○益田洋介君 まず、前回二十八日の質問に引き続きまして、対
中国向けの
ODAに関する質問を
経済協力局長にさせていただきます。
二十七日、二千億円に及ぶ対中の
ODAの
円借款の
調印式が行われまして、そのときの模様について一部メディアで
報道された問題について問題提起をさせていただきましたが、大変突然だったこともあって、十分そのやりとり、またその発言、
我が国大使、また
中国側の代表の真意が把握されていない答弁に終始したもので、後ほどこの問題については
外務大臣にまたお伺いさせていただきたいと思っております。
まず、この二千億円の内訳のうち、相当高額の金額、プロジェクトナンバーにして十六番、十七番、十八番。これは、高速道路の拡張及び延伸計画でございまして、十六番が海南省、海南島ですか、高速道路計画。十七番が重慶市外の長寿高速道路建設事業計画。十八番が河南省鄭州ハイウエー・コンストラクション・プロジェクトということでございまして、それぞれのプロジェクトが五十三億、二百四十億、二百三十五億、邦貨にしまして、締めてこの三つの高速道路だけで五百三十億なんです。
これが軍事目的に使われないという保証がどこにあるのかというと非常にこれはわかりにくい問題で、
経済協力局長、この判断基準としては軍事面に供されるかどうかというのは、例えばコンクリートの舗装厚さあるいはコンクリート一立米に含まれる使用されている鉄筋の重量、それからコンクリートの設計強度、破壊強度、この辺についての資料を当
委員会に提出していただけますか。
通常の、例えば一般車両が通る高速道路とどうも仕様が違うんじゃないかと私は疑念を抱いています。さらには、
規模が非常に大きい。十六番の海南島のプロジェクトについても片側三車線、十七番の重慶の市外高速道路については実に延長、今期だけで百十キロも一気に施工するというのは
日本の
国内の高速道路でも考えられない。いかにばらまき予算をしていると野党の方が言っても、こんなことはしていない。余計なこと言っちゃったけれ
ども。十八番の鄭州については、実に八十キロに及んで片側四車線。こんなのは一般車両、そんなに車走っていませんよ
中国、行かれてわかっておりますが。工業地帯また発電所がある。
この辺の一連の水力発電所、火力発電所、原子力発電所、さらに港湾施設、高速道路の敷設網、合わせた地図もあわせて提出していただきたい。このリングは結局、平面図を見れば素人でもわかりますよ、軍事目的に使われているかどうかという疑問に対しては。この辺の疑念が非常に今回、
谷野大使によって
表明をされて話題になっているわけでございます。二十九日も二十七日に引き続いて、九億四千万円の無償
援助の
調印式が北京で行われていたんです。この際、
谷野大使は同じようなコメントをされている。
これは
外務大臣にお伺いしたいんですが、結局どういう
内容のコメントを大使が
中国側の代表に対しておっしゃっているのかというと、二十七日のコメントと同じことなんですね。この供与の
内容は環境情報ネットの設備費用の中の今回は機材の購入に充てるというものですけれ
ども、
国内においては、大使が言うには新しい批判的な議論が対
中援助について起こってきているんだと。
特にそれは
中国の軍事費が、今度の全人代で発表されました二〇〇〇
年度の
中国の予算案を見ても、軍事費の占める割合というのは非常に膨大になってきている。邦貨に換算しまして一兆五千六百億円、一九八九年以来十二年連続で実に二けたの予算増をしている。これは、軍事費という名目で計上されていますが、実際は三倍のものが国防費、軍事
関係費という形で使われているのが国防白書で明らかになってきている。だから、実態は物すごい巨額の軍事費に、要するに
経済成長率も上回るような軍事費の伸びだと。
こういうふうなアンバランスがある実情が明白であるのにもかかわらず、
我が国が自国の財政困難の時期に当たってここまで
援助する必要があるのかどうか。
援助の
内容、対象にしているプロジェクトの
内容も明確によくわからない、
内容分析されていない、こういう現状は
外務大臣よろしいと思われますか。