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樽床委員 今
委員長は大変重要な話を数点されたように私はお聞きをいたしました。今は継ぎはぎ的な法
改正をせざるを得ないのだけれ
ども、経済がこの過渡期、転換期を乗り切れば、
独禁法そのものも本格的な
改正、抜本的な
改正をせざるを得なくなるかもわからない、こういう
お話でありました。私はまさにそのとおりだと思っております。
委員長のそういう将来を見通した意見というものはきちっと、先ほど私
どもの
吉田議員の発言に対してお答えになったときに、もうすぐやめられるみたいな
お話をされたようにお聞きをいたしましたけれ
ども、これはやめられましても、今のようなお
考えはしっかりと
公正取引委員会の中に根づかせていってもらわなければいかぬというふうに私は逆にお願いをしたいわけでありまして、ややもすれば、いやいや、それは前の
委員長が言ったことで私とは違いますと。それもそれで一つかもわかりませんが、今おっしゃった意見というのは大変すばらしい御意見であろうと私は思っております。ですから、くれぐれもその
考え方を引き継いでいただきたい、引き継ぐようにきちっと御
指導をしていただきたい、このように思うわけであります。
もう一点、実は午後の官房長官に対する
質問の中で関連して申し上げようとは思っておりましたが、午後も申し上げるわけでありますが、そのお
言葉を受けてちょっとだけ申し上げると、確かに六百人で
日本全国を見ていくというのはほとんど不可能であろうというふうに思います。
元来、私自身は小さな
政府主義者であります。
行政はスリムである方がいいという大
前提のもとに立って物事を
考えるというのが私の個人的な見解でありますが、事
公正取引委員会につきましては、
行政なのか司法なのか、その間の非常にグレーゾーンのような、グレーゾーンというのか、それがオーバーラップしているというのか、また全然分野が違うというのか、というような感じがいたしておりまして、
公正取引委員会につきましては逆に、数が少なければ少ないほどいいというふうには思っておりません。
特に、
市場メカニズムが成熟化してくればくるほど
公正取引委員会の役割というのは重要になってくるだろうというふうに思っているわけでありまして、その
体制の問題は、
委員長から言いにくいのかもわかりませんが、数が少なければもっとふやしてほしいというようなことももっと声高に言っていただかなければ、
日本の経済への目は光らせられない、このように
考えているわけであります。そういう点は特にお願いをしておきたいと思っております。
それから、次の
質問に移りますが、先ほどの過去の経緯の中の
お話でもありましたように、当初
我が国は戦前にはこのような法体系はなかった、それが連合軍、GHQの
指導のもとでこういう法体系が導入をされた。しかし、それがアメリカの発想で導入したがゆえに、
日本の実態とは、特に戦争で負けて疲弊していた実態とは若干合わない、こういうことで二十四年、二十八年にまた
改正をした、こういう
お話がありました。
そういったことでいきますと、今からまたいろいろ
独禁法の問題を
考えていくに当たって私は気になりますのは、
日本にとっては本家本元でありますアメリカの反トラスト法との
関係でありまして、不勉強で申しわけないわけでありますが、
公正取引委員会から見まして、
我が国の
独禁法とアメリカの反トラスト法とどこが違うのか、またどこら辺は同じであるのか。これは国柄、社会風土、経済構造が違いますから違って当然でありますけれ
ども、そこら辺の相違点というのはどのようにお
考えでございましょうか。