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前原委員 先ほど大臣が御
答弁されたように、人間というのは万能じゃないわけです。そして、もちろん善意で、また職務上一生懸命それを追求しようとして、しかしながら、過失が起きる
可能性はある。つまり、
ダムというのはそういう
危険性があるんだということをやはり我々は認識しなきゃいけないということなんですね。
私は、それを前提として次の質問に移りたいんですけれ
ども、要は、人吉に行きまして、多くの
方々が心配されているのは、市房
ダム、そういう不安というものが頭の中に残っている。その中で、市房
ダムよりも大きな許容量の川辺ができたときに、これは本当に統合管理は可能なんだろうか、こういう心配を持たれるのは私は仕方のないことだと思うわけです。
今から川辺川
ダムの調整の方式についていろいろ細かい議論をしていきますけれ
ども、つまりは、先ほど申し上げたように、過剰放流ではなくても、流入量イコール放
流量という形で
ダムの決壊を防ぐためにそのまま流すという
状況になったときに、仮にそのピークが重なり合ったときには、これは逆に
洪水というものが増幅される
可能性というのは十分あり得るわけです。そういうものを心配されている。つまり、統合運用は本当に可能なのかどうなのかといったところをこれからちょっと具体的に問い詰めていきたいというふうに
思います。
この川辺川
ダムの調整方法というのがいわゆる不定率
調節方式、一般的にはなべ底
調節方式、こういうふうに言われているということでございます。
建設省の指針の中でも、効率はよいが操作が困難というふうにされておりますし、前回、民主党の部会でこの川辺川
ダムの経過について御
説明いただいたときに、横塚
河川局開発課長も、長時間の雨には
ダムは弱いということもおっしゃっているわけでございます。
わからない
方々がほとんどだと
思います。私もつけ焼き刃の勉強でございますので、どういう方法なのかということをお話させていただきたいと思うわけでありますけれ
ども、川辺川
ダムというのは、六月から十月が
洪水期に当たるのではないか。そのうち
洪水期が来るんじゃないかということなんですね。そして、仮に
ダムができた場合、
ダム湖への流入量が毎秒五百トンまでは流入と同量を放流する、五百トンを超えると一定率で徐々に放
流量をふやして、千百トンを超えると八百トンの一定量放流をするということですね。つまり、放
流量調整を行うということです。
ただし、本流の球磨川
上流部で
流量が千二百トンに達すると放
流量を二百トンに減らして貯留する。つまり、本流の球磨川と川辺川が、大量の水が一緒にならないように、本流の水の量がふえてきた場合においては放
流量を二百トンに減らして貯留をしていく、こういうことなんですね。そして、人吉市の合流地点で一気に
流量が増大するのを防ぐということであります。
しかし、要は、雨がふえていった場合に、本流も減らない、川辺川
ダムについてもどんどん流入量がふえていった場合。
ピークというのは大体三時間ぐらいを
建設省からいただいた
資料でも想定をされているわけでありますけれ
ども、この想定したように雨が降ればいいわけであります。つまり、その場合においては、
建設省が言われているように、効率がいいということになるわけでございます。しかし、いろいろな
専門家から
指摘をされているのは、本流のピーク、つまり球磨川のピークを的確に推測するのは本当にできるんだろうか。あるいは、先ほど私が少し触れましたように、ピークが一山でない場合、雨の降り方が断続的に、つまりピークが二山も三山も来るような場合、これはどうするんだろうか。つまり、なべ底の貯水容量を使い切る
可能性があるわけですね。そうすると、一気に放流をしなくてはいけないということになる。そうすれば、さっき
可能性があるということを確認したような過剰放流というものの
危険性が出てくるということなんですね。
いろいろな雨の降り方というものが想定をされておりますけれ
ども、確かに
昭和四十年の七月の
洪水というのはピークが一山なんですね。しかし、
昭和五十七年の七月はピークが二山来ています。それから、
平成七年の七月の
洪水はピークが三つの山が来ているのです。としたときに、本当にこの不定率
調節方式、なべ底
調節方式というものが役に立つのか、こういう心配があるわけです。いかがですか。