○東(祥)
委員 先ほど両党から、この
決議案の
緊急上程に関する手続上の
瑕疵について
発言がございました。全く我が党としても同感でございます。
さらにまた、今この
緊急上程をされるに当たって、
提案理由もされておられません。
提案理由は、聞くところによれば、悲惨な
経験をした
九州、
沖縄において今般
九州・
沖縄サミットが迎えられる、この佳節に当たり改めて
戦争決別宣言をする
意味がある、このようなことを聞き受けております。
しかし、もしそうであるとするならば、なぜ今日緊急にこの案を
提出しなければならないのか、その
理由には全く
理解に苦しむところであります。
いろいろと予想されている、本当かどうかはわかりませんが、たとえ近々総
選挙があったとしても、総
選挙後に
特別国会を開くなりして、この問題の
重要性をそれほど深く認識するとするならば、そこでちゃんと時間をかけてやられればいいんじゃないでしょうか。
さらにまた、
内容について、これまたよくわからないのでございますが、なぜ何度も
戦争決別宣言なるものを
我が国会は行っていかなくちゃいけないのでしょうか。
一九二八年、
パリ不戦条約において
日本国は
戦争をしないと調印した国であります。しかし、それを破棄し、そして第二次
世界大戦に向かっていく。そのとき、二百数十万の同胞のとうとい命を失った。
一九四五年、
国際的に第一回目のいわゆる
国際連盟の
経験を踏まえた上で
国際連合ができ上がる。
国際連合を担保している
国連憲章において、
国際社会全体として
戦争違法化の
思想がビルトインされたはずです。その
思想を受け継いで、一九四六年、現
憲法が成立し、その第九条一項において
戦争放棄というものを明確にしたためているではありませんか。
日本国民一億二千六百万人、その基本的な
思想を共有していると思います。
そしてまた、一九九五年、
先ほどお話がありましたとおり、改めて
国会全体としての
決議として、この悲惨な
戦争経験を踏まえた上で、新たなる平和に対しての決意を
日本国はしておるわけです。そして、この二〇〇〇年というときにまた新たに
決別宣言をしていくということは、どういうことなのでしょうか。
日本というのは、事あるごとに何か言っていかなくちゃいけないのでしょうか。
一九九〇年、
委員長もよく御存じであった、あの
湾岸戦争が勃発したときに、
日本は
国際の平和と安全のために何をどのようにしていくのかということが鋭く
国際社会から問われたのではないですか。それを具体化していくために、今、
国会の中でもけんけんがくがくの議論がいろいろなところでされていると思います。それがまだ実現されていない段階で、ただ
宣言だけを言うということ、中身はよく見ていませんからよくわかりませんけれ
ども、それは余りにも
国際社会における
日本の位置づけというのを知らなさ過ぎるのではないでしょうか。
そういう視点から、
内容はともかくとして、一番初めに両党から
お話がありましたとおり、この
緊急提案がなされるそのプロセスそれ自体に
瑕疵がある、まずその一点でもって、本日の本
会議における
上程に対し、厳しく、また強く
反対の意を表明したいと思います。
以上であります。