○一川
委員 今ほどの総務庁、
厚生省の方からお話を聞いておりますと、基本的には
考え方は私も同感でございますけれ
ども、おっしゃっていることはもっともなんですけれ
ども、では実際問題、そういう施策が具体的に動いているかといったときに、なかなかそれが見えてこないというのが今の実態ではないかと私は思います。
こういった青少年問題なり健全育成、
虐待問題等々は、基本的には、よく
議論が出ていますように世の中全体の、戦後五十年を経過しておりますけれ
ども、日本の社会全体の世相がこういった問題に映し出されているというふうにも
考えられますし、またある面では、大人社会そのものがある程度無
責任な社会になりつつある、そういったものがやはりこういう
子供の世界にも反映してきているという面では、特に我々
政治の場にいる人間は強く反省しなければならないというふうに私自身は
考えております。
そういう中にあって、今ほどのように、特に
児童虐待という観点から見れば、
地域社会の中でもっと
児童の居場所をふやすというようなお話もございました。私自身、田舎に住んでいる人間でございますので、全くそのとおりだと思いますし、やはり
地域社会の中で、大人と
子供が本当に一体となってある目標に向かって取り組むというようなこと、例えば、いろいろな伝統文化的な行事とかそういうものも
一つの大きなきっかけでもあろうし、
家庭と
地域社会、また
学校、場合によっては職場等が連携をとってこういった問題に真剣に取り組む、そういう気構えが今非常に大事になってきているんだなというふうにつくづくと感じております。
そこで、きょうは、実は農水省の方に来ていただいておりますけれ
ども、農村地域と都会を比べた場合に、これまでの
虐待のデータでもそうですけれ
ども、都会の方は
虐待の事例が非常に多い、農村地域は割と少ないというデータも出ております。
それは、前にもちょっと
指摘したことがあるのですけれ
ども、人間の気持ちの余裕といいますか、都会にいる、そういった殺伐とした毎日の生活の中でのストレスというのは当然あろうかと思うのですけれ
ども、農政、農業問題というのも、一方では過疎問題、高齢化問題ということで重要な
課題を今日抱えているわけです。地方においては非常に過疎化現象が起こり、若者が少なくなってきている。場合によっては
学校そのものが存続できないというところが、山間部ではたくさんあるわけです。
そういう実態が一方でありながら、都会では過密現象の中でのこういう
虐待現象みたいなものが一方で起こっているわけですね。こういうものを、何かもう少しお互いに協力し合って同時に解決する
方法があるのではないかというようなことを常日ごろ
考えているわけですけれ
ども、農林省も、一方では、今言ったそういった過疎化、高齢化現象による山村地域の活力の低下というのは
一つの
課題でございますし、また一方では、農林業の担い手問題という観点から見ましても、大変重要な
課題を今抱えているわけです。
そういうことを
考えますと、当然その本人なり
家族の希望も踏まえてのことでございますけれ
ども、農村地域、山村地域に、一時期でもよろしいですし、あるいはずっと長くいても当然いいわけでございますけれ
ども、農村地域がそういった都会に住んでいていろいろな悩みの多い
方々を受け入れるということも含めて、いろいろと施策的にもこれから取り組んでいく必要があるのではないかということを感じております。
私たちの地元でも、山村留学ということで割と成功した事例もございます。そういう自然との触れ合いとか動植物とのいろいろな触れ合い、また
地域社会での人間と人間との心の触れ合い、そういう中で、受け入れた側もいろいろな面で活力が出てくるし、また、そこへ入ってこられた
方々も、大人の方も
子供の人も、いろいろな面で、新たな体験の中で人間として成長していかれるという事例を見ているわけです。
そういうことを
考えてみた場合に、農水省におかれましても、こういった青少年問題を農林
行政の中で受けとめるということも非常に重要なことではないかなというふうに
考えるわけですけれ
ども、農林水産省の
見解をお聞かせ願いたいと思います。