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野沢太三君 在来線の活性化という点、
技術的には、速度でいうと現実に百三十キロまでは実現をしておりますし、一部の高速線区では百六十キロまで既に可能であると。運輸
技術審議会等の答申の中では、理論的には二百五十キロまでは在来のゲージでも走れるんだということが言われておるわけでございます。
そのためには、カーブを直さにゃいかぬ、あるいは停車場のポイントを、一線スルーということで直線側は速度制限のないポイントに切りかえていくということも必要になります。もちろん、
レールや架線も強化をせねばならない、踏切があったんではやっぱりスピードが出せないということでございますので、実は実際やってみると相当お金がかかるわけでありまして、山形新幹線の新庄延伸は、直接的なゲージ拡大のためには三百五十億程度の予算でよかったわけですけれ
ども、踏切の解消とそれから駅前広場等の
整備、合わせますと約一千億近いプロジェクトになっているわけでございます。
しかし、これは必ず元が取れるということで、山形県の大きな決断と英断で実現できたと拝察をいたしておりますので、どうかひとつ、これは鉄道
事業者だけで小さなそろばんをはじかないで、国、自治体を含め全体で元の取れるプロジェクトとして取り組んでいただきたいと御要望申し上げるわけでございます。
そこで、
バリアフリー法案に関する議論を補完する意味で、先般、
委員会として横浜地区、その前に羽田へ行ってきたんですが、そこでいろいろ昨今行われております新しい
取り組みあるいはその問題点について私
どもも勉強をしてまいりました。その一端を御披露しながらお話を申し上げたいと思います。
ちょっと遠くの方が見にくいかと思いますが、どうぞこちらにお出ましいただいて、近くへ寄っていただければと思いますが。(OHP映写)
PICSと、こう書いてありますが、日本語で言うと歩行者等支援
情報通信システムと大変長い名前になりますが、目の不自由な方が受信装置を持って歩いてまいりますと、発信機がありまして、ここで受け答えが出てきてお話が聞かれる。歩道が近いですよ、あるいはこれは歩道を渡っています、信号は緑ですと、こういうのをここでいただける。この方の持っているのは、これは情報画像装置だと思います。後ほどまたこれも出てまいります。
これは、今度はよりそれをわかりやすくしたものでございますが、歩行者等支援
情報通信システム、PICS、こういうことでございます。この方はここの発信機と応答をしておりまして、歩道をもう渡り切るところでありますが、この方の持っているこの装置、これは画像装置でございます。ここの発信機と応答をしていまして、今どこにいるんだ、どこへ行きたいんだということについて経路をここで示していただける、こういった仕掛けでございまして、これは私
どもが見に行きました磯子の駅前の風景と非常によく似たところであります。
ちょっと小さくなりますから、見えるかどうか。
音声で情報を提供するというところが非常にみそでありまして、首にかけた音声発信機をちょっとかざしてまいりますと、例えばこの方は、信号が青になりました、これは交差点に向かって、区役所の
方向に向かっていますよということの案内があります。スーパーに行きますとここはスーパーです、銀行ですというのがここから、発信機から来る。あるいは
バスの乗り場では、
バスの乗り場は階段のおり口のところですよと、そんなことがここで案内があります。それから、券売機はここです、改札口がありますねと、こういったことがここで表示をされるわけでございます。音声で、大変このシステムは私はいいシステムだなと感心をいたしまして、ぜひ普及をさせていただきたいと思います。
もう
一つは、今度はこれが画像情報システムということで、同じ仕掛けを今度はこういった形のモバイルを持っていきますと、例えばここでもってボタンを押しますと、
エレベーターのあるこのルートでホームに行かれますねということがわかる。あるいは交差点へ行きますと、青信号を延長して渡ろうと、信号の間隔がちょっと車いすでは心もとないというときには、ボタンを押すと青信号の時間が延びるという仕掛
けができているということであります。デパートまで行くにはこのルートかなと。
ところが、これはやはり相当この装置になれておらないと、パソコンくらいはいじれる方でないと、ちょっとやっぱりお年寄りでは無理かなと、こういう気がいたします。また後ほどこれは写真の方で出てまいります。
これが私
どもの見学した現場でございます。
こちらが磯子の区役所前の信号機です。ここを渡ったり、この辺を歩きまして現物を拝見したわけでございますが、ここの自動車
交通量というのは大変なものでございました。ここですね。この自動車
交通量は大変なんですけれ
ども、この装置があれば相当不自由な方でも何とか区役所までは用が足せるかねと、こんなイメージを受けたわけでございます。これが陸橋ですね。
それから、あわせまして、今度は上大岡の駅へ参りまして、ノンステップ
バスの現物を見てきたんです。
これは解説でございますけれ
ども、ノンステップ
バスの大事なところは低床であるということ、普通三十センチくらいですが、ニーリングということで空気ばねの空気を抜くことによって二十センチ程度に縮まる。それから、出入り口にスロープ板というのがついておりまして、これは電動と書いてありますが、私
どもの見せていただいたのは手で引っ張り出すという格好になっておりまして、運転手さんがおりてきてやらないといかぬ。それから、乗った場合の車いすを収納する装置、これは相当広いんですけれ
ども、実際に走っているのでは余りここの余裕がなかったように思います。ここでスロープで乗り込んでいく。
ということで、横浜では市営
バスをノンステップ化することについて大変積極的に取り組んでいただいているということであります。
これが横浜駅の自由通路でございまして、横浜駅は御承知のとおり物すごい朝晩のラッシュで、ここを障害のある方あるいはお年寄りがうまく利用するということは大変実は不自由なんですが、このたび建設省の支援と横浜市の積極的な
取り組みで、中央、南部、北部、三カ所に自由通路をつくることによって大きな横浜駅というバリアをつなぎまして、この西口、東口が自由に通行できるようにしよう、こういう
取り組みをしていただいております。これは一番ですが、実にこの中央通路だけで百二十九億、エスカレーター十六基、
エレベーター三基、ちょっと時間がかかりますけれ
ども、これができ上がりますということでございます。
そして、南通路になりますと、さらにそれに加えて南も北も同程度のレベルでの通路が確保できる。大変使いやすい駅になるんじゃないかなと期待をいたしております。ただ、余りにも人の通過が多いものですから、この人の通過と不自由な
方々の通過というものについてどうやって共存していくかというのが
一つの
課題ではないかなと、私は現場で承ってきたわけでございます。
例えば、この通路を出た後大きな階段がありますけれ
ども、それを利用する
エレベーターというのはちょっとこの奥の方へ入ったところにありまして、なかなか表示としてはわかりにくいという問題がございました。さまざまな
課題はあろうかと思いますが、大変これは前向きにしっかり取り組んでいる事例かと拝見をいたした次第でございます。
それでは、ここまでで一応
現地の案内はやめまして、今度は写真で今お話ししました点についてお話を申し上げてまいりたいと思います。(スライド映写)
これが先ほど
最初に御説明しましたPICSの画像の方の発信装置でございまして、これにちょっと機械をかざすと案内が出てくる、こういうものでございます。適当なところにこれが間隔を置いて設置されているということでございます。
モバイルが大変得意な簗瀬理事さんではございますが、やっぱり扱いについては解説を相当していただかないと難しい。私なんかは、もうちょっとこれは手に負えぬなということでございましたが、もう少し簡略な姿ができないものかなということをちょっとイメージとして受けました。まだまだこれから工夫の余地のある装置であろうかと思っております。
これは、ここに発信装置がついているんですね。首にかけました装置で尋ねると、先ほど言ったように、信号が赤です、青です、歩道ですといった音声案内が出てまいります。
委員長御自身で体験中でございまして、率先垂範、にわか身障者というわけでございますが、大変貴重な体験をさせていただきました。
これは、上大岡の駅におりたところでございまして、京浜急行のホームでございます。
これがホームと電車の段差をなくすための仕掛け板でございまして、ラクープと言うんだそうですが、これが大変車いす利用を楽にしていただいております。
これは
谷林さんですか、御立派に経験をされておりまして、大変これは結構なんですが、ここでちょっと御注目いただきたいのが、車掌さんが後ろについていますね。ここにいますが、車掌さんのすぐわきで、コントロールできるところで一番最後と一番前頭にこれがついている。そのことで御案内がしやすい、目が届きやすいといういい点はあるんですけれ
ども、実はそれが不満の方もお客様にはいるということでございまして、どこでも乗れるように携帯式の仕掛け板というのも用意をいたしていただいている。後ほどこれは出てまいります。
これは、ちょうど電車にこういうことで段差がほとんどなくなっている
状況を示しております。
これは、階段で弱視の方がわかりやすいようにということでここに印がついておりまして、これが大変上から見てもわかりやすい。そして、手すりのこの部分ですが、点字ですべて案内がここに記されているそうであります。さわってみて、私は点字がわかりませんので難しかったんですが、これをさわりながら案内に従って歩いておりていただく、こういう仕組みで、手すりと階段を少しでも楽にしたい、こんな装置でございます。
これは下から同じものを見たわけでございまして、やはりこういったものがあるかないかからして御案内しなきゃならぬかなと思っておるわけであります。この部分が点字ですね。
これは、今度はトイレでございます。トイレは
前回の参考
人質疑のときにも大変問題になったところでございまして、ここは階段があるんですが、ここがいわゆるバリアフリーになっております。
この右のところがバリアフリーで、左はこうやった階段がありまして、なかなかうまくいかない。特にこれは地下鉄の駅ですけれ
ども、新幹線なんかでこういうのが非常に多い、感心せんトイレと、こう言うのだそうですが。そういう思いがけない、五メーターはないけれ
ども二、三段で困っているというところが意外にこういうふうにやってみると多いんです。
これは、普通の
電話機ですけれ
ども、障害のある方が利用しやすいということで、低い位置にあって、斜めのああいう操作ボタンということになっております。
これは券売機で、割合利用しやすいですね。ここのけ込みが余りありませんけれ
ども、それでもここに少しのスペースがあること、それから現金の投入口が受け皿になっていて、その底に穴があいておりますから、硬貨がこぼれて落ちるという心配が大変これで解消されていきます。
これは逆にストレート型で、在来型ですね。チャリンチャリンと百円玉なんか飛んでしまうと、つい追っかけたくなりますので能率が落ちるということで、今後は、できるだけこっちにありますような斜め型に取りかえの時期が来たときにかえていってもらったらどうかな、こう思うわけであります。
これは
バスターミナルの中の一部です。タクシー乗り場ですが、これがやはりバリアフリーでありまして、この段差がほとんどございません。
委員長様が今御利用なさらんとしておる直前でございます。こんなことで、上大岡の駅というのは非常に工夫されておるなということであります。
これは、今度は音の出るタイルということで、このつえを持ってこのタイルをたどってまいりますと、ここがちょうど音が出てくる案内があるわけですね。改札口が目の前ですとか左ですとか右ですとかということで、音声の補助をいただきながら歩けるタイルと。大分この辺も普及に努めていただいております。もう開発段階から実用段階へ来たかな、こう思っております。
これは、今度はノンステップ
バスでございます。このノンステップ
バスは、そもそもこの差しかけ板というのが
バスの中に収納されているのを、これは手で引き出した形でこういうぐあいに差し出して利用していただく。
谷林先生御利用中でございます。
ところが、ちょっと中へ入ってみると、実はこのような
状況で、二台入るともう満杯ということでありますから、ラッシュ時にはちょっとこれは御利用は無理だなということで、相当その意味でも時間的な面、お客様の込みぐあい等を見計らって行かないと利用が難しいかなというイメージでありました。
それで、上にこういうふうに大きな字が書いてあります。ノンステップ
バスが来たねということがこれでわかるわけでございますが、まだ台数が少ないものですから、何台も待たないと来ない。そこで、私先ほど
質問の中で申し上げましたように、できるだけ台数をふやして、せめて二台に一台ぐらいはこういうものがやってくるような形にできればいいがな、こう願っておるところでございます。
これは券売機で、よくできている方のケースですが、この部分が点字でできております料金表でございまして、これをさわってみて、ここでまたタッチパネルでやるということでございますが、この場合にキーがさわれる形になっているのはいいんですけれ
ども、画像処理で出てくるのがどうも困るという話もございます。最新式にしたつもりがかえって不便になったという問題点もあって、なかなかこういうところは規格として難しいものだなと思いますが、これはよくできている例と私は拝見をいたしました。
これは、水飲み場がこれまた非常に深いへこみになっていまして、何とかここで車いすで寄りつける、こういうケースでございます。
これは全体の姿でありまして、こんなデザインも非常に近代的であり、姿も美しく利用もしやすいということであります。
これは、今度は、先ほど申しましたように、一般の乗りおり口でこれだけ段差があると車いすで通過ができない。そこで工夫したのが、持ち運び可能な差しかけ板。これに従って出入りをすることによって駅員さんがこれを持って飛んで歩くということでありますから、やっぱりまだ手数はどうしてもかかるかな、こう思います。
それから、これは先ほどの
エレベーターの位置がわかりにくいという逆な例で、非常にこれはわかりやすく表示が出ておりまして、こういった表示を各所にきちっとつけることによって利用しやすい
エレベーター、エスカレーターになっていくんじゃないかと思います。
これは、逆に今度は、建物の中に入ってしまった途端にこういった人込みと、それから案内をしてくれるタイルがここで消えてなくなっているわけです。さあどうしたらいいかなということでありまして、幸い私
どもは案内の方の後を追いかけていけばいいわけですけれ
ども、人込みが逆にバリアになっているという例とごらんいただければ幸いです。
これがJRの「ふれあいリフト」ということで、これは自由に使える形で出ておりますが、一日に数十人の方がやっぱり利用しているようですね。
三人乗ると大体いっぱいになってしまう。車いすに介添えの方が一人でもう満杯ですが、一人でも利用できるという点では大変便利なものと思います。
これは、やはり斜め方式にしました新しいタイプのカード発売機で、割合利用がうまくいっているケースと思います。
これもやはり点字パネルがついておりますケースですね。お金の投入口が大きく広くできていましていいんですが、このタッチパネルが実は視覚障害のある方には難物だということであります。
これは、ホームにエスカレーターをつけるのはどうも大変だけれ
ども、こういった個別
対応で車いすの方を上げ下げするリフトでございます。
こんな形で、一人どうしても付き添わなければならない。それから、乗りおりにもやはり介添えが少し必要だという形ではあります。
ただ、これは要らないときは折り畳みましてこのような形でくっつけておくとほとんど邪魔にならないということもありますから、差し当たりエスカレーターがつくまでの間はこういったもので
対応することも
一つの方法かと思います。
これは、ちょっと場所が違いまして、私の住んでおります北千住の駅なんですけれ
ども、昔は実はこれ
一つしかなかったんですけれ
ども、どうしてもやっぱり上り下り欲しいということで、この外側の工事を含めて地元がこれはやってくれました。自由通路ですから地元が全部やったんですけれ
ども、大変なこれは工事費がかかっておりまして、その意味でも、こういった外構工事も含めての助成対象、あるいは物によっては起債の対象等に加えていただくといいかなと思っております。
これはちょっと見にくいんですが、こういうところに印がついていまして、三メーター置きくらいに全部ボタンがついているんですね。もし何かあったときには途中でもとめられるという仕掛けになっております。
これは、自由通路と階段が併存した地下道ですが、タイルがちょっと実は邪魔になるものですからここはちょっと見えませんが、ここに電球が埋まっているんですね。蛍のようにちかちか光ってくれますので大変案内としては便利になっております。
これが例の放置自転車であります。歩道が半分近く埋められまして、実は何でこんなにあるのかなと思ったら、この辺が実はパチンコ屋さんなんですね。ですから、これはどうもちょっと公共的なと言うにはやや問題がありますけれ
ども、これは少し何とかせにゃいかぬかなと。
こういうことで、まだこの日はおとなしい方でございましたが、ふだんはもうほとんど通れないくらいになります。
この例は、駅がまだ実はバリアフリーになっていないものですから、駅ビルの方で実はその補助をしているという例でありまして、ここにあります上り下りのエスカレーターのおかげで、北千住駅は今実はこんな階段でがっちりとバリアになっておるのがこの駅ビルで実は助かっていると、こんな仕掛けになっております。
ところが、東武とJRの
連絡通路の真ん中に四段ほどのバリアがあります。ここまでお母さん来たんですが、ちょっと困ったねということで一呼吸、これはだれか手伝ってくれる人がいればというイメージで待っておりますが、こういったバリアが至るところにまだ残っているということでありまして、この辺はしかし工夫次第で何とかなるかなと。常磐新線が来たときにはきれいに直してもらえるんだということで今期待をしております。
これは建物の中にちょっと簡単な斜路をつけてバリアを解消した例であります。
これは、時刻表の位置なんですけれ
ども、この位置。これも時刻表なんですけれ
ども、これはちょっと高いんですけれ
ども、この位置は非常に実はわかりやすいんですね。やはり低い位置に時刻表があるということも
一つのこれは
考えかと思っております。
これは、新旧の券売機を並べてごらんいただいておりますが、やはりここに点字によります料金表がついておりまして、配慮はできるだけやっていることはやっておるわけです。
これでおしまいであります。
以上、大変時間をおとりいたしましたが、いずれにいたしましても、この
法案が成立をいたしました暁には、できる限りこの趣旨に沿いまして住みやすい町、暮らしやすい町というものをつくりまして、一障害者あるいは
高齢者のみならず、すべての国民にとって使いやすい町づくり、駅づくり、ユニバーサルデザインと言われておりますけれ
ども、そういった時代をつくっていきたいものだと思っておりますが、
関係の
皆様方の一層のひとつ御
努力をお願い申し上げまして、私の
質問を終わります。
ありがとうございました。