○山下栄一君
官房長官にちょっとお聞きいたしますけれ
ども、今、青少年をどう育成していくか、私
たちの後継者をどう育てていくかということはもう極めて深刻な問題で、なかなかうまくいかない。うまくいかないどころか非常に大人
自身が自信がなくなってきているという
状況が大変あるというふうに思うわけです。
それで、青少年問題審議会というのがございまして、ここで二年間かけて「「戦後」を超えて―青少年の自立と大人社会の責任」という題の答申が出ておるわけです、二年間かけて。これは、小渕首相の時代じゃございません。橋本総理の時代だったと思いますが、平成九年からことしの夏まで二年間かけて、幅広く
意見をまとめて答申という形ででき上がったものなんですけれ
ども、私はこれを見ながら感じることが多かったんです。
確かに形としては、これはぜひ
官房長官、もうお読みだと思いますけれ
ども、再度また読んでいただけたらと思うんですが、非常に骨太の提言がされているなというふうに思うんです。
ただ、僕が問題だと思うのは、あくまでもこれは、もちろん審議会ですから提言はどっちに向いているかというと役所に向いておるわけですね、
内閣にこういう
意見を御提言しますと。僕は、もっともっとそういう形よりも
国民に、こういうふうに代表メンバーを集めて、このメンバーの
方々もそうそうたる
方々が各界、単に教育関係だけじゃなくて幅広く出られているわけですけれ
ども、非常に提言としてすばらしいなと。それは
国民の方に向いていないわけです。総理
大臣から諮問を受けたからということで、どうしても形としては
内閣への政策提言みたいな形になってしまっているわけです。
僕は、そういう形式はもう幾ら繰り返したところで
国民的な
議論に広がらないということを本当に痛感しております。青少年問題審議会以外にも、例えば中央教育審議会が文部省のもとにある、それから生涯学習審議会、また厚生省には中央児童福祉審議会、集まっている
方々はいろんなところから集まっているんだけれ
ども、せっかくいろいろ
議論しても役所の方に向かって言っているから、こういうすばらしい提言が出されているということも、どこかで
国民に知らせる道はあるのかもわからぬけれ
ども、せっかくの提言が
国民の
議論に広がっていかないというのは私は非常に残念なことだなというふうに思っておるわけです。
それで、与党の方でも教育改革
国民会議というのが提案されているんですけれ
ども、僕は、またこれ、
政府に向かってこんなことをやったらどうですかみたいな提言をやっても、もう何遍も同じことを繰り返されている、場合によってはメンバーも重なっている場合もある。この青少年問題審議会の提言というのはすばらしいけれ
ども、それをテーマに、家庭で、地域で、学校の中でも、こういう提言をされているけれ
ども自分はこう思うとか、これは反対だとかというふうに広がっていったら意味があると。だから、
内閣に向かっての政策提言じゃなくて
国民へ発信する問題提起みたいなとらえ方が、教育改革
国民会議という形をとるんでしたら、中央でもそういう
議論をいろんな人が集まってやっている、それで
国民に向かって発信すると。
ここで言っているのは、中央から下におろすんじゃなくて、地域が大事だ、地域コミュニティー、そこがポイントだ、そこから大人にいろいろ提言するんだ、現場は地域だというようなことを言っているわけです。だからそれは、僕は、別に地域でなかったらいかぬということはないと思う、中央でも
議論をやったらいいと思う。いろんな人がそういう青少年問題に対していかに深刻な課題があるかということを共有する、悩みを。悩みを共有する中から知恵が出てくる。まとまった、かしこまった提言を幾ら何ぼ並べても、書物で終わってすぐ忘れられて、別の審議会ができてまた提言がされるというようなことが繰り返されていくんじゃないか。
だから、今度設置されようとしている教育改革
国民会議というのは、まさに名前のとおり、会議の形で問題提起機関だ、政策提言に終わらせないと。そして、それを契機にして
国民に発信して、それも
一つの参考にしながら
議論を日本列島全域に広げていくことによって大人
自身の意識変革をやっていく。ここにも大人の意識変革が大事やと書いてあるけれ
ども、大事やということを集まった人は認識したと思うけれ
ども、集まった人と、あと役所だけで終わっているわけです。だから、そういう形じゃない形をとらないと、この青少年問題というのは深まっていかないし、何かお上から下におろされるみたいなことで終わってしまうというふうに感じまして、こういう審議会方式の仕組みを抜本的に見直すようなことが大事だと。
政治、
行政主導型の青少年問題の解決というのは僕はあり得ないと思うわけでございますので、中央でやるのも勝手だけれ
ども、いろんなところでやるというふうな癖をつけていかないと、何か予算を組んで、そして政策提言して、それを役所で
検討してというようなことだけで終わっていたらかえって逆効果になってしまう。大人のすべての意識変革をやらないかぬ、こういうふうに書いてあるけれ
ども、そんなことになっていかないというふうに感じておりまして、こういう審議会をつくってまとめて答申するみたいな形の
あり方をもうやめる、教育問題とか青少年問題については。
これは問題提起なんだ、そしていろんなところでこれを材料にして
議論してくださいという形の方が、教育改革
国民会議をやるんでしたらその方がいいんじゃないかというふうに私は思いまして、教育改革
国民会議でまとめたやつを役所で
検討して
法律をつくるとか、そんな
やり方はもうかえって逆効果である、
一つも意識変革になっていかないということを考えておるわけですけれ
ども、
官房長官のお考えを、青少年問題担当
大臣だと思いますので、
お願いします。