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大森委員 三百六十時間を基準にして厳しく対処していくということをおっしゃいましたので、ぜひそのようにしていただきたいと
思います。
これは日産のJMIU支部が計算をしているわけですが、こういう残業や休日出勤、これをやめれば工場閉鎖と人員削減は必要ない。残業、休日出勤の総労働時間を年間の所定労働時間で割れば、大体三千百五十三人新しい労働者が必要になってくるわけです。そうなると、こういう工場の閉鎖やあるいは人員の削減、これは必要でないということになるわけであります。
フランスでは御存じのように、二月一日から週三十五時間労働。千六百時間から千五百時間、そういう年間労働時間になっている。ルノー社も恐らく例外じゃない。ところが、ルノーによるルノーのための日産の下請企業化、そういう計画の中で、日本の労働者は二千数百時間も、それよりも八百時間、一千時間も多いような労働時間を強要される。私は、本当に日本の
労働大臣であれば、こういう点、毅然たる態度をやはりとるべきじゃないか、見直しを迫るべきじゃないかと思うわけであります。
多国籍企業、先ほ
ども言ったわけなんですが、そういう国際的な三者宣言、ILOの宣言の場合にはまだそれこそ最低限の倫理、ルールであると思うのですが、それすらも無視して今やっている。しかも、多国籍企業の利益第一に労働者や下請を切り捨てる。残った労働者には、日本
政府の国際公約やあるいは国内労基法、これにも違反するような長時間過密労働を押しつける。そして、下請の方にも二〇%コスト削減とかいう形で単価の切り下げを押しつける。もしこんなやり方が今後まかり通るようなことになれば、公正で自由な経済競争はどうなるだろうか。本当に、強い危惧を持つのは私だけではないと思うのです。
労働時間の国際公約も残業規制な
ども全く空文化する。ルールなき経済戦争、こういう方向に走っているわけであって、ルノー日産社に対して、通産省の方も労働省の方も毅然たる断固たる態度をとるよう重ねて要求をしたいと
思います。
次に、昨年に続いてサービス残業問題について
質問をしたいと
思います。
戦後最悪の雇用失業情勢と大企業のリストラ強行の中で、サービス残業がますます蔓延しております。最近の新聞でも、悪徳商法で有名な商工ファンド、あるいは
全国チェーンの白木屋などのサービス残業が
報道をされました。しかし、新聞などで
報道されているのは、これは氷山のごく一角であります。
全国の大企業でサービス残業が蔓延し、定着しているんじゃないか。
ある職場では、定時と残業の境もなくなってしまった、ただ、子持ちの女性労働者がみんなに気兼ねをしながら席を立っていくことで定時だなと気づくぐらいだ、こう労働者は語っておりました。本当にこれ以上看過できない、そういう状況に今なっているわけであります。
きょうは、このサービス残業がどうして蔓延するのか、その手口あるいは
原因、とるべき対策、これについて
質問をしたいと
思います。
私は、昨年七月十五日の当
委員会において、小渕首相に対してサービス残業問題について
質問いたしました。
質問の要旨の第一は、こういうような所定内労働時間を超えて労働者を働かせながら、労働時間の対価としての基準賃金あるいは割り増し賃金を支払わない、これは基準法の二十四条あるいは三十七条違反だということが
一つ。
加えて第二番目に、サービス残業が、賃金不払いという極めて重大な
犯罪、しかも繰り返し行われている、そして意図的に故意に行われている、こういう
犯罪であり、労働省内の労働基準行政、従来の立場でいえばこれはもう即時司法処分の対象になる、それほど悪質で重大な
犯罪行為である。こういう点を
指摘したわけであります。こういう重大な
犯罪を蔓延させている
政府の責任というのは極めて大きい、こういう
犯罪行為をなくしていくことが雇用の拡大にもつながる、こういうような点を
指摘しました。
小渕
総理は、こういう
指摘を認めて、「サービス残業をなくすため、今後とも法の趣旨を徹底して図ってまいりたい」、こういう答弁を行われました。
そこで、その後、サービス残業をなくすために
政府として具体的にどのような特別の対策をとられたでしょうか。