○山本保君 いろんな要素が絡まり合ったところを御
説明していただいたわけでありまして、私なりに考えますと、今のお話を整理させていただければ、例えば
施設から在宅へとか、また今までまさに税金で行われてきた、そしてそれは国が中心であった。これが民間型、市民がチェックをするというような形になってくるとか、またその主体も、より共助型といいますか、みんなで助け合おう、こういうものが出てくる、そういう効果があるというふうに私も思っております。
そこで、ちょっとあと細かいことなんですが、私の資料を、もう配ってございますか。
実は、私は小泉
厚生大臣のころから一貫して言っておることなのでございます。これで三人目の
大臣でございますけれども、今申し上げたような、例えば
施設から在宅へとか、または公務員型から民間主導型になるとか、また国が全部行いますよというのから、民間がみんなでやりましょう、こういうような非常に重要な変化があります。この変化というのは、当然これまでの
介護のイメージといいますか、もっと言えば
介護費用全体についても大きな影響が出てくるはずだということを前から申し上げているんです。
といいますのは、四兆円とか四・二兆円、最初に計画が出たときから申し上げていたんですが、それは実は積み上げて立てたお金ではない。これはいまだに計数が出ないんですからないわけです。では、なぜ四兆円になったのか。それは、今まで払っていたお金、費用に対して、老人の増加率とそれから
サービスの利用率が上がるでしょうということを掛け算しただけなんです。今までは公務員の給料が全部
基本になっていたのが、民間の適正な
サービス価格になるという一番大きな要素は全く入れていないんです。
ですから、四兆円とか四・二兆円というのは、まさに最初はそういう形があるかもしれない。しかし、実際にこの
介護保険が運用されていけば、またこれから条件を申しますけれども、こういう条件をきちんと政策的にクリアしていけば、私はもっとお金が下がってくると。ほかの
委員とは全部反対のことを言っておるようですけれども、私は
介護保険というのは本質的にそういうものだと思っておるわけなんです。
ちょっと私の私案というのを一枚のペーパーで簡単にまとめました。急遽まとめましたので間違いが、文章もうまくないかもしれませんが、見ていただければと思います。
委員長もよろしくお願いします。
例えば、最初の「
施設から在宅へ」という動きをもっとこれは意識的につくるべきだ。なぜならば、
施設というのは一生懸命やっておられますし、人間の生活環境としては頑張っておられることはわかりますけれども、しかしながら本来お
年寄りというのは、その
家族やまた育ってきた
地域、友人、知り合いの中で育っていくように応援すべきだと思うわけです。
大臣がさっきおっしゃったような形からいけば、これまでの大きな
施設をつくって入れる方が効率的であった、これを変えていきましょうということです。
例えばということで、先般発表になりました、現在入っておられる方の要
介護度を
調査した結果だそうでございますが、それを見ますと、要
介護度Ⅱ以下の方は今入っている方の大体四〇%である、こういうふうになっております。
私は、ここを頑張ってこの二年間に、例えば
高齢者生活福祉センターでありますとかグループリビングというような新しい、いわゆる術語で言えばグループホームですが、こういうものを、今のところは痴呆型しか認めておりませんけれども、そうではなくてまさにグループで、
地域の中で生活していくような
施設といいますか今までの
施設とは違う
施設、在宅を支援する形の
施設、こういうものをつくっていく。そうすれば、例えば当面の半分の二〇%ぐらいの方はより優しい、そして充実した生活の方に移っていただけるのではないかと思うんです。
こういうことをやりますと、今平均して三十万円ぐらい、三種類の
施設ですから、大ざっぱに計算しますと大体三十万円ぐらい費用がかかると言われているのに対して、現在の金では大体五万円ぐらいかと思うんですが、私は今申し上げたような各
サービスが十分だとは思いませんので、それを倍ぐらいにするとして十万円としましても大体三分の一にこの
部分が減るのではないか。
二番目に、これが実は大きなところでありますが、皆さんも御存じのようにヘルパー単価というのがこの前発表になって、それが一時間四千円であると。これを私が
地域でいろんな方にお話ししますと、皆さんもうびっくりされます。時給四千円。
厚生省に言わせますと、いや、それは千円ぐらいの給料かもしれないが、いろんな管理費が要るんですと。そんなばかなことはない。そんなことをそういう
専門でやっている会社に聞いても、そんな管理費を取るような会社はつぶれてしまいますと。
そんな
説明じゃないんです。四千円というのは何か。八時間労働として二十日間掛け、そして十二カ月掛ければ七百万になる。公務員給料なんだと。それは歴史的に見ても当然でして、ヘルパーというのが新しくこの福祉の項目に入ったときに行われていたのは、公務員さんがそれをやり出した。今までの措置費なりの体系でいけば、その払っている方のお金がもとになってつくられていますから、
保険法が動かない今でもやはりそれに近い値段になっていますし、この
介護保険法では少し高く設定して四千円になっている。
しかし、これはそんなことで動くはずがない。やはり
看護婦さんや例えば保母さん、保育士ですが、そういう方と比べて、さっきちょっと申し上げたのはそのことなんですが、まだヘルパーさんの
専門性というのは決して
看護婦さんほど高いとは思われていないのは仕方がない。学歴も要りませんし、難しい試験を受けて二年間、そして国家試験を受ける
看護婦さんとヘルパーさんが同じである、またはヘルパーさんの方が給料が高いなんということはあり得ない、そんなことは。
つまり、このようなことが、本当に適正な市場の中での変化が行われていけばもっと私は下がると思うんですが、当初一年間ぐらいの間に例えば今
厚生省が考えている今度の
介護単価よりも二〇%ぐらいはまず下がるであろう。私はもっと下がると思っていますが、低目に見積もってそれぐらいではないか。
三番目に、国が今まで行ってきた措置費、税金で全部やっていたものに対して、これも前から申し上げていることですが、実はアメリカやイギリスなどの世界ではNPOというのがある。ホプキンス大学が五年ほど前に出された
調査を見ますと、全世界の平均が、いろんな
調査が出ていまして、日本のこの場合のNPOは
社会福祉法人も学校法人も含んだ
調査なんですが、その
うちの例えば福祉分野という分類で見たときに、その入ってくるお金の割合は日本は寄附金はゼロであります。アメリカは二八%、イギリスは四〇%であります。
また、もう
一つ考えれば、日本でも収益事業ということが行われる。今の日本の仕組みでも、たしか二百万円まではまずみなし寄附金としてそれが出せるそうです、
社会福祉法人の場合。もっと頑張ればもっとたくさん入ってくるでしょう。
私は、例えばこれをこれまでの全部税金、公金に、憲法八十九条にも公金使うべからずと書いてあるわけでして、公金に依存する体質からみんなの善意が集まるような体質に変わっていけば、
社会福祉法人一万六千ですけれども、当然法人がふえる。法人規模を緩和してもっとふやす。ぎりぎり小さく見積もっても二万法人が例えば一年間にさっきのみなし寄附、収益事業で二百万以上、そして寄附金となれば一千万円ぐらいは集められるのではないか、こういうふうな計算をしてみました。
そうしますと、数字がここに書いてございまして、非常に粗っぽい数字でありますけれども、
施設から在宅へということで四千億、在宅
サービスの価格の適正化ということで三千億、そして法人に対する寄附金や収益事業を法人がしっかり頑張って集めるということで約二千億、不思議な数字ですが、合計九千億円というのが出てくるわけであります。私は、この一年半ぐらいの間にこれを
一つの目標としてきちんと、もっと私は大きく進むと思うんですけれども、そうでなくとも九千億円、ちょうど今回の公費投入の額と偶然全く同じになってしまって私もびっくりしておるんです。
もしこうなれば、この一年半なり二年後に新たにもう一度戻しましょうというときに、今一番心配されているのは、今非常にかわいそうな困っている人のために出す、これはいいよと。だけれども、それは二年後か一年半たったらまたもとに戻すんでしょう、その間ただずらしただけじゃないかという批判があるわけでして、私はそうではないと。この間にこのような手を打てば、少なくともまず動き出したときと同じような状況で
介護保険制度は動くのではないかというふうに思うわけです。
ちょっと細かい話を申し上げましたけれども、
厚生省の実務の方で結構でございますが、今申し上げたことについてどのような感想をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。