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2000-04-26 第147回国会 衆議院 外務委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年四月二十六日(水曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 井奥 貞雄君    理事 伊藤 公介君 理事 河野 太郎君    理事 鈴木 宗男君 理事 森山 眞弓君    理事 玄葉光一郎君 理事 藤田 幸久君    理事 赤松 正雄君 理事 松本 善明君       飯島 忠義君    小川  元君       嘉数 知賢君    川崎 二郎君       木村  勉君    阪上 善秀君       櫻内 義雄君    桜田 義孝君       戸井田 徹君    森  英介君       山口 泰明君    上原 康助君       川内 博史君    今田 保典君       坂口  力君    丸谷 佳織君       古堅 実吉君    江崎 鐵磨君       達増 拓也君    藤井 裕久君       伊藤  茂君     …………………………………    外務大臣         河野 洋平君    外務政務次官       江崎 鐵磨君    政府参考人    (外務大臣官房審議官)  小松 一郎君    政府参考人    (外務省経済局長)    田中  均君    政府参考人    (水産庁長官)      中須 勇雄君    政府参考人    (通商産業省貿易局長)  中村 利雄君    政府参考人    (運輸省航空局長)    岩村  敬君    外務委員会専門員     黒川 祐次君     ————————————— 委員の異動 四月二十六日  辞任         補欠選任   下地 幹郎君     桜田 義孝君   山中あき子君     森  英介君   伊藤 英成君     今田 保典君 同日  辞任         補欠選任   桜田 義孝君     下地 幹郎君   森  英介君     山中あき子君   今田 保典君     伊藤 英成君     ————————————— 四月二十五日  就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件(条約第五号)(参議院送付)  社会保障に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件(条約第八号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  保存及び管理のための国際的な措置公海上の漁船による遵守を促進するための協定締結について承認を求めるの件(条約第一号)  国際航空運送についてのある規則統一に関する条約締結について承認を求めるの件(条約第六号)  千九百五十五年九月二十八日にヘーグで作成された議定書により改正された千九百二十九年十月十二日にワルソーで署名された国際航空運送についてのある規則統一に関する条約を改正するモントリオール第四議定書締結について承認を求めるの件(条約第七号)  就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件(条約第五号)(参議院送付)  社会保障に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件(条約第八号)(参議院送付)     午前十時開議      ————◇—————
  2. 井奥貞雄

    井奥委員長 これより会議を開きます。  保存及び管理のための国際的な措置公海上の漁船による遵守を促進するための協定締結について承認を求めるの件、国際航空運送についてのある規則統一に関する条約締結について承認を求めるの件及び千九百五十五年九月二十八日にヘーグで作成された議定書により改正された千九百二十九年十月十二日にワルソーで署名された国際航空運送についてのある規則統一に関する条約を改正するモントリオール第四議定書締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  各件審査のため、本日、政府参考人として、委員川内博史君の質疑に際し、外務大臣官房審議官小松一郎君、外務省経済局長田中均君、水産庁長官中須勇雄君及び運輸省航空局長岩村敬君の出席を、委員松本善明君の質疑に際し、水産庁長官中須勇雄君及び通商産業省貿易局長中村利雄君の出席を、また、委員伊藤茂君の質疑に際し、運輸省航空局長岩村敬君の出席を求め、それぞれ説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井奥貞雄

    井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 井奥貞雄

    井奥委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川内博史君。
  5. 川内博史

    川内委員 おはようございます。民主党の川内でございます。三十分お時間をいただきましたので、三本の条約協定につきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。外務大臣、よろしくお願いを申し上げます。  まず、保存及び管理のための国際的な措置公海上の漁船による遵守を促進するための協定、略称でも公海における保存管理措置遵守促進協定と大変長たらしい名前がついているわけでございますが、本件は主にマグロをその保存の対象として想定をしているものというふうに思われるわけでございますが、まず、外務大臣マグロが好きかということをお尋ねいたします。
  6. 河野洋平

    河野国務大臣 私は、食べ物で何が好きかと言われれば、すしといつも答えておりますが、そのすしの中でもとろが好物でございます。
  7. 川内博史

    川内委員 私もマグロが大好きで、とろもいいですけれども赤身のづけなども、これもいい職人の手にかかると大変にうまいなというふうに思うわけでございますが、そのマグロ資源というものが乱獲によって枯渇をしていくということは、私どもマグロ好きにとってはどうしても避けなければいけないことでございます。自然環境保全という意味でも大変重要なテーマであるというふうに思っておりまして、本協定が目標としております、あるいは想定をしておりますマグロ便宜置籍船という問題に焦点を当てまして若干の質疑をさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  そもそも、今回のこの協定が、マグロなどの漁業資源を守るために本当に有効な協定になるのかどうかという根本的なところからちょっとお尋ねをしたいと思います。このマグロ便宜置籍船の場合は、多くの船がベリーズとかホンジュラスという中南米の国の船籍になっていることはよく知られていることでございますが、こういった国々というのはこの協定参加されるのかどうかという点を、まずお尋ねをさせていただきます。
  8. 河野洋平

    河野国務大臣 今、議員が御指摘になりましたホンジュラスあるいはパナマ、こういったところが非常に問題のあるところでございますが、今日までのところ、パナマホンジュラスが近くこの協定締結するという情報には、残念ながら接しておりません。
  9. 川内博史

    川内委員 まあ、この協定参加をしていない国の船がマグロを乱獲して、しかもまき網で一網打尽にしていくというような漁法をとるらしいのですけれども、そしてまたそれを市場でさばくというようなことになりますと、この協定自体実効性が全く意味を持たなくなってしまうのではないかというふうに思うわけでございますが、こういうベリーズとかパナマとかホンジュラスがこの協定参加をしない、また、近く参加をするという情報もないということであれば、このマグロ資源保全というものが本当に図れるというふうに外務大臣はお思いになられるかどうかということをお尋ねをさせていただきます。
  10. 河野洋平

    河野国務大臣 先ほどから議員お話しのように、水産資源と申しますか、とりわけマグロが注目を浴びているところでございますが、こうした水産資源をいかにして守るかということは、その水産資源に頼っている国あるいはその水産資源の大きな消費国、それからまた水産資源そのものを守ろうという気持ちの非常に強い人たちからは、大きな関心を持たれているわけでございます。そして、もう随分長いことこの問題は、そうした関心を持つ人たちによって、何とかして資源保存ということができないかということで大変な議論がございまして、さまざまな知恵が絞られたわけですけれども、いろいろなことをやっても、その網をくぐるまた別の知恵が出てくるということもあって、なかなか一つの約束事で問題解決というほど簡単なものでないということがございます。まして、先ほどお話しになりましたような国々は、なかなかその国自身の経済的な力が十分ないということになると、こうしたことが一つ生活知恵と申しますか、そういった形でこうしたことが起こってくるということもあったのだろうと思います。  しかし、何といっても、この貴重な水産資源を守るためには、一歩でも二歩でも前進したルールをつくって、みんながそのルールを守れるように説得をするということが必要だ、まずルールをつくり、そのルール参加をするといいますか、そのルールを守るようにみんなで要請をする、慫慂するという作業が同時に行われなければならない、そうでなければ効果は十分出てこないのだろうというふうに思っております。
  11. 川内博史

    川内委員 まずルールをつくるという意味では私も全く同感でございますが、聞くところによりますと、本協定想定をしておりますそのマグロ便宜置籍船所有者というか、あるいは実際の操業をしている所有者というかは台湾あるいは台湾人であるというふうにお聞きしておりますけれども、この台湾マグロ便宜置籍船について、それをスクラップするために日本補助金を出してスクラップを進めていただくという話を合意したというふうに聞いておりますが、それが事実なのか、また、日本政府が出す補助金というのはどの程度なのかというようなことについて詳しい情報を、きょうは水産庁長官にもお運びをいただいておりますので、お触れをいただきたいというふうに思います。
  12. 中須勇雄

    中須政府参考人 世界マグロ漁業の現状ということでいいますと、FAOが一昨年から昨年にかけて行動計画を策定いたしましたが、マグロ資源に対して漁獲努力量が過大である、二、三割の減船が必要である、こういうことが指摘をされております。それを受けて、我が国は昨年約二割の減船を実施いたしました。今世界で約千五百から千六百隻のマグロはえ縄漁船がございますが、このうち我が国減船後約五百三十隻、そういう事態になっております。  お触れになりました便宜置籍船、正確な数はわかりませんが、約三百隻を超えるのではないか、こういうふうに言われておりまして、その過半は台湾船主のものである、こういうふうに言われております。  このため、実は我が国マグロ業界は、こういった過剰漁獲を根絶する一つの手段としてぜひこの便宜置籍船を根絶してほしい、こういうお話台湾との間で業界ベースで行ってまいりました。大きな方向としては、そういうものを根絶しようという方向については基本的な合意をしておりますが、細部をどのように進めていくかということについてはいまだ合意をしておりません。  業界ベースでは、そうやって台湾船主便宜置籍船スクラップする。これは実は、かなりのものが日本のかつてのマグロ漁船が輸出されてこれに使われているという状況がございます。日本としても、業界ベースでこれに協力をしよう、こういう形で業界での話が進んでおりますので、政府としては、細部が決まってきた段階で、そういった業界協力に対し政府として支援できることがあればやっていこうということでありまして、決して今の段階補助金を交付するとかそういうことが決まっているものではございません。
  13. 川内博史

    川内委員 今、水産庁長官業界ベースで話が進んでいて、政府としてはまだ細部にわたって検討をしていないというか、最終の段階でもし必要であればそういう可能性もある、税金を使う可能性もあるという理解でよろしいでしょうか。もう一度。
  14. 中須勇雄

    中須政府参考人 実際どのようなスキームで日本業界協力するかということが必ずしも確定しておりませんので明確には申せませんが、ただ、外国漁船スクラップに直接政府税金を投入するということはいささか難しいのではないか、こういうふうに思いますので、融資その他の支援というような形になるのではないかとおぼろげ考えておりますが、いずれにしても、それは細部が固まった段階で検討されるべきものというふうに思っております。
  15. 川内博史

    川内委員 今、水産庁長官がおっしゃられたように、マグロ船漁民皆さん方は、日本政府が助けてくれて、台湾便宜置籍船廃船について協力をしてくれるんだというふうに思っていらっしゃると思うのですね、現時点では。今の水産庁長官のお答えでは、私も同感でありますが、他国籍の、ほかの国の船籍船主の船を廃船にするのになぜ日本税金を使わなければいけないのか、そういう財産補償税金を使うということに関しては私も疑問を感じておりますし、非常に出し方が難しいことであろうというふうに思います。  また一方では、冒頭申し上げましたように、マグロ船漁民方々政府支援というものにも期待をしているという面もありますし、この両者の利害というものをうまく一致させて落としどころを探っていくというのは非常に難しいことだろうというふうに思うのですが、ぜひ、自然環境保全あるいは水産資源保全という観点からもうまい解決方法を、もう既にお考えになっていらっしゃるとは思うのですけれども、頑張ってやっていただきたいというふうに思っているところでございます。  そもそも、この便宜置籍船の問題というのは、いわば国際ルール先ほど外務大臣からもルールをつくるんだというお言葉がございましたけれども、国際ルールにのっとって魚をとり、それを市場で売るという枠外、国際ルールに加担しない独自の経済行為をされる漁船方々や、あるいはその漁船から魚を買う業者あるいは商社という存在があるからでございますけれども、輸入規制をして、私などが思うのは、そういう国際ルールにのっとらない、言えば不当な経済行為を働く人たちはそもそも市場から締め出せばいいのじゃないかというふうに思うわけでございます。  そういう便宜置籍船からマグロを買ったりするようなことは、もともと輸入規制をして禁止してしまえばいいのじゃないか。何も国際的な協定があるとかないとかにかかわらず、日本国内の法的な措置輸入規制してしまえばいいのじゃないか。いわば便宜置籍船マグロを買った場合には罰金を科すとか刑事罰が科されるとか、そういうふうにすればこの問題は一挙に解決するのじゃないかというふうに考えるところでございますが、この辺についてはいかがお考えでしょうか。
  16. 中須勇雄

    中須政府参考人 国際的な規制を守らないで漁獲されたマグロ輸入規制ということに関しましては、平成八年にまぐろ資源保存及び管理の強化に関する特別措置法という法律を議員立法でつくっていただきまして、現在、これに基づいて、特に、ICCATと呼んでおりますが、大西洋マグロ保存に関します国際条約、その委員会漁獲量が決まっておりますものを便宜置籍船がそれに縛られない形でクロマグロをとる、そういうものに関しては一定手続を経た後、委員会輸入禁止勧告というものがなされますと、それを受けて我が国の貿管令でもって輸入禁止にする、こういうことが可能になっております。現に、ベリーズ及びホンジュラスについては大西洋クロマグロ輸入が禁止されているところでございます。  ただ、便宜置籍船一般からすべて輸入規制してしまうというのは、便宜置籍船といっても、別に国際的に決まったルールをすべて破っているわけではないわけでありまして、国際規制ルールの中で何も規制が決まっていないものをとっているというものもあるわけで、そこまで規制するのは大変難しいということであります。  ですから、今は法的な規制は困難でありますが、先ほど申しましたICCAT等で、そういう便宜置籍船からのマグロを買うのはみんなでやめようじゃないか、こういう決議がなされました。それを受けて、今実は私ども、行政指導という形でありますが、日本商社に対して便宜置籍船一覧表を示した上で、こういう船からは輸入することを控えていただきたいということをお願いしておりまして、かなり商社がこれに賛同をいただいている、こういう状況にございます。
  17. 川内博史

    川内委員 一生懸命御努力をされていらっしゃるということは私も敬意を表させていただきたいというふうに思います。  大臣、今水産庁長官から御説明がございました。大西洋ホンマグロについては規制をしているということだったのですけれども、実は台湾便宜置籍船大西洋ホンマグロをとるということはめったにないそうなんですね。実は、台湾便宜置籍船がとっているのはバチとかキハダとか、ホンマグロ以外のマグロをとっているわけでございまして、一般的にはホンマグロが非常に高値がついて、マグロの中でも最高級とされるわけでございますが、私は、嫁さんの実家が旅館をやっておりますので、そういうマグロの何がうまいとかいうことに関しても若干の知識は持っているつもりでございます。  実は今、気のきいたすし屋とか料亭に行って、どのマグロ、何のマグロを使っているのと聞くと、大体インド洋のバチと言うのですよ。ホンマグロは余り最近一流の料理人とかは使わないことが多くて、そういう意味バチとかキハダの方が最近は商売になるから台湾便宜置籍船というのはそういうことをしているのだろうというふうに私は想像するのです。  そこで、決議をして、行政指導で、台湾便宜置籍船からバチとかキハダを買っちゃいけませんよ、買わないようにしましょうよということをされているという努力敬意を表しますけれども、しかし一方では、安いものをなるべく買いたいという消費する側の要求というものも当然あるわけで、何らかの強制力を持った規制というものがそこになければ、それはもう単なるざる法になってしまうのではないかというふうに私は考えます。  今回、水産庁の課長さんで野村一郎さんという方が国連のFAO水産局長に御就任になられた。このFAOというのは、世界漁業のかじをとる重要なポストだというふうにも聞いておりますしマグロの一連のこの分野について、ぜひジャパンイニシアチブを発揮していただいて、協定なりあるいは国内法的な整備なりどんどん進めていただく。大臣もお好きだし、きょうお集まりの委員皆さんやここの会議室にいらっしゃる全員の方が、もう中とろとかいうとにやけてしまうようなぐらい皆さんお好きだと思うのですけれども、そういう大事な大事なものを保存していくためのジャパンイニシアチブというものをしっかり発揮していただきたいなというふうに思っておりますので、この協定について、最後に大臣の御決意を聞かせていただきたいというふうに思います。
  18. 河野洋平

    河野国務大臣 議員も十分御理解をいただいておりますように、何としてもこの資源保護しなければならない。我々の時代にとり尽くして、食べ尽くしていいというものではありませんから、何としても資源保護ということをやらなければならない。そのために多くの国が集まって本協定もつくって、そしてつくった以上はこの協定実効性のあるものであるように努力をしよう、こういうことでございますが、先ほどから議員がしばしば御指摘になります、例えば台湾をとってみても、台湾はこの協定に定める受諾条件を満たしていないということもあって、この協定締結することができないという状況でございます。  したがって、これはある意味では、この協定についてだけ考えると、この協定の外側になってしまうというような状況でもあるわけです。協定に入らない国もあれば、協定受諾条件を満たさないということもあって、この協定世界の海を全部コントロールできるかというとなかなかそうはいかないという非常に難しいところもあるわけでございます。しかし、そこは、主要国がこれに参加をして、そして今お話しのように、良識を持って資源保存とか資源の有効な活用とか、そういうことに臨まなければならないのだろうと思います。  お互いにマグロ好きではありますけれども、おっしゃるように、ホンマグロ値段の高さなんというものは、朝のテレビのニュースなんかで見るとびっくりするような高い値段を言われて、あんなものはとても口には入らぬなと思うことがしばしばでございますが、やはり安ければみんなとって食べてしまうから高い方がいいのだという説もありますけれども、それはなかなかそういうものでもなくて、適正なルールをもって適正な漁獲が行われるということのために、先ほどお話がありましたように、水産庁としても国内的にはいわゆるいろいろ指導をしておられるわけでございますが、私ども外務省としても外交努力を大いにやらなければいかぬというふうに思っております。懸命の努力をいたします。
  19. 川内博史

    川内委員 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。  続いて、モントリオール条約の関連の質問に移らせていただきます。  この条約の一部は、航空機事故で人が亡くなった場合の賠償金に関するものでありますけれども、人の命の値段というのは国によって違いますし、また、一人一人の生活によっても大きく異なるわけでございます。もちろん、どんな国の人であれ、どんな生活をしていようが、命のとうとさというのは非常に重いもので一緒なわけですけれども、それを金額に換算するということになると、いろいろな状況でその違いが出てくるわけでございます。  そこでお聞きしたいのは、この条約で、事故が起こった際、被害者や遺族の居住地からの訴訟が可能になったというふうに聞いておりますけれども、しかし実際には、非常に手続が複雑だったり、あるいは時間がかかったりして、結局は賠償請求が困難になってしまうという問題が生じるのではないかなというふうに思うわけでございますが、この辺の懸念について御回答をいただきたいというふうに思います。
  20. 小松一郎

    小松政府参考人 お答え申し上げます。  委員の御質問のとおり、航空機で悲惨な事故が起こった場合の賠償等の問題でございますけれども、もちろん示談とかそういう話し合いもございましょうけれども、最終的には裁判解決をするという道を開く必要があるわけでございます。  そこで、委員の御指摘にございましたように、従来の我が国締結しておりますワルソー条約では、事故が起こった場合に、条約に基づく損害賠償を起こし得るその裁判所四つのところに限られておりました。運送人と申しますか、航空企業住所地裁判所、それから主たる営業所のある裁判所、それから運送契約締結した、したがいまして切符を買ったところでございます。それから到達地裁判所、ここの四つに限られていたところを、今御承認を求めておりますモントリオール条約では、旅客の死亡、傷害による損害についての訴えは、これに加えまして、一定条件のもとではございますけれども、事故発生当時の旅客の主要な、恒常的な住居地、例えば、日本の方が外国航空機にお乗りになりまして事故が起こった場合に日本裁判所裁判を起こし得るということになったわけでございます。  もちろん、訴訟でございますので、なかなか手続的に困難な、易しいものではございませんけれども、今までは、例えばそういう方が外国裁判所で起こさなければならなかった訴訟日本裁判所で起こすことができるようになったというわけでございますので、比較いたしますと、そういう意味旅客の方の保護につながるのではないかというふうに考える次第でございます。
  21. 川内博史

    川内委員 ありがとうございます。  おっしゃられればなるほどなというふうに思うわけでございまして、旅客保護のために万々が一のときには十分な補償が受けられるようにしていこうという方向性は、私もそのとおりだというふうに思うわけでございます。  しかし、賠償について、結果的に無過失責任となった場合に航空会社は非常に莫大な賠償金を払わなければならない。そうすると、高額な保険をつけて飛行機を運航するということが必要になるわけでございまして、結果として航空運賃の上昇につながったりするおそれがあるのではないかなというふうに思うわけでございますが、もともと日本の航空会社というのは非常に運賃が高いわけでございまして、もともと高い運賃にさらに保険をつけるためにそのコストを上乗せされたら、さらに高い運賃になってしまうというおそれがあるのではないか。また、海外の航空会社も、この条約に加盟をしてくるとすれば運賃の上昇につながるのではないかというような懸念があるわけでございます。  この辺の実態的なことに関して、せっかく航空局長に来ていただいていますので、航空局長さんに実態を御説明いただいた上で、大臣に、最後、運賃にはね返らせるようなことはない、それは心配するなという強いお言葉をいただいて、私の質問を締めくくらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
  22. 岩村敬

    岩村政府参考人 無過失責任をとった場合に、コストが上がり、さらに運賃へ影響があるのではないかという御指摘でございますが、現在、我が国発着の国際線を運航する航空企業のうち、日本企業各社、そして主要国の企業は、既に、自主的に約款を改正することによりまして無過失責任主義を採用しているところでございます。したがいまして、これらの企業につきましては、今回の条約の発効に伴って保険コスト、さらには運賃が上昇するという影響は生じないのではないか、そういうふうに考えております。  他方、現在、無過失責任を採用していない国、航空会社でいうと、タイ国際航空とかエア・インディアとかアエロフロートとか中国の航空会社とか幾つかございますが、こういった外国航空企業につきましては保険を掛けるということで保険コストが上がる、これは当然想定がされるところでございます。  しかしながら、運賃との関係でございますが、現在、各国の航空企業間の競争が非常に活発でございまして、国際航空市場において運賃は市場の動向に左右される、そういう傾向にございます。したがいまして、保険コストのように一部のコストの変化がそのまま運賃に反映されるという可能性は、現在のところ少ないというふうに我々は考えているところでございます。
  23. 河野洋平

    河野国務大臣 この協定自体が消費者の利益を保護するということを目的にしているわけでございます。その消費者の利益保護を目的とする本協定が、議員が御心配のように、運賃の値上がりということで消費者に最も不利益をしわ寄せするようなことがあってはこの協定意味がないという御指摘は、私もよく理解できます。  今、運輸省から御答弁がございましたように、空の自由化と申しますか、航空機の競争は大変活発でございますし、また、利用者の数の増大ということも十分これから先さらに見込めるということも考えますと、そうした営業努力等もあって、委員の御心配はそう深刻な心配とはならないであろうというふうに考えすし、これが理由で運賃の上昇ということになることは、本来のこの協定の目的ではないわけでございますから、その点は運輸省も十分承知の上で指導もするであろうというふうに考えます。
  24. 川内博史

    川内委員 ありがとうございました。終わります。
  25. 井奥貞雄

    井奥委員長 次に、松本善明君。
  26. 松本善明

    松本(善)委員 外務大臣にまず伺います。  この協定公海における保存管理措置遵守促進協定、これは漁業資源管理保存実効性を高めるために当然のことで、私たちはもちろん賛成なんです。ただ、もう既に議論になっていますように、この実効性の問題があって、マグロ漁業の関係者は非常に深刻な状態に今なっております。  それで、今も、台湾との関係は協定外になるというお話もございましたし、便宜置籍船はさらにその外になるというようなことになるものですから、いわば大穴があいているわけですね。その穴はどうやって埋めるかということが課題だと思うんです。  それで、台湾でも実際に報道もされ、関係者から聞きますと、廃船するのに八千万というような、買った値段の三倍ぐらい吹っかけてきているとか、減船だといっても、実際上は増船計画を出してきているとか、ちょっと話にならぬというのが漁業関係者の話ですよ。  それで、私は、やはり日本としては相当の決意を持って臨まないといけないんじゃないか。この協定の前文では、アジェンダ21が、自国民が船舶の国籍を変更することを抑止するため、国際法に合致する効果的な措置をとるよう要請しているということを述べ、それから、カンクン宣言も同様の要請をしていることを述べているんです。  これはやはり、この条約の批准を政府として国会に求めるということは、この便宜置籍船の根絶を目的としてやるんだということだと思いますが、外務大臣、そうでしょうか。
  27. 河野洋平

    河野国務大臣 先ほども申し上げましたように、本協定の目的でございますけれども、公海における保存管理というものをしっかりやろうということがこの協定の目的でございまして、そのために現在の状況を改善する努力というものがなされなければならないと思います。  議員もおっしゃいましたように、現在の状況は、やはり水産資源保護という意味からいっても非常に深刻な状況でございますし、水産業を営む方々にとってもやはり大変つらい状況になっておる。他方、消費者の側から見ればまた別の状況もあるかもしれないということも言えるとは思います。  しかし、いずれにしても、正しいルールで次の世代にまで資源保存するということは最も大きな、大事な仕事であろうというふうに考えておりますので、私どもは、少なくとも現状を一歩でも二歩でも前進させるということを考えなければならないと思います。
  28. 松本善明

    松本(善)委員 ちょっと消費者のことがお話に出ましたけれども、御存じと思いますが、乱獲をそのまま許していくと鯨の二の舞になるというのがマグロ漁業関係者の心配なんですよ。とれなくなると。実際に、ミナミマグロについての調査漁獲について、ニュージーランド、オーストラリアが、国際法違反だということで国際裁判になっているでしょう。ですから、やはりこれを本当に規制をして便宜置籍船の乱獲を禁止して、そして人類の資源保護のために日本は相当な役割を果たさないと、それこそ先ほどから言われているとろなんか食べられなくなっちゃう。それは、そういう危険がある問題なんですよ。私は、そこを認識して、どうやるかということを真剣に考えないといけないと思う。  そこで、外務大臣に伺いますが、そうすると、アジェンダ21もカンクン宣言も要請しているように、加盟国にとって実効ある措置をとるということ、これが大事なわけで、日本は刺身マグロの主要消費国で、少なくとも刺身マグロ、高級な刺身マグロに関して言うならば、先ほどお話がありましたが、日本がもし輸入規制をきちっとやれれば、便宜置籍船がとっても日本が買わないということになれば、これはできないんですよ。  このことはみんな知っているから、例えば国際水産団体連合会、ICFAも、日本政府を名指しで、日本政府はFOC漁船便宜置籍船漁獲したマグロ輸入を一切禁止するための効果的な措置をとることを要請している。日本政府がやってくれればいいんだ、こう言っているんですよ。関係者によりますと、台湾日本政府ができっこないと思って、日本がやってくれればいいんだ、こう言っているというんですよ。  私は、日本政府輸入規制について果たす役割というのは非常に大きいと思います。それについてはいろいろおっしゃりたいこともありそうな顔をしていらっしゃいますが、そこへ入る前に、日本が買わないということになれば、それについてのいろいろな問題はあるかもしれないが、買わないということになれば便宜置籍船がとっても売れないんだから、これは一番有効な措置ということになるのではありませんか。その点だけ。条件については、いろいろな問題については後からお聞きします。
  29. 河野洋平

    河野国務大臣 横道にそれるつもりは全くありませんけれども、消費者の問題というものを別にしてと議員おっしゃいますから、私もそのつもりで、実は消費者にとってみれば、私は決していいことだと申し上げているのではありません。いいことだということを申し上げようとしているのではありません。一時的には消費者にとって大変値段が上がるとかいう問題は起こるかもしれません。しかし、そういう問題を今ちょっと横に置いてと議員おっしゃいますから、私もそれは横に置いてお話をしたいと思います。  要は、やはり良識ある自主規制というものが最も望まれるということなんだと私は思います、非常に簡単に言えば。しかし、それができなければどうするかという問題なんだろうと思っております。
  30. 松本善明

    松本(善)委員 これは鹿児島の鰹鮪漁協のつくったものですけれども、便宜置籍船のリストですよ。水産庁はこれを調べて、ホームページで発表している。だから、便宜置籍船がどういうものかというのは全部わかるわけです。ここから買ったということも、水際で調べる限りは全部わかるはずです。すし屋さんのところまで行けばどこがとったかというのはちょっとわからないかもしれないが、水際では絶対わかるはずなんですね。  それをやった場合、このポスターには海賊船と書いてあります。朝日新聞は、便宜置籍船のことを「ドロボー船」と書いています。だから、いわば泥棒のとったものを取引するのは、日本の国内では盗品の取引、贓物故買罪になるんですね。盗品が安いのは当たり前なんですよ。  だから、やはりそれはなくす方向にあらゆる努力をする。多少値段が一時的に上がっても、これは共同の、将来的に見れば、日本人がマグロやとろを本当に食べられるかどうかという問題になるわけですから、盗品取引をストップするということによって一時的にマグロ値段が上がったとしても、これはやらなければならない。そういう方向努力、これが必要だというふうにお考えかどうか、お聞きします。
  31. 河野洋平

    河野国務大臣 一つは、やれるかどうかという問題がございますから、一概にそうすべきだというふうに私は申し上げませんが、したがって、先ほどから自主的な規制ができればということを繰り返し申し上げているわけです。  これはもう議員もよくおわかりの上で言っていらっしゃるようでございますから、あえて申し上げますけれども、さっき議員が引用をされましたアジェンダ21あるいはカンクン宣言、これらは本当に資源の問題について非常に明快に、その前文といいますかで述べております。  しかし、このアジェンダ21もカンクン宣言も、便宜置籍船漁獲物に対する貿易制限措置をとれというところまでは書いていない、明記していない。それは、明記していない理由があるからなんだろうと思います。そこはやはり、我々にとって考えなければならないところだと思います。  繰り返し申し上げますが、私は、やはり水産資源保存ということが重要で、その保存のために我々がやれることはできる限りやらなきゃいけないと思っています。ですから、先ほど水産庁からも御答弁がありました。私からも申し上げましたように、国内的にも十分な指導が必要だと思います。商社に対する指導も非常に重要だと思いますし、それから、我々外務省としても、外交努力といいますか、外交政策上の努力も必要だというふうに思っておりまして、そうしたいろいろな努力が相まって水産資源保存されるということが何より大事なのではないかと思います。
  32. 松本善明

    松本(善)委員 それでは水産庁長官に聞きますが、今、河野外務大臣から、いわば政府を代表してかなりの決意が、まず、あらゆる努力をしていくという方向の決意は表明されたと思うんです。その立場に立って、水産庁として、便宜置籍船マグロを買わないようにするということを含めて、どういうふうにしてそれをやっていくか。これを根絶しなきゃならない、泥棒船ですからね。  それで、泥棒船というのは言葉はきついけれども、ICCAT決議では、違法、無報告、無規制便宜置籍船、これは簡単に言えば泥棒船とか海賊船ですよ、既にそういうことが言われているんだけれども、これをどうやっていこうとしているか。話も先ほど出ましたが、四年前の議員立法、まぐろ保護法でやっていると思いますが、それによる努力、並びに、場合によってはそれを改正する、そして輸入規制まで含めてどういうふうに持っていったらいいか。その計画を、水産庁の方針は私はある程度知っています、だけれども、この議場に簡潔に報告するつもりで話してください。
  33. 中須勇雄

    中須政府参考人 私どもも、便宜置籍船というのが国際的な資源保護ということの抜け道をつくることによって資源に大変重大な影響を与える、これの根絶に向けてできる限りの努力をしていかなければならない、こういうふうに基本的に認識をしております。そういう観点に立ちまして、もちろん、現行のさまざまな貿易上のルールなり制度あるいは法律というものがあるわけでありまして、それにのっとった形でまた進めていかなければならない、こういうことも事実であります。  このため、現在、私どもとしては、まず第一に、ICCATあるいはIOTC等で便宜置籍船からマグロを買うのをやめようではないか、こういう決議がなされたということを背景に、我が国輸入業者に対し、こういった船、先ほど先生お話しのとおりリストが公開されております、私ども公開いたしまして、そこから買わないように、こういう行政指導、しっかりとした文書をもって各輸入商社にお願いをするという形での指導に努めているところであります。そして、先ほど申しましたように、かなりの大手の商社からは協力する旨お答えが来ている、こういう状況であります。  それと同時に、もう一つ、やはり現行のまぐろの保存のための特別措置法、これはさまざまな議論の末、議員立法でおつくりをいただいたわけでありますが、これを活用して、大西洋クロマグロであるとか、それから今もう一つ話題になっておりますのは、大西洋のメカジキについても、今ICCATでその資源を適正に利用していないという国の名前が特定され、改善勧告等がなされております。これに従って、これは規制ができますので、輸入禁止を必要なものについては実施していく、そういう硬軟両様というか、できる限りの措置をもって便宜置籍船の廃絶に向けて努力をしていきたい。  中でも、特に台湾についてはやはり個別に議論していかなければならないということで、業界ベースではございますが、台湾船主便宜置籍船については、その問題としてどういうふうに処理をしていくのかということを議論させていただいている、こういう状況であります。
  34. 松本善明

    松本(善)委員 外務大臣水産庁長官にも聞いてもらいたいが、四年前にまぐろ保護法ができてからもいわば実効が上がらないのですね。いろいろ努力しておられることはわかる。だけれども、外務大臣も認められたとおり、穴があいているわけですよ。その穴をどうふさぐかというのが、日本が買わないようにすることだというと、そこまではみんなわかってきているのですよ。これをどうするかという問題。  それで、このまぐろ保護法ができるときに、これは同僚議員の宮路和明さんがいろいろ努力をされたようで、その経過を書いていらっしゃいます。これは全会一致の議員立法だったから、議論は余り国会でされていないのだけれども、唯一の記録はこれだと思うのですね。宮路さんの本ですよ。  それによると、これは通産省には多少異論があるらしいのだけれども、通産省との調整が難航をきわめたというのですね。その理由は三つあるが、一つ外国為替貿易管理法でやる。これはまあ入っているのだけれども、一つはWTO違反になる、もう一つは魚介類のIQ制度、輸入割り当て制度に影響を及ぼす、こういうことが挙げられているようなんです。聞くところによると、マグロはIQの対象にはならぬということなので、この第二は初めから問題にならぬと思うのですが、違っていれば、水産庁長官なり通産省でもいいけれども、答えてもらいたい。  それで、私は問題は、WTO協定違反になるのかどうかということ。これは私は、さっきも言いましたように、泥棒船、海賊船でしょう。ICCATも違法、無規制、無報告だと言っている。口をきわめて国際機関が非難をしている。そういう違法な操業を守るようなことはWTO協定はあり得ない。そんなことがWTO協定違反になるなんということは絶対あり得ない。それなら断固として日本は闘うべきだ、こう思うのですよ。  これができたときには、本当はもっと徹底したものにしたいというのが、水産業界やあるいはその要請を受けた議員皆さん要求だったと思うけれども、それができなかった。商社に対してはいろいろな要請をしているというのだけれども、業界ではどう言われているかというと、ダミーがやっているというのですね。なるほど、名前は出してやれないところがあるだろうが、ダミーがやっている。それが本当かどうかは別として、この商社、小さい商社であってダミーでないという場合もあるかもしれぬが、しかし、それが輸入した場合には国内で処罰をされる。日本輸入しなければ、とっても売れないのですから、日本が買わない、買った場合には処罰をする。国内法でそれが何でできないのか、どこが隘路なのかということを御説明いただきたい。  これは、一応水産庁かな。私の直接聞きたいことは、これは禁止をしようと思えば、今の法律は国際機関の勧告に基づいてということですよ、それは承知の上だが、ここは立法機関ですから、今までの法律を改正するということも検討の対象になるわけです。あるいは、もっと徹底したものにするということについて障害があるのかどうか、聞きたいと思います。
  35. 中須勇雄

    中須政府参考人 私ども、先ほどもお答えいたしましたように、平成八年にマグロのこの立法が議員立法で行われたときに、さまざまな議論がその立案過程であったということは承知しております。ただ、最終的にその段階での結論として、先生方を含めて御議論の結果現在の法律ができ上がっている、こういうふうに認識をしておりますので、現在の法律を最大限活用するということと同時に、それを超える部分については、できる範囲で行政指導で対応していこうということで臨んでいるというのが、今の私どもの状況でございます。
  36. 松本善明

    松本(善)委員 水産庁長官としては、やはりその程度でしょうね。だけれども、やはり外務大臣としては、もう一歩進めて答えられると思うのですよ。(河野国務大臣「通産省に聞いたらどうですか」と呼ぶ)いや、通産省はこれから聞くんだ。一番最後だから、これは後で聞きますがね。  やはり、四年間の実績によって、これはこれだけではだめだということが証明されているのですよ。それから、現行法に基づいて国際的な手続をやっていくということになると、便宜置籍船協力国に対して、条約に入れ、それで条約を批准しろ、それを全部やっちゃうからいつになるかわからぬ。その間に乱獲で資源がなくなっちゃう。あり得るのですよ。これは緊急を要するのです。  それで、私は、率直に言って、これも批准をしてから七年でしょう。何でこんな七年もほっておいた。これは外務省の怠慢だと思いますよ。こんなものは調印した途端に批准をしてやっていかないと、国際関係に、日本だって、何より日本が本当は反対なんじゃないか、日本商社が反対なんじゃないか、こう見られているのですよ。そこが問題なので、一体、WTO協定に違反するというのはどこの国が違反すると言うのだ。便宜置籍船から、泥棒船から買うのを規制するのに、それが違反だとどこの国が言っている。そのことも含めて、外務大臣、この法律を改正も含めてもう一歩進める、それが必要ではないか。必要ならば、この法律に基づいて三省の協議も要るかもしれませんね、農水省とそれから通産省の。  私は、ここで成案はまだちょっと無理かもしれませんよ。だけれども、外務大臣の決意ですよ。どうなんだ、これを一歩進める決意があるのかどうかということも含めて、私の言ったことにお答えいただきたい。
  37. 河野洋平

    河野国務大臣 大変いろいろなことをおっしゃるので、十分御答弁ができるかどうかわかりませんが、まず最初に議員は、仕事が遅いじゃないか、なぜこんなに何年もほっておいたのだ、こういうことをおっしゃられたわけでございます。確かに私も、平成五年に採択されたものでございますから、もう七年もたっているわけで、これは大変御指摘は、私ももっと早くやるべきだというふうに思います。思いますが、しかし、担当者の話を聞いてみると、これはなかなか難しい。  この問題は、例えば国連の海洋法条約、それから日韓、日中の漁業協定、あるいは漁業秩序の形成、いろいろなことに漁業国としての我が国は取り組まなければならないわけでございまして、漁業国の中でも極めて責任の重い、大きな責任を有する国としていろいろなことをやっていて、そして相手先の対応ぶりというものも見なければいかぬ。それから、国内関係者の要請というものもよく聞かなきゃいけないということなどがあって若干おくれた、こういうことでございますので、この点はぜひ御理解をいただきたいと思います。  それから、一番の問題は、一つは、積極的に実効を上げるためにまぐろ法を改正するということができるかどうか、こういうことでございますが、これは先ほど水産庁御答弁になりましたように、少なくとも現行法であれば今本当に最大限の努力をしていると言っていただいていいと思いますが、このまぐろ法をもう一歩進めるかどうかというのは国際機関による取り決めというものをどう見るかということに尽きていると思います。つまり、WTO協定との整合性をどうするか。  議員は、WTOはこういうものを認めるはず、こういうことをやってもWTOはとやかく言うはずはないよ、こういうふうにおっしゃいますが、そこはなかなかそう簡単ではないのでございまして、WTO協定では数量制限の一般的廃止というものを決めております。  それから、有限天然資源保存に関する措置については、WTO協定上の義務の例外とされていまして、マグロ輸入制限措置はこの例外規定を援用して行われるということになっております。しかし、こうした輸入制限措置を導入するためには、WTO協定上幾つかの条件があって、例えば、当該措置を差別待遇の手段となるような方法で適用してはいけないとか、国際貿易の偽装された制限となるような方法で適用してはいけないとか、いろいろあるわけでございます。したがいまして、国際機関の勧告などを経ずに一方的にマグロ輸入禁止を行うような場合には、これらの条件が満たされるか否かについては相当慎重に検討する必要があるというのが私どもの見解でございます。  そこで、それでは何もしないでじんぜんとこういう状況を見ているのか、こういうふうに議員からおしかりをいただくだろうと思いますが、先ほども御答弁を申し上げましたように、私どもはただ手をこまねいているつもりはございませんで、まず最初に、この協定にできるだけ多くの国に参加をしてもらうこと、そしてその国にはこの協定をきちっと守ってもらう、さらには、この協定実効性を高めるために、先ほどから議員が問題として提起されております秩序を乱す行為、そういうものがなくなるように、これは外交的な努力を含めて我々としてできるだけの努力をしていかなければならない。  一方的な輸入禁止措置ということでばっさりとけじめがつくというものであるならば、私どもはそれはそれで十分考え意味があると思いますけれども、なかなかそう簡単ではないだろうと思いますだけに、我々、外交措置さらには水産庁の指導というものをあわせてこの問題を解決したいというふうに考えております。
  38. 松本善明

    松本(善)委員 もう時間がないので簡単に言いますが、外務大臣の御努力をいわば支援する意味でというか、これは外国は文句を言っていないんですよ。一番言うのは、輸入をしてもうける日本輸入者です。大手は自粛すると言っているけれども、それは現場の漁業関係者は信用していないんですよ。だから、魚市場がなくなるぞとか、それから関連業者の撤退が始まっているんですよ。関係業者はよく見ています、どこが問題なのか。  私は、WTO違反であるという国があったら挙げてもらいたい。日本です。台湾の背景には日本があると言われている。だから、日本政府が断固としてこれはやめるという方向をとるならば、少なくも刺身マグロについてはストップできる。  私は、時間がないのでこれ以上できませんけれども、外務大臣が、きょうの質疑を契機として、三省で協議をしてこれの根絶のための方策を立てられることを強く要請して、最後に航空協定の方の質問だけまとめて言わせていただいて終わりにいたします。大変恐縮ですが、委員長、よろしくお願いします、まとめて申し上げますから。  一つは、この航空協定ももちろん賛成なんですが、若干お聞きしたいのは、この間ありました、羽田空港で空港のチェックをかいくぐって刃物を持ち込んでパイロットを死亡させた事件、これに無過失責任は適用されるかどうか、それとも、賠償請求者の不当な作為として航空会社の責任を免れる余地を残すことになるのかどうか、この問題はどうなのかということが一つ。  それから、十八条の貨物の損害に関する規定で、第二項は、戦争行為または武力紛争の場合は貨物が損害を受けても運送人は責任を免れることになっているが、戦争行為及び武力紛争はそれぞれどういう定義で使用されるのか、この条約の適用開始はそれぞれどういう状況からとされるのかという点。  それから、この間できましたガイドライン法では、アメリカが地域で武力紛争を行う際に、日本は民間航空機協力を行うということになっています。日本政府の主観は別として、米軍の武力紛争を支援するとしてアメリカの交戦相手国から攻撃をされることが理論上あり得るわけです。そういう場合は、日本政府の責任あるいは協力要請にこたえた航空会社の責任はこの条約の適用上どういうことになるか。  この三点、お答えいただいて、質問を終わります。
  39. 河野洋平

    河野国務大臣 時間が過ぎておりますので、ごく簡単に申し上げたいと思います。  議員の御質問の第一は、御指摘のような事件に起因する場合であっても、無過失責任による賠償責任を負うことになります。  第二の問題は、戦争行為または武力紛争云々ということの定義いかん、こういう御質問でございましたが、具体的な定義はございません。条約採択会議においても、この問題については議論をされたというふうに聞いておりません。  第三の問題は、議員は周辺事態法に触れてのお尋ねでございますが、議員がおっしゃるようなことは国際法上起こり得ることはあり得ない。不測の事態が起こり得る状況において国以外の者に協力を依頼することはないということは、小渕総理でございますとか高村前大臣、しばしば御答弁を申し上げているところでございまして、そうしたことはあり得ないというのが私ども申し上げる……。
  40. 松本善明

    松本(善)委員 若干納得できない点もありますが、これで終わります。
  41. 井奥貞雄

    井奥委員長 次に、伊藤茂君。
  42. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 予定時間も出ているようですから、短い時間ですが、二、三、質問をさせていただきます。  まず一つは、国際航空運送規則に関するモントリオール条約締結あるいはワルソー条約の改正、空にかかわる問題であります。  それぞれその内容を読んでみますと、改善措置でございますから、この二つの条約につきましてはもちろん賛成をしていきたいというふうに思います。  それを前提にした上で、空のことに関連をいたしまして、きょうは航空局長も来ていただいておりますから、まず伺いたいのですが、日本の空港あるいは航空の管理にかかわるこれからの時代の大きな問題として、空港整備の問題があると思います。いろいろな雑誌などに、空港ウオーズ、空港戦争という報道があったり、そんな本が出たりしておりまして、アジア太平洋地域でも巨大なハブ空港があちこちの国で建設をされる。日本の場合に、そういう状況の中でこれからの時代、安定した国際航空の任務ができるだろうかという議論がございました。  航空局長に、大体のことはあなた方と随分前にも一緒に勉強した仲ですから、ごく簡単にその後のことを伺いたいのですが、二十一世紀初頭、二〇一〇年か二〇年かは別にいたしまして、大体今の計画で今日の状況で大丈夫なんだろうか、関空の二本目の問題、中部の問題、成田の二本目の問題などなど踏まえてどうなんだろうかという判断、それが一つですね。  二つ目は、特に首都圏の問題でございまして、羽田の国際化の話題と成田の関係などさまざま議論がございますし、第三空港についての検討も始められているというふうに伺います。首都圏ですから、一番出入りが多いわけですから、やはり私は、総合的、包括的な視野からそれらをどう政策に変えていくのかという何らかの方法を考えるべきであろうというふうに思いますが、そういう問題。  それから三つ目には、いずれにしろやはり大きな事業をしなければなりません。日本の空港使用料が高いというのは国際的な評判でございますし、そういうことを考えますと、それについての財源それから財政措置などをどう改革し、工夫していくのかということも大事であろう。公共事業一般論につきましては、野党の一員として、大改革をすべしと思っておりますが、こういう国家的に必要なものというのは、国の将来の発展のためにやはりやらなくちゃならぬ。  細かいことは別にいたしまして、それらにつきましてどういう御判断で進んでいるのか、航空局長、ちょっと説明してください。
  43. 岩村敬

    岩村政府参考人 空港整備の問題でございますが、我々今、二十一世紀を見据えて空港の整備を始めております。  特に、国際交流の基盤として重要な役割を果たす、そして国内航空のネットワークの核となるいわゆる大都市圏の拠点空港、これは絶対的に容量が不足しているというふうに我々判断をしているわけでございます。  したがいまして、二十一世紀の初頭に向けて、一つは関西空港の第二本目の滑走路の整備、現在工事を進めております。また中部圏におきましても、現在の小牧空港、容量がいっぱいになってきております、また二十一世紀に向けてパンクをしてしまうということもございまして、現在、現地着工に向けて鋭意作業を進めているところでございます。御承知のように、漁業補償等で若干手続が前に進んでいないことがございますが、できる限り早く現地での着工ができるように努力をいたしているところでございます。  それから、御指摘の首都圏の問題でございますが、この首都圏の空港、御承知のように、例えば成田空港一つとっても、現在五十にも上る国から乗り入れを希望されたり、また増便を希望されておりますが、こたえられない、滑走路一本で限界まで運用をしているという状況でございます。そういう中で、昨年の十二月に、暫定という形ではございますが、二本目の滑走路に着手をいたしたところでございます。  また、首都圏の国内線の拠点でございます羽田空港につきましては、去る三月に横風用のB滑走路の改修といいますか移設が終わりまして、当初計画いたしました羽田空港の沖合展開事業、無事供用に至りました。  この機に空港の管制の容量というものもあわせて見直しまして、国内の定期便で一日当たり五十七便の増便をできる、そういう形になったわけでございます。  しかしながら、羽田空港、今回の増便の各航空会社への割り振りを見ていましても、こちらから出せるものと要望とで非常に大きな差がありまして、やはり要望の方が非常に多い、まだまだ容量が足りないというような状況にございます。  我々としては、羽田の容量拡大で一息ついてはおりますが、また二十一世紀初頭にはこれが供給不足になってしまうというふうに考えております。したがいまして、先生御指摘の第三空港の問題、これに早急に取りかかっていかなければいけないものだと思っております。  ただ、一口に第三空港と申しましても、騒音問題もございます。また、空の容量の問題もございます。さらには、空がすいていて騒音問題がないとなりますと、今度はアクセスの問題が逆に不便になってしまうということもございます。そういったことから、総合的にどういうところにつくればいいのか、こういった議論を今鋭意進めておりますが、人口が大変多い、そして狭いこの首都圏の中で、その適地を探すのは非常に困難な作業になっております。  しかしながら、やはり首都圏が今後とも発展していくためには、三番目の空港というのはぜひとも必要だと考えておりまして、着工へ向けての作業を、二十一世紀、鋭意進めてまいりたいというふうに思っております。  それから三番目の、空港整備に当たっての財源の問題でございますが、これは先生御承知のように、空港の整備財源というのは、現在、空港使用料等の空港利用者の負担そして一般財源等国民の負担により賄われているわけでございますが、日本の場合、国土、環境の制約によりまして建設に多額の資金を要すること、これはよく御承知のことだと思います。そういうことでございますので、御指摘のとおり、今後、利用者負担だけでは財源の確保というのは難しくなってくるだろうというふうに思っております。  今後とも、当然のことながら、事業の重点化、効率化は図ってまいりますが、今申し上げたような、緊急に整備をしなければいけない大都市空港、拠点の空港につきまして、その空港整備財源の確保について全力を挙げて取り組んでまいりたい、そういうふうに考えております。
  44. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 いずれにしても、お話を伺っても大事な点ですから、一層の努力をして頑張ってください。  大臣に御感想を伺いたいのですが、四年前でしたか、前の大統領の時代にソウルに参りまして青瓦台へ参りました。会談の話なんかは別にして、青瓦台へ参りましたら、青瓦台の正面玄関のホールに新金浦空港の大きなモデルがケースに入って置いてございまして、電気をつけると、四千メートル滑走路四本でしたか、これが我が国の玄関です、同時にアジアの玄関にもなるでありましょう、こういうような説明を聞かされました。お国ぶりがそれぞれございますから、国家的プロジェクトとして強力にやる。コスト、そういうのは日本とは随分違いますし、事情がございます。  それから、川崎さんもいらっしゃいますけれども、大臣当時、運輸を担当していた当時、よく外国の関係者がお見えになりますと、関空に着いて参りました、成田空港に着いて参りました、滑走路が一本しかありませんね、あれが壊れたらどうするのですかという質問をいたしまして、いや、壊れないように大事に使って、二本目をやっておりますとかいう話をしていたのです。  やはり国際国家としてこれからを考えますと、財政的その他さまざまな制約条件もございますけれども、この数年の経過というのは、日本は非常にハンディをしょってしまっている。何か積極的な努力をしなければならない、それが大国際交流時代の新世紀に備える道ではないだろうか。  どういう御感想をお持ちでしょうか。
  45. 河野洋平

    河野国務大臣 国際化時代にふさわしい玄関口を整備するということは、何も一つと限らないわけでございますけれども、最も重要なことだと思います。  運輸省が、昨今、海外へ出ていく人はたくさんいるけれども外国からのお客様が極めて少ない、海外から日本を訪問する人たちをもっとふやしたいということを考えられて、非常に積極的にこの問題に取り組んでおられますけれども、まさに、そうした問題を考える上では空の玄関口の整備というものは重要なことであろうと思います。  大都市圏周辺におきます空港の整備というものはやはり我々は極めて重要と考えますのは、外務省におりましても、世界各国から航空協定締結しようという御要請は相当たくさんございますけれども、とにかく物理的に我が方は、協定は結んでもそれが実行できないよというようなことでちゅうちょしているという状況もございます。  私は、こうした問題を解決して、より国際社会あるいは国際時代にふさわしい我が国のあるべき姿をつくっていくためには、空港整備というものは極めて重要である、そう考えます。
  46. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 もう三分ぐらいしか時間がございませんから、先ほど来話があった便宜置籍船の関係とか関連条約など議論したい点があるのですが、若干勉強したのですが、それはもう省略をしまして、残った時間、航空局長にもう一つ聞きたいのです。  空のルールとか空の管理とかいうものに関連いたしまして、さまざまな問題がございます。もう大分前になりましたが、私の家の近くでも、厚木からの米軍の戦闘機墜落事件がございまして、死亡事件がございました。それを悼む碑なども最近つくったりして、行ってまいったのですが、このとき勉強した、やはりブルー14とか、空域の問題がございます。米軍との関係ですね。なかなか改善されないという戦後の経過をたどっております。  それは別にいたしまして、一つだけ航空局長に聞いておきたいのは、普天間移転に関連をして、具体論その他のことは今後のことですから一切申し上げません。ここで論争いたしません。一般的ルールの問題として、十五年問題とそれから軍民供用という問題がございます。  軍民供用で空港がつくられてスタートをするという前例は恐らくないだろうと思いますが、もしあった場合、考え方として、軍のルールと目的はあると思いますが、民の場合は、それが二種であろうと三種であろうと、それにふさわしい日本国際ルール、それから航空機とか航空会社への管理などを含めました日本の航空法にふさわしいルールというものに基づいて協議がなされる、また具体化がなされるということは当然のことだろうというふうに思いますが、それらはどうお考えになりますか。
  47. 岩村敬

    岩村政府参考人 普天間の代替空港の具体的な中身については、今まさに先生おっしゃるように政府内で議論をしておるところでございまして、今どういう形ということは申し上げられませんが、一般論で申し上げまして、軍民供用空港の利用を含めまして、民間機については当然ながら航空法の適用がございます。ただ、米軍が管制業務を実施している場合、その管制業務は日米地位協定に基づきまして米軍がやっておるわけでございますが、その管制方式は我が国と同様、民間航空機関、ICAOの標準に準拠したものでございます。  また、現在民間機が乗り入れております軍民供用空港、三沢とか幾つかございますが、ここの管制業務について見ますと、航空法に基づきます運輸大臣の権限が防衛庁長官に委任されている、そういうケースがございます。こういった場合については、当然のことながら、航空法に基づいて管制がされるということで、民間機に対しても航空法の適用があるという状況が現状でございます。
  48. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 いろいろお聞きしたいところですが、時間ですから終わらせていただきます。
  49. 井奥貞雄

    井奥委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  50. 井奥貞雄

    井奥委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  まず、保存及び管理のための国際的な措置公海上の漁船による遵守を促進するための協定締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  51. 井奥貞雄

    井奥委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、国際航空運送についてのある規則統一に関する条約締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  52. 井奥貞雄

    井奥委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、千九百五十五年九月二十八日にヘーグで作成された議定書により改正された千九百二十九年十月十二日にワルソーで署名された国際航空運送についてのある規則統一に関する条約を改正するモントリオール第四議定書締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  53. 井奥貞雄

    井奥委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 井奥貞雄

    井奥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  55. 井奥貞雄

    井奥委員長 次に、就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件及び社会保障に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  政府から順次提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣河野洋平君。     —————————————  就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件  社会保障に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  56. 河野洋平

    河野国務大臣 ただいま議題となりました就業が認められるための最低年齢に関する条約(第百三十八号)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、昭和四十八年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の総会において採択されたものであります。  この条約は、児童労働の実効的な廃止を確保する観点から、すべての経済部門において就業が認められるための最低年齢等について定めたものであります。  我が国がこの条約締結することは、児童労働の廃止を達成するための国際的な取り組みを推進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この条約締結について御承認を求める次第であります。  次に、社会保障に関する日本国グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、従来から英国との間で両国間の人的交流に伴って発生する両国の公的年金制度への二重加入等の問題の解決を図るための協議を行ってきましたが、この問題の解決を図ることを目的とする協定締結することで英国側と一致し、平成十年十一月以来このための政府間交渉を行ってきたところ、平成十二年二月二十九日に東京において、先方ゴマソール駐日大使との間でこの協定に署名を行った次第であります。  この協定は、両国の年金制度への二重加入等の問題の解決を図ることを目的とし、両国の年金制度への強制加入に関する法令の適用の調整を行うことを定めるものであります。具体的には、就労が行われる締約国の強制加入に関する法令のみを適用することを原則としつつ、一時的に相手国に派遣される被用者の場合には、原則として五年まではその派遣の期間について自国の法令のみを適用するほか、一時的に相手国でのみ自営活動をする者についてもこれと同様の取り扱いとするものであります。さらに、同一の期間に両国で別個の就労を行う被用者または自営業者の場合には、通常居住する締約国の法令のみを適用する等の特例的な取り扱いを行うこと等を定めております。  この協定締結により、両国間で年金制度への二重加入等の問題の解決が図られ、保険料負担が軽減されること等により、両国間の人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含めた両国間の関係がより一層緊密化されることが期待されます。  よって、ここに、この協定締結について御承認を求める次第であります。  以上二件につきまして、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
  57. 井奥貞雄

    井奥委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  次回は、来る五月十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時三十分散会