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北村(哲)議員 なぜ個別施策の積み上げではなくて
犯罪被害者の基本法が必要かというふうな御
質問だと思います。
犯罪被害者はこれまで大変悲惨な状況に置かれてきたことについては、本
委員会委員の皆様の共通の認識だと思います。確かに、
警察庁や
法務省でそれぞれの対策が積み重ねられて、かなりの評価もできます。しかしながら、総合的な
意味での真の解決にはほど遠いと考えます。
犯罪被害者が少なくとも加害者と同等の権利保障を得るには、まず
犯罪被害者の権利の根拠と被害者対策の基本理念を明らかにする必要があると考えます。
私
たちは、憲法十三条の個人の尊厳、あるいは二十五条の生存権の保障などの
規定に基づいて、国あるいは地方公共団体が
犯罪被害者が受けた被害の
回復、そして
犯罪被害者などの社会復帰を支援する責務を有することを明らかにするために、この法案の第二条で基本理念を定めて、「
犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、被害の状況等に応じた適切な処遇を保障される権利を有するものとする。」と
規定しました。さらに同二項で、今度は「何人も、
犯罪被害者等の名誉及び生活の平穏を害してはならない」として、いわゆる
犯罪被害者のプライバシーの尊重、尊厳というものを
規定いたしました。
次に、個別の施策では、それぞれ必要ではありますけれども、しょせんちぐはぐというか継ぎはぎの組み立てしかできなくて、
計画的あるいは総合的な取り組みにはならないという点が問題であります。個別省庁の縦割り対策では限界があると考えております。
私どもが提起したこの基本法に基づくいわゆる
犯罪被害者等支援基本
計画のもとに、経済的側面、精神的側面あるいは刑事的側面のいずれも含む総合的な、統一的な対策が必要であると思っております。ここで多くの参考人も述べられたように、これは全省庁にわたる問題であるということで、今ここで論ぜられておる閣法については、その一部分、
一つのパート、刑事訴訟の場面だと思います。
そして第三に、最後に、各参考人が多く言われたように、
犯罪被害者の支援は国際的な
要請でもあるという点であります。
国連の被害者人権宣言を通じて、既に欧米を中心とする多くの国々で被害者の権利を確立して、法
整備を進めるとともに、
民間の被害者支援機関が組織されて、国と社会がともに挙げて総合対策に取り組んでいるということの
要請にも基づいていると思います。
以上でございます。