○石井一二君 今、スリムで機動的という言葉が出まして、さすがにいいところをつかれるなと私は感服いたしましたが、私は、この肥大化している組織というものがやや
農業の健全な
発展を妨げている一面もあるんじゃないかというような懸念をふだん持っておるものでございます。
先般、参議院の
補欠選挙がありまして、当選された方におめでとうございますと申しましたら、農協の推薦を断ったから通ったよ、推薦を受けていたらやっぱり反発する人も多いんでなあと言われたので、へえ、そういうことがあるのかなと思いながらいろんな文章を読んだりもいたしたわけであります。
けさの日経新聞を見ておりますと、「農協、大型
農家に優遇策 資材・手数料安く 議決権複数付与も検討」ということで、組織内でも、国連の一国一票主義に対する反省じゃございませんが、いろいろと内部改革をしつつ、本来果たすべき機能を果たすために御
努力をしておる
一つの姿かなと、そう思ったわけであります。
最近いろんな変革の中で、農協が経済連統合後、全農が事業の利用量に応じた利用高配当一本に切りかえるというようなことも聞いております。これは今まで出資配当ということを中心にやっておってもなかなか、全農の利用というものがどんどん減ってきておることに対する反省じゃないかと思うんですが、一方、単協の立場から見るならば、仕入れ
価格の
引き下げとか粗利の改善という方がよほどありがたいんじゃないかというような論議も出たりしておりますが、こういった面も
一つの姿であろうと思います。
また、全農さんについて私は
一つの記事を持っておりますが、週刊東洋経済、全農、農協内部にも見放された利権屋として、かえって全農があることによって物が高くなっておるのではないか、そのようなことが具体的に書かれております。具体的に申すと、例えばトラクターとか農薬とか農機具、飼料、石油等も一般の業者から買った方が安いというんですね。また、退職金というものが役員の場合は、全国組織ですが、八千万、九千万というような高い値段になっておる。こういう中で、私は全農、全中を含めて系統農協というものが
基本的には大きく生まれ変わらなきゃならない時代が来ておるのではないかという気がいたします。
我々は、住専のときにもいろいろと系統農協については論議もいたしましたけれ
ども、そういった
意味で、先ほど
大臣がおっしゃいましたスリムで機動的ということを形の上でも今後農政の上であらわれるように御指導をいただきたい、そのように思っておりますので、お
願いがてら私の
考えの一端を申し述べておきたいと思います。
次に、構造改善局というのは、
渡辺局長おられまして、いろいろ御苦労されておりますが、昨今かなり新聞紙上等を騒がして、評判がよい局の
一つであるとは言いにくいような状態にあるように私は感じておるわけでございます。
私も、若干、論評とかそういうものが好きでありますからいろいろ読んでおるんですが、私がここに持っておるだけでももう三十や四十あるんですね。あなたは、それを全部読んでいるよと、それぞれに対して反対があろうかと思いますが、大沢議員もおられますが、「前衛」などという雑誌は、農水省利権をめぐる底深い疑惑だとか、あるいは構造改善局の本流は土地改良事業とか、いろいろ挙げておると時間だけ食いますので申しませんが、私はそういった中で、この構造改善局、また集落排水、こういった面について今後非常に多くの代替的なやり方を変えていく必要があろう、そのように
考えております。
それで、二〇〇〇年から今までの構造改善事業というものが経営構造
対策事業というものになった、そのようにも聞いておりますが、こういった中で採択、不採択の基準というものが三十項目ほど決められて、それをいろいろ一々評価してというように、文言の上では極めて明確なように見えて逆にかえって実地に合わない不明確なような面があるんじゃないかと思うんですが、こういった採択基準、例えば施設別上限建設費なんというものがございますよね。こういったものはどういうねらいでこういうことを決められたのか、その
効果についてどの
程度の期待をされておるのか、
局長、ビジョンがあればお伺いしたいと思います。