんという話だから、そんなおかしな話はあるかと。そういうことは文部省でやるわけないんですよ。  これは国土総括政務次官お答えをお願いいたします。
  27. 矢野重典

    矢野政府参考人 申しわけございません。文部省としてのお答えになるわけでございますけれども、地域防災拠点のあり方につきましては、それぞれの地方公共団体が地域の実情に応じて適切に判断されるべきものでございますけれども、文部省といたしましても、地域の実情に応じて、学校施設の一部を非常用機材あるいは食糧あるいは応急処置用品等の備蓄場所として提供することが必要であって、その場合には、学校としては、災害担当部局と協議の上、備蓄物資の内容やあるいはその管理方法等についてあらかじめ定めておくことが必要であると考えているところでございます。  文部省としては、今後とも、こうしたことに留意しながら、学校における防災機能の整備充実が適切に行われるよう指導してまいりたいと考えているところでございます。
  28. 蓮実進

    蓮実政務次官 今、赤羽先生の御指摘、まことにそのとおりでございまして、国土庁としては、調整官庁でありますから、御趣旨に沿うように今後とも努力してまいりたいと思っております。
  29. 赤羽一嘉

    赤羽委員 ぜひ噴火火山国日本ですから、そういったマップを国土庁として持って、各関係省庁連携をとって、具体的な、この災害があったからこういった教訓としてこういったことをする、これは大事だと思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。  大蔵省にも来ていただいているので、最後、もう時間がないのであれですが、激甚災害指定地域の中の法人に対して、これは一般論なんですが、繰越欠損金というのは五年までしか認められていないんですが、なかなか、阪神淡路大震災の例を見ても、この五年間で生活復興、経済復興ができるとは限らない。その中で、こういった五年以上の繰越欠損金の処理というのを認めていただきたいということを、非常に強いこれは神戸の声なんですが、そのことについてどのような、現状を大蔵省に聞いたら、それはできるというふうな回答はなかなか出ないと思いますが、ぜひ実態に合わせて、そういった声が強いということを声として届けたいと思いますので、そのことについてお伺いをいたします。
  30. 木村幸俊

    木村政府参考人 お答え申し上げます。  委員御承知のとおり、法人税では、事業年度に生じた欠損金につきまして、青色申告書を提出している法人に限りまして、その翌年以降五年間の繰越控除が認められている、こういたしまして、災害損失に係る欠損金につきましては、青色申告書提出法人に限りませんで、それ以外の法人につきましても五年間の繰越控除が認められている、これはよく御承知のとおりでございます。  こうした欠損金の繰越期間、現在五年とされているわけでございますが、これは帳簿の保存期間、それから除斥期間、これは専門用語で恐縮でございますが、要するに、簡単に言えば、いつまで更正等の処分ができるかという期間を除斥期間と言っているわけでございますが、そういった基本的な法制度との整合性を勘案いたしまして現在五年間とされているところでございまして、なかなかこの繰越期間を延長するということは適当でないというように考えておりまして、その点、御理解を賜りたいと考えております。
  31. 赤羽一嘉

    赤羽委員 平時はそういうことはよくわかりますし、平時ではない中でどう対応していくのかということを、少し頭をやわらかくして柔軟に考えていただきたい。  済みません、きょうは中小企業庁とか他の、自治省も来ていただいているんですが、ちょっともう時間もないので。一般論として、震災復興の中で中小企業庁に対する融資の返済期間の延長等々についての御要望もお願いしたかったのでありますが、次の機会にするということで、御容赦のほどお願いしたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  32. 中山成彬

    中山委員長 中野清君。
  33. 中野清

    ○中野(清)委員 自民党の中野清でございます。  質問に入る前に、今回の有珠山伊豆諸島における噴火地震により亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、いまだ避難所等で不自由な生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、今日、防災に対する市民の意識は非常に薄れているということを心から憂えるものでありますが、その点から御質問したいと思いますが、今赤羽委員の方から有珠山伊豆諸島につきましての質問で、私と大分ダブっておりますので、その点につきましてはなるべくダブりを省略させていただいて絞らせていただき、もう少し関連の問題も質問させていただきたいと思うわけでございます。  特に、そういう意味で、激甚災害制度の指定基準というものを政府は本年の三月に大幅に見直しをしたわけでございます。その結果、これまで被害総額が一兆二千億円以上でなければ認められなかったA激甚というものが千五百億円以上の被害でも認められるなど、指定件数の増加が見込まれ、過去十五年間に公共土木施設では阪神淡路大震災のみ一回という状況から大きな前進と私は評価をいたしております。  さて、この有珠山虻田町の場合、これは査定が二、三カ月かかると言われておりますけれども、激甚災害の指定というのは年度末まで待つのでなしに、いわゆる被災した地方団体の財政負担の緩和を図る、そういう意味におきまして、一日も早く指定をすべきじゃないだろうか。枠にとらわれないで前倒しに行うべきと考えておりますが、この問題についてまずお伺いしたいと思います。  あわせまして、実は、いわゆる新島神津島三宅島の問題についても同じ問題でございますから、神津島については指定の意向であると聞いておりますけれども、これはこの際でございますから、明らかに、指定をするならすると明確な御答弁をいただきたい。また、三宅島、新島についてはどうなのか、これについても御答弁をいただければありがたいと思います。
  34. 蓮実進

    蓮実政務次官 お答えを申し上げたいと思います。  実は、激甚災害指定基準の改正、今御質問がありましたように、これは一昨年、那須の激甚災害、あのことからスタートいたしまして、党内で、これは自由民主党内ですが、激甚災害指定基準見直しプロジェクトチームというのをつくりまして、たまたま私、その座長を引き受けまして、ことしの三月、防災会議と閣議了解で、今お話しのような極めて低い補償といいますか、かさ上げをしたわけでありますが、お話しのとおりであります。  虻田町の激甚災害指定を早期前倒しで行って災害復興への国の積極的な姿勢を示すべきだろうという、これは伊豆の三宅島、新島神津島等もそうしていただきたい、こういうことでありますが、実は先般、政務次官に就任して早々、就任した日であります、総理大臣からの指示がありまして、私は神津島に飛んでまいりました。  神津島の村長さんにじかに会いましたら、神津島は御承知のとおり非常に経済的に大変なところでありまして、年収が一億円だそうであります、税収が。そうすると、この前の、ことしの三月の見直しによりますと、税収の半分以上の災害があれば激甚の指定をする、こういうことになっております。ですから、当然神津島は激甚の指定が確実になるということでございますので、村長さんに私からもお話をし、総理大臣からの御伝言も申し上げたわけでありますが、神津島の村長さんも涙を浮かべながら大変喜んでいただいたわけであります。  これはそのときも申し上げたのですが、激甚指定をするまでにはちょっと時間が事務的に必要であります、損害が幾らになるかという。そうすると、それを待っておったのでは、いつになっても復興ができませんので、前もってどのくらいということで、激甚の指定がもう確実だということになれば、村でもって銀行からの借り入れでどんどん前倒しで仕事をした方がいいだろうということを言っております。  それから、虻田町に対してもそのように申し上げておりますので、今の御質問の趣旨については、十分に国土庁としても努力をさせていただいているということでございます。
  35. 中野清

    ○中野(清)委員 今の政務次官の御答弁で、本当に感謝しながら、これからもよろしくお願いをしたいと思うのです。  もう一点、有珠山新島の問題についてお伺いいたしますと、住居の問題とか洞爺湖温泉の問題とか、いろいろ御答弁が、私の方で用意したのとダブっておりますから、一点だけお伺いいたしますと、いわゆる復興計画の作成を急ぐべきだと思うのです。  ところが、前に洞爺湖温泉なんかも移転とかいろいろな話が出て、そういううわさだけが先行しているということで、そういう点をどうしたらいいか、これはやはり一つ問題があるような気がいたします。それは、伊豆の方についてもどうなんだろうかということでございます。  それから、先ほど赤羽委員質問の中で、防災無線の配備の話がございました。きのうですか、テレビを見ましたらば、伊豆の島々に新しい観測機械が入ったというので、いいニュースなんでございますけれども、今ごろ入ったのかなという率直な印象もいたしました。これについて、これから本当に観測体制は大丈夫なのかという点について、この二点だけ確認させていただきます。
  36. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 観測体制でございますが、この地域地震火山活動を監視するために、三宅島におきましては、現在気象庁設置した地震計、空振計、三台などによる観測のほか、関係機関の地震火山観測データも活用しながら、地震火山活動の監視を続けているところでございます。また、平成十二年度、公共事業等予備費によりまして、遠望観測施設、テレビカメラでございますが、この施設整備を急いでおりまして、観測の強化を図っているところでございます。また、三宅島、新島式根島、利島及び御蔵島には震度計設置するなど、観測の強化をしているところでございます。  いずれにいたしましても、気象庁のほか、関係する防災科学技術研究所、大学、国土地理院等の総合的な観測データは気象庁の方に一元的に来てございますので、この観測システムによりまして、この海域のマグマの活動あるいは地震活動についてはその状況をつぶさに把握することが可能な体制になってございます。
  37. 中野清

    ○中野(清)委員 私はきょう、これから、特に伊豆諸島地震と関連しましていろいろと議論になっております、南関東直下型の地震対策とか東海地震についてちょっとお伺いをさせていただこうと思っております。  今、世上では、三宅島からの地震北上による東京直下型地震への風評というので騒いでおりますけれども、そのこと自身を私は取り上げるつもりはございません。慎重に考えようと思っておりますけれども、しかし、平成四年の八月に南関東直下型地震に対する大綱が決定されまして、十年には阪神大震災の教訓をもとに改訂をされたと伺っております。  私もいろいろ調べてみましたら、その中で、では関東直下型地震は何かというときに、これは実は通告してございませんから、その点もし御答弁できなければあれなんですけれども、実は大綱という中にはこういうふうに書いてありますね。「直下の地震発生により著しい被害を生ずるおそれのある震度六相当以上になる地域の範囲を推定」しているんだと。  ところが、今度はいわゆる中央防災会議の専門委員会の提言を見ますと、南関東地区については、「マグニチュード七程度の規模のこのタイプの地震が数回発生することが予想される」というのでありまして、この六以上というのと七程度というのはえらい違いなんですね。しかも、これは一番もとでございますので、これはぜひ御検討願いたいということで、もし御答弁いただければ、通告してございませんから、それについてはお願いをしたい。  そういう都市被害が想定されるいわゆる一都六県の南関東地区への具体的な対策としての観測体制の整備とか調査研究とか具体的な対策はほとんどできているだろうかということを私はお伺いしたかったんですよ。  なぜかといいますと、我が国の震災対策、この中にも南関東地域における地震発生の切迫性ということで、非常に国の方が厳しくとらえている。私はそれで結構だと思うのです。しかし、それは一般的ないわゆる風評とか何かでもってやるのではなしに、国が真剣にとらえるという意味では、私は決してこのことは間違いでないと思う。だったらば、それについてはどのような対応をやっているんだろうか、その点についてまず第一にお伺いをさせていただきたいと思ったわけです。どうかその点をお伺いしたいと思います。
  38. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  先生指摘の南関東地域直下の地震対策に関する大綱の見直しの中で、マグニチュード七以上の発生のおそれがあると指摘されているわけでございますが、これによりまして、強い揺れ、つまり震度六程度以上の揺れがあるというのが対象とされておるわけでございます。  なお、南関東につきましては、現在の技術では地震発生を予知するということは大変困難ではあるわけでございますが、気象庁は、大学あるいは国土地理院等のデータを全部気象庁本庁にリアルタイムに集中しておりまして、これによって、二十四時間の監視体制の強化を図っているところでございます。  なお、気象研究所などにおきまして、南関東地域における地震活動の予測に関する研究を鋭意行っておりまして、将来的な地震予知の実用化に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  39. 中野清

    ○中野(清)委員 今お話しのとおりでございまして、実は、この都市災害というのは、都市のセキュリティーという問題は非常に大きな問題でありまして、例えば私どもの地元の入間基地で昨年自衛隊が墜落したときに、わずか五本の高圧線を切断しただけで八十万世帯以上が停電になり、そして地下鉄や、首都圏のほとんどの各私鉄が運転を中止するという大混乱を起こしている。そういうライフラインというものが都市のアキレス腱だということはもう間違いないわけですね。高度に発達した都市になるほどわずかな事故でパニックが起きるということを踏まえて対応が望まれるわけでございますけれども、そういう意味で実はいろいろな問題があります。  特に、東海地震との関連でお伺いをしたいと思うのですけれども、八月一日に気象庁は、いわゆる地震判定会の結果として、東海地区に目立つような地震活動はない、三宅島の火山活動新島神津島近海地震活動等によるわずかな量の体積変化が東海地区で計測されていますが、現時点では東海地区の地震地殻活動影響を与える可能性はないというふうに発表しておりますから、これはいいと思うのです。  しかし、実際には、そうは言ったって、東海地震の切迫性とか、今言った南関東の直下型地震についての認識というものについて考えたときに、それでは、気象庁火山部の発表の仕方については、私はちょっと、物すごく科学的で冷静かもしれないけれども、本当に国民が要求しているニュースを出しているんだろうかと。マグニチュード幾つだ、幾つだと言われたってわかりっこない。  それから、今言ったような問題については、決して何月何日に地震があると言えなんて、そんなばかなことを言うつもりはありません。しかしながら、やはり今、どちらかというと災害に対する意識が非常に忘れられている、そういう中での発表の仕方としてはどのように考えているんだろうか。そういう一部の学者の発言について、気象庁はどのように受けとめているか、お伺いをしたいと思うのです。  やはり、何回も言いましたけれども、地震を予知するということについてはなかなか難しい。しかし、東海地震についていえば、どちらかというと具体的に予知可能な観測体制を持つ唯一のものだとよく言われておりますけれども、それならば、東海地震についての、いわゆる地震防災対策強化地区における地震予知体制の防災対策推進については、今国はどのようにやっているんだろうか。その点については一つ説明を願いたい。  特に、指定地域における国と地方公共団体の連携また協力というものについては、本当に大丈夫なんだろうか、できるんだろうかと思っておりますので、この点についても御答弁を願いたいと思います。
  40. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  まず、今回の一連の群発地震と東海地震との関係でございますが、先生指摘のとおり、八月一日に開かれました判定会において多角的な角度から検討をした結果、今回の地震活動が直ちに東海地震に結びつくものではないということが判明いたしました。  気象庁では毎月ほぼ定例的に地震防災判定会の判定会委員打ち合わせを行っておりまして、定期的に東海地震地震活動地殻活動、その他電気現象等の診断を行ってございます。現在のところ、その診断結果では東海地震が直ちに起こるものではないわけでございますが、この区域では一九四四年に東南海地震発生したわけでございますが、その際にでも駿河湾西岸域の断層が破壊されずに残っているということとか、御前崎の沈降が続くなど、地殻のひずみの蓄積が進行している状況にあることから、近い将来に東海地震発生する可能性は高いというふうに気象庁は考えてございます。  これらの可能性について毎月定例的に判定会で診断しているわけでございまして、全国の地震学者の優秀な先生方の御意見も聞きながら判定会では総合的に検討しておりますので、そういう判定会の見解に従えば、近い将来すぐに、東海地震が直ちに起こるというものではございません。  この東海地域地震活動だけではございませんで、気象庁では毎週全国を対象にしました地震概況というのを発表してございます。特に東海地域については、静岡県を中心にこの地震概況をテレビ、新聞等で解説的に流してございまして、現在東海地域がどういう状況にあるか、これが周知されていると認識してございます。  また、そのほか、何らかの異常現象が認められた場合には、東海地域地震地殻活動に関する情報を公表するということを昨年決めてございまして、これらによって、現在、東海地域における地震地殻活動についてのふだんからの周知を行っているところでございます。  なお、地方公共団体、特に静岡県等と気象庁との間ではいわばホットラインが結ばれてございまして、これらの情報、あるいは判定会の結果等については逐次御説明し、御理解をいただいているものでございます。
  41. 中野清

    ○中野(清)委員 今御答弁いただいて、よくわからなかったと私は思うんですよ。次官、恐らくこれが本当だと思うんですよ。だから、南関東の問題にしてもそうですし、これは軽々にどうこうという問題じゃありませんから慎重に言わなきゃいけない、それはよくわかるんです。ですけれども、よく災害は忘れたころに来るというような話の中で、やはり今のこの姿勢では、申しわけないけれども、国民が危機意識なんというものは持てない、率直な話として私はそう思います。  ですから、そういう意味で、これは要望で結構ですけれども、今の判定会につきましても、きちんと年に一回とか二回やるんだったらば、もっと、少なくとも南関東の地震だとか、それから、東海地震についてと今の伊豆諸島関係とかそういうものについては、これは今の、地震そのものは、よく言っていますけれども、神様しかわからないということもあるのですから、それは間違うときもあるかもしれない。しかし、国の姿勢としてぜひやってもらいたいと私は思うのです。  なぜかといえば、例えば東海地震について言えば、ちゃんと法律までつくってきちっとやっているわけでしょう。それから、今度は南関東は大綱までつくってやっている。しかし、今言うとおり、マグニチュード六以上の地域対象にやっているけれども、実際の被害というものは七だということで、これを聞いてみると、この二つの地域の、特に南関東なんかの都市災害という問題については、これは決して今ここで何もないからいいんだという話じゃないんだという意味で、私は今の御答弁については余り感心しないということで、要望だけで結構ですから申し上げたいと思うのです。  そういう意味で、実は、幾つかこの中で具体的な話としてお願いしたいと思うんですけれども、政府においては、地震発生直後に適切な初動体制を確保するためにいわゆるDIS、地震防災情報システムというのをやっているそうでございますけれども、その中で、特に早期に被害状況を推計するところの地震被害早期評価システムというもの、いわゆるEESを整備していると聞いておりますが、これの現状はどうなっているか。また、大規模災害から国民の生命、身体を保護するためにIT技術を防災対策に活用するという観点から、緊急対策支援システム、いわゆるEMSを今採用しようとしておるところでございますが、この点については現状どうなっているか。できれば一日も早くこれはお願いしたいと思うのです。  あわせまして、災害対策強化を図るために地震防災のための施設整備が必要だと思っておるんですよ。例えば学校とか福祉施設とか消防署とかいろいろなところが、これについては実は、地震防災対策特別措置法に基づくところですと、いわゆる補助率のかさ上げというのが行われているわけですね。しかも平成八年から五カ年計画で、本年で終わりだと。しかし、私は、いわゆる施設整備というものが終わっていないと思うんですよ。終わっていないのでしたらば、これについてはさらに来年度以降も引き続いて適用するように強力に私は推進したいと思いますけれども、この二点についてお考えを伺いたいと思います。
  42. 蓮実進

    蓮実政務次官 国土庁で整備をしている地震防災情報システム、DISですが、これについてお尋ねがありました。  このシステムは、被害状況の把握に多くの時間を要した阪神淡路大震災の反省を踏まえて、震災時の政府の初動対応の迅速化を図るためにITを活用して整備をしておるところであります。また、このうち地震発生直後に大まかな災害規模を推計する地震被害早期評価システムについては、平成八年度から運用されておりまして、最近の伊豆諸島地震でも活用され、大きな成果をおさめておるところであります。  防災対策においては迅速かつ的確な情報の把握、伝達が極めて重要でありまして、全国の防災関係機関や一般国民への情報提供システムの確立など、今後もITを活用してシステムの充実を推進してまいりたいと思っております。  また、地震防災対策特別措置法に基づく補助率の特例についてのお尋ねでありますが、平成七年に議員立法で制定された地震防災対策特別措置法に基づいて、すべての都道府県が平成八年度から平成十二年度までの地震防災緊急事業五カ年計画を策定し、同計画に基づいて地震防災のための施設整備を鋭意推進しているところであります。  しかし、現行の五カ年計画が今年度限りで終了することに伴って、地震防災対策特別措置法に基づく補助率の特例が来年度以降適用されなくなります。この特例が来年度以降も適用されるように地方公共団体からも要望が出ておるところであります。地震防災対策の重要性にかんがみて、補助率の特例の取り扱いについては、現行の五カ年計画の進捗状況や地方公共団体からの要望に十分配慮した上で適正に対処してまいりたいと思っております。議員御案内のようにこれは議員立法でありますので、改めて議員立法でということになると思いますが、よろしくどうぞお願い申し上げたいと思います。
  43. 中野清

    ○中野(清)委員 我々も議員立法でございますからこれを何とか続けるように努力したいと思いますが、ひとつ国土庁としても御協力をお願いしたいと思います。  それでは、あと五分、もう少しでございますから、もう一つ関連づけてお伺いいたしますと、政府は、南関東直下の地震訓練として、小渕前首相が調査団長などとして大規模な訓練をやったと伺っておりますけれども、具体的にどんなことをやったか、その反省といいましょうか、その結果を受けて今後どのような体制にしようとしているか、この点についてお伺いをしたいと思うのです。  それから、いわゆる災害の基地本部として一番最後になるのが恐らく立川の防災基地じゃないかと思うんですけれども、この整備状況についてはどうか、お伺いをしたいと思います。  時間がございませんから、それとあわせて私の方で質問させていただきますと、私は、今までの話を伺いながら、今日までの防災計画というものが、過去の災害というのでしょうか、例えば関東大震災とか新潟とかいろいろな地区の、もちろんその中には阪神・淡路もありましょうし北海道の問題もありましょうし、いろいろあります。そういうものにとらわれた事後対策の防災対策じゃないだろうかというふうにいつも考えていました。今後必要なのは、いわゆる予見型の防災対策だろう。そういう点について、国土庁としてそういうやり方というものをどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お伺いをしたかったわけなんです。  例えば、震度七の地震発生というときがありますね。被害がどうだということじゃなしに、具体的に災害がどのように起こってくるだろうか。そうすると、広域的な災害とか局部災害のシミュレーションをして、その災害の予測とか対策というのを立てるべきだ。それから、災害というのが風水害地震だけじゃなしに、コンピューターの災害もありますし、放射能の災害もありますし、テロの災害もありますし、いろいろ災害があるわけですね。そういうことへの対策が必要だと思うんですよ。当然それにはいろいろな問題があるわけなんです。  例えば、自治会なんか行っても、今までは出てきたけれども全然協力しないうちとか、それから少子高齢化だとか、またいろいろな社会の流れの中での問題ですから、そういう中で、私は、五点についてちょっと申し上げたかったのです。  先ほど、災害本部の設置基準が明確でないというお話がございました。私は、何もいつも本部長や大臣が年じゅうそこにいろというんじゃないのですけれども、国の災害対策の常設化について政府はどのような問題意識を持っているか、これをお伺いしたかったわけなんです。今、阪神大震災の教訓をもとにして、この災害本部については、恐らく設置要件の緩和ということで国がやっているということはわかっておりますが、本当にそれだけでいいんだろうかということですね。むしろ私は、アメリカのいわゆるFEMAのあり方のようなものが参考にならないのかどうか、これを一点目としてお伺いをしたかったわけなんです。  二点目としましては、先ほど私は、防災計画について、いわゆる事後対策の防災対策では困るだろう、むしろ予見型の防災対策だということを申し上げたわけでございますけれども、これについてはどのように取り組むお気持ちがあるか。それからまた、災害についても、起こり得るいろいろな問題について、今の災害研究所が決して悪いと言っているわけじゃありませんよ、しかし、もっと災害に対する研究というのを、その研究機関というのを強化するべきだろうという点について、二点目としてお伺いをしたかったのです。  三点目としては、特に市町村におきましていろいろ備蓄なんかもやっております。しかし、それはあくまでも、どちらかというと市町村の長が条例とか何かでやっておるわけですけれども、いわゆる市町村の防災備蓄推進条例みたいなものをつくっているんだろうか、もしできていなければぜひつくるべきだと思いますが、その点についてもお伺いしたかったわけです。  それから、今、例えば建物なんかにつきましても、新しい建物については新しい建築基準法とか耐震基準というものがあるわけですね。ところが、今までの古いうちについてはこれは遡及していない。ですけれども、今公共的な建物については一生懸命国も補助金を出して直していることについてはよく存じ上げておりますし、結局、やはり実際に事故が起きちゃうよりも、事前にやった方が結果的にはコストが安いというのも当然だし、安全もそのとおりだと考えてくると、既存建物への遡及適用というのですか、そういう感覚がなければ私はおかしいのではないだろうかと思うわけなんです。  それから五点目としましては、阪神と淡路の大震災以降、地震防災対策特別措置法に基づいて設置されましたところの地震調査研究推進本部において、全国の活断層の評価というのが進められているはずです。この評価を踏まえて、国として、活断層にあるところの建物とか施設に対する対策とか方向づけというのをしなければ、やはり天災だ、天災だと言いながら、実際にはその原因がわかっているにもかかわらずその上にいるというようなことは、これは大変なことだと思っておるわけでございまして、そういう点についてもっと明確にすべきだろう、もっと推進すべきだろう、そういう立場で御見解をお伺いしたいと思うのです。
  44. 吉井一弥

    吉井政府参考人 多岐にわたる御質問をいただきましたが、順不同になるかもしれませんが、順次お答えさせていただきます。  まず、災害訓練でございますが、政府におきましては、毎年九月一日、防災の日に行ってございますが、これは、地震発生した後を想定した訓練だけではなく、災害緊急事態の布告というか、いわば地震発生する以前のことも想定した訓練を毎年行っております。  また、立川広域防災基地についてもお尋ねがございました。これらの施設につきましては、昭和六十年から着手いたしまして、平成七年度には一応当初計画された施設が完成いたしましたが、その後、阪神大震災の教訓を生かしまして、平成十年三月までにかなりな拡充を行ってございまして、今後とも必要な施設の整備等を進めてまいりたいと思っております。  それから、FEMA、国の災害対策本部の常設化についても御指摘がございました。災害発生時の初期対応の段階では、御指摘のような米国流のFEMAのような形も一つの考え方であると存じますが、我が国の場合、御案内のとおり、各省庁のそれぞれの役割分担に応じまして、予防、応急対策復旧を通じて専門的対応を行うということが適切であるということで現在行っているのだと承知しております。  また、活断層の研究についても御指摘がございました。先生おっしゃいましたように、五つの断層帯につきまして評価が公表されてございますが、現在のものは自治体や住民の具体的な防災対策になかなか結びつけづらい面もあるのじゃないかということで、国土庁におきまして、科学技術庁と関係省庁の参加も得まして、今後の活断層の評価を踏まえた防災対策のあり方について検討を進めておるところでございます。
  45. 三沢真

    三沢政府参考人 基準法の遡及適用の御質問でございます。  いわゆる基準法の新耐震基準以前に建築された既存建築物の耐震性の向上、これは先生指摘のように大変重要な課題でございます。  ただ、いわゆる遡及適用につきましては、遡及適用いたしますと、既存の建築物はいわゆる違反建築物になる。したがって、新たな基準に適合するための義務が一律に課されるということは非常に強い制限でございまして、これは非常に難しい問題であるというふうに考えております。むしろ、所有者みずから耐震診断の必要性認識してもらって、改修努力を促していくということが大事だという観点から、平成七年に耐震改修促進法を制定いたしまして、これにつきまして、所有者にみずから耐震診断の実施と必要に応じて耐震改修を行っていただくような努力義務を課しまして、現在その推進を図っているところでございます。
  46. 中野清

    ○中野(清)委員 もう時間が過ぎましたので、一つだけ蓮実次官に御要望したいと思います。  実は、台湾がこの間地震になりまして、復旧が今大分進んでいる。その中で、日本の十倍も早いんじゃないかと評価をされていると伺っております。それは何だろうかと考えますと、必要なのはやはり復興に対する国の熱い思いが日本よりもあったんじゃないだろうか。これは決して日本がやっていないというんじゃないのですが、やはりそういうことがあるだろうと思いました。ですから、これから、今の有珠山の問題もそうですし、伊豆の、神津島三宅島やまた新島もそうでございますけれども、先ほど赤羽議員もおっしゃいましたけれども、復興に対する熱い思いというものを私は国が持つべきだろうと思いますので、これをぜひお願いしたい。  それからもう一点は、災害を予防する、災害を未然に防ぐ、被害を最小限にする、そういうものに対する政治のリーダーシップがなければこれもだめだろうと思うのです。今、南関東の問題とか東海地震とかいうことは、決して我々は望んではおりませんし、何とかそういうことのないように心から願っておるわけでございます。しかし、何が起きるかわからないこの自然のことでございますので、これについては、ぜひ政治のリーダーシップとして、国土庁を初めとした政府の役割というのは非常に大きい、そういう意味で、これからもぜひ頑張っていただきたいとお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
  47. 蓮実進

    蓮実政務次官 災害対策についての決意と考え方のお尋ねがありましたが、国民の生命、財産、そして身体を守るのは国政の最重要課題一つであります。火山噴火地震あるいは台風による風水害、原子力事故災害など、さまざまな形で、まさに今中野委員が言われたように、忘れたころにやってくるというのが災害であると思っております。これらの災害に対して最も重要なことは、万一の備え、つまり、予防対策を十分に行っていくこと、災害が起きたときには迅速な対応、応急対策、速やかで万全な復興対策だと思っております。  私としては、防災行政の責任者である国土庁長官を補佐し、関係省庁の協力をいただきながら、常に緊張感を持って災害対策全力で取り組んでまいりたいと思います。  今いろいろ御質問がありましたが、今までずっと、ことしじゅうなんですが、国土庁の立場は調整官庁であります。これからは、一月六日から、省庁再編によりまして、これが、総理の直属であるところでこの防災が取り組まれることになっておりますから、一層防災の強化が図れると思っております。
  48. 中野清

    ○中野(清)委員 ありがとうございました。
  49. 中山成彬

    中山委員長 渡辺周君。
  50. 渡辺周

    渡辺(周)委員 民主党の渡辺でございます。  この災害対策委員会、今般のこれまでの伊豆諸島災害、連日続く地震で、本当に一日も早くこの災害対策委員会を開くべきである、ずっと我々としても申し入れをしてきたわけでございます。ちょうど選挙直後でしょうか、こういう形で災害が頻発をしました。そんな中でようやく開催になったわけでありまして、この間、理事を務めている関係で、理事懇でありますとか、その中で折に触れていろいろと、今回の伊豆諸島における一連地震について報告をいただいてまいりました。まさに一カ月を超える期間におきます三宅島の噴火、そしてまた神津、式根、新島といった島々の近海で起きている地震、中には不幸にして土砂崩れの中で亡くなられた方もいます。  昨日だったでしょうか、先ほど赤羽委員からお話がありましたけれども、まさに夜テレビのニュースを見ていますと、いわゆるニュース速報が、地震速報がピッピッと鳴って、本当に三分置きぐらいに震度三ぐらいの地震が続けて起きている。どのような心境で生活をされているだろうかという、島民の方々のまさに不安な思い。それから、今ちょうどこれから観光シーズンだという中で、お気の毒なことに、本当に観光客が相次いでキャンセルが続き、もうどなたも来られない。  私は、伊豆半島を含めて静岡県、伊豆半島と伊豆諸島が結構ごちゃごちゃになっている方もいるんですけれども、余談ですが、伊豆諸島震度が出ます、この辺でマグニチュード六・二、ここで震度五強とか弱とか。そうすると、こっち側に、伊豆半島の方にも、東伊豆の方にも、三だとか二だとかという数字が出るたびに伊豆半島も同じようにして観光客が減っていくという、まさに対岸の火事どころか、一緒になって伊豆半島の方々も経済的な打撃も当然受けているわけであります。  そんな中で、お見舞いを申し上げながらも、一日も早くこうしたことが終息することを本当に願うわけでありますけれども、私どもの民主党としても地震直後に一連地震対策本部をつくりまして、この後に質問されます松原委員さんは当該選挙区の御選出でもありまして、現地にも出向いていらっしゃいました。そんな中で、住民方々あるいはそこで対応に当たっている役場の方々を含めて、いろいろな方からの要望やら意見を聞いてきているわけでございますので、そうした具体的な質問松原委員に譲りまして、私自身は関係する静岡県も含めた形で質問をさせていただきたいなと思うわけであります。  この地震が起きて以来、この時期といいましょうか、こういうことがありますと、必ず週刊誌等でいろいろな形で取り上げられるわけであります。新聞社系の雑誌あるいはいわゆる週刊誌、そうしたものを含めてもうかなりの数で、次はここだ、ここが危ない、次は東海地震じゃないか、次は南関東直下型の地震じゃないか、あるいはこの後はもっとこういうことが起こるんじゃないかと次々に報道をされるわけであります。  そのたびに必ずマスコミに出てくるのは、当然のことながら、専門家の研究家の方でありますとか大学の先生でありますとか、それなりの方々が皆さんいろいろな形でコメントを載せられているわけでありますけれども、私、一つ最初に申し上げたいのは、静岡県に住む一人の人間として、先ほども中野委員からもありました、いわゆる東海地震の関連性であります。  溝上判定会会長さんが、特にこの一連地震の中で七月十五日に起こった地震新島の西の方で起こったものでありますけれども、それが七月一日あるいは七月九日に神津近海で起こった地震とはひょっとしたら質が違うんじゃないか、この十五日の地震というのは東海地震につながる地殻変動の一端だと考えることもできるのではないだろうかというようなことをあるところで述べておられました。  我々としては大変不安を持つわけであります。我々静岡県におりまして、この東海地震というものがもう二十数年間言われてまいりました。いつがその時期なんだろうかと言われながらも今日まで来たわけでありますが、こうした非常に気味の悪い、不気味な地殻変動が、特に伊豆諸島でこれだけ続いているということの関連性というのを考えますと、もちろんメカニズムは違うとはいえ、南関東直下型だとかあるいは神奈川県西部沖だとかいろいろ言われておりますが、それに関連して東海沖と関連があるんではないだろうかということを真っ先に考えるわけであります。  この間の、今月一日ですか、地震防災対策強化地域判定会、ここではこうしたことが覆されまして、頻発している地震と東海地震の関連については、現時点では東海地震影響を与える可能性はないんだというような見解がまとめられ、発表されたところでありまして、これはひとしく皆さん胸をなでおろしているところだと思うのです。  しかし、こうしたことをただ発表されても、学説としてはいろいろあるわけでありまして、前回の委員会でも私申し上げましたが、学者さんたちの学説というのはそれぞれいろいろな見方がありますので、どの方が正しいのか、また、週刊誌的なおどろおどろしい見出しでいきますと、言っちゃ悪いですけれども、マスコミの方というのはセンセーショナルに取り上げた方が売れ行きも伸びるだろうということでどうしても伝えられるわけでありますが、そういうことも含めて、なかなか、じゃあといって胸をなでおろすというところまでいかないわけであります。  そんな中で、今回の一日のいわゆる見解は、どういうことを根拠に我々に安心を与えるような形で発表されたのかということをお尋ねしたいと思います。できるだけわかりやすく、平易にお願いしたいと思います。
  51. 実川幸夫

    ○実川政務次官 委員から今詳しくこれまでの経過をお話しいただきました。  三宅島、新島神津島近海及びその周辺の地震活動あるいはマグマ活動影響が、東海地域の体積ひずみ計にもごくわずかな量でありますけれども観測されております。  また、東海地震地震地殻活動に対してどの程度影響を及ぼしているかを定量的に見積もったところ、変化が大きい地点でも平常時に観測される変動より小さいものでございまして、東海地域の異常の目安であります、いわゆる地震防災対策強化地域判定会の招集要請基準の十分の一の量にすぎないことから、現時点では東海地域地震地殻活動影響を与える可能性はない旨の結論を得ております。
  52. 渡辺周

    渡辺(周)委員 きょう、先ほど、この委員会が始まりました冒頭に、気象庁からも長官の読み上げ資料をいただいた中で御説明がありましたように、「僅かな量の体積歪変化が東海地域で観測されていますが、現時点では東海地域地震地殻活動影響を与える可能性はありません。」ということもやはりあります。  ここで一つお尋ねしたいんですが、東海地域といいますと大変広うございまして、一体どのあたりの地域を指して、今おっしゃったような、判定会招集の要件である基準値の十分の一程度であった、本当にわずかであったということが言われているわけですが、ちょっとこれを確認したいんですけれども、どの辺の数値、精度としてどれぐらいなのかということをお尋ねしたいと思います。東海地域というと広いものですから、ひとつその点、お答えをいただければと思います。  それから、今御説明のありましたとおり、そうしますと、今の説明では、東海地域を刺激する可能性がないのであろうということでありますが、例えばこの判定会の中でこうした懸念を表明していらっしゃった溝上会長はその辺をどのようにおっしゃっていらっしゃったのか、また我々の懸念を払拭するに十分なだけのことをおっしゃられたのか、その辺についてもお答えをいただきたいと思います。
  53. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 東海地域の体積ひずみ計の一連の群発活動の影響範囲でございますが、これはおおむね静岡県の東側、清水あるいは西伊豆、南伊豆、これらの地域の体積ひずみ計に非常にごくわずか、微量の変化があらわれている。西の方の、いわゆる愛知県の方だとか、そちらの方にはこの変化はあらわれておりません。
  54. 実川幸夫

    ○実川政務次官 今、気象庁長官のお話がございましたけれども、八月一日に溝上会長が招集した地震防災対策強化地域判定会打合会におきましても、その変化量を定量的に見積もったところ、現時点では東海地域地震また地殻活動影響を与える可能性はない旨の結論を得ております。  溝上会長は、地震が現在の活動域で発生している限り東海地震発生の心配はないと考えておりまして、今回の取りまとめた結果につきましても、すっきりした結論が得られたことは大きな前進であると説明されております。
  55. 渡辺周

    渡辺(周)委員 専門家の先生がそこまでおっしゃることでありますから、若干我々も胸をなでおろせるわけでありますけれども、その反面で、我々はもちろん素人でありまして、専門家の先生方もどれだけ研究しても、全く、足元の深いところで起こって、まさに地球の動きというものが非常にまだ研究途上の分野であるということも承知の上で質問をし、我々も対応を決めなければならないわけであります。そんな中で、静岡県の県議会も、私自身議員をやっておりまして、その間もそうですが、やはり地震対策特別委員会がございまして、いろいろな形でオブザーバーを派遣して予知連絡会には参加をしてきたわけであります。  そんな中で、よく言われていることが、いわゆる静岡県周辺における地震が昨年の夏ごろから減ってきている、いわゆる静穏期に入っているんじゃないかというんですね。こういうような数値があるとおっしゃる。これまで一日平均して大体六、七回起きていた小さな地震が少なくなってきて、今は二回か三回ぐらいだ。これが実は、静穏期に入ったのはあらしの前の静けさ、大きな地震が来る前にぴたりととまる、あるいはどんどん活動がとまってくるといういわゆる静穏期になっていく。極端に少ないのではないか。中には、新たな局面に入ったなどという言葉でその状況説明された専門家もいるわけでありますけれども、この点については、今、現状どのようになっているのか。  それからもう一つ。  これは私、ちょっと通告の質問の中にはございませんが、よく識者の方が指摘する中に、焼津それから石廊崎、駿河湾を横断するような形で、それから今回の伊豆諸島、特に新島あたりまで、いわゆる構造線が走っている。これからはこの構造線上に注目していくことが非常に重要である。先ほど、伊豆諸島地震が今のこのエリアで起きている限りは関連がないということでありますが、ただ、例えば将来において、つけ加えて言うならば、この構造線の上に起こる動きは注視していくべきであろうというふうな指摘もあるわけなんです。  この点について、もちろん我々も心の準備といいましょうか、こういう静穏期という一つの予兆現象、それから我々あるいは当然行政の皆さん方が、静岡県も含めて自治体もそうでありますが、構造線とのかかわり、構造線でどういうことが起きた場合にこれがちょっと新しいステージに入ったんじゃないかということがございましたら、ぜひ長官の方から御答弁いただきたいと思います。
  56. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 大地震発生する前に、先生から御指摘がありましたように、震源及びその周辺で一時的に地震活動が低下する、これを静穏化現象と呼んでおりますが、これは定説となっておりまして、気象庁もそれは認識してございます。  今回、静岡県周辺の地震活動については、そういう観点から気象庁でも注目しているわけでございますが、毎月定例的に地震防災対策強化判定地域委員会の勉強会をやっているわけで、常に静穏化現象を含む地震活動の診断を行っております。  確かに、先生指摘のとおり、一九九八年ごろから地震が少ない状態が続いているわけでございますが、現在のところ、地殻変動等の観測データに東海地震発生の切迫性を示すような異常な観測データはないということで、あすに地震が起こるという切迫性は今のところないのではないかと考えております。  構造線の問題でございますが、現在起きております群発地震のところと、先生指摘の伊豆半島あるいは駿河湾にかかる構造線のところは、岩石学的にも違う構造になってございます。私ども、先ほど、弱いながらも地殻の変化が広域に及んでいるわけでございますので、現在の地震活動の震源域あるいは規模が仮にそういう構造線に移ったということになれば、これは別な観点から慎重に観測、監視をしなければいけないという認識では先生方とほぼ一致してございます。  現在のところ、そういう兆候は見られませんので、現在の群発地震が直ちに東海地震へつながっていくということではないという認識でございます。
  57. 渡辺周

    渡辺(周)委員 では、もう一点、この問題で最後にお尋ねしたいんですが、先ほどちょっと聞きそびれたのですが、いわゆる新島の下で七月一日と九日に起こった地震と七月十五日に起こった地震は異質のものじゃないかというような研究者の指摘があるわけですが、この点については全部同じマグマ活動によって起こったものというふうに判断してよろしいのかどうか。というのは、非常に神経質になっているところでそういうことを指摘される専門家もいらっしゃるわけであります。その点について、もし明確な御答弁をいただければと思います。長官、いかがですか。
  58. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 私どもの認識では、七月一日及び十五日、あるいは三宅島の南の方で起きた地震でございますが、これはマグマの膨張によりまして周辺の地殻に影響を与えた一時的なものであるというふうに認識してございます。
  59. 渡辺周

    渡辺(周)委員 いずれにしましても、災害がこれ以上広がらないようにと思いながらも、本当に鎮静化したのかなと思いましたら、また大きな地震が続く。一体いつまでどう続くのかと思うわけでして、ちょっと記憶に新しいところでは、北海道の有珠山噴火するとき、あるいは三宅島が噴火するときも、かなり早い段階から、かなり精度の高い情報として我々に伝わっておりました。近いうちに噴火が起こるであろうということが、いわゆる観測システムの強化それから向上によってわかったわけであります。  よく言われるのが、私たちも経験ありますが、三宅島の後に、これは質問の通告にはございません、三宅島から、例えば大島、それからかつては伊東沖で、手石海丘というところが、大した何の被害もなかったわけですが、起こったわけです。例えば、こういうことが一連の現象として起こったから今回も起こり得るんじゃないかということを考えますと、伊豆大島でありますとかあるいは周辺の、富士山はどうかわかりませんけれども、一連の富士火山帯と思われるところで観測強化というのはこれから続けていかれるのかどうか。  そしてまた、そうしたある程度の、これはほぼ間違いない、数日以内には何らかの噴火なりが起こるだろうということは既にできるというふうに認識していていいのかどうか。今回非常に、有珠山それから三宅島と、本当に高い精度をもって噴火の予知がされたわけでありますから、これからもまた、地震の予知というのはなかなか難しい、しかし噴火の予知というのはもうかなりのレベルに来ているというふうに判断していていいのか。そこの点を、確認の意味も込めましてお尋ねをしたいと思います。
  60. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  三宅島の噴火あるいは有珠山噴火の場合には、繰り返しサイクルがある程度わかっていたこと、起こり得る噴火活動のシナリオがある程度描けていたこと、それから最後に、最も大切なことではございますが、観測体制が極めて整備されておって、いわばマグマの追跡が可能になっていた、これらの三つの要因が重なって、私どもとしては的確な情報を出すことができたのではないかと思ってございます。  ほかの山すべてにこれらの要因があるわけではございませんが、基本的には、観測体制の整備によってマグマの活動が現在の科学的知見ではかなりとらえることが可能になってきているということでございますので、気象庁といたしましては、今後、他の火山について観測体制の整備を、国土地理院防災科学技術研究所、大学等と協力をしながら強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  61. 渡辺周

    渡辺(周)委員 ここまで、科学の発展とともに、まさにこうした予知が的確にある程度地震火山活動についてはできるようになったということで、ぜひとも、今後も向上を目指し、また我々も一緒になって考えてまいりたいなというふうに思うわけであります。  ちょっと残り時間がなくなりましたが、もう一つ地元のことを伺いたいと思います。  静岡県の小笠郡浜岡町というところに、御案内のとおり原子力発電所がございます。ここに実は震度計が、町の地震計と、科学技術庁の強震計というのですか、地震計がある。しかし、これは気象庁の検定を受けていないものですから、つまり発表をされない。計測されたデータというのは公表されない。そうしますと、地震が起きますと、地元住民から、原発があるからどのぐらいの揺れだったということを言わないんじゃないかというようなことを、ある意味では不安の裏返しで、そういう指摘が何度も寄せられているということがあるわけであります。  こうしたことをちょっと考えますと、これは科学技術庁の強震計のデータというのがどういう形で今機能しているのかちょっと私もわかりませんけれども、例えば気象庁として、こうしたところと連携をして、データの公表でありますとか、あるいは何らかの速やかなネットワーク化のようなことができるのかどうかということについて、ぜひお尋ねをしたいと思います。
  62. 実川幸夫

    ○実川政務次官 先生お話がございました浜岡町に原発がございまして、地元の皆さんが大変不安になっていることは新聞等でも承知しております。  先生御承知のように、震度情報でございますけれども、地震発生直後の緊急防災対応基準といたしまして利用されておりますけれども、即座の発表が求められております。科学技術庁が整備した強震計でございますけれども、これは強震度の波形データを研究用に取得するものでございまして、震度を計測するのに大変時間がかかります。したがいまして、震度の計算の基準気象庁震度計と一致していないことから、気象庁震度計と同列に扱うのが大変困難になっております。現状では、気象庁が即座に公表する震度情報に活用をしておりません。  震度データの速報への活用につきましては、現在、科学技術庁そしてまた自治省消防庁及び気象庁の三者で解決策につきまして鋭意検討を進めているところでございます。
  63. 渡辺周

    渡辺(周)委員 静岡県の方でも、これがかなり地元住民にとって大きい問題である。しかも原発という、ある意味では非常に大きな施設を抱えているということが住民にとっては一つの大きな、特にこういう地震があった場合には、本当に耐震は大丈夫なんだろうかということで、かなり神経をとがらせているというのも当然のことであると思います。  ぜひともこれは、どういう形で震度を公表する、これは伊豆諸島のときも、たしかどこかありましたね。利島だったか御蔵島だったでしょうか、どこかで、自分のところはいつも震度が出なくてわからないんだけれどもどういうわけだというのが今度の一連の伊豆の地震の中でもあったようでございます。何をもってどの震度を公表するというのが我々も基準がわかりませんけれども、やはり私どもとしては、地元住民にとって、特にそうした大きな原子力発電所の施設があるところについては、何らかの形で無用な不安感を与えないということはやはりやるべきではないだろうかと思うわけですから、これは強く要望したいと思います。  では、あと数分ですから、ちょっとお尋ねをしたいのですけれども、例えば震度というものを公表する基準というのは一体どこにどうあるのか、それをちょっとお尋ねしたいと思います。  それともう一つは、これは国土庁長官になるのでしょうか、先般の公共事業予備費の中で、有珠山とあわせて、こうした一連のことが起こった後に、二百億円という金額をいわゆる復旧措置としてやるんだということが決まったようですが、実際どれぐらいの程度の額が伊豆諸島に対しては配分されるのか。そしてまた、今後はどのような形で、ここで終息すればいいのですが、不幸にして続いた場合にはどのようにして予算措置をしていくのか。これは、気象庁長官に前段の部分、そして国土庁長官にあわせて後段の部分をお尋ねしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  64. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  震度データの公表でございますが、原則として、全国の市町村のすべての地域震度計設置自治省消防庁気象庁、科学技術庁、三者の協力で進められてございます。このうち、自治省消防庁気象庁のものについては、気象庁の開発しました震度計のスペックで展開されているわけでございますが、残りの科学技術庁の分については、先ほど御答弁があったように強震動波形データの研究用として市町村に展開されてございます。全国でおおむね五百地点ございます。これらについてなるべく早く、私どもとしては、つまり全国二千数百点近くが気象庁の発表する震度計のデータでございますので、それと矛盾のない形で計算をし、それも即座に発表するということを原則にしてございます。  いずれにしても、震度データについては自治省消防庁と私どもの御相談ですべて公開ということになってございますので、公開の基準ということではなくて、計測したものについてはすべて発表するということを原則にしてございます。
  65. 扇千景

    ○扇国務大臣 初めての災害対策特別委員会でございますので、お答え申します前に一言ごあいさつをさせていただきたいと存じます。  このたび国土庁長官を拝命しております扇千景でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず最初に、神津島における地震で残念ながらお亡くなりになられました方とその御遺族に対しまして、心から哀悼の意を表したく存じます。  また、有珠山噴火三宅島の火山活動神津島新島式根島等での地震での災害の皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  政府といたしましても、これらの災害に対しましても避難支援対策などに取り組んできたところでございます。また私も、有珠山初め三宅島、神津島新島等々へ被害状況を視察に参りました。これらの皆さん方に対しまして、避難の支援対策などに取り組んでこれからは頑張っていかなきゃいけないと思っておりますけれども、今後とも、現段階でも警戒態勢に万全を期しますとともに、公共事業予備費等の活用を初め被災地の皆さん方の速やかな復旧復興被災者生活再建支援に努めてまいりたいと存じております。私といたしましても、防災行政の責任者として、関係省庁の御協力をいただきながら、常に緊張感を持って災害対策に万全で取り組む所存でございます。  阪神淡路大震災復興にも引き続き取り組んでまいりたいと存じます。  委員長を初め委員の皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げて、まずごあいさつとさせていただきます。  今の渡辺先生の御質問でございますけれども、先ほども申しましたように私も現地を視察させていただきまして、被災地である三宅島、神津島新島式根島復旧に関しましては二百億円のという話が今御質問ございました。私ども、七月の二十五日に平成十二年度の公共事業等の予備費の使用につきまして閣議をさせていただきました。そこで、二百億円につきましては、三宅島、神津島新島式根島などの災害、そして有珠山避難指示区域におきます災害、その他今後の台風災害等々への対応分として使用を保留されたところでございます。したがいまして、この二百億円につきましても、保留という意味は、今後どれほどの被害が出るかわからないという意味の保留でございます。  これからの状況を勘案し、適切な対処をしていかなければならないと思いますけれども、どうか少なくともこれ以上の被害が出ないようにと念じながらも、今後の被害状況などを勘案しながら、この予備費に関しましては適切に執行していくということを考えたいと思っております。  以上でございます。
  66. 渡辺周

    渡辺(周)委員 ありがとうございました。
  67. 中山成彬

    中山委員長 松原仁君。
  68. 松原仁

    松原委員 民主党の松原仁でございます。  今回の三宅島そして新島式根島神津島またその周辺の地震噴火等につきまして御質問いたします。  六月二十六日、ちょうど衆議院総選挙が終わった翌日でございますけれども、三宅島でマグマ活動が始まり、一月以上に及ぶ噴火による降灰被害、そして群発する地震、さらには台風の直撃と相次ぐ自然災害に見舞われ、島民の皆様方は、終末、トンネルの向こうが見えない恐怖と不安のストレスの中で現在生活を余儀なくされております。質問に先立ちまして、神津島において地震による土砂崩れでお亡くなりになりました方並びにその御遺族に対し心より哀悼の意を表しますとともに、被災地の皆様に対し心からお見舞いを申し上げたいと思います。  私自身、二度現地に飛んでまいりました。三宅島、神津島新島式根島の四島の被害状況をじかに、新島は上空からでございましたが、見てまいりました。現地の皆様の生の声を二度にわたり聞いてきたわけでございます。  神津島は、私は一泊いたしましたらば、そのときは七月の九日だったかと思いますが、大変に揺れ続けておりまして、夜、泊まっていて旅館で夕飯を食べようとすると揺れる。余り揺れるとバスに酔うようなものでありますが、これは次の揺れが来るまでに目の前にある食事は全部食べなきゃいけないなと言って焦って食事を詰め込む、それぐらいに頻繁に地震が起こっていたわけでありまして、海上の孤島というよりは波の上の小舟に乗っているような状況で一晩神津島で泊まったわけでございます。  いろいろとその後のデータを聞き及びますと、体感するいわゆる有感地震が一万回を超えたという話もありまして、この間ちょっと計算をしたら、五分間に一回ぐらい体感する地震がある。昨晩は一分間に一回ぐらいのペースで揺れっ放しであった。私が行ったときも、村長さん以下寝不足で、不眠不休で頑張るというよりは揺れが来て眠れない、こういう状況だったわけでありまして、本当に、まずそれだけでもストレスが大変にたまる状況ではないかなというふうに思っております。  このようなまさに異常な災害状況が長期に及ぶ現状、少しでも現地の皆様の不安な思いを和らげるために同地域の激甚災害指定を早速行ってその対策全力を挙げるべきと思いますが、まずこの点について御質問いたします。
  69. 蓮実進

    蓮実政務次官 私も国土総括政務次官に就任したその日に、実は総理大臣から御指名がありまして、神津島の方にヘリコプターで飛んでまいりました。村長ともいろいろお話ししたりして、その現場をつぶさに見てまいった次第であります。  三宅島、新島神津島等における激甚の指定のお尋ねでございます。  激甚災害の指定につきましては、ことしの三月に公共土木施設等の災害復旧事業等に関する指定基準が三十八年ぶりに改正をされ、実は大幅に緩和をされたわけであります。具体的に言いますと、市町村の税収の半分以上の被害があれば激甚に指定をするということに決めたわけであります。  今お話しのとおり、五割以上ですから、例えば神津島の場合は税収が一億円だそうですから、現状で、私が視察に行った時点でもう既に八億五千万ぐらいの、これはコンサルタントの調査ですからはっきりいたしませんが、そのくらいの被害だということですから、これはもう当然激甚になるわけであります。三宅村は一億七千万、新島は今言った一億九千万、神津島は一億程度の査定事業費になれば、激甚の指定はもちろん受けられるわけであります。  被害状況については、現在、地元自治体等により被害状況調査が進められておるところでありますが、復旧事業費等についてはまだ査定ができておりません。しかしながら、神津島については、今私が御説明を申し上げたとおりであります。  なお、速やかに被害状況を把握いたしまして、激甚災害の指定についての判断が得られるよう対応をする所存でございますので、御理解いただきたいと思います。
  70. 松原仁

    松原委員 よろしくお願いをいたしたいと思っております。  そして、私も現地に行って話を聞きましたり、またさまざまな島には友人がおりまして、そういう人からさまざまな声が寄せられているわけであります。  地元の強い要望でありますがけ崩れ、特に神津島でございますが、島全体が砂岩でできているので、大変にがけ崩れがしやすい。私が現地を視察に行ったときも、ちょうどその日の朝六時に都道の横の大きな砂岩の山というのですか、コンクリート壁になっているところが崩れた状況でありまして、アンカーが生々しく出ている状況でありました。二度目に行ったときは、それは既にきれいにされていたわけでありますが、大変に危険な状況でありました。  このがけ崩れ土砂崩れ等に対して、いわゆる災害関連緊急事業としてぜひという声があったわけでありますが、聞くところによりますと、これについては採択がなされたということであります。一刻も早く着手していただきたいわけでありますが、これがいつごろになるのか。またその際に、急傾斜地崩壊事業の受益者負担金というものがあるわけでありますが、できればより軽減措置をとっていただきたいと思っているわけでありますが、この二点について御質問いたします。
  71. 竹村公太郎

    ○竹村政府参考人 神津島のがけ関係、いわゆる急傾斜関係災害関連緊急事業についてお答えいたします。  今回の一連災害に関しましては、神津島に関しましては、砂防関係災害関連緊急事業を九カ所採択いたしまして、その中で、急傾斜関係、いわゆるがけ関係は三カ所既に採択して、現地では仮設の応急復旧等を実施しております。現在、先ほど委員の御指摘地震が次から次へと来ていますので、本格的な工事にはまだ至っておりませんが、仮設の対策でさらなる被害の防止を今暫定的に実施しているところでございます。今後、新島三宅島につきましても、斜面等の点検を早急に行ってまいりたいと考えております。  御質問の急傾斜事業の受益者負担金につきましては、急傾斜地の崩壊に関する災害の防止に関する法に基づきまして、事業費の一部を、一定の割合を受益者から徴収することになっております。この件につきましては、東京都が事業を実施する中で皆様方の御理解を得ながら実施していくということになってございます。よろしくお願いいたします。
  72. 松原仁

    松原委員 ぜひ軽減措置もまた御検討いただきたい、このように思うわけであります。  続きまして、三宅島においては、あそこの雄山が噴火をいたしまして、二度目に私が現地を見に行ったときも、ちょうど噴煙が高く上がっておりまして、大変なすさまじい状況でありました。噴煙は遠くこちらにある太平洋までなびいていたわけでありますが、このたび重なる降灰によりまして、家屋はもとより、アシタバを含む農産物に対して大きな被害が及ぼされているわけでありますし、また人体への影響も極めて大きいのではないかというふうに思っております。  十センチ以上、地域によっては降灰が降っている状況であります。過日の大雨のときには、灰により泥流が起こり、さらに二次被害が出ている、こういう状況のようでありますが、このいわゆる降灰に対する除去の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。
  73. 竹村公太郎

    ○竹村政府参考人 三宅島の北東部におきます降灰の除去は大変重要な問題でございまして、道路に関しまして、都道は七月十七日に、村道は七月二十六日に完了したわけでございますが、その後、七月二十六日の降雨によりまして泥流発生いたしまして、さらにまた、道路の上に泥流がかぶさってきているという状況にございます。現在、七月二十七日からその撤去工事を始めておりまして、八月十五日までには完了するという現時点での報告を受けてございます。  今後も万全の体制でやってまいりますが、このようにハードな対策と同時に、雨が降った場合の住民警戒避難のための基準雨量、このような点に関しましても、神津島では従来よりさらにシビアな雨量で設定する等、ソフトウエアでの対策もあわせて、住民の身体と財産を守るための対応に万全を期していきたいと考えております。
  74. 松原仁

    松原委員 現在も避難指示、勧告が六百以上出され、百人以上の方々が島内の避難所生活を余儀なくされる状況、こういったものが続いているわけでありますが、その心のケアの部分で、プライバシー保護ということで、これは三宅島でありましたが、実際現地を行ってきたわけでありますが、大きな体育館の中にパーテーションなしでございました。もちろんパーテーションがない方がいいという声も一部にあるというふうには聞いておりますが、長期に及ぶ場合はやはりそういったプライバシーの保護というものが必要になってくるだろうと思っております。  こういった避難所におけるパーテーションの活用、また、ちょうど今夏休みということでございまして、島の学校は現在教室があいているわけでありまして、この空き教室を利用してまたさまざまなプライバシー保護をしながら避難所として活用する、こういったことにつきましての御所見をお伺いいたしたいと思います。
  75. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 先生おっしゃられましたように、避難所における避難が長期化することによりまして、プライバシーの確保の対策というものが大変重要になってくるだろうというふうに思っております。  そこで、私ども厚生省におきましては、従来から避難所において先生指摘されましたような間仕切りをつくることができるようになっております。このようなことから、今後、実際に避難所を管理されている村や東京都におかれましては、避難所の実際の御意向、実際避難されている方々の御意向を確認しながら適切に対応が図っていただけるのじゃないのかなというふうに考えております。  また、後段御指摘されました学校の空き教室の利用でございます。学校の教室、比較的少人数の単位でのスペースが暮らしの中で確保されるのじゃないのかなというふうに思っておりますから、プライバシーの確保の点からはこれに役立つというふうに思います。  ただ、避難者の安全また健康というものも考え合わせ、また、これからの学校の事情や受け入れ態勢なども勘案いたしまして、避難所の選定、運営に当たっていくということが必要ではないかというふうに考えております。
  76. 松原仁

    松原委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。  続きまして、島の最大の産業は、御案内のとおり観光であります。観光業が一番大きな実入りになるという中で、今トップシーズンを迎えているわけであります。トップシーズンを迎えながら、御承知のように今回の大変な地震及び噴火等のことによりまして、宿泊施設はほとんどキャンセル状況というふうになっております。  一つの考え方として、地震等がさらにこれからも続くような状況があった場合に、被害のない民宿、どこの民宿が安全かというのもありますけれども、それぞれの島にある被害のない民宿を借り上げて避難所として活用するというふうなことも、一面観光業のためを思っても一石二鳥になるのではないかな、こういうふうに思っております。今、一泊二食つきで大体六千五百円ぐらいですから、島民の方がそこに避難するとなれば、食事は自分でつくれますから、そうしたらもっと値段が安くなるのかもしれませんが、そういった民宿など、被害のない部分を借り上げて避難所として活用するというのも一つの考え方だと思いますが、いかがでしょうか。
  77. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 避難所につきましては、公民館や体育館などへ避難していただくというふうにしておるわけでございますけれども、体が御不自由な方、また、体調を崩されるというような場合につきましては、特例として、所定の基準を超える費用で、社宅や先生指摘されましたような旅館などの借り上げで提供することができるようになっているわけでございます。  今回の新島につきましても、多くの避難者の方々が限られたスペースの中での生活を余儀なくされております。また一方、島内には他に適切な施設も見当たらないという実情もございます。そこで、先生指摘されましたような、民宿等に相当数の空き室があるということでございますので、現在、東京都において、民宿の活用の可能性について検討しているというふうにお伺いいたしております。  厚生省といたしましては、地元の実情を踏まえながら、一般の避難の方々に対してどのような手だてが可能か、東京都と協議しながら検討させていただきたいと思っております。
  78. 松原仁

    松原委員 民宿の活用は、もちろん、この四島にこだわることなく、風評被害というんですか、先ほども別の場所で議論をしてまいりましたが、伊豆の民宿も非常に今キャンセルがふえているという状況でありますので、そういったものも含めて、風評被害に遭われているようなところも借り上げるということも含め、ぜひ御検討いただきたいと思っております。  次に、衛生管理についてですが、やはりこういったストレスがたまる生活になりますと、衛生管理、ふろ、トイレ等がしっかりとしているかというのが一つの大きなポイントだと思いますが、この点につきまして、いかがなっておられますでしょうか。
  79. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 避難所における衛生面の関係、いろいろございます。  まず、おふろの関係につきましては、幸い、現在新島で避難されている方々の近くには、例えば、具体名で申しますと勤労福祉会館、また地域休養施設というような温泉の出るところがございます。そこで毎日入浴をしていただいてリフレッシュできるというようなことで対応いたしております。  また、特に、避難所はたくさんの方々がいらっしゃいますので、トイレの衛生管理も重要になってまいります。これにつきましては、避難者の方々みずからが清掃に当たっていただくということもございますし、また、シルバー人材センターから派遣された職員の方によって定期的な清掃がきちんと行われており、また、これを村も衛生面から定期的にチェックを行っております。  また、食事の面が大変重要になってまいるわけでございますけれども、これも、給食センターによって提供され、これについて保健所が厳密な衛生管理の指導を行っているわけでございます。  衛生管理の面でいろいろな諸点ございますけれども、これについて、季節柄、万全を図っていくということが重要でございますので、私どもとして全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  80. 松原仁

    松原委員 今回、気象庁のいろいろなお話をお伺いしましても、この地震等が終息するかと思いきやまた地震が起こる、そういったことが何たびも行われているわけでありまして、いつ終息するか先が見えない。先ほどの渡辺委員のお話ではないですが、さらに大きなものが来るかもしれないという憶測まで一部行われながらの状況の中であります。  こうした中において、やはり一つは、仮設住宅というものもそういう中でまた検討に入っていかなければいけないことだろうと思っております。実際に現地を見ますと、神津でありますが、神津の場合は、家の中に泥が入ってしまって住めなくなった家、そして自分の庭が地割れしているところ等々、現実には全壊はしていなくても住めない家というものがたくさん存在をしている。そこに戻るということは極めて生命の危機を感じるようなところもあるわけでありまして、そういう状況を考えた場合には、やはり仮設住宅設置についてもまたいろいろと思いをめぐらせていかなければいけないというふうに認識をしておりますが、この点につきまして御所見をお伺いいたしたいと思います。
  81. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 災害救助法におきましては、応急仮設住宅は、住宅全壊、全焼または流失し、居住する住宅がない人に対して、みずからの資力では住宅をつくることができないという人に対して建設を行っているわけでございます。  今回の新島の若郷地区の方々につきましても、住宅全壊全壊しなくても危険地区のために居住することができなくなっているという方々がいらっしゃるわけでございます。現在、東京都と新島においては、これらの方々について恒久的な住宅対策もあわせて検討する中で、仮設住宅設置についても現在検討中というふうに聞いております。  厚生省といたしましては、今後、仮設住宅設置について東京都から具体的な要望が上がってまいりました段階で、適切に対処させていただきたいと考えております。
  82. 松原仁

    松原委員 先ほども少し触れましたけれども、島の経済の柱は、観光、また農林水産業でございます。今回の地震で、先ほど申し上げましたように、三宅の場合等はおびただしい火山灰が降ってまいりまして、アシタバにも影響を与えるだろうし、それが短期的にすぐの被害だけではなく、その粘土みたいなものが場合によったらある程度長期の被害を及ぼすかもしれない、そういった状況。  また、水産物については、伊勢エビとかが島は大変に豊富なんですが、今回、聞くところによりますと、大変に揺れまして、揺れると伊勢エビが逃げてしまう。島の近くの岩場というか砂場というか、伊勢エビがいるところから伊勢エビが逃げてしまった。何といったって島が六センチとか十センチとか動くわけでありますから、伊勢エビも逃げ出すわけでありまして、そうなると水産もかなり厳しい。  そして、既にお話ししたように、観光業については大変に厳しい状況であります。  こういった全般の中小企業者の支援対策、これは一刻も早く求められるものだろうというふうに思っております。有珠山噴火の際には、被災中小企業に対する融資制度として、国と自治体が協調し、結果として無利子となる特段の制度を設けたと聞いておりますけれども、今回の三宅島、神津島新島式根島に対して、こうしたものと同様の措置をぜひとっていただきたいと思うわけでありますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  83. 中村利雄

    中村政府参考人 御指摘のとおり、有珠山噴火災害につきましては、特に著しい被害を受けております虻田町の洞爺湖温泉地区等の中小業者を対象に無利子融資を行うための利子補給を国と自治体が協力して実施することを既に決定いたしております。  他方、今次の伊豆諸島の方につきましては、災害救助法の発動を受けまして、直ちに政府系中小金融三機関の融資を、基準金利、これは現在二・一五%でございますが、別枠で行う災害復旧貸付制度を適用いたしますとともに、それらの機関等に対する相談窓口を設置したわけでございます。また、政府系中小金融機関及び保証協会に対しまして、手続の迅速化とか既往債務にかかります返済猶予の弾力化等につきまして、実情に応じた十分な対応をするように指示をしたところでございます。これまでに各機関の相談窓口に約五十件の相談が寄せられておりまして、既に三件の融資等の承諾を行っているわけでございます。  今後のことにつきましては、まだ地震活動が継続しておりますし、今後の被害状況等を見きわめる必要があると考えておりますので、地方自治体とも密接に連携を図りまして、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
  84. 松原仁

    松原委員 ぜひよろしくお願いをいたしたいと思っております。  さらに、私が島に行って幾つか見てきた中で、悩ましい問題というんですか、ひとつ考えていかなければいけない問題、答弁は結構でございますが、幾つか申し上げて、質問を終わりたいと思います。  一つは、二重ローンという問題があろうかと思っております。これは、三宅島の阿古地区が昭和五十八年に溶岩で大きな損壊を受けたときに、そこに居住していた人が、島のまた少し西側というんですか、別のところに移り住んだ住居がありまして、私もそこの現場の家を視察に行ったわけでございます。ちょうど活断層の上に家が建てられておりまして、もしかしたら扇大臣も行かれたかもしれませんが、中に入りましたらば、畳の部屋は真ん中が盛り上がっておりまして、これは次にもう一発活断層が揺れるようなことがあれば、到底安心立命して住むことはできない。  政治は、中国の昔の時代から、やはり治水とか災害に対するというのは大きな使命でありますから、やはりこれは何とかしなければいけない。しかしながら、いろいろな意味で補助はあったとしても、そこの家を建てて、まだローンが払い終わっていない。話を聞きますと、ほかのところに移るのも難しいから私は住み続けるというふうな状況であります。  この二重ローンについては、大ざっぱな対策を練るというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、こういったものについても、特に災害が起こる場所については、またひとつ検討をしていただきたいと思っております。  そして、今回、今さまざまな質問を申し上げました。しかし、一番大きな問題は、もちろん現実の島におけるさまざまな復旧作業であることは間違いありません。例えば、島の中には、特別養護老人ホームに行く道が崩れてしまって、そこに道を通っていけないところとか、さまざまなところがあるわけであります。  しかしながら、心の復旧というものがやはり一番大事だろう。島の物理的な復旧も大事でありますが、心の復旧というのを我々は見落としてはならないだろうというふうに私は思っております。  多くの島民の方が島を離れて別のところで疎開をしながら生活をしているわけでありますが、そういった生活をしている人たちが、子供たちまた母親、そういった方が一堂に会して、お互いにコミュニケーションができる、語り合うような場をぜひとも設置をし、そこでカウンセリングの相談等もできる、心のケアができるような場をぜひとも設けていったらどうだろうか、このように思うわけであります。  どちらにしても、今回のこの島の問題につきましては、一日も早い終息と、政府及び関係各位の御支援を心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
  85. 中山成彬

    中山委員長 黄川田徹君。
  86. 黄川田徹

    ○黄川田委員 岩手三区、自由党の一回生の黄川田徹でございます。  まずもって、有珠山火山活動や、そしてまた今般の伊豆諸島の群発地震によりまして被災されました皆様方には党として心からお見舞い申し上げますとともに、災害復旧に日夜当たられております方々に御慰労申し上げる次第であります。  私の住む岩手県は、ほぼ四国四県に匹敵する、日本で一番面積の広い県であります。そしてまた、人口はわずか百四十二万人であります。しかしながら、海や川など自然の環境には恵まれたところであります。そしてまた、私の選挙区の三区は、県南部で宮城県に接しておりまして、古くは平泉を中心として平安の藤原文化が栄え、江戸時代は盛岡の南部藩と仙台の伊達藩に属し、質実剛健の気風がみなぎっております。  一方、自然災害に目を転じますと、岩手県も内陸、沿岸部とも地震の多いところでありまして、最近は地元の岩手山の火山活動も活発化しております。  また、地震以上に、三陸沿岸は過去何度か大規模な津波災害に見舞われております。私が七歳のとき、昭和三十五年にチリ地震津波に襲われ、岩手県は当時の金額で百十五億円もの被害を受けました。その惨状は、子供心に、今でも鮮明に残っております。当時は、南米で起きた地震が日本で大災害を引き起こすなど予見できなかったかもしれません。また、明治二十九年の三陸地震津波では、一万八千人余のとうとい人命が失われました。  三陸においては、ほぼ四十年に一度大きな津波の被害に遭うということで、海岸に住む者でも生涯に一度あるいは二度体験するだけでありまして、大被害の恐ろしさは次の世代に伝わらず、風化していくのが現状であります。また、長いスパンで考えれば、大津波は、北海道あるいは日本海はもとより、東海など全国どこにでも起こり得るものであります。そこで、今回は、地震と津波、特に津波を主体とした災害対策について二、三お尋ねいたしたいと思います。  まず初めに、気象庁長官にお尋ねいたします。  やや重複するところもございますが、六月末の三宅島の火山活動をきっかけに始まった伊豆諸島周辺の群発地震は、発生から一カ月が過ぎましたが、今後拡大すると考えられますか。あるいはまた、近々終息すると考えられますか。  一方、これらの群発地震は、今まで長年心配されてきた東海地震の予兆とは考えられないと地震防災対策強化地域判定会が八月一日に見解を出しました。その根拠として、変化量は基準値の十分の一程度で、心配はないということであります。それでは、これと意見を異にするメンバーはだれもいなかったわけでしょうか。改めて伺います。
  87. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  まず、三宅島、新島神津島及びその周辺の地震活動の今後の推移でございますが、三宅島の火山活動を契機として、三宅島から新島神津島近海にかけての地震活動が活発化しております。一カ月を経過した現在でも、活発な地震活動が消長を繰り返しながら継続しているわけでございます。  これらの活動は、神津島東方の海底の下で岩脈状マグマが関与しているということでございまして、当該地域では、今までの私どもの調査では例のない活発な活動が現在続いているわけでございます。  現在、神津島東方海域マグマ活動が直ちに火山噴火等表面現象につながるわけではないわけですが、この周辺に展開してございますGPS観測の結果では、地殻変動が現在も依然としてわずかながらでも続いているということで、マグマ活動の終息が直ちに起こるような状況ではございません。したがいまして、しばらくの間は地震活動が継続するものと考えられておりまして、地震発生する場所によっては強い揺れ、つまり震度五弱から六弱程度の大きな揺れも当分続くのではないかというふうに考えているところでございます。  お尋ねの二点目は、東海地震との関連でございますが、先生ただいまお話がありましたように、今月、八月一日でございますが、東海地震のいわゆる地震防災対策強化地域判定会を開催いたしまして、この地震活動東海地域との関連を精査いたしました。  その結果、この周辺の海域のマグマ活動影響が、東海地域の主に東側の地域にございます一部の、体積ひずみ計と申しまして、地面の伸び縮みをはかる計器でございますが、ここに判定会招集基準のたかだか十分の一の量にすぎない程度でございますが、わずかな形で地殻応力の影響が観測されてございます。この量そのものは極めて微量でございまして、これが直ちに東海地震につながる可能性はないというふうに判定会の全員の意見一致で結論を得たところでございまして、この結論についてはおおむね地震学者から受け入れられているというふうに認識してございます。
  88. 黄川田徹

    ○黄川田委員 先ほど申し上げましたように、三陸沿岸も地震の多発地帯でありまして、津波の発生が大いに心配されます。そしてまた津波は全国どこでも起こり得る話でありまして、災害は忘れずに必ずやってまいります。  そこで、再度気象庁長官にお尋ねいたします。  津波災害対策上、潮位計など津波の監視体制は技術的に最近どこまで進んでいるのでしょうか。また、大学も含めた国と県の役割分担及び自治体間の連携などを改善し、より効率的な全体システムを構築すべきと考えますが、気象庁を主体とした対応はどのようなものでしょうか。
  89. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  まず、現在の津波予報技術の現状でございますが、気象庁では全国大体六十キロ間隔でございますが、ここに地震計を配置いたしまして、常時、二十四時間体制地震活動を監視してございます。津波は海域における地震発生で起きるわけでございまして、我が国周辺の海域における地震は全国に展開しました地震計でほぼ確実にとらえられているというふうに認識してございます。  地震発生と津波の伝播の様子をより定量的に数値計算により予測する手法を開発いたしまして、日本の沿岸をおおむね都道府県単位で考えますと、大体六十六、つまり県単位ごとの予報区分で、具体的な、何センチ、何メーターの津波がいつ来るというきめの細かい情報を発表する津波予報システムを昨年度から運用を開始してございます。  私どもの発表する津波の量的値をもとに、地方自治体等に対しまして、国土庁気象庁が開発いたしました具体的な、例えば遡上高、湾内の遡上高の計算システムのソフトウエアを貸与いたしまして、気象庁の発表した津波の量的値を入力することによって、具体的な津波の防災対策ができるような措置を講じてまいっている次第でございます。  なお、気象庁では、日本の沿岸の七十六カ所で最大十五メーターまでの高さの津波を観測するための施設、あるいは南米等遠地で発生して太平洋を伝わってくる津波をいち早くとらえるために、南鳥島に遠地津波計というものを整備してございます。  津波の観測施設につきましては、検潮所が大変有力なデータでございまして、海上保安庁、運輸省港湾局、地方公共団体、これらとの連携のもとに、これらの機関が整備しました検潮所のデータを気象庁にリアルタイムでオンラインで配信してございまして、実際の予報と到来する津波についての情報を迅速に発表してまいっている次第でございます。  なお、国際的には、太平洋津波警報センターというものを太平洋を取り巻く各国と組織してございまして、遠地における津波についてはお互いに情報交換をし、津波の到来以前に防災対策をとるように、国際協力の推進を行っているところでございます。
  90. 黄川田徹

    ○黄川田委員 チリ地震を経験した者として、やはり南米などで起きた地震も捕捉されて、そしてまた即座に対応できる仕組みというのが必要でありますので、今お聞きしますと諸外国との情報交換、連携等もなさっておるようですので、ひとつよろしくお願いいたします。  さて、津波が発生すると知らされたとき、私たちの経験からは、ともかく一刻も早く指定された場所へ避難することが重要であります。  そこで次に、消防庁長官にお尋ねいたします。  県や市町村の地域防災計画の策定に際し、このような避難計画あるいは訓練がどのように反映されていますか。特に、避難対策がどのようになっておりますか。そしてまた、地方にあっては少子高齢化がどんどん進んでおりまして、その対策も大変であります。そこで、特に高齢者あるいは障害者などの災害弱者にどのように配慮されておりますか、ひとつよろしくお願いいたします。
  91. 鈴木正明

    鈴木政府参考人 お答えいたします。  御指摘の津波対策につきましては、昨年の七月に、関係省庁によりまして「沿岸地域における津波警戒の徹底について」の申し合わせが行われております。消防庁としましては、それを踏まえまして、地方公共団体に対して地域の実情に即した津波体制の強化を図ること、地域防災計画の策定見直しを図るということで要請を行っております。  そこで、地域防災計画におきましては、住民安全確保を図るという観点から、情報伝達体制の充実ということと避難体制の整備を最重要課題としまして、一つは市町村防災行政無線の整備促進、もう一つは避難路の整備、避難場所の確保、住民方々への周知、また訓練ということについて十分留意すべきである、このようにいたしております。  とりわけ、議員指摘の高齢者等の災害弱者の方々に対する避難というものを円滑に進めるということが重要でありますので、地域防災計画においては、あらかじめ、自主防災組織との連絡方法、あるいは消防団などとの連絡方法とか、避難の補助の方法といったことについて計画に定めるということをいたしております。  市町村におきましては、地域防災計画に避難地の指定など、津波対策の記述が必ずしも十分でない団体もあるわけでございますが、一方では、過去の教訓を踏まえまして、例えば三陸沿岸の市町村などにおきましては、地域防災計画におきまして、高齢者等自力で避難することが困難な方には実施責任者を置くこととか、さらには、消防団員などを配置して、それによって災害弱者を優先して避難誘導するといったことを具体的に定めているところもあるわけでございます。  消防庁といたしましては、特に沿岸域を保有する市町村に対しまして、今後とも、人命の安全確保ということで、高齢者等災害弱者を含む避難体制を充実強化するように趣旨の徹底を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
  92. 黄川田徹

    ○黄川田委員 引き続き、個々の地域の実情に合った地域防災計画となるよう努力していただきたいと思います。  最後に一言、要望として申し述べさせていただきます。  私のように地方議員を経験してきた者として、最近、有珠山火山活動伊豆諸島の一部の群発地震による災害を目の当たりにするとき、地域住民と直接接する市町村長がいかに速やかにかつ的確に対処するかが被害を少しでも軽くする上で極めて大切であるということがよくわかります。  災害対策基本法によりますと、災害発生し、または発生のおそれのある場合、住民の生命財産を災害から守るため、市町村長は、地域住民に対し避難勧告避難指示をしなければなりません。そして、この判断も決断も、うまく行われて当たり前であります。しかも、その決断も、瞬時に迫られます。そのとき、市町村長に、国の関係機関から災害情報がどれだけ迅速かつ的確に与えられるかが最も重要であります。  こうした観点から、国の関係機関においては、災害情報の伝達に関し、防災機関が互いに連携を十二分に図り、実戦的な支援体制を講じるなどして、首長がその責務を円滑に遂行できますよう、国として引き続き御尽力していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  93. 中山成彬

    中山委員長 藤木洋子さん。
  94. 藤木洋子

    ○藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  三宅島の火山噴火、また、三宅島、神津島新島、利島の地震活動は、発生から一カ月以上経過して今なお続いております。私たち日本共産党の国会議員団は、都会議員団と合同で、発生直後に引き続きまして、七月の二十一日と二十二日にわたって被災地に入りました。私も、利島、新島神津島現地の実情を調査してまいりました。これにつきましては、既に八月一日、長官に対してさまざまな施策についての申し入れを行ってきたところでございます。  私は、二十一日、新島に宿泊をしたんですけれども、その夜は六回も震度三程度の地震に揺さぶり起こされました。眠れない一夜を過ごしたわけです。こうしたことが常態化している現地方々の疲労というのは、私たちの想像をはるかに超えるものだと実感をいたしました。まさに、今そのものが災害なんですね。  私自身、阪神淡路大震災被災地、兵庫県出身者として、従来の制度の枠組みでは被災者の救済はとてもし切れないということを痛感してまいりましたけれども、今回の島の災害でさらにその思いを強くいたしました。島で暮らし続けることができるという安心感と、生活営業を再建する意欲が持てるように、被災地被災者の実態に即した、従来の枠組みにとらわれない柔軟な対応というのが殊のほか必要だ、このように思いますけれども、長官のお考えを伺いたいと思います。
  95. 扇千景

    ○扇国務大臣 今藤木委員からお話がございまして、先日も私に対しての御要望を拝聴いたしました。  三宅島、神津島新島式根島等々、私も、式根島はまだ行っておりませんけれども、三島には行きましたし、少なくとも、私は、長期の地震あるいは火山活動により多くの方々が不自由な生活を強いられていらっしゃる現状も見ましたし、また、私もそのことに対して心を痛めている一人でございます。  政府としましても、応急あるいは復旧に対しましても、多くの地震が継続している、そして今も揺れ続けている、昨晩もそうでございました。そういう意味におきまして、被害の全容がいまだ把握されていないという現状でございますけれども、少なくとも、私どもは、その現状を早く、一日も早く把握しますとともに、少なくとも、手の届きます限りは即座に対応するというのが今の現状でございます。  そういう意味で、被災者の実情に応じましてどのような対応が可能なのか、十分に私どもは対処し、また、それに対しての検討もしてまいりたいと思っております。
  96. 藤木洋子

    ○藤木委員 ぜひ、阪神被災地の出身長官でもいらっしゃいますので、そういった実情については本当に心を痛めていらっしゃると思いますので、それが本当に生きるような方向で前進を図っていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと思います。  関係地域住民の最大の関心は、これからどうなるのか、一体いつまで続くのかなど、今後の見通しがどうなるのかといったような情報をとても強く知りたがっておられることでした。  そこで、情報提供のあり方のことなんですけれども、一方通行ではなくて、被災地方々が聞きたいと思っていることに答えられるような改善が求められているわけです。例えば、現地説明会に電話やテレビ電話などで答えていただくとか、必要があれば気象庁関係者が現地に出張されまして説明に当たるといったことなど、知恵と創意を凝らして改善に努めていただきたい、このように思います。都や村とも連携をしてぜひ改善策を検討していただきたいと思いますけれども、気象庁、いかがでございますか。
  97. 山本孝二

    山本(孝)政府参考人 お答えいたします。  気象庁といたしましては、地震情報あるいは火山情報等で地震火山活動状況を適時に発表して、都道府県等に伝達してきたところであります。  今回の地震火山活動につきましては、東京都から三宅村、新島村、神津島村を通じて、防災行政無線などによりまして住民方々へ情報が即時に伝えられているというふうに理解しているわけでございます。  また、地震火山活動状況の解説については、住民の方が知りたい、今の状況がどうかとか、これからの見通しがどうかとか、そういうことについては、例えば火山噴火予知連の統一見解などが出た場合には、気象庁のホームページなどを通じて公表してございます。  先生指摘の、住民への地震活動等の解説についてでございますが、今までも、例えば三宅島の現地対策本部気象庁職員を派遣しまして、適宜、火山活動状況説明などを行ってきたわけでございますが、これからも機会をとらえまして、地元地方公共団体等と連携して適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  98. 藤木洋子

    ○藤木委員 今後、地元と相談をして検討していくということですけれども、それはぜひ実行できるようにしていただきたいんですね。インターネットを私は国会の控室へ帰ってきてから開いてみましたら、確かに出ているんですけれども、島の方たちがあれをごらんになるというような状況じゃないんですね。ぜひその辺は現実的な対応をしていただきたいと思います。  神津島では、崩壊した山に白い谷がもう幾筋もできておりますけれども、白い煙が立ち上っているわけですよ。それは、始終さらさらと細かい砂が流れ落ちている、そういう状況で、風とともに舞い上がっている、そういう様子なわけですよね。こうした状況に、台風だとか集中豪雨、さらなる地震活動による新たな土砂災害だとか、あるいは泥流による二次災害発生というのはもう現実のものとなってきておりまして、しかし、地元は、現在継続中の災害対策でもう手いっぱいというようなことですので、自治体任せではなくて、被害の拡大が極めて懸念されるわけですから、国が実態の把握に努め、被害の拡大防止の対策責任を持って支援をしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。  さらに、先ほどもお話が出ていましたけれども、新島の若郷地区の住民避難所生活でございます。これは随分長期化しておりまして、高齢者事業団でふだんは働いていたという方たちは、何にもすることがなくて、自宅がどうなっているか、漁場がどうなっているか、そんな心配ばかりして毎日を過ごすということに疲れたと言われるわけですね。それだけではなくて、プライバシーも奪われたままの避難所生活での精神的疲労というのも積もり積もっているという状況でございました。  しかし、それにしても、この新島の場合は非常に丁寧な対応をしておられまして、対策本部は日々の情報をペーパーにして各避難所に届けて、かなり心配りのある対応をしていらっしゃいました。それでも、避難していらっしゃる方たちはもう耐えられないという状況があふれ出ておりました。  ですから、この中で仮設住宅が欲しいという要求も強く出されているところなんです。だれにも気兼ねせずに伸び伸びと畳の上で寝てみたいというのは、本当にささやかで当たり前のことだというふうに思うんですね。ですから、こういうストレスのたまった状況というのを解消していくためにも、もし地元自治体から仮設住宅建設の要求があったとすれば、国としては積極的に支援を行っていただきたいと思うんですけれども、御支援はしていただけますでしょうね。厚生省、どうですか。
  99. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 先ほども松原委員の御質問お答えいたしましたけれども、現在東京都において、また新島村が避難の方々についての恒久的な住宅対策を検討する中で、仮設住宅設置についても検討をしているというふうにお伺いしております。その検討の結果、厚生省に対して仮設住宅設置について東京都から具体的な要望がありましたら、これについて適切に対応していきたいというふうに考えております。
  100. 藤木洋子

    ○藤木委員 地元からの要望があればこれに適切に対応するということでございますけれども、積極的な御対応をしていただきたいというふうに存じます。  また、三宅島の降灰というのは極めて深刻でして、舞い上がっている灰のある一方、地上へ積もった灰はかわらのように固まって覆い尽くしているというような状況になっているわけですね。ですから、農地や漁場の、テングサ干し場などに積もった灰を個人任せにしていたのでは復旧のめどは全く立たないであろう、このように思われます。  農家や漁業者の負担の軽減を図ることが強く求められていると思うのですが、そこで、降灰除去事業などの採択要件というものを弾力的に運用することなどの措置をとるべきではなかろうか、このように考えるわけです。その点、農水省にどうかということを伺いたいと思います。  また同時に、宅地の降灰除去についても同様に扱ってもらいたいと思うのですけれども、こちらは建設省の方にお答えをいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  101. 田原文夫

    田原政府参考人 お答えいたします。  我が省関係では二つの御指摘がありまして、まず一点目の農地の関係でございますけれども、こういった降灰によりまして農地が災害を受けました場合の復旧につきましては、農林水産業施設災害復旧事業暫定措置法という法律がございまして、この中に要件がございまして、堆積いたしました降灰、灰の平均的な厚さが、粒径、粒でございますけれども、これが一ミリ以下でありました場合は二センチメートル以上の堆積、それから〇・二五ミリメートル以下の場合でしたら五センチ以上、こういう法律上の要件がございます。こういった要件に当たるかどうか、現在都の方において調査中だというふうに伺っておりまして、そうした調査結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、この農地の降灰被害の場合につきましては、実は、こういった要件に当たらない場合ということの対応といたしまして、私どもの補助事業で、自然循環機能増進総合対策事業によりまして、例えば土壌に堆積しました降灰の除去ですとか、土壌の性質を改善するための資材の投与と申しますか散布と申しますか、そういったものに要します費用の助成等々も行っているところもあわせて申し上げさせていただきたいと思います。  それから二点目、テングサの干し場というお話がございまして、実は調査しましたところ、こういったテングサ干し場等のいわゆる水産施設につきましては、水産業協同組合等の民間が所有している場合、こういったものを助成するというふうに先ほどの法律なり政令なり、そういったもので定められております。今回の被災地の場合、三宅村の村有地であるというふうに聞いておりまして、水産業協同組合等が所有しているものではないということでございまして、現在のところ、村の事業としてこういったものの降灰除去を行う予定であるというふうに聞いているところでございます。  いずれにいたしましても、今後、被害状況の的確な把握に努めまして、適切に対応してまいりたいと思っております。  以上でございます。
  102. 山本正堯

    山本(正)政府参考人 お答えをさせていただきます。  先生今御指摘の宅地への降灰を排除する事業に対する国庫補助制度につきましては、私ども、二つの事業の制度がございます。一つは、活動火山対策特別措置法に基づきます降灰除去事業でございます。それからもう一つは、都市災害復旧事業として行っております堆積土砂排除事業、この二つの方法がございます。  このうちの降灰除去事業につきましては、連続した二カ月間に毎月一回以上の降灰がある、しかも降灰総量一平米当たり千グラム以上の場合適用される。もう一つ、堆積土砂排除事業につきましては、一団で二千立米以上の堆積土砂があるといった場合に適用されるわけでございます。補助率が二分の一でございます。  こういう事業の制度の運用につきましては、現在三宅島における降灰の堆積の実態等を把握して判断することになるわけでございますが、これらの事業は、法律等に基づきまして、市町村が指定した場所、例えば道路沿いに搬出、集積されたものを処分場に運搬するという事業について国庫補助の対象になる、こういうことでございまして、個々の方々の宅地内での庭等から道路沿い等に土砂を集積する作業については、個人の財産内に係るものであるということから、個人責任という基本にいたしておるところでございます。さらに、実態的には三宅島におきましてはもう既に八割以上の宅地において個々に排除がされておるということで、その排除をされた方と今排除を待っておられる方というのと、公平性にも問題があるんじゃないかということでございます。  いずれにいたしましても、指定された道路沿いの場所まで搬出をしていただいて、その後についての補助を私どもは精いっぱいやっていきたい、こういうことでございます。
  103. 藤木洋子

    ○藤木委員 実は、私は説明を求めたわけではございませんで、そういった範疇を超えて支援をしていただきたいということを申し上げたわけでございます。そのことにとらわれないで、調査結果をだらだらと待つというだけではなくて、本当に地元の人たちがすぐに産業に従事できるような状況に手助けをするという立場に立っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  今もお話がございましたけれども、こうして見てみますと、被害救済を行おうと思っても補助事業の対象にならないというものが随分あるわけですね。しかし、個人の住宅だとか宅地の降灰除去などというのは高齢者だとか病弱な方にはとても自力ではできないわけでして、やはりそういう御家庭に対しては人的な支援を行って被災者の負担を軽減するということが必要になってくるわけです。この場合、阪神淡路大震災の教訓では、倒壊した家屋だとか瓦れきの処理といったことにまで公費を出費していただいて、公的な支援をさせるということができました。この水準を絶対に維持するという立場で今回の災害にも臨んでいただきたいというふうに思うわけです。  そのために一つ私は具体的な御提案をさせていただきたいと思うのですが、自治体がそのための作業員として当該地域住民を雇用する、こういう方法をとりますと、仕事を失っていらっしゃる住民にとっても助けとなるだろうというふうに思うわけですね。ですから、そういったきめの細かさというのをぜひ発揮していただきたいと思いますし、補助事業に該当しない各種の対策などでは、特に、地方自治体の経済規模からいっても、特別交付金の大幅な増額であるとかあるいは普通交付金の前倒しなど、支援を強化していただきたいというふうに考えているわけです。  あわせて、激甚災害の早期指定に力を尽くしていただきたいと思いますが、これはやはり、防災と、そして災害が起こったときにはその救済、復旧責任を負っていらっしゃる国土庁長官として、各省庁の積極的な支援に御尽力をいただきたいと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
  104. 扇千景

    ○扇国務大臣 今藤木委員がおっしゃいましたように、補助事業の対象にならない事業につきまして、自治体が本来は単独事業として実施することになりますけれども、今先生がおっしゃいましたように、この財源につきましては、地方の財源措置上、今大変難しいという状況でございますけれども、私は、現地三宅島から石原都知事と電話でお話をさせていただきまして、これは、国と地方が一体になって全面的に協力しようではないかというお約束もお電話でいたしました。  また、今先生がおっしゃいますように、関係省庁とこれはよく連携をとって、相談して、対処してまいりたいと思っております。  またもう一つ、今おっしゃいました三宅島、新島神津島に関しての災害を激甚災害として早期に指定せよというお話でございました。  先ほども総括政務次官お話ししましたように、この災害につきましては、関係省庁によります復旧事業の査定等が、当該の標準税収入の二分の一を上回る場合に指定されるというのは御存じのとおりでございますけれども、現在まだ、地元の自治体によります被害状況調査が今現在進行中でございまして、査定が行われておりません。しかし、私自身が現地で聞いてまいりました被害状況からは、神津島村あるいは新島村につきましても被害が本当に大きゅうございましたので、指定基準を超えることほぼ確実だと私自身は目で見てまいりました。またお話も聞いてまいりました。速やかに被害状況を把握して、激甚災害の指定について判断が得られるように、私自身も努力してまいりたいと思っております。
  105. 藤木洋子

    ○藤木委員 実態をごらんになっていらっしゃったというのは大変強みだというふうに思いますね。その事実に即して、ひとつ改善を図られるようにお願いをしたいと思います。  また、もう一つ大きな問題で、融資の問題があるわけですが、現地では夏三月と言うのだそうですね。一年の収入の九割が七、八、九ですか、とにかく夏の三カ月で収入を得るということなんだそうですよ。ところが、その観光シーズンの真っただ中にこの災害が起こっているわけですから、全く一夏を棒に振らなければならない。そこで、融資の要求が出てくるわけです。  私、拝見いたしますと、農水省の場合、農水省関係の融資についてということで、農水省の経済局金融課長名で、農林漁業金融公庫総裁と農林中央金庫理事長あてに、要望といいますか依頼をしておられるわけですね。経済資金等の融通及び既貸付金の償還猶予等についてぜひ善処を図ってもらいたい、こういう依頼をしていらっしゃるわけです。  こういうことというのは大変望まれているわけでして、中小企業庁としても、その立場に立ってぜひ融資の問題では対応していただきたいと思うわけです。現場の皆さんたちは、既存債務について返済の猶予や低利の借りかえを行ってほしいということが要求になっているわけですけれども、ぜひその支援を進めていただきたい。  もう一つは、新たな融資について、保証人はとらないといったような手続の簡略化をぜひ図っていただきたいと思うんですね。保証人になるといったって、みんな被災者同士ですから、これは本当に矛盾した事態になると思います。また、利子の軽減なども必要だというふうに思いますが、中小企業庁としてはいかがでしょうか。
  106. 中村利雄

    中村政府参考人 お答えいたします。  まず、今般の伊豆諸島災害に対しましては、直ちに政府系中小金融機関の東京都内の各支店に相談窓口を設置いたしております。その中で、当然既往債務についても御相談に応ずるということになるわけでございますが、既往債務につきましては、返済猶予などの条件変更について、個別中小業者の実情に応じまして、弾力的に対応するように指示をいたしております。  ただ、既往債務の借りかえにつきましては、過去の災害においても特段の措置を講じたことがないということもございますし、事業資金として貸し付けるという中小金融機関の特性といいますか役割という観点からも、前述の条件変更の弾力化によって適切に対応していきたいというふうに考えているわけでございます。  それから、新規の融資につきましても同じように指示をいたしておりまして、例えば、貸し出し手続の迅速化あるいは担保徴求の弾力化を図るということを指示いたしておりまして、個別中小業者の実情に応じた対応をするように指示いたしております。  現在の災害復旧貸し付けの利率については基準金利を適用しているわけでございまして、この制度の的確な運用に努めてまいりたいと考えております。
  107. 藤木洋子

    ○藤木委員 もう時間ですので質問はいたしませんが、被災者一人一人の被害実態を正しく把握し、災害で暮らしに困っている住民に対する生活と生業の再建に公的支援を実施して、意欲を持って安心した暮らしができるようにすることだ、このように思います。そのためには、災害による休業補償の確立だとか、住宅を含めた生活再建支援制度の抜本的な改善を行うことだと思います。  私が最も心が痛みましたのは、もうこの島に住み続けられないのではないか、こういう島の人たちの思いが広がっているのではないかという懸念であります。阪神淡路大震災から五年半を経過してもなお、生活の再建、営業の再建から取り残されている被災者をたくさん残しています。有珠山でもそのとおりです。どの災害だから特別だということではないわけですから、私は、ぜひともその公的支援を充実させるために御努力をいただくことを重ねてお願いして、発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  108. 中山成彬

    中山委員長 金子哲夫君。
  109. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 私は、社会民主党・市民連合の金子哲夫でございます。  私は広島に住んでおりまして、割合と地震の少ない地域に住んでおるものですから、地震災害というもの、有珠山また三宅島周辺の地震というものが、長い、しかも長時間にわたってその被害が続いているということに心が痛むわけでございます。そういう自然の災害でありますので、私どもの力でなかなかすべてを御することはできませんけれども、できるだけ早く、一日も早くこの災害が終息するように私どもも祈っておるわけでございます。  御承知のように、広島も、昨年の六月二十九日に集中豪雨による大災害が起きまして、その災害に遭われた皆さんの、とりわけ広島の場合には多くの皆さんがお亡くなりになりまして、その意味でも大きな災害であったわけでありますけれども、一年をたちまして、今なおその復旧に力が注がれているところであります。  また、広島の災害を契機に、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律というものができまして、できるだけ災害を未然に防いでいこうということでこういう法律ができたわけでありまして、そういう意味では、未然に、できるだけ、とりわけ人的な災害が少なく抑えられていく、そういうことを常日ごろから災害対策としては考えていかなければならないのではないか、我々もそういう思いを持ってこの災害対策特別委員会に臨まなければならないという思いをいたしております。  それで、もう既に何人かの委員の皆さんから質問が出ておりますので、しかし、昨日の時点で質問の通告もしておりますので、ダブる点もあるかもわかりませんけれども、改めてこの有珠山なり伊豆諸島三宅島周辺の火山地震活動に対しての幾つかの御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  最初に、先ほど来お話が出ておりますように、有珠山火山活動は一応終息の方向に向かっているということでありますけれども、被災をされている皆さんにとっての生活や生業はこれからいよいよ本格的な復旧だ、どうもとの生活に戻っていくかということでのスタートが始まったということが言えると思うわけであります。そういう意味では、本当に被災をされた皆さんがこの困難な大変な災害の中でもとの生活に戻ろうということであれば、大変な困難な状況に、また大変な御苦労があるということを私は感ずるわけでございます。  そこで、先ほども幾つかの質問の中にありましたように、私も昨日テレビのニュースで有珠山周辺のホテル再開、またその営業状況などをお聞きしたわけでありますけれども、今その皆さんがどのような被害状況で、またこれに対する再建の状況、それからとりわけホテル旅館関係における営業状況についてどういう状況になっているか、改めて御回答をいただきたいと思います。
  110. 鷲頭誠

    鷲頭政府参考人 お答えいたします。  洞爺湖温泉ホテル旅館につきましては、先ほど先生の御指摘がありましたとおり、有珠山噴火以降、避難指示対象とされまして営業を行うことができなかったというところでございまして、被災による影響は大変なものがございました。その後、火山活動鎮静化に伴いまして、七月二十八日までにホテル旅館に対する避難指示というものはすべて解除されまして、順次営業が再開されているところでございます。  このうち、政府登録ホテル旅館につきましては、洞爺湖温泉内の十一軒のホテル旅館があるわけですが、そのうち既に八軒が営業を再開しておりまして、あと三軒残るわけですが、それにつきましても、八月の十日から二軒、あるいは九月十五日から一軒ということで、営業再開に向けた準備を進めているところでございます。
  111. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 今状況は大変厳しいということをお伺いいたしたわけでありますけれども、こういう方々に対する融資やその支援制度が具体的にはどうなっているかということをお教えいただきたいということと、また、その制度が今どの辺まで活用が進んでいるか、そのような状況をお教えいただきたいと思います。  また、それと同時に、先ほどの質問にもありましたように、こういう制度というのは先例の中でつくられていく、こういうことにどうしてもなるわけで、後追いになるわけでありまして、そういう意味では、その制度ですべてがカバーできるということはどうしても少なくなる、新たな問題が必ず惹起してまいります。  そういう意味では、今後、今の制度の中で救済できないような問題について、またこういう制度の中で課題を今持っているというようなことがあればお教えいただきたいと思います。厚生省と中小企業庁。
  112. 西本至

    西本政府参考人 私どもの国民生活金融公庫でございますが、そこにおきまして、三月三十日に、北海道内九支店に有珠山火山活動関連特別相談窓口を設置いたしますとともに、同支店におきまして、災害貸し付けの取り扱いを行っているところでございます。これは、一般の貸付限度額に三千万円を上乗せするというものでございます。  また、被災状況や地元の方々の要望を踏まえまして、一千万円を限度とし、貸し付け後三年間、利率を現行の二・一五%から一・九%に軽減する特別の措置が六月九日に閣議決定されたところでございます。  さらに、貸し付けに当たりましては、個別企業等の実情に応じ、既往債務の返済期限の猶予等、弾力的な対応を行うとともに、窓口における親身な対応、あるいは迅速な手続に努めているところでございます。  八月三日現在の相談件数は三百八十三件、貸付決定件数及び金額は百五件、六億九千二百万円でございまして、引き続き支援の着実な実施に努めてまいりたいと考えております。
  113. 中村利雄

    中村政府参考人 有珠山噴火により被災された中小企業の方に対します措置でございますけれども、まず、噴火直後から政府系中小企業金融三機関によります災害復旧貸し付けの実施及び既往債務の返済条件の緩和等の弾力的な対応を行わせております。  また、信用保証協会によります中小企業信用保険の保険限度額の別枠化等の支援を行っております。  さらに、有珠山噴火による影響の長期化に伴いまして著しい被害を受けている中小企業に対しましては、一層の支援を行うために、六月九日に閣議決定を行いまして、売り上げ減少等の被害を著しく受けている中小企業を対象に、政府系中小企業金融三機関による災害復旧貸し付けの金利を引き下げております。一・九にしたということでございます。  それとあわせまして、特に著しい被害を受けております虻田町の洞爺湖温泉地区等の中小業者を対象といたしまして、無利子融資を行うための利子補給を国と自治体が協力して実施することを決定いたしました。それらの措置につきましては、三月三十日までに遡及して適用することといたしております。  これまでのところ、政府系中小企業金融三機関におきまして百十六件、信用保証協会におきまして三百四十三件、合計四百五十九件の融資及び保証が承諾されております。  今後とも、被災中小業者の状況の把握に努めまして、これらの支援制度の適切な運用を図ってまいりたいと考えております。
  114. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 今ちょっと、厚生省の方、少し聞き取りにくかったのですけれども、問い合わせ件数は三百八十三件で、うち五件が対象になったとおっしゃったのですか。三百八十三件も問い合わせがあったうち、わずか五件というのはちょっとどういうことか、事情を。
  115. 西本至

    西本政府参考人 大変聞き取りにくい発言で失礼をいたしました。相談件数は三百八十三件、貸付決定件数は百五件でございます。失礼いたしました。
  116. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 三分の一ですよね、今のは。三分の一ぐらいしかそれが対象にできなかった主な理由は何でしょうか。問い合わせ件数に対して実際に融資が決定したのが百五件という、三分の一以下になっているのですけれども。
  117. 西本至

    西本政府参考人 お答えをいたします。  条件変更等が入っているというようなことがその主な原因だそうでございます。
  118. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 余りよくわかる説明じゃないので、条件変更といっても、何のことかさっぱりわからないですよね。先ほど言いましたように、被災された方に対して国ができるだけ手厚い支援策をとるということを言っているわけですから、問い合わせの件数に対してそれだけ少ないというのは、あなたの説明では何も意味がわからないんじゃないですか。
  119. 西本至

    西本政府参考人 もう少し詳しく御説明申し上げますと、まず、当初相談がございました件数は、融資件数が百六十三件、そして返済条件の変更が二百二十件ということで、合計三百八十三件でございました。このうち、申込件数が百八件ございまして、貸付決定になりましたのが、いろいろ条件等の変更もございまして、最終的に百五件になった、こういうことでございます。
  120. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 数字としてはわかりました。ただ、それだけ問い合わせがあったということですから、その中にやはり困窮の状況というものはあるわけで、今後、できるだけそういう方たちも含めて、希望があれば適用されるようにぜひお願いをしたいと思います。  あと、時間もありませんので、次に伊豆諸島の問題に関してでありますけれども、先ほどの有珠山の問題と同じ質問になるのでありますけれども、今ちょうど観光シーズンということで、先ほどもお話ありましたように、非常に大きな打撃ということになっておりますが、その具体的な状況についてお知らせいただきたいと思います。
  121. 鷲頭誠

    鷲頭政府参考人 お答えいたします。  今回の伊豆諸島における火山地震活動により影響を受けております三宅島、新島神津島式根島の四島に、合わせて三百六の宿泊施設がございます。ほとんどは民宿でございます。現在、運輸省では、東京都と連絡をとりながら、宿泊施設の状況等について把握に努めているところではございますが、現地では、安全上の問題などから観光客の受け入れを自主的に断っているというところもございまして、全体的な数字は必ずしも把握はまだできておりませんが、これらの島を訪れる観光客の数というものは大きく落ち込んでいるというふうに報告を受けております。
  122. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 今報告ありましたように、数も把握できないほど大変な状況ということと同時に、非常に長期にわたっているということで、これに対する影響というのは非常に大きいと思うわけであります。先ほどの有珠山質問と同じようになるのでありますけれども、この三宅島の問題、伊豆諸島の問題につきまして、確かに、まだ現在も活動中ということもあって、被害がさらに拡大をする状況にもありますので、今の時点ですべての支援策ということにならないと思いますが、現状と、それから時間的に長くなるということもありますから、できるだけ早くそういう対策を講ずるべきだというふうに考えておりますけれども、これは運輸省も含めて御回答をいただければと思います。
  123. 中村利雄

    中村政府参考人 伊豆諸島火山地震活動により被災された中小企業の方々に対しましては、災害救助法の発動を受けまして、直ちに政府系中小企業金融三機関の融資を別枠で行う災害復旧貸付制度を適用いたしました。また、それらの各機関におきましては、相談窓口を設置して対応をしているところでございます。  また、政府系中小企業金融三機関及び信用保証協会に対しまして、手続の迅速化でございますとか、既往債務に係る返済猶予の弾力化などにつきまして、個別の中小企業者の実情に応じまして、十分な対応を図るよう指示をいたしております。  これまでのところ、各機関の相談窓口に約五十件の相談が寄せられておりまして、三件の融資等の承諾が行われております。今後とも、被災中小企業者の被害状況等を十分把握いたしまして、適切に対応してまいりたいと考えております。
  124. 西本至

    西本政府参考人 先ほど有珠山で御説明申し上げましたように、国民生活金融公庫におきまして、この三宅島のケースにつきましても、六月二十七日に三宅火山活動関連特別相談窓口、それから七月四日に神津島及び新島地震関連特別相談窓口というものを東京都内十四支店に設置をいたしまして、同支店におきまして災害貸し付けの取り扱いを開始したというところでございます。  現在の数字でありますが、八月三日現在におきまして、相談件数は三十八件ございました。このうち、実際の申し込みは五件でございまして、貸付決定件数は二件、金額にいたしまして一千五百万円ということになっております。引き続き支援の着実な実施に努めてまいりたい、このように考えております。
  125. 鷲頭誠

    鷲頭政府参考人 三宅島などの伊豆諸島におきましては、引き続き地震活動が続いているという現状でございますので、現時点における観光客を受け入れるということは難しい状況ではございますが、運輸省といたしましては、地震活動がおさまった後に、東京都等地元自治体と緊密に連絡をとりながら、適切な対応をとりたいと思っております。
  126. 金子哲夫

    ○金子(哲)委員 ありがとうございました。  もう時間もありませんようですので、この地震問題については質問を終わらせていただきますけれども、私は最後に、防災にかかわる問題、特に秋の台風シーズンを前にして、先ほど気象庁の皆さんもおっしゃいましたように、最近の情報というのはかなり質も高く、またスピードアップされた情報がそれぞれの自治体やさまざまなところに流れておりますけれども、しかし、受け手の側が十分にそれをきちっと利用できる状態かといいますと、残念ながらこういう災害というものは突発的に起こるものですから、日常的にその訓練をするということがなかなか難しい問題もありまして、広島の場合においても、情報は流れたが十分にそれを活用し切れなくて対応がおくれたというような問題もありまして、私は、正確な情報とそれを迅速に処理できるような人的なシステムというものも、機械的なシステムと同時に受け手の人的なシステムというもの、判断できる人的なシステムというものをこれから確立していくことが防災上非常に重要ではないかというふうに考えております。  また、今後の防災対策のこの委員会の中でも、私はそういう立場でこれから御意見を述べさせていただきたいと思いますけれども、そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  127. 中山成彬

    中山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会