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2000-02-25 第147回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会平成十二年二月二十三日(水曜日)委員会において、設置することに決した。 二月二十五日  本分科員委員長指名で、次のとおり選任された。       久間 章生君    高鳥  修君       高橋 一郎君    萩野 浩基君       生方 幸夫君    濱田 健一君 二月二十五日  高橋一郎君が委員長指名で、主査に選任された。 平成十二年二月二十五日(金曜日)     午後四時開議  出席分科員    主査 高橋 一郎君       久間 章生君    高鳥  修君       生方 幸夫君    田中 慶秋君       田中  甲君    辻元 清美君    兼務 坂上 富男君 兼務 遠藤 和良君    兼務 達増 拓也君     …………………………………    国務大臣    (内閣官房長官)     青木 幹雄君    国務大臣    (国家公安委員会委員長) 保利 耕輔君    国務大臣    (総務庁長官)      続  訓弘君    国務大臣    (防衛庁長官)      瓦   力君    内閣官房長官      額賀福志郎君    総理府政務次官      長峯  基君    金融再生政務次官     村井  仁君    総務政務次官       持永 和見君    防衛政務次官       依田 智治君    沖縄開発政務次官     白保 台一君    外務政務次官       東  祥三君    文部政務次官       小此木八郎君    衆議院事務総長      谷  福丸君    参議院事務総長      堀川 久士君    裁判官弾劾裁判所事務局長 藤田 教稔君    裁判官訴追委員会事務局長 片岡  博君    国立国会図書館長     戸張 正雄君    政府特別補佐人    (人事院総裁)      中島 忠能君    会計検査院長       金子  晃君    最高裁判所事務総長    泉  徳治君    政府参考人    (警察庁長官)      田中 節夫君    政府参考人    (警察庁長官官房長)   石川 重明君    政府参考人    (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君    政府参考人    (警察庁刑事局長)    林  則清君    政府参考人    (宮内庁次長)      森  幸男君    政府参考人    (法務刑事局長)    古田 佑紀君    内閣委員会専門員     新倉 紀一君    地方行政委員会専門員   蓼沼 朗寿君    法務委員会専門員     井上 隆久君    予算委員会専門員     大西  勉君     ――――――――――――― 分科員の異動 二月二十五日  辞任         補欠選任   生方 幸夫君     田中  甲君   濱田 健一君     辻元 清美君 同日  辞任         補欠選任   田中  甲君     田中 慶秋君   辻元 清美君     濱田 健一君 同日  辞任         補欠選任   田中 慶秋君     生方 幸夫君 同日  第三分科員坂上富男君、遠藤和良君及び達増拓也君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成十二年度一般会計予算  平成十二年度特別会計予算  平成十二年度政府関係機関予算  〔皇室費国会裁判所会計検査院内閣及び総理府所管北海道開発庁経済企画庁科学技術庁環境庁国土庁を除く)〕     午後四時開議      ――――◇―――――
  2. 高橋一郎

    高橋主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  私が本分科会主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。  本分科会は、皇室費国会裁判所会計検査院内閣及び総理府並びに他の分科会所管以外の事項、なお、総理府につきましては北海道開発庁経済企画庁科学技術庁環境庁及び国土庁を除く所管についての審査を行うことになっております。  平成十二年度一般会計予算平成十二年度特別会計予算及び平成十二年度政府関係機関予算中国会所管について審査を進めます。  まず、衆議院関係予算説明を聴取いたします。谷衆議院事務総長
  3. 谷福丸

    谷事務総長 平成十二年度衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十二年度国会所管衆議院関係歳出予算要求額は七百二十七億三千万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、十二億九千八百万円余の増加となっております。  次に、その概略を御説明申し上げますと、第一は、国会運営に必要な経費でありまして、六百九十四億五千万円余を計上いたしております。  この経費は、議員関係の諸経費職員人件費並びに事務局及び法制局事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比し四十二億八千百万円余の増加となっております。その主なものは、議員会館議員事務室へのパソコン増置等情報化推進関係経費憲法調査会関係経費議会開設百十年記念行事経費航空機利用地域拡大に係る経費及び議員任期満了に伴う総選挙関係経費等増加によるものであります。  なお、議員会館整備基本構想策定調査費を引き続き計上いたしております。  第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、三十二億七千三百万円余を計上いたしております。  この主なものは、国会審議テレビ中継施設新築費議長公邸構内整備費議員会館議員室電子錠整備費及び本館等庁舎の諸整備等に要する経費でございます。  第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。  以上、簡単でありますが、衆議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  4. 高橋一郎

    高橋主査 次に、参議院関係予算説明を聴取いたします。堀川参議院事務総長
  5. 堀川久士

    堀川参議院事務総長 平成十二年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十二年度国会所管参議院関係歳出予算要求額は四百三十二億七千七百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、一億六千二百万円余の増加となっております。  次に、その概略を御説明申し上げます。  第一は、国会運営に必要な経費でありまして、四百三億一千九百万円余を計上いたしております。  この経費は、議員関係の諸経費職員人件費並びに事務局及び法制局所掌事務を処理するために必要な経費でありまして、前年度に比較し十三億百万円余の増加となっておりますが、これは、主として人件費所要額増額のほか、国家基本政策委員会憲法調査会の活動に必要な経費子ども国会の実施に必要な経費議会開設百十年記念行事に必要な経費、第二別館増築棟の完成に伴い必要となる経費等の計上によるものであります。  第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十九億五千三百万円余を計上いたしております。前年度に比較し十一億三千八百万円余の減少となっておりますが、これは、主として平成十一年度第二次補正予算で十六億三千三百万円余が補正計上されたことによるものであります。  この中には、第二別館増築に伴う既存施設改修本館その他庁舎整備等に要する経費を計上いたしております。  第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。  以上、平成十二年度参議院関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  6. 高橋一郎

  7. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 国立国会図書館平成十二年度歳出予算要求について御説明申し上げます。  平成十二年度国立国会図書館関係歳出予算要求総額は二百八十六億三千八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、四千二百万円余の減額となっております。  次に、その概要を御説明申し上げます。  第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は百五十八億七千六百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億三千三百万円余の増額となっております。これは、主として平成十二年度に開館いたします国際子ども図書館運営経費電子出版物納本対象とするための経費関西館配置資料整備のための経費並びに電子図書館基盤システム開発経費を計上したことによるものでございます。  第二は、科学技術関係資料収集整備に必要な経費でありまして、七億一千八百万円余を計上いたしております。これを前年度予算額と比較いたしますと、五千五百万円余の増額となっております。  第三は、施設整備に必要な経費でありまして、百二十億四千三百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと、九億三千百万円余の減額となっております。これは、主として関西館及び国際子ども図書館施設整備費を計上しているものの、平成十二年度に計上することを予定していた経費につきまして、平成十一年度第二次補正予算に計上したことによる減額であります。  以上、国立国会図書館平成十二年度歳出予算要求について御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  8. 高橋一郎

  9. 藤田教稔

    藤田裁判官弾劾裁判所参事 平成十二年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十二年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係歳出予算要求額は一億二千五百六十二万円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、七百五十三万円余の増加となっております。  この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長職務雑費委員旅費及び事務局職員給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官弾劾裁判に直接必要な旅費庁費であります。  以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  10. 高橋一郎

  11. 片岡博

    片岡裁判官訴追委員会参事 平成十二年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。  平成十二年度国会所管裁判官訴追委員会関係歳出予算要求額は一億四千三百七十五万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、七百十五万円余の増加となっております。  この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長職務雑費及び事務局職員給与に関する経費並びに訴追事案審査に要する旅費その他の事務費であります。  以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  12. 高橋一郎

    高橋主査 以上で説明は終わりました。     ―――――――――――――
  13. 高橋一郎

    高橋主査 国会所管について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中甲君。
  14. 田中甲

    田中(甲)分科員 第百四十七通常国会予算委員会の第一分科会トップバッター質疑をさせていただきます民主党田中甲です。どうぞよろしくお願いいたします。  きょうは、民主党議員という立場での質問というよりは、恒久平和議連という超党派でつくっている立法府の中の議連の現在の状況をこの場をおかりして御報告申し上げ、国立国会図書館に関する法律の一部改正案という法律提出もされている、そのことを戸張国立国会図書館館長に、どのように御認識をされ、どのように現在お考えになられているかということをお聞かせいただければありがたいと思っています。  恒久平和議連、初めてお聞きになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、会長は二人おりまして、衆議院側では鳩山由紀夫衆議院議員参議院側では浜四津敏子参議院議員名誉顧問土井たか子衆議院議員でありまして、顧問鯨岡兵輔衆議院議員武村正義衆議院議員、この五名の衆参議員の呼びかけをもちまして、一九九八年の九月三十日に設立総会が開かれています。  趣旨は、第二次世界大戦中の惨禍実態を解明し、事実を次世代に伝え、世界の諸国民日本国民信頼関係醸成を図り、恒久平和の実現に資する、これが趣旨であります。  現所属議員超党派、自民党、民主党、公明党、自由党、共産党、社民党等、無所属も加わりまして、総数百八名の議連でございます。  法律案提出について、今世紀における出来事を今世紀中に総括すべきという考えの中で、昨年の第五十四回目の終戦記念日を目前にした八月十日、第百四十五回通常国会に、衆議院におきまして恒久平和のための真相究明法、正式な法律名国立国会図書館法の一部を改正する法律案提出したところであります。提出した際には、提出者三名、賛成者百十八名、合計百二十一名の議員による法案提出でございました。  法案概要説明する前に、戸張国立国会図書館長、この法案提出、御認識のほどをお聞かせいただきたいと思います。
  15. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 お答えいたします。  国立国会図書館と申しますのは、改めて申し上げるまでもなく、国会法百三十条によって国会附属機関として設けられている機関でございます。また、国立国会図書館法という法律で設置されておりまして、私どもはその法律に従って運営をしているところでございます。  また、国会附属機関という性格上、両院の各会派の全会派一致の御賛同のもとに運営を行っているところでございますので、先生方が御提出になりました法律案法律となりました暁には、それを私どもは正確に遵守して職務を行っていくという立場でございます。  法律案提出に関しましての私の受けとめ方は以上でございます。
  16. 田中甲

    田中(甲)分科員 戸張館長、きょうは忙しい中御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。限られた時間でありますけれども、この法案に対するもう少し掘り下げた質問並びに御答弁をいただければと考えております。  国立国会図書館法の一部を改正する法律案、これは「国立国会図書館法の一部を次のように改正する。」という文面から始まりまして、「第六章の次に次の一章を加える。」最初の目的内容というところ、若干時間は要するかもしれませんが、読み上げさせていただきます。     第六章の二 恒久平和調査局  第十六条の二 今次の大戦及びこれに先立つ今世紀の一定の時期における惨禍実態を明らかにすることにより、その実態について我が国民の理解を深め、これを次代に伝えるとともに、アジア地域の諸国民をはじめとする世界の諸国民我が国民との信頼関係醸成を図り、もつて我が国国際社会における名誉ある地位の保持及び恒久平和の実現に資するため、国立国会図書館に、恒久平和調査局を置く。    恒久平和調査局は、次に掲げる事項について調査する。   一 今次の大戦に至る過程における我が国社会経済情勢変化国際情勢変化並びに政府及び旧陸海軍における検討の状況その他の今次の大戦の原因の解明に資する事項   二 昭和六年九月十八日から昭和二十年九月二日までの期間 これは柳条溝事件からミズリー号の調印までを期間としているのですが、    (以下「戦前戦中期」という。)において政府又は旧陸海軍の直接又は間接関与により労働者の確保のために旧戸籍法(大正三年法律第二十六号)の規定による本籍を有していた者以外の者 つまり、当時は内地人と言われ、今はその国籍を有していない日本人以外の者    に対して行われた徴用その他これに類する行為及びこれらの行為対象となつた者就労等実態に関する事項   三 戦前戦中期における旧陸海軍の直接又は間接関与による女性に対する組織的かつ継続的な性的な行為強制(以下「性的強制」という。)による被害の実情その他の性的強制実態に関する事項   四 戦前戦中期における旧陸海軍の直接又は間接関与により行われた生物兵器及び化学兵器開発、実験、生産、貯蔵、配備、遺棄、廃棄及び使用の実態に関する事項   五 前三号に掲げるもののほか、戦前戦中期において政府又は旧陸海軍の直接又は間接関与による非人道的な行為により旧戸籍法規定による本籍を有していた者 内地人ですが、    以外の者の生命身体又は財産に生じた損害実態に関する事項   六 第二号から前号までに掲げるもののほか、戦前戦中期における戦争の結果生命身体又は財産に生じた損害実態に関する事項 これは内地人も含まれる。つまり、日本人に対しても調査を行うという意味合いであります。  これで最後の項目でありますが、   七 戦前戦中期における戦争の結果生命身体又は財産に生じた損害について当該損害が生じた者に対し我が国がとつた措置及び当該損害に関し我が国が締結した条約その他の国際約束に関する事項    館長は、前項各号に掲げる事項につき調査を終えたときは、その結果を記載した報告書を作成し、両議院議長に対し、これを提出しなければならない。    館長は、第二項各号に掲げる事項につき調査を終えるまで、毎年、調査中の事項についての報告書を作成し、両議院議長に対し、これを提出しなければならない。    第二項の調査及び前二項の報告書の作成を行うに当たつては、関係人の名誉を害することのないよう十分に配慮しなければならない。  十六条の三、これは二行だけですが、読み上げさせていただきます。    館長は、前条第二項の調査を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対して、資料提出その他の必要な協力要求することができる。 以上まで読み上げさせていただきました。今、館長は目を通されておりましたから、多分、手元にこの法案をお持ちなんだろうと思いますが。  さて、この法案が、立法府に今籍を置いている議員衆参過半数以上の賛成があって成立した場合には、立法府附置機関である国立国会図書館はその法の決定に従って業務を行う、そのように御答弁をいただいたところでありますけれども、具体的に、この法案の中で、従来の国立国会図書館業務を逸脱する、あるいは今までの範囲から外れているといいますか、なじまないというような点がお感じになられましたら、ぜひ御指摘をいただきたいと思います。
  17. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 お答えいたします。  実は、この法律案は、御承知と思いますが、現在もう御提出になって、衆議院議院運営委員会に付託されている法律案でございます。付託されている法律案内容について私が論議をすることにつきましては、いささかためらいを感ずるものでございます。しかし、予算委員会の場でございますので、言葉を選んで答弁をさせていただきます。  まず、国立国会図書館目的といいますのは、現在の国立国会図書館法の第二条というところに「国立国会図書館は、図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員職務遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律規定する図書館奉仕を提供することを目的とする。」こういう目的規定されておりまして、この目的に従って今私ども仕事をしているところでございます。  今回御提出になっておりますこの法律案で、今、田中議員がお読みになりました十六条の二というところ、ここにはこの目的が「実態を明らかにすること」、こういうふうに結びつくのではないかと思います。したがいまして、この点につきまして、法律内容について今とやかく言うことを避けなければなりませんが、私どもといたしましては戸惑いを感じているところでございます。  それからもう一点、今お読みになりました十六条の三のところで、「協力要求することができる。」というところまでお読みになりましたが、この協力要求には、もう少し先のところで、その「提出を拒むときは」というふうにやや強制的な部分があるわけでございます。今、国立国会図書館がいろいろな資料を集めておりますのは、納本制度という出版社から納めていただく制度、あるいは購入とか交換とか、いわば非常に通常関係で集めているわけでございまして、要求とか拒むときは云々というような状況にないわけでございます。この点の違いにつきましても、今、私は戸惑いを感じているところでございます。  今お読みになりました範囲につきましては、この辺だと思います。
  18. 田中甲

    田中(甲)分科員 三点について、問題点と申し上げてよろしいでしょう、御指摘がありました。  それでは、一つ一つ質問させていただきますけれども、既に百四十五通常国会提出され、百四十六臨時国会継続審議となり、今の百四十七通常国会でも継続審議議院運営委員会で取り扱うべき法案ということで指摘がされましたから、予算委員会で私がお話をさせていただくことはよしとしても、本来ならば議院運営委員会審議が進められるべきものだという御認識を持たれておるということですか。これは一言で結構です。
  19. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 そのとおりでございます。
  20. 田中甲

    田中(甲)分科員 二点目は、国立国会図書館法の第二条「国立国会図書館は、図書及びその他の図書館資料を蒐集し、国会議員職務遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律規定する図書館奉仕を提供することを目的とする。」この目的に反する部分があるのではないか、逸脱する部分があるように思われるという御指摘でありますが、私は、先ほど国立国会図書館にお邪魔をいたしまして、国立国会図書館精神が書かれている出納台の前に行ってまいりました。そこには、「真理がわれらを自由にする」という言葉が刻まれておりまして、それは出納台の正面向かって左側、日本語で書かれておりまして、右側には原文で書かれている。  後ほど紹介するつもりだったのですが、これは新約聖書ヨハネ伝八章三十二節の言葉真理はあなた方を自由にします」という言葉から使われるようになっているということでございます。そして、その言葉国立国会図書館法前文に書かれております。「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立つて、憲法の誓約する日本民主化世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される。」こう書かれています。  館長、非常に次元の低い質問だといって私はおしかりを受けるかもしれませんが、使命目的と、どちらがこの国会図書館法の中で大きく全体を網羅したものとお受けとめになられますか。
  21. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 お答えいたします。  この二条に規定いたしました目的を果たしていくことが使命であると心得ております。
  22. 田中甲

    田中(甲)分科員 前文に対する御所見もいただければと思います。
  23. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 前文は非常に高尚なことを書かれておりまして、こういうことを基本精神として、この目的に添って仕事をしていけ、そういう精神と心得ております。
  24. 田中甲

    田中(甲)分科員 基本精神使命ということに置きかえられてしまったのですが、いずれにしても、国立国会図書館の中で、前文に書かれていますこの「真理がわれらを自由にする」ということは、私は非常に重要な指摘、そしてまさに忘れてはならない精神をうたったものだと思います。  国会図書館は、そもそも、正確な情報、事実が隠され戦争に至った戦前日本の反省のもと、「真理がわれらを自由にする」という言葉確信をして、日本世界の平和のために設立されたものと私は認識をさせていただいています。しかも、民主化のために国民代表機関である国会附置機関として設立がされました。  三点目の館長指摘は、まさに本会議場の上の階にございます国立国会図書館調査及び立法考査局というものの機能は、本を集めて国民も含めて貸し出しをするという機能から、その範囲を超えて、国会議員等の要請に応じて調査する業務というものは既にここにあるのだろうと私は認識をしております。まさに通常図書業務を超えた業務を既に国立国会図書館は行っているという考えを持つものですが、この点に対してはどのようにお考えになられますか、再度御答弁いただければと思います。
  25. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 先ほど私が国会図書館法第二条で申し上げましたが、国会議員職務遂行に資する、それがまさに調査局の職務でありまして、国会議員の皆さんからいろいろなお問い合わせをいただいております。これに対して、口頭であれ文書であれ、正確にかつ速やかにお答えする仕事をやっております。これが調査局の主たる仕事でありまして、繰り返しますが、それが先ほどの第二条の「国会議員職務遂行に資する」という点でございます。
  26. 田中甲

    田中(甲)分科員 わかりました。  これまで我が国日本政府あるいは行政は、第二次大戦期の事実関係の真相究明に前向きな姿勢で取り組んできたということは、残念ながら私は申し上げられないと認識をしています。  ある外務省の政府高官は、この問題はパンドラの箱をあけることになると発言をしておりましたし、法務省は、昭和三十年代に戦犯関係調査を行ったのに公開はしておりません。国連の調査においても提供をしていない。外交秘、防衛秘との理由で、外務省、防衛庁は資料を公開していない。さらに、国立公文書館では資料の約三分の一が公開されるということで、逆に申し上げるならば三分の二は非公開の状態にある。外政審を中心とした取り組みで、この公文書館にアジア歴史資料センターを設置するという閣議決定がなされ、予算づけがされたところですが、まさにこれは検索のための整備でありまして、当時の村山元総理大臣の構想からは完全に外れてしまっている、私はそう判断をしております。  こんな中で、実は同じ問題を私は以前、外政審議室と国立国会図書館調査及び立法考査局に投げかけたことがあるんですけれども国立国会図書館からは、極めて公平中立な中で正確な情報のフィードバックがあった、答えが返ってきた、そんな経験をしております。  戸張館長から、調査及び立法考査局を初めとする国立国会図書館調査の中立性について、自負心等もちろんお持ちになられていると思いますので、その点について御答弁いただければと思います。
  27. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 私ども仕事をしていく上で一番気を使っておりますのがまさにその点でございまして、先ほど一番最初に申し上げましたように、国会附属機関でございますので、あらゆる会派から御支持をいただかなければなりません。そのためには、突っ込んだ調査でも突っ込んだお答えでも中立でなければならないということに一番気を使っているところでございます。  そのことにつきましては、実は国立国会図書館法の十五条に調査局の職務が書いてあるわけです。この中に、立法の発議とか督促をしてはならないとか、官僚的偏見にとらわれることなく、両議院に役立ち得る資料を提供することといろいろその精神が書かれておりまして、これを私どもは正確に守っているところでございます。  したがって、今ちょっと先生からお褒めのお言葉をいただきましたが、私どもはそういう心がけで今後も仕事を続けていきたいと思っております。
  28. 田中甲

    田中(甲)分科員 ありがとうございます。ぜひ国立国会図書館のその姿勢を今後もしっかりと堅持して進んでいっていただきたいと思います。  アメリカの第百六回議会、合衆国の上院に籍を置いておりますファインスタインさんという議員が、次のような法案提出いたしました。一九九九年十一月十日、法務委員会に付託されています。それは、法務省による、またはある種の情報事案及びその他の目的のために行われるいかなる調査もしくは訴追をも損なわないようなやり方で、情報公開法に基づき、日本帝国軍の要員及び記録に関する情報の公開を求めるために、開会中の議会において、合衆国上院及び下院は以下の立法を行われたいということで、日本帝国軍の公開法というものが既に提出されています。  実は、提出されただけで、どのような状況になるかをまだ十分に判断できているところではありませんが、一九九八年には、ナチス・ドイツに対する全く同様の情報公開法というものがアメリカの議会に提出されて、既にそれが可決成立しているという状況であります。今世紀中に起きた出来事、みずからにかかわる出来事をみずからの手によって事実を明らかにし、次世代に伝えていく、その姿勢を、私たちこの日本、そして日本人が今まで持ってきたか、立法府の中でそのような積極的な活動が行われてきたかということを考えますと、さきにも申し上げましたとおり、十分にそれが行われてきたとは思えません。  そして、立法府の中で主体的にそれを進めていくときに、どの機関がそれを公平中立、そして事実を明らかにするという姿勢で進めていくことができるかという判断をした場合に、私は、現在、立法府附置機関である国立国会図書館精神をもって初めて、「真理がわれらを自由にする」というその精神に基づいて事実が明らかにされ、恒久平和の大切さということが受け継がれていくんだろうと思います。  この法案は、館長が発言されたとおり議院運営委員会審議されるべきものでありますから、また議運担当の議員の皆さん方にお話をして議運で審議をしていただく、そんな展開になると思いますが、いろいろ国立国会図書館、関西の新しい館を建てたり子ども図書館やあるいは新たなIT革命に備えた図書業務ということを可能にする、忙しい中ではありますけれども、どうかこの問題にも目を向けていただきまして、今後十分な検討をしていただきますようにお願いを申し上げ、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  29. 高橋一郎

    高橋主査 これにて田中甲君の質疑は終了いたしました。  次に、達増拓也君。
  30. 達増拓也

    達増分科員 自由党の達増拓也でございます。  国会改革は、自由党の基本政策の柱の一つでございます。自自連立成立以来、また自自公連立政権も国会改革ということを非常に重視いたしまして、昨年秋の臨時国会からは、政府委員の廃止、副大臣制の導入、また、試験的にいわゆるクエスチョンタイムが開始され、そしてこの通常国会では正式に国家基本政策委員会という形で、新しい国会のあり方、本来あるべき国会のあり方が追求されているところであります。  このような国会改革、衆議院の定数削減もございました。まずは国会議員が自分たちで話し合って国会のあり方を決めていかなければならないわけであります。法律であれば本会議委員会、そして院のあり方については議院運営委員会等で決めていくわけでありますけれども、きょうは予算委員会でございますので、そうした国会改革を支える物的基盤、施設でありますとか、また特に最近重要な、コミュニケーション、PRの手段であるホームページ等々につきまして質問をさせていただきたいと思います。  国会の施設といいますと、今一番国会周辺で目立っているのが国会裏の工事であります。これが完成した暁には、非常に近代的で新しい、また外に対しても非常に開かれた国会ということになると期待されるわけでありますけれども、まずは、その工事の目的と完成後の機能について伺いたいと思います。
  31. 谷福丸

    谷事務総長 お答え申し上げます。  ただいまそこで工事していますところが多大な御迷惑をおかけいたしておりますが、十月には完成の予定でございます。これは地下二階になっておりまして、地下一階はいわゆるオープンスペース。その目的は、まず第一に、雨天の場合に参観の方が待機する場所として、今一応千三百人ぐらいが待機できる規模のものを考えてございます。  地下二階の方は、もうこの予算委員室もテレビがついてございますが、全委員室にテレビカメラをつけますとそれをコントロールするモニターの施設が要りまして、かつてあったところが狭くなりましたものですから、全部地下に収納して、さらに、いろいろな資料を保管する場所、それから、今テレビは随時国民にインターネットを通じて過去のものも見れるようにしていますから、そういう関係の整備も行えるようにということで行っております。  以上でございます。
  32. 達増拓也

    達増分科員 国会審議の映像、ビデオ、その画像コンテンツ、これは国民共通の非常に重要な資産だと思いますので、効率的に管理できるように頑張っていただきたい。また、私は、地元から国会の見学をよく案内したり、またあいさつをしたりするのでありますけれども、この国会という建物、特に小中学生は緊張した面持ちで見学に来るのですけれども、これは皆さんからいただいた税金でつくったみんなのものだ、そこを国会議員職員の人たちが使っているんだけれども、とにかく皆さんのものなのだから、自分のものだ、自分たちのものだというつもりで中を見ていってほしいと訴えているのであります。まさにそういう意味で参観者に利用しやすい、使い勝手のいい国会の建物にしていかなければならないと思います。  そこで、裏の方の工事が進んで大分よくなるわけでありますけれども、私が思いますのは表側の方であります。  現在、国会の正面玄関は、天皇陛下がおいでになるとき、開会式のときですね、後は選挙が終わって最初の登院のときぐらいしか使われないわけでありますけれども国民すべての国会、すべての人にオープンな国会という発想からすれば、常時表の方からも出入りできるようにして、国会前の広場というものも一般の人にもっと利用できるようにした方がいいのではないか。いろいろな国の、外国の国会を見ていても、やはり国会の前のスペースが非常に開かれていて、国民にとっても自分たちの国会というイメージを持ちやすいと思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
  33. 谷福丸

    谷事務総長 今先生の御指摘の中の、まず中央玄関の問題でございます。  これは、過去の経緯がいろいろございまして、実態は参議院所管しているということになっておりまして、あそこをどう使うかにつきましては、参議院ともいろいろ合い議しなきゃならぬ。これは、帝国議会以来の何か伝統みたいなものが一つかかわってございます。  中央玄関とは別に、正門の周辺の話というのはいろいろ御議論が出ておりまして、今みたいなあんな立派な塀と正門になりましたのは安保以来のことでございます。あのときに今の形に整備したのでございますけれども、今、正直申しまして、外来の方あるいは参観の方には議面を通じて所定の手続をとっていただいてございます。  これらにつきましては、正門の前の使い方を含めて、一度また議院運営委員会で、いつも庶務小なり議会制度協議会で御議論いただいていますので、ひとつ御提起いただいて、大きな見地から御検討いただきたいと思います。
  34. 達増拓也

    達増分科員 いろいろ工夫の余地があると思うのでありますけれども、一たん中に入った後の国会の中の見学コースであります。  黄色いプラスチックの鎖で仕切りができて、そこのすき間を歩く。特に団体の場合は、人数が多くて仕方がないのでしょうけれども、もう少しスマートにうまく回れないかとも思うわけであります。また、ところどころ集まれる広くなった場所というのも余りないわけであります。毎年毎年少しずついろいろ工夫を凝らしているところはわかるのですけれども、この辺いかがでしょうか。
  35. 谷福丸

    谷事務総長 それもおっしゃるとおりで、私どももいろいろ工夫してみたいと思っています。  今の工事が完成いたしますと、地下を通って議事堂の中に入る新たな見学コースを設定いたしたいと思っています。  ただ、いかんせんピーク時には、五月なんかは十万近い方が、早朝といいますか、午前中に集中しますので、なかなか御満足いただけるような御案内にはならないかと思いますが、できるだけ参観の皆さんの御意向に沿うように今後とも努めてまいりたいと思います。
  36. 達増拓也

    達増分科員 国会見学については、国会の歴史、そして日本の民主主義、憲政の歴史、そういったものを学ぶことができる施設として憲政記念館があります。  憲政記念館は、いろいろな映像資料、ビジュアルで楽しくおもしろく学ぶことができる設備も大分充実してきて、私も地元から見学者が来た場合にできるだけ憲政記念館も見るように助言しているのでありますけれども、ちょっと国会そのものから離れているところが悩みであります。地下に通路をつくるとか、あるいは簡単なシャトルバスで一般の国会見学の人が憲政記念館にも行きやすくすれば非常に便利だと思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
  37. 谷福丸

    谷事務総長 憲政を利用いただいてもらって本当にありがたいと思いますけれども、今お話しの地下通路につきましては、つくることはやぶさかではないのです。ただ、一つ問題は、あそこに地下鉄が通ってございまして、ちょっと物理的にいろいろな障害があるということでございます。  シャトルバスについては、工事が終わりましたら、どういう見学コースがいいのかも含めまして、検討してまいりたいと思います。
  38. 達増拓也

    達増分科員 外国の国会議事堂、議会議事堂には、やはりその国の民主主義の歴史を学ぶことのできる見学コースや施設が国会議事堂の中にあることが多くて、今の国会というのも大事なんですけれども、そこに至る先人の苦労、民主主義の大切さというものを同時にちゃんと見てわかっていただけるような工夫が必要なんじゃないかと思うわけであります。  さて、国会の施設について、一般の人がまず思いつく赤じゅうたんでありますけれども、これも、例えばアメリカの議会議事堂は石の床でありまして、むき出しになっていて非常に清潔感がある。じゅうたんというのは、人の出入りが余りなければ音も静かでいいんですけれども、人がたくさん歩く場所でありますと、ほこりがひどいですし、またダニ等衛生の問題もある。したがって、場所によっては赤じゅうたんではなく石のむき出しの床にした方がいいとも思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
  39. 谷福丸

    谷事務総長 赤じゅうたんは、戦前から国会のシンボルみたいになっておりまして、これをいろいろするとというのは先生方の御意見もさまざまにあろうかと思います。  ただ、ダニがいるというのは、私どもも本当に存じませんでしたが、かつて何年か前の騒動のときにダニがいるということが判明いたしまして、以後、防虫剤を含めた清掃等を心がけておるところでございます。
  40. 達増拓也

    達増分科員 ちょうどけさの朝日新聞なんですが、選挙に関する報道が最近ふえているのでありますけれども情報を受けるだけではなく、みずから進んで政治の実態国会議員の活動を調べるのに、衆議院のホームページ、そして会議録の検索、これは非常にいいということが載っておりまして、これは我が意を得たりであります。  衆参両院のホームページ、そして国会図書館のホームページの内容の充実ぶりというのは、最近特に、どんどん目覚ましく進歩しておりまして、非常にいいと思うんですけれども、これからどのような点をさらに充実させていこうとしているのか。これは、衆議院の分と国会図書館の分、両方伺いたいと思います。
  41. 谷福丸

    谷事務総長 お答えします。  現在、衆議院のホームページと言っているものは、審議経過だとか立法の情報に関して結果を国民の皆さんに出しているのが一つと、それからもう一つは、インターネットを通じて委員会あるいは本会議審議状況を出している、こういう二つの方面からやってございます。  ただ、どういう情報があるかというのは、実際には、今は法案だってタイトルと結果ぐらいしか出ていませんので、今後は法案の中身とかより詳細なものを出していく。  それから、委員会審議の方は、ことしの一月から過去の委員会の映像もアクセスできるようにいたしております。いろいろな点で年々改良を加えてきましたので、さらに今後とも、メディアの進歩の度合いに応じて、私どももおくれないように対応していきたいと思っております。
  42. 戸張正雄

    戸張国立国会図書館長 お答えをいたします。  国立国会図書館におきましては、既に四年ほど前からホームページを開設しておりまして、二年ほど前に全面改定いたしまして、御承知のとおり、今や図書館のサービス窓口というような意味でいろいろなものを出しております。わけても、国会会議録の検索を一般国民にも提供いたしておりますし、また、国会図書館で受け入れた一年分の本があそこでわかるような仕組みもつくっております。また、図書館にあります内外の貴重書をホームページから見られるようなことにもなっております。  そういうことを現在やっておりますが、さらに今考えておりますところは、もう少し見やすくすることと同時に、戦後、国立国会図書館が受け入れました日本の本、恐らく百八十万冊以上あると思いますが、これをインターネットで出しまして、どこからでも検索できるようにする、こんなことを当面考えております。また、江戸時代に出されました、これは錦絵とか絵入り本とかいうのですが、そういう美しいものをもう少し見ていただこう、そんなことも考えております。  ただ、そういうことのほかに、実は、本の中身をインターネットで見ていただく、いわゆる電子図書館と言われておりますが、そういうことも少しやらなければいけないんだろうと思いまして、余り古いものでない、いわば明治期くらいの本を、余り世間にはないけれども国会図書館にある、しかないというようなものをインターネットあるいは電子図書館ということで世の中に提供していく、そういった方向を目指していきたいと思っております。
  43. 達増拓也

    達増分科員 我が国情報インフラの中核として、ぜひぜひ頑張っていただきたいと思います。  国会改革の目玉、クエスチョンタイムの導入や、国会議員同士の議論を活発に行って言論の府としての質を高めていこうということでの政府委員制度の廃止、こうしたことはやはり審議の結果を会議録として一般の人たちすべてに読んでいただきやすくしなければいけませんので、そういう意味で、会議録がホームページでだれでもすべて読めるようになるというのは、非常に重要なことだと思います。ぜひぜひ、使い勝手をさらに工夫したりし、また、いろいろなところからのリンク、どんどん自由にリンクですとか引用ですとかいうのを認める。リンクの張り方を工夫すると、外部の人が、ある特定のテーマ、ある特定の党や人についての簡単なデータベースを、会議録データベースとリンクさせることで自由に編集していくこともできる。本当に情報の宝庫だと思います。そういう意味では、最近問題になっているセキュリティーについてもぜひぜひ留意していただいて、国民共有の財産が損なわれることのないようにやっていただきたいと思います。  さて、この国会が、憲法に書いてあるとおりに全国民の代表から成る国権の最高機関としてきちんと機能していくようにするために、私は、議長委員長の権限を強化、また存在感を高めて、やはり三権の長として議長は総理大臣と同じくらいの存在感を持っていただく、そして各委員長も各大臣と同じくらいの存在感を持っていただく、そういうことが重要じゃないかと思っております。  特に委員長の存在感をもっともっと高める余地があると思うのです。例えば法律についても、ともすれば、担当省庁が法律をつくって、法律ができたときの記者発表も役所がやって、法律について質問があれば役所に問い合わせが来て役所が答える、難しい問題については内閣の方の法制局が答える。現状そうなっているわけでありますけれども立法府としての国会でありますから、法律が成立したときには委員長が記者会見をしてその中身を説明したり、また問い合わせがあったときには委員長がそれに答えられる、委員長のスタッフがそれに答えられる、そういう形で国会の側に立法の主導権を持ってこなければならないと思うわけであります。そして、各委員長のところで対応し切れない難しい問題については国会法制局というところを活用し、議長の責任でその法律の中身を確定していく。そのためには、やはり人的、物的補佐体制が必要だと思います。  現状でも、議長委員長、それぞれ秘書がついたり、また部屋があったり、補佐する委員部というものがあるわけですけれども、これをもっと強化充実させて、議長委員長がもっと頻繁に記者会見を開いたり、さらにはホームページについても、これは実際、国によっては既に実現しているのですが、委員会ごとにホームページを持てるぐらいにまで議長委員長の体制を強化すべきと考えるのですが、この点いかがでしょうか。
  44. 谷福丸

    谷事務総長 まず、議長委員長の補佐の問題でございますが、御案内のとおり、直接委員長を補佐するスタッフとしては、委員部に担当のスタッフ、それから調査局にそれぞれスタッフがいます。  御案内のように、もともと戦後新しい国会ができたときにはアメリカの制度をまねしてできたのですが、なかなか全体の組織というものがアメリカのようには育ちませんでした。したがいまして、先年、国会改革の一環として調査室の機能強化ということで調査局というものをつくっていただきまして、それぞれの委員会だけじゃなくて、例えば基本政策委員会のような問題には全体として対応しよう、こういう機構改革を行っております。  各党の国会改革の中にも調査機能の強化ということをうたっていただいておりまして、今後、議会制度協議会等でも御議論いただくことになっておりますので、私どももそれに期待して、強化に努めてまいりたいと思います。幸いに、ここ十年近くは若い大変優秀な人が集まってございますので、そういう面では、将来に私ども大変期待しております。  それからもう一点は、委員会委員長などが記者会見等を行って広報を充実させるお話でございます。  御案内のように、衆議院記者クラブ、それから国会クラブ、これは社会部でございますが、専用のといいますか二つのクラブがあるわけでございます。確かに、議長それから議院運営委員長の方は割に記者会見というのは頻繁に行われますが、各委員会通常の活動については余りそういうことが行われておりませんので、これは私どももひとつそういう方向にお話を持っていくように努力してみたいと思います。  それから、委員会の活動のホームページでございますが、今いわゆる審議経過等みたいなものはもう既にホームページで出してございますけれども運営とか委員長のお話は、これはそう難しい話じゃないものですから、早急に検討して実現するようにしていきたいと思います。
  45. 達増拓也

    達増分科員 国会議員の方でも改革目指して努力してまいりますので、それに合わせたそういう支援の体制、人的、物的体制についても一緒に工夫していきたいと思います。  国会の危機管理体制の一環としまして、緊急医療体制について一言取り上げたいと思います。  病気等、議員国会の中あるいはその周辺、議員会館のあたりまでも含めてなんですけれども、近くで倒れたりした場合などの緊急医療体制が今現在どうなっているのか伺いたいと思います。
  46. 谷福丸

    谷事務総長 お答えいたします。  現在、医務室がございまして、そこには医師が、内科、皮膚科、眼科、耳鼻科等含めて十四名いて、それぞれ対応するようにしています。  それで、緊急な治療を要することについては、救急医療ということで救急車を手配して所定の病院に行っていただく、こういう対応をとれるようにしてございます。  それから宿舎の場合は、各宿舎とも夜はお医者様に常駐していただいて、昼夜は看護婦さんにいていただく、こういう体制にしてございます。
  47. 達増拓也

    達増分科員 平素の健康管理については議員それぞれ自己管理ということだとは思うのですけれども、いざというとき、議員会館の入り口の階段のところで急に倒れるとかいうことも実際あるのでありまして、そうした場合の緊急体制というものについてはきちんと整備していかなければと思います。  さて、時間がなくなってまいりましたけれども、これは余談のような感じではありますけれども、ある意味で一つすごく重要なことかなとも思っているのです。それは国会のお土産のことであります。  どの国の国会にもギフトショップというものがそれなりにあるのでありますけれども、かなり一般の国民にとって国会が身近なものになる、また外国からのお客様に何か記念にという場合に、我が国国会のお土産物、ギフトというのはかなり改善の余地があるのではないかと思うのです。今はそういう業者さんとか、一般、民間に任せきりなんでしょうけれども、もう少し責任を持って、日本国会を通じて伝えていく、何かメッセージ性のあるいろいろなギフト、土産物の工夫をしながら売っていく。  イギリスの下院の方は、議会事務局が直営するような形で、非常に高級品、ワインとかウエッジウッドを使った灰皿とかいうものから、もっと手軽な値段で買えるようなレターセットとかまでそろっております。国際交流ですとか一般へのPRを考えた場合に、我が国でも、そういう事務局直営ですとかあるいは公益法人のようなものをつくって責任を持ってやってもらうとかいう工夫も必要じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  48. 谷福丸

    谷事務総長 大変示唆に富むお話でございますが、私どもが承知している限りでは、イギリスは歴史的に昔から議長官房でいろいろな本だとか会議録等も売っているような感じでございます。確かに、ウイスキーだとかたばこだとかいうものも販売しているとは承知していますけれども日本では、いろいろ制度とか何か検討しますと、直営でやるというのは、法律面、いわゆる会計法上の問題がありまして、これはちょっと無理かと思います。  それで、実際は、院内営業というのは議院運営委員会の庶務小委員会の稟議を得まして許認可していまして、こちらの方を今後充実していく方向が私どもの議会の中の一番ふさわしい道じゃないか、こういうふうに存じております。
  49. 達増拓也

    達増分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
  50. 高橋一郎

    高橋主査 これにて達増拓也君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして国会所管についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  51. 高橋一郎

    高橋主査 次に、皇室費について審査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。森宮内庁次長
  52. 森幸男

    ○森政府参考人 平成十二年度における皇室費歳出予算について、その概要を御説明いたします。  皇室費平成十二年度における歳出予算要求額は七十億五千五百二十七万五千円でありまして、これを前年度予算額六十九億二千十六万五千円と比較いたしますと、一億三千五百十一万円の増加となっております。  皇室費歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。  以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十四億二千四百七十五万円、皇族に必要な経費三億六百五十二万五千円であります。  次に、その概要を御説明いたします。  内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。  宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費六億九千七百二十六万五千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費五十七億二千七百四十八万五千円でありまして、前年度に比較して一億三千五百十一万円の増加となっております。  皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。  以上をもちまして平成十二年度皇室費歳出予算計上額の説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いいたします。
  53. 高橋一郎

    高橋主査 以上で説明は終わりました。  別に質疑の申し出もありませんので、皇室費については終了いたしました。     ―――――――――――――
  54. 高橋一郎

    高橋主査 次に、裁判所所管について審査を進めます。  最高裁判所当局から説明を聴取いたします。泉事務総長。
  55. 泉徳治

    ○泉最高裁判所長官代理者 平成十二年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。  平成十二年度裁判所所管歳出予算要求額総額は三千百八十六億六千六百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千百八十四億六百万円と比較いたしますと、差し引き二億六千万円の増加となっております。  次に、平成十二年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。  まず人的機構の充実、すなわち裁判官、書記官及び家裁調査官の増員であります。  増加し、かつ複雑困難化しております民事関係事件等の適正かつ迅速な処理を図るために、裁判官七十人、書記官四十人、家裁調査官五人、合計百十五人の増員及び振りかえによる書記官二百人の増加をすることといたしております。  他方、平成十二年度の定員削減として二十九人が減員されることになりますので、差し引き八十六人の定員増となるわけでございます。  次に、司法の体制の充実強化に必要な経費でございます。  裁判関係経費の充実のために、庁用図書等の裁判資料等の整備に要する経費として八億四千七百万円、OA機器整備等の裁判運営の効率化に要する経費として三十五億千二百万円、調停委員に支給する手当として九十六億七百万円、国選弁護人報酬に要する経費として五十三億千二百万円を計上しております。また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百二十三億四千三百万円を計上しております。  以上が、平成十二年度裁判所所管歳出予算要求額概要であります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  56. 高橋一郎

    高橋主査 以上で説明は終わりました。  別に質疑の申し出もありませんので、裁判所所管については終了いたしました。     ―――――――――――――
  57. 高橋一郎

    高橋主査 次に、会計検査院所管について審査を進めます。  会計検査院当局から説明を聴取いたします。金子会計検査院長
  58. 金子晃

    ○金子会計検査院長 平成十二年度会計検査院所管歳出予算について御説明申し上げます。  会計検査院平成十二年度予定経費要求額は百六十四億四千八百四十六万余円でありまして、これは、日本憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく、本院の検査業務及び一般事務処理を行うために必要な経費であります。  今、要求額の主なものについて申し上げますと、第一に、人件費として百三十七億三千五百九万余円を計上いたしました。これは総額の八三・五%に当たっております。  第二に、旅費として八億五千五百二十万余円を計上いたしました。このうち主なものは、検査旅費が七億二千四百七十四万余円、海外検査等外国旅費が三千八百六十三万余円であります。  第三に、施設整備費として一億九百十五万余円を計上いたしました。これは庁舎改修工事費であります。  第四、その他の経費として十七億四千九百万余円を計上いたしました。このうちには、会計検査の充実強化のための経費三億五千五百四十二万円、有効性検査の強化のための経費四千四百十九万余円、会計検査情報システムの開発及び運用のための経費七億六百三十六万余円及び研修・研究体制の整備経費二億六千八百十四万余円が含まれております。  ただいま申し上げました平成十二年度予定経費要求額百六十四億四千八百四十六万余円を前年度予算額と比較いたしますと、九千三百六万余円の減額となっております。  以上、簡単でありますが、本院の平成十二年度予定経費要求額概要の御説明を終わらせていただきます。  よろしく御審議のほどお願いいたします。
  59. 高橋一郎

    高橋主査 以上で説明は終わりました。  別に質疑の申し出もありませんので、会計検査院所管については終了いたしました。     ―――――――――――――
  60. 高橋一郎

    高橋主査 次に、内閣及び総理府、ただし北海道開発庁経済企画庁科学技術庁環境庁及び国土庁を除く所管について審査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。青木内閣官房長官
  61. 青木幹雄

    ○青木国務大臣 平成十二年度の内閣及び総理府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  内閣所管平成十二年度における歳出予算要求額は七百十八億四千八百万円でありまして、これを前年度当初予算額二百九億七千九百万円に比較いたしますと五百八億六千八百万円の増額となっております。  要求額の内訳といたしまして、内閣官房には、情報収集衛星のシステム開発、総合調整、内閣機能の強化に必要な組織・定員を確保し体制の充実を図る等のための経費として六百六億五千五百万円、内閣法制局には、法令審査等のための経費として十億七千百万円、人事院には、人事行政等のための経費として百一億二千百万円を計上いたしております。  次に、総理府関係予算でありますが、平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、新体制移行前の総理府所管に計上いたしました歳出予算要求額は八兆三千二百三十二億二千五百万円であります。  このうち、北海道開発庁経済企画庁科学技術庁環境庁及び国土庁に関する歳出予算要求額については、他の分科会において御審議を願っておりますので、それ以外の経費のうち主なものについて、以下、順を追って御説明を申し上げます。  総理本府には、政府広報、栄典関係、男女共同参画社会の形成の促進、平和祈念事業特別基金、原子力利用の安全確保、新千年紀記念行事の推進、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業、遺棄化学兵器等廃棄処理事業、新官邸整備等のための経費として六百十九億八百万円、警察庁には、警察庁、その附属機関及び地方機関経費並びに都道府県警察費補助等のための経費として二千五百三十五億四百万円、金融再生委員会には、金融再生委員会及び株価算定委員会運営等のための経費として十億二千八百万円、金融監督庁には、金融監督庁一般行政、金融機関等の監督、証券取引等監視委員会運営等のための経費として三十億八千四百万円、金融監督庁改組後の金融庁には、金融庁一般行政、金融機関等の監督、証券取引等監視委員会運営等のための経費として四十七億九千九百万円、総務庁には、総務庁一般行政、恩給の支給、国勢調査等のための経費として一兆四千五百六十九億八千九百万円、防衛本庁には、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費として三兆五千二百六億一千五百万円、防衛施設庁には、基地周辺対策事業、在日米軍駐留経費負担及びSACO関連事業等のための経費として五千四百八十六億三千万円、沖縄開発庁には、駐留軍用地跡地利用対策関連経費、沖縄における教育・文化振興、保健衛生対策及び農業振興に要する経費並びに沖縄開発事業に要する公共事業関係費等として三千三百七十一億八百万円を計上いたしております。  また、中央省庁等改革に伴う新体制移行後につきましては、内閣所管、総務省所管等に所要の歳出予算要求額を計上いたしております。  以上をもちまして、平成十二年度の内閣及び総理府関係予算の概要説明を終わります。  よろしく御審議いただきますようにお願いをいたします。
  62. 高橋一郎

    高橋主査 以上で説明は終わりました。     ―――――――――――――
  63. 高橋一郎

    高橋主査 沖縄開発庁について質疑の申し出がありますので、これを許します。遠藤和良君。
  64. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 サミットを沖縄で行う、これはすばらしい政治決断だと私は思います。小渕総理みずからがお決めになったと伺っておりますけれども。  沖縄は、南海に浮かぶ平和な島、そして武器も持たない人々が、古来から中国大陸それから日本列島と交易を重ねて、豊かな文化をはぐくんできました。しかし、中国との関係あるいは日本の薩摩との関係、あるいは戦後は米国との関係で、いろいろな宿痾のあらしの中でもまれ続けてきたという歴史もあります。その中でサミットを行う、これはすばらしい政治決断だと心から感動します。  この沖縄で、それでは全世界に何を発信するのかというのが、さらに重要な政治的課題になると思います。この点について、今政府はどのように考えているのか、そこからお伺いをしたいと思います。
  65. 東祥三

    ○東政務次官 お答えさせていただきます。  まず、沖縄サミットでは、もう言うまでもなくG8のサミットでございますから、何を発信するかという前に、G8の目標がどうあるべきなのか、それを踏まえた上で何を発するのかということになるのだろうと思います。  その意味で、二十一世紀において、グローバル化がますます進展し、また情報化の流れがますます進展するだろう。そういう状況の中で、地球上のすべての人が一層の繁栄を享受して、一人一人の心に安寧が宿り、そしてより安定した世界に生きられるということがG8の掲げるべき目標であるべきだろうと思っております。  その上で、二〇〇〇年という節目の年に開かれるこの九州・沖縄サミットにおいては、二十世紀を文字どおり総括するとともに、このような二十一世紀に向けた課題にG8として率先して取り組んで、グローバルな、地球的な視点に立ちつつも、アジアの視点を踏まえた力強いメッセージを発出したい、そのように、抽象的でございますが、考えております。
  66. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 なぜ沖縄で行うのかという意味を私は尋ねております。  議長国として会議を円滑に運営することに心を砕くことはまことに大切ですけれども世界の首脳に沖縄に集まってもらって、沖縄の何を見、何を考え、何を行動するか、そして議長日本として世界に何を訴えたいのか、その辺の問題が大変大切だと思うわけでございます。  総理自身、沖縄で開催するということは大きなかけにも似た思いだ、こうおっしゃったことがあります。このかけは絶対勝たなければなりません。絶対に成功させなければならない、こう私は認識をするわけでございまして、そのためには、どんな中身をつくり上げていくかということが大切な課題だと思うのですね。  そうした認識で、さらに議長国として日本の役割というものをもう少し具体的に詰めていく必要があるのではないか、このように考えますが、どうでしょう。
  67. 東祥三

    ○東政務次官 まず、なぜサミットの開催地を沖縄にしたのかというところから解きほぐしていけば、沖縄には会議に必要な施設、そして環境が備わっているということに加えまして、今遠藤委員の方からお話がありましたとおり、沖縄の長い歴史があり、文化が多様化しており、そしてまたあの第二次世界大戦における痛みがまだまだいえ切らない、そういうところであり、稲嶺知事を初め、県民の熱い期待に応じるとの観点から、サミットの首脳会合の開催地を沖縄に決定した次第でございます。  小渕総理は、今国会の施政方針演説において、「九州・沖縄サミットの開催を万感の思いを込めて決断いたしました。」と述べているとおりでございます。  九州・沖縄サミットは、言うまでもなく、今年の我が国の最重要の外交課題でありまして、沖縄での首脳会議が円滑に行われ、二〇〇〇年という節目の年に行われるこのサミットにおいて、二十一世紀に向けた明るく力強いメッセージが発出されることが重要であり、今委員から力強い御支援の言葉がありましたけれども、それを踏まえた上で、何としてでも全力を挙げて大成功させたい、このように思っております。
  68. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 ぜひ、心から大成功を私も祈っておる一人でございます。  先日、石垣に参りました。サミットの舞台は、沖縄では沖縄本島となっているわけですが、八重山諸島でもサミットの関連行事を何かやっていただけないのか、こういうふうな御要望があったわけでございますが、本島以外で何かサミットの関連行事、こういったことを、希望はあると思うのですが、御検討されておりますか。
  69. 東祥三

    ○東政務次官 既に地元沖縄からは、沖縄らしさを出せるような数多くの御要望や御提案をいただいておりますけれども、今御指摘にありました本島以外でという視点でいけば、八重山諸島のうち、石垣市から、フランス大統領を招聘する御要望も出ていると承知いたしております。これは沖縄県民の持つ真心からのホスピタリティーのあらわれであろうと思いますし、心から政府として感謝している次第でございます。  他方、サミットの日程は限られておりまして、相手国政府の意向も尊重しつつ、この件に対して、実現できるかどうか総合的に検討していきたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても、委員が御指摘の沖縄県及び沖縄県民の皆様の御要望、そしてまた御提案を真摯に受けとめながら、沖縄での開催にふさわしいサミットにできるよう最大限努力していきたいと思っております。
  70. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 外務省、結構です。あとは沖縄開発庁に聞きます。  沖縄二十一世紀プラン、正式には沖縄経済振興二十一世紀プランと言うわけですが、その中間報告が出ましたが、この最終答申はいつ出すのか。できればサミットの前にまとめて、二十一世紀の沖縄の未来構想を世に発表する、これが大切だと思うのですが、その場合の答申の骨格とか基本的な理念というものをどのように考えておりますか、お聞きします。
  71. 白保台一

    ○白保政務次官 お答えいたします。  沖縄経済振興二十一世紀プラン最終報告につきましては、昨年六月に行った中間報告に基づき、逐次その実施を図るとともに、今後の検討課題とされている沖縄国際情報特区構想等につきまして、その具体化に向けて鋭意検討を進めており、また昨年十二月二十八日の閣議決定も踏まえ、最終報告を取りまとめていきたいと考えております。  最終報告の時期につきましては、今後の検討課題等の作業の結果を踏まえて行うこととなりますので、その進捗状況を見守るとともに、沖縄県や地元ともよく相談しつつ、本年のしかるべきタイミングで最終報告を行いたいと考えております。常識的には夏場のころになるのかなと考えております。  そして、沖縄経済振興二十一世紀プランの骨格や基本理念につきましては中間報告に盛り込まれており、沖縄経済の自立化に向けた取り組みが大きな課題であるとの認識のもと、「沖縄経済の現状と課題」「政策の理念と基本方向」「政策の具体化の方向と今後の課題」の三部で構成し、「(1)自立型経済の構築に向けて」「(2)我が国経済社会に貢献する地域としての沖縄」「(3)アジア・太平洋地域の交流拠点としての発展」「(4)経済振興と基地問題とのバランスある解決」の四点を「政策の基本的理念」として掲げております。
  72. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 沖縄は、本土との格差是正というところに今まで沖縄振興特別措置法の趣旨があったわけですけれども、それは今後も必要かと思いますが、それに加えて、やはり沖縄の持つ地理的優位性、これを最大限に発揮していく、そうした沖縄の未来構想を示していくことが大変大事なところではないかと私は思うんです。  それで、今も若干話があったわけですが、沖縄全県を東アジアの自由貿易圏といいますか、昔の言葉で言えば楽市楽座のようなものを、ビザなし渡航だとかあるいは関税がないとか、そういう国境措置が、経済側面、人の交流の側面で特別にフリーである、こうした形で沖縄の特性を生かしていくということも大変大切な視点だと思うんですが、そういうものがこの沖縄の二十一世紀のプランの中に具体的に書かれる、こういうことと理解してよろしいですか。
  73. 白保台一

    ○白保政務次官 お答えいたします。  沖縄経済振興二十一世紀プランの中間報告では、政策の展開に当たっての基本的考え方の一つとして、優位性の重視とそれから不利性の克服を掲げております。  すなわち、沖縄の抱える不利性の克服は引き続き重要な課題ではありますが、遠藤委員御指摘のとおり、不利性の克服という視点中心のアプローチだけではもはや限界であると考えられることから、優位性の重視と不利性の克服を車の両輪の課題と位置づけております。  そのような観点から、政策の具体化の方向としても、観光、リゾート産業や情報通信産業の振興等、沖縄の地域特性に十分配意した政策提言に努めており、沖縄の自立型経済の構築に向けて一定の方向性を示すことができているものと考えております。
  74. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 私は、政府のつくります沖縄の二十一世紀のプランの中に、経済の振興だけではなくて、平和の視点をぜひ入れてほしい、こう思います。  ですから、平和というのと繁栄というのが基本答申のキーワードのようなものにぜひしてもらいたい。その平和の象徴として、例えば国連の機関を沖縄県に誘致するあるいは新設をする、あるいは大学や民間の平和研究施設を沖縄に誘致するあるいは新設する、こうしたことが大切だと思うわけでございますが、そうした取り組みもなされますか。
  75. 白保台一

    ○白保政務次官 お答えいたします。  沖縄経済振興二十一世紀プランは、沖縄経済の現状と課題を踏まえつつ、自立型経済に向けての政策の基本的考え方及び政策の具体化の方向を示そうとするものですが、同プラン中間報告においては沖縄を太平洋・平和の交流拠点、パシフィック・クロスロードとして位置づけるなど、地域の平和と繁栄についても十分目を配った未来構想となっております。  沖縄に平和の象徴として国連の機関を誘致すべきであるとの委員の御指摘でございましたが、本件につきましては、我が国が国連を重視してきたことも踏まえ、委員の御指摘も参考にしながら、今後検討してまいりたい、このように考えております。  また、大学等の設立につきましては、沖縄振興において長期発展の基盤となる人材育成の果たす役割の大きさにかんがみ、同プラン中間報告において国立高等専門学校の創設が掲げられていることなどを踏まえ、平成十二年度から高等専門学校の創設準備を行うなど、高等教育機関における人材育成の充実を図ることとしております。
  76. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 今、沖縄県北部の地域振興の話が一部ありましたが、北部の地域を振興するということは、沖縄全体の話も大切なんですけれども、非常に大切です。特に、若い人の地元定着率が大変低くなっている、あるいは、若い人の失業率が本土に比べて二倍ぐらい高い、こういう問題があります。  したがいまして、政府がまとめました北部地域の振興に対する方針ですけれども、この中で、今お話がありました国立高等専門学校の設置等、これを明言しています。あるいは、沖縄新法をつくる、こういうことも明言しているわけでございますが、具体的に、国立高等専門学校というのはどういうことを学ぶ人たちか、あるいは、それはいつごろ開設をする計画なのか、この辺を少し明らかにしてもらいたいと思います。
  77. 小此木八郎

    ○小此木政務次官 小此木でございます。  いつごろの設置ということでございますけれども、創設準備から創設に移行するために、文部省において、教育課程、管理運営体制、施設設備計画について十分検討をして結論を得るとともに、国立高等専門学校用地の確保の見通しなど諸準備が整っていることが必要であると思われ、このような状況を踏まえれば、国立高等専門学校の創設は十四年度以降というふうになると考えられると思います。  また、先ほど委員がおっしゃいましたように、沖縄の若い人たちの地元離れということを考えますと、政府としては、ぜひこれからも、沖縄というのはすばらしい土地であるというふうなことを思っていただきたい。沖縄に対する人材育成というものは重要だと考えておりますので、そういう人たちのためにはぜひ早く進めることを検討してまいりたいと思います。
  78. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 沖縄新法をつくるということですけれども、従来の特別措置法を延長するという手法ではなくて、新法にするという結論を出したわけですが、新法には何を書くのか、こういう問題があります。  それから、その新法はいつ議会に出すのかという問題がありますが、その辺の決断について今どのような状況であるのか、確認します。
  79. 白保台一

    ○白保政務次官 今後の沖縄振興開発のあり方については、現在、沖縄振興開発審議会等を通じて検討を進めているところでございます。  いわゆる沖縄振興新法については、新たな沖縄振興計画の策定とともに、新たな沖縄振興法の制定実現が要望されていることにかんがみ、政府としては新たな時代に向けた沖縄振興新法の実現を目指すこととしており、二十一世紀における沖縄の自立的発展の基礎を確立するため、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
  80. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 この二十一世紀の計画が未来構想としてあるわけですが、二十一世紀に対する入り口の問題として、基地の問題があります。  具体的には、普天間の飛行場の話になるわけですけれども、これを移転するといった場合に、その移転先の周辺整備をしなければいけませんね。これについて、防衛庁はどう考えて、これは知事さんや市長さんの判断もあるわけでございますが、大体そちらの方向に動くことができた。具体的にどういうふうな措置をとり、いつごろまでに完了する希望を持っているのか、これを確認します。
  81. 依田智治

    ○依田政務次官 お答えさせていただきます。  この普天間飛行場の返還の問題に関連しましては、御承知のように、稲嶺知事さん、また岸本名護市長さん等の受け入れ表明を受けまして、昨年末に閣議決定して、こういう形でやろうと政府で方針を出しているわけでございます。その前に、また沖縄政策協議会等でも、この問題はどうやっていくかということを具体的に表明しているわけでございます。  私ども政府の一員として、特にこの基地の建設、さらに普天間なんかの場合には、そこの跡地をどうするかという問題、できるだけ早くこれが利用可能なようにするとか、そういうような形がございますので、やはり住民の皆さんの意見を十分に聞きながら、政府全体として、これらの閣議決定とか沖縄政策協議会等の方針等に基づきまして全力を挙げて取り組んでいく。これから地元の住民の皆さんの要望等も聞きながら具体化するということで、今具体的にここでこうやるというのがまだちょっと表明できませんが、そういう決意だけ表明させていただきたい、こう考える次第でございます。
  82. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 あと、跡地の方は白保さんになるんですよね。どうぞ。
  83. 白保台一

    ○白保政務次官 ただいまも御答弁ございましたが、普天間飛行場の跡地利用についてのお尋ねでございますので、今お話がありましたとおり、昨年末に閣議決定された普天間飛行場の移設に係る政府方針の着実な実現のため、政府全体で取り組んでいるところであります。  沖縄開発庁としても、普天間飛行場等の返還後の跡地については、その有効利用を図ることが極めて重要なことと考えており、沖縄の経済の自立的発展と県民生活の向上に資するよう、関係省庁及び沖縄県等と連携をとりつつ、跡地利用の促進に一層努めてまいる所存でございます。
  84. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 今両総括政務次官からお話があったわけですが、基本的には沖縄の県民の皆さんが本当にこのことを理解し協力していただける、そういう心配りのある実行をお願いしたいと思います。  時間がなくなりまして、最後に小此木さんにお聞きしますが、アメラジアンという、要するにアメリカの軍人さんと日本の女性の間に生まれた子供さんの方々の教育の問題でございますけれども、個人でそういう教育施設をつくられて努力されている民間の方がいらっしゃいます。それに対して、文部省がきちっと認可した小学校とか中学校でありませんものですから、具体的な助成というものがなかなか難しい状況になるわけでございますが、これについて、文部省は特別にそうした教育施設に対して、知恵を出して、こういう助成を考えていきたい、こういうことをお考えでしょうか。また、考えていなければぜひやってほしい、こう希望します。
  85. 小此木八郎

    ○小此木政務次官 お答えいたします。  現在、沖縄県において、本県アメラジアンスクールの助成が公益上必要かどうかを検討中であるということはもう御承知だと思いますが、その際、憲法上の公の支配、このものの整合性の観点から、その設置形態を含め検討を行う必要があると判断しているということを文部省では聞いておりますし、このようなこれからの教育問題について、先ほどの憲法上の問題でありますが、国としてもきちっとした対応をとってまいりたいし、私どもとしては、現在のところ、いわゆるアメラジアンと呼ばれる子供たちが、沖縄の将来的発展や沖縄における国際交流の推進といった場面において活躍する人材に成長していくことを、期待も含めて、密接に沖縄と連絡をとってまいりたいと思います。
  86. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 憲法は人間のためにある法律でございますから、憲法上できないというよりも人道上どうするか、それについて憲法をどう読むかという問題の方が大切なわけでございまして、ぜひそうした、本人の意思ではなくて、結果としてそういうふうな状況になっているわけでございますから、政府は格段の人道的見地から措置をとる必要がある、こういうふうな認識を私は持っている次第でございます。  重ねて答弁を伺いまして、終わります。
  87. 小此木八郎

    ○小此木政務次官 例えば、現在の措置として、文部省初等中等局長通知「登校拒否問題への対応について」、これを踏まえて、平成十一年九月、アメラジアンスクールの所在する宜野湾市の教育委員会において、これらの児童生徒については本籍校において指導要録上出席扱い、こういったことにすることとしたことに続き、現在のところ、沖縄市教育委員会及び浦添市教育委員会においても出席扱いにすることとしているということを聞いておりますので、委員おっしゃるように、これはお互いに努力をさせていただきたいと思います。
  88. 遠藤和良

    遠藤(和)分科員 終わります。ありがとうございました。
  89. 高橋一郎

    高橋主査 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。  以上を持ちまして沖縄開発庁についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  90. 高橋一郎

    高橋主査 次に、総務庁について質疑の申し出がありますので、これを許します。田中慶秋君。
  91. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 私は、民主党立場で、総務庁に質問を申し上げたいと存じます。  御承知のように、総務長官、二〇〇一年の省庁再編、それに伴って一府十二省ということがそれぞれ決定して今進んでおられると思いますけれども、その準備、進捗状態はどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
  92. 続訓弘

    ○続国務大臣 お答えいたします。  さきの臨時国会におきまして、中央省庁再編のための関係法律七十九本、おかげさまですべて成立させていただきました。あわせて、省庁再編の実施時期が、今お述べになりましたように、来年の一月六日と決定いたしました。新体制移行まであと一年弱となりまして、各省庁においてさまざまな取り組みが開始されております。小渕総理も、本年一月七日の初閣議においてこのことを指示されました。スムーズに移行するように懸命の努力をせよ、こういう指示がございました。  そういう指示を受けまして、ただいま政省令や各省の内部規程の整備、国民への周知の徹底の仕方、庁舎の配置がえなど、膨大な作業が必要でございますが、国民の期待にこたえ、新体制移行が円滑に移行できるよう万全の準備を進めているところでございます。
  93. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 まず、行政改革というものは、今日の社会情勢、すなわち少子高齢化の進展に伴って、将来の労働人口の減少、すなわち納税者が減少するということにもつながるわけであります。このような環境から、少なくても国の収入は減り、そしてまた国民のニーズから考えてまいりますと歳出はふえる。これが想定できるわけでありますけれども平成十一年度の国の予算は、赤字国債を三十一兆円発行し、公債依存度が三八%、あるいはまた本年度、今の予算の中においては約三十七兆円、そして依存度が四〇%を超えるわけであります。  このような観点から、これからも国の予算における赤字国債の発行が三十兆円を超えるようなことが今考えられているわけでありますけれども、このような状態で考えますと、本来ならば、民間企業であるならばとっくに倒産をしている、この認識が今足りないんじゃないか。あるいはまた、個人の家庭の状態から考えてみますと、それぞれの収入に応じての支出ですから、支出がもっと徹底的に削減をされるわけであります。ところが、ことしの予算を見て、どこにどのような努力をされた形跡があるのか残念ながら見当たらない、こんなことを言っても過言ではないかと私は思いますが、長官、どう思いますか。     〔主査退席、久間主査代理着席〕
  94. 続訓弘

    ○続国務大臣 確かに、今田中委員の御指摘のように、借金をして云々というお話がございました。しかし、総理も何回もお答えしておりますように、何といっても景気を浮揚させる必要がある、そのためにはやはり、収入をオーバーしたいわば赤字国債ででも対応する必要がある、こういう趣旨から実は予算を編成されたものと私は思います。  いずれにしても、今お話しのように、確かにいろいろな問題点ははらんでいるものの、まず、何といっても景気を最優先の課題として小渕内閣は取り組んでいることを御理解賜りたいと存じます。     〔久間主査代理退席、主査着席〕
  95. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 長官も東京都の副知事をやられた地方自治の経験者であります。石原知事は、外形標準課税を含めて、みずからの財政確保を含めて努力をされております。いずれにしても、今このような状態で、あらゆる知恵を出してそれぞれの取り組みをされておりますけれども、私は、国の予算の中で、その削減というものが、極端なことを言って、総理は十年間で国家公務員を二五%削減する、経費を三〇%削減する、こういうことを約束しているわけです。約束しているならば、具体的にタイムスケジュールで、初年度、本来ならば予算の中にそういうことがあらわれていいわけであります。地方自治体は、少なくても厳しい経済情勢の中でいろいろなやりくりをして、そして頑張っております。民間企業はリストラをして税金を払っているんです。しかし国は、残念ながら、そういうところが本当に見られない。  あなたは、地方自治経験者として、総理がどうのこうのということではなくして、あなた自身の考え方を率直にお聞かせいただきたいと思います。
  96. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中議員もいわば地方行政の経験者であります。神奈川において三期の県会議員を経験しておられるという意味では地方行政のベテラン、そういう立場からのお尋ねでございます。  たまたま私が所管をしている総務庁のいわば具体的な例をここでお示しさせていただければ、今回、六千七百六十五人の純減を図りました。仮にこの人たちの年収が六百万と仮定すれば、約五千人ですから、年間三百億の削減につながった。同時に、生涯給与というのは二億ないし二億五千万と言われております。仮に五千人の削減が本年度果たされたとすれば、一兆円の財政効果があるということを私は申し上げてよろしいのじゃないか。  ただ、これらにつきましても、先ほど三〇%の経費削減云々というお話がございました。このことについても、省庁挙げてこの目標に向かって実は努力をしております。  ただ、具体的に予算の中で、例えば地方関係では、地方議会では削減率幾ら、こう示しますけれども我が国家予算ではそのことが示されないのが残念ですけれども、今申し上げたように、人間の削減一つとってもそういう財政効果があるということを御理解賜りたいと存じます。
  97. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 まさか長官からその言葉が出るとは私は思っておりませんでした。  ということは、あなたも地方自治の経験者ですから率直にお聞きしたい。すなわち、地方自治体は、例えば、諸経費を含めてことしは予算の削減を一〇%しましょう、このような目標に向かってやっております。民間企業であるならば、少なくてもむだなことを排除しながら、経費を含めて三〇%削減をしよう、こんなことで努力をされているんです。ところが、総理の口からもあなたからもそのことが出てこないというのは、少なくても三〇%の経費削減、あるいはまた人件費の、将来にわたるこの人員削減について、やはりもっともっと厳しくその辺はやっていかないと、総理は、一兎を追う、二兎追うの問題でいろいろなことを議論しておりましたけれども、私は、基本というものがそういうことにあるんだろう、こんなふうに思っております。少なくても、景気をよくするということと経費の削減ということとは別建てだ、私はこんなふうに思っておりますが、率直にお聞かせをいただきたいと思います。
  98. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中委員の御意見、私も同感であります。
  99. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 そこで、長官にお伺いします。  実は、民間企業であるならば、例えば、経費削減の手法としてまず外注の問題の見直しをしたり、あるいはまたそういうところについていろいろな取り組みをされるわけであります。国の出先機関でやります外注というならば特殊法人であろう、あるいは、今回、独立行政法人化の問題がされているわけであります。  私は、基本として行政改革担当長官にお聞きしたいのは、やはり外から全部そういうものをやって、スクラップ・アンド・ビルド、こんな形をやっていかないと、本当の行革はできないだろうと思っているわけです。例えば、今中央省庁の再編をやり、そして独立行政法人をつくって、天下りがそこに全部行ったとしたら、これは行革じゃありません。単なるすりかえであります。あるいは、今の独立法人がさらに特殊法人に、そんな形でそれぞれ天下りの受け皿をつくっていったならば行革じゃないと私は思っております。  そこで、長官、特殊法人はもう役割は終わった、ですからゼロにする、ゼロベースで考えて、そして役割の終わったものを廃止する、そして民間でできるものは民間にお任せする、日本の国の将来のためにどうしても必要だというならば、独立行政法人というものが新しくできたんですから、そこで一元化をする、こんな見直しが政府にあっていいんだろうと私は思いますが、そのことについてお聞かせをいただきたい。
  100. 続訓弘

    ○続国務大臣 この議論は、田中委員のいわばずっと前からの国会における議論でございました。小渕総理に対してもこの議論をされたと私は記憶しております。そういう立場からの御質問。  確かに特殊法人は、御案内のように、最初は三十三ございました。そして、一番ピーク時には百十三と膨れ上がりました。そして、ただいまは七十八という法人数になりました。  しかし、いずれにいたしましても、三回にわたる見直しをやった結果、七十八という状況にはなりましたけれども、御案内のように、限りなく民間に近いものから、限りなく官に近い団体までいろいろございます。  そこで、負担の見直しをする必要がございますけれども、今回、例の財投会計が変わりました。したがって、今までは親方日の丸的な資金といいますか、自然に、努力をしないで所要の資金が獲得できたという状況でございましたけれども、今回の改正によりまして、今後出てくるであろう法律改正によりまして、財投会計が変わります。そうなりますと、今せっかくの御質問趣旨は、そういう意味で生かされてくるのではないのかなと。  もちろん、私ども努力をしなくちゃいけませんけれども、同時に、資金面で、そういう効率化が図れないもの、そして今御指摘の、まさにおっしゃいましたように、もう役割が終わったもの、そういうものに対しては資金が手当てできないという状況にございますので、その面からの規制があって、今御質問のような趣旨に将来はなっていくのじゃないか。  しかし、同時に、どうしても民に近いものと公に近いものがございまして、極端に、それを廃止するということは不可能だと存じます。  たまたま、新進党時代に田中慶秋議員は、このことについて、全廃という法律案をみずから用意されました。そして、必要なものは新しくつくる、そういう姿勢で臨むべきだという法案をみずから用意されたことも記憶しております。その辺のことも理解をしながら、今申し上げたような方途で整理をさせていただく、こういうことに御理解を賜りたいと存じます。
  101. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 長官、今の時代に何が要求されているか。わかりやすい政治、そして国民に納得のいく政治、もう一つはスピードなんです。  長官が今言われているような形でいきますと、実態として、スピード感が余り感じられないのです。そんなふうにしていったら、この国はおかしくなってしまうのですよ。そのぐらい岸壁におられるという、こんな認識で私は申し上げているわけです。  従来までお役所は何と言われたのでしょう。局あって省なし、省あって国なしと言われる。現在でもそのことがいろいろなところに見られるのです。  ですから、今言った特殊法人というものが、私は、本当に必要なものは残してもいいと思うのですけれども、そうでないもの、特に見直しをしなければいけない。  別に一つの例を申し上げましょう。例えば、従来まで住宅公団というのがございました。これが都市基盤整備公団に変わりました。若干の仕事内容は変わっておりますけれども職員といいますか人員はほとんど変わっておりません。こういうことを考えて、日本一のディベロッパーですよ、みずからそこで稼ぎ、そして職員を養っていくということにはまだなっていない、こんなこともございます。  あるいは、道路公団を見てください。有料道路を一万四千キロつくるという大きな目標はありますけれども、そんなことをしたら第二の国鉄、借金だらけになってしまいます。そうでしょう。そして、道路公団、有料道路については、少なくとも今までやってきた料金方式から変えてしまいました。今までは、償還が終わったところは開放して無料にしているわけです。ところが、プール計算ですから、人の余り通らない、車も通らないようなところも有料道路に。あるのですよ。それをプールにしていますから、料金は上がる一方であります。ですから、世界一高い料金になっているわけです。  まして、その原因の中には、公団の下に幾つも、関連企業がたくさんあるということ。そして、親方は赤字でありますけれども、関連企業はみんな黒字じゃないですか。  今二つの例を申し上げたのですけれども、そのツケはみんな国民に来ているわけです。こういう実態考えて、本当に長官が、今までの地方自治の経験を生かしながら、もっともっとメスを入れてほしい、こんなふうに私は思っているのです。長官考え方、決意をお聞かせいただきたいと思います。
  102. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中議員は、かねて、一生懸命その辺のところを調査をしておられます。今具体的な二つの例を挙げられましたけれども、二つだけではなくて、恐らく全部の特殊法人の内容についても検討済みだと思います。  そういう意味では、確かに、今お述べになりました住都公団、今は名前が変わりますけれども、そしてまた内容が、分譲住宅をやめにして賃貸という、そして都市改造、そういう役割分担を担うことになりますけれども、御指摘のように、いろいろな問題点を内在していると思います。同時に、道路公団だってしかりだと思います。  そういう意味では、税金の重みを知れという国民の大きな世論、それを背景に、私どもは、政策評価を積極的に、事前、途中、事後の三段階にわたって新しく政策評価をやるという仕組みを構築いたしました。  そういう意味では、今おしかりをいただきましたけれども、それらのことも考え合わせながら、これから真剣に検討させていただきたい、こんなふうに思います。
  103. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 ぜひ長官にそのことを期待したいわけであります。  私は、特殊法人すべて内容も総ざらいさせていただきました。しかし、そこで残念なことは、今の中央省庁については情報公開制度が適用されるのですけれども、特殊法人は一年おくれているのですね。ですから、その結果、まだまだオープンにされていない部分がたくさんあるわけであります。  極端なことを言って、大臣、天下りでしょう、退職金、なぜ二回も三回ももらわなければいけないのですか。現実にあるでしょう。そういうことはすぐ今からでもやめさせることができるのです。そうでしょう。  普通ならば、民間企業ならば、それぞれ系列に行くときには、大変御苦労していたわけですからある面では賃金がだんだんこう下がってくるのですけれども、上がっているというのは、普通納得いかないですよ。  こういうことも含めて、全般的に、すぐできるものからやるべきじゃないか、それが行革担当の長官ではないかな、こんなふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。
  104. 続訓弘

    ○続国務大臣 今端的な例を、天下りの問題の指摘がありました。そのことにつきまして、これは、人事制度の問題との関連がございます。  田中議員も御案内のように、いわばキャリア組といいますか、優秀な人たちは途中で実は職をなくされる、そういう問題がございます。そういう人のために、今までは特殊法人なりあるいは外郭団体等がございました。  そこで、今御指摘のような問題を解決するためには、何としても国家公務員制度を、それに見合った改定をする必要があると私は思います。  そういう意味で、今回、人事制度も省庁再編の中で見直されております。要するに、真っすぐ進む者、いわばラインとスタッフ、そういう制度になって、六十歳定年までおれるような状況になるとすれば、今の天下り問題も解決する。  いずれにしても、若くてやめざるを得ないような状況を何としても改正をして、そして天下りの必要性を断ち切らない限り、今の問題は私は解決できないと思います。そういう意味で、今回の人事制度の中で解決の方途を見出したということでございます。  いずれにいたしましても、御指摘のような点はもう重々承知しておりますので、それらも踏まえながら厳しく対応させていただきたいと存じます。
  105. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 いずれにしても、二十一世紀の日本考えたときに、スクラップ・アンド・ビルド、私は、そのことを本当に真剣にやっていかないとこの国はだめになってしまう、こういうふうに考えているわけです。  例えば、景気対策というものと行政改革というものをひとつ考えても、アメリカを見てくださいよ。アメリカは、日本と同じような形の中で、かつて三つ子の赤字、こんな形で、経済も財政も大変厳しい状態だったんです。レーガン大統領が出て、そして政策が、グローバルといいますか、もう本当に大きな政策転換をして、そして今日の繁栄を見ているわけです。要するに、景気もあるいはそういうことも含めて、大きなリーダーシップというものがやはり求められているわけでありますから、思い切った政策の転換というのが私は必要だ、こんなふうに思っております。  今日本に求められていることは、民間でできることは民間にお任せする、地方自治体でできることは、せっかく地方分権法ができたんですからそこにゆだねる、そして小さな政府を求めるのがやはり二十一世紀の活力ある日本ではないかな、こんなふうに思っておりますけれども、いかがでしょう。
  106. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中議員の御指摘、まことにもっともでございます。同感であります。
  107. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 そこで、実はお願いしたいことは、せっかく地方分権法が通ったんですね。そしてまた、今地方自治体もその分権に沿っていろいろなことをやろうとしておりますけれども、残念ながら財政は旧態依然としているわけであります。すなわち、長官も御経験のように、三割自治の発想がいまだに続いている。権限を与えても財政を与えなければ、私は、仏つくって魂入れずといういい言葉日本にあるんですけれども、そんな状態じゃないかな、こんなふうに思いますけれども、いかがでしょう。
  108. 続訓弘

    ○続国務大臣 本当にまさに御指摘のとおりであります。私も、ずっと長い間、財政一筋に地方団体で担当してまいりました。したがいまして、今御指摘のことは身をもって私自身のことのように思います。  その意味では、せっかくの地方分権推進法がことしの四月から施行されますけれども、それに一番欠けているのは何かというと、財源の配分の問題であります。今御指摘がございましたように、三割、七割、仕事は七割で財源は三割というのが今の地方自治の実態である。少なくともそれを五、五にしてほしいというのが地方団体の悲願でもありました。したがって、これから、財源の問題については、国としていろいろ考えるべきテーマだと存じます。そのためにはやはり国会が真剣に議論をしていただいて、私どもにいろいろな示唆を与えていただく、協力をして、地方自治進展のために御理解、御協力を賜りたいと存じます。
  109. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 長官、実は私は、地方自治なりあるいは民間の活力を見出すためには、今あなたがおっしゃった財政問題を、五割でも六割でもいいから必ず実現するために、あなた自身も政府の一員として、今までの経験を生かして努力をしていただきたい。  まして、私は、必要なことは、民間にゆだねる、民間活力を見出すためには規制の撤廃あるいは緩和というものが必要です。地方自治の問題も全く私は同じだと思うんです。あれはいけない、これはいけないとやっておきながら、権限だけ、あなたやりなさい、お金は出しませんよ。何ができるんですか。まさしくお金を、財源を今まだ地方自治体に、ことしも予算を見てもゆだねてない。せめてもいろいろな規制は撤廃する必要があるんじゃないか。どう思いますか。
  110. 続訓弘

    ○続国務大臣 規制緩和の問題は、まさに、今御指摘のように内閣の方針としてもう既に閣議決定しております。そしてまた、これからも、三月末をめどに、新しく三カ年計画の見直しをやろうというのが今の状況であります。  いずれにいたしましても、活力ある日本を築くためには、今お述べになりましたような規制緩和が重要であるということを認識しております。
  111. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 長官、今の実態は、閣議決定をされているにもかかわらず、いろいろな規制がふえているんですよ、はっきり申し上げて。私はそのことを残念だと思う。ですから、先ほど申し上げたように、局あって省なし、省あって国なし、この発想がいまだに続いているということを申し上げておきたいと思うし、そのことを長官しっかり認識して、今規制ふえていますよ、本当に。私今ずっと調べているんですから。  政府は、現場にあっていま少し現場のことをよく見て、規制を本当に撤廃をするぐらいの強い覚悟でやって、初めて規制の緩和、削減ができるんだろう、こんなふうに思いますから、その長官の決意を聞いて、時間でありますから私の質問を終わります。
  112. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中議員から御激励をいただきまして、大変ありがとうございました。御趣旨を踏まえて懸命の努力をさせていただきます。ありがとうございました。
  113. 田中慶秋

    田中(慶)分科員 終わります。
  114. 高橋一郎

    高橋主査 これにて田中慶秋君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、総務庁についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  115. 高橋一郎

    高橋主査 次に、警察庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  坂上富男君。
  116. 坂上富男

    坂上分科員 坂上でございます。  新潟県警の女性長期監禁事件は、私の町、三条市で起きた、まことに不幸な事件であります。悲惨、残忍、残酷で、被害者や御両親に思いをいたすと、心が痛んで言葉になりません。お見舞い申し上げ、被害者の一日も早い回復を願ってやみません。  捜査当局、捜査まことに御苦労さまです。しかし、数々の捜査上の失敗批判の声は日増しに大きく高まっていることも事実であります。正すべきは正さねばなりません。毅然たる捜査を遂げられ、とるべき責任はとられることを期待しながら、以下の質問をさせていただきたいと思います。  まず、法務省にお聞きをいたしますが、この事件の起訴は可能でございましょうか。いわゆる逮捕勾留状によりますと、多分でございますが、未成年者略取監禁致傷罪という罪名で勾留になっているんじゃないかと思いますが、このままの罪名で起訴可能であるか、いつまでに起訴できるのか、お答えいただければありがたいです。
  117. 古田佑紀

    ○古田政府参考人 お尋ねは、現に捜査をしている事件でございますので、その具体的な捜査処理につきましては、捜査結果も待ちませんと判断がつかないことでございますので、答弁を差し控えたいと思います。  しかし、事件の捜査に当たっております新潟地方検察庁におきましては、警察当局とも十分緊密な連携をとった上、捜査を尽くし、事案の真相を解明した上、法律と証拠に照らしまして厳正な処分をするものと信じております。
  118. 坂上富男

    坂上分科員 この事件は、私の町では本当にだれ一人知らない者がないと言っても過言ではありません。しかも、それは怒りを覚えながら、事件を聞いて知っておられるわけでございます。  それだけに、私は、まあまあ心配ないとは思うのでございますが、この事件が起訴できないなどという事態になりますと大変な状況だと思っておるものでございまするから、特に捜査当局、検察当局に、何としてもその責任を遂行されていただきますよう強く要請をいたしておきたいと思っておるわけでございます。  さて、先般、警察庁の任務を帯びまして検討チームが新潟に派遣をされました。いつの何時から何時まで調査をされたのか。それから、調査対象者は、どなたとどなたとどなたにされたのか。それから、ブツでございますが、これについても閲覧をなさったものかどうか御答弁をいただきたいと思います。
  119. 田中節夫

    田中政府参考人 お答えいたします。  警察庁の調査チームは、一月の二十日に新潟県警本部に参りまして、午前十時ぐらいから午後五時ぐらいまでだと思いますけれども調査をいたしました。  調査の項目につきましては、五項目ございまして、まず、被害者発見時の捜査第一課長記者会見の内容について、これが一つでございます。二つ目が、保健所職員からの出動要請への対応について。三つ目が、被疑者の母親からの相談に対する柏崎警察署の対応について。これは平成八年の問題でございます。四が、前歴者である被疑者が本件捜査対象者として浮上しなかったことについて。五つ目が、巡回連絡によって被害者が発見されなかったことについて。この五項目につきまして調査いたしました。  それから、調査対象者でございますけれども、これは、本部長以下刑事部長、生活安全部長その他柏崎警察署の担当職員に至るまででございます。その数と内容につきましては、手元に資料がございませんけれども考えられる者すべてを対象にしたというふうに報告を受けております。また、必要な書類等につきましては、これを閲覧したものというふうに思っております。  以上でございます。
  120. 坂上富男

    坂上分科員 そこで、大変今大きな問題になっておりますのが、被疑者の母親が捜査本部に対して、平成八年に柏崎署に相談に行ったということを供述しておるわけでございますが、いろいろ調査の結果、この記録が二年間分ないということでございます。  警察の中で大事な受付あるいは相談簿、場合によっては証拠書類になるような書類が見えなくなるなどというようなことは、実はちょっと私も想像できないわけでございます。これは、見えなくなったということを県警が知られたのは一体いつですか。そして、この記録というのは、一年間で厚さが大体どんなになっているのか。それから、大体どんなようなことが書かれているのか。ほかの事件との関係においてお聞かせをいただきたいと思います。
  121. 黒澤正和

    ○黒澤政府参考人 相談記録簿がなくなっておるのに気づいたのはいつかというお尋ねでございます。  二月の中旬でございますが、新聞等でも報道されたこと等もございまして、柏崎警察署におきまして、防犯相談記録簿につきましてどうなっておるか、その辺を調べるべく捜しましたところ実は見当たらないということで、なくなっておることに気がつきましたのは二月の中旬と聞いております。  それから、柏崎警察署におきまして、毎年件数は異なりますけれども、困り事相談は大体二十件前後ぐらいというふうに承知をいたしております。それにつきまして、どなたが相談に見えたか、日時、それから相談内容を、一枚紙の様式がございますけれども、そこに記入をいたしまして、それを簿冊として編綴をしておく、そして、生活安全課の中におきましては、当該年とそれから前年の二年間分について課内に保管をしておく、それ以前のものは別の書庫の方へ保管をしておく、こういう仕組みになっておるというふうに聞いております。
  122. 坂上富男

    坂上分科員 これは泥棒でも入ったのですか。どうですか。
  123. 黒澤正和

    ○黒澤政府参考人 まことに遺憾ながら現時点において発見に至っておりませんで、いろいろな角度から、いろいろな面から今捜しておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
  124. 坂上富男

    坂上分科員 これは理解できません。  法務刑事局長、これは公用文書でしょう。公用文書の相談記録が紛失する。紛失には、職員が自宅に持ち帰って、そしてどこかに置き忘れたか、あるいは何かの事情によって隠されたか、あるいは廃棄したか、そのいずれだろうと思っておるわけであります。  この相談記録が、もしも故意によって破棄されたり隠匿されたりするとするならば、明らかに、刑法二百五十八条、公用文書毀棄罪に当たります。いかがですか。法務省の方から、それから刑事局の御答弁もいただきたいと思います。
  125. 古田佑紀

    ○古田政府参考人 ある特定のケースにつきまして、それが何らかの犯罪を構成するかどうかということは、これは委員御案内のとおり、いろいろな証拠関係とかそういうものに基づいて判断しなければならないわけですので、その辺についてはちょっとお答えは御容赦願いたいところがありますが、一般論を申し上げれば、公務所の用に使われている文書を、廃棄等していい場合ではないのに故意に廃棄したとか、そういう毀棄行為をしたときは、これは公用文書毀棄罪に該当することが考えられるわけでございます。
  126. 黒澤正和

    ○黒澤政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、本日までの報告によればいまだ発見に至っておりません。当時の担当者の中にもこの簿冊を廃棄したという記憶のある者はいない状況であると聞いておりますが、一般論として申し上げますならば、故意に公務所の用に供する文書を廃棄したということでありますれば、御指摘の公用文書毀棄罪に当たるのではないかと考えておりますが、引き続き調査をしてまいりたいと考えております。
  127. 坂上富男

    坂上分科員 警察庁あるいは法務省、これはもう犯罪です。犯罪として立件すべきです。いかがですか。
  128. 黒澤正和

    ○黒澤政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、鋭意その所在を確認中でございますので、引き続き調査をいたしてまいりたいと考えておるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
  129. 古田佑紀

    ○古田政府参考人 先ほども申し上げましたように、ある特定のケースについてそれが犯罪に当たり得る可能性があるかどうかというふうなことについては、それぞれのいろいろな証拠関係等で判断しなければならないものでございますので、そういうことは捜査当局の御判断にかかわることでございますので、答弁はこれ以上は差し控えたいと思います。
  130. 坂上富男

    坂上分科員 法務省の刑事局長答弁、私は大変不満です。  これは、本来なくなってはならない文書がなくなっているんだから、だれかが隠匿しているか廃棄しているかなんですよ。だから、警察の方で立件できなかったら法務省で立件すべきだ、こう言っているんですよ。御答弁はちょっと違う答弁じゃないのでしょうか。  今警察当局はその行方を捜査しているというんですから、場合によっては、犯罪性があるということになれば立件になるんだろうと思うのでございますが、答弁としては、調査の結果事件性があり違法性があったとするならば、これは当然立件し、場合によっては起訴すべきなんです。どうですか。簡単に、要領よく。
  131. 古田佑紀

    ○古田政府参考人 一般論として申し上げれば、犯罪の嫌疑があれば立件して適切な処分をすることになると承知しております。
  132. 林則清

    ○林政府参考人 恐縮でございますが、古田刑事局長と同じでありまして、具体的な案件に即して、事実と証拠に従い、それが犯罪立件に足るようなものであれば、それは厳正に措置するということしか申し上げることができません。
  133. 坂上富男

    坂上分科員 私が申し上げたいのは二点あるんです。  これは、神奈川県警警察官不祥事発生の対応に関する予備的調査の結果、私のところに参りました文書でございますが、当該文書は既に廃棄されて現存せずとの理由で提出を受けることができなかった、したがって内容を察知することはできなかったと。  実はこれは、私は法務委員会提出要求したんです。でありますから、そのとき決断していただければ、こうやって十二月の末になってやっと調査をするなんということもない。あるいはその前に廃棄されたのかもしれません、この調査が入るために。  今回の事件も、明らかに新聞に、警察に母親が行った、警察は何らの対応をしなかった、したがって、これはどうなんだ、こういう指摘があったわけです。だから、これは知られては大変だ、警察の落ち度になるからということで、何らかの形でこの公用文書が見えなくなっているんじゃなかろうかと私は大変心配をしております。  万一これがなくなったら、とうとう出てこなかったら、だれがどういう形で責任をとるのでございましょうか。御答弁いただきたいと思います。
  134. 黒澤正和

    ○黒澤政府参考人 何とか事実関係を解明いたしまして、それに対しまして適切な対応をしてまいる、そのように考えておるところでございます。
  135. 坂上富男

    坂上分科員 厳しい言い方ですが、証拠隠滅がはかられているとするならば、これは大変なことでございます。  警察当局、厳正な捜査を求めるのはそういうところでございますので、ぜひひとつ国民が納得できるだけの調査、捜査をしていただきますこともお願いをいたしたいと思います。  さて、今度は前歴のある被疑者が捜査対象として浮上しなかったことについてでありますが、これは事実のようでございます。コンピューターに入力になっていないのも事実のようでございます。これは法務委員会刑事局長さんがおっしゃいましたとおり、柏崎から上がらなかったんじゃなかろうかと私は思っておりますがというような趣旨答弁がありましたが、それに沿うような調査報告のようでございます。  そこで、今度はこれに関連をいたしますが、本来この前歴カードを報告すべきその前後の時期に、柏崎警察から県警の方に、犯罪手口カードといいますか、そういうものは行ったのでございましょうか。これはどうでございますか。検討チームも検討されたのでございましょうか。これは私は極めて大事なことだと思うんです。これだけ抜けておって、ほかのものは全部入力されていたとするならば、なぜかという問題を検討しなけりゃなりませんが、いかがでございますか。
  136. 林則清

    ○林政府参考人 ただいま議員おっしゃいましたように、前回、本件犯行から約一年半前に年少者に対する強制わいせつで逮捕されたことのある被疑者の手口資料がコンピューターに登録されていなかったのは事実であって、その原因としては、どうも警察署から本部に資料が送付されなかったのではなかろうかというような趣旨をお答えしたところであります。  その後、調査をいたしまして、現段階では、手口資料を作成すべき当時の取り調べ官が手口資料を作成していなかったという可能性が高いということが判明しておりまして、さらに精査中でございます。
  137. 坂上富男

    坂上分科員 前後のものはどうでしょうか、入力してあるんでしょうか。ほかの入力すべきもの、これは調べてありますか。この事件の前後のもので入力すべきものはどうなっていたでしょうか。
  138. 林則清

    ○林政府参考人 それは入力されております。
  139. 坂上富男

    坂上分科員 そうしますと、本当にこれだけ抜けたんですね。今刑事局長おっしゃいましたとおり、この事件の前で入力すべきものは入力してある、この後の入力してあるべきものも入力してある。これだけ何でこんなことになったのでございましょうか。全く不可解というほかありません。  本当にこれもまた徹底的な追及をしていただきたいと私は思います。これは手落ちでございまして、犯罪の成立にはならぬとは思いますが、しかし、この入力が今回の悲劇を引き起こしたんだと私は実は思っておるわけでございますから、本当に綿密な調査をお願いいたしたいと思っております。  さて、その次でございますが、こういうことも言われております。犯罪が発生した当時の被害者の御両親の調書が紛失しておるとの報道があるのであります。この調書は検察庁に送検されておりますか。どうです。一件記録は送られておりますか。法務省として受け取っているかどうか。
  140. 古田佑紀

    ○古田政府参考人 個別の事件につきまして、具体的にどういう証拠、捜査書類等が警察から送致されているかについては、答弁を御容赦いただきたいと存じます。  ただし、一般的に申し上げますと、警察当局において捜査上必要と認めて作成された書類は、これは検察庁に送致されるものと承知しております。
  141. 林則清

    ○林政府参考人 今の古田局長の前提の方になるのでございますけれども、新潟県警の報告によりますと、本件の被害者が所在不明になられた当時、御両親を初め大変多くの方から事情をお聞きしたわけでございますけれども、当時は必ずしも事件だというふうに認定しておったわけではありません。そういう状況でありましたものですから、調書という形のものは作成していない、そして、報告書という形で結果を記録したということでありました。  特に御両親につきましては、行方不明になられた方について一番よく知っておられる方でありますので、詳細に事情をお聞きし、報告書ということにして、これは保管されておるということでございます。したがいまして、報道にある調書の消失というようなことはないものと承知しております。したがいまして、また当然に、いわゆる送致ということにはなっていないわけでございます。
  142. 坂上富男

    坂上分科員 大変微妙な答弁でございます。報道によりますと、両親の調書はどこかに姿を隠したと言われておるわけでございます。そして、そんなことありませんというのが県警の幹部の皆様方の発表でございます。今刑事局長さんから聞いてみましたら、大変精密な御答弁がありました。それはそれで了といたします。  あのとき犯罪が成立したかどうかということはまだはっきりわからなかったものだから供述調書としてはとらなかった、しかし、その事情を聞いて報告書としてまとめておいて捜査本部に置いてあります、こういうような意味のようでございますが、これでいいですね。  そうしますと、もし調書があったとするならば、やはりこれは隠されたというわけであります。絶対調書をとっていないということになれば御答弁が正しいと思いますが、これらもひとつ検討チームで、これからもっと検討するんだろうと思うんですが、調査の必要があるんじゃなかろうか、私はこう思っておりますが、いかがでしょうか。
  143. 田中節夫

    田中政府参考人 今回参りました調査チームは、当然にまだまだ詳細に調査するべき事項もございますので、今御指摘いただきましたようなことも含めまして、これは今後とも引き続き調査する方向で検討してまいりたいと存じます。
  144. 坂上富男

    坂上分科員 長官、第二回の検討チームの調査はいつごろになるのでございましょうか。それから、私の質問書に対する答弁書は三月十四日の閣議で確定をして御答弁いただくことになっておるわけでございますが、これとの関連からいって、今私が指摘したような問題につきましては、警察庁当局とされましては、どんな日時をもって第二回といいましょうか、調査がなされるのでございましょうか。もしわかりましたら、御答弁いただきたいと思います。
  145. 田中節夫

    田中政府参考人 今後の調査の方法でございますけれども、それはいろいろな調査の方法がございます。関係者を警察庁に招致してやるやり方あるいは文書等で報告を求めるやり方、いろいろございますけれども、現段階で、どの時期に調査チームを派遣するということはまだ決定しておりません。
  146. 坂上富男

    坂上分科員 さて、ちょっと質問を急ぎます。  現職警官が疑われた、その疑われた理由は、少女にいかがわしい行為をしたのである、こういうようなことでございます。そして、刑事局長からは、現職警察官のメモは存在する、こういう御答弁がありました。あるいは存在するはずであるという御答弁になるのかわかりませんが、まず、なぜ立件をしなかったのか、それから、メモは存在するのかどうか、このメモは送検されているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
  147. 林則清

    ○林政府参考人 女性に対して警察官としてふさわしからざる行為があったということでお答えしました件につきましては、当時、新潟県警察の監察部門において調査をしておるわけでありますけれども、相手方の方に被害という意識あるいは被害申告という意識がないなど、事件として立件するようなものではなかったという報告を受けております。  それから、二月十八日に御答弁いたしました趣旨は、メモ程度のものは作成したんじゃなかろうか、作成したものと思うという旨を述べたものでありまして、警察庁としてメモの存在を確認したものではございません。先生に誤解を与え、まことに申しわけないというふうにここでおわびを申し上げたいと思います。  新潟県警察の報告では、この警察官は本件の逮捕監禁事件とはかかわりがないということが直ちに判明したものであって、それに関して関連書類等は特に作成はしていなかったということでございました。
  148. 坂上富男

    坂上分科員 結構です。大変積極的に御答弁を受けとめておりますから。メモでございますから、まだ証拠書類というわけにはいかぬわけでございますから、これはもう当然メモとしてつくられなければならぬというものであることは私も理解しておりますから、それはそれで了といたします。  さてそこで、公安委員長からもお出かけをいただいておるわけでございます。県警本部長以下の責任処分はいつ結論を出すか、どのようになるかお答えをいただきたいと思います。  それから、これは私の要望です。警察庁長官と国家公安委員長は、被害者と御両親に対してどのような責任を感じておられるか。三条署長さんが御両親におわびに行きましたが、御両親は会わなかったと聞いております。国家公安委員長及び田中警察庁長官ができるならば直接お会いをしておわびしていただければ、私たち三条市民も非常に心和らぐのじゃなかろうかと思っております。  もしもそれがいろいろな事情でできないというのならば、お見舞状またはわび状を出すのも一法ではないかと思っておりますが、こういうような点については、国家公安委員長長官はどのようにお考えになっておるか。それから、少なくともやはり新潟県警本部長は直接おわびに赴くべきだと私は思っておりますが、この辺についての御意見を賜りたいと思います。
  149. 高橋一郎

    高橋主査 御両所、もう時間が来ておりますから、簡潔にお願いします。  国家公安委員長
  150. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 これは御答弁申し上げれば非常に長いお話になりますけれども、まず処分の問題でありますが、私も、国家公安委員長としても、この報告書そのものにはまだ満足しない点がございます。したがいまして、もう少し詳細に、できるだけ早く調査をしてもらって、その事実の上に立脚して、違法性があれば厳しい措置をとらなければならない、こう思っております。  同時にまた、今の被害者の御両親あるいは御本人が、この事件はある意味では殺人よりもひどい事件だなというふうに私は感じておりまして、どういう御心境でいらっしゃるだろうと、私も孫や娘がおりますから、本当に親としてとても耐えられないような気持ちになります。  そういう気持ちをどういう形であらわしたらいいんだろうか。先生からもいろいろお話もございました。よく考えてみなきゃいけないと思いますけれども、私は第一義に考えたいのは、やはり今はそっとしてさしあげるのが一番いいのかなと。例えば、国家公安委員長から手紙が行ったというとそれがまたニュースになりまして、どうだ、どういう手紙だとかそういうふうになることが私は心配でございます。したがって、この被害に遭われた方さらにまた御両親に私はここで本当に心からのお見舞いを申し上げたい。そういう気持ちを今ここで申し上げさせていただいて、今後の措置については、今申し上げましたことを含めて、しばらくの間はそっとしていきたいという気持ちを持っております。
  151. 田中節夫

    田中政府参考人 今回の事件につきましては、余りにも痛ましく言葉もございません。国民生命身体の保護を任ずる警察といたしましては、まことに残念に思っておりますし、重大なことであると受けとめております。被害者や御両親に対しまして、心からお見舞い申し上げたいと存じます。  また、私のこのお見舞いする心の伝え方につきましては、先生からもお話がございましたが、また御両親の御意向、御心情等も考えながら対応してまいりたい、かように考えておるところでございます。  また、新潟県警察におきましては、被害者や御両親に対しまして、現在できる限りのことを行っているものと承知しておりますけれども、これも御家族の御意向を踏まえながら、御心情を察しながら、今後とも誠意を持って真摯な対応がなされていくものと考えておりますし、そのように指導してまいりたいと思います。
  152. 高橋一郎

    高橋主査 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。  次に、辻元清美君。
  153. 辻元清美

    辻元分科員 社会民主党、社民党の辻元清美です。  私も、引き続きまして、このさまざまな警察によります不祥事問題について議論をさせていただきたいと思います。  二日前の予算委員会でも、国家公安委員長とこの点について議論をさせていただいておりますけれども、あの日も私は、朝、朝刊を見まして、北海道の前署長の自殺の問題、けさこういう事件がまた起こったということをお示ししたと思うのです。  私は、きのう、きょうの質問のためにいろいろ係の方が見えた折に、もう打ちどめですかと聞いたのですね、こういうのが毎日新聞に出るやないかと。質問を準備していても、翌朝の新聞記事見たらまた新しい質問をしなければいけないというような状況で、そろそろ打ちどめにしたいとおっしゃっていたんですが、けさ新聞記事を見ますと、今度は警察庁警部が電車で痴漢という記事がまた出ております。これは、警察庁刑事局刑事企画課、野中警部四十一歳が、二十四日の夜、昨日ですね、電車内で痴漢行為をしたとして、暴力的不良行為防止条例違反の現行犯で埼玉県朝霞署に逮捕されたというのが、またきょう記事として出ているわけですね。  神奈川県警の問題から始まりまして、警察関係の問題が国会でも取り上げられ、これだけ不祥事が続いている中で、緊張感が足りないということでは済まされない問題が連日起こっています。この現状、おととい、そしてきょうまたこういうような状況が現状として起こっている。  私は、やはりここで、先ほど新潟県の被害者の方々へのお見舞いというお言葉を伺ったわけですが、御自身の責任、やはり最高責任者でいらっしゃいますので、こういう事態についてどのようにお感じになっているのか、まずお伺いしたいと思います。
  154. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 私は、十月五日に就任をいたしまして以来、いろいろな事件が起こりましたが、とりわけ神奈川の事件が非常に大きくて、これは神奈川県警ぐるみの問題で、昨日初めて第一回公判が開かれたわけでありますけれども、その不始末といいますか、一生懸命それの対策も講じなければいけない、警察法改正もしなければいけないということでいろいろ協議をいたしました。  私は、二回だったと思いますが、県警本部長が大きな会議をやっておりますところに、公安委員の先生方と御一緒に出まして、かなり厳しいお話を申し上げたことを覚えております。  警察は、やはり国民の信頼を得なければならないし、何といっても国家の秩序維持という大変大切な役割を持っているんだから、みんな緊張感を持ってやってほしいというような意味のことをたしか申し上げたように思います。  そういうことをやって、いろいろな手を打っていて、いろいろな事件が次々に起こってくる。委員御指摘のような問題もあります。私も、毎日毎日、毎朝新聞を見るのがちょっと嫌なぐらいいろいろなものが連発をいたします。  果たして、私どもが規律の厳正ということでいろいろ言っていることが、本当に一人一人に心の底から伝わっているのかどうかということについては、私も疑念を抱かざるを得ない。これがきちんと伝わるようにするにはどうしたらいいか、これは私も悩むところであります。警察官といえども人間でありますから、そういういろいろなことがあるのかもしれませんけれども、そういうことでは許されない、私はそういう気持ちを持っておるわけであります。  もう一つ言わせていただければ、就任のときに、いろいろな歓迎のパーティーとかそういうのがありました。私は水を持って乾杯をいたしました。私は酒は飲みません。この職にある限り酒は飲みません。過度の飲酒というのは服務規程の中でもとめられております。昨日の、先ほど御指摘の事件なんかはやはり酒の上でのことであります。昔は酒の上ということで許された風潮がありますけれども、今はそれが許されるのかどうか。とりわけ、秩序を維持する警察官にこのことは絶対許されない、私はそんな気持ちでおります。  これからも心を引き締めて、警察庁を督励しながら、全国の警察官の規律の維持に私は努めてまいりたいと思っております。
  155. 辻元清美

    辻元分科員 昔から、酒の上と言って許されないことだと私は思います。昔は許されたけれども今は許されないというものではなくて、痴漢行為というのはもとから許されないものだ、お酒を飲もうが飲むまいが許されないことだと私は思っております。  さて、そういう中で、先ほどの御答弁の中で、新潟の事件の件に触れられまして、報告書が出たと。報告があった。しかし、その中でまだ満足しない点があるというようにおっしゃいましたが、どういう点が満足されない点か、具体的にお答えいただけますか。
  156. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 今、にわかに思いつきませんけれども、先ほど坂上委員から御指摘がございました、なぜファイルがなくなったか、これはファイルがないというふうに書いてあるわけですね、報告では。それだけではやはり不足であります。なぜなくなったのか、どういう状態になったのか、それがどういうことが書いてあったのかというようなことを、やはり徹底的に、もう少し警察庁としても勉強してもらわなきゃならぬ、あるいは捜し出してもらうということが最終的には大事なことですけれども、それを私としては望みたいと思います。
  157. 辻元清美

    辻元分科員 その点は徹底的に調査していただきたいのですが、そうなってきますと、組織ぐるみの今回の事件であるという可能性が出てきますね。それはいかがですか、その点については。
  158. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 組織ぐるみであるかどうかというのは、私もこの調査が進んでみませんとわかりませんけれども、そういう観点もあり得るかなという感想です。  ただしかし、それはあくまでも、現場の方々の名誉のために申し上げなきゃいかぬが、あらかじめこれは組織ぐるみだということを決めつけて捜査をするというのではなくて、真実は何かということをやはり探し出していただくというのが調査目的だろうと思います。
  159. 辻元清美

    辻元分科員 それでは、先日も新潟の事件と同時に取り上げさせていただきましたが、北海道の前署長が自殺をした問題です。  これについて、これは当事者が死んでしまったということで済まされる問題ではないと思うんですが、これは実務方に答えていただくことになるかと思いますけれども、この後、この北海道の静内署の五十嵐前署長の問題についてはどのように取り扱うことになっているんでしょうか。
  160. 石川重明

    ○石川政府参考人 お答えいたします。  当時、北海道警察におきましては、この元署長の行為というものを重く受けとめまして、刑罰法令に該当する場合には事件処理を厳正に行うという方針、それから、懲戒処分についても検討するということで、事実関係の解明に努めておったわけでございます。  御指摘のように、自殺をされたということでございますが、現在のところ、この被害者の女性会社員に告訴の意思はないというふうに道警の方から聞いております。  ただ、北海道警察といたしましては、事件処理を厳正に行うために、近く被疑者死亡のままこの事件を札幌地方検察庁に送致するというような方針で今仕事をしている、こういうふうに聞いております。
  161. 辻元清美

    辻元分科員 被疑者が死亡したといえども、これは、何が原因でこのような事態を招いているのかというところを徹底的に追及していただきたいと思うんですね。  さて、先ほど、きのうの夜に起こりました、また、わいせつ行為をした警察署の容疑者の話もしましたけれども、今現状ではどうなっているかということをどこまで把握されているのかということを幾つか質問させていただきたいと思うんです。  実は、新潟県の女性監禁事件、これの渦中ですが、偶然というか、びっくりしたんですけれども、十日前に私の知人の娘、九歳の子が、学校帰りに不審な男性に性的暴行を受けたというような事件が発生しました。私は母親をよく存じ上げておりまして、父親も存じ上げているんですけれども、大阪で起こった事件なんです。二月の十五日に起こっています。夕方でした。  それで、これを近くの警察、私は今高槻市というところに住んでいるんですけれども、そこの警察に届け出た。ところが、説明しても、現場に――これは母親が書いた手記みたいなものがあるんですが、そのときの記録を残しておこうということで。「現場を見にゆく気配もなく、他の部署へ連絡する様子もなく、校長と母親がすぐに現場あたりをパトロールしてくれるよう頼むが上からの指示がなければ動けないと言い、それよりも被害届を出すには医師の診断書が必要であるとか、事情聴取は高槻警察で行って欲しいと言う。」こういうような対応であったと。それで、その後また四時間にわたって、数回立ちかわる警察署員の方に次から次に同じ話を一からしなければいけない。  そしてさらに、このお母さんが、どんな小さなことでもよいから、誤報でもいいから何かあったら通報してくださいというふうに言って、最後この日は終わっているわけなんですけれども、その事件が起こった後、夕方から深夜まで、一体警察は何をしてくれたのだろうと。次の日にパトロールに来てくれるかと思って母親はずっと待っていたわけですね。ところが、警察からはだれも来なかった。まあ、別のところでされたのかもしれませんけれども、母親は、何の連絡もないし、校長先生の方にも何も連絡がないと。  それで、その学校が父兄に対して出した通達があるんです。「町内回覧のお知らせと子ども被害の防止について」という通達をされた。ところが、この十五日の三日後の二月十八日に、隣の学区で、また同じような、さらに大きな被害が出ています。「本日、市内において、遅れて登校しようとした児童が、白いワンボックスカーに引きずり込まれる事件が発生した。」ということで、これも、この学校の校長先生から保護者の方への注意喚起の文章です。  そしてさらに、この一週間後に、この御両親、それからその学校のPTAの人たちが、町内を注意していようということで、ある不審な人を発見といいますか、不審だなと思うような行動をする人がいたということで、また警察署へ行ったんですね。ところが、前聞いた人はだれかと。四回にわたって説明していた警察官が、自分からは名前も名乗っていないわけですね。名刺も渡していない。被害者は混乱していますから、どなたに話しているかわからないわけですよ。  そして、一週間たって、またこういう事件が起こっていますからと言ったら、前はどなたにお話しされましたかと。いや、でも記録があるはずでしょう、被害者の子供の名前を見ていただいたらわかるはずですと言っても、今刑事班の者はいませんとか、生活安全課の部屋で事情聴取を受けたと告げると、署員の方が来て、また最初から話してくれというような対応なんですね。  それで、私はびっくりしてしまったんです。この国会で、委員長も、規律を正すようにと答弁されているその時期にまたこういう事件が、私も、自分の身近なところで起こりましたので驚きました。先ほど、現場に伝わっていないんじゃないかというような危惧もあるというような率直な心情をおっしゃいましたけれども、私は、伝わっていないと思いますよ、これは。  さてそこで、具体的にどういうふうに改善すればいいだろう。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
  162. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 私も、現場の規律というのについては、就任以来、大変深い関心がございまして、それで、国家公安委員会としてホームページを開設したことは御存じだと思います。  ホームページには既にもういろいろ御意見が寄せられておりまして、今委員が御指摘のような、いろいろ交通事故に関するものとかありますけれども、警察の対応ぶりについて、極めて率直な意見がたくさん寄せられております。そうしたものに対して、一々私ども、実は大変多いものですから、私、予算委員会の準備とかありまして全部読み切れないんですけれども、あした、土日ですから、それを少し読んでみようと思っているんですが、ちらちらと読んでみましても、斜め読みいたしましても、庶民が警察に抱いている感情というのがよくわかる。それを国家公安委員会が集めて、それで警察の対応を、この件はどうだ、この件はどうだというようなことをやることによって、少しずつでも改善の方向へ持っていかなきゃならない。  一遍に全部やろうと思ってもなかなかこれは難しいのは御想像がつくと思いますけれども、少しでも改善をするような方向に向かってホームページは活用してまいりたいと私は思っています。
  163. 辻元清美

    辻元分科員 今私が挙げさせていただきました身近で起こりました事例は、私は、新潟県の事件に重なるんですね。最初に発見した保健所の人たちが警察署に電話したときに、「住所、氏名を聞いてくれ。そんなことまで押しつけないでくれ。家出人であれば警察で保護する」、こういう共通する体質があると思うんです。  それと、改善策としては、ホームページでもちろん意見を寄せていただくというのも一つですけれども、警察官は全員名刺をお持ちになって、対応したら相手に名刺を渡す。これは、名刺を渡すと悪用される可能性があるとかさまざまな問題があるかもしれません。そうしましたら、まず、被害者に対しては名前を名乗るとか、名札をはっきりわかるようにつけるとか、何かやはり、警察官個人の体質として、自分が責任を持って当たらなきゃいけないということを自覚できる、そのような具体策を施していかないと、やはり、先ほどおっしゃった、人間ですからというので、ついたらい回しにしてしまったり、何だかちょっとややこしそうな事件だと、責任を持って対応するよりもほかに回していこうというような気持ちが、人間ですから、働く場合もありますが、それがあってはならないですね、警察という、権限もあり権力もあるわけですから。  ですから、そういう具体的なことはお考えなんでしょうか。まず、名前をはっきり名乗り、自分はどこどこ署のどうで、いつあなたに御連絡しますとか、わからなくてもあなたに御連絡します、現場のそういう細かい対応まで私は指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  164. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 私は、政治家になる前にはサラリーマンをずっとやっておりまして、本当に一庶民でおりましたから、その気持ちを忘れないように、ちょっと答弁趣旨が違うかもしれませんけれども、政治家になりましてからも電車で通っておりました。そういうのは、やはり庶民の気持ちを政治家は知るべきだという気持ちで続けていたというのが心の底にはあります。  私、政治家になる前、警察とはいろいろな交通事故とかそういうことで対応したことがあります。いろいろ感ずることがありますね。警察に行くと、いろいろなことを根掘り葉掘り聞かれて面倒くさいです。だから、こんな小さいことはもう警察には言うまい、かえって面倒くさいやという気持ちは起こるだろうと思うんです。警察がそういう、いわば国民の心情をどうとらえて仕事をしていくかというのは、私は心がけということが一つ大事なことだと思います。  もう一つは、これは役所の仕事のやり方全般と関係があるような気がしてしようがないんですね。面倒くさいと言われても、先ほどのお話ではないが、やはりきちんと報告書を書くために何か字にして残しておかないと自分の責任が全うできないというような役所の心理があるんです。  それで、いわゆるお店の方とかそういうサービスをしていらっしゃる方とは、やはりそこら辺で少し何か限界のようなものを感じているんですけれども、その限界をどう克服していくかというのは、私どもが警察庁の皆さんと一緒に考えていかなければならない。本当に市民のための警察ということであれば、そのポイントを十分考えていかなければならない、私はそう思っておりまして、いろいろ警察庁と今後とも相談をしてまいりたいと思っております。
  165. 辻元清美

    辻元分科員 非常に率直な御答弁をいただいていますけれども、まだ生ぬるいと私は思うんですよ。やはり、かなりのペナルティーを科すとか、それから先ほどの名前をまず名乗るという、自分に責任がある、これを本当にお一人お一人に至るまで徹底していただくとかそういうことをしていかないと。  いかがでしょうか。それはもう決まっているんでしょうか。それを怠慢して、例えば名乗っていない。この新潟県の事件も、数回このおうちに行っていますね。この警察官がだれであるのかということを、おうちのお母さんもだれが来られたのかもわからず、ただ警察の人が対応していたのか。名乗っていたのだったら、この警察官についてはどうするのかというように、やはり名前を名乗るということは非常に大事だと思いますけれども、それは今警察の中でどうなっているんですか。
  166. 石川重明

    ○石川政府参考人 私の経験でお話をいたしますと、困り事で御相談に見えるとかあるいは事件についてお話しに警察に見えるといったときに、それを担当する者は基本的に、例えば刑事課の何々ですということで対応しているのが普通だろうと思います。それから、例えば地域の警察官がそれぞれ御家庭に御訪問する巡回連絡というのがありますが、そういうときも、この地区の担当の何々ですと言って普通は顔のある地域警察活動をして、住民との密接な関係を保つという観点からは、それが普通のあり方だろうと思います。  また、もしそういうことがないとするならば、いろいろな住民のニーズというものが警察活動に反映してこないということでありますから、その点については、議員の御指摘も含めまして、どうしたやり方をしたらいいかということについてはもう少し考えさせていただきたいというふうに思います。
  167. 辻元清美

    辻元分科員 そうしますと、引き続きちょっとお伺いしたいんですが、この新潟の事件の場合、佐藤容疑者宅を計三回訪問している。これはだれが訪問したかということはわかっているわけですね。その人にも今調査しているわけですね。しているんですね。
  168. 石川重明

    ○石川政府参考人 被疑者宅の家人の方が認識されておるかどうか、私は事実関係を存じませんけれども、私どもとして、この三回行った者がだれであったかというのは時期との関係で把握をしております。
  169. 辻元清美

    辻元分科員 そうしましたら、やはり被害者もしくは対応している市民もそれがはっきりとわかるような形で認識できるように改めていただくというか、今徹底されていないということですよね。名乗るようにしておりますとここでは御答弁しているわけですが、結局、現場ではされていないという事例があちこちで出てきているわけですから。  そして、さらにちょっと一点お伺いしたいんですが、神奈川県では、この不祥事の後、県警の苦情や不祥事情報などを受け付ける専用電話の担当職員を増員したというようなことが紹介されています。私はやはり専用回線のようなものを、いろいろなことについての専用回線を、県警だけではなくて、市であったり、非常に地域と近いところでもこの際しっかり設けて、全国を網羅していくような、そういうことは今どの辺まで進んでいるのか、そして今後やられるおつもりはあるのかどうか、いかがでしょうか。
  170. 石川重明

    ○石川政府参考人 警察には、一つには一一〇番というのがございます。  ただ、一一〇番というのは事件、事故で急速に対応を要するような事案に必要なものなのでございますが、実は、委員御指摘のように、いろいろな相談とかお尋ねが警察にございます。そういうものについては、専用の、例えば「♯九一一〇」といったような回線と申しますか電話番号をそれぞれの県警が設置しておりまして、そこへいろいろな御相談をいただく、そしてそれに対して対応する専従の者がおる、こういうようなことでございます。  そのほかにも、例えば女性被害があったときの、一一〇番というのはちょっと比喩的な言い方でございますが、どこに電話をしたらいいかとか、そういうような個別の警察の業務に関連するような通報、それについての専用の電話の番号といったようなものはそれぞれの県警が工夫をして設けておるというところでございます。
  171. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 委員は、近くでございますから、警視庁においでになったことはございましょうか、よくわかりませんけれども。警視庁の中に一一〇番の受付の、ちょうどこのくらいの部屋にたくさん人がいらっしゃって、一一〇番でかかってくる電話を受けている方がいらっしゃいます。そういう人の話を私聞いてみましたら、相当なパーセンテージが、例えば酔っぱらいからの電話とかからかい電話とか、そういうのが多いんです。それに対応している警察官の苦労というのは大変なものなんですね。  そういうのを私は見聞きしまして、警察の仕事というのはなかなか厄介だな、ただ親切にということもありますけれども、絡まれてくるようなこともありますから、そういったことも考えてあげる必要はあるだろうと私は思いますが、基本的には、親切に対応をしてあげるという精神は崩してはならぬと思います。
  172. 辻元清美

    辻元分科員 いえ、今の御答弁は当たり前の話だと思います。そういう仕事だと思うんです。それを乗り越えてどうしていくかという議論で、しかし、酔っぱらいのいたずら電話があるからとか、それは余りおっしゃらない方がいいと私は思います、この期に及んで。  そういうことはもうわかっていますよ。どこでもそうです。国会だってそれぞれの議員が対応できないような電話がたくさんかかってきますし。そういう現状はあるけれども、今起こっていることはもうそれを超えてしまっている、警察の不祥事というのは。そこをどう信頼を回復していくかというところを考えていただかなければならないと思うんです。  予算委員会の中で委員長が、警察官はやはり犯罪と接触するという非常に微妙な仕事でありまして、犯罪者に近づくとそちらの方の、朱に交わればという話がありますけれども、そういったことで、非常に厳しい環境があるだろうと思います、その中でも朱に交わってなお赤くならないように努めるというのは、よほど精神力の強い人じゃないとできぬという御発言をされているんですけれども、私は、この御認識にちょっと賛同しかねるんですね。人間、朱に交わると赤くなるところを何とかならないようにしてやっていますなんということではないと思います。  むしろ警察官であるならば、これだけの不祥事を起こしていて、まだ、きのうもおとといもこれだけ事件が続いてきている、これだけ問題視されていても続いてきているというのは、もうほとんど朱に交わっていると言わざるを得ない状況ですよ、今。  そういう国民感情、いかがお考えでしょうか。
  173. 高橋一郎

    高橋主査 辻元君、もう時間が間もなく来ますので。  国家公安委員長
  174. 保利耕輔

    ○保利国務大臣 先ほど、新聞を見るのも嫌だというふうに申し上げたんですが、私自身は、性格もおとなしいんですけれども、本当につらい思いをしております、毎日。こんなことでいいんだろうか、僕の責任がきちんと果たされているんだろうかということは、毎日反省をしながらやっておりますので、そのことはぜひ御理解をいただきたいと思うんです。何も、知らぬ顔しているわけじゃありません。これは、私は責任が大変重いですから、そういう気持ちをきちんと持ちながら、今後とも警察庁を督励して、日本の治安の維持のために頑張っていきたいと思っています。
  175. 辻元清美

    辻元分科員 時間が参りましたので、これで終わります。
  176. 高橋一郎

    高橋主査 これにて辻元清美君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る二十八日午前十時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十一分散会