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上田(清)
委員 大臣、今お聞きになったとおりでありまして、極めて不健全な形で、この借用証書の約定が好ましい形では行われていない。この現況がずっと続いていたということであります、
平成五年から。
大臣、私の記憶ではこの間に
厚生大臣も何かなさっておられたような気がいたしますが、違ったでしょうか。私の記憶だと何かなさっていたような気がいたしますが、なさっていたとすれば、ぜひ積極的に是正する方向を出していただきたかったと思っておりますが、これまた事務局の報告の仕方云々ということになってくるかと思いますので、そこまでは強く申し上げません。
いずれにしても、
年金福祉事業団の運用が極めて不成績、不良、なおかつ、理財局との借用証書の返還の仕方についても非常に、不透明というような表現ではない、望ましくない形で行われている、これも事実であります。おのずから約定に従った返し方がなされるべきだと思います。
そこで、本当にこれをもう少し是正できなかったのか、元本を食いつぶさずにやることはできなかったんだろうか、もっとうまい運用はできなかったのかということを私もずっと考えておりまして、実は、三枚組みの発言集でありますが、三ページの「運用機関の評価」であります。正しい運用先を見つけて正しく運用すれば、利益を出し切れなくても、まだしも元本を食いつぶすようなことはなかったんじゃないか、私はそんな思いがずっとありましたので、一生懸命調べました。
そこで、幾つかお尋ねもしました。ちゃんとやっておりますという
答弁が出ております。「三年から五年の実績を見まして、下位のところは入れ替えています。」とか、「運用機関に運用をお任せし、その成果をかなりの頻度でチェックをいたしておりました。」とか。しかし一方では、矢野
年金局長は、三段目の真ん中あたりなのですが、「
年金運用の世界というのは
日本はまだまだ非常にレベルが低いといいますか、」なんて言って、うっかり口を滑らせちゃったのですが、
日本の運用が非常に低い。
そこで、どんな運用をやってきたかということについて、ちょっと飛びますが、14を見ていただきたいと思います。
それで、運用手数料の推移が
昭和六十一年から
平成十年まで出ております。これを見ると、上位に、三井、三菱、住友、第一勧業富士、東洋、中央、
日本と、これは信託銀行であります。そして、外資系も六十二年のドイチェから始まって、徐々に外資系の企業も参入してきております。同じように生命
保険の方も出ております。
当然、運用手数料をたくさんいただいているところに運用をたくさんお任せしているというのは、
大臣わかりますね。私、予算
委員会の後、
大臣はわざわざ私の席に来てこれは本当かと言って、本当ですよ、調べておいてくださいと言いましたから、やっていらっしゃると思いますけれ
ども。
実は、この運用先がどういう成績かということに関しては12と13に出ております。12を見てください。これは
年金財源強化事業の部分でありますが、これがどういうところが上位にあったか、あれこれ見るのも大変ですから、信託銀行だけ見てください。これは大蔵
委員会の調査室にお願いをいたしまして資料をつくっていただきましたので、私がつくっておりませんので安心できると思います。
信託銀行の上位、六十一年から
平成二年で切っております、先ほ
ども言いましたように三年から五年で見直しているということですから、
平成三年から十年、六十一年から
平成十年の通期の部分を出しております。これを見てわかりますように、非常に外資系の方が調子がいい、運用益、収益率を上げている。にもかかわらず、入れかえているかというと、入れかえていない。
答弁がうそじゃないか、これが私の一つの議論であります。
同じように、資金確保事業も同じような傾向がございます。それを極めてわかりやすくしたのが11であります。若干込み入って複雑かもしれませんが、一応二つを一遍に見ることができます。
これは、あえて十三年間を三つに分けました。六十一年から
平成二年まで、
平成二年から
平成六年、
平成七年から
平成十年、あと通期。そして、左側の一番大きな数字でありますが、これが委託手数料の金額であります。単位が百万円ですから、決して小さくありません。例えば
平成七年から
平成十年の住友の金額は三十六億とかという運用手数料になっております。そういう金額を年福が払っているわけです。そして、たくさん払っているところはたくさん収益を上げれば極めていいのですけれ
ども、これは十分上げていないじゃないですか。
私は前にも申し上げました。そこで、いや、ちゃんとやっております、入れかえたりもしています、これは定量ばかりじゃなくて定性でも判断していますと、わけのわからない
答弁をされておりますけれ
ども、しかし、運用機関は、どんな言い分をつけようと物の判断は収益がやはり九〇%です。収益を上げないところをいたずらにやっていれば損するだけですから。事実、損してきたのですから。なぜこんなふうに変えなかったのか。