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政府参考人(
河野博文君)
お答え申し上げます。
御
指摘のとおり、サウジアラビアは世界最大の石油供給国でございますし、また中東産油国の盟主と言われる国でございます。日サ関係の維持強化は非常に重要なものだと認識をして対処してまいったつもりでございます。
アラビア石油の利権交渉につきましては、利権交渉そのものはアラビア石油が、一方で日サ両国間の
環境という意味から政府もこの協議に携わってまいりました。
通産省といたしましては、
環境整備という観点から累次サウジ政府とも話し合ってまいったわけですが、特に本年一月には深谷通産大臣みずから訪サをいたしました。ガス開発利用、こういったものへの支援を含みます
事業規模にいたしまして総額約六千億円の包括的な投資促進策のパッケージ、そしてまた御
指摘ございましたような鉱物鉄道
事業に対します一千四百億円の低利の融資など
日本政府としては最大限の協力策を提示いたしまして、訪サいたしました深谷通産大臣はアブドラ皇太子殿下、さらにはヌアイミ石油大臣等のサウジ政府の主要閣僚と協議をいたしたわけでございます。
しかしながら、
先生も御
指摘になりましたように、これに対しましてサウジ側は
日本側によります鉱物鉄道の無償供与を主張するということでございまして、私
どもこれ以上
国民の皆様からちょうだいする税金を使うという譲歩は困難であるという判断に立ち至り、妥結に至らなかったものでございます。
協議が妥結に至らなかったということは本当に残念のきわみでございますけれ
ども、世界最大の石油供給国でございますサウジアラビアと世界第二の消費国でございます我が国との相互依存関係の
重要性というものは変わらないわけでございまして、また我が国の石油の安定供給に不安はないという状況になっております。
これは一月の深谷大臣の訪サ後にもまた別の要件におきましてサウジアラビアのヌアイミ石油大臣が訪日をされ、いろいろの場面で
お話をされているわけでございますけれ
ども、日サの友好関係に変化はないのであるということをたびたび申されていると思います。また、日サの友好関係維持ということで本年四月には荒井通商産業審
議官が訪サをいたしまして、両国の変わらない関係を確認するとともに、引き続き意見交換を行っている、そういう状況でございます。
今後とも、日サの友好関係維持のために双方の努力が必要だということを肝に銘じているところでございます。
また、アラビア石油のリストラについての御
指摘がございました。
そういう経緯でございまして、アラビア石油株式
会社はサウジアラビアとの間での採掘権の終了という事態に至りました。残る半分の権利はクウェートとの関係で残っております。しかし、
事業規模が半分になりますので、
事業規模を縮小するために、本社
機能の統廃合ですとか、あるいは在外事務所の廃止等の業務
体制の簡素化を図ると同時に、本年四月以降、
日本人の取締役員数を十二名から七名に削減する、また希望退職制度の導入によりまして
日本人従業員数を約三百三十名から四五%程度削減するといった経営合理化策を
実施してきていると
承知いたしております。アラビア石油としましても、現在、退職者の他企業への再雇用のあっせんに努めているというふうに
承知をいたしております。
このアラビア石油の雇用問題自体は基本的には
会社が
対応すべきことでございますけれ
ども、政府といたしましても必要があればまた可能な範囲内で適切に
対応してまいりたいと
考えておるところでございます。