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1999-11-11 第146回国会 参議院 農林水産委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月十一日(木曜日)    午後二時二分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         若林 正俊君     理 事                 岩永 浩美君                 亀谷 博昭君                 小林  元君                 須藤美也子君                 谷本  巍君     委 員                 金田 勝年君                 岸  宏一君                 佐藤 昭郎君                 三浦 一水君                 森下 博之君                 郡司  彰君                 羽田雄一郎君                 藤井 俊男君                 峰崎 直樹君                 鶴岡  洋君                 渡辺 孝男君                 大沢 辰美君                 阿曽田 清君                 石井 一二君    国務大臣        農林水産大臣   玉沢徳一郎君    政務次官        農林水産政務次        官        谷津 義男君        農林水産政務次        官        金田 勝年君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 威男君    政府参考人        農林水産省構造        改善局長     渡辺 好明君        農林水産省農産        園芸局長     樋口 久俊君        農林水産省畜産        局長       本田 浩次君        農林水産技術会        議事務局長    三輪睿太郎君        食糧庁次長    山口 勝朗君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査  (平成十二年産米政府買価格に関する件)     ─────────────
  2. 若林正俊

    委員長若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会食糧庁次長山口勝朗君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長樋口久俊君、同畜産局長本田浩次君及び農林水産技術会議事務局長三輪睿太郎君を政府参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 農林水産に関する調査のうち、平成十二年産米政府買い入れ価格に関する件を議題といたします。  まず、政府から説明を聴取いたします。  説明に先立ちまして、先般、谷津農林水産政務次官海外出張中でございましたので、ごあいさつをいただいた上で御説明をいただきます。谷津農林水産政務次官
  5. 谷津義男

    政務次官谷津義男君) このたび農林水産総括政務次官を拝命いたしました谷津義男でございます。新たに設けられました総括政務次官の重責を担うことになり、身の引き締まる思いでございます。  玉沢大臣を補佐いたしまして、金田政務次官ともどもに、全力を挙げて農林水産行政推進に努力してまいる所存でありますので、委員長を初め委員先生方の一層の御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)  それでは、平成十二年産米穀政府買い入れ価格及び米穀標準売り渡し価格米価審議会への諮問につきまして御説明申し上げます。  なお、ちょっと風邪を引いていまして、声の病にかかっておりますので、お聞き苦しい点はお許しをいただきたいと思います。  米穀政府買い入れ価格につきましては、食糧法のもとで、自主流通米米流通の主体となったことを踏まえ、自主流通米価格動向を反映させるほか、生産コスト等を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定めることとされておりまして、平成七年十二月に米価審議会意見を聞いて現行算定方式設定されたところであります。  平成十二年産米穀政府買い入れ価格につきましては、米穀需給動向市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営が図られる現行算定方式に基づき算定することといたしまして、本日の米価審議会諮問を行い、御審議いただいているところであります。  また、米穀標準売り渡し価格につきましては、食糧法の趣旨を踏まえ、米穀需給動向財政事情等を総合的に考慮することを内容とする諮問を行い、政府買い入れ価格とあわせて御審議いただいているところでございます。  以下、これらの諮問の概要につきまして御説明申し上げます。  初めに、「諮問」を朗読させていただきます。資料番号一でございます。     諮問   平成十二年産米穀政府買価格については、米穀需給動向市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営を図るとの観点に立って算定を行い、この算定に基づき決定する必要があると考える。また、米穀標準売渡価格については、米穀需給動向財政事情等を総合的に考慮し、これを決定する必要があると考える。これらについて米価審議会意見を求める。   平成十一年十一月十一日        農林水産大臣 玉沢徳一郎  次のページに「諮問説明」がございます。これにつきましても朗読させていただきます。     諮問説明   米穀につきましては、全体需給が大幅な緩和基調で推移し、国内産米在庫量が適正な水準を大幅に上回るという状況の下、一昨年十一月、「新たな米政策大綱」を取りまとめ、これに基づく各般施策を総合的に推進してきております。この結果、国内産米在庫量が着実に減少するなど成果が上がってきております。   また、本年産の作柄及び最近の需給価格動向にかんがみ、本年九月二十二日、米穀需給バランス早期回復を図るための措置を盛り込んだ「米の緊急需給安定対策」を決定したところであります。   さらに、食料農業農村基本法の成立を踏まえ、去る十月二十九日、需要に応じた米の計画的生産徹底と、水田における麦・大豆飼料作物等本格的生産を二本の柱とする「水田中心とした土地利用型農業活性化対策大綱」を取りまとめたところであります。   平成十二年産米穀政府買価格及び米穀標準売渡価格につきましては、計画流通制度運営の一環として、「主要食糧需給及び価格の安定に関する法律」の規定に基づき、適切に決定する必要があります。   具体的には、平成十二年産米穀政府買価格につきましては、引き続き、自主流通米価格変動率及び生産コスト等変動率基礎として、需給動向市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営が図られる現行方式により算定することとしてはどうかということであります。   また、米穀標準売渡価格につきましては、備蓄運営を的確に行えることを旨とし、米穀需給動向財政事情等を総合的に考慮して決定することとし、ミニマムアクセス輸入米は、国内産米価格体系との整合性も踏まえながら決定することとしてはどうかということであります。なお、実際の売却に当たっては、備蓄の適切な運営を図る観点から、標準売渡価格基準としつつ、需給動向等に対応して弾力的に予定価格設定を行う必要があります。  次に、資料番号二の「平成十二年産米穀政府買価格試算」という横長の資料について御説明申し上げます。  一ページでございます。  一に、政府買い入れ米価算定考え方を整理してございます。従来どおりの算定方式でございますが、まず自主流通米価格形成センターにおいて形成されます自主流通米入札価格動向比較により価格変動率を求めます。次に、生産費調査に基づく米販売農家の全算入生産費動向比較により生産コスト等変動率を求めます。この二つ変動率を均等のウエートにより前年産政府買い入れ価格に乗じて算出することとしております。  なお、政府買い入れ米価について、需給事情市場評価を反映させつつ、安定的な価格運営を図る観点から、自主流通米価格変動率生産コスト等変動率を求めるに当たりましては、二ページにございますとおり、移動三カ年平均による比較を行うこととしております。  以上御説明申し上げました考え方に基づく平成十二年産米穀政府買い入れ価格の具体的な算定要領は三ページ以下で説明しておりますが、その算定結果につきましては、二ページの二、算定に示しておりますとおり、六十キログラム当たり一万五千百四円、前年産価格に対し四百二十四円の引き下げ、率で申しますと二・七%の引き下げとなります。  なお、この価格は、注として書いておりますように、ウルチ一—五類、一—二等平均包装込み生産者手取り予定価格でございます。  三ページ以下、算定要領ということで、各算定要素について説明しております。時間の都合もございますので、簡潔に説明させていただきます。  基準価格につきましては、先ほど御説明いたしましたように、前年産、すなわち平成十一年産米穀政府買い入れ価格一万五千五百二十八円を用いております。  次に、自主流通米価格変動率でございますが、自主流通米価格の中期的なトレンドを反映させるとの観点から、すべての上場銘柄加重平均価格の直近三カ年平均とその前年の三カ年平均とを比較することによって求めております。  その結果、自主流通米価格変動率は九六・二一%と算出され、三・七九%低下していることになります。  生産コスト等変動率につきましては、四ページにございますとおり、家族労働費変化率物財雇用労働費等変化率という二つ変化率についてウエートづけを行い、これを単収の変化率で割り戻すことにより、生産コスト等の全体の変動率を求めております。  これにより、生産コスト等変動率は九八・三一%と算出され、一・六九%低下していることになります。  最後に八ページをお開きいただきたいと存じます。この八ページでは類別等級別価格の算出について説明しております。  これまで御説明申し上げました方法により算出いたしましたウルチ一—五類、一—二等平均包装込み生産者手取り予定価格基礎にして、ウルチ類一等裸価格を求めます。この価格銘柄別格差等級別格差を加減いたしまして、右の表にあります類別等級別価格を算出いたしております。  以上が平成十二年産米穀政府買い入れ価格試算説明でございます。  次に、資料番号三の「米穀標準売渡価格改定内容(案)」について御説明申し上げます。  まず、一ページ目の国内産米についてでございます。  国内産米標準売り渡し価格基本的な考え方でございます。食糧法のもとで政府米備蓄運営の機能を有することを踏まえながら米穀需要及び供給動向家計費並びに物価その他の経済事情を参酌し、消費者家計を安定させることを旨として定めることとされております。  次に、標準売り渡し価格設定に際して参酌すべき米穀をめぐる事情でございます。  まず、(1)の最近の需給動向でございます。  米穀の全体需給は、六年産から四年連続の豊作等を背景として大幅な緩和基調となり、国内産米在庫量適正水準を大幅に上回る状況となりましたが、九年十一月に取りまとめました新たな米政策大綱に基づく各般施策総合的推進により、国内産米在庫量は減少してきております。  また、本年九月二十二日には、米穀需給バランス早期回復を図るため、米の緊急需給安定対策決定したところであり、生産オーバー分主食用以外への処理等緊急対策を講じることとしております。  最近の動向を踏まえた需給見通しでは、本年十月末の国内産米在庫量は、政府米が二百三十三万トン、自主流通米が二十二万トン、合計二百五十五万トンと昨年十一月時点の計画をやや下回る水準となっております。  次に、(2)の家計費及び物価動向でございます。  最近における家計費及び物価動向について、標準売り渡し価格前回改定時である平成十年十二月と現時点との比較で見ますと、消費者物価指数総合は〇・六%の低下米価についての消費者物価指数は一・五%の低下となっております。  次に、(3)の政府管理コストでございます。  適正備蓄水準を大幅に超える備蓄保有備蓄米保管期間長期化等により、管理経費増加傾向にあります。  一ページめくっていただきまして、二ページでございます。(4)の政府買い入れ価格は先ほど御説明いたしましたとおりでございます。  次に、標準売り渡し価格改定内容でございます。  ただいま申し上げましたような状況を踏まえつつ、政府買い入れ価格引き下げ効果消費者に適切に還元することとし、国内産米標準売り渡し価格につきましては、消費者家計の安定が図られるよう改定するということでございます。  具体的には、平成十二年一月一日以降、水稲ウルチ玄米一—五類、一—二等平均包装込み、六十キログラム当たり消費税額を含まない標準売り渡し価格を二百七十円、率にして一・六%引き下げ、一万六千五百三十六円とするというものであります。  銘柄別等級別標準売り渡し価格は、四ページのとおりでございます。  最後に(4)でございます。  要するに、実際の政府米売り渡しに当たっては、今申し上げました標準売り渡し価格基準として売り渡し予定価格を定めることとしておりますが、この予定価格につきましては、最後の二行にございますように、需給市場価格変動に対応し得るよう適切かつ弾力的に設定することとしております。  三ページミニマムアクセス輸入米標準売り渡し価格でございます。  国内産米価格との整合性を踏まえ、平成十二年一月一日以降、水稲ウルチ玄米M3、正味六十キログラム当たり消費税額を含まない標準売り渡し価格を二百二円、率にして一・六%引き下げ、一万二千百八十七円とするというものであります。  銘柄区分ごと標準売り渡し価格は、次のページのとおりでございます。  その他の配付資料につきましては、説明を割愛させていただきます。  以上でございます。
  6. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 岩永浩美

    岩永浩美君 自由民主党の岩永浩美です。  今、政務次官の方から米価審議会諮問された米価についていろいろ御説明がありました。この件について、暫時、大臣並びに政務次官政府参考人方々質問させていただきたいと存じます。  今、諮問説明の中にもございましたように、ことしの米価算定に当たっては、新たな基本法のもとにおける米政策米価あり方を同時に議論しなければ米価の今後のあるべき姿を浮き彫りにすることはできないという思いを強くいたしております。  特に、玉沢農林大臣米作地帯である岩手県の選出であり、長い間農政一筋でおみえになったと言ってもいいほど農政に大変精通しておられる方であるだけに、新農業基本法の制定に伴う米価あり方について、さらなる前向きな御回答をいただくことを心から期待したいと思っております。  そこで、こうした基本法のもとにおける米政策米価問題、今までずっとやっていた米価審議会あり方とさま変わりした今回の米価審議会に対する考え方、そして基本的な今後の大臣としての対応をまずお伺いしたいと思います。
  8. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 国民主食である米につきましては、消費者に適正な価格で安定的に供給していくため、米の需給価格の安定を図ることが基本であります。  しかるに、現在、米の需給状況過剰基調で推移しており、需給バランス回復を図っていく必要があります。また、米の安定的な供給を確保する上で稲作経営の安定を図っていくことが重要でありまして、価格の下落の悪影響を緩和するための稲作経営安定対策を適切に実施する必要があります。さらに、米の需給安定にも資する重要な関連施策といたしまして、水田を有効活用して自給率の向上と水田農業経営の安定を図るため、麦、大豆等の定着を図る必要があります。  以上のような基本的な方向を考慮しまして、需要に応じた米の計画的生産徹底稲作経営安定対策の充実、麦、大豆等振興策内容とする水田中心とした土地利用型農業活性化対策大綱を取りまとめたところであります。今後は、大綱に掲げる施策米政策推進基本としまして、着実に推進をしていく考えであります。
  9. 岩永浩美

    岩永浩美君 基本政策における大臣の今後の考えについてはわかりました。  そこで、米価審議会あり方について私はお伺いをしたいと思いますが、最近の米価決定状況を見ると、ずっと以前よりは何か形式的になってしまっているのではないかという思いを私は強くいたしております。  かつて全量買い上げのときの食管法のもとでは、全国の代表者あるいは生産団体皆さん方それぞれお見えいただき、米価審議会委員各位に対してそれぞれ思い思いの気持ちを吐露される場が非常に数多くあったことを私は記憶いたしております。しかし、近ごろ米価審議会への諮問自体が何か形骸化していないのか。米価審議会米価その他主要食糧価格決定に関する基本事項調査審議するという一つの場になっておりましたが、現在では、ただ単なる政府諮問機関承認機関のような気がしてなりません。  それは、まず米価審議会に朝から諮問をされ、同日に衆参農林水産委員会を開くというような、国民代表である国会論議も全然経ずし米価審議会諮問され、その答申を受け、報告をしていく経過の審議になっているのではないか、そういう感じがしてならないのであります。  そういう点で、今回は米価審議会の米だけになりますが、先ほど大臣のお話の中にあったように、今後は米と同時に麦、大豆、そういう主要作物等々のそれぞれの価格について審議会の中で大いなる議論がなされていく。そういうものが、単に政府側から諮問をされ、ただ形だけの承認機関になっていくようだと、私は米価審議会存在そのものがもう必要ないのではないかという思いがしておりますが、その件について大臣はどうお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  10. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 重要な御指摘をいただいたと思っております。  米価審議会におきましては、従来から生産者代表消費者代表方々の御参加を得て、国民主食であり我が国農業基幹作物である米麦価格決定につきまして調査審議をいただくほか、米麦に関するその他の重要な政策につきましても、委員懇談会や小委員会という形で幅広く調査審議をいただいているところであります。  米価の問題全部を決定するときの米価審議会から、政府米価格決定という形の中での審議会ということで、確かに割合は小さくなったとは思いますけれども、我が国米政策をめぐる諸問題、きょうも私は審議会に出て質問等を受けたわけでございますが、WTOの交渉の問題等幅広い御意見等伺い、御質問も伺ったところでございまして、この審議会存在意義が低くなっておる、こういうふうには決して思っておりません。  米の政策決定していく上におきまして、国民各層代表方々から委員になっていただきまして、幅広く議論をして国民的合意を得ながら政策決定をしていくという上におきましては極めて重要な意義を有するものである、このように認識しております。
  11. 岩永浩美

    岩永浩美君 米価審議会でそれぞれの小委員会等々でいろいろな議論をなされたとしても、きょう大臣は、朝から米価審議会に任命をされた委員各位に対して諮問をされ、具体的に委員各位から質疑を十分に受ける時間もなく、それぞれほかの公式行事を消化されるということは、大臣自身がそれだけの意見集約できる時間的なものが本当にあるのかどうかという素朴な疑問を私自身は正直に抱いております。  特に、委員各位もさることながら、それにもまして国民代表である衆参両院のそれぞれの担当、所属する農林水産委員会の中における発言も諮問の中に生かされるべきであり、そして米価審議会委員各位がそういう中で問題を提起し、大臣質疑をし、そして一つ集約をもって大臣答申を受けるという仕組みが確立されて、生産者消費者国民全体の各界各層意見がそこにまとまって出てきたということになると私は思うのであります。  先ほど大臣は、きょう午前中一部の時間を割いて質疑を受けてきたとおっしゃいましたが、午前中十時から既に衆議院の農林水産委員会も開かれ、その合間を縫って大臣がその質疑を受けられたことは多としたい。しかし一日じゅうぐらいは、あるいはきょうは朝十時から五時まであるのかどうかわかりませんが、その間は大臣がその場に同席をしていただき、そして担当食糧庁長官のみならず役所の皆さん方も一緒にその場でいろいろな議論をお聞きしていく、その場があって初めて米価審議会の実のある審議ができるのではないかという思いを私は強くいたしているところであります。  そういう視点から、今までそれぞれの分野でいろいろ幅広く御議論をいただいたという大臣の御答弁はそれとしても、私自身米価審議会の前にぜひ、新しい農業基本法というものが衆参両院で可決をされまして、今までの全量買い上げの時代から一部においては市場流通を余儀なくされる、市場流通の中で価格も決まっていく、そういう仕組み変化に伴って米価審議会の形というものもおのずから変えていく、そのことが本来の姿ではないのかなという強い思いを私自身はいたしております。  ぜひそういう点を含めて次年度から、できるだけ近いうちに米価審議会の前に国会論議を踏まえて諮問をしていただく、国会論議を踏まえて米価審議会に生かしていくという形を来年度からやっていただくという一つの方針をお示しいただくことができないのかどうか、それをお伺いをしたいと思います。
  12. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 国民各層のいろいろな意見、また国民代表である国会議員先生方議論の場、そういうところを十分踏まえて、できるだけ御意見を幅広く承るように今後とも努力していきたいと思います。
  13. 岩永浩美

    岩永浩美君 ただいまの御答弁は、来年度から米価審議会の前に国会論議をするというふうに理解していいんですか。
  14. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 一応委員の御意見でもありますので、別に反対することではありませんが、検討はさせていただきます。
  15. 岩永浩美

    岩永浩美君 私は、大臣が具体的に御検討いただくということは、今までの米価審議会のありようから一歩進んで、国会論議を踏まえ、国会論議集約諮問の中に政府案として生かされていく、審議会に御検討いただくというふうに理解をしておきたいと思います。  正直に言って、今までの米価審議会は、事前に米価審議会の日にちを公にすることによって政府当局生産団体あるいは消費者との駆け引き等々もあったのではないかと思うほど、米価審議会の日時は公開されることがなかったことは事実であります。それだけに、私たちは今後、これだけ情報公開を余儀なくされておる、情報公開がそのひとつの世の流れとするならば、こういう価格決定については、ぜひそういう国会論議を踏まえた中でそれぞれの立場の意見集約し、それぞれの意見に偏るということではなく、私は米価審議会にそのことを諮問していただくことを強く要請いたしておきたいと思います。  次に、麦、大豆飼料作物振興のための条件整備食料自給率について政府参考人の方に御説明を願いたいと思います。  今度の国会から政府委員皆さん質疑はできなくなったことに大変戸惑いを正直に覚えておりますが、政府参考人皆さん方は、執行に当たっては今まで同様の責任を持って力強く推し進めていただきたいこともあわせてお願いをいたしておきたいと思います。  特に、土地利用型農業の活性化を図ることをねらいとした麦、大豆、飼料などの本格生産の拡大を図っていくことが今回の一つの条件になっておりますが、こうした新たな振興策によってどの程度食料自給率の向上につながっていくというふうに考えておられるのか、新農業基本法の問題ともあわせて私はお伺いをしたいと思います。
  16. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 私の方からお答えを申し上げます。  まず一点は、麦、大豆等生産に関する条件整備のお話がございました。  これにつきましては、麦、大豆飼料作物等本格的生産の定着拡大のために一定の助成システムを用意したわけでございますが、助成金ばかりではございませんで、関連しますいろんな生産振興のための施策を充実しなければならないということが大変大事なことではないかと考えておるところでございます。  具体的には、一つは麦、大豆等の作付のための団地化、水田の汎用化に役立ちます圃場の整備、これが一つでございます。それから、効率的な生産体制を整備するための機械施設の整備、それから麦、大豆等の新品種の開発普及、それから本格的に取り組んでいただくための生産組織の普及、これが大変大事なことだと考えております。  特に、主産地をつくっていくということが大事なことだと思っておりまして、そういう取り組みを行っていただくために、水田農業振興計画を作成する場合に、一定の水準を満たした形でつくっていただいた場合には、今申し上げましたような生産条件のための基盤整備でございますとか、機械施設の助成あるいは技術の経営指導等を重点的に実施するということを考えているところでございます。  いずれにしましても、これらの事業に関しましては来年度予算の編成過程において所要の予算の確保に努めているところでございますが、さらに現在、第二次補正ということで、こういうための施設整備の先行実施ということで要望をしているところでございます。  これが一点でございます。  それから、お話しございましたように、麦、大豆自給率を向上するというもう一つのテーマといいますか、ねらいがあるわけでございますが、この場合、どのような形で自給率設定するか、具体的な数値は現在作成中でございまして、年度内にその数値をまとめるということでございますので、具体的な数値をこの時点でなかなか申し上げにくいということは御了承をちょうだいしたいわけでございます。  特に今回、助成システムで考えております中で大変重要だということがございますのは、一つは実需者のニーズに対応した生産を行うこと、それから効率的な生産体制を整備すること、生産の安定化、こういう課題がございます。これを解決した上で自給率をまとめていくということになるわけでございます。  例えば、自給率を一%向上させるために必要な麦、大豆生産量を大まかに計算してみますと、麦だけで一%上げるとすれば四十二万トンの増、現在の一・八倍の生産、それから大豆で二十八万トンの増、現在の約三倍の生産ということになりますけれども、これはこれとして品質向上、生産性向上に取り組むということが、先ほどお話をしましたようないろんな対策をやりながら取り組んでいくということが大変大事だと思っております。  こういう取り組みの結果として自給率の向上につながるということでございますので、新しい対策の中で麦、大豆中心にいろんな形での生産の定着拡大を進めていきたいと思っているところでございます。
  17. 岩永浩美

    岩永浩美君 麦、大豆振興策をしていくためにはどうしてもインフラの整備をしていかなければいけない。今まで圃場整備等々における整備というのは十分になされてきたことは認めます。ただ、麦、大豆等における圃場整備というのは水田の圃場整備と本質的に違うものがあります。水路のつけかえの問題、水はけの問題、そういうことと同時に、それぞれの地域に集団化していくような形の圃場整備を推進していかない限り、今までの画一的な圃場整備だけではどうしても麦、大豆振興させていくことはできないものがございます。  そこで、一つお願いをしておきたいのは、先ほど政府参考人の方からもお話がございましたが、ハードの設備と同時に間接的な経費、流通にかかわる諸経費、そういうふうなものも含めた整備をしていかない限り、地域の麦、大豆等々の振興策は広がっていかないのではないか。そういうことについて具体的にそういうソフトの面についてもあわせて御検討いただいているのか。平成十二年度の予算の中に麦、大豆振興策として皆さん方が強く御主張なさるとすれば、今までの予算編成よりも伸び率としてどれぐらいのことを考えておられるのか、具体的に数値をもって示していくことが一番皆さん方おわかりになることだと思います。  先ほど政府参考人の方で、麦、大豆等々の収穫収量の数値というのはまだ明確に今の時点でわからないという御説明がありました。ただ、それに伴う数値目標というものは掲げなければいけないし、それに伴う条件整備をしていくためにはどれほどの金がかかるかということはおのずからわかってくるわけですから、そういう点における施設整備、流通にかかわる経費をどれぐらい見ておられるのか。その流通にかかわる経費というのは、乾燥施設とかそれに伴う機械とか農機具とかそういう問題について新たにどれほどの予算措置を講じようと思っておられるのか伺いたいと思います。
  18. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 全体は暮れの十二年度の予算編成までに取りまとめるということになりますが、先ほど一言お話をいたしました。例えば補正予算で私どもが現在財政当局に要求をしておりますもの、これにつきましては、いろんな施設整備等々で百六十億余りのものを今財政当局に要求をしているというところでございます。
  19. 岩永浩美

    岩永浩美君 総体的に大豆とか麦だけで百六十五億ですか。
  20. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 麦、大豆等中心とします施設整備、あるいは基盤整備を含めて恐らく相当部分がこういうものを対象にするようになると思いますけれども、それを中心に今は申し上げましたような数字を要求しているということでございます。
  21. 岩永浩美

    岩永浩美君 麦、大豆をつくるところというのは、北海道とかそういうふうなところは非常にやっぱりできにくい。単作地帯には非常に難しい。それぞれの県でその要望があったときにはそれだけの数字でかなうことができますか。
  22. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 今お話をしましたのは当年度の補正部分でございますので、また翌年度の分については暮れまでに必要な予算をできるだけ獲得していきたいと考えているところでございます。
  23. 岩永浩美

    岩永浩美君 それは百六十五億の補正、じゃ、来年度の予算については何%ほど、今までなかった分について加算した分を出すということはお示し願えないですか。
  24. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) それについては今ちょっと手元に正確な数字がございませんので、必要でございましたら後ほど御相談をしてお話をしたいと思います。
  25. 岩永浩美

    岩永浩美君 それでは、ぜひそういうことの数字をお示しいただきたいと思います。  そこで次に、作物ごとの経営安定対策を今後は進めていかなければいけないと思います。今政府参考人からお話がございました麦、大豆については理解をいたしました。しかし、まだ野菜や果樹、畜産という、それにかわるそれぞれの地域に即した特産物を有している農家あるいは地域がございます。その野菜や果樹、畜産、それぞれの作物についてどういう経営安定対策を今後示そうとしておられるのか、作物ごとにお示しを願いたいと思います。
  26. 本田浩次

    政府参考人本田浩次君) 私どもの自給率との関係でまいりますと、食料自給率の目標を達成していく上で最も重要なテーマは飼料作物生産拡大であるというふうに思っております。  ちなみに、若干数字で申し上げますと、我が国飼料作物の国内産の自給率は二五%程度になっております。と申しますのは、飼料作物の作付面積は昭和六十年代から平成の初めぐらいがピークでございまして、百五万ヘクタールぐらい作付をされておりました。それが現在は大体九十七万ヘクタールぐらいにむしろ減ってきているという状況にございます。  それから、御案内のとおり、トウモロコシ千六百万トンを中心として輸入原料に依存する形で配合飼料が二千四百五十万トン程度生産されるというような状況になっておりまして、その結果飼料の自給率が極めて低い、こういう状況にございます。  したがいまして、私どもとしては、飼料自給率の向上を通じた我が国食料自給率の向上、それから生産コストの低減と経営の安定化、さらにはさきの通常国会で成立をさせていただきました家畜ふん尿の有効利用による畜産環境問題への対応を図るというようなこと等の観点から、自給飼料生産を拡大していくことが極めて重要なテーマであるというふうに考えているところでございます。このために、これまで大体四点ぐらいの施策推進してきているところでございます。  まず第一点は草地などの造成整備でありますとか転作田など既耕地の活用による飼料作物の作付拡大、それから二番目には飼料生産技術の高位平準化でありますとか優良品種の普及などによる生産性と品質の向上、それから三番目には中山間地域の耕作放棄地の活用でありますとか日本型放牧の推進などによります放牧の推進、さらに稲わら、野草などの低未利用資源の活用などの施策を総合的に推進してきているところでございます。  ただ、こういう形でやってきてもなかなか自給飼料の拡大というのは難しい状況にございますので、私どもといたしましては、さきに決定をいたしました農政改革大綱、さらにはこの三月に決定をいたしました新たな酪農・乳業対策大綱に即しまして、牛のいるところで特に作付面積の拡大を図っていく必要があるということで、具体的な数値目標を設定するなり、地域の実情に即した飼料増産のための効果的な推進方策などを定めた飼料増産推進計画を策定することにしております。これは、年度内に基本計画の策定にあわせて検討をしていきたいというふうに思っているところでございます。  今後、これらの施策の積極的な推進によりまして、自給飼料生産振興を図っていきたいと考えているところでございます。
  27. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 大豆につきまして私の方から交付金の予算について申し上げますが、大豆については不足払い制度をとっておりまして、これについての交付金が約百億円ございます。  ただ、これは先生御承知のとおり、十二年産から仕組みを切りかえるということにいたしておりまして、従来の不足払いから新たな交付金を交付するという制度に切りかえることが今予定をされているわけでございます。この場合は、総額というよりは六十キログラム当たりの単価に切りかえて補てんをしていくということでございまして、御承知のとおり、六十キログラム当たり八千三百五十円という単価で補てんをするということで、これをどういう数量で見込むかということにつきましては、今後の数量の見通しその他を詰めましてから予算編成時までに決定をするということになっているところでございます。  なお、先ほどお話をしました交付金総額百億円というのは十一年度の予算で手当てをしている分でございまして、これは十二年産を当てにしているものではございません。
  28. 岩永浩美

    岩永浩美君 野菜と果樹についてはどうしますか。
  29. 樋口久俊

    政府参考人樋口久俊君) 野菜と果樹につきましては、後ほど数字をもって御説明させていただきたいと思います。
  30. 岩永浩美

    岩永浩美君 作物ごとについての経営安定対策を農家の皆さん方にお示しすることによって、米余り状況を減らしていくことにつながっていくので、この対策についてあわせてぜひ力強く推し進めていただきたいと思います。  次に、それぞれに深いかかわりがありますが、作況指数の公表の件について伺っておきたいと思います。  まず、米にかかわる作況指数のことでお伺いをいたしますが、ことしの八月末、自主流通米の入札において平均価格が前年に比べて九・七%下がりました。そして、上場数量の四割が落札残となったことは御承知のとおりです。数日前に作況指数が公表されたことによって自主流通米価格が下がったのではないかと私自身は思っていますし、恐らく皆さん方もそういうふうに御理解をしておられると思います。特に、八月十五日現在の作況指数は全国で一〇三、そして十月十五日では一〇一、やや良から平年並み、格落ちとだんだん作況指数が下がってきております。  米の価格決定をしていく上において、自主流通米価格は連動していると言っても私は言い過ぎではないと思うし、米の価格がすなわちほかの園芸作物に影響していることもまた事実であります。それだけに、作況指数の公表のあり方というものはもう少し慎重にならなければいけないのではないかと強い私は思いをいたしております。  今まで、統計事務所あるいは農林統計事務所等々がそれぞれの出先の中で坪刈り等々をしてやってきた、その積み重ねである一定の数字をお示しになったと思いますが、ことしの作柄をそれぞれの地域の皆さん方からお聞きしてみても、これ以上に実態としては下がっているというのが農家の皆さん方の本来の意見です。  それと同時に、量においてたまたま一〇一であったとしても、その品質がどうしても普通年と比べて劣りがあって、農家所得には大変マイナスになっているということを悲痛な思いで訴えられることがよくございます。  そういうことを考えると、どうしても作況指数そのものについては今までみたいな形の取り上げ方ではなく、もっと慎重に、もっと作況指数のあり方の工夫をしていかないと、もろに農家、生産者皆さん方に影響を及ぼすことを考えると、抜本的なありようを農家の皆さんやあるいは関係者の皆さんに示さなければいけない時期に来ているのではないかという思いを強くいたします。その件については大臣もしくは政府当局はどういうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
  31. 谷津義男

    政務次官谷津義男君) ただいまの先生の御指摘は当然だろうというふうに私は実は思っているんです。  と申しますのは、作況指数がことし一〇三というふうに発表されましたときに、自主流通米価格形成にかなりの影響を与えておるということはもう明らかだというふうに私も判断しているわけであります。そういうことから、作況指数によってかなり価格形成に影響を与えることを考え合わせますれば、これは根本的に発表の仕方というものについて考えなきゃならぬというふうに思っております。  アメリカ等におきましては、実はシカゴの価格を形成する上において、作況指数というのが非常に大きな影響を与えるということから、これはずっと極秘にしておきまして、発表するときは突然ぱっとしているわけですね。そして影響を与えないようにしているわけであります。  このような状況考えまして、今後、学識経験者等から成る研究会を設置いたしまして、関係者の意見を聞き、水稲の収穫量の調査、公表のあり方についても検討を進めているところでございます。
  32. 岩永浩美

    岩永浩美君 ぜひこの件については、具体的に、早目に一つの形をお示しいただく、姿をお示しいただくことを強く要望いたしておきたいと思います。  もう少し質問の要望をいたしておりましたが、時間が来てどうしてもほかの質問に入れません。最後に今後の生産調整のあり方についてお伺いをしておきたいと思います。  今まで政府は、米余りの状況を解決するために生産調整をずっとしてこられ、生産団体もそれに不承不承御了解をいただくという面が多分にあったと思います。市場原理の導入のもとの生産調整のあり方は大きな意味を持っていると私自身も思っています。三十年近く実施してきている生産調整、まさにこれまでの生産調整は試行錯誤の繰り返しで、米余り状況を打破していく決定打とはなっていないと私は思います。  そこで、今後こういう一つの新農業基本法、新たに米、麦、大豆あるいは野菜、園芸作物に至るそれぞれの作物についての価格保証を一面においてしていただくことになっていくとすれば、今後、生産調整を農政の中でどういうふうな形で位置づけて進もうとなさるのか、そのことを大臣にお伺いをして、私の質問を終わります。
  33. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今までの米の生産調整等も需給動向に応じてやってきたわけでございますけれども、基本的には、米の生産におきましてはこうした需給動向の経過を見ながら今後も進めていかなければならぬ、こう思うわけでございます。しかし、減反、転作で調整ができたならば、米の生産がもっと必要だという場合におきまして、過剰傾向がなくなって米が不足してきた場合、またもとに戻す、これも必要かとは思いますけれども、現在の消費傾向から見ましてこれを全部もとに戻すというような状況にはないと考えるわけであります。  したがいまして、米を生産するということと同時に、今回の大綱で示しましたように、米と同じように麦、大豆主要作物、土地利用型の作物の本格的な生産を行いまして、意欲を持って取り組めばその努力に報われるような所得が確保されるような政策をお示しいたした次第でございまして、何とかこの政策の御理解をいただきまして、生産体制が、米及び土地利用型の作物の振興が図られるように今後一生懸命努力をしていきたい、このように思います。
  34. 郡司彰

    ○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。  きょう午前中、衆議院の方でも質疑が行われておりましたので、私どもの同僚の小平議員が質問をした内容については重複を避けていきたいと思っております。それから、委員会の持ち方が変わりましたということでございますので、私どもの方も玉沢大臣に初めての質問でございますので、大つかみの質問をさせていただきたい、大臣の方からは率直な御意見を聞かせていただければありがたいと思っております。  冒頭、米価審議会あり方についてお尋ねをしたいと思っておりましたが、先ほど来、岩永議員の方の質問で私の言おうとしたおおよそのところについて考え方を述べていただきましたので、その分については若干省かせていただきます。  ただ、米価審議会国会審議との関係については、先ほど大臣から御答弁をいただきましたけれども、今度新しい基本法の中で食料農業・農村政策審議会という形で一本化されるということになっているわけであります。あるいはまた、省庁再編の絡みもあわせまして二〇〇一年の一月七日からはそのような形に改まってくる。そういうことになりますと、いずれにしましてもこの米価審議会あり方というものは早晩変わらざるを得ないのではないかというふうに思っております。  その関連で、米価審議会あり方の今後のことについて、御検討いただいておればお聞かせいただきたい。
  35. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 米価審議会の今後でありますけれども、二〇〇一年一月の中央省庁等再編後においては、米価審議会を含む農業分野の十一審議会は廃止され、その機能は食料農業・農村政策審議会に移管をされることになっております。委員の御指摘のとおりでございます。したがって、現在米価審議会が担っております米価価格決定についての調査審議機能は、この食料農業・農村政策審議会によって担われていく、こういう認識でありますが、従来米価審議会の行ってきたことを引き続き新しい審議会で行う、こういうように考えております。
  36. 郡司彰

    ○郡司彰君 いずれにしましても二〇〇一年からは変わらざるを得ない。  そして、この新しい政策審議会につきましては、定数についても決められていたわけでありますから、当然これまでの米価審議会と同じような形になるということにはならないんだろうと。どういう形で持っていくのかということになると、あるいは分科会というような方式を取り入れるのか、まるっきり農政審議会という形の委員の方が米価審議というふうなことに関しても全員が出席をして行うのか、その辺のところについての検討についてはまだなされておりませんでしょうか。
  37. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今後検討してまいりたいと思っております。
  38. 郡司彰

    ○郡司彰君 先ほど岩永議員の質問の中でも、来年の時期の問題、国会審議との関連の問題についてもありましたけれども、早晩、二〇〇一年ということになりますともう間は一年しかないわけでありますので、これは先ほどの答弁よりももっと踏み込んで、今現在きちんとこういう検討をしているということがありませんと、先ほど来大臣は、米価審議会は大変重要な中身なんだというような発言がございましたので、ちょっとその辺のところについて私自身は、大事だというけれども一年後のことについてまだ検討がされていない、どうかなという思いがしております。これについては、今後別な委員会の中でもお聞きをしていきたいというふうに思っております。  それから、活性化大綱が示されておりまして、この中で麦、大豆あるいは飼料作物等の本格的な生産を行うということになっている。これは、団地化あるいはロットというふうな形でもって行うということでありますから、言い方を変えますと少品種を大量に生産する形でもって市場の方に流していこうという形になるんだろうと思っております。  私は、それはそれで重要なことでありまして、自給率を一%上げるについても大変な数字的な積み上げが必要だということもありましたから理解をするわけでありますが、反面、それだけでよいのかなという思いをしております。  例えば、今、産直というふうなことも大分行われてまいりましたけれども、今後の地域と農業あり方については、多くの品種を少量ずつつくりながら地場において流通をさせるというような、そのような関係というものが地域においてつくられてくることも大変大事になってくるんではないかという感じがしております。対策大綱のところだけ読んでおりますと、どうもその辺のところが若干抜け落ちてしまっているんではないか。  これまでも、私どもは農水省の考え方の中で、そのような地場と密着をしたものというものが若干弱いんではないかということを申し上げてきたつもりがございますので、その考えについてお聞かせをいただきたいと思います。
  39. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 生産者が豆腐屋等の地域の加工業者と連携したり、みずから加工することにより地域の需要を確保していくことは、大豆等の定着拡大に大いに有効であると考えております。しかしながら、地場流通の場におきましては、加工原料であることから加工業者の利便という観点からの量的な制約もあります。  したがいまして、一定のまとまりのもとで銘柄や品質がそろうことが求められることになり、例えば国産大豆の大きな需要先であります豆腐業界では、その多くは同じ品質のロットとして三十トン以上が必要と聞いておるわけでございます。そういう大口の需要にもこたえていかなきゃならぬのではないか、そういう意味で申しておるわけでございます。
  40. 郡司彰

    ○郡司彰君 大臣の今の説明についてはよく理解をいたしました。私の方は、本来、農業というのは生産、消費、廃棄というものが工業製品その他のものに比べて地域でもって完結をできるということで、これからの社会のためには優位性を持っているんだろうと、そういう観点も入れて進めていただきたいということであります。  それから、団地化その他を行う、あるいは一定の数量をきちんと確保していくということになりますけれども、実際にこれまでそういうものを生産してきた方から聞きますと、やはり大豆でありましても連作障害のようなものがどうしても起こってくる。一定の耕地に大豆だけをいつも植えているわけにはいきませんよ。輪作というふうな形でやらざるを得ない。そうしますと、大豆をつくらないときには何をつくるんですか、そのつくったものはどういう流通でもって販売という形に結びつけるんですかということが先ほどの私の考え方でありますので、その辺のところについても十分意を用いてこの対策大綱の充実をしていただきたいなということであります。  それから、これはちょっと通告という形でしておりませんが、先ほど一%上げるのに大変な努力が必要だという説明をお聞きしました。この説明はそのとおりだと思うんです。私自身は、穀物の自給率でありますとか、あるいはカロリーベースの自給率でありますとかといういろんな自給率のカウントの仕方というものがあるんだろうと思っております。現在までそのカロリーベースを主にそのような議論をされてまいりましたけれども、日本においてそれとは違ったような自給率のカウントの仕方というものが検討をされてもよろしいんではないかというふうな議論もあります。  そういうことで、特に野菜等の関係がそういうことになってくるんだろうと思いますけれども、大臣の方で、この自給率というものの考え方について、今行われております穀物あるいはカロリー以外のそういう考え方については御所見がおありでしょうか。
  41. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 自給率を上げる、こういうことからいいますならば、例えば単当収量をふやしていくというのも一つの方法でありますし、また同時に、自給率の低い農作物をできるだけ土地利用型で、今回大綱で示されておりますように、これらの生産を上げていくということも一つの方法であると思うわけでございます。さらにはまた、農地が毎年転用されておるわけです。農地が四万ヘクタールぐらい転用されておる。こういうことから見てまいりますと、やはり生産の場である農地が造成をされていくということも私は大事なことであると思います。  それから同時に、よく日本型食生活、こういうことを言うわけでございますけれども、これが世界的に見ても非常に栄養のバランスのとれた食事形式であると。そういうことを見ますと、ともすればこれが欧米化傾向の消費性向にあるのではないか。そうしますと、例えば畜産物が大量に消費されるというような観点に立ってまいりますと、それに用いる飼料穀物がどんどん入ってくるということになってまいりますと、これまた全体として穀物の自給率低下させるということになりますので、そういう面におきましては、消費者皆さんもやはりこれはよく理解をしていただきまして、健康にいい日本型食生活ということに大いに理解を持っていただきまして、食の安全という観点からも、目の前で生産されるものが非常に安全であるということも理解をしていただきながら御協力をいただければと、こう思うわけでございます。  また、カロリーベースのお話がありましたけれども、例えばカロリーベースでいいますならば、カロリーはなかなか自給率だけでは万全ではないんじゃないかと。例えば、野菜なんかの場合は品目としましては八十数%以上の自給率がありますけれども、カロリーとしてはそれほど貢献できないという面もありますから、したがいまして品目ごととかあるいは数量ベースとか、いろいろな面からの自給率というものを計算して、やはり総合的な観点からいろいろ今検討をしておるわけでございますが、そういう点を今後明らかにしていきたい、このように思います。
  42. 郡司彰

    ○郡司彰君 通告をしていないことに関しまして、大変細かく御説明いただいてありがとうございました。  実は、今、大臣の方から、最後の方にもありましたけれども検討をされていると、そのような発言がございまして、一部報道等にも出されているわけであります。  私は、決まった形の分母分子だけで自給率を出すことがいいことだというふうには必ずしも思っていないわけでありますが、いずれにしましても消費者の方がどう理解をするかということがこれまた大変大事なことになってまいりますので、できますれば決まった段階で、今度はこういう自給率ですよというようなことが、今までも消費者の間に疑問を与えてきたというか不安を与えてきたようなこともありますから、その辺のところについては、今現在自給率についてはこのような計算方式もありますよ、こんなことも検討していますよということを早目早目に流す、情報公開をしていただく、その中で理解を得るというふうな形にしていただきたい。ややもすると、出てきたものが数字を操作してそのような形につくったというふうにとられないように御配慮をお願いしたい、そのように思っております。  それから次に、稲作経営安定、稲経の関係でありますけれども、これは九九年産稲作経営安定対策に七七%が加入をしていると。数量ベースでは若干下がっているようでありますけれども、生産者ベースでいきますとほぼ同じでありますから、これまで同様の保険的な意味合いが持たれるだろう、こういうふうになっているわけであります。  そして、先ほどまた消費者の問題が出てまいりましたけれども、今回のいろんな資料を見ましても、生産に携わる者あるいは関係がある方が見れば、稲経というものはこういう経過でこのような内容なんですよということは、これは若干理解をしているわけですね。ところが、一般的に東京に住んでいる方々稲作経営安定対策というのがこの内容なんですよということになりますと、これはどうも作柄が思わしくなかったり、あるいは収量が思わしくないときにそれを補てんする、ネガ・ポジで言えばネガのような対策になってしまっている。稲作経営安定という全体の表現を使っているのならば、もう少しポジ分もきちんと出していくということが必要なんではないか。  これは、私どもも何回も指摘をしてきたわけであります。こうなったときにこういう対策がありますよと言うのではなくて、不断に日常努力をしていけば、生産者農家、就農しようとする人が五年後、十年後にこれだけの生活ができるようになりますよ、収入が得られるようになりますよ、そちらの方が稲作経営安定と言うにふさわしいんではないかというふうに自分は思っているわけであります。  このような観点から、この経営安定ということに関して、この制度ではなくて、大臣としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
  43. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 稲作経営安定対策につきましては、過剰対策の一環としまして需給対策として出てきたわけでございますが、何としましても米の場合におきましては現在過剰傾向でございますので、この前も緊急需給対策を発表いたしまして市場から五十万トン余を切り離す、こういうことで何とか価格の安定あるいは上昇を目指して努力をいたしておるわけでございます。減反面積をこれ以上拡大するという考えではなくして、できるだけとにかく現在の状況の中におきまして消費拡大等も含めて行いながら需給の安定に努めていると。外国に対する食糧の援助等も視野に入れながら、何としても需給の安定を目指して努力してまいりたい、このように考えております。
  44. 郡司彰

    ○郡司彰君 次に、農地が減少しているということについてお聞かせをいただきたいと思いますが、昨日の衆議院の大臣答弁を聞いておりましても、造成に関しては相当やっていこうという意欲が強いんだということはわかりました。そして、統計速報の十一年耕地面積という資料をいただいておりますので、これを見ますと全体の耕地面積四百八十六万六千ヘクタール、前年に比べて三万九千ヘクタール減少をしたと。そのうち田んぼが二万ヘクタール、畑は一万九千ヘクタールが減少をしているんだと。これは造成分もありますから、差し引きの数字になるわけであります。  その中で、耕作放棄地というのが田んぼの関係で四千九百四十ヘクタール、畑の関係で一万五千百ヘクタールですか、こういうふうな大きな数字、全体で二万ヘクタールが耕作放棄地ということでこの一年間でふえているということになっております。  これは従前ですと、耕作放棄地がふえるというのは就労年齢が高齢化をしている。例えば、数字でこの表を見ますと、八五年当時で六十五歳以上が四三%が、九五年、十年たったらば六十五歳以上が六三%、ちょうど二○ポイントも高齢化が進んでいる、これに伴って耕作放棄地がふえてきたというような理解が多かったんだろうと思いますし、実質的にもそうだったんだろうと思います。  私は、これからのことを考えますと、この傾向は一定また続く、それとともに場合によっては大型の専業農家を含めて離農をするような方々が相当出てきて、新たな質を持った耕作放棄地というものがふえてくる可能性があるんではないかというふうに考えておるわけでありますけれども、この見方に対して大臣はどのようにお考えでしょうか。
  45. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 確かに私も、先ほど申し上げましたように、農地の転用、放棄ですね、これは四万ヘクタールと言ったんですが、正確には二万ヘクタールという委員の御指摘のとおりであるわけでございます。  しかし、これに対しまして日本の農業振興せしめる、こういう観点から言いますならば、できるだけ耕作放棄地がないように努力していかなきゃいかぬと。そういう面におきまして今回の基本法で明確にされましたことは、中山間地域における直接支払い制度を導入する、そして地域ごとにやはりそれぞれ話し合いをしていただきまして、できるだけ営農が続けていかれるような体制をとっていくということが大事であると思うわけでございます。  また、今後のことでありますけれども、傾斜地だけでこの中山間地域の支払いを指定するのではなくして、耕作放棄地の多いところとか、あるいは高齢化率の多いところ、こういうところも市町村長の裁量によって支払いの対象地域として行う、こういうことも今考えておるところでございます。  それから同時に、大型の農家の方も離農するのではないかというお話があったわけでございますが、これに対しましては、これからできるだけ意欲を持って取り組んでいただけるような施策を進めるということと同時に、やはり受け手となる担い手の方々の育成が大事であると。全国で今まで研修を受けて新しく農業に就業したいという方々が大体年間二千八百人ぐらいあったわけでございますけれども、ことしになりましてから一万人を突破する、すべて三十代以下の方々である、こういうことを見てまいりますと、こうした農業に意欲を持って取り組みたいという若い方々に対しまして十分その期待にこたえるように施策を展開していかなければならぬ、このように考えております。
  46. 郡司彰

    ○郡司彰君 続いて、大規模な専業農家がもしかして離農ということもあるんではないかということについては、農地の価格がずっと低落が続いている、そのような原因も一方であるのかなというふうに思っているわけであります。  今年度の三月末現在の田畑の価格と小作料ということでの発表がありましたけれども、十アール当たり田んぼの全国平均が百八万、畑が六十一万ということになっているそうであります。この水準は一九八二年当時の水準ということでありますから、十六、七年前の価格に戻ってしまっている。農地が下がるということに対しては、一方的に悪い傾向だということにはならないわけでありますけれども、実際に今農業をやっていらっしゃる方からすると、これは大変な問題が出てくるわけであります。  そして、この価格が下がる理由が、やはり長期的な米の下落傾向あるいは農業の先行きが不安だということが下落の原因だということになっているわけであります。例えば、北海道なんかですと規模拡大をするのに使用権だけではなくて所有権を持ってといいますから、要するに土地を買って規模拡大を行ってきた。先ほど資料をちょっと取り寄せてみましたところ、例えば百四、五万で買った土地が、今、北海道あたりですと大体三十二万平均、この地域ですと四十万ぐらいだということですね。  こういうふうな形になってまいりますと、資産価値が当然下がる、担保の価値も当然これは下がるということになるわけであります。M資金でありますとかそういうもので借りかえをしておきたいなというふうなことがありましても、その時点で資産の評価をやり直しますと、もともと借りていた額そのものが借りられない、借りかえそのものができないんだというふうなことでありますから、利子をどうこうするという以前にそのような問題が起こってきている、こういうような現状があるわけであります。  そして、これから活性化大綱の中では、一方で田を畑の方に本格生産に移すんですよ、そのためには圃場をもう一回つくり直しますと。これはこれで国の事業のあり方としてどうなのかということはありますけれども、いずれにしてもそのような形で行っていく。それで、先ほどの田と畑の資産の価値は、一概には言えませんけれども、単純に数字だけで言いますと六〇%以下の評価になるというふうな形も出てくるわけでありますから、活性化大綱によって本格生産を始める。それは、田んぼを畑にするんですよということになると、ダブルでもってこの資産価値が下がるようなことが出てくるわけであります。  そして、十二年ですから来年の春ですね、七年から始まりました認定農家の関係、五年たって見直しということでありますから、来年の春にはもう一度認定農家ということでするかどうかの再審査が来るわけです。当然経営の改善計画を出すわけでありますけれども、この農地の下落だけをとってみましても、五年前に認定農家になったものが五年後には農地の価格の下落によって経営改善計画が成り立たない、このようなことが予想されるわけでありますけれども、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
  47. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 従来からのことでありますけれども、農家の負債対策といたしましては、農協系統からの借入金などにつき長期低利で一括借りかえを行う農家負担軽減支援特別資金、制度資金の毎年の返済資金を長期低利で融通するリリーフ資金、いろいろと制度はあるわけでございますが、今、委員がおっしゃられました認定農家の問題等につきましてもっと柔軟な対応が必要ではないか、こういうこと、それに対応する負債対策も含めてのことだと思うわけでございますが、これにつきましては、よく実態を調査の上、できるだけ対応できるものは柔軟に対応するということを検討してまいりたいと思います。
  48. 郡司彰

    ○郡司彰君 検討をいただいて果敢な政策を出していただかないと、先ほど言いましたように別な意味での耕作放棄地が相当出てきてしまうのではないか。  それから、要望として二点ほどしておきたいと思いますが、一つは、認定農家の審査といいますのがあるわけであります。これは、基準に基づいて審査をされているんだと思いますけれども、例えばこの町、この村、この市というふうに、非常にここには認定農家の審査を通った方が多い、一方では本当に少ないというような、市町村によってのばらつきというものが相当出ております。これはどこの基準に合わせるかというふうなことも含めてなのでありましょうけれども、意欲を持って経営改善計画を提出して、やろうという方に対しては、できる限り認定という前向きな姿勢で行っていただきたい。そして、結果としてその市町村ごとのばらつきが今以上に激しくなることがないように、平均化するような形でもっての審査方法というものを行っていただきたいと思っております。  それから、あわせましてもう一つでありますけれども、先ほど言いましたように、所有権を移す、要するに土地を買って規模拡大をするという方法、これは私はもうなかなか成り立たないんじゃないかと思っています。そういう意味では、公社その他の関係が仲立ちになるなどして、あるいはその耕作放棄が出たところについてはきちんと公社が買い上げをする。そして所有権の問題については、一概に今の段階で、あるいは継続をする場合の細かい取り決めについてこの場でもって一つ一つ決めるということにはならないかもしれませんけれども、おおよそ規模拡大をしよう、あるいはこれから就農をしようという人に対しては、農地の取得ということが足かせになって農業生産につまずくというふうな今までのパターンを繰り返さずに、ぜひとも公的な形でもって土地を確保して、農業をやろうとする方には使用権でそれを貸してあげる、そういうような方法をぜひとも考えていただかないと、多分この北海道を中心とした専業農家地帯というのは壊滅的になってくるんじゃないか、そのようなことをこれは要望として申し上げておきたいと思います。  次に入らせていただきますが、WTOの関係でもって一つ二つお聞かせをいただきたいと思っております。WTO関係はこれからの課題でありますし、交渉の内容その他についてはまた別の委員会が開かれるとも聞いておりますので、私の方は自分の関心があるところについてお聞きをしたいと思います。  一つは、WTO協定の中で、特許、著作権あるいは商標などに関する国際ルールとしては、貿易関連知的所有権協定というのがあるそうであります。その中で知的所有権と農林業の関係についてでありますけれども、私自身は必ずしもこの生物というものに対する特許というものがこれからの国にとってあるべき姿なのかどうかというふうなことを考えております。  十月一日の記事にありましたけれども、当時の中川大臣がカナダの五カ国農相会議の方に伺ったときに、バイテクの関係で日本も推進をします、そういうような提案をしたそうでありますけれども、私自身はこれまでのあるいは米国の例等を見ますと、必ずしも生物に対する特許というものが普及することによって世界的な流れの中では食糧の飢餓状況というものが改善はされない、かえって発展途上国その他は大変な迷惑をこうむるというふうに考えておりますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  49. 谷津義男

    政務次官谷津義男君) WTOにおける知的所有権の問題、貿易関係知的所有権、この問題につきまして申し上げますと、実は所有権のあり方というのが国によって違うんです。例えばアメリカは先発明主義なんです。ですから、発明した人のところに所有権がある。それから、我が国を初め多くの国は逆に先申請主義、こういう形なんです。アメリカのやり方は非常に少数な国で、アメリカとスイスだけかな、ほかはないと思うんですけれども、そういう動きがある。  それがために、このWTOの協議の中においてもなかなかこの問題が決着がつかないでおりまして、例えば日本におきましても、この遺伝子組みかえ体の問題等もしっかり研究をして進めていかないとみんなアメリカにとられる、一国によって集中的にそれをとられるという危険があるわけなんです。また、事実そういう状況に今なりつつあるという状況でありますから、こういった面を例えば発展途上国等において別に扱うということについては、これは今のWTOの協議の中でないとほとんど不可能に近いということであります。  この点について、我が国初めEUなんかも同じような考えを持っているんですけれども、よく見直しをして、やはりこの所有権のあり方ということについて検討すべきではないかというようなことを今申し上げているという状況であります。
  50. 郡司彰

    ○郡司彰君 できますればきょうは大臣とお話をしたかったのでありますが、今、次官の方からも答弁をいただき、できれば大臣の個人的な考えでも結構ですからお聞きをしたい。  今ありましたけれども、今の状況が、今説明をされた日本の考え方が世界の多くの国の中で理解を得られるかどうかということが問題だろうと思うんです。例えば、アメリカについては特許の申請がこういう方法だとかということがありましたけれども、今まで世界の中でいろんな形でもってとられた多くの中には、その地域でありますとか民族とかというものが従前持っていたものを、それを特許にして申請をするという形が多かったわけなんです。しかも、本来文化として持っていたその中のものが特許にされることによって、逆にそれを有していたような地域や民族がそのために農業がプランテーションその他でもって押し込まれるというふうなところが出てきているわけです。  そして、日本という国がアメリカと競争をして、例えばイネゲノムでもって、グリーンフロンティア研究、十四億五千万がことしからついておりますけれども、これをアメリカと日本とEU、幾つかのところがとった、それ以外の百三十幾つかの国は、そのとったところの特許と種子戦略によって左右されるような、そういうルールが国際的にあった方がいいんですかどうかということを聞いている。  そういうふうなルールというものはWTOでつくるべきではないし、つくらせるべきではない。そのような形は、結果として種子戦略が貫徹をすれば、これは持たざる国は農業そのものが成り立たなくなるわけです。そのような形のルールのところに日本が乗り込んでいって、その研究をお金を使って一生懸命やりますよ、そしてアメリカに負けない特許をとりますよ、種子戦略にも乗っかっていきますよと、私はそれを考え直してくださいということなんです。大臣、どうでしょう。
  51. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 我が国は、優良品種の育成という観点から新種開発者の権利を保護していくことが基本的に重要であると考えておりまして、その考え方で対応してまいりたいと考えております。
  52. 郡司彰

    ○郡司彰君 大臣のお考えはわかりましたし、私自身考えも今申し述べました。それについては、今後とも日本という国が、よく日本はほかの国と仲よくやっていかなければならない、仲よくやるというのは、上に立ってそういうものを管理するような形でもって本当に友好ということが言えるのかどうか。私は、世界的に八億もの飢餓人口を抱えている、これからは世界的にも飢餓というものが拡大をしていくだろうというときに、自分の国あるいは数カ国の思いでもってそのようなことが戦略として語られることについては反対だということをもう一度申し上げておきたいと思っております。  それから、WTOの中で多面的機能ということが日本の方から主張されておりまして、これについてもきょうのお昼のニュースでそのような文言が入ってこないというようなことが流れておりましたけれども、これについても、これは余り時間がありませんので、日本で言っておる多面的機能、それからほかの国が多面的機能と理解をする中身というものと若干ずれがあるのではないかという指摘が衆議院の方でもあったようでございます。  私自身も、例えば先ほどから出ております生産調整に対する補助といいますか、そういうものについてはこれはほかの国も理解を示す内容だろうと思うんです。これは、農業の粗放化というふうな面からいえばほかの国も理解ができるだろう。しかし、それ以外の中山間地その他については、一定程度生産力を確保し向上させていくという中でのものを削減の対象から外すということになると、なかなかそこの部分が理解が得られないのではないか。逆に言いますれば、環境保全という農業を日本の中でもう少し地道に根づかせていくという、その実績を含めてほかの国に理解をしてもらうことが大事だろうと思っておりますし、まだまだ不十分だという思いがありますけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
  53. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず第一に、きょうのお昼のニュースで、第三次案が発表されまして、その中で我が国が主張しておる農業の多面的な役割の配慮という表現が削除されたという報道がなされたそうでありますが、これは事実かと確認したところ、誤報であるということがわかりました。  そこで、農業交渉に当たりましては、WTOの農業協定の第二十条に基づきまして、この中で非貿易的関心事項に配慮して、あるいは食料の安全保障に配慮してこういうことがうたわれておるわけでございまして、ただただ自由化すればいいというものではないということは御承知のとおりであります。  したがいまして、我々としましては農業が持っております多面的機能、あえて言いますならばこれは国土保全とかあるいは文化、歴史の源である、あるいは環境の維持であるとか、日本におきましては水を保水する水田の役割、こういうようなこともたくさんございまして、やはりこれからの世界の食料事情に対応していくためには、各国がその多面的機能を持っておる農業を通じてこの大事な食料を責任を持って国民供給していく、こういうことが一番大事ではないか。  こういうことから、同じ立場に立つ国々とともどもに、この前、ムチュモ議長からシアトルの閣僚会議の宣言案なるものの素案が発表されましたけれども、これは少し一方に偏っているのではないか、こういうことで、日本及びEUその他八カ国が共同して修正提案を出して、ケアンズ・グループの農業貿易を鉱工業製品と同じようなことにすべきではないかという極めて一方的な議論に対して対抗して今交渉しておる、こういうことも御理解をいただきたいと思います。
  54. 郡司彰

    ○郡司彰君 最後に、東海村で起こりましたウラン燃料加工施設の事故に関しまして、農水産物に対しても風評被害ということが大変出ているということになっているわけであります。  一つ初めにお聞きをしたいと思いますが、農林水産省の中にも事務次官を本部長とする対策本部がつくられたということで、農水省のホームページから抜き出してまいりました。概略、お手伝いするところについてはお手伝いをしてきましたというような感じにどうも受け取られてしまうんですけれども、農水省の対策本部としてこれまで行ってきたことについてお話しをいただけますでしょうか。
  55. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 東海村の核燃料施設事故周辺地域の農作物の安全性につきましては、事故が起こりまして直ちに厚生省、農林水産省が茨城県のサンプリング調査に協力をしまして分析その他を行ったわけでございまして、十分科学的知識のもとに学識経験者による評価も踏まえて検討した結果、安全性に問題はないとの結論に達しまして、十月二日に政府から安全宣言が発表されたところであります。  これを踏まえて、農林水産省といたしましては、同日付で食品関係団体、消費者団体及び関係行政機関に対しまして安全宣言の十分な周知、適切な対応についての指導、消費者への適切な情報提供を依頼するとともに、ホームページ等を通じ、広く国民に情報提供を行い、風評被害の防止に努めました。この結果、青果物の卸売市場等における入荷量、取引価格や量販店の仕入れ、販売は事故前と同様なものとなっておりまして、農林水産省といたしまして風評被害の防止のために最善の努力を払ったところでございます。
  56. 郡司彰

    ○郡司彰君 地元のそれぞれの農産物の被害状況一覧表をいただいております。大変な額になっているわけでありますが、地元の方はこの所轄が科技庁ですよとか通産省ですよとかは余り関係ないんです。国というふうな形で見るものですから、農水省も国ですよと、これは当然そうなるわけであります。  特に、農産物の風評被害についてはジェー・シー・オーが払う、それから場合によってはその親会社が払う、あるいは国会が決めれば国が払うというふうな形でなっているわけでありますけれども、もう少し、今回の事故のことに関してはあれですけれども、今後このような事故、原子力だけではなくて、風評被害というものがこの一、二年の間に一度、二度出てまいったわけであります。この風評被害というのは保険の性質からいうとどうもなじまないという形でもってやられてきた。  今回は、それにもかかわらず明確な因果関係があるのだから払いますよという答弁になっておりますけれども、いずれにしましても今後風評被害というものが起きた場合に、これを守っていく、カバーできるような対策、制度というものを農水省として考えているのかどうかということなんです。  それから、今回の場合も十月一日に安全宣言等々がありましたけれども、できますれば早急にその時点で、例えば国という形でもって全面新聞広告を一面に出して全国の方にぱっときちんと流しておくとか、そういうような形、その適用がもう少し迅速に行われていればありがたかったなと。  時間がありませんので、大臣最後に。先ほどの繰り返しになりますが、今後、風評被害等が起きた場合に、そのようなものに対処するような制度というものを農水省として考えていただけますでしょうか。
  57. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) これは安全保障対策と同じようなものでございまして、事故が起きた場合に風評被害になるのではないか、安全に対する国民皆さんの不安に対してどうこたえていくか。これはできるだけ速やかに先ほどとったような処置をとりまして、そして安心、安全を確保するということが大事だと考えております。  なお、損害を受けられた方々につきましては、この問題等におきましてはあくまでも原因者負担が原則と考えております。
  58. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  米穀需給及び価格の安定を図るために重要な役割を果たしております米穀政府買い入れ価格及び標準売り渡し価格米価審議会への諮問に関連しまして、質問させていただきたいと思います。  米穀需給状況は大幅な緩和基調で推移している。本年九月には、米の緊急需給安定対策を必要とするに至ったわけであります。また、去る十月二十九日には、需要に応じた米の計画的生産徹底と、それから水田における麦、大豆飼料作物等本格的生産を二本の柱とする水田中心とした土地利用型農業活性化対策大綱が取りまとめられたわけであります。  さて、これらのことを背景にしまして、先月には平成十二年産米穀生産及び出荷の指針案が示されたわけでありますけれども、平成十二年米穀年度及び平成十三年米穀年度の主食用等の需要量の見込みの数値がともに九百三十万トンとなっておりました。米の消費量が低下している中で、平成十三年米穀年度も需要量を平成十二年度と同等に見込んでいる。私としては、ちょっと不思議かなというふうに思っているわけであります。  一方、また加工用等の需給見通しにつきましては、平成十三年米穀年度は平成十二年度よりも五万トン増加しているわけでありますけれども、主食用等の米穀供給が過剰ぎみで備蓄用の在庫量適正水準を大幅に上回っているということを考えますと、加工用等への供給ももう少しふやす必要があるのではないか、そういう素朴な疑問もあるわけでございます。  この点に関しまして大臣より御説明いただければと、そのように思います。
  59. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 十一年米穀年度の主食用需要量につきましては、景気低迷の影響等によりまして外食産業が当用買いに徹し在庫量を減らす等、経営の合理化を図ったことと、家庭における消費がかつての余裕ある買い方から必要な分だけ絞るように変わってきていることなどから、前年を三十万トン下回る九百三十万トンとなったところでございます。  十二米穀年度以降の主食用需要量につきましては、消費が既にぎりぎりまで落ち込んでいると考えられることのほか、食料農業農村基本法を踏まえて今後、自給率向上に向けた食生活改善の取り組みを強化することなどから、十一米穀年度と同水準の九百三十万トンと策定しております。  一方、加工用需要量につきましては、国内で生産される十二年産加工用米二十四万トンと十二年度のミニマムアクセス数量七十七万トンを合わせた百一万トンと策定しております。加工用需要量につきましては、これまで必ずしも計画どおりに販売されていないことは確かでありますけれども、ミニマムアクセス米について販売残が生じた場合には、国産米の需給に影響を与えないよう援助用等として取り扱ってきているところでありまして、今後とも適切に対処してまいる考えであります。
  60. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 では、次の質問ですけれども、本年九月十五日現在の米の作況指数が一〇二のやや良でありましたところ、米の需給バランス早期回復を図るために九月に米の緊急需給安定対策決定して、十一年産生産オーバー相当分十七万トンを主食用以外への処理として、具体的に申しますと飼料用とすることにしたわけであります。  このように、需給安定化のために主食用のお米を飼料用に本格的に転用するというのは初めてのことかなというふうに私は考えているわけでありますけれども、これとは別に、最初から転作の目的で飼料用米、すなわちホールクロップサイレージ用の稲を生産する試みもなされているところであります。  そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、現在の飼料用米として生産されている量あるいは生産面積というのはどの程度あるのか、お尋ねしたいと思います。
  61. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) まず、飼料用として米が使われたのは初めてではないかという話でありますが、今までも在庫が長引きまして古々々々々々米ぐらいになった場合におきましては、どうしてもその処理を加工用ということで、飼料用米として使われたことがございますので、これは初めてではございませんので御理解を賜りたいと思います。  なおまた、稲の飼料用としての生産でありますけれども、これはホールクロップサイレージ用稲につきましては四十八ヘクタール、飼料用米につきましては三百二十二ヘクタールの作付がありますけれども、これらはすべて米の生産調整の手段として生産されているものであります。  飼料用稲につきましては、湿田においても作付、栽培が可能であり、かつ通常の稲作と栽培体系が同じであるというメリットがある一方、生産コストが高いという問題点がございます。  以上です。
  62. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほど、米の需給緊急安定対策として十七万トン相当というような大規模な形で飼料用に回すということは余りなかったのではないかなという、私のそういう考えで申し上げたわけであります。  同じく、結果的に米が余ったから飼料用に回すという場合と、最初から生産段階で計画的にお米を飼料用の稲としてつくっていくと。私は、できるだけそういう状況が推測されるのであれば、計画的に飼料米をつくっていった方が合理的ではないかなというふうに考えるわけであります。  本年の十月に公表されました水田中心とした土地利用型農業活性化対策大綱では、水田における麦、大豆飼料作物等本格的生産について言及しておりますけれども、また一方で、前にいただいた資料では、飼料用米の生産拡大にて食料自給率を一%向上させるためには二百八十五万トンの生産、耕作面積でありますと三十八万ヘクタールぐらいが必要になるだろうという、そういう試算もあるわけであります。今後、政府としてはどのように飼料米の生産について臨まれるのか、これは大臣にお伺いしたいと思います。
  63. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 今後、飼料用稲の生産振興のためには技術的に解決しなきゃならぬところがあると。やはり、多収量品種の収量安定化を目指して技術開発をする必要があるわけでありまして、多収量品種の育成等の研究開発、生産利用技術を確立するための事業を今年度から実施しているところでございます。
  64. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 やはり、飼料用の稲ということになりますと、トウモロコシ等から見れば十五倍ぐらい価格が高いということで、普通に考えればそういうものをつくらないわけでありますけれども、実際、試作しているところでは国の転作助成金や市町村、農協関係者からのそういう助成金をいただいている、あるいは畜産農家との連携をうまくしているということで、実際上つくっているわけでありますけれども、そういう助成がないとなかなか進まないということで、やはりこういう助成についてもきちんと計画的に検討していただきたいというふうに考えるわけであります。  次の質問に入らせていただきますけれども、国内生産の増大を図ることを食料供給基本に位置づけ、そしてまた食料自給率の向上を図ることを明記した新しい食料農業農村基本法が成立したわけでありますけれども、前の大臣答弁では、本年度中に食料自給率の目標などを含む食料農業・農村基本計画を策定して国会に報告するというふうに発言されているわけであります。これに関連して質問したいと思うんですけれども、食料自給率の中期的展望、約十年先の二〇一〇年ごろの予測についてお伺いしたいと思います。  まず、食料需要に直接関係すると思われます日本の人口ですけれども、今日のいろんな推計によりますと二〇〇七年ごろをピークに人口は減少していく。ただし、二〇一〇年ごろには中位推計ですと一億三千万人ぐらいになるわけでありまして、今日と比較しますと約三百万人、約二%の人口がふえる見込みだと、二〇一〇年の段階では。また一方、少子高齢化が進みまして六十五歳以上の高齢者の人口比率が今日よりふえていく。一七%から二一%ぐらいに上昇することになっておりまして、これも微妙かもしれませんけれども、食料自給に影響を与えるのではないかというふうに私は考えるわけであります。  また、主食であります米の消費量に関していえば、年間一人当たりの消費量が減少傾向にありまして、近年では約十年間で一〇%程度減少しておりますので、特別な対策がなされなければ米の消費量も今後とも減少する可能性が当然高いわけであります。  平成七年十二月作成の食料自給率長期見通しの資料では、カロリーベースで食料自給率は二〇〇〇年、二〇〇五年ともに四四%から四六%の見通しというふうになっておりまして、今日から考えますと、二〇〇〇年度の四四%から四六%というのは少し現実と乖離しているというふうに思われるわけであります。  そういう意味では、政府としましてはこのようないろんな点を考えまして、二〇一〇年時点での自給率を現段階でどの程度と見通しているのか、これは大臣にお伺いしたいと思います。
  65. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 二〇一〇年の自給率をどうするかと。まだ五年後のものも今検討中でございますので、私の方から予見を申し上げるということはなかなかできないと思いますが、まず自給率の目標は、単に何%、こういう数字を掲げるのではなくして、生産、消費両面での課題を明らかにしながら数字を現実的に積み上げていく、そういう形をとってまいりたい。そして、この自給率の目標につきましては、できるだけ高い水準とすることを目指しつつ生産、消費両面における課題やその実現可能性を十分踏まえて検討してまいりたい、こう思っております。
  66. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 今検討しているところだということでありますけれども、やはり今いろんな農業関係者の方からは、五〇%のカロリーベースでありますけれども、早く自給率を達成するように、そういう計画目標を立てていただきたいというお話があるわけで、私もやはり十年ぐらいのスパンで、二〇一〇年ごろを目指してカロリーベースでの目標五〇%というものをぜひとも設定しながら、いろんなその間に条件を整えていくことが大事ではないかな、私はそういうふうに思っているわけであります。  農林水産省の推計、今までのいろんな統計から見ますと、二〇一〇年ごろの耕作面積が四百四十二万ヘクタールから、あるいは別な推計では三百九十六万ヘクタールに減少するという見込みを立てておられるようです。それから、基幹的農業従事者も一九九五年の二百二十五万人から二〇〇五年には百七十九万人、十年間で約三〇%減少するというふうに統計上推計しているわけです。このままの推計でいきますと、二〇一〇年には百五十万人程度に減ってしまうんじゃないか、そのように推測されるわけであります。そういう意味では、今後、農業の担い手、もし自給率五〇%を本当に達成するんだという気持ちでいくのであれば、この農業の担い手をやはり中長期的に育成していくことが非常に大事になってくるというふうに私は考えるわけであります。  そういう意味で、大臣に、先ほどもお話がありましたけれども、担い手育成をどうするのかということはありましたけれども、大臣より、そういう十年ぐらいのスパンを考えながらどうやって自給率を上げていくための担い手を育成していくのか、お考えをお聞きしたいと思います。
  67. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 委員のおっしゃられますように、今後の日本の農業におきましてはこれを担っていく担い手の育成に力を入れるということが一番大事である、このように考えます。今、新規で就農をしたいという青年の皆さんが、今までは大体二千八百人とか二千五百人とかといっておりましたけれども、平成十年には一万人以上に達しまして非常に増加傾向にあるということは極めて喜ばしいことだと思っております。  したがいまして、青年農業者等の就農に当たりましては、農業技術、経営方法を実地に習得するための研修教育、それから認定農業者等の経営改善や発展に当たっては農地の利用集積の促進、スーパーL資金等の低利資金の融通、担い手のリタイアに伴う農業経営の継承に当たっては農地保有合理化法人によるリース農場制度の活用などの対策をきめ細かく講じまして、経営の各段階を通じて意欲ある担い手に施策を集中してまいりたいと考えております。
  68. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 私が考えるには、農業の担い手がふえてくるためにはやはり国民のいろんな意味での農業に対する理解が深くなっていかなければ、その担い手の方も育っていかないのではないかなというふうに考えるわけであります。  第一番目には、農業従事者が食料の安定供給という面で非常に大事な役割を担っている、国民全体がそういうふうに理解してもらえるような状況をつくっていく。二番目には、近年注目されておりますけれども、やはり農業にはいろんな多面的機能があるんだ、国土保全にもまた環境を守るためにも、またいろんな文化を守るためにも非常に大事な役割をしている、これもやはり国民によくわかっていただけるようにアピールしていく、それが非常に大切だというふうに思います。第三番目には、今度新しくできました食料農業農村基本法、この趣旨を国民に、大臣それから関係者の方がアピールしていただいて、非常にすばらしいそういう法律ができて、これからそういう国土の保全等々、今までのただ単なる食料供給だけではなくて、やはり環境面、国土保全、そういうものを一生懸命やっていきますよという、そのためにやはりそういうお米等々、作物に対しての価格等々も理解していただき、またWTO等々で日本が大変苦労しながら頑張っているということもアピールしていただいて国民の理解を得るように頑張っていただきたい、そのように思います。  以上で質問を終わりにしたいと思います。
  69. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。  けさは米価審議会をやられている会場の前にお伺いいたしまして、北海道から九州までの皆さんがいろいろな要望も持ってまいりました。特に、東北の皆さんは高温被害の実態も訴えられておりましたし、九州の熊本の議員さんもいらっしゃるわけですが、熊本では塩害がひどくて大変だ、もう全滅のところもあるんだと。そして、もちろん共済はあるけれども、土を入れかえないといけない、この負担は本当にやってくれるのだろうかとか、さまざまな不安を持ってきょうは上京されていました。  そういう悲惨な今の農業の実態を踏まえて、政府はその期待にこたえていただきたいなと、そういう思いできょうは質問に臨ませていただきたいと思います。  御存じのように、今、農業中心である稲作と水田がお米の低落と大幅な減反によって深刻な危機に直面していることは多くの皆さん質問でも明らかになったと思うんです。米価水準、いわゆる自主流通米価格は、今から五年前の食糧法が実施される前、二万一千円台でした。ところが、この十月二十六日の入札では一万七千四十八円まで下がっているわけですから、稲作農家の展望はもう本当に失われていると思うんです。だから、今、水田農業の活性化というならば、この事態の打開こそ私は本気でやっていただきたいなと思うんです。  ところが、政府は、価格安定のためといって、豊作で作況一〇〇を超えた分については過剰分として生産者の責任でえさ米として処理する方針を打ち出されました。生産者には私は責任のない米価の下落だと思うんです。それを生産者に回す不当な処理じゃないかと思うんですが、その点についてまずお聞きしたいと思います。  今、数字も出ておりましたが、ことしの緊急の対策では十七万トンをえさ米とすることになったわけですけれども、全農が一俵一万三千円で政府米を買って、それを六百円から一千円、一千二百円とも言っていますが、飼料会社に売ることになったと。そのために損金が、単純計算したんですが、約三百六十億円というそういう金額になると思うんです。政府はこれに九十億円助成するということを聞いていますけれども、農水省として、この予算、新たに生産者に対する措置を講じるのですか、まずお聞きしたいと思います。
  70. 山口勝朗

    政府参考人山口勝朗君) 十七万トンの生産オーバー分の処理に対する政府助成の予算措置の話でございますので、私の方からお答えさせていただきます。  十七万トンの生産オーバー分主食用以外への処理につきましては、生産者団体が従来の調整保管にかえて実施するものでございます。これに対する政府助成につきましては、従来からの調整保管に対する助成財源でございます稲作経営安定資金運営円滑化対策の一部を活用することといたしております。  なお、この助成金の支出する年度でございますが、十一年産に係ります調整保管に対する助成は十二年度予算で対応するのがこれまでの取り扱いでございますが、十七万トンが今後実際に飼料用に処理される時期なども踏まえまして、十二年度、来年度でございますが、来年度の予算編成過程において検討してまいりたいというふうに考えております。
  71. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 食糧庁次長にお聞きしたわけですけれども、ちょっと前段の米審に対する見解をお聞きしたいと思います。大臣の方から。
  72. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 被害を受けられました多くの方々に対しましては心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  九州の災害に対しましては、早速調査の上で、先日の閣議におきまして激甚災害指定を発動したところでございます。  さて、この需給安定対策として飼料用向けとして十七万トンを決定したということも含めて、需給対策についての御質問があったわけでございますが、どうしても自主流通米価格決定供給需要観点から価格が決まっていくわけでございまして、これを安定せしめるという観点からいいますならばどうしても需給対策を講じなきゃいかぬ。こういう観点から、作況指数一〇一ということが確定された時点で五十七万トンの米を市場から離す、こういう処置をとって、現在、価格動向等も見ておるところでございますが、価格におきましては大体下げどまりで、これから徐々に上向いてくるものと、こういうふうに期待しております。
  73. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 被害については全力を尽くしていただきたい。需給安定の問題については後でもう一度お尋ねしたいと思いますので、次長の方にもう一点お聞きしたいと思うんですけれども、食糧庁長官がいらっしゃらないですから。  稲作経営安定資金運営円滑化対策で九十億円を出されるとおっしゃいましたですね。この予算が九九年度は二百四十九億円組まれていると思うんです。これは自主流通米計画的販売を支えるために、金利だとか保管料の助成で組まれていると思うんです。ここから九十億円をえさ米の助成に振り向けるということだそうですが、そもそも生産者のために支出されていた予算の行き先をいわば振りかえただけだと、私はそういうように思うんです。  だから、生産者には私は単純計算で約三百六十億円と言いましたけれども、九十億円政府が見たとしてもやはり多大な負担が生産者、いわゆる全農にかかるわけですから、農水省の腹は全く痛まない、そういうことになるんでしょうか。確認です。
  74. 山口勝朗

    政府参考人山口勝朗君) まず、一点目でございますが、今回助成する九十億円につきましては、先ほど申し上げましたように、従来から調整保管などの助成財源として使っていたものがございますので、それを使うということでございますが、これは今回の生産オーバー分主食用以外への処理という性格からくるわけでございまして、すなわち今回、主食用以外へ振り向けるということは、言ってみればそのままでいけば生産調整を翌年強化する、あるいは調整保管をしなければならないということになるわけでございまして、いわばそれのかわりとして生産オーバー分を先に別途処理するという性格のものでございます。そういう意味からすれば、需給調整を図るという経費としては同様の性格を有しているものというふうに考えております。  それともう一つ生産者が損をこうむっているというお話がございましたので、若干これにつきましても触れさせていただきたいと思います。  作況がよくて生産オーバー分が生じますと、これを放置しますと、新米全体の価格は大幅に低下しまして売り上げは減少することになります。他方で生産オーバー分主食用以外に処理すれば、本来計画していました数量について安定した価格で販売ができまして米の総売り上げを確保することが可能になります。  したがいまして、生産オーバー分主食用以外への処理は、いまだ価格形成が行われていない段階におきまして価格の安定を図り、計画どおりの生産を行った場合と同様の総売り上げを確保するために生産者団体が主体的に実施するものでございまして、そもそも差損が発生するという性格のものではないというふうに私ども考えております。
  75. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 本当に数字の何かマジックのような言い方をされたような気がしてなりません。  生産者も九十億円以上、今三百六十億円という数字からしたらもっと大きくなるわけですが、そういう負担をしなければならなくなるのではないか。これは基金から出されるんだそうですね、全農の。全農側の自主米の販売促進のために値引き販売等に使っていた基金ですから、いわば生産者に還元されていたものだと思うんです、今までは。その基金から、生産者は自主米の販売代金の一%の拠出していたお金を基金に積んでいるわけですから、これは米の需給調整、需要拡大、そういう生産者側がことしの緊急対策でこれから支出しなければならないということになるわけですから、結局、生産者の負担が大きいということになると思うんです。  いかにも需給の調整ができて価格が安定するんだという言い方をしておりますけれども、これはことしの緊急対策で、来年は過剰処理のために生産者に新たに米の作付面積すべてに十アール当たり千五百円の負担をさせようとしているわけですね。ですから、来年は政府の助成をはっきりまだ書いていません。未定ということを書いていますが、やはり既存の稲作経営安定資金運用円滑化対策の活用とするにとどまっていますね。  生産者価格下落をとめたいという思いで今言われた需給安定に今までずっと協力してきました。だから、減反しかないという政府の言葉に応じてきたんですよね、これまで。ことしは最大規模の九十六万三千ヘクタール減反目標をやり遂げました。だけれども、需給のバランスが崩れて自主流通米価格は大幅に下落した。この原因は私は生産者にはないと思うんです、協力してきて頑張って。その原因はやはりミニマムアクセス米の輸入等、新食糧法による市場原理の導入だったと思うんです。だから、政府の責任ではないでしょうか。政府の責任で私はこの問題については処理すべきだと思うんです。  生産者のみに一方的に押しつけるのではなくて、生産意欲を本当に失わせるような、この豊作分のえさ米処理化は撤回すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  76. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) とうとい米を家畜に飼料として供給するということはやはり忍びないものがあるわけでございます。  しかしながら、需給を緩和といいますか、ある程度これは安定させなきゃならぬ、こういう観点から生産者皆さんにも御理解をいただきまして、生産者皆さんもこれを通じて自主流通米価格が上がるように、こういうことで御協力をいただきながらこれを進めておるわけでございますので、ぜひこの政策が全体としましては、食糧援助の備蓄も含めて五十七万トンという数字を決定し、これを市場から隔離しておるわけでございますから、効果が上がるように期待をいたしておるところでございます。
  77. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 生産者価格安定という、本当にこれは大事なことなんですが、そういうふうに大臣がおっしゃるならば、私は次の施策をやっていただきたいと思います。  この間の価格の低落の結果は午前中衆議院でも中林議員が指摘したと思いますが、この五年間で五千九百六十一億円も稲作農家は被害をこうむっているという数字を出したわけですが、御存じのように、ミニマムアクセス米はこの五年間で三百万トン近く輸入しています。これに対して作況一〇〇を超える豊作分は百万トン程度です。この五年間、需要量は計画と実績の差は二十万トンです。  だから、ミニマムアクセス米が加工米を含めた米の需給バランスを崩していることは明らかだと思うんです。過剰米の処理は生産者の責任に帰すべきではない、豊作による自然災害を起こしてはならない、食料の制度がこの欠陥を起こしているという、私は人災だと思えて仕方がありません。ですから、再度申し上げますが、このえさ米の処理は断固撤回していただきたいと思います。  農水省が打ち出した新たな政策で、結局、国産米の供給を減らすことで価格安定を図るというこれまでの延長線上にあると思うんです。私は、この七日の日曜日も遅い稲こきをしていらっしゃる農家があったのでお尋ねしましたら、政府はどこまで米の値段を下げるつもりやと、こういうふうに怒りをぶつけられました。生産者が今求めているのは、今、大臣がおっしゃった価格を安定させたい、価格回復したいという思いにもう尽きるんですね。  大臣、この新しい政策で経営が成り立つ価格回復しますか、その見通しはありますか。
  78. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 見通しいかんということでございますが、見通しはあると思います。
  79. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 具体的に示していただけませんか、本当に農家の皆さんが希望を持てるような。
  80. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 現在のこの政策がしっかりと実行されましてまいりますならば、入札価格等におきましても、第一回の入札の場合におきましては未成約の部分が四十数%ありましたが、第二回目の場合におきましては二〇%ぐらいに減ってきておるわけでございますし、価格も大体下げどまりではないか、こういう見通しが出されておるわけでございますので、今後に期待してよろしいのではないか、このように考えております。
  81. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 下げどまりという表現を言われましたけれども、でも依然やっぱり下がっていますね。この十月二十六日の自主流通米価格形成センターの第四回入札では、九月二十八日より〇・五下がっていますし、それから昨年の十月を見てみますと千六百円下回っているわけですね。  ですから、一万七千四十八円になっているわけですが、今、落札ができなかったのが二五%によくなっているという表現をしておりますけれども、やはり大変な事態なんです。ですから、これでありますと、見通しがありますと言われても農家の皆さんは安心できないわけですから、これ以上私は計画的にどうなるのかということをはっきり申し上げませんけれども、やはり今、ありますと大臣はおっしゃったわけですから、しっかりと価格回復、本当にその辺を重視していただいて、これから農政を新しく就任されて貫いてやっていただきたいと思います。  そもそも、天候などの影響で豊作、凶作ということがあるのが農産物であるわけですから、やはり生産供給の調整だけで私は価格の安定を図れるものではないと思うんです。それを食糧法によって政府が関与することをとめました。生産調整ではカバーし切れない需給価格変動を安定化する役割を放棄しました。他方では、需要のないミニマムアクセス米を輸入し続けたことが私は価格の暴落の原因だと思うんです。  にもかかわらず、私は、減反面積を示すのを今度は生産計画に改めるだけでは、結局、生産量を減らして供給を減らしさえすれば価格回復するんだという発想、これでは私は解決できないと思うんです。ですから、これまでの施策の延長線上じゃなくて、やはり稲作経営に展望を持てる実効ある対策を早急にとっていただきたい。今、価格回復する決意を、ありますということを答えたわけですけれども、現在、食糧庁長官はきょうおいでになっていませんけれども、需給を安定させることがお米の値段の下支え策だと農業新聞のインタビューに答えていますが、私は、下支えと言うならば、当面の措置として自主流通米の値幅制限の復活こそ今すぐできる有効な措置じゃないかと思いますが、その点についていかがですか。
  82. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 自主流通米の円滑な流通の確保を図ることといった観点から、銘柄別に需給実勢を的確に反映した価格の形成が重要でありまして、値幅制限は基本的には適当でないと考えております。
  83. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、この五年間を見ていても下がる率が非常に変動しているわけですけれども、下落しているわけですから、やはり値幅制限というのは一定の役割を果たすと思うんです。これを強くもう一度申し上げまして、最後政府買い入れ価格の問題についてお聞きしたいと思います。  政府の買い入れ価格自主流通米価格変動を反映して引き下げが続いています。二〇〇〇年産米政府買い入れ価格は一万五千百四円、二・七%下がる、四百二十四円引き下げです。九八年の全算入生産費は一万九千九百九十一円、前年より二・一%上がっています。だから、お米の買い入れは値段が下がって、そしてお米をつくっているその生産費は上がっているわけです。こんな矛盾した農政農業はないと私は思うんです。  農家の中で五ヘクタール以上の農家は、私はこの生産費、一万五千円ですね、政府が言っている、一・四%しかないという数字が出ています。大変なんです。政府米の買い入れ数量についても、備蓄運営ルールは、米が供給過剰であっても政府在庫が適正量を超えていれば買い入れよりも売却を多くする仕組みになっています。結局、過剰を助長することになっているんですね。  ですから、私は政府米米価の下支えの機能を持たすようにしていただきたい、政府米価格算定生産費を補うものにしていただきたい。もちろん、買い入れ数量の拡大もすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  84. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 一応、自主流通米等との関連の上で、算定方式に従いまして決定したわけでございますので、この線でやってまいりたいと思います。
  85. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 結局、変動の多い下落し続けている自主流通米変動率を掛けてつくられた政府買い入れ価格は下がるのは当然なわけです。そこを私たちは指摘しているわけですから、本当に農家の皆さんが来年も頑張ろうと言えるような農政をやっていただきたいと思うんです。  私は、大臣平成五年の質問をちょっと読ませていただいたんですけれども、野党のときですからとてもいいことをおっしゃっておりましたので、そういう精神でやっていただきたいなと思います。  これまで指摘したとおり、米価暴落の根本原因は、国内需要のない大量のミニマムアクセス米を輸入し続ける一方で、米の価格と流通を市場任せにしている食糧法にあります。政府がこれまでの政策の延長線上の対策に終始して稲作を守る有効な政策への転換をしなければ、多くの農家が稲作経営の展望を失います。水田の荒廃を一層広げることになるでしょう。米の生産危機を打開して、国民に対する主食の安定供給という政府の責任を果たすために米政策の抜本的な転換を要求して、私の質問を終わります。
  86. 谷本巍

    ○谷本巍君 新しい基本法農政の柱である水田営農政策がスタートしようとしております。私の質疑時間は十五分であります。申し上げたいことはたくさんある。質疑ということではその意も尽くせない。したがって、この事業の成功を祈りながら若干の問題提起をさせていただきたいと思っております。  初めに申し上げたいのは、農政通の新大臣が初仕事としてこれを手がけるということは、私は大変光栄なることだと思うのです。  といいますのは、この施策いかんで、一貫して下落してきました自給率を引き上げることが可能となる。それからもう一つは、これまでとかく批判の多かった米の減反政策食糧法制定以降下落続きの自主流通米価格、これらの問題を改善に導く環境を整えることができるからであります。つまり、自給の引き上げということと米政策の環境整備という二つのことが一遍にやれるという可能性を持っているからであります。しかし、それには幾つかの条件整備が必要であります。限られた時間の中で私は三つだけ提起をさせていただきたいと思います。  その第一は、麦・大豆作の新たな助成金がどうなるのかということであります。最高額は六万七千円という話を聞きました。昨年最高額を取った者はせいぜい二割から三割までいかなかったでしょう。ことしはどうなるか。最高額は昨年に比べ六千円上がりました。そして、団地化要件にしましても、利用集積でもよいということになりましたから、かなりこれがふえるのかなと思うのでありますが、現場の皆さんや関係者の皆さんに伺ってみますと、やってみなきゃわかりませんねというのがほとんどの声であります。  それにこの最高額と絡んでもう一つ問題があるのは、最高額が七万三千円だとしましても、農地の貸し手と受け手の配分関係がどうなるのか、ここにもう一つの問題があります。確かに、団地化を進めていくには農地の貸し出しへの配慮を抜きにしては成立いたしません。ところが、貸し出し手の取り分いかんでは最高額は簡単に米作収入を上回るような状況になる可能性があります。  なぜ現場の皆さんや団体の皆さんが米以上の所得にこだわるのか。これは言うまでもありません、小麦にしたって大豆にしたって米づくりほど楽じゃありませんよ、これは大変です。谷津政務次官の地元も麦作をやっておられるからよく御存じと思います。麦なんかの場合に、収穫期に雨に降られちゃって収穫ゼロ、収入ゼロということだって生じかねないといったような問題等々があります。それにまた、これらの作物をやっていくのには新規投資が伴うといったような問題等が出てまいります。それだけに助成金の水準で大体すべてが決まりそうな感じが強いのであります。  新しい基本法発足早々、これは私の勘が外れていればいいのでありますけれども、次に出てくる自給率は下がりますよ、私はそう思います。今そういう声が出ていますよ。これは新基本法とは関係がないけれども、余りいいことじゃありませんよ。  そういう状況の中で、水田営農対策が何とか順調なスタートをできるようにさせていかなきゃなりません。しかもこの問題は、単なる大豆と麦の増産対策ということだけじゃなくて、米政策全体を変えていくという重要な意味合いを持っておるのであります。したがって、助成について大臣政務次官のさらなるひとつ御奮闘を期待したいのであります。  それから二つ目の問題は、水田営農政策がうまくいくと確かに自主流通米需給バランスは実現しやすくなってまいります。しかし、それがそのまま自主流通米価格の好転に結びつくかというと、若干の問題なしといたしません。  といいますのは、政府需給調整は不作に備えた備蓄に限定されております。そして全量回転方式であって、全量が何と二百万トン、上限が二百万トンということになっているからであります。そのため、少々の豊作ともなりますと、大量の政府在庫米との組み合わせで過剰買いたたきが起こりやすい。じゃ、不作のときはどうなのかというと、備蓄米があって放出されるから値段はその割に上がらないといったような状況が出てくるのであります。  不作対策だけではなくて、余剰対策をこの際考えなければならないのではないでしょうか。備蓄運用について、棚上げ方式を併用するということも検討されてしかるべきでありましょうし、それから豊作による余剰米処理については、農家負担ではなくて制度でもってこれがやっていけるような道を開いていく必要があるのではないでしょうか。そうしますと、水田営農政策の成果が自主流通米価格にストレートに出てくるようになってくるでありましょう。この点をひとつ検討していただきたい。  以上、二つの問題指摘に加えて、もう一つ経営安定対策で触れておきたいのであります。  農業団体は、これまで基準価格の改善要求といたしまして、三年平均ではなく五年平均にしてほしいという要請を続けてまいりました。しかし、政府は、九九年産価格を補てん金を加味した水準とするということで三年平均を続けることにいたしました。いかにもこれは取り繕いという感じであります。そうした声は、認定農家向けの九割補てんにも同じような声が出ております。  しかし、私は改善の意欲を買っていきたいんです。この問題では、これまで役所の実務を担当しておられる皆さんとも話をしてきました。変わりましたね。昔は、制度にちょっとでも手を入れるというと、白いものでも黒と役所の皆さんおっしゃったものです。そうじゃない、どう改善すればいいかということで皆さん懸命です。  そういう状況であるだけに、この際、大臣に申し上げておきたいのは、価格下落が今後も続くようなら経営安定機能を果たせなくなってまいりますから、したがって経営安定対策を、実態を見ながら制度のさらなる改善と充実を期していただきたいということであります。  最後に、推進体制の問題について触れさせていただきたいと存じます。  行政それと生産者団体、出荷取扱業者、農業委員会等の関係者から成る水田農業推進協議会をつくって云々と書いてあります。私、これを見まして、さてこれは大丈夫かなと思いました。なぜなのか。  その一つは、既存の指導団体の協議会で革命的なことがやれますかということであります。  大臣も御存じでしょう、村を回って歩けば、最近あっちでもこっちでも耕作放棄の話が出てくる。さらにまた、単収の低い水田なんかやってくれる人はありませんよというところだってある。せっかくつくった農業用施設でも使われないものが目立ち始めてきております。ですから、あと数年たったらこの集落や村の農業は成り立たなくなっていきはしないかと案ずる声だって少なくないのであります。  だから、みんなで考えみんなで何とかしなきゃならぬときなんです。危機だから立て直しへの絶好のチャンスというとらえ方があってしかるべきなんです。果たしてこれまでの指導団体の集合体でその指導的力を発揮することができるのかどうなのか、私の第一の疑問はこれであります。  それから、二つ目の問題は、トップダウンではなくて下からの力に支えられるようでないとこの事業は成功しないということであります。  例えば、先ほど申し上げた助成金の問題で申し上げますというと、農地の貸し手が受ける分と農地の借り手が受ける分、これをどうするか。これまでも生産調整の中で間々見受けられましたのは、生産調整奨励金をどっさり地主が取って、耕作する方はとにかく転作でできた作物だけということだって結構ありましたよ。ところが、地域全体で取り組むという状況になってきますというと、その種の問題というのはおのずと解決されていきます。さらにはまた、みんなに元気が出てくれば、自治体や政府への要求行動が出てくるはずです。今の村の状況は冷え込んじゃってそういう状況になっていないというところにより重大な危機的状況があります。  さて、最後の三つ目に思うことでありますが、もう一つの問題は、活力を取り戻すのには、最近の情勢変化を積極的に取り入れる工夫があってしかるべきではないかということであります。  新規就農者でいえば、定年就農、Uターン就農、県外就農等々が目立つようになってきました。この中には、米の集団転作なんかで非常に指導的な役割を果たしてくれる人たちが出てくるということをちょいちょいこのごろ見受けるようになってきました。  さらにまた、村の中じゃ女性の皆さん、高齢者の皆さんが朝市、産直運動をやっていく。そして、それも大豆や小麦づくりで申し上げますというと、原料をつくるだけじゃないです。パンをつくってみましょう、そしてまた同じように御婦人の皆さん中心になって、みそをつくってみましょう、加工の仕事が始まりましたね。そして、地場流通から今度は都市との提携というところへ発展している例もある。つくったものを加工するというのは一回転する。地域で販売すれば三回転していくんです。それだけ地域経済の貢献度が高くなってくるわけであります。  こうした動き等々も出てきているわけでありますから、そうした動きに学びながらそれに取り組んでいくという工夫もあってしかるべきだと私は思います。水田営農政策は、地域農業再建、そして地域農業経済おこしとともに食べ方を変える運動にも貢献できるような組み立て方、これが工夫されてしかるべきなのじゃないでしょうか。  推進協議会の構成と運営上の工夫について特段の力を注ぐよう期待を込めながら、私の発言は終わります。答弁は結構であります。しかし、時間を少々残ました。大臣の感想だけ、一言でも結構であります、承っておきたいと思います。
  87. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 谷本先生のいつもの御見識に敬意を表します。  この新しい政策を進めていくという上におきましては、できるだけ多くの方々の同意を得て、理解を得て進めていくということと、それからさらにはまた前向きに前進していく、このことが大事だと思います。政策推進は、元気よく頑張るということが大事だと、こう思いますので、先生の御指摘をいただきまして、元気よく頑張ってまいりたいと思います。  以上です。
  88. 谷本巍

    ○谷本巍君 終わります。
  89. 阿曽田清

    阿曽田清君 自由党の阿曽田でございます。  十分間しか時間がありませんので、簡単に質問をさせていただきます。  今年産は非常に過剰基調ということで、緊急対策をとっていただきながら市場から米を隔離し、そして安定化へ向けての取り組みがなされましたことに心から感謝を申し上げます。  この現行算定方式というのは平成九年から毎年下がりっ放しでありまして、十二年産政府買い入れ価格、これもマイナス四百二十四円で一万五千百四円という線で恐らく決まるでありましょう。そうしますと、四年間下がりっ放しということであります。  この現行算定方式が最善の算定方式かどうか、大臣、どうお考えになっておられますか。
  90. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) この方式が最善のものであるかというお話でございましたが、最善とは言えませんが、適正なものと考えております。  食糧法の規定に則した算定方式であるということと、市場における評価が生産現場に伝わりまして、需要に応じた生産の促進に資する方式であること、一方、行政価格としての安定的な運営を図り得るものであるということでございまして、米価審議会を初めとする関係方面の意見を聞きながらこの方式を採用したものであるということを申し上げたいと存じます。
  91. 阿曽田清

    阿曽田清君 食糧法の法律に基づいてということでありますが、第五十九条の第二項、この中に「政府の買入れの価格は、政令で定めるところにより、農林水産大臣が、自主流通米価格動向その他の米穀需要及び供給動向を反映させるほか、生産条件及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として定めるものとする。」、こうなっております。  そうしますと、再生産確保というものを旨とするということになりますと、少なくとも第一次生産費、直接投入した費用部分というものが再生産確保の最低じゃなかろうかなというふうに私は理解します。  そうしますと、一俵当たり生産費は、平成年産でありますが一万五千八百三十四円。そして利子、地代等を入れた支払い生産費で一万六千四百四十一円。少なくともこの一万五千八百三十四円というのが、地代支払い分を除いたところの直接支払いで、これを再生産の確保だというふうに思います。  ちなみに、私どもの農協で平成年産の今までのを計算させてみました。そうしましたら、熊本の代表のヒノヒカリでありますが、これが農家の方々の手取り額、一等で一万五千五百四十五円、二等で一万四千七百九十五円であります。そうしますと、政府米の十年産を既に下回っておるというような状況であります。  また、価格形成センターのそれぞれの手取り金額、農家の手取り金額、これが政府米より下回っているところが、十年産においては十三から十四銘柄米が下回っておりますし、十一年産においては十八銘柄が下回っておる、手取り金額です、市場の価格じゃなくて流通経費等を引いた残りでありますが、生産価格を下回っておるというようなことからするならば、私は、この算定方式というものをもう一度この法律に照らし合わせて、少なくとも再生産確保というものは、これは一つの農家の方々生産意欲をなくすことをとどめる道でもあるし、同時に私は流通価格のある意味では下支えになるのではなかろうかなと思いますが、見解をお聞きしたいと思います。
  92. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 食糧法下の政府買い入れ価格は、自主流通米価格動向を反映させるほか、生産コスト等を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨として決定することとしております。  具体的には、自主流通米価格変動率及び生産コスト等変動率を均等にウエートづけして前年産政府買い入れ価格に乗ずることにより算出する算定方式としております。この際、米穀の再生産の確保につきましては、大幅な需給ギャップが存在し生産調整を行っているという実態を踏まえまして、国民経済上必要な米穀の総量が確保されているかどうかという視点から考えていく必要があろうかと考えています。  このような観点からすれば、この価格水準で直ちに国民の必要とする総量の米の再生産の確保が困難になるとは考えておりません。
  93. 阿曽田清

    阿曽田清君 大臣、私が申し上げたいのは、この価格算定方式をずっと続けていくとするなら、政府買い入れ価格というものはいわゆる自主流通米の下支えにもならないし、農家の方々が再生産するための意欲の価格にもつながっていきませんよ、だから次年度からでもひとつ算定方式を改めて、再生産確保の算定方式考えつかれたらどうですかと。玉沢大臣のもとでそういう新たな方式をつくられることは私は二十一世紀に向けて大事なことだと思いますので、御検討をいただきたいと思います。  時間がありませんので次に入りますが、九州の災害におきましてはいち早く、本来ならば十一月二十四日ぐらいに天災融資法の発動や激甚災指定が出るというような政府のお話でありましたけれども、二週間も早く出していただいたことに心から感謝を申し上げます。また、稲経につきましても、緊急措置ということで見直しをとっていただいて、私はまずは今年度、農家の方々から見れば及第点を差し上げてよろしいのではなかろうかなという評価をいたしております。  そこで、非常に現場的な話になりますけれども、今回、台風被害等によりまして規格外米が相当出ました。規格外米もいわゆる自主流通米として加工用向けにして、いわゆる稲経の対象にしていただいたことに感謝を申し上げますが、規格外米にいわゆる稲経部分が乗っかったにいたしましても、例えば一万八千円で、市場平均が一万七千円だったとすると千円の差があります。その八百円分を稲経で見るわけですが、今度、規格外になりますと一万二千円、それに八百円乗ったところで一万二千八百円。そうしますと、同じ自主流通米で出た一万七千八百円と規格外米で出た一万二千八百円とは五千円の差があるということであります。  それは、規格外と一等は違うというのは当たり前でありますが、これが量が減っておれば共済の対象になるんですけれども、共済は御承知のとおりに三〇%足切りがあって、七割分とれているところに対しては共済対象にならないわけですから、そうした場合に、仮に八俵のところが一から三等までは四俵しかとれないで、あと四俵がいわゆる規格外米になったとしますと、まさに共済も適用にならないし、二万円の収入が減ったということになります。  ですから、ここでお願いなんですが、稲経の中で緊急にそういう規格外米に対しての特別的な対応ができないかどうかというのが一点と、もう一つは、共済制度で特別措置を見て対応するという方法があるかと思います。ですから、米そのものについても共済制度措置で見ることができないかどうかというのが一点と、それから、十三年からPQ方式で麦がとられるようになっておりますので、米もそういうPQ方式、麦と同様にすべき考えはないか。  この三点をお聞きしまして、質問を終わります。
  94. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 災害等によって生じた規格外米につきましても、自主流通米として出荷されれば稲作経営安定対策の補てん金の交付対象となります。この場合の補てん単価は、産地、品種、銘柄ごとに一等米の価格をもって算出され、規格外米につきましてもこの単価が交付されることになります。  十一年産自主流通米価格低下している現状を踏まえて、水田中心とした土地利用型農業活性化対策大綱により、十一年産の補てん金が交付される方に対して追加的な特別支払いが可能となっており、規格外米につきましてもこの特別措置のメリットを受けることになります。  なお、本対策は産地、品種、銘柄ごとの価格変動が農家経営に与える影響を緩和することを目的とするものであり、災害時による品質低下に対処する目的のものではありません。  もう一つ、麦と同様に水稲にも災害収入共済方式を導入すべきではないかということでありますが、米につきましては政府買い入れ米、自主流通米に加え、自家消費、直販や縁故米として出荷される計画外流通米が相当量あり、農家ごとの米の販売量、販売額等を的確に把握することが困難であるため、水稲に災害収入共済方式を導入することは困難であると考えております。
  95. 阿曽田清

    阿曽田清君 助成措置は。
  96. 玉沢徳一郎

    国務大臣玉沢徳一郎君) 異常な災害によって広範囲の地域にわたり規格外米等の低品質米が発生した場合には、農業共済組合連合会からの申請に基づきまして損害評価の特例措置を講じ、その品質低下分を収量の減少として取り扱うことといたしております。  以上です。
  97. 阿曽田清

    阿曽田清君 これで終わります。
  98. 若林正俊

    委員長若林正俊君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十二分散会