○北岡秀二君
自民党の北岡でございます。
御承知のとおり、私はつい先日、十月五日まで
法務省の
政務次官に就任をさせていただいておりました。
大臣にはちょっと総論でまず何点かお伺いしたいんですが、今申し上げましたとおり、私は
政務次官就任のときにいろいろな思いを
法務省に持たせていただきました。
まず第一点は、私はもう本当に門外漢だったんですが、中に入ってみて
法務省をのぞかせていただきますと、大変重要な
仕事をやっていらっしゃる、これはどこの省庁ともそうですが、私
どもが外から見ている以上に重い、重要な
仕事をやっているんだなということを
感じたのが第一点でございます。
そしてまた、なおかつ将来ということを見渡してみますときに、当然先ほどの話にもございましたが、
司法制度改革、
規制緩和社会に対応する新しい
社会づくりの中で
法務省が担っていかなければならない役割、そしてまた、最近いろんな見方がございますが、
社会がどんどんいびつになりつつある、乱れてきておるというような
状況の中で、
法務省が果たしていかなければならない役割というのは非常に将来を見通しても大きな重大な責任があるというような
感じがいたしたわけでございます。
しかし、その一方、そういう
状況にありながら、
国民の目、あるいは世論も含めてそうでございますが、
法務省に対する十分な御理解をいただいていないな、そういうようなことも
感じますし、なおかつもろもろの環境面を考えてみますと、内外ともの環境、
法務省内部、外部の環境面を考えてみますと、これから将来
法務省が果たしていかなければならない役割を担うだけの環境づくりができておるんだろうかという
部分に一抹の不安も
感じたわけでございます。
具体的に例えば申し上げますと、今継続の
審議中でございますが、
少年法。これはもう
教育問題というのは、
少年法を
教育問題としてとらえるのはちょっと語弊があるかもわかりませんが、非常に大きな問題として
社会的には注目を集めておる。これは一側面でございますが、子供の
教育問題で、あるいは非行問題で、
少年法の改正によって少年の非行の抑止力につながっていくんじゃなかろうか、そういう
議論もございます。
さらにもう一つ、これは私は特に推進をしていただきたいという思いなんですが、親の責任をどういうふうな形で
少年法の改正にこれから盛り込んでいくか。これも
教育問題で家庭の問題をどうするか。家庭に対してはなかなか切り込んでいけない、親に対してはなかなか切り込んでいけない、そういうような
状況の中で、ともするとこれは手続上は非常に難しい話なんですが、家庭の問題、親の問題にもひょっとしたら
少年法で切り込んでいける可能性もある。
これは私、
政務次官在任中にフランスの最高裁の長官と面談をさせていただいたときに、フランスでも同じような
議論がある。法改正において親の責任追及をこれからどういうふうな形で法の精神に盛り込んでいくか。さらに、最近のアメリカの銃の乱射事件等々の中で親の責任追及をどういうふうな形で盛り込んでいくかというような
議論もあるようでございます。これも今の
教育問題という観点から考えてみましても、この
法律がどういうふうな形になるかによっても非常に大きな役割を果たす可能性もある。
これは本当に一例でございますが、もろもろのことを考えてみますと、今確かに
日本社会はすばらしい
社会を形成しておる。しかし、その反面、非常にいびつな状態になっておることも事実でございます。俗に言う戦後民主主義
社会のゆがみも出てきておるんじゃなかろうかということを私は考えておる次第です。
そういうような
状況から申し上げると、危機管理の
状況、観点から考えてもそうなんですが、今前段に私が申し上げましたとおり、
国民の認知、そしてまた環境というのがいま一つ十分に整っていない。さらに、それであるがゆえに、私は将来のことを考えてみますと、今申し上げましたような
法務行政、危機管理に関連する
法務行政、どんどん積極的な施策を打ち出して、あえて
国民にその信義を問うというようなことをやってもいいんじゃないかなというようなことを私は痛切に
感じた次第でございます。
そういったことを含めて、これは
大臣の所信ということにもつながっていくだろうと思いますが、今置かれておる
法務省の
状況、なおかつ、これから担っていかなければならないその重責ということを考えてみますときに、
大臣の姿勢というのをお伺いさせていただきたいと思います。