○古賀(一)
委員 私は英語だけに実はこだわっているわけではありませんで、英語の教育を
一つの典型として、文部行政のあり方というのは根本的に
考え直すべきだと思います。
私はこの前地元のいろいろな人と話してびっくりしたんですけれども、ホームステイを、一生懸命
子供たちの交流をやっている町がございまして、私の後援会の人もそのリーダーでおるんですが、最近、オーストラリアとかホームステイをやり合っている相手方が、
日本人の
子供たちは来て困ると言うんです。なぜかというと、単に英語ができないだけじゃないんです。まず、話題がない。話題がないんです。行儀が悪い。本当にこれは、単に英語ができないという問題ではなくて、
日本人の子供の教育そのものだと思うんです。これが私は問われていると思います。
それで、別に英語のボキャブラリーが少ないだけじゃないのです。これはよく言われることでありますけれども、まあ総理みずからボキャ貧とおっしゃるから、私はそういう面では大変教育上悪いと思うのでありますが、
日本語のボキャブラリーも大変今の
子供たちは乏しゅうございます。そこまで踏み込んで私は
考えるべきだと思う。
公民館の皆さんに
子供たちの英語の勉強を、英会話の勉強を、金をやるからひとつ
考えてくれというのは、私は言語道断だと思いますよ。まさに問われておるのは、
日本の小中高における、あるいは大学における語学の勉強というものは何を意味するのか、どういう意義づけをしたら
子供たちが元気になるのか、楽しくやるのかという、その本質から説き起こさずして、学校がだめなら今度は公民館に頼もうという発想そのものが、私は
日本の教育をおかしくしていると思う。
私は、きょうは、自慢するわけじゃないんですが、ここの
予算委員会に二人証人がおられますから、あえて恥ずかしながらで申し上げますが、去年、私は地方行政
委員会で外国に行きました。私は英語が下手なんです、本当に。何でこんなに下手だろうと思うぐらい下手。しかしながら、去年地方行政
委員会でフランスに行ったときに、私は二十年ぶりにパリに行った。私は大学
時代に、本当に九州の男ですから英語じゃ東京の高校生にはかなわぬと思いまして、フランス語はちょっとやってみようということでNHKのラジオ講座を毎日聞いたんですね。(発言する者あり)ごめんね。優秀な人もいますから。私はそう思ったんです。
それで、あのオープンリールのガチャガチャ音がするテープで本当にまじめに聞いて、私は自慢じゃないですけれども、法学部でありましたけれどもフランス語は十二個全部優でありました。そして、二十年ぶりに行っても、フランス語は通じるんです。そして、
日本に帰ってきて新聞を見たら、朝日新聞でありましたけれども、文部省、外国語教育を補うために、要するに英語塾に補助金と書いてあったから、私は本当に何事だ、こう思ったんですね。
まさに私は、ここで論争してもしようがないですけれども、文法半分、会話半分と。そして、赤ん坊でも、動物の本能、人間の本能として会話をしたいという本能はもう宿っているわけですよ。あとは楽しく覚えるという、コミュニケーションのやり方をちょっと
考えれば簡単にこれはできるんです。私は、ぜひ、北朝鮮と並んでびりとか
アジアでびりから四番目とか、こういうことをこんな補助金でごまかすということじゃなくて、人間の
子供たち、そこに根差した本当の意味での教育改革というものを真剣に
考えないととんでもないことになると思います。
この戦後教育が正しかったかどうかという問題はありますけれども、
世界第二の経済大国で、これだけ知的レベルが高いと言われている
日本で、恐らくこの中で英語がべらべらと思われるのは、私は宮澤
大蔵大臣だけだと思うのですよね。いや、本当にそうだと思います。
もう一点申し上げますと、ちょっと長くなりましたけれども、私は英語が下手で、外務省に出向させられたことがあるのですね、二十五歳のころ。あのとき、国連の
会議に行きますと、私は汗水垂らしていましたけれども、
タイと韓国と
日本の各省庁から来た人たちは、英語はすこぶる下手でした。それは被占領国じゃなかったからということもあったでしょう。もちろん、インド、フィリピンはうまい。
日本と韓国と
タイの人は、外交官を除けば大変下手だったのです。ところが今や、ビジネスマンも政治家も、もうほとんどの人たち、あるいは
一般市民の人たちも、はるかに
日本人をしのぐ英会話能力を持っているのですね。
日本だけなんです。
これは文部省の方で、
審議会も結構ですが、私はむしろ
審議会行政に頼ることなく、文部省の若手官僚に留学した人もいる、英語がうまい人もいるわけですよ。どうしたらいいかというのをまさに省内で徹底した真剣な論議というものをやらずして、こんな補助金でごまかすようなことはやめていただきたい。それは我々にとってもこれからの
子供たちにとっても大変な不幸だと私は思います。これをぜひ厳しく
指摘しておきたいと思います。
これは嫌みったらしく言うわけじゃないのですが、私は最近疑い深くなっておりまして、補助金をつけるといったら、あっ、将来そこに天下り先を見つけるつもりだな、こういうふうに私はすぐ思うのです。まあ公民館に天下ることはないでしょうけれども。
将来、例えば駅前語学の何とかとか、そういう塾に拡大するということはゆめゆめ私はないのだと思うのですが、そこら辺はちょっと歯どめをかけるわけじゃないのですが、公民館がだめだったから今度は塾に補助金を出そうなんていう話にはまさかならないと思いますが、その点、
大臣の言明をお願いしたいと思います。