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世耕弘成君 自由民主党の
世耕弘成でございます。
審議もきょうの午前中の
審議を経ましてかなり煮詰まってきたのではないかなという気がしております。私自身は
金融に関しては全くの素人でございますので、本日は
金融商品の
販売等に関する
法律案に絞りまして、特に消費者というものの立場、観点から、自分の実体験も踏まえて全体的な
質疑をさせていただきたいと思っております。
まず一番最初に、非常に個人的な話になるんですが、私は一九九〇年から九二年にかけて二年間米国に留学をしておりました。そのときに体験したというか、クラスメートでシンガポール人の女性がおりました。彼女は外見は
日本人そっくりなんです。洋服からヘアスタイルからしぐさから、どう見ても私も
日本人かなと思って声をかけてしまうぐらい非常に
日本人に似ている。あるとき彼女に、君、
日本人に似ていると言われるだろうということをお話ししたら、彼女も、そうなんです、よく間違われるんだということを言いました。そして、その上で私に、
日本人と間違われると大変迷惑していることがあるんだという話を始めたんです。
彼女は東南アジアですとかイスラム圏によくシンガポールから旅行に行っていたらしいんですけれども、土産物屋とかホテルとかレストランへ行くとまず非常に高い料金を吹っかけられるんだそうです。そこで、彼女が中国語もしくは英語で私は
日本人じゃありませんと言うと急に値段が半分になったり、ひどいときは十分の一ぐらいに落ちる。その彼女は、
日本人というのは一体どういう買い物をしているんだ、物の値段というのがわかっていないのか、商
取引においてもっと厳しい物を見る目を育ててもらわないと、
日本人に似ていると言われる私は大変な迷惑をしているんだという話をされたことがございました。
そういう話を聞いていますと、各種報道されているような話も聞いていますと、
日本人というのは、エコノミックアニマルとかと言われていますけれども、実は法人も個人も
金融に限らず商
取引行為においては非常にナイーブな一面を持っているんじゃないかな、もっと言うと国際的にカモになってしまうようなことがクレスベール
証券事件なんかを見ているとあるんじゃないかなと、そういう気がしています。
最近、私が非常に気になっている事件に恋人商法事件というのがございます。要するに、若い女性が道行く男性に声をかけて、何となく恋愛感情っぽいものを示しながら宝石だとか絵画だとかそういうものを売りつけて、とてもその人の年収では払うのが非常に困難なローンを負わせてしまうというような事件が非常に横行しています。この間もアエラという雑誌でかなり特集が組まれていましたけれども。
当然、これは巧妙に心理的に弱い部分をついてきた一種の詐欺ですから、私は決してだまされた側が悪いとかということは申しません。また、
情報量が圧倒的に不利な個人の立場ですから、そういう個人あるいは消費者というものが
保護されるというのは大前提だと思っています。しかし、この消費者
保護というのが甘やかすレベルまで行ってしまってはいけないと思っている。痴呆症等によって判断力を失っている老人、あるいは十分に教育を受けていない子供がだまされたという話ならともかく、成人した、大学教育まで受けた二十代、三十代の人がそういうものにひっかかっているという事態、これはちょっと深刻に考えなきゃいけないんじゃないか。消費者の側ももっとしっかりしろという観点からの取り組みもあっていいんじゃないかと私は思っています。
そこでまず、
質問第一問でお伺いしたいんですけれども、今現在、
日本で、いわゆる
金融商品の販売に関して、
トラブルだとか、だまされただとか、そういった事件が大体どれぐらい起こっているのか。そういうデータがあるかどうかわかりませんけれども、海外のほかの国と比較してどうなのか。
日本人というのはやっぱりだまされやすいのか、
トラブルに巻き込まれやすいのか、その辺、何かわかっていればちょっと教えていただきたいと思います。