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前原委員 民主党の
前原でございます。
瓦長官に、長官になられてから大分たちますけれ
ども、私も、
質問をさせていただくのは初めてでございますので、まずは、御就任おめでとうございますと、おくればせながら申し上げたいと思います。
それと同時に、ちょっと思い起こしてお話をしたいのは、入間
基地の航空自衛隊の飛行機が落ちました。亡くなられた方には改めて本当に心から御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、また、そのときにとられた態度というのはまことに立派だったというふうに私
どもも考えております。
その中で、第一報を受けたときに、断片的な情報しかありませんで、入間の
基地の近くで落ちたということで、大変なことが起きたなと私は思いました。大臣には恐縮でありますけれ
ども、因縁を持った方だなというふうに思わざるを得ない部分がございました。「なだしお」の事件で、一回目の
防衛庁長官のときにその責任をとられておやめになられたわけでございますし、今回も、住宅地に落ちているとすれば大変な被害になって、責任をおとりになるかどうかは別として、これについては非常に複雑な
気持ちで心を痛めておりました。不幸中の幸いといいますか、パイロットの方々の努力によって、河川敷に落ちて、
住民に対する被害というものはなかったということで、これはこれでよかったなと思うわけでありますけれ
ども、そういう大変な
状況の中で日ごろの訓練を行い、万が一の
状況に備えている隊員の方々のお
気持ちを考えたときに、今の安全保障、あるいはもっと狭義に、防衛問題を考えていけば、ハードは、ある部分不十分な部分もございますけれ
ども、ある程度の
整備はできているんだろうというふうに思いますが、それに比べてソフトの面というのはかなりおくれているんではないかというのが私の認識でございます。
ガイドラインの特別
委員会のときに、参考人
質疑の中で、以前統幕議長をされておりました佐久間さんが来られて、同じようなことをおっしゃっておりました。ハードの議論よりも、周辺事態法もそうでありましたけれ
ども、ソフトの議論というものをしっかりやっていただきたい、こういうお話でございまして、私も全くそれについては同感でございました。
したがいまして、きょうは、大臣には、防衛庁が用意された答弁書もあるでしょうけれ
ども、ぜひ政治家として隊員のお
気持ちをおもんぱかって御答弁をいただきたいということを、ちょっと長ったらしくなりましたけれ
ども、前もってお願いをさせていただきたいと思います。
今回の国会に出されております法改正の中に、昨年三月の北朝鮮の工作船の事案を
一つの教訓として、海上自衛隊に特殊部隊をつくるということでございます。それについては異存はございませんし、大変結構なことだと思っております。
ただ、私は、先ほどお話しさせていただいたように、ハードだけでいいのかということが、この法案を目の前にしたときに極めて疑問でございました。つまりは、部隊をつくる、しかし法律は変えないということで果たして真っ当な職務が遂行できるのかということを非常に私は不安視をしておりまして、その点について、
防衛庁長官並びにきょうは海上保安庁の長官も来ていただいておりますけれ
ども、御
質問をまずさせていただきたいと思います。
昨年の三月に、当時は不審船事案という言い方をしておりましたけれ
ども、朝起きてみれば、いわゆる防空識別圏の外に出て、追跡をやめたということでございまして、結果としては捕まえ切れなかったということでありました。ある
意味で安心をした部分というのが、実際問題、私はあったんですね。なぜかといいますと、これは下手に捕まえていたときに、本当にうまく今のハードの部分あるいはソフトの部分をあわせて対処できていたのかと考えると、ちょっとぞっとするような
気持ちに私はなったわけであります。
まずは、訓練が余りされていなかったということ。これは今までの国会答弁でも明らかになっております。海上警備行動の発令
そのものが自衛隊法ができてから初めてだったということもありますし、そういった部分というのはある程度やむを得ないかなという思いを持っております。
それと同時に、今からお話をするところの基本線になるわけでありますが、海上警備行動にしても、後で
質問をいたします治安出動にいたしましても、今は警察官職務執行法の準用によっての武器使用規定になっているということでありまして、それは、海上保安庁とかあるいは警察の方々というのは、逆に、余りにも重装備をし過ぎるということについて問題点があるということはわかりますけれ
ども、ワンランクアップした活動において、本当に警職法の準用でいいのかというところが、私のまず基本的な問題意識であります。
例えば、向こうはかなりの火力を持っているかもしれないし、また、大臣はお忙しいのでごらんになっていないかもしれませんが、私、この間家内と「シュリ」という映画を見てまいりまして、これは韓国の映画なんですけれ
ども、要は北朝鮮の工作員とKCIAのメンバーが恋に落ちるという映画なんですけれ
ども、それを見ていましても、北朝鮮の工作員というのは相当訓練を受けているし、また、北朝鮮から亡命をされた方々の本を読んでおりますと、かなりの過酷な訓練を受けて、そして使命を帯びているということで、火力とかあるいは工作員の練度というものを考えたときに、捕まえなくてよかったなという思いが、これは正直に私はいたしました。
そこで、大臣に対して御
質問をいたしますが、海上警備行動というのは、先ほど申し上げたように、警察官職務執行法の準用ですよね。ということは、基本的には、警察官が持ち得るような程度の武器とそれの使用基準ということしかないわけであります。私が申し上げるまでもありませんけれ
ども、正当防衛、緊急避難、それから、いわゆる死刑または無期もしくは長期三年以上の懲役もしくは禁錮に当たる凶悪な罪を現に犯し、もしくは既に犯したと疑うに足りる十分な理由のある者に関してのみ武器使用が認められているということで、しかも、その武器については、警察官が常に持っている程度のものであるということで、果たして、今回の法改正で部隊はつくった、しかし、この警職法の準用ということで、海上自衛隊の隊員の皆さん方がしっかりと任務を遂行するに足りるようなソフトであるかどうかということを考えたときに、私は、かなりその面については不十分だというふうに思うわけでありますけれ
ども、その点、大臣、御答弁をいただきたいと思います。