○東政務次官
達増委員にお答えいたします。
一月の十二日から十四日にわたりまして、今御
指摘になりましたとおり、東ティモールに、この目で現場を
視察させていただくという趣旨のもと、また、それを踏まえた上で、今後
日本としてできるだけの支援をしていくための
一つの物の見方といいますか、それを整理するために行かせていただきました。
御
指摘になりましたとおり、八月三十日に東ティモールの住民の方々が住民投票を行い、そして九月四日に独立をしていくという圧倒的多数の決がなされた。それを踏まえた上で、インドネシアが最終的な決断をしという、その経緯についてはここでは省かせていただきますが、種々の混乱があり、また御
指摘のような、人道的な視点から見たとしてもあってはならないことが起き、大変な
状況になっていた。
その
状況が、一般論として申し上げれば、私たちが行ったときに、想像する以上に治安が回復されているということに大変強い印象を持ちました。多国籍軍が展開されて、そしてその騒乱
状況というものが日に日に鎮静化していった、そういう
状況をこの目で見させていただきました。
行ったところは、ディリという首都でございますが、それのみならず、約五十キロぐらい東の方に離れている地方都市にも行かせていただきました。治安は回復されつつあるんですが、現実には多くの家々が完全に焼かれている。倒壊しているというよりも、中にあるものがすべて焼かれていて、家の骨組みだけが残っている、そういう
状況でございました。いわゆるライフライン、電気あるいは水道その他の、そういうライフラインにかかわるものがほとんど機能していない、そういう
状況でございました。
他方、もう
一つ大きな印象を受けたのは、こういう、国際社会にとってある意味で初めてのゼロからの国づくりでございます。そういう意味で、国連のみならず、多数の、
世界各国からのNGOが参加されております。
そういう
状況を住民の立場から見ますと、当然、これだけ多くの国際社会が自国のためにたくさん来てくださっている、それが目に見える具体的な形でいつ成果としてあらわれるのかという不満が募っていることも事実でございまして、UNTAETの代表並びに
地元住民の代表の方々とお話をさせていただいたとき、住民のそういった不満が募ってくることに対して、大変心配しているという表明がなされていたのが印象的でございました。
そういう意味からすると、治安が回復され、今後の身の回りの生活の
状況が目に見える形で、我々、クイックインパクトプロジェクトというふうに申し上げておりますけれども、そういうものが早いうちに目に見える形で出てくることが極めて重要なことなんだろうというふうに私たちとして思っております。
今日まで、
日本政府として、人的な貢献、物的な貢献、あるいはまた
財政的な貢献をさせていただきました。また、今後ともそういうことを踏まえた上で、とりわけ昨年の十二月の十七日、
世界三十カ国、また国際機関二十機関が集まりました、
日本政府が主催させていただきました東ティモール東京支援会合というものを東京で行いました。
そのときにも、五億二千万ドル強の
世界各国からの支援クレジットが出されました。
日本としては、向こう三年間、約一億ドルにわたりまして拠出をしていく、そういう約束をさせていただいております。それはただ単に
言葉だけではなくて、それを具体化させていくことが今極めて重要なことなんだろうというふうに思っております。
既に、現在約四十六名前後の専門家を東ティモールに派遣させていただいて、社会インフラ部門、その他の分野において、
国民の生活にどういうものが具体的に役立っていくのかということを実地
調査させていただいておりますので、そういうことを着実にやっていくことが大事なんだろうというふうに思っています。いずれにいたしましても、できる限りのことを
日本政府として行っていきたい。
ただ、最後に申し上げておきますが、
世界各国が東ティモールの国づくりに大変な関心を持たれている反面、余り国際社会がすべて主導権を握ってやっていくとなれば、それは本質的な国づくりの担い者である東ティモールの人々の自助
努力というものをそぐことになりますから、あくまでも東ティモールの人々が主体的な形で国づくりに励めるように、側面的な形でもって支援していくことが大事なんだろうというふうに思っております。以上です。