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1999-12-07 第146回国会 参議院 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十二月七日(火曜日)    午後二時十五分開会     ─────────────    委員異動  十二月六日     辞任         補欠選任      山下 善彦君     阿南 一成君      今泉  昭君     小川 勝也君      吉岡 吉典君     須藤美也子君      吉川 春子君     岩佐 恵美君  十二月七日     辞任         補欠選任      岩佐 恵美君     吉川 春子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         吉川 芳男君     理 事                 大島 慶久君                 谷川 秀善君                 三浦 一水君                 吉村剛太郎君                 佐藤 泰介君                 藤井 俊男君                 森本 晃司君                 富樫 練三君                日下部禧代子君     委 員                 阿南 一成君                 岩永 浩美君                 海老原義彦君                 大野つや子君                 亀谷 博昭君                 久野 恒一君                 佐藤 昭郎君                 田浦  直君                 中島 啓雄君                 水島  裕君                 脇  雅史君                 伊藤 基隆君                 石田 美栄君                 今井  澄君                 江田 五月君                 小川 勝也君                 谷林 正昭君                 内藤 正光君                 福山 哲郎君                 荒木 清寛君                 魚住裕一郎君                 海野 義孝君                 岩佐 恵美君                 須藤美也子君                 林  紀子君                 吉川 春子君                 谷本  巍君                 阿曽田 清君                 星野 朋市君                 菅川 健二君    国務大臣        労働大臣     牧野 隆守君        国務大臣        (総務庁長官)  続  訓弘君        国務大臣        (環境庁長官)  清水嘉与子君    政務次官        大蔵政務次官   林  芳正君        文部政務次官   河村 建夫君        厚生政務次官   大野由利子君        通商産業政務次        官        細田 博之君        総務政務次官   持永 和見君        環境政務次官   柳本 卓治君    事務局側        常任委員会専門        員        石田 祐幸君    政府参考人        科学技術庁原子        力局長      興  直孝君        文化庁次長    近藤 信司君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○中央省庁等改革関係法施行法案内閣提出、衆  議院送付) ○国立公文書館法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人通信総合研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人消防研究所法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人酒類総合研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案(内  閣提出衆議院送付) ○独立行政法人大学入試センター法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合  センター法案内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人国立女性教育会館法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人国立青年家法案内閣提出、衆  議院送付) ○独立行政法人国立少年自然の家法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人国立国語研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人国立科学博物館法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人物質材料研究機構法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人防災科学技術研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人航空宇宙技術研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人放射線医学総合研究所法案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人国立美術館法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人国立博物館法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人文化財研究所法案内閣提出、衆  議院送付) ○独立行政法人国立健康・栄養研究所法案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人産業安全研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人産業医学総合研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人農林水産消費技術センター法案(  内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人種苗管理センター法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人家畜改良センター法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人肥飼料検査所法案内閣提出、衆  議院送付) ○独立行政法人農薬検査所法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人農業者学校法案内閣提出、衆  議院送付) ○独立行政法人林木育種センター法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人さけます資源管理センター法案  (内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人水産大学校法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人農業技術研究機構法案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人農業生物資源研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人農業環境技術研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人農業工学研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人食品総合研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人国際農林水産業研究センター法案  (内閣提出衆議院送付) ○独立行政法人森林総合研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人水産総合研究センター法案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人経済産業研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人工業所有権総合情報館法案内閣  提出衆議院送付) ○貿易保険法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付) ○独立行政法人産業技術総合研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人製品評価技術基盤機構法案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人土木研究所法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人建築研究所法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人交通安全環境研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人海上技術安全研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人港湾空港技術研究所法案内閣提  出、衆議院送付) ○独立行政法人電子航法研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人北海道開発土木研究所法案内閣  提出衆議院送付) ○独立行政法人海技学校法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人航海訓練所法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人海員学校法案内閣提出衆議院  送付) ○独立行政法人航空大学校法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人国立環境研究所法案内閣提出、  衆議院送付) ○独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案  (内閣提出衆議院送付) ○自動車検査独立行政法人法案内閣提出衆議  院送付) ○独立行政法人統計センター法案内閣提出、衆  議院送付) ○独立行政法人業務実施円滑化等のための関  係法律整備等に関する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) ただいまから行財政改革税制等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨六日、今泉昭君、山下善彦君、吉岡吉典君及び吉川春子君が委員辞任され、その補欠として小川勝也君、阿南一成君、須藤美也子君及び岩佐恵美君が選任されました。     ─────────────
  3. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  中央省庁等改革関係法施行法案国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人業務実施円滑化等のための関係法律整備等に関する法律案の各案審査のため、本日の委員会科学技術庁原子力局長興直孝君及び文化庁次長近藤信司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 中央省庁等改革関係法施行法案国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人業務実施円滑化等のための関係法律整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  本日は、まず、独立行政法人個別法関係五十九法律案中、内閣関係法律案総務省関係法律案財務省関係法律案経済産業省関係法律案及び環境省関係法律案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 私は、民主党・新緑風会の伊藤であります。  本日は、独立行政法人に関する基本的な質問をするわけでありますが、その前に、公務員定員ないしは要員のあり方について一つの非常に重要な特徴的な課題を提起しまして、総務庁長官並びに大蔵政務次官の御意見をお聞かせいただきたいというふうに思います。  公務員定員決定については、さまざまな経過があって苦労をお互いやっているわけでございますけれども業務の性格と社会的な要請、または業務優先度というものがどれほどこれに考慮されるのかという問題提起をしたいと考えるわけです。  本年十月三日の夜、警視庁、鹿児島、福岡、熊本三県警、第七、第十管区海上保安本部、門司、長崎、東京税関は、台湾漁船新生号八十八トンから鹿児島黒瀬海岸に陸揚げされた覚せい剤五百六十五キログラムを押収いたしました。押収された覚せい剤五百六十五キログラムというものは、末端価格で三百四十億円、国内での最終末端価格では約一千億円とも言われております。今回の押収量は、一回の押収量としては史上最高であって、昨年の全国での覚せい剤年間押収量五百四十九キログラムを上回っております。使用回数に換算すると二千万回に相当する量であります。  その後の調査で、新生号は、事件の四日前、北朝鮮沖合で別の船から覚せい剤を受け取り、日本暴力団関係者らと共謀して密輸入を企てたとその供述から判明いたしました。大変ゆゆしき事件でございます。  税関における主な社会悪物品の摘発状況を見ますと、覚せい剤大麻、ヘロイン、コカイン、アヘン、向精神剤など不正薬物合計で、平成十年で五百八十一件、八百六十三キログラム、錠剤にして十三万六千百六錠、平成十一年一月から八月の間で三百四十四件、千三百九十六キログラム、錠剤にして十万五千六百六十一錠となっております。これらは全国税関摘発した密輸事件に係る押収量のほか、警察等摘発した事件税関当該事件に関与したものに係る押収量であります。  平成十一年の一月から八月までの間の各税関当局摘発状況を資料によって計算してみました。東京税関が百八十七件、二百八十六キログラム、四万三千五百九十九錠。大阪税関が六十三件、二百三十一キログラム、二万七千五百五錠。横浜税関が二十九件、二百十九キログラム、二万四千六百七十四錠。名古屋税関が二十七件、四百二十五キログラム、八百六十二錠。神戸税関が九件、二百一キログラム、六千九十三錠であります。これらの摘発支署その他出張所等第一線で行われているわけであります。  また、平成十年に税関摘発したものないしは警察等他機関が摘発した事件税関が一緒に関与したものが国内押収量のうち覚せい剤の九九・一%に当たる、国内の五百四十九キログラムのうち税関が関与したのが五百四十四キログラム。大麻は九二・一%で、国内三百五キログラムに対して税関摘発したものが二百八十一キログラムとなっておりまして、いわゆる水際での摘発税関第一線が大きな力を発揮しております。  恐らくこれ以上のものが国内に入っているかもしれない、あるいは水際で押さえ切っているのかもしれない、わかりません。しかし、国内に入ったものを警察押収するとなると大変な労力を必要とするということはだれしも想像できることであります。  さて、この状況下での税関体制について見ると、事務部門機械化ないしはコンピューター化が進められているようでありますが、税関業務量昭和六十三年を一〇〇とすると平成十年は、輸入許可承認件数二二〇、入国旅客数が一八九、郵便物輸入検査呈示個数が一五七などになっておりまして、総定員は同じく昭和六十三年を一〇〇とすると平成十年は一〇七であります。まさに、業務量と比較しての定員状況の厳しさということがあらわれております。  私は、これらの事実を実は財政金融委員会の視察の中で聞きまして、大変な関心を持っておったわけでございます。今日、第三次覚せい剤乱用期と言われておりますけれども、過去のそれと比較して驚くべき質、量とも悪化をしておりまして、他の一般業務の拡大に比べまして、定員の不十分さもさることながら、日本社会のまさに安全と安定に直結している不正薬物流入状況を見たときに、私としては現状は見過ごすことができない体制の不備と不十分さを感じるわけであります。  私は、財政金融委員会調査でそのことを知った後、財政金融委員会で二回ほど大蔵大臣に見解をお聞きしました。大蔵大臣はその都度、税関の果たしている社会の安定のための役割を評価されて、定員について前向きに検討する旨を答えてくれたわけですけれども実態はなかなかそういうふうに進んでおりません。大蔵大臣考え方が生きておりません。  現在、公務員全体の定員見直し状況にあることは承知しておりますけれども税関第一線状況を正確に認識されて、不正薬物摘発体制強化に向けた何らかの対応が考えられるべきだというふうに考えます。  そこで、まず、大蔵政務次官にどのように考えておられるか、このことをお聞きしたいと思います。その後で、定員を管轄しております総務庁長官から考え方をお聞きしたいと思います。
  7. 林芳正

    政務次官林芳正君) お答えを申し上げます。  伊藤先生には、過去二度にわたり大変に税関について温かい御理解をいただいておることをまずもって御礼を申し上げたいと思います。  その上で、大臣考え方と全く異なるところはないわけでございますが、私も実は港町の出身でございまして、十月五日に就任させていただいてすぐに、二十六日だったと思いますが、下関税関支署、それから太刀浦田野浦出張所と見てまいりました。大変にいい経験をさせていただいて、現場の方本当に大変だなと、汗まみれになって船の中に入っていろんなことをやっていると、現場で見させていただいたわけでございます。  先生指摘のように、覚せい剤、麻薬等大変大きな問題になっておりまして、これを水際で取り締まると、一層強化していくということで国民の期待にこたえていくというのは大変重要なことであるというふうに認識をしておるところでございます。  税関におきましては、先生がおっしゃったように、業務量の方はどんどんふえていっておりますが、その中で従来から事務を重点化したり機械化したり効率化の努力をいろいろとやっておる。一方で、定員管理が厳しい中で必要な定員確保最大限度力をしてまいったところでございます。  要求官庁であると同時に全体も見なきゃいかぬというところもあって、なかなか難しいところではございますが、先生方応援もいただいて、大変温かい応援をいただいておりますので、大変厳しい定員管理のもとではありますが、実態に即した税関定員確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  8. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 伊藤基隆議員は、長年の間、全逓の書記長から委員長になられたと。したがって、公務員定数管理がどういうものであるかということは百も承知のことだと存じます。  そしてまた、ただいまは具体的な数字を挙げまして、青少年をむしばむ薬物、そういうものが大量に水際押収されているという事実を示されました。  この大変な数字を聞きながら、税関皆様が、あるいは警察、海上保安庁等々が必死になって水際押収のために頑張っておられるという姿を伺いながら、実は、定数管理責任者として思いをめぐらせてまいりました。  ただ、御案内のように、大変厳しい定数管理の中にございます。小渕総理国民皆様公約されました二五%の純減を目指して十年間で頑張ると、これは国民に対する公約でもございます。  伊藤議員案内かと存じますけれども平成六年から平成十一年にかけて税関人員は、特に監視部分でいえば二百八十人の増でございます。非現業がこの五年間で二千八百五名削減されている中での二百八十人の増というのは、私は大変監視が重要であるという意味で査定当局が踏ん張ったなという感じをしております。  しかしながら、今、再度具体的な数字を挙げてお示しされました。これから定数査定の中で御意見を十分生かしながら、なおしかし、私ども査定の権限と同時に実は監察業務をやっております。その監察業務の中でかつて五年前に税関業務監察を行いました。その結果、二百二十カ所ある支署に対して六カ所ぐらいは廃止を検討してもいいじゃないかという勧告が近く出される予定であります。そうなりますと、その数、人員監視の方面に回していいんじゃないか。したがって、今、業務量を精査すると同時に、必要な部署に人間の増配置を図るということもあわせ考えながら本件に対処してまいりたい、このように存じます。
  9. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 私は、今、大蔵政務次官総務庁長官答弁をお聞きしまして、前向きに検討されるということをお伺いしたつもりでおります。どうかよろしくお願いします。  大蔵政務次官は、自後私の質問の中にございませんので、委員長許可を得てどうぞ、結構でございます。  さて、独立行政法人について総務庁長官のお考えを順次お聞かせいただきたいと思います。  今回の我が国行政改革が進められる段階でイギリス行政改革一つモデルとなったというふうに昨日来の議論でもございますけれどもイギリス行政改革サッチャー首相がよく引き合いに出されますが、実際に推進したのは一九九一年に就任したメージャー首相でございます。メージャー首相は、それまでのサッチャー首相による専ら財政的、経済的効果をねらった行革手法を思想的に見直して、公共サービスの質の向上といったことを行革最大目的といたしました。これを具体的にしたのが九一年九月に提唱した市民憲章、すなわちシチズンズチャーターであります。当時、タイムズはその報道の中でマグナカルタ以来の大改革という評価をいたしました。  この市民憲章では、住民あるいは国民というものをそれまでの政治的な主体という位置づけからさらに前進させて、国民を経済的な主体として位置づけました。すなわち、国民公共サービス消費者として位置づけ、その消費者たる国民公共サービスの水準を決定し選択する権利を有するとしたわけであります。  今、品川区で小学校の選考といいますか、自分の子供をどこの学校に入れるか選択権は親にあるという試みがなされておりますけれども、当時、イギリスでも学校業績評価を公にして、保護者小学校選択権を持つというものが導入されました。ごみの収集は何回行うという公約をして、それができなかった場合には、あらかじめ払った料金といいますか税金のその部分というものを返すというようなことも検討されて、実施されたかどうかその辺は私も知りませんが、学校のことは実施されたようでございます。すなわち、行政権官僚機構から国民の手に戻す、ここにマグナカルタ以来の改革改革たるところがございます。その上で、行政改革の原則やメカニズムをわかりやすく国民に具体的に提示したわけです。  イギリス行革についても、さまざまな評価はあるわけでありますけれども、少なくとも国民公共サービス消費者であり主権者であるという考え方は我々も共通の認識として持つべきではないか。この市民憲章長官はどのように考えておられるか、我が国行政改革にどのように国民消費者たる主権者であるということをとらえていこうとしているのか、この点についての認識をお聞かせいただきたいと思います。
  10. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 伊藤議員指摘の、まさにメージャー首相考えが私どもの今回の行政改革の根底にあることは御指摘のとおりであります。  主権在民というのが我が憲法の中にちゃんと明記されています。そして、主権者である国民皆様に対して情報を公開し、そして効率的な行政を営む、これは当然のことであります。今御指摘精神を生かした今回の行政改革をぜひ御理解賜りたいと存じます。
  11. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 ただいまの答弁で、独立行政法人という制度を導入することは、すなわちより有効なより国民要請にこたえた行政サービスのために行うという御答弁であったと思います。  さて、この独立行政法人イギリスエージェンシーが原型となっているということであるようですけれどもエージェンシーそのもの日本特殊法人イギリス型、日本特殊法人モデルにしてイギリスが検討されたものだそうでございます。こちらから出ていって帰ってきたということであります。  すなわち、エージェンシー国民のニーズにこたえるための公共サービスの質の向上を図ることを最大目的としているわけであります。そして、その実現のためにエージェンシーの長に大幅な裁量と自律性を付与するとともに、これまで官僚機構によって覊束されてきた国民才能公務員才能を解き放って、活動力、熱意、イニシアチブ、アイデアを十分に発揮させようとするものであります。  しかし、独立行政法人通則法を見る限り、このエージェンシー制度の趣旨が本当に生かされ得るのか甚だ疑問であります。すなわち、極論すれば、日本版独立行政法人とは、冒頭の質問でも言いましたが、画一的なといいましょうか、公務員減らしの便法として導入されたようなものではないかという批判もあるわけであります。魂を入れずに形を変えてみても結果は目に見えているのではないだろうかということで、以下具体的にお聞きしますけれども総務庁長官独立行政法人目的運営方法の基本的な考え方について、まずお聞かせいただきたいというふうに思います。
  12. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 今、伊藤議員英国流エージェンシー日本版だと、こんなふうに解説されました。そしてまた、エージェンシーのいいところも今御披露されました。私どもはその理想に向かって実は独立行政法人化するということであります。  しかしながら、今、形はできたけれども魂が入らないじゃないかと、こういうお話でございますけれども、形を整えてしかる後に魂を入れていただきたいと。これは、独立法人化された後の、例えば理事長なり理事なりあるいは監事なり、そしてまた働く人たちの意欲、そういうものが引き出せるような仕組み、この仕組みができ上がるわけですから、その仕組みの妙を大いに生かしていただく、そして今御指摘のような英国流エージェンシーにまさるとも劣らないような、そういう運営の妙を果たしていただきたい、こういうふうに思います。
  13. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 今の答弁でさらにお聞きしたいわけでありますが、一定の事務及び事業を国家行政組織から切り離し独立行政法人を設立すると。国がみずから主体となって直接に実施する必要のない事務及び事業を効率的かつ効果的に行わせるためにあえて国家行政組織から分離して法人に実施させるのでありますから、国家では無理で、法人という主体にしないとできない仕組みが内包されていると考えられます。  国家ではできないが、法人にすることによって初めて可能となる仕組みとはどのようなものなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  14. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 今いみじくも伊藤議員がおっしゃいましたのは、例の中央省庁等改革基本法の四十条、そしてまた、それを受けまして独立行政法人通則法の二条二項に今の趣旨がございます。  その趣旨にのっとって、今回私ども独立行政法人化したわけでありますけれども、いずれにいたしましても、そういう一つの基本的な取り決めがございます。その基本的な取り決めに合ったものが独立行政法人化されたということで御理解をいただきたい。その上は、先ほど御指摘がございましたような、エージェンシーにまさるとも劣らないような、そういう運営の妙を生かして国民皆様の御期待にこたえると、こういうふうにしたいと思います。
  15. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 法にのっとって、その目的に沿うものを行政法人化したと。しかし、独立行政法人のほとんどが研究所であります。研究機関の自主性とは何なのか。国立研究所が自主的にその研究成果で財政的な自律性を獲得できる見込みはあるのか。ないとすると、どこが自主的な経営になるのか。予算の移用、流用、繰り越しとか自由度が与えられている。人事の処遇の自由度が増し、それでいて国家公務員としての身分保障もあるという、研究機関にとって都合のよい条件ばかり並んだので独立行政法人になることを各組織は承認しただけではないのか。  そもそも、予算を与えられる中で効率性を追求しようとする自主性はどこから生まれてくるのか。予算を節約すれば、その節約部分で給料をアップさせることも認めるというのか。結局、目標を達成するというノルマを課せられ、予算を消化しつつ目標を達成するだけの全く他動的な組織でしかならなくなるのじゃないかという疑問があります。これについてどのようにお考えですか。
  16. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) その疑問に答えることこそ英国流エージェンシー化であります。  そういう意味では、理事長が例えば中期目標を決める、その際に、今お話しのような、自分の研究所では少なくとも三年間でこういう研究をしたい、ついては予算の今までの配分を、こういうふうに配分を変えたい、今までの人員の配置をこういうふうに決めたい、そうすることによって目的の研究の成果が得られると、そういう例えば予算面においてもあるいは人事面においても柔軟な姿勢がとれる。今までだったらがんじがらめに、例えば厳しい大蔵省の予算査定があって、それこそ柔軟な研究ができない。そういうことをなくするがために、先ほど何回も御指摘がございましたような英国流エージェンシー化するための一つの仕組みができ上がるわけですから、その仕組みは運営する理事長なり理事なりあるいはその働く人たちの意欲いかんにかかっていると私は思います。
  17. 伊藤基隆

    伊藤基隆君 時間がなくなってきました。私は二十五分の予定でございます。まだ聞きたいことはいっぱいありますけれども、また別の機会にお聞かせいただくことにして、これで終わります。  ありがとうございました。(拍手)
  18. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 午後三時十分まで休憩いたします。    午後二時四十三分休憩      ─────・─────    午後三時十一分開会
  19. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) ただいまから行財政改革税制等に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、独立行政法人個別法関係五十九法律案中、内閣関係法律案総務省関係法律案財務省関係法律案経済産業省関係法律案及び環境省関係法律案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  20. 内藤正光

    ○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤でございます。  私の時間は二十五分、大変短いですので、早速質問をさせていただきます。  まず、大蔵に質問をさせていただきたいと思います。財政と金融についてでございます。  昨年の十月、自民、民主、平和・改革の三会派の覚書では、財政と金融の完全分離、そして金融行政の一元化を平成十二年一月一日までに施行するというふうな合意がなされたかと思います。ところが、ことしの四月の公明党・改革クラブの申し入れ等を受けまして、最終的にどうなったかといえば、平成十二年七月に大蔵、金融再生委員会、そして金融庁と三つの組織ができ上がるわけなんです。  ここで、私が特に問題にしたいのは金融危機対応についてなんですが、これがなぜか金融再生委員会だけではなくて大蔵省も共管となってしまった。そしてさらには、平成十三年一月、財務省と金融庁になるわけなんですが、ここで財政、金融の完全分離が行われるかと思いきや、ところが危機対応については財務省も所管となっている。  これを見ますと、財金分離が不完全、つまり三会派の合意とは大きな乖離が見られるように思われますが、いかがでしょうか。
  21. 林芳正

    政務次官林芳正君) 内藤議員にお答えを申し上げます。  まず、御質問の趣旨は多分、今回の施行法ということではなくて、財政と金融の分離一般についてということだと思いますので、この施行法は非常にテクニカルに名前を変えたりするだけでございますから、そちらの方は御理解いただいているということで、財政と金融について、今、委員から御質問があった点についてお答えをさせていただけたらというふうに思います。  この分離については、一応我々といたしましては、政党間でいろいろな協議を行われて、その経緯等も踏まえながら法制化を、今、委員指摘があったように、省庁設置法、改革関連法等も通っておりますけれども、それに基づいてやっておるという基本的なスタンスでございます。  そこで、金融庁が新しくできます。金融をつかさどる機関であるということを明らかにする、金融庁が金融に関するすべての企画立案を担うことを明確化するということがまず第一点でございます。  そして、新しくできます財務省の所掌には、今、委員がおっしゃったように、金融破綻処理制度及び金融危機管理に関する企画立案というものが、これは今度は財務省でございますから、財政とか国庫、それから通貨、外国為替というものの観点にこれを限るということを明確化して所掌としてやるということになってございまして、財務省の任務としては、金融にかかわるものは一切掲げないということで、金融は財務省の任務でないということを明らかにしておるということでございまして、この点は、実は基本法を一度、十年六月にやりましたけれども、これを十一年四月に関連法を通すときに改正をしております。  そのときに、財務省の主要な任務というふうになっておりました金融破綻処理制度ないし金融危機管理に関する企画立案というものを削除するというような措置を講じております。  そこで、共管になっているじゃないかということでございますが、これについてはいろんな御議論があったわけでございますが、これも踏まえて、出し手でございますね、財政、国庫、通貨、外国為替ということと、金融システムの安定が大変に深い関連があるということ、それから国際的な政策協調への対応ということで、これを共管させることにしたということでございまして、いろんな趣旨を踏まえてこういう形になっておるというのが、この法律ではなくて、もう通ってしまったわけでございますが、設置法の趣旨であるというふうに考えております。
  22. 内藤正光

    ○内藤正光君 林政務次官がおっしゃったことは、ことし六月の水野議員の代表質問に対しての宮澤大臣の答えに沿ったものかと思います。一言で言うならば、金融危機時において機動的に財政出動ができるよう担保するためには共管としなければならないという趣旨だと思います。  ところが、本来でしたらば、こういった金融危機における対応というのは首相が判断することじゃないんですか。
  23. 林芳正

    政務次官林芳正君) もちろん最終的にはそういうことになろうかと思いますが、その企画立案の段階で、お金の出し手という立場から、最小コスト原則というのがアメリカにもございますように、なるべく少ないコストで済まされるようにしておくという意味で、金融一般はもちろん金融庁にやっていただくわけでございますが、その出し手の意味で共管ということで、そういうふうになっているということで、立場が異なるものですから、委員に何とか御理解いただきたいと思いますが、我々のスタンスとしてはそういうことであるということを御了解いただきたいと思います。
  24. 内藤正光

    ○内藤正光君 聞いていますと、共管としないと、幾ら首相が出動命令をしても何か大蔵省なり財務省が協力してくれないような、そんなふうに聞こえてくるんですよね。  では、ちょっと観点を変えまして、内閣府に金融危機対応会議というのができますね。これというのは、首相を補佐する役割、責務があろうかと思いますが、そういったところが首相を補佐しながら、最終的に首相財政出動するかどうかというのは判断すべきことじゃないんですか。
  25. 林芳正

    政務次官林芳正君) 済みません、ちょっと御通告をそこはいただいていなかったものですから、今調べさせておりますが、総理もそこに入っていろんなシステミックリスク等についての判断をするということだろうと思いますけれども、これは、そこに至る前の平時においてもきちっとしたシステムといいますか、破綻処理の制度についても、出し手という立場から共管をしておくということが、よりそういう危機的な状態が起こった場合でもきちっと、出すお金をなるべく少なくして解決がとれるようにするという趣旨で共管になっておるということでございまして、共管でないからお金が出なくなるんではないかということではないというふうに考えております。
  26. 内藤正光

    ○内藤正光君 ちょっと議論を深める前に、金融危機対応会議の構成、どうなっているか、教えていただけますか。主要なメンバーだけで結構です。
  27. 林芳正

    政務次官林芳正君) 金融危機対応会議は、内閣総理大臣を議長といたしまして、官房長官、それから金融庁を担当する特命担当大臣、それから金融庁長官、財務大臣及び日本銀行総裁が議員になっており、メンバーはそういうことでございます。
  28. 内藤正光

    ○内藤正光君 そういったもうありとあらゆるところの責任者が集まるのが金融危機対応会議なわけですね。そういった金融危機対応会議の法律で定められた役割は何でしょうか。
  29. 林芳正

    政務次官林芳正君) この金融危機対応会議を設置する趣旨というのは、金融機関との大規模かつ連鎖的な破綻等の金融危機が発生した場合に、金融システムの安定に直接的な責任を有するものが一体となって迅速にこの危機に対して対処方針を審議し、これに従って整然と関係当局がその責務を果たしていくということがこの設置の趣旨でございます。
  30. 内藤正光

    ○内藤正光君 林政務次官、先ほど、平時における備えとかおっしゃったんですが、まさに法律第四十二条に定められているとおり、金融危機対応会議は金融機関等の大規模かつ連鎖的な破綻等の金融危機への対応に関する重要事項を審議すると。そして、さらに加えて言うならば、同じ第十二条なんですが、内閣府の内閣部局には国政上重要な具体的事項に関する企画立案及び総合調整を行うとしっかり法律で明記されているわけなんです。これは財務省だとか大蔵省に共管とさせようとすることがまさにこれなんですよ。  こういった法律の文言を読む限り、まさに財政出動の必要性を判断するのはこの金融危機対応会議じゃないんですか。つまり、こう考えていきますと、金融危機について大蔵省だとか財務省が共管していかなければならない合理的な理由は全くないと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 林芳正

    政務次官林芳正君) 済みません。ちょっと、御通告をいただいていなかったんで聞きながら御答弁をするところを……
  32. 内藤正光

    ○内藤正光君 一連の問題ということで通告したわけですね。
  33. 林芳正

    政務次官林芳正君) はい。御答弁させていただきますが、まず金融危機対応会議は、これは実際に先ほど申し上げましたように、発生した金融危機に対して、個別具体的にこの金融危機に対してはどうしようということを総理がここに諮問されて逐一やるということになっておりまして、先ほど申し上げましたように、いわゆる一般論としてそういうことが起こった場合にどういう制度にしておくかという、いわゆる企画立案とは違うものということでございますから、そういう整理をしておるということでございます。
  34. 内藤正光

    ○内藤正光君 どうもはっきりしないわけなんですね。  では、もうちょっと観点を変えて言いますと、今回の省庁再編の基本理念の柱の一つ内閣府の機能強化というものを通じて政治主導を目指そうとしたことが一つにあろうと思うんですね。  つまり、具体的にこの場合で言うならば、金融危機対応会議というものの存在意義を高めて、そこが主導権をとっていろいろ財政を出動するだとかそういったものを決めていく、これが今回の省庁再編の基本の理念の一つじゃなかったのですか。この基本理念が財務省やら大蔵省が共管とすることで私はかなりぼやけてしまったというように思えるんですが、いかがですか。
  35. 林芳正

    政務次官林芳正君) 法律の趣旨一般ということになりますと、私のお答えする範囲をちょっと超えてしまうんではないかと思います。先ほどお話しになった金融危機対応会議そのものについても実は行政改革の準備をする方の部署がありますので、そこが全体的な仕切りをやっておるということでございます。  先生が今御指摘になったことは、政治のリーダーシップということで今回のいろんな改革も踏まえて我々もやっていかなければなりませんし、大蔵省にも我々政治家が入っていろいろやっていくということでありますから、政治のリーダーシップを我々も一生懸命確立してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
  36. 内藤正光

    ○内藤正光君 どうしても金融危機対応会議と大蔵省あるいは財務省との仕事の区分けが私にはちょっと理解できないんですが、教えていただきたいと思いますのは、財務省、金融庁そして金融危機対応会議、それぞれの役割をちょっとわかりやすいように説明していただけますか、金融危機対応という観点に絞ってで結構ですので。
  37. 林芳正

    政務次官林芳正君) 済みません、ばらばらと答弁しているものですから、包括的な答弁になっておらないということで、舌足らずだと思っておりますが、先ほどからいろいろ別々にお答えしているように、財務省は財政、要するにお金を出す立場として、それから金融監督庁は新しく金融庁になりますが、これはいわゆる金融を所管しているという立場で行政を行っていく。  今、御指摘のありました金融危機対応会議というのは、先ほど申し上げましたように、個別の金融危機が発生したときに総理の諮問によって、その個別の対応を諮問に応じてどうしていこうかということをそこで話し合っていただく、こういう仕分けになっておるというふうに考えております。
  38. 内藤正光

    ○内藤正光君 では、十三年一月以降、財務省と金融庁、当分の間財務省が金融危機対応を共管として担っていくということなんですが、この当分の間というのは、ずっとですか、恒久的に。
  39. 林芳正

    政務次官林芳正君) 先ほど申し上げました仕切りは、当分の間ということではなくて恒久措置ということになっております。
  40. 内藤正光

    ○内藤正光君 通産もお呼びしておりますので、時間も迫ってまいりましたので、これはまた後日の総括でいろいろお伺いをさせていただきたいと思います。ありがとうございます。  次に、経済産業関連で通産省にお伺いをさせていただきたいと思います。  独立行政法人についてなんですが、通則法第三十五条によりますと、こうあるんです。主務大臣は、中期目標期間の終了時点で当該の独立行政法人業務を継続させるかどうか、その必要について検討を行い、必要があれば所要の措置を行うというふうにあるわけです。  ところが、こういったものを評価する評価委員会そのものが主務省内に、ここでいえば経済産業省内に置かれて、外部から見ていますとどうも何か検討の基準が極めてあいまいと言わざるを得ないわけなんですが、そこでお伺いしたいのは、業務の改廃を含めて見直すというんですが、どういうときに見直すのかとかという、そういう何か見直しのための明確かつ客観的な基準というのは設ける方向なんですか、教えてください。
  41. 細田博之

    政務次官(細田博之君) 独立行政法人制度は、いろいろな議論を踏まえてできた制度でございますし、その中で我が省は非常に積極的に非公務員型の二つの独立行政法人も提示して、そしてこれはいわば中期にわたって予算、運営、管理もできるとか、そうして法人の管理あるいは予算の管理についてもできるだけ緩やかな効率的なものにしようという形で考えているわけです。  他方、もう一つの国家公務員型の独立行政法人もありまして、この辺をどういうふうに整理して物を考えていくかというのはこれからの問題だとは思いますけれども、私は基本的に主務大臣が中期目標を課して、当初の目的、私が今申し上げましたように、できるだけ行政効率化を図ること、そしてお金を、特に税金を使うところも大きいわけでございますので、有効に使いやすくすると。  他方、評価も、これまでは特殊法人などの場合には、業務についてはそれぞれ許認可がある、年度予算でがっちりと押さえられておるというようなことで非常に動きにくいような制度でもあったんですが、緩やかにするとまたこの業務評価をどうするかということはなかなか難しいわけでございます。  したがって、それらも含めまして、民間の外部の方あるいは学者の方も含むと思いますけれども、そういう方に入っていただきまして、これが適正に運営されているかどうか、事後評価を厳格に行いたいと思います。  そして、さらに民間に近い格好に持っていくのか、そうではなくて貴重なお金を使っている割には、もっと監督を強化しろということになるのかどうか、これは我が省としても思い切ってこの独立行政法人に踏み込んでおりますので、これから検討することになるというのが私どもの率直な感じでございます。
  42. 内藤正光

    ○内藤正光君 独立行政法人効率化を目指していくということをおっしゃいましたが、何か期待した一言が出てこなかったんですが、国民の大切な税金を使うわけですから、その辺の経理だとかそういったものの透明化、ディスクロージャー、こういったものも当然必要なものとして最重要課題として取り組んでいただかなければならないんですが、いかがですか。
  43. 細田博之

    政務次官(細田博之君) 情報の公開の問題につきましては、今回の法案の中にもしっかりと情報公開を進めるということを書いておるわけでございますが、私どもとしては、この情報公開のあり方も、来年までに具体的に中身を詰めていかなきゃならないと考えておりまして、例えば特殊法人並みの情報公開をすべきものであるのか、あるいはさらに独立行政法人の特性に応じて一歩、二歩進めた形でやるべきかどうかということは、我々は今考え中のところでございまして、どちらがいいのかは両方あります。  つまり、より民間に近い形にしたのであれば、むしろより自由な運営にするべきであるという考え方もあるし、非常に国家に近い、特殊法人よりもより政府に近いような形であれば、さらに特殊法人よりは厳格にしなければならないという面もあります。それだけに情報公開もさらに進めなければならないという面もありますから、それらも含めて独立行政法人情報公開のあり方については積極的に検討してまいるつもりでございますし、来年に結論を出していこうと思っております。
  44. 内藤正光

    ○内藤正光君 政務次官は、情報公開のあり方については法律に明記されているだとかおっしゃいました。また、その意気込みも何となく伝わってきたような気もしないでもない。ところが、特殊法人と比べるということは余り私にしては意味がないわけなんですね。  というのは、ちょっと法的な位置づけは違えど、特殊法人を、ではちょっと一回ここで取り上げてみますと、例えば石油公団、これを見たって情報公開には消極的、そしてまた、自己責任はどうかといえばあいまいそのもの。これは堀内元通産大臣が何度指摘しても変わらなかったことです。パンフレットにも、ここに自己責任だとかディスクロージャーだとか書いてあるわけなんですが、私は、特殊法人がその程度で、独立行政法人を幾らやるといってもにわかには信じがたいわけなんですね。  そこで、ちょっと特殊法人のことについて、特に石油公団についてお尋ねしたいんですが、情報公開に対して極めて後ろ向きということでいうならば、例えば公団のいろいろな出資先である、代表的な出資先であるジャパン石油開発、ここは赤字をもう何年も続けてきた。ところが隠ぺいし続けてきた。そしてまた、北極石油のような休眠会社についても隠し続けてきた、放置し続けてきた。  そしてまた、自己責任ということでいえば、九八年度決算においては大変な額の赤字欠損を計上したわけです。三千三百四十数億円。赤字を出した、それも大変な問題なんですが、さらに問題なのは、これだけ赤字を出しておきながら役員だれ一人として責任をとっていないんですよ。もっと言えば、堀内元大臣が問題にした小松前総裁、この方に至っては、責任をとっていないどころか、責任をあいまいにしたまま、これは通産省との協議の上だということなんですが、公団は満額の退職金支払いを決定したというじゃないですか。満額といったら四千六百万円。これは大変な問題ですよ。小松さんは満額の支払いを提示された。二割強返したとはいうものの、組織としては満額提示したわけなんですよ。もっと言うと、小松さんは、昨年の六月までの六、七年間ずっと総裁の座に居続けたわけですよ。これだけの巨額損失の責任、小松前総裁にないと言えるんですか。
  45. 細田博之

    政務次官(細田博之君) まずその前に、独立行政法人の通則法で、実際に中期目標、中期計画、年度計画、事業報告書、財務諸表、評価委員会評価結果、役員の任命、解任、役職員の給与支給の基準など幅広い事項を公表するということを決めておりますので、そのことを先ほどの質問の補足として申し上げます。  石油公団につきましては、石油公団の事業の特殊性から、つまり千に三つ当たるというふうに言われておりますが、出資、融資などによって探鉱を行いますが、これが成功になかなか至らない。そうすると、そのまま放置いたしますとそれが実質上赤字として残るということがございまして、それを堀内元大臣のときに、これはおかしいじゃないか、けじめをつけろということから、その後、石油公団再建検討委員会、石油公団開発事業委員会でも検討、報告を行いまして、それを全部公開したということで、私は、その点、公開がおくれたということは大変遺憾な思いはしておるわけでございますが、実際に不正が行われたとか、探鉱資金として出すべきでなかったものについて出されたというふうな不正支出があったわけではありません。  しかし、このたびのことで、石油公団のようなリスクの高い、しかも巨額な損失が結果として出るようなものについては、やはり逐次データを公表し、国民皆様方に常時わかるようにはすべきだと。しかも、現に行われておりますが、赤字をそのまま累積するんじゃなくて、むしろ追加出資をすることによってその出資企業を健全化する、経営企業ですね。  つまり、探鉱、開発事業自体は正当な事業であるが、赤字が累積して今後改善する見込みのないものについては、むしろ出資するというふうにして適正な運用を行ったということでございまして、ほかでいろいろ不祥事が表に出ているようなことでおわかりのように、決して何か故意または重大な過失によって大変な国への損害をかけたということではないという石油開発探鉱の特殊性については御理解いただきたい。  ただ、もちろん十分反省しながらのことでございまして、したがって、情報公開面が足りなかったことは事実でございますから、きっちりそれをやる体制をとっておることを申し添えたいと思います。
  46. 内藤正光

    ○内藤正光君 私は重大な問題があったと思いますよ。通産OBが多数天下りしているところに対してどんどんお金を出し続けた、結果として一兆円の焦げつきが出てしまった。もう時間がないからやめますが、再建への道筋が見えたから小松さんに退職金を満額支払うということなんですが、私が見たところ、小松さんのときには、あくまで一兆円の焦げつきが明らかになっただけで、再建については小松さんは全くノータッチなわけです。それに対してお金を支払うなんということは私は納得しがたい。これは、この後、参議院の予算委員会でも質疑をしていきたいと思います。  これで終わります。(拍手)
  47. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 私は、環境庁の関係で、国立環境研究所の独立行政法人化の問題に絞って伺いたいと思います。  環境庁は、環境を保全し人の命や健康を守る、これが重要な使命であるというのは当然のことであります。  環境基本計画では、人類存続の基盤である環境を健全な状態に保全して、将来の世代に引き継ぐことは現在の世代の責務であり、人類共通の課題でもあると強調して、そのため、環境の状況の把握、環境の変化の機構の解明、環境の保全に関する施策の適正な策定等のため、幅広い分野の調査研究、監視・観測等を的確に行うことが不可欠であり、国において調査研究及び監視・観測等の充実を行うと定めています。  国立環境研究所はこのような国の重要な使命を担う中心的な研究機関であり、各種の環境基準、規制基準の制定、あるいはこの間通りましたPRTR法の対象化学物質の選定、そして地球温暖化対策の実施、環境基本計画の作成、評価など、国が行う基本的な環境施策の基礎となる重要な調査研究を行っているところであります。  国が、みずから主体となって直接に実施する必要のないものを扱う独立行政法人にゆだねることができない内容ではないかというふうに私は思うのですけれども、その点のお考えを伺いたいと思います。
  48. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 国立環境研究所の研究というのは、先生が御指摘のように、有害物質による健康影響に関する研究など、環境行政の科学的基盤を支えるために不可欠なものでございます。これは全く民間にゆだねてしまうことはできないというふうに認識しております。  しかし、独立行政法人制度が創設されるに当たりまして、中央省庁等改革基本法の中でも、国の試験研究機関については、「原則として独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うこと。」という一項が出されております。  もちろん、その中には、先生指摘のように国がみずから主体となって直接実施しなければならない事務事業ではないことというのがあるわけでございまして、では国がみずからやらなきゃいけないことというのは、例えば公権力の行使に当たる事務事業でありますとか、国がみずからの名において行うのでなければ成立しない事務事業でありますとか、あるいは災害等国の重大な危機管理に直結するようなことだとか、そういうことが出されているわけでございます。    〔委員長退席、理事大島慶久君着席〕  私どもといたしましても、いろいろ検討いたしました。特に、環境庁はもう一つ国立水俣病総合研究センターというのを持っておりまして、いろいろ研究いたしましたけれども、この国立環境研究所については、国が直接主体となって実施する必要があるかどうかということから見ますと、そうでなくてもいいんじゃないかという結論でございます。そこで、独立行政法人に移行するということになったところでございます。  なお、今御指摘のように、環境行政において、国の政策に直接かかわるような調査研究におきましては、これは国立環境研究所の能力も活用しながら環境省が、今度環境省になるわけですが、環境省が中心となって積極的に推進してまいるところでございます。
  49. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 そこで、私は各省庁の試験研究機関がどうなっているのかということを見てみたんですけれども、特に私は厚生省の医薬品食品衛生研究所はどうなったのかしらと関心を持ちました。そうすると、ここだけではなく、科学技術庁の科学技術政策研究所とか、あるいは文部省の国立教育研究所、気象庁の気象研究所、防衛庁の防衛研究所、こういうところは独立行政法人化していないんです。もっと言えば、国土交通省の場合は、道路や河川の技術基準、建築基準法の技術基準などの策定のための調査研究を行う機関としてわざわざ新たに直轄の国土技術政策総合研究所、これを設立するということになっているわけです。  私は、環境行政にとって政策の企画立案あるいは基準策定、これは国がみずから主体となって直接に実施する必要がある。だから、本来からいえば、国立環境研は独立行政法人化になじまないのではないかというふうに思いました。  それで、実はその国立環境研究所が昨年九月にまとめました「わが国における中核的環境研究機関のビジョン」というものがありますけれども、その中で、環境研究というのは、国及び国民の安全や福祉等市場原理になじまない、研究投資の高リスク、高負担を伴う先端的、先導的である、基礎的、基盤的科学技術を最も必要とする、国際協力の推進に資する研究分野である。こうした四点を強調して、そのために国が中心的役割を担い、産業界、大学、地方自治体及びNGOとも密接に連携を保つことにより、我が国の環境科学技術の発展に努め、人類の知的資産の形成に努める必要があると、こう強調しています。  二十一世紀の環境研究のあり方について、研究者の視点に立ってあるべき姿を議論して、そしてこういう提言を行っている、私はこれは非常に重要な提言だというふうに思います。  今言われたように、二〇〇一年には環境省になるわけですね。環境保全の仕事というのは国内はもとより国際的にも非常に大事な仕事になっていくわけです。ですから、国立環境研は独立行政法人にするどころか、もっと環境庁の調査監視・観測、これを充実強化して国民の期待にこたえていかなければいけないと思います。  効率性の追求が評価の中心になる、これが独立行政法人ですから、そういう点では本来持っている国立環境研の使命からいうと大変危ない方向に行く、そういう危険もあるのではないかというふうに思いますけれども、その辺の御認識はいかがですか。
  50. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 独立行政法人に対して非常に御心配がございますようですけれども、国立環境研究所の業務の実績評価というのは環境省に設置されます評価委員会が行うことになります。これは研究所の目的だとか業務の性格に照らして研究所が定めます中期目標、中期計画、あるいは年度計画に沿って環境研究が的確に実施されているかどうかを総合的に評価することとしておりまして、効率性あるいは財務面だけを見るのではなくて、研究所の本来の目的達成を阻害するものではないというふうに私は考えているわけでございます。  また同時に、そうなりますとこの評価委員会のメンバーが大変心配になるわけでございますけれども、このような適切な評価が行われるべく学識経験者を広く人選いたしまして、これに財務問題等の委員も加えまして、研究所の業務が適切に評価できる体制を整備する予定でございます。
  51. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 今、長官いみじくも言われましたけれども評価委員会の人選というのは非常に気になるところですし、独立行政法人の性格というのは効率化を追求するというところにあるわけですから、環境研の研究というのは現在でも、例えばディーゼル車の排ガスだとか粒子状物質あるいは微小粒子状物質、それが健康に及ぼす影響等々、業界の利害とぶつかる場合が多々あります。十万種にも及ぶと言われる化学物質の安全性、これもほとんど今のところわかっていない、解明されていないということですから、環境研のこれから果たすべき役割というのは非常に大きいと思うんです。  国民の健康を守る立場からの厳正、中立な調査研究が求められるというふうに思いますけれども、今度独立行政法人になると民間との共同研究だとかそういうのが当然入ってくると思うんです。一方で民間の資金をもらっていて、そして民間に都合が悪いような、そういう研究をやるということが本当にできるのかどうか、その辺が担保できるのかどうかということを伺いたいと思います。
  52. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) この研究所の目的、これは環境の保全に関する科学的知見を得ること、知識の普及を図ることとございます。この目的に照らしまして、適切な運営がなされるよう国の予算において所要の財源措置も行うこととしているわけでございますけれども、また先生指摘のように、研究所が民間との共同研究あるいは委託研究を実施するに当たりましても、当然この本研究所の目的に沿って実施していただかなきゃいけないというふうに思っております。そうなるというふうに思います。  また、先ほど申しましたけれども業務の内容あるいは運営状況の公表、評価委員会によります業務実績の評価、あるいは委託基準などを規定した業務方法書の環境省による認可など、公共の目的に沿って適切な運営がなされるようチェックするための仕組みが整備されておりますので、広く国民の立場に立った研究が実施されるものというふうに考えております。
  53. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 当面は必要な研究費というのは従来どおり交付金で賄われるということだと聞いていますけれども独立行政法人というのは効率化が追求されるという面も持っているわけですから、そうなると民間から受けた仕事、そういうものを何とか開拓しなきゃいけない、あるいはその仕事がどんどん大きなウエートを占めていく、あるいはあなたよく稼ぐね、こういう話になって、機関の中でそちらの方が何か幅をきかすといいますか、余り言葉がよくないんですけれども、基礎的な、お金にならない研究をやっている人たちが肩身の狭い思いをするということが絶対にあってはならないというふうに思うんです。  健康への影響を調べるということになると、動物実験、これは物すごく手間暇かかるしお金もかかります。それから、環境汚染被害の疫学調査、これももう本当に膨大な地道な仕事になるわけです。こういう手間暇かかる長期の地道な研究、それに必要な予算というのが十分国から保証されていかなければいけない。これはそういうふうに十分保証されるのかどうかというのが一つ。  それからもう一つ、ダイオキシン問題の場合には、先ほどの中期目標では図れないものですね。いきなり出てきて、そして緊急に必要だということになるわけですけれども、そういう緊急性の高い研究について十分なちゃんと財政措置がとられるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
  54. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 環境問題の未然防止の観点から創造的かつ先進的な研究がどうしても必要でございます。また、環境問題が顕在化した場合でもそれに即応できるよう基礎的な知見を充実しておくことがどうしても必要でございます。このためには、問題対応的な研究だけでなくて、基礎的な、先導的な研究の役割が非常に大きい、これは先生指摘のとおりでございます。  今、国立環境研究所では六つの基礎研究部門を設けまして、プロジェクト研究を行う総合研究部門との有機的連携のもとに研究が進められてきております。今、先生方は非常に優秀な世界的にも非常に能力の高い先生方がおられまして、実を言いますとそんなに委託研究を受けるほどの余裕がないくらいに一生懸命仕事をしておられる方々ばかりでございます。独立行政法人化後も、社会のニーズに対応した目的志向型の研究とその基礎となる先導的基礎研究がバランスよく推進されて、両者相まって質の高い研究が進められるように、中期目標の検討など、準備を進めていきたいというふうに思っております。    〔理事大島慶久君退席、委員長着席〕  ただ、今、先生後の方でおっしゃいました中期目標の途中の何か変化があったときにどうするのかということでございます。それは、ぜひそういうふうなことになった場合にも柔軟にそれに対応できますように、お金の、運営費のことでもございますし、使い方も柔軟にできるようになるというふうに思います。またさらに、この中期目標そのものを社会状況が大きく変化して変えなきゃいけないというようなことになったときには、当然必要な研究が的確に実施されますように、これは独立行政法人通則法に基づきまして中期目標の変更なども十分対応できるというふうに思っております。
  55. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 もう一つ、ちょっと予算の面で確認というか、どうなるのかということを伺いたいと思うんですけれども、環境研の研究費の予算というのは、人当研究費、経常研究費は二億七千万円、特別研究費、重点共同研究費が六億四千万円、合計九億一千万円です。研究者一人当たりは約五百万円で、そういう点でいうと非常に少ないんです。別途、大型特殊施設関係経費十四億六千万円が計上されているので、研究施設の維持運営というのは一応成り立っている。  ところが、最近では新たにこういう大型の研究施設ができた場合、この施設関係経費というのはつけられないということが多いんです。脚光を浴びている部門で大型施設がつくられるたびに他の研究費を削らなければならなくなるというようなそういう状況が、環境研は知りませんけれども、ほかで起こっているということを聞いています。  独立行政法人になって、そういうことがないのかどうかということを確かめておきたいと思います。
  56. 柳本卓治

    政務次官(柳本卓治君) ただいま岩佐委員指摘のように、動物実験等とか廃棄物、環境ホルモン等大型研究施設は環境研究を進める上で必要なものとして整備されるものでありまして、これら施設の維持管理費用の確保を図る必要があります。このため、研究施設の維持管理費を含めた運営費交付金につきまして必要な予算額が確保されるよう環境庁としても努力してまいる所存でございます。
  57. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 ちょっと時間がなくなりましたので、アメリカの環境研究、調査研究について伺うつもりでいたんですけれども、私どもが調べた範囲内で申し上げたいと思います。  アメリカの環境保護庁というのは一万八千人の職員がいる。原子力関係もあるのでかなり多いということですけれども、いずれにしても千人の日本の環境庁とはけた違いということですね。  研究機関も、研究開発次官補のもとに、リスクマネジメント研究所、保健・環境影響研究所、暴露研究所、環境研究・環境質確保センター、環境影響評価センターがあります。大気・放射能担当次官補のもとにも、大気・放射能環境研究所、乗物・燃料放出研究所、放射線・野外環境研究所があって、それから法執行・違反監視担当次官補のもとにも、強制調査センター実験部門があるということで、いろいろ見ていくと大変体制があり、また調査研究、監視・観測が重視されているということを思います。  今の環境研の定員でも、本当にこういう仕事は到底果たすことができないんじゃないかと思いますけれども、これが独立行政法人になって効率化になったら大変になるんじゃないかというふうに思いますが、いずれにしても現在の環境研の定員というのは何人なんでしょうか。
  58. 柳本卓治

    政務次官(柳本卓治君) ただいま委員の御指摘のアメリカの環境保護庁の人員等々は、そのとおりでございます。  それで、国立環境研究所の総定員数は、現在二百六十七名、このうち百八十二名が研究者となっております。研究者としては、物理学、化学、生物学、工学、医学、薬学、さらに人文・社会科学分野と幅広い専門分野をカバーしているところが特徴でございますけれども、ちなみにドクターは八二%を占めております。
  59. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 国立環境研究所の前身である公害研究所設立の際の準備委員会報告を見させていただきました。この中で、最小限必要な人員として四百九十一人の定員確保すべきである、こういうふうに述べられています。現在の環境研はしたがってその五四%でしかないわけです。発足時が相当少なかった、だから今はふやしてこれだけになったんだとはいっても目標値の四百九十一人に比べれば半分ちょっとしかないと。よく環境研の人員を調べてみると、三月三十一日現在で研究職が三十三人欠員なんですね。  ですから、独立行政法人になったらこういうのがもっと顕著になっていくのではないかというおそれを感じるんですけれども、その点はどうでしょうか。
  60. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 環境省になりますと、廃棄物の対策など、それがまた所掌事務になってくるわけでございまして、研究所におきましても従来にも増して幅広い研究分野に取り組むことになります。そういうわけで、引き続き体制を充実するということが本当に大事なことではないかというふうに思っております。  ただ、独立行政法人化後の研究所の内部組織、定員、これは環境省でなくて研究所の責任で決めることになるわけでございます。ですから、どういう形で人をふやすのかというようなことも工夫していただけるのかと思いますけれども、しかし、そのときには当然のことながらその運営に必要な交付金の確保が必要でございます。  それは、もう環境省がきちんととらなきゃいけないということで努力していきたいというふうに思っております。
  61. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 効率化を目標とするそういう行政法人化になるわけですから、私は非常に不安が残る、そういう不安をぬぐえないというふうに思います。  独立行政法人というのは、三年から五年の中期目標を環境大臣が設定するわけですけれども、環境研の研究というのは、プロジェクト研究を行う総合研究部門と基礎研究を中心とする基礎研究部門があるわけですけれども、その基礎研究部門では、例えば地球環境衛星による環境変化のモニタリングだとか、環境汚染物質の動態の追跡とか、環境ホルモン、重金属などによる人の健康被害のメカニズムの解明だとか、地球温暖化による長期的な気象変動の研究というふうになると、かなり長期の期間の研究が必要だと、だから三年、五年ではなくて十年、二十年のスパンで考えていかなければならないのではないかというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
  62. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 御指摘のとおりだというふうに思います。環境研究におきましては、社会ニーズの高い環境問題にタイムリーに対応していくための研究だけでなくて、ある程度長期的スパンで考えることが必要な先導的な基礎研究が重要だというふうに考えております。  長期的な視野に立つことが重要な研究につきましても適切に評価されなきゃいけません。三年から五年というだけでなくて、中期目標の設定等に当たりましては十分そのことも配慮していきたいというふうに思います。
  63. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 時間がなくなりましたので、最後にまとめて伺いたいと思います。  他の研究機関と重複をする調査研究というのは、私は、もっと合理化をしてやらなきゃいけないことというのは、ダイオキシンなんかではよく指摘をしているんですけれども、あると思います。ただ、テーマとしては重複しても別の機関がそれぞれ問題意識を持ってやるというものもあると思うんです。だから、オーバーラップしているからといって必ずしもだめ、効率化ではないということは言い切れないだろう。  それから、外部評価が基準になっていくわけですけれども、そうすると、外部評価が終わるまで研究者は発表しちゃいけないとか、あるいは研究者の学会発表の自律性というか独立性というか、そういうものが侵されるんじゃないかという心配、こういうことが指摘されていますけれども、簡単にちょっとその点についてお答えいただきたいと思います。
  64. 清水嘉与子

    国務大臣(清水嘉与子君) 今御指摘のような問題ですけれども、環境問題というのは非常に学際的な、あるいは国際的な視野を持たなければ進まない問題でございます。しかも、まだまだ知見のわからないものがたくさんございますものですから、さまざまな主体が連携、交流を図りつつ、それぞれの立場で研究に取り組むことは重要だというふうに思っております。  ですので、国立環境研究所におきましても、これまでも国内外の研究機関と交流したり、あるいは国際交流もずっと続けてきておりますし、これからもそういったことをしなければいけないし、また環境研究に関する中核的な機関として、国内外の機関とも連携して調査研究を進めていきたいというふうに思っております。  また、個々の研究者の研究発表の自由が阻害されるかという御心配でございますけれども、これはまずないのではないか。今でもそうでございますけれども、研究者が個人として学会等に研究成果を発表することは研究者の判断にゆだねるということでございまして、これは独立行政法人化されても、質の高い研究を保つために引き続きこういった自由は当然保障されるべきものというふうに考えております。
  65. 岩佐恵美

    岩佐恵美君 国立環境研というのは、国民の命と健康あるいは環境を守る、そういう上で非常にかけがえのない機関だというふうに思います。  それで、私は、この独立法人化の問題をいろいろ調べている中で、何で国立環境研が独立行政法人化されたのかということに納得がいかないんです。  そこのところを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。(拍手)
  66. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 次に、文部科学省関係十五法律案及び厚生労働省関係法律案について質疑を行います。
  67. 石田美栄

    石田美栄君 民主党・新緑風会の石田美栄でございます。  ただいま環境省の方では、たった一つですから内容にまで細かい議論をされましたが、私の方の分担します文部科学省の方は十一プラス四、十五の独立行政法人化ということで、そんな細かい議論はしていられないのですが、それに先立ちまして、この独立行政法人となるもののリストをずらっと見ておりますと、独立行政法人なのになぜ皆国立、国立とつくのかなと不思議に思って見ておりました。さらに、例えば国立青年の家だとか国立少年自然の家なんというのは、国立がついているけれども職員は国家公務員ではなくなるという、こういうあたりの整理は一体どうなっているんだろうな、どう理解したらいいんだろうなとまずちょっと疑問に思いましたので、長官、この辺はどういう整理がなされているんでしょうか。
  68. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 先ほどもお答えしたんですけれども、通則法の二条二項だとかあるいは基本法の四十条だとかそういうもので実は整理の基準があるわけです。その整理の基準に従って今申し上げた独立行政法人化されたと。  この基準につきましては、さきの国会で長い間の議論が恐らく行われ、そして先生も御理解を賜っていると思いますのであえて詳しいことを申し上げませんけれども、そういう法律の基準に従って区分けをした、こういうことで御理解を賜りたいと存じます。
  69. 石田美栄

    石田美栄君 国民から見ると、何で独立行政法人になるのに国立なのかなという疑問、やっぱりわかりにくいなと思います。もう少し、新しい名前をつけるのだったらきちっと整理ができた方がいいのになというふうに思います。  それじゃ、文部科学省、新しい再編ではその担当になります部分について、特にこれは行革の目玉ですから、行政改革という視点から、この省庁関係で挙げられている、特に本日は文部関係について、本当に行政改革なのかどうか、幾つかの点についてお伺いしたいと思います。  五十九の法人化の中で省庁別では最も多い文部省関係ですが、法人化について、文部省関係のこうした機関、現在の定員でいえば、今回の独立行政法人化へ移行するのは四七%、そして五十九の機関が法人化されますが、その中の五十五は特定独立行政法人、すなわち国家公務員の身分のまま移行する。わずかに四法人だけの職員が非公務員型です。そのうちの二つが文部省関係なのですが、ほかにもこういう研修所的なものがたくさんあるのに、なぜ国立青年の家と国立少年自然の家だけが特定から外れているのでしょうか。
  70. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 石田委員案内のとおり、国立青年の家、国立少年自然の家、これを非公務員型という型で独立行政法人化をすることになっておるわけでございます。  この国立青年の家、少年自然の家が我が国の文教政策の最重要課題である心の教育を推進していく上で重要な役割を果たしてきているということで、これをどういう形で持っていくかというので、地方に移管したらどうかとか民営化したらどうかとかいろんな議論があったのでございます。  これは、地方の自治体も既にこういう自然体験型の、あるいは研修型の少年自然の家の施設も持っておるわけでございますが、そうしたもので地方との連携もとりながら、人事の交流、それからもっと創意工夫とか弾力的な運営が求められるこの施設をどのような形にするかという総合的な考え方に立ったときに、この両者についてはいわゆる非公務員型の独立行政法人で運営していくことが総合的に考えて最終的に適切であるという結論に至ったわけであります。
  71. 石田美栄

    石田美栄君 今の御答弁の奥に何か含まれているものというのは、非公務員型にすることで中期的に、三年、五年先にはもっと違った形のものに行く可能性が非常に大きい機関であるというふうな感じに受けとめました。  それで、この国立青年の家、少年自然の家の職員は非公務員型ですか、給与体系とか勤務体系などはどう定めていくのでしょうか。公務員型とはどう違ってくるのでしょうか。そういったことは、主務大臣が中期目標計画を提示することになっておりますが、その中にそういう違いをどう提示されるんでしょうか。そして、例えばその中には職員の雇用形態だとかリストラとかアウトソーシングというふうな考えが入れられて提示がされていくものなのでしょうか。
  72. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 御指摘の点、いわゆる非公務員型の独立行政法人の特に給与体系あるいは職員の勤務体系の問題でございます。  これは独立行政法人通則法第六十三条に、いわゆる独立行政法人の給与の支給の基準は、独立行政法人業務の実績を考慮し、かつ社会の一般の情勢に適合したものとなるようにいわゆる当該独立行政法人が定めることができると、こういうふうになっておるわけでございます。  今御指摘のような、これが即リストラの対象になるのではないかという御懸念もお示しになったわけでございますが、この独立行政法人そのものが、特に青年の家あるいは国立少年自然の家のこれまでに果たしてきた役割、また教育的な現場であるということを考えますと、いずれにしても独立行政法人において職員の雇用の問題とか勤務条件等については、私は最大の考慮を払ってやっていくべきものだというふうにも考えておるわけでございます。いわゆる独立行政法人が行う業務は公共上の見地から確実に実施されることが必要な業務であることを踏まえて行う、こうなっておりますので、そういう観点に立って、この独立行政法人の雇用の問題あるいは職員の給与体系、勤務体系については十分な配慮をされるべきものだというふうに考えております。
  73. 石田美栄

    石田美栄君 その十分に配慮というところはどうなんでしょう。結局は、今の公務員型も非公務員型も労働争議のあたりでは変わってくるのかもしれませんけれども、給与とかそういう体系は結局は何も変わらないということでしょうか、方向としては。
  74. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 変わらないという意味はどういうふうにおっしゃっているのかちょっと私も理解が十分できていないような気もするのですが。  要するに、非公務員型になることによって勤務条件あるいは給与水準が悪化するとか低下するのではないかという御懸念かというふうにも思うのでありますが、これも独立法人が行う業務は先ほどちょっと触れましたように、公共上の見地が非常にあるわけであります。そういう点を確実にやっていくための業務でありますから、これはどうしても安定的な職務遂行というものを確保していかなきゃなりません。そういう意味で独立行政法人においては適切な勤務条件の設定及び必要な給与水準の確保を含めた適切な人事管理を行っていく、こういうことでなければいかぬという認識をしておるわけでございます。  なお、独立行政法人公務員型と非公務員型の違いでございますが、非公務員型については、職員の労働関係については民間の労働者と同様の労働法制、いわゆる労働三法が適用されることにもなっておりまして、これらの職員の給与等の勤務条件は基本的には労使間の労働協約によって定めると、こういう形になるものであります。
  75. 石田美栄

    石田美栄君 はっきりしませんが。私はちょっと悪意に解釈してというか、文部省関係十三の事務事業が十一独立法人になって、その定員が千五百五十二人ですね、そのうち今議論しています青年の家と少年自然の家は、これは青年の家が三百十六人で少年自然の家が二百七十一人ですから、合計八百二十二人です。そうすると、千五百五十二の中から八百二十二が非公務員型というふうにすると、何かいかにも公務員の数の上では減るからこういう形がいいのかななんて考えてみました。そうなのかどうかはいいとして、そんな読み方をしたようなことです。  さて、この中期目標の提示とありますが、先ほどもちょっと給与関係のことでお尋ねしたんですけれども、青年の家とか少年自然の家についてはお聞きしましたけれども、他の機関についてはこの中期目標の中に、「三年以上五年以下の期間において独立行政法人が達成すべき業務運営に関する目標を定め、これを当該独立行政法人に指示するとともに、公表しなければならない。」とあって、その中期目標に掲げてある事項の中で、特に、「業務運営の効率化に関する事項」、それから質の向上、これは国民へのサービスということで重要ですけれども、もう一つ、「財務内容の改善に関する事項」というのが入っておりますが、こういうことがこれから主務大臣が目標を提示する中で例えばどういうことが入ってまいりますか。  国立婦人教育会館と例えば博物館、美術館といった系統のものについては運営の効率化、それから財務内容の改善に関する事項というところでどういう目標が提示されると想定されるんでしょうか。
  76. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 独立行政法人化することによって、今、石田委員もお触れになりましたけれども、これによっていかに効率的かつ効果的な組織編成をしていくか、人員配置をしていくか、それが可能になっていくという前提に立っておるわけでございます。特に運営費等については一括で交付されるとか、そういう形になってまいります。  そこで、三年から五年の中期目標を立てるということになってくるわけでございますが、今、現時点で具体的にどういう形で中期目標を立てるかについてはそれぞれ有識者によって懇談会を設けて、特に博物館、美術館につきましては専門委員の方々に意見をまとめていただいている状況でございます。  特に、博物館、美術館についてはワーキングチームをつくってその中で具体的な中期目標というものを立てていただこう、かなり専門的な部分に入りますものですから、そういう考え方で進めておりまして、目標についてはこれから議論をしなきゃいけない部分が多分にあるというふうに思っております。
  77. 石田美栄

    石田美栄君 その結果によって主務大臣が今のような事項等について中期目標を提示される、そのことが国民へのサービスの質の向上効率化、そして本当に目標とする行革につながるようなことを期待申し上げます。結局は所長とか館長とかセンター長と言っていたようなものが、今度は理事長とか理事になったくらいの変化だけでは行革にはならないと思います。  さて、今度は運用、予算についてですが、今回のこの独立行政法人化になると渡しっきりの運営交付金となって、弾力的な運用ができる。そのことが効率化につながって、お金の使い方が効率的になることが期待されているわけですが、独立採算という考え方はどのようにその中で守られてというか達成されていくのか。予算、収支計画、資金計画についても中期計画、中期目標で提示されていくはずですけれども、これもどういうふうな計画を出されるのか。今と多分同じような御答弁になるんでしょうか、運営を今いろいろ相談されていて、そこの中から出てくるんだろうと思いますけれども、もし今のところで多少お答えいただける部分があればお願いいたします。
  78. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 独立行政法人化することによって、これが独立採算化に向かうのか、こういう御指摘がございました。  これについては、基本的には平成十一年四月の中央省庁等改革推進本部決定においては、「独立行政法人は、一般的には独立採算制を前提とするものではない。独立行政法人への移行後は、国の予算において所要の財源措置を行うものとする。」、このように規定をされておるわけでございます。  ただ、これまでのように、国が予算編成、各施設、美術館にしてもあるいはそのような機関にしても、積み上げてきたものを一括して予算化して、その項目ごとにそれを配分するというものから、今度は各独立行政法人が五年程度の、三年から五年と言われておりますが五年としますか、その中期目標の中でどのぐらいの予算を必要とするかということを言ってくるわけでありまして、それを一括運営費という形で、それは年ごとでありましょうが、今までのように単年度ごとの決算とはそういう形では変わってくる。  しかし、その運用はかなり弾力的になってきて、個々についてそれぞれ本省の方から言ってきたとおりやらなきゃいけないということではなくて、残ったものは次に繰り越しで残していくとか、あるいは一部収入等もございますから、予定以上の収入があればそれを基金に回すとか、そういうような弾力的な運営がこれから行われていくというふうに、独立行政法人化によって、もちろん独立採算的な面もありますけれども、国が予算というものを中期計画に基づいてきちっと措置する、こうなっておりますから、そういう方向で進むものだというふうに考えております。
  79. 石田美栄

    石田美栄君 そういう中で、例えば文部省関係ですと、大学入試センターだったら手数料がかなり今までにも入っていますし、博物館、美術館といったところには入場料というふうなものがありますが、こういう取り扱いはどういうふうになるんでしょうか。予算計画、独立採算、そういう関連ではどういう扱いになっていきますか。
  80. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 大学入試センターは、御案内のとおり、検定料が入ってくるわけです。それから、博物館、美術館も入場料等が入ってくるわけでございます。これまでは、それは全部国庫に入って、そして別に予算は予算で来ていたわけでございます。  今度は、独立行政法人は、検定料あるいは入場料も、そういうものは独立行政法人が自分で受けて、そして全体の中期計画の中で予算を組んでいくわけでございます。そういう形になってまいりますので、当然検定料あるいは自己収入である入場料というものも中期計画の予算といいますか、そういうものの中には私は入ってくるであろうというふうに思います。
  81. 石田美栄

    石田美栄君 評価委員会のことをもう少しお聞きしたかったのですが、文部省関係ですから特に国立大学の独立行政法人化の将来計画について触れたいと思います。  五年後までに結論を出すということになって始まっていると思うんですが、今どの程度こういうことについて見直しが行われているのでしょうか。通則法を見ますと、どうも国立大学はこれにははまらないというか、うまくいかない。ここには該当しないのかなというふうに思って読みましたけれども、現在どの程度進んでいるんでしょうか。
  82. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) 国立大学の独立行政法人化に対する基本的な考え方でございますが、本件につきましてはことしの四月に閣議決定が行われまして、「大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成十五年までに結論を得る。」、こういうことにされておるわけでございます。  そこで、文部省はこの閣議決定を受けまして、有識者の皆さん方の御意見を聞きながら検討を進めてまいりまして、去る九月二十日、まだ有馬文部大臣御在任中でございましたが、有馬文部大臣のもとで国立大学の独立行政法人化の検討を行う際に、基本的な方向を明らかにして発表したわけでございます。  具体的にはどういうことがあるかといいますと、第一に、国立大学における教育研究の自主性、自律性に十分な配慮が必要であること。第二点は、世界的水準の教育研究を行い、また期待される役割を十分果たすことが可能な教育研究条件の整備が図られることが必要である。このような考え方に立って、今後、国立大学協会を初めとする関係者の皆さんの御意見を聞きながら検討を進めてまいり、平成十二年度のできるだけ早い時期までに基本的な方向づけをいたしたい、独立行政法人化の方向へきちっとするのか、しないかも含めてということであるわけでありますが。いずれにしても、この問題がこういう形で閣議決定をされておりますので、平成十二年度のできるだけ早い時期までに基本的な方向を含めて結論を出したい。  しかし、この問題は、いずれにしても科学技術創造立国を目指す我が国にとっては国立大学の果たす役割、これが非常に重要であって、この活性化が求められておりますから、国民の期待にこたえて教育研究水準の一層の向上を図る観点から、まさに大学改革の観点から独立行政法人化という問題を考えてまいりたい、検討していかなきゃいかぬ、このように考えておるところでございます。
  83. 石田美栄

    石田美栄君 最後に、今お話を聞いていると文部省関係非常に数が多いわけですけれども、給与体系もそう変わらない、人員減とかそういうこともまだない。  予算の使い方が、運用が弾力的でそこは効率的にいくのかな、手数料とか入場料、そういったものも含めて予算が組まれるというようなことで、その辺では多少効率的になっていくのかなと思いますが、中期目標期間終了後三年かあるいは五年、期間によって多少違ってくるかと思いますけれども所要の措置を講ずるとなっていますが、こういった十一の機関、民営化とか民間移管とか地方への移管があり得るのか、あるいは行政改革という点でどれだけの効果を期待しておられるのか、最後にお伺いして終わりたいと思います。
  84. 河村建夫

    政務次官(河村建夫君) この独立行政法人化、各大学もその方向へ進むと仮定いたしますと、これは評価の問題も出てくるわけでございます。  この評価につきましては、各省庁に一つずつ評価委員会というのが置かれる。したがいまして、文部科学省にもこの評価委員会が置かれるわけでございます。もう一つ総務省にも全体の評価委員会がございます。そこで独立行政法人についても中期目標をそれぞれ立てていただく、それに対して評価委員会がこれを評価して、そこで行政効率が上がっているかどうかということがまさに査定をされるという形になっていくわけであります。  これを大学というものに当てはめてまいりますならば、大学の人事交流の問題とかどのような成果を上げたか、これはなかなか難しい査定もあろうかと思いますが、これは今査定委員会の中で協議をしていただくにいたしましても、今までにない形での査定が入っていく、評価が入っていくということは、私は非常に大学の活性化につながり効率的な大学運営、学校運営がされる、このように考えております。
  85. 石田美栄

    石田美栄君 終わります。(拍手)     ─────────────
  86. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、岩佐恵美君が委員辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。     ─────────────
  87. 江田五月

    ○江田五月君 今回、独立行政法人化が提案されている八十六の事務事業、これはいずれも非常に大切な分野であるから、国がその権限と責任でしっかりした行政サービス国民に提供しなきゃならぬ、それなのに独立行政法人というようなものにするのはけしからぬ、こういう見方もあります。  しかし、私どもはそういう見方はとっていない。大切な事務事業である、したがって国がそこまで言い張ることはできないだろう。大切なものであっても、それぞれの事務事業の性格によって民間で行うもの、あるいはいろんな別の形をとるものがあっていいだろうと思うんですが、しかし、私たちは私たちの別個の視点から、今回のこの独立行政法人化の個別法について反対という立場でいるわけです。  私は、実は民主党の行政改革プロジェクトチームの座長として、ことし五月に民主党の行政改革に対する基本方針をまとめました。それに基づいて民主党は、政府の中央省庁等改革法案、それから独立行政法人通則法案、これはただの看板の書きかえにすぎない、行政改革の名に値しない、こうして反対をいたしました。そして、対案として独自の首相府設置法案、内閣府設置法案、こうしたものを提案して、内閣総理大臣の強力なリーダーシップのもとで真の行政改革を実現していく、そういう手順を明らかにいたしました。  今回の政府の一連の行政改革がすべて実現したとしても、これは行政改革の名に値しない、したがって、その結果登場する新しい行政体制というのは、私たちが政権をとったらそのときに行政改革の対象になるものにすぎない、そういうことを私たちは言っているわけです。  ちなみに、地方分権一括法については、これはいろいろ不十分な点はあった、しかし、全体として国と地方自治体の関係を従来の上下関係から対等な関係にするという理念に基づいて改革を行っている点は評価をして賛成をした。  さて、私は、ことし七月七日、本委員会で中央省庁等改革法案への締めくくり的な質問をいたしました。その際、政府の法案を評価する場合に、評価というのは評価の判断をする場合に、この法案が成立して施行されたらどれだけ行政が減量化されるのか、スリム化するのか、これが重要な判断基準になると。これは基本法の一条の中にも、あるいはその基本法の前提となる行政改革会議の最終報告の中にもきっちりそういうことが書かれているわけです、どれだけ減量化されるのか、スリム化していくのかと。  そこで、当時の太田総務庁長官から引き継がれた続総務庁長官にも、まず端的に伺います。  この中央省庁等改革法、できているわけですが、これが施行されれば、国の権限と財源と人間は一体どれほど減りますか。
  88. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 江田委員は、かつて国務大臣を経験されました。したがって、その際に恐らく行政改革に対しての考え方も持っておられたと思います。しかしながら、何がベターであり何がベストであるかということに対しては、なかなか実現はできなかったと存じます。同時に、私どもは、新進党の時代にいろいろ教えていただきました。そんな思いがあって、行政改革を断行しなければならない、こんなふうに我々は教えをいただいたわけです。ともに汗をかいたわけです。その一つが私は今回のこの行政改革だと存じます。  ただ、ベストではなくてベターである、入り口である、これから少なくともスキームができる、そのスキームの上に魂を入れるということだと存じます。  ただ、お尋ねの、しからば今回、こういう改革を通じて具体的な幾らの節減が図られるかといえば、私は金額は出せません。ただし、先ほど申し上げたように、少なくとも今まで親方日の丸という状況の中であぐらをかいていたと言われる研究機関等々が新しいスキームの中で活力を生み出し、そして同時に、先ほど来申し上げているように、その長が運営の妙をちゃんと図れれば、国民の期待にかなうような研究成果が上げられ、同時にそれぞれの研究機関あるいは事務事業がそういう意味では効率的な運営が図られると。したがって、これから具体的な金額のいわば国民に対する還元、そういうのが図られるというふうに思います。
  89. 江田五月

    ○江田五月君 いろいろお褒めをいただいて大変恐縮ですが、私に対するお褒めの言葉は結構ですから、質問に対する答弁をひとつ端的にお願いしたいと思うんです。  太田前総務庁長官は、こういう答えをされたわけです。今の続さんのお答えも同じ趣旨なのかなという気もするんですが、中央省庁等改革法の場合は直接スリム化をするということが目的ではないと思っておる、スリム化をみずからするような仕組みをビルトインすることが改革目的である、数字を出すことはできないと。  数字を出すことができないというのは、要するに国の権限、財源、人間は全く減らない、数字で言えばゼロだということだと思います。しかし、これから権限、財源、人間を減らしていく、そういうスリム化の仕組みがビルトインされたんだと、これはそういう理解でよろしいんですか。
  90. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) まさにそのとおりだと存じます。
  91. 江田五月

    ○江田五月君 そうしますと、今回の独立行政法人五十九法案、これはビルトインされたスリム化の仕組みがここに出てきたということにならなきゃいけませんが、それでいいんですね。
  92. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 御案内のように、五十九独立行政法人化する、そしてそのことは国会の場でも、そしてまた国民監視の中に置かれるということですから、私はいわばそれぞれの独立行政法人が運営の妙を果たさない限り、場合によっては、先ほど質問もございましたけれども、淘汰される場合もあり得る。しかし同時に、運営の妙を果たして国民の期待にこたえれば、むしろ発展をする可能性もある、こういうふうに思います。
  93. 江田五月

    ○江田五月君 どんどん時間がたちますので、端的に行きましょう。  この五十九法案で、国の権限、財源、人間はどれだけスリム化されますか。数字で答えてください。
  94. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 具体的な数字はお示しできないと、先ほどから申し上げております。
  95. 江田五月

    ○江田五月君 前の中央省庁等改革法と独立行政法人通則法のときには、それは数字であらわせない、しかしスリム化のシステムはビルトインされるんだと、こういうお答えであって、そして今回の個別法がそのビルトインされたものが姿をあらわす法案なんだと言われているんです。それなのに、今回また数字は示せないと言うんじゃ、これはどういうことですか。まさに羊頭狗肉としか言いようがないじゃありませんか。
  96. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 要するに、これは平成十三年度四月一日から発足するわけであります。そういう意味ではまだ発足前であります。したがって、発足をした後に主務大臣が少なくとも三年ないし五年間の事業計画を立案し、そしてそれが具体的に動き出す、その時点でないと私は、今江田議員がせっかくの御質問ですけれども、具体的な数字は出せない、こんなふうに思います。
  97. 江田五月

    ○江田五月君 やはりそういうことだろう。私たちは政府のこの行政改革行革の名に値しないとずっと言っておるわけですが、まさに今のようなことで看板のかけかえだけ、まやかしの行政改革。本来なら、官から民へとか国から地方へとか権限と財源と人間をちゃんと移して、国の権限、財源、人間を半分以下にする、その上で残った国の事務を企画部門と実施部門に分けて実施部門を独立法人化する、こういう手だてをきっちり講じていかなきゃならぬ。しかし、国の権限、財源、人間を全く減らしていないという点がまず第一のまやかし。そして、特殊法人を含めて本来の実施部門に手をつけていない、今回の五十九法人のように周辺の研究機関だけ手をつけている、これが第二のまやかし。次に、この五十九の法案をずっと個別に見ると、第三のまやかしが見えてまいります。  続総務庁長官独立行政法人通則法によれば、これはよくおわかりのこと、二条の一項と二項です、独立行政法人には非公務員型の独立行政法人と国家公務員型の特定独立行政法人がありますね。今回の五十九法人の総人員は約二万人だそうですが、五十九法人のうち非公務員型の独立行政法人というのは、これはもう聞いて答えてもらうと時間がかかりますから私の方で言いますが、国立青年の家が三百十六名、国立少年自然の家が二百七十一名、経済産業研究所が三十九名、日本貿易保険が百九十六名の四つしかない。その総人員は八百二十二名だそうですね。つまり、国家公務員の人数の純減というのはこの八百二十二人だけ。二万人を独立行政法人ということで移すと言いながら、あとの五十五法人はすべて国家公務員型の特定独立行政法人。これが本当にいいと思われますか。まさにまないたの上の魚に包丁を持たせて自分で自分を刺身にしなさい、こう言っているような。これはやらないですよね。  私は、行政改革にあれだけ熱心だった公明党の皆さん、これはまさにざんきにたえぬ思いをされているんではないかと思いますが、いかがですか。
  98. 続訓弘

    国務大臣(続訓弘君) 私どもは新進党時代にすべての特殊法人を廃止すべしとかいろんなことをやりました。しかし、結果としてできませんでした。それは御案内のとおりだと存じます。そういう中で、いわば先ほどのような仕組みをつくったわけです。仕組みをつくった。もちろん国権の最高機関である皆様方の議決がない限り難しいわけですけれども、仕組みをつくることすら私は大変な作業だと存じます。そういう意味で仕組みはできた、したがってこれから魂を入れる、こんなふうに思うわけであります。  そういう意味では、先ほど公明党の話をされましたけれども、私ども公明党もこれに対して汗をかいているわけですから、私は入り口をつくることがまず先決だと、こんなふうに思います。
  99. 江田五月

    ○江田五月君 来し方を振り返って今お話しになったわけで、大変なことであることはもうよく皆わかっているので。ただ、大変なことでできませんでしたじゃ済まないので、まだまだこれからやることですよね。私どもはいろいろ批判を持っておりますが、公明党の皆さんがせっかく与党になったんですから、これはもう命がけでやっていただかなきゃならぬと思います。  誤解があっちゃ困るんですが、私たちも独立行政法人の職員は公務員とするという考え方なんです。ただ違うのは、私たちの場合には、いろんな手だてをずっと講じて全体の国の行政というものをスリム化させて、そしてその中でもどうしても公務員行政としてやらなきゃならぬもの、それをさらに企画部門と実施部門に分けて実施部門を独立行政法人とするということですから、この五十九のものがすべて独立行政法人でというのと私たちは違う。根本に構想の違いがあるということだけは申し上げておきたい。  そこで個別の質問ですが、厚生総括政務次官、ようこそおいでくださいました。  独立行政法人通則法の第二条一項によれば、独立行政法人というのは、これはもう言うまでもなく、「国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるもの」、これが一つの要件になっておるわけですが、国立健康・栄養研究所はこのどの要件に当たるのか、具体的な根拠も含めて説明してください。
  100. 大野由利子

    政務次官大野由利子君) お答えします。  国立健康・栄養研究所でございますが、糖尿病とか高血圧とか、生活習慣病と食品の栄養摂取の関係などの研究をやっておりますし、食品の栄養成分が人体に与える影響など食品の安全性対策の研究、それから国の保健、医療、食品衛生施策に密着したこういう研究をやっておりまして、公共上の見地から、継続的かつ確実に実施をする必要に迫られております。国がこれらの研究をみずから主体となって直接実施する必要はない。しかしまた、民間に任せると採算性が極めて低いので、ゆだねた場合は必ずしも実施されないおそれがある、このように考えております。  この国立健康・栄養研究所の研究そのものが、今、委員の御指摘のとおり、通則法にかなっているということで、今回独立行政法人化をするというふうになった次第でございます。
  101. 江田五月

    ○江田五月君 今の御説明ですと、国が直接やる必要はないが、しかしその後段の方の二つの要件のうちの前段、民間にゆだねたら必ずしも行われないかもしれない、採算性がとれないからと。ただ、採算性がとれなくても、そこはいろんな方法で民間に行ってもらうやり方はあるんですね。そして、こういう研究をする者が複数あればそれがお互い競争しながらいいサービスを全体として国民に提供できる、民間の中で、そういうことは十分あり得るわけだと思うんです。  次に進みます。  労働大臣、同じ質問で、産業安全研究所と産業医学総合研究所、これはこの通則法の二条一項のどういう要件にどういうふうに当たると思われているのか、具体的な根拠も含めて説明してください。
  102. 牧野隆守

    国務大臣(牧野隆守君) 労働省は、産業安全研究所と産業医学総合研究所について公務員型の独立行政法人ということで御審議をお願いいたしております。  わかりやすく、御了解いただけるように申し上げますが、例えば産業安全研究所につきましては、平成八年十二月、長野県で土石流が発生いたしまして、作業中の労働者十四名が死亡、九名が負傷するという重大災害が発生いたしました。このため、災害原因の究明及び再発防止対策について調査研究を行った次第でありますが、行政施策への反映として、労働安全衛生規則を改正し、土石流による労働災害防止措置を義務づけた次第であります。  また、産業医学総合研究所。平成五年七月、福島県の亜鉛製錬工場で亜硫酸ガスが発生いたしまして、作業中の労働者三名が死亡、三十三名が中毒となる重大災害が発生いたしました。この災害原因の究明及び再発防止対策について調査研究を行い、行政施策といたしまして、特定化学物質等障害予防規則を改正いたしまして、特定化学物質等の製造設備の改造等の作業にかかわる労働災害防止措置を実は義務づけた次第でございます。  このような事例でわかりますように、この両研究所は事業場で発生する災害の予防のための調査研究及び労働者の健康障害の予防のための調査研究を行っている機関でございまして、民間に委託等々はなかなか難しい、国の責任において調査研究をなすべきである、このような判断をいたしまして、公務員独立行政法人の御審議をお願いしている次第であります。
  103. 江田五月

    ○江田五月君 いろいろ御説明いただいたんですが、よくわからないんです。  今の大臣の御説明ですと、これだけ大事な、これだけ重要なことだから国がやらなきゃいけない、そういう説明になっているんですが、この独立行政法人通則法二条一項は「国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもの」というのが要件になっているので、ちょっと狂っているんです、その説明が。しかも、今特定独立行政法人である必要をあわせ御説明いただいたんですが、一項の要件と二項の要件は違っていて、一項で大きく網をかけて、さらに二項で特定独立行政法人、そういう法の仕組みになっているのに、そこを一緒にして説明されるというのはどうも納得がいかない。  そこで、もう一度厚生総括政務次官に伺いますが、今度は先ほどの国立健康・栄養研究所、これも特定独立行政法人ということになっているんですが、この要件は「業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものその他当該独立行政法人目的業務の性質等を総合的に勘案して、その役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められる」、こうなっているわけです。これは日本語の文法をずっと分析して考えますと、業務の停滞があったら困る、そこで職員に国家公務員の身分を与えることが必要だと。すなわち、これは団結権、団体交渉権はあっても、争議権があっては困る、そういう仕事だ、こういうことを言っているんじゃないんですか。
  104. 大野由利子

    政務次官大野由利子君) 今回のこの国立健康・栄養研究所の業務でございますが、毎日の国民の実際の食事の内容等々、大変国民のプライバシーにかかわる情報を取り扱うことから、国民の信頼確保が大変不可欠であるということが一点。もう一点は、この国立健康・栄養研究所の調査をもとにして、食品等々、病人の食べる食品だとか、そういう特別用途表示の許可を厚生大臣がおろす、こういうふうなことで公権力の行使の前提になる試験という大変重い試験を行うことになっておりまして、極めて高い客観性と信頼性が必要ということで国家公務員の資格を与えた次第でございます。
  105. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 江田さん、時間でございます。
  106. 江田五月

    ○江田五月君 時間になっていますが、どうも大野さんににこっと笑われると追及しにくいんですが。やはり業務の停滞が国民の生活に著しい支障を及ぼすと言いますが、これは独立行政法人になると、団結権、団体交渉権、交渉でいろんな労働条件、勤務条件が決まってくるわけですから、そういう皆さんに争議権を与えないという、そのために公務員の特定独立行政法人にするというのは私はまだ納得できません。  終わります。(拍手)
  107. 林紀子

    ○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。  私は、まず放射線医学総合研究所についてお聞きしたいと思ったんですが、お願いしております政府参考人から質問したいんですが、いらしていますでしょうか。要求をいたしました政府参考人につきましては、もう最初に確認もいたしましたので、来てくださるということだったんですが……
  108. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕
  109. 吉川芳男

    委員長吉川芳男君) 速記を起こしてください。  本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二分散会