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河野国務大臣 大変いろいろなことをおっしゃるので、十分御答弁ができるかどうかわかりませんが、まず最初に
議員は、仕事が遅いじゃないか、なぜこんなに何年もほっておいたのだ、こういうことをおっしゃられたわけでございます。確かに私も、
平成五年に採択されたものでございますから、もう七年もたっているわけで、これは大変御
指摘は、私ももっと早くやるべきだというふうに思います。思いますが、しかし、担当者の話を聞いてみると、これはなかなか難しい。
この問題は、例えば国連の海洋法
条約、それから日韓、日中の
漁業協定、あるいは
漁業秩序の形成、いろいろなことに
漁業国としての
我が国は取り組まなければならないわけでございまして、
漁業国の中でも極めて責任の重い、大きな責任を有する国としていろいろなことをやっていて、そして相手先の対応ぶりというものも見なければいかぬ。それから、国内関係者の要請というものもよく聞かなきゃいけないということなどがあって若干おくれた、こういうことでございますので、この点はぜひ御
理解をいただきたいと思います。
それから、一番の問題は、
一つは、積極的に実効を上げるためにまぐろ法を改正するということができるかどうか、こういうことでございますが、これは
先ほど水産庁御答弁になりましたように、少なくとも現行法であれば今本当に最大限の
努力をしていると言っていただいていいと思いますが、このまぐろ法をもう一歩進めるかどうかというのは国際機関による取り決めというものをどう見るかということに尽きていると思います。つまり、WTO
協定との整合性をどうするか。
議員は、WTOはこういうものを認めるはず、こういうことをやってもWTOはとやかく言うはずはないよ、こういうふうにおっしゃいますが、そこはなかなかそう簡単ではないのでございまして、WTO
協定では数量制限の一般的廃止というものを決めております。
それから、有限天然
資源の
保存に関する
措置については、WTO
協定上の義務の例外とされていまして、
マグロの
輸入制限
措置はこの例外規定を援用して行われるということになっております。しかし、こうした
輸入制限
措置を導入するためには、WTO
協定上幾つかの
条件があって、例えば、当該
措置を差別待遇の手段となるような方法で適用してはいけないとか、国際貿易の偽装された制限となるような方法で適用してはいけないとか、いろいろあるわけでございます。したがいまして、国際機関の勧告などを経ずに一方的に
マグロの
輸入禁止を行うような場合には、これらの
条件が満たされるか否かについては相当慎重に検討する必要があるというのが私どもの見解でございます。
そこで、それでは何もしないでじんぜんとこういう
状況を見ているのか、こういうふうに
議員からおしかりをいただくだろうと思いますが、
先ほども御答弁を申し上げましたように、私どもはただ手をこまねいているつもりはございませんで、まず最初に、この
協定にできるだけ多くの国に
参加をしてもらうこと、そしてその国にはこの
協定をきちっと守ってもらう、さらには、この
協定が
実効性を高めるために、
先ほどから
議員が問題として提起されております秩序を乱す行為、そういうものがなくなるように、これは外交的な
努力を含めて我々としてできるだけの
努力をしていかなければならない。
一方的な
輸入禁止措置ということでばっさりとけじめがつくというものであるならば、私どもはそれはそれで十分
考える
意味があると思いますけれども、なかなかそう簡単ではないだろうと思いますだけに、我々、外交
措置さらには
水産庁の指導というものをあわせてこの問題を
解決したいというふうに
考えております。