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小泉親司君 今回の
協定については、私
どもは賛成であります。
この
協定に密接に関連して、マグロ類の資源
管理の問題について
質問をさせていただきたいと思います。
先ほど
外務大臣からも
お話ありましたように、
我が国はマグロ類の世界有数の生産国であり最大の消費国だということは明白でありますけれ
ども、その点ではマグロ類の資源の
保存管理には重大な
責任があるというふうに
考えております。ところが、今マグロ類の
保存、資源
管理に大変重大な問題が起きていると。それは、
便宜置籍船による乱獲問題だというふうに思います。
我が国のマグロ漁業に今この点が非常に深刻な
状況をもたらしている。
私
どもは、この前、マグロ
漁船の中心地であります宮城県の気仙沼の漁協からいろんな
お話をお聞きしてまいりました。今、
日本のマグロ
漁船は六百六十三隻のうち二割に当たる百三十二隻が減船を余儀なくされたということであります。中心地は何か鹿児島と宮城県だというふうな
お話もありましたが、気仙沼の漁協では百三十二隻の減船のうち六十五隻という、半分が減船になってしまうという
状況で、職を失う地元の船員は約六百人と。減船に伴う減収は、造船でありますとか鉄鋼でありますとか漁具の卸業だとか
漁船への食料納入業者へと、こういう形で広がって、規模は二十億円とも言われていると。
しかし、マグロの保護が
日本の漁民の犠牲で進められているという一方で、
便宜置籍船への
規制が具体的にどうやられているのか。私、乱獲は事実上野放し
状態と言っても差し支えない
状況で、例えば水産庁の資料によると、
便宜置籍船は二百四十隻と推定されて、刺身用のマグロ供給量、漁獲高は四万七千トンと、これがほとんど
日本に輸入されていると。
日本全体の供給量の五十万トンの約一割が、輸入二十五万トンの二割に相当するものが
便宜置籍船からのものだというふうに推定されて、水産庁のホームページでは、本年四月現在で三百四十七隻の
便宜置籍船が認定されていると言われていると。
この
便宜置籍船の問題は国際機関でも、大西洋のまぐろ類の
保存のための国際
条約、いわゆるICCATの規定でも、違法で、無報告で、無
規制の漁業
活動であるというふうに非難して、
保存管理措置の効果を損なっているという形で国際機関でも非難されていると。漁協の方は日々、この廃絶に向けた必死の取り組みを進めているわけでありますけれ
ども、
外務大臣としてはこの
便宜置籍船という問題をどういうふうに
認識されておるのか、その廃絶に向けて政府としてどういう取り組みを進めているのか、まず初めにお尋ねをしたいというふうに思います。