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1999-11-25 第146回国会 参議院 経済・産業委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月二十五日(木曜日)    午後二時十三分開会     ─────────────    委員異動  十一月十二日     辞任         補欠選任      但馬 久美君     続  訓弘君  十一月十五日     辞任         補欠選任      続  訓弘君     福本 潤一君  十一月十六日     辞任         補欠選任      福本 潤一君     続  訓弘君  十一月二十四日     辞任         補欠選任      今泉  昭君     櫻井  充君      続  訓弘君     渡辺 孝男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         成瀬 守重君     理 事                 馳   浩君                 畑   恵君                 円 より子君                 山下 芳生君                 梶原 敬義君     委 員                 加納 時男君                 倉田 寛之君                 陣内 孝雄君                 須藤良太郎君                 保坂 三蔵君                 真鍋 賢二君                 足立 良平君                 木俣 佳丈君                 櫻井  充君                 加藤 修一君                 渡辺 孝男君                 西山登紀子君                 渡辺 秀央君                 水野 誠一君    国務大臣        国務大臣        (科学技術庁長        官)       中曽根弘文君    政務次官        科学技術政務次        官        斉藤 鉄夫君    事務局側        常任委員会専門        員        塩入 武三君    政府参考人        科学技術庁原子        力局長      興  直孝君        科学技術庁原子        力安全局長    間宮  馨君        資源エネルギー        庁長官      河野 博文君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        藤冨 正晴君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○経済産業貿易及び公正取引等に関する調査  (東海核燃料加工施設事故に関する件)     ─────────────
  2. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、続訓弘君及び今泉昭君が委員辞任され、その補欠として渡辺孝男君及び櫻井充君が選任されました。     ─────────────
  3. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会政府参考人として科学技術庁原子力局長興直孝君、同原子力安全局長間宮馨君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び同長官官房審議官藤冨正晴君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のうち、東海核燃料加工施設事故に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 加納時男

    加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。  去る十一月五日に、原子力安全委員会ウラン加工工場臨界事故調査委員会中間報告が発表されました。きょうはそれに基づいて質問させていただきたいと思います。  この報告書によりますと、ジェー・シー・オーから科学技術庁に第一報が入ったのが事故発生後約四十分ぐらいたった十一時十五分ということでございます。そのときに、臨界事故可能性があるということがついていたということがこの中間報告にはっきりと載っております。  それから見まして、十一時十五分から見て、政府が具体的に臨界事故であると認識しアクションを起こすまでに大分時間がかかっているということがこの報告書から読み取れますが、このように時間のかかった理由は何でしょうか。
  7. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 臨界につきましては、午前十一時十九分に第一報ジェー・シー・オーから科技庁に入っております。その第一報臨界可能性ありと記されておりました。また、第五報におきまして、これは午後一時四十二分に入っておりますけれども、被曝者一名の話として、約十六キログラムウラン濃縮度一八・八%を沈殿槽に移入しているとき青い光が出たと、こう記されておりました。このことから、事故発生後早い段階から臨界事故可能性認識していたところでございます。  問題は、その臨界が継続しているかどうかということでございますけれども、ガンマ線線量率ははかり続けていたわけですけれども、このガンマ線線量率はどちらかといいますと微減傾向にございました。そういう意味で、この臨界反応が継続してガンマ線が出ているのか、それとも最初のいわゆる即発臨界最初臨界が瞬間的に起きます、その臨界のときにできた核分裂生成物からのガンマ線なのか、判断できない状態が続きました。一般には、こういう臨界事故の場合、瞬時の即発臨界、それで終わるというふうに考える技術者も多いわけでございまして、そのようなことから結果的に臨界が継続しているということについて認識が遅くなった次第でございます。
  8. 加納時男

    加納時男君 即発臨界で終わったというふうに思えたかもしれないという御説明は私は納得できるわけです。そういうことは常識で考えたらこれは即発臨界で、後はもう臨界は終わるというのがこういう臨界事故の特徴だと思います。  ところが、その後もどうも続いていたんではないかということがだんだんわかってきたわけです。報告書によりますと、東海村は十五時に三百五十メートル以内の住民に対して避難を要請しているわけでございますが、この間、十五時までの間、国は東海村に対して何か助言をしていたんでしょうか、していなかったんでしょうか。
  9. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 十一時十九分に第一報を受けて以降、ジェー・シー・オー東海村に常駐しております運転管理専門官から周辺のガンマ線線量率被曝者状況等について適宜報告がございました。このような情報に基づいて茨城県に対して住民屋内退避についての助言等を行ったところでございます。  しかしながら、この時点では臨界が継続しているという認識がなかったことなど、初動において事故状況の正確な把握が十分ではなく、東海村が独自に住民避難判断をせざるを得なかったということにつきましては、初動における自治体との連絡体制について反省すべき点であると認識をしております。  今回の事故の教訓を酌み取りまして今国会に原子力災害特別措置法案を提出して、この初動における自治体と国の連絡体制についても万全を期しているところでございます。
  10. 加納時男

    加納時男君 政務次官お話は非常にわかりやすいですね。初動体制について反省するところがあった、だから今回法律を出したと。私、非常にこの回答はわかりやすくて、政治家同士議論というのは非常にいいなと今思いながら伺っておりました。この調子でぜひこの後もお願いしたいと思います。  ところで、日本原子力研究所那珂原研があるんです。そこに中性子線測定装置があります。その中性子線測定装置では、事故時に中性子線バースト状態で大と出ている、その後継続して検出されているというふうに私は新聞で読んだんですけれども、その原研データは国としてはいつ受け取ったでしょうか、あるいはいつ見たんでしょうか。それで、それを見てどう判断したんでしょうか。
  11. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 加納委員指摘のように、ジェー・シー・オーから約二キロ離れた原研那珂研究所中性子モニターにおきまして、その原研の時計によるんですけれども、午前十時三十七分に通常のレベルより高い値を計測しております。しかし、当初これはノイズを拾った可能性が高いというふうに解釈をしていたそうでございます。  その後、事故が起こった旨の報道がなされているということで、この十時三十七分に測定されたデータをもう一度評価をいたしまして、この事故によるものであるとの認識がなされ、午後三時十一分に科学技術庁に対して、二つモニタリングポストの午前十時三十七分における値が当庁に対して送られてまいりました。おのおの〇・二六、〇・〇四四マイクロシーベルト・パー・アワーという値でございました。  さらに、午後四時四十七分、科学技術庁に対しまして、この十時三十七分に中性子モニターの指示が上がっているのはノイズではなく有意な値だという旨のコメントを添えて、モニタリングポストの午前九時半から午後一時ごろまでの測定値の時間変化が送られてきたものでございます。この連絡につきまして、当庁としては、その後の対応の参考にしたところでございます。  ただ、これがちょうど五時前でございました。五時にいわゆるジェー・シー・オー敷地境界におきまして中性子データ測定を開始したところでございまして、このタイミングとちょうど一緒になったということでございます。
  12. 加納時男

    加納時男君 先ほどの話になるんですけれども、中性子線が出ているんではないかということは、当初、臨界可能性ありというところからわかっていたはずだと思います。そしてまた、臨界即発性のものであって後の反復はないだろうと思ったからというのが今の御説明の根本にあると思うんで、それを前提にする限り、私は御説明は理解できるところでございます。  申し上げておきたいのは、こういう原子力研究所那珂とはいえ同じ科学技術庁さんの所管のところ、機関だと思いますけれども、こういったところのデータネットワーク上にとられている、そして直ちにこういったものが判断する人の手元に届くというようなシステムが本来望ましかったと思うんです。  これは、もう終わったことを言っても仕方がないんで、これからこういうようなデータネットワーク化というのが私は必要だと思うので、ぜひこれは今後の対策のところで関係情報ネットワーク化といったようなことも今後考えていただけたらと思っているわけでございます。  ところで、今の、あと一つだけ伺いたいと思うんですけれども、時系列中間報告を読んでいくと、十六時に放医研に移送された患者からナトリウム24という、天然界にはない、いわば中性子化中性子照射を受けてナトリウム23が変わったナトリウム24が検出された、間違いなくこれは臨界事故であろうということが確定できたと思うんです。それから、十六時三十分にJNCが中性子線測定を開始している。それから、十九時九分ですか、ジェー・シー・オー原研測定器中性子線測定を開始している。  だから、私は非常にこの中性子線測定がおくれたということは、言葉は厳しいんですけれども、極めて遺憾だと思うんです。ともかく、さまざまな状況から常に最悪を考えて、即発性にしてはおかしいということは、これは技術者であればすぐわかる話ですから、当然もっと早く測定すべきだったと思います。だったと思うというのに対してこうすればよかったと言っていたら、話はこれは昔に戻っちゃいますので、前向きに、これからはこういう初動体制をしっかりやるということを先ほど政務次官が言われましたので、ぜひ今後は初動体制をしっかりやるというところでこういった厳しい経験を生かしていただきたいということでございます。  続いて、安全審査に話を絞ってみたいと思います。  今回の事故原因というのは、直接的にはジェー・シー・オーのまことに違法な作業、ましてや臨界に関する危機感危機意識が全く欠如していたということによって起こったことは間違いございません。ですから、そういう意味では、前回ジェー・シー・オーの方に参考人で来ていただいたときにも申し上げましたけれども、今回の問題の直接の原因者は挙げてジェー・シー・オーにある、これは間違いありません。しかし、そのことだけを取り上げていて、私はどうも科学技術庁責任というのがいま一つはっきりしていないというところに非常に不満があります。国の責任についてどのようにお考えなのか。  今回、安全対策、私は三つポイントがあると思うんです。安全審査は十分であったか。つまり、これからつくる建物、施設について、安全の基準を国としてつくる前にちゃんと確認していたかどうか、あるいはこれからどうやっていくのかという安全審査の問題。  二つ目が、でき上がった施設がちゃんと動いているかどうかという安全管理。これは今回、原子炉等規制法で出てきました。  三つ目は、それでも想像もできないような事故が起こったときに、予想を超えた事故が起こったときに、それが災害に近いようなときにどうするのかという防災対策。これは今度の防災新法で出てくるわけですね。  そうすると、今、三つのうち二つ法律の形で出てきます。第一の安全審査については、安全審査基準見直しというのが大事だろうと思っています。  そういうところで、安全審査について国の責任は一体どうなるのかということを前回伺ったところ、大臣から、これは十月二十日だったと思うんですけれども、科学技術行政責任者として、安全審査あるいは日ごろの検査体制等に問題がなかったのかどうか、そういう点を含めまして今反省しているところでございますという大変前向きな答弁をいただいているわけですが、それから約一カ月たちますので、その反省の上に立ちまして、この安全審査について、国の安全審査は甘いところがあったのかなかったのか、ちょっと厳しい質問でございますが、大臣から御見解を伺えたらと思います。
  13. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今般、臨界事故が発生いたしました転換試験棟における臨界管理につきましては、もう委員十分御承知のことでございますが、核的に安全な形状寸法にすること、いわゆる形状寸法管理でございますが、それから取扱量核的制限値以下に制限すること、これは質量管理と言われておりますが、等の種々の適切な臨界管理が行われること、実際の運転管理の際に誤操作等を考慮しても臨界には至らないことなどを確認していたものでございます。  このようなことから、臨界事故が発生するおそれはないと認めて、万一の臨界事故に対する対策は要しないと判断をしたわけでございますが、しかしながら、事業者違法作業も行われまして、予想もしない違法作業も行われて、結果的に今回の事故が起こったことは、私ども大変厳粛に受けとめておるところでございます。  原子力安全委員会事故調査委員会におきまして、十一月五日に取りまとめられました「緊急提言中間報告」におきましては、「安全審査については、「誤操作等」とはいえないような原因による臨界事故が起こりうることを念頭において、臨界防止のための措置の徹底及び臨界時の適切な対策明確化を図る方向で見直しを行うべきである。」と指摘されたところでございまして、私ども、安全審査につきましては、今の指摘十分耳を傾けて、また、反省もしているところでございます。  この指摘を踏まえまして、この安全審査指針につきましても既に原子力安全委員会において見直しに着手したところでありまして、このような事故を再び起こさないように、今後、十分反省すべき点は反省し、また改善すべき点は改善して、適切に対処していきたい、そういうふうに考えております。
  14. 加納時男

    加納時男君 大臣の基本的な考え方、よくわかりました。  ところで、今のお話を伺っていますと、中間報告として緊急提言が出ているわけです。安全審査について今おっしゃったとおりのことが書いてありますが、たくさん書いてある中で、この安全審査のあり方だけはたった四行なんですね。行数が少ないからどうのとは言いませんけれども。この四行をまた丹念に読んでみますと、「臨界事故が起こりうることを念頭において、」と、こうありますよね、「「誤操作等」とはいえないような原因による」、今回のは誤操作等とは言えないような原因だったというようなことを暗に言っているんだろうと思うんです。  私はこの書いてあること自体に異議はないわけですけれども、今の大臣のおっしゃったことでちょっと関連して質問したいと思います。  それは、今回の事故のあった設備安全審査が適切であったかどうかという極めて厳しい問題でございます。これは、安全指針というのがあります。その十二というのに、「誤操作等により臨界事故の発生するおそれのある核燃料施設においては、万一の臨界事故時に対する適切な対策が講じられていること。」ということが明確にあるわけです。  これは非常に大事な項目でありますが、今回の設備、万一の臨界事故時に対処する適切な対策が講じられていますかという質問を私は前回参考人質疑でしたときに、越島所長はしていませんとはっきり言われたわけです。恐らく正直に言われたんだと思いますが。これはやっぱり大変なことだと思うんですね。  なぜそうなのかというと、臨界事故の発生するおそれのある施設においては万一の対策をとっている。ところが、この設備、今回の設備臨界事故の発生するおそれはないと考えたんだと。  ですから、ポイントは、臨界事故の発生するおそれがないと考えた判断が甘かったかどうか、ちょっとテクニカルになりますが、そういうところが最大のポイントだろうと思います。  今回の中間報告を見ますと、誤操作等により臨界事故が発生するおそれはないと判断したのは四つ条件のもとであると書いてあります。  四つ条件とは、簡単に言いますと、一つは今大臣がおっしゃったような質量管理をちゃんとやること、一バッチずつにするということですね。二つ目形状管理ですが、これは溶解前に秤量して形状管理された設備へ移すと書いてあるだけです。それから沈殿槽については、沈殿槽に移す前にも濃度とか液量測定することと書いてあって、ここでは形状という言葉は抜けているわけですね。それから四番目として、二重装荷しても臨界にならない、こう書いてあるんです。  ここで二つ疑問があるのは、沈殿槽については形状管理は全くしていないわけです。ところが、我々この委員会のメンバーが先般委員長以下三菱原子燃料工場へ行きましたところ、沈殿槽形状管理されているわけです。というふうに私は見ました、小さいやつですね、向こうにも確認しました。それぞれフィロソフィーがあって安全を確認すればいいわけです。  こういったことから見ると、この四つ条件のうちの今の沈殿槽ですけれども、質量管理のみではなく形状管理もすべきではないかと。これは今の審査基準を厳密に読んでいくと、臨界のおそれがなければいいんだというんですけれども、四つ条件というものから照らすとこのことがいかがかということと、二重装荷をしても臨界にならないというような条件で見ていますが、今回は二重装荷どころか大量装荷をしているわけですね、沈殿槽に。だから、この四つ条件というのが妥当だったんだろうか、これを質問させていただきたいと思います。
  15. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 安全審査をする段階におきましては、この四つバリアバリアといいましょうか、四つ形状管理等バリア四つもあるんだから大丈夫というふうに考えて、最終的に安全、ここでは臨界を考える必要はない、このように判断をしたものでございますけれども、現実問題としてこのような事故が起こったということで、この四つバリアを使ったとしても臨界を考えなくていいというその考え方はとるわけにはいかない、こういうことになったわけでございます。  これを見直して、今回の中間報告では、こういう誤操作等とは言えないような原因による臨界事故も起こり得るんだ、そのことに対してきちんと安全審査見直していきなさいと、こういう中間報告が出ましたので、今その安全審査見直しを行っているところでございます。
  16. 加納時男

    加納時男君 今の説明は私は大変よくわかったつもりでございます。今後、こういった安全審査について、四行しか書いてないと先ほど申し上げましたけれども、この意味するところは非常に大きいと思うんですね。誤操作等以外でも起こり得るような臨界事故というのが現実にあったわけですから、今回のは誤操作じゃないと思いますね。そういうことで、非常に厳しい勧告がなされているということを今政務次官が正面から認められましたので、この安全審査について、これからの作業だと思いますけれども、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。  防災とか安全管理についてはまた日を改めての議論になると思いますので、きょうは私の質問はここまでにさせていただきます。ありがとうございました。
  17. 櫻井充

    櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。今回は健康被害についてのみ御質問させていただきます。  まず、六十九人の被曝が認められた方々についてですけれども、中性子障害といいますのは、急性の障害ともう一つ晩発性障害でございます、要するにDNAが傷ついてということになりますけれども。六十九名の方について、そのDNA検査をされているのかされていないのか、まずその点についてお伺いしたいと思います。
  18. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) DNA検査についてでございますけれども、調査を行いました茨城県からは、今回行いました尿中のDNA代謝物検査につきましてはジェー・シー・オー職員及び消防署員対象とするものではなかったと聞いておりますので、今回の調査の中には対象となって入っている方もまた入っていない方もおられるのではないか、そういうふうに思います。
  19. 櫻井充

    櫻井充君 健康被害については、私、この間の決算委員会質問した際にも、フォローアップをきちんとするというようなお話があったかと思いますけれども、結局、最初に白血球、リンパ球をはかって、そしてホール・ボディー・カウンターか何かで線量を計測した。それだけで、その後はそうすると何一つ健康調査というのはされていないというふうに考えてよろしいんでしょうか。
  20. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 住民の皆さんの健康対策につきましては、国と地方自治体が連携して健康調査健康相談を行ってきたところでございます。茨城県が行いました健康調査の結果は、十月十二日に県が公表しておりまして、直接の放射線障害が疑われる者はいなかったと聞いております。  科学技術庁といたしましては、適切な健康管理のため、個々の住民等線量評価を行うこととし、まず線量評価のための基礎資料を取りまとめ十一月四日に公表するとともに、現在、住民等行動調査を行っているところでございます。線量評価の結果がまとまれば、わかりやすい形で御本人に連絡をするとともに、適切に公表することといたしております。
  21. 櫻井充

    櫻井充君 答えになっておりません。私は、その後、その六十九人の方々フォローアップをまずしているのかしていないのかということを聞いているわけです。そのことについてはいかがですか。
  22. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今御質問の六十九名につきましてでございますが、この中には消防職員の方、一般住民の方、それから現在東大病院に入っておられる方等でございますが、国立水戸病院等で再検査継続中でございます。
  23. 櫻井充

    櫻井充君 六十九人の方の再検査でしょうか。そして、その再検査はどういう検査をされているんですか。遺伝子について六十九人の方は検査されていますか。最後の質問だけでいいです。六十九人の方の遺伝子の検査はされているんでしょうか、されていないんでしょうか。
  24. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) DNA検査はやっておりません。
  25. 櫻井充

    櫻井充君 なぜ六十九人の方のDNA検査をされていないのか、その理由をお答えください。
  26. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今、再検査と申しましたけれども、その検査は尿中のDNAの代謝産物を測定するものでありまして、直接DNAの損傷を見るものではない。この値が上昇する原因には、喫煙とか炎症とか運動などそういうような要因もありまして、放射線もその一つであります。正常人でも個人差が大きく、最低値と最大値の間に八から十倍の差があると聞いております。  また、現在のところ、専門家の間におきましても、今回のような事故による放射線障害について、DNA損傷の検査結果を適用することが適当であるとの知見は十分に得られていないものと聞いております。  このように、正常値の値に大きな個人差があること、また被曝前の値が不明であること、専門家の間においても十分な知見が得られていないことなどを考慮いたしますと、今回の測定結果をもって、直接の放射線障害が疑われる者はいないという認識を改める内容ではないものと考えております。
  27. 櫻井充

    櫻井充君 答弁が最後違っていると思いますけれども。  要するに、これは検査をしても意味がないというふうに京大のある先生がおっしゃっているんだろうというふうに思います。これは、やるかやらないかというふうなことを、なぜやらなかったのかということの理由をお答えいただいたんでしょうが。  そこで、皆さんにちょっと資料をお配りしております。三枚つづりになっていますが、これを見ていただきたいんですが、これは実は去年起こりました和歌山の砒素の事件についてのものでございます。  砒素中毒の患者さんたちが遺伝子の障害を受けました。そのときにどういう検査をしているのかといいますと、尿中の8ヒドロキシル2デオキシグアノシンというものをはかっています。これはグアニンの代謝産物でして、遺伝子に傷がついた場合にこういうふうなものが尿中に多く排せつされるというふうに考えられています。  グラフがございますが、これを見ていただきたいんです。  これはどういうふうなグラフかといいますと、まず最初にコントロールとございますのは、これは正常人二百五十人のもともとのデータで、この間の砒素中毒の五十二人の患者さんのものではございませんが、横軸、十日の時点、そして三十日の時点でこの代謝産物が上がってきていることがわかります。そして、約二百日たって正常人のレベルに戻る、こういうふうな動きをしているわけです。  そうしてきますと、どういうことが言えるのかといいますと、例えばですが、今回の一件で一般住民方々もこの検査をしています。しているというのは、それは聖マリアンナ医大の山内先生がみずから進んでやられた検査です。そこの中で八人の方の上昇が認められた。その後、ほかの六十九人の方についてはきちんとされていないということを非常に心配されていました。  ですから、こういうふうな形の検査で、例えば砒素の中毒の場合にも上がるということがわかっていますし、砒素よりもはるかに中性子の方がDNAの損傷が強いわけですから、ですから私はこういう検査をするべきだと思います。  そして、先ほどのある大学の先生の御議論ももちろんわかってはいます。しかしながら、今こういう検査意味があるかもしれないというものを、私は、積極的に取り入れてやるべきだと思いますし、それが意味がないかもしれないからといってやらない、科学技術庁はそういう態度になるのか。私はそこを明確にしていただきたいと思います。  私は、これは世界の人たちが注目している事故だったと思います。そこの中でやれるべきことはきちんとやるということが当たり前のことだと思いますが、その点について長官、いかがお考えでしょうか。
  28. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) いわゆる医療の専門家の先生等の御意見もいろいろあるようでございまして、原子力安全委員会の中にあります健康管理検討委員会の副主査をされておられます佐々木委員の見解によりますと、正常人での値にも大きな差があること、被曝前の値が不明であること、実験データから倍加線量が数グレイであること等を考えますと、この8ヒドロキシグアノシンの定量は、事故被曝における線量評価に対しても発がん危険度の評価に対しても意味のある情報を提供しないというような佐々木委員報告もございます。そういうことで、尿中のDNA代謝産物を測定する検査は放射線被曝評価に対して有用かどうかにつきましては、現時点までの知見では明らかになっていないということでございます。  また、この代謝産物につきましては、基礎的な研究の段階であり、人へ応用することについては時期尚早であるとのコメントも得ておりまして、本検査測定結果の解釈については、現在きちんとした説明が行える段階ではなくて、私どもといたしましては、原子力安全委員会の中の健康管理検討委員会の御判断に従っているところでございます。
  29. 櫻井充

    櫻井充君 そうすると、科学技術庁はこの検査をやることは意味がないというふうにおっしゃるわけですね。
  30. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今申し上げましたように、私どもとしては原子力安全委員会の中の健康管理検討委員会判断に従っているということでございます。意味があるないというか、今はその判断に従っているということです。
  31. 櫻井充

    櫻井充君 今の長官の答弁は、現時点の判断ではやらないということですよね。  それはやはり、意味を持たないと。検査というのは、我々医者は意味があるから全部やっているのであって、長官は意味がないからやらないということですよね。そうとってよろしいんですよね。
  32. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今御報告申し上げましたように、学術的にもこれが確立されているかどうかということも御意見が分かれているところでありまして、私ども、検査をやるということになれば、その結果というものは非常に重いものでありまして、そういうような見解の分かれている段階でこのような検査をやるということについては慎重でなければいけないと思っております。
  33. 櫻井充

    櫻井充君 この検査は、皆さんぜひ知っていただきたい。おしっこを二ccとるだけです。一検体調べるのに一万円もかからないんです。六十九人分がどうしてやれないんでしょうか。このデータをとることによって安全か安全でないかということ、損傷を受けたか受けないかということがわかるんですよ、たったそれだけのことで。六十九人だけですよ、せめてそれだけ最初にまずやってください。なぜならば、六十九人の人は被害を受けている、放射線の線量もわかっているんです。  さっきの根拠について幾つか申し上げますけれども、放射線に関していうと、五グレイ以上でなければこれの値は上がらないというふうに言っていますけれども、それは放射線治療をした患者さんたちからのデータです。つまり、何を意味しているかというと、放射線治療はほかの臓器をほとんど壊しませんよと、いかに安全かということも示しているわけです。そして、もう一つ言いますと、正常値のばらつきがあるとはいいますけれども、二百五十人のコントロールデータがあって、きちんとした形で正常値は出ています。それからもう一つ、何でしたか忘れましたけれども、その件についてもきちんとした反論ができます。  私は、今回のものをやれば、やはり科学的に安全か安全でないかということの少なくとも一つの指標になるわけですから、だからぜひやるべきじゃないかというふうに申し上げているんです。これは重要な検査です。聖マリアンナの山内先生は、ぜひやってほしいと。こういう立場の学者もいるんだということをまず皆さんに御認識していただきたい。  その上で、この六十九人にも今のところやる気がないのかどうか、その辺についてお伺いしたいし、それからこのデータを見ていただければわかりますけれども、ピークは大体三十日ぐらいからどんどん落ちていきます。もう五十日が過ぎ、約二カ月が過ぎようとしています。この先、こんなことを議論していて、三カ月も四カ月もたってから検査したって、もう値が下がって、大丈夫でしたみたいなことになっちゃうわけですよ。やるとしたら、もう遅いんです、本当は、今しかないんです。それをやるかやらないかです。  人の命というものを科学技術庁はどういうふうに考えているのか、その辺についてきちんと説明していただければと思います。
  34. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほど御説明申し上げましたけれども、尿の検査の量が多い少ないとか簡単にできるとか、そういう問題ではないと思います。今申し上げましたように、学者の間でも意見が分かれているところでありまして、8ヒドロキシグアノシンの定量は、事故被曝、特に低線量被曝における線量評価に対しても発がん危険度の評価に対しても意味のある情報を提供しないとはっきりおっしゃっておりまして、線量指標としても、遺伝的・身体的影響の指標としても定量的信頼度は低い、そういう報告を安全委員会の中の健康管理検討委員会の副主査の委員がそういうふうにおっしゃっているわけでありまして、また茨城県の行った尿検査の方は、住民DNA代謝産物を測定するために行ったものではなくて、一般的な健康状態を把握するために行われた、そういうふうにも伺っております。  先ほどの繰り返しになりますけれども、住民の皆さんのそういうような測定を行うということは、やはりこの検査の効果といいますか影響というものを、きちっとした学会なりの見解というものを私どもも確認させていただきませんと、大変に影響の大きいものでありまして、そういうことから慎重にと申し上げたところでございます。
  35. 櫻井充

    櫻井充君 それじゃお伺いしますけれども、中性子線で、そして人が中性子線を浴びたデータはございますか、この中に。皆さん、そういうふうなデータをお持ちですか。人での中性子線データはありますか。
  36. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) ございません。
  37. 櫻井充

    櫻井充君 ないということは、今までの根拠は全くならないということです。  そして、もう一つお伺いしますけれども、健康のフォローアップというのはどういう検査をして今後見ていくんですか。
  38. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 健康のフォローアップは、私先ほど申し上げました原子力安全委員会の中の健康管理検討委員会で検討していただくつもりでございます。
  39. 櫻井充

    櫻井充君 具体的な検査を教えてください。要するに、その後のフォローアップしていくときの具体的な検査の内容を教えてください。どうされるんですか。私はこの検査が必要だというふうに思っているからそれは言っているのであって。
  40. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) その点については今後検討することになります。  大変恐縮でございますが、質問につきましての事前の通告もございません。そういうことで、手持ちの資料がないために十分なお答えができないことをお許しいただきたいと思います。
  41. 櫻井充

    櫻井充君 私は、この検査科学技術庁はやってくださると思っておりました。やはり人の体を心配するのであれば、わかるかわからないか、今のところ科学的に証明されていないかもしれない、しかしながら、わかる可能性があるものであれば、私はこの検査をやっていただけるものだと思っておりました。ですから、ほかの、何を検査するんですかということは聞いていないだけの話です。  今後どういうふうなプロトコルで健康の状態フォローアップをされるのか、その点についてぜひこちらの委員会の方に御提出願いたいし、そしてやはりフォローアップしたデータを今後皆さんで見ていただきたいと思います。そうでなければ、世界がこれ本当に注目しているわけです。日本の国会は一体何をやっていたのかということになるんだろうと思いますので、ぜひこの点について経過を見ていっていただきたいというふうに思います。  それではもう一つ前回、私が質問した決算委員会におきまして間宮原子力安全局長が、屋内退避については、十ないし五十ミリシーベルトを超える場合には避難という目安は持っている、今回はそれに基づいて判断したというふうに答弁されています。  しかし今回は、推定値ですけれども、半径八十メートルの地点で放射線量が七十五ミリシーベルトであったというふうな報告がございます。これを踏まえて、避難勧告を出すまで五時間かかったことに対して適切な処置であったとお考えでしょうか。
  42. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 住民屋内退避及び避難判断につきましては、原子力安全委員会防災指針におきまして、十から五十ミリシーベルトが自宅等へ屋内退避、それから五十ミリシーベルト以上がコンクリート建屋への屋内退避または避難との指標が示されております。  今回の事故におきましては、九月三十日の十七時ごろに施設の敷地境界で一時間当たり四ミリシーベルトの中性子線が観測されましたけれども、それまで臨界が継続していたとすれば、十七時の時点で敷地近傍の住民はそれまで中性子線ガンマ線を合わせて約三十五ミリシーベルトの線量を受けているものと推定をされております。  事態の終息のめどが立っていない段階では、避難またはコンクリート屋内退避の指標であります五十ミリシーベルトを超えるおそれがありましたため避難が適切と判断されるものでありましたけれども、既に十五時ごろには東海村によりまして約三百五十メートル圏内の住民の皆さんに避難要請が出されており、国として東海村の避難は結果的に妥当であると判断したところでございます。
  43. 櫻井充

    櫻井充君 その五時間かかったということに関しても妥当だというふうにお考えなんでしょうか。  この間、決算委員会でもやはり話になったんですが、推測値で、今後出てからいろいろ検討しますというお話になっておりました。九月三十日の午前十一時、要するに二十五分後には八十メートルの地点で大体推定線量がもう七十五ミリシーベルトに達しております、二十五分後にです。それで、出たのが五時間後でございます。しかもこれは東海村が出したんです。  ですから、その五時間というふうなかかった時間に関して適切であったか、それとも今回の判断は遅かったというふうにお考えなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  44. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 委員御案内のとおり、中性子線データを入手いたしました、情報が入りましたのは十七時ごろでございます。一方、十一月四日の原子力安全委員会報告されました臨界事故による周辺環境への影響に係る理論的な基礎資料に七十五ミリシーベルトという放射線量が出てまいりますが、しかしながらこの基礎資料は、個人の被曝線量を追跡するための助けとして用いるために周辺住民被曝線量を安全側に評価する観点から暫定的に取りまとめたものでありまして、避難等の措置の妥当性を評価されるために使われる性質のものではございません。  今回の事故におきましては、限られた情報、時間の中で可能な限りの判断と対応を行うべく努めたところでありますけれども、反省し改善すべきところもありまして、教訓も得られたものと考えております。この教訓を踏まえて、現在御審議いただいているこの法案におきまして、初動時の住民の皆さんの防護対策について迅速な判断ができるようにしているところであります。
  45. 櫻井充

    櫻井充君 済みません、もう時間になってしまいました。  ぜひお願いがございます。今の答弁で果たして住民方々健康被害というふうなものが、このことがきちんと図られるというふうにお考えでしょうか、皆さん。ぜひもう一度委員会を開いていただきたい。一回だけじゃないと思います。  そして、この値は避難のために出されたんじゃないというふうにおっしゃいますけれども、どのぐらいの値なのかと申しておきますと、少なくとも百八十メートルの地点のところで、大体十九時間四十分後に百六十ミリシーベルトまで達しております。通常の人たちの安全基準値というのは一ミリシーベルト程度です、一般の人たちの。それから、作業員で五十ミリシーベルトです。これだけ高い値、高い線量が推定されているわけです。  そうすると、今は避難勧告のために出したのではないというふうにおっしゃいますけれども、そうしたら、健康の調査というふうなことでいえば、この範囲の人たちの健康調査というのをきちんとやるべきだと私は思います。今の中できちんとした形の健康調査をやりますというふうな答弁は私はいただけなかったと思っております。  ぜひ、再度この委員会におきまして、この東海村の事故に関して委員会を開いていただくことを委員長の方にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  46. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) ただいまの御提案は後刻理事会で検討させていただきます。
  47. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず最初に、極めて基本的な質問でございますけれども、いわゆる原子力基本法には、民主、自主、公開について述べられておりまして、非常に重要な部分だと思いますけれども、とりわけ公開については、今回の事件を含めて、やはりこういった問題が起こったときに全面的に情報開示というのはされるべきだと私は当然ながら思っているわけでありますけれども、公開について確認をしたいと思います。どうお考えですか。
  48. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 原子力基本法は、委員指摘のとおり、第二条におきまして、原子力の研究、開発及び利用を進めるに当たっての基本方針として、「民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開」する旨規定をしております。国民の皆様の理解を得つつ、民主的に原子力研究、開発利用を進めていくに当たりましては、核物質防護等に係る一部の情報を除きまして、すべての情報を公開することが原則であると認識をいたしております。このため、原子力委員会原子力安全委員会における会議を原則公開としておりますほか、広報誌やインターネットによる情報提供にも努めております。  今後とも、このような努力を徹底するとともに、原子力関係者一同が情報公開の重要性を認識し、最大限の努力を傾注すべきであると考えております。
  49. 加藤修一

    ○加藤修一君 今回の事故に関連してのさまざまなデータについては、ぜひ全面的な公開、開示、それをお願いしたいと思います。  それでは、前回緊急提言中間報告という形で、平成十一年十一月五日という日付での報告について入ってまいりたいと思います。  「今後の調査検討課題」ということで、このように述べられております。「基本的な倫理観を保持することを前提に、安全確保に関する緊張感・使命感、それを支える十分な知識・経験を有することが重要である。」。あるいは「経験、緊張感の伝承が不十分となり、」云々。あるいは「「安全文化」の風化を阻止すること、」。  非常に私は重要な文言だろうと思っているわけでありますけれども、今回の事故に関係いたしまして、私は、この九月三十日、これは日本の今までの原子力にかかわる事故の中で最悪というふうに言われているわけでありますが、原子力防災の日という形で設定すべきではないかと一つの提案をしたいと思いますけれども、長官はどのようにお考えでしょうか。
  50. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 九月三十日に株式会社ジェー・シー・オー東海事業所の事故が起こったわけでありまして、これは原子力防災上極めて重要なことでありまして、決して忘れてはいけないものと、そういうふうに思っております。  この臨界事故を今後のいさめにしようという趣旨での御提案ではないかと考えますけれども、今は事故原因の究明と再発防止に全力で取り組んでいるところでございます。
  51. 加藤修一

    ○加藤修一君 お答えの趣旨はよくわかりますけれども、検討という前向きの答弁をいただけると思っていたわけですけれども、検討は、検討してだめになる場合もあるし、そういうふうになる場合もあるわけですけれども、検討というお考えもございませんでしょうか。
  52. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) このような、何というんですか、記念日というとちょっとこれは事故ですから言い方は適当じゃないかもしれませんが、十月二十六日は原子力の日というものもありますし、委員のおっしゃりたいことは十分に理解しておりますが、今私どもの立場は再発防止に全力で取り組むということでございますので、御理解いただきたいと思います。
  53. 加藤修一

    ○加藤修一君 再発防止ということについても私ども十分当然考えていくべきだと思っていますので、そういった点を含めて原子力防災の日の設定ということは非常に私は大事ではないかと思います。  それで、今回炉基法の改正がありますわけですけれども、その中で、厳しい緊張感を持続するための枠組みの整備ということであるわけであります。これに関連いたしましても、今の防災の日の設定と絡めまして、やはり事故現場の保存といいますか、いわゆる原子力防災メモリアルサイトの設置ということもこの厳しい緊張感を持続するという上では非常に重要な、教材というとちょっとおかしな話でございますけれども、重要な経験を常にそれをかんがみ、将来に残していく、緊張感を持続する、そういった意味では私はそういったサイトをつくることも一つの考えではないかと思いますけれども、これについてはどのようにお考えですか。
  54. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先ほど委員御提案の原子力防災の日の設置等につきましては、私も、こういうような大きな事故が起きたということは、特に関係者にとりましては生涯忘れてはならない大変重要なことだと思っておりまして、先ほど御理解いただきたいということで申し上げましたけれども、大変大切なこととは思っております。  また、今、原子力防災メモリアルサイトとしてジェー・シー・オー転換試験棟を残したらどうだ、保存したらどうだ、そういうような御質問だと思いますけれども、今後残存するウラン溶液の除去とか汚染の除去等を速やかに行いまして、私どもとしては周辺住民に安心していただくことが最優先の課題と考えております。事故施設を保存するというのは非常に難しいことではないかと思っております。
  55. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは別の提案ですけれども、それは電子サイバー空間上に構成するとか、あるいはレプリカでやるケースも考えられるわけですけれども、それについてはどうでしょうか、検討を含めて。
  56. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 今、委員がおっしゃいましたようなことは現時点では考えておりません。委員のお気持ちもよくわかりますし、二度とこのようなことがないように我々としては我々の立場で全力を尽くさせていただきたいと思います。
  57. 加藤修一

    ○加藤修一君 先ほど、同僚委員質問について非常に大きな関心を持って聞いていたわけでありますけれども、この三百五十メーターの設定の妥当性と、それからいわゆる避難解除をした場合の根拠といいますか、その辺について再度私の立場からお聞きしたいと思います。
  58. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 三百五十メートル圏内の設定は妥当であったかという御質問でございますが、夜九時ごろの測定によりますと、敷地境界から約三百メートルの付近で、これは比較的遮へい物がない比較的線量率の高い地点でございますけれども、一時間当たりの中性子線量が〇・三五ミリシーベルト、ガンマ線量が〇・〇五ミリシーベルト、合わせて〇・四ミリシーベルトになっております。したがいまして、夜十一時の時点でこの三百メートルの積算線量を計算してみますと約五ミリシーベルトということになります。  これはまた後からわかったことですけれども、いわゆるプロンプトフィッション、即発、その最初のピークの線量を含めても五十ミリシーベルトに比べればかなり低くなっております。  したがいまして、避難の指標であります五十ミリシーベルトに比べて低いということで、この屋内退避、また三百五十メートルという数字は適当であったと考えられます。  しかしながら、現地対策本部では、状況が好転しない場合、臨界が続いているということで屋内退避している住民被曝線量が増加し続けるということで、これを五百メートルにということも検討されたわけですけれども、翌朝まで待っても五十ミリシーベルトを超えない、それから、深夜であり、かつ雨が降っているということを考慮して、この避難範囲の拡大については十月一日の朝に判断することといたしました。結果的には、十月一日朝に実施した水抜き作業によりまして臨界状態が終息したため、避難範囲の拡大は必要ないと判断したものでございます。  また、二番目の質問避難措置の解除についてでございますが、その根拠ですが、原子力安全委員会の緊急技術助言組織におきまして、その時点での区域内の空間線量率データ、それから敷地内外の線量の時間経過、それから土壌、家屋の窓ガラス等の汚染状況等が総合的に検討されて、問題ない旨この緊急技術助言組織から助言がございまして、これを確認し、決定されたものでございます。
  59. 加藤修一

    ○加藤修一君 総合的に検討という話で、最終的に避難解除の根拠にしたという話ですけれども、これに時間を使うわけにいきませんので、別の機会にもう一度取り上げたいと思います。  それでは次に、INES、国際評価尺度の関係で暫定値四ということでありますけれども、これ、暫定という意味はどういうふうに考えたらよろしいですか。
  60. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 国際原子力事象評価尺度、いわゆるINESにつきましては、原子力施設において発生した事故、故障等の重要度を簡明かつ客観的に判断することを目的に策定されたものでございます。事故、故障等の情報につきましては速やかに通報することが求められるものであることから、尺度につきましては所管官庁におきまして暫定評価を行うことといたしております。  今回のジェー・シー・オー東海事業所の事故につきましては、事故、故障等の原因究明を終えて、再発防止対策が確定した時点で、専門的、技術的な立場から原子力施設事故・故障等影響度評価委員会評価検討を行いまして、その結果を科学技術庁が正式な評価結果として公表する予定でございます。
  61. 加藤修一

    ○加藤修一君 今までの我が国における原子力関係の事故では、高速増殖炉「もんじゅ」ナトリウム漏えい事件ではレベルが一ですか、それから美浜発電所二号炉伝熱管損傷事故では異常事象ということで二と、それから旧動燃アスファルト固化処理施設の関係ではINESは三ということでありますけれども、高速増殖炉の関係と、それから旧動燃アスファルトの関係については、当初はそれぞれ一ランク下だったわけです。後ほどいろいろな点を考慮しまして、検討しまして、一ランク上に上がったという話になっています。  今回のケースについては、外側に大きなリスクを伴う放射性物質が排出したかしないか、そういった点についても当然考慮していかねばいけないという観点から考えていった場合、この暫定値というのが最終的にどういうふうになるのかということなんですけれども、その場合、考慮する要因ということについてはどのように考えたらよろしいかなと思うんですけれども、どうでしょうか。
  62. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) このINESの評価でございますが、これは、サイトの敷地境界外にその放射性物質が出たかどうか、また、そのサイトの敷地境界内でどの程度の放射性物質が出、被曝があったか、また、多重防護という考え方になっておりますが、その多重防護、外に出なかったにしてもその多重防護が内側でどれぐらい破られたかというふうなことを総合的に勘案して、最終的にこの数字を出します。  ただ、暫定値は、できるだけこの事故をわかりやすく、こういう事故が起きましたということを国民の皆様に知らせるのが目的でございますので、暫定値を出し、後ほど、先ほど言いましたような評価を行って、ちゃんとした数字を出すということでございます。
  63. 加藤修一

    ○加藤修一君 意地悪な言い方をするわけじゃないんですけれども、最初はやはり甘く見積もっているというような感じがするわけですけれども、この辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。全然関係ないということでしょうか。
  64. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 甘く見積もっているというようなことはございません。
  65. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは次に、先日、十一月二十日の新聞でございますけれども、東海村村長が特派員協会で講演をされております。それで、今回の「原子力防災上「想定外」だったことについて、「海外で先例があった以上、起こると考えるのが当然。それを怠ったのは科学者の思考停止なのか、「日本では起こらない」というごう慢な考えだったのか」と」、このように語っているわけですけれども、このことそれ自体に対して科技庁はどのように認識していますか。
  66. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 委員指摘のとおり、十一月二十日の新聞で、村上東海村村長が外国特派員協会でそのような御発言をなさっているようでございます。  原子力安全委員会事故調査委員会中間報告で、今回の事故は国に申請して許可された作業手順や臨界制限量を無視した作業が直接的原因指摘されておりまして、国としてはそのような許可違反の行為を想定していなかったものであります。想定外であったわけであります。  しかしながら、結果としてこのような事故が発生してしまいまして、たびたび申し上げておりますように、私どももいろいろな面で反省をし、改善すべき点は改善しなければならない。特に地元の皆様方に大変な御迷惑をかけた、また御不安もおかけしているので、先ほどから御議論ありますように、事故原因調査、また防災対策はもちろんでありますが、健康対策、風評被害対策等、全力で取り組んでいるところでございます。
  67. 加藤修一

    ○加藤修一君 想定外という言葉が出ましたので、想定外というのは、INESの関係で今まで三つの、今回を含めて四つの大きな事故が生じているわけですけれども、これも全部想定外という話だったんですね、結論は。全部想定外であったと。私の理解ではそういうふうに考えているわけです。  例えば高速増殖炉「もんじゅ」に関しても想定外のことが起こった、あるいは美浜の関係もそういうふうに私は伺っておりますけれども、さらに旧動燃アスファルトの関係も想定外と。想定外のがずっと続いているわけですけれども、この想定外に対する考え方がよく私は理解できないんですけれども、この辺の責任とか規制におけるあり方等を含めて、ちょっと違うんではないか、何か構造的な問題がやっぱりあるんではないかなと思うんです。  今回の中間報告の中には、いわゆる構造的な面も含めて検討という話になっておりますけれども、「事実の背後にある構造的・倫理的な問題を含めて検討を進め、」云々ということになっているわけですけれども、どうでしょうか。この過去の事故について想定外とたびたび出てくる話なんですけれども、何かどこかが違うんじゃないかという理解をせざるを得ないんですけれども、どうでしょうか。
  68. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 個々のケースによって事情は違うと思いますが、今回の事故について申し上げれば、これは違法なマニュアルを策定し、そして違法な作業を行ったわけでありまして、そういう意味で想定外というふうなことになる、そういうふうに思っております。  我々は、想定外だから責任がないと申し上げているんではなくて、我々の安全審査体制、検査体制、どうだったかと今謙虚に反省し、再発防止に取り組んでいるところでございます。
  69. 加藤修一

    ○加藤修一君 時間がないですので最後の質問にしたいんですけれども、今回被曝労働者と認定された方々が三人ほどいるというふうに聞いております。先ほどもちょっと議論になりましたけれども、六十人プラス二十四名、それからプラスアルファということを考えていきますと、例えばゴルフ場の練習場のところで足場を組んでいた住民七人、あるいは土のうの積み重ねをやった百八人、あるいはさらに日本原子力研究所等々を含めますと相当の数になるわけですけれども、これらの方々がどういう形で被曝したかどうか、その行動の関係を含めて捕捉するお考えがあるかどうか。  かなり広い範囲になるわけですけれども、例えば住民の件に関しましては、妊産婦がいたかいないか、あるいはどのぐらいの年齢層を含めて、男女を含めて、要するに、先ほど健康管理検討委員会調査をするという話でありましたけれども、調査項目、属性というのをどういうふうに考えてその調査を進めていくか、その辺についてよろしくお願いいたします。
  70. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 十一月四日に今回の事故による周辺環境の線量評価を発表いたしました。これを踏まえまして、個人の推定被曝線量を明らかにするために、科学技術庁そして放射線医学総合研究所が周辺住民行動調査を実施することとなっておりました。  事故発生当時から臨界終息時までのおよそ二十時間にわたる行動調査につきましては、三百五十メートル以内の避難要請区域に居住または勤務する方を対象に十一月十九日から二十日にかけて、放医研より二名のお医者さん、また県の保健婦一名の計三名を一班とする調査員が戸別に訪問し実施したところでございます。現在、居住者全員と勤務者の九割について実施済みでございます。調査項目としては、性別、年齢、妊娠の有無、居場所、行動経路、建物の種類、壁の厚さなどについて調査を実施しております。  また、敷地内の作業員につきましては、さまざまなデータ評価しておりまして、まとまり次第公表したいと思っております。
  71. 加藤修一

    ○加藤修一君 終わります。
  72. 西山登紀子

    西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。  事故以来既に二カ月がたとうとしているわけですけれども、私は、先般、十一月十六日の当委員会の視察は二度目の事故調査であったわけです。志位書記局長を本部長といたします党調査団も十月二十七日に東海村に参りましてジェー・シー・オーの幹部の皆さんとも会って調査をしております。  そこで、やはり認識を新たにしたこともございました。現地の住民方々はもちろんですけれども、国民の皆さんも引き続き重大な関心を持っておりますし、事故はなぜ起こったのか、なぜ無防備だったのか、ジェー・シー・オーはもちろんですけれども、政府責任についてはっきりと答えていただかなければならないと思います。  十一月五日の緊急提言中間報告については見せていただきましたけれども、残念ながら国民のこうした疑問に十分積極的に答えているとは言えないという印象を持ちましたが、詳細は次回に譲りたいと思います。  先ほどの当委員会での質疑を聞いておりましても、私非常に残念だなと思いますのは、一九八四年当時の政府の審査について、やはり長官は、適切なものだったんだというふうに、違反を犯したのはジェー・シー・オーなんだということに終始されたような御答弁だったというふうに思います。私は、そうではないだろうということで質問をしていきたいと思います。  まず、今回の事故は、もちろん、ジェー・シー・オーが許可されていないマニュアルやあるいはバケツを使って直接沈殿槽に大量に投入したということが直接の事故原因でありますし、こうしたジェー・シー・オーのずさんな操業は許されない行為だったというふうに私も考えております。しかし、一九八四年六月に許可された装置や運営の手続であれば事故は起こらなかったんでしょうか。  前回質問のときにも私は、基本指針十、十一に沿って審査した結果、政府が、「充分な安全対策が講じられており、一般公衆に対し過度の放射線被ばくを及ぼす事故が起こるとは考えられない。」として、科学技術庁はいいという安全マークを押したわけですね。その点の問題も、また基本指針十二の臨界のおそれはないとして全く対策を免除してしまった、こういう二重の審査の誤りについてただしたところでございます。  今回の調査で私自身が大変鮮明になった点は、十一月十六日に視察に参りました三菱原子燃料の工場で、濃縮度五%以下のウランを扱っているわけですけれども、そこでは貯塔も沈殿槽も直径二十五センチの形状管理が一貫してなされていました。そして、現場の責任者は、どんなに多く入れても臨界にはならないんだという説明をされたわけでございます。  そこで、私は疑問に思ったのは、なぜジェー・シー・オーの場合は沈殿槽形状管理されていなかったのかということです。実際にごく近所にあるそういう三菱原子燃料の工場では二十五センチの形状管理が最後まで、沈殿槽までされていた。ところが、ジェー・シー・オーは直径四十五センチの非常に大きな沈殿槽で、形状管理はされていなかった。そこに七杯もの危険なものが入ってしまったわけですけれども、どうしてこういう大きなものが許可されたのか、形状管理をされないまま許可されたのか、私は大変疑問に思ったんですけれども、大臣はそう思われませんか。
  73. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 一般に、貯槽が同一体積でありましても、内径が大きく沈殿面積が広いものほどその沈殿効率が高いわけでありまして、ジェー・シー・オーが現在の容積の沈殿槽を今申し上げましたような理由から採用したものと承知しております。その際、臨界管理につきましては、形状管理とせず質量管理を行うものとしたものでございます。  形状管理質量管理のいずれの臨界管理を行う場合におきましても、安全審査において核燃料施設安全審査基本指針に基づいてこれら臨界防止のための対策誤操作とか二重装荷対策等でございますが、それらが適切に講じられていることを確認したわけでございます。  先ほど委員から、一九八四年六月の許可時での、申請時での審査が適切なものであったとの科技庁の判断はいかがなものか、そういうような御意見もございました。当時はステンレス製のバケツ等を使った違法な手順に変えるとはもちろん想定もしておりませんし、当時の申請されたやり方で作業が行われておれば事故がなかったものではないかと思います。  しかしながら、今回のような事故が違法な作業が行われることが直接的な原因で起きたということから、やはり安全審査全体にわたって今見直しをしているところでございます。
  74. 西山登紀子

    西山登紀子君 すぐそばの三菱原子燃料では、沈殿槽の最後まで二十五センチの形状管理がされているんですよ。ところが、ジェー・シー・オーではこんな大きな最後まで沈殿槽、これはおかしい、不思議だと思いませんか。私、素人だって、何でこんなものが四十五センチ、許可されたんだろうと疑問に思いますよ。  安全指針十、ここではやっぱりいかなる場合にも起こしちゃいけないようにしなきゃいけないとなっているわけです。寸法やあるいはその容積を制限し得るものはきちっと制限しておかなけりゃいけないわけです。そんなのは常識なんです。ところが、そうなっていない。  ジェー・シー・オーの場合は、濃縮度二〇%の硝酸ウラニルの最小臨界量は十六・五リットルであるにもかかわらず、沈殿槽の容積は何と百リットルも入ることになっていたんです。これが溶解槽や貯塔のようにきちっと形状管理されていれば、作業員が臨界量以上の投入が不可能になっていて事故は未然に防げたのではないでしょうか。大臣、そう思われませんか。大臣答えてください。大事な点です。
  75. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 沈殿槽は、原料の酸化ウラン粉末を精製するときに使用されるものでありまして、この場合ウラン濃度の低い溶液をワンバッチの五十三リットルが処理できるように設計されたものでございます。  安全審査におきましては、一バッチ当たりのウラン取扱量臨界質量の二・三分の一以下に制限することを確認しておりまして、容量が約百リットルでありますから、酸化ウラン粉末作成に使用される限り、仮に二重に入れようとしても入れることができずに臨界になることはないと判断したわけでございます。  今回の事故は、沈殿槽を精製ウラン製造という本来の用途ではなく、精製された酸化ウランから濃度の高い硝酸ウラニル溶液を作成するという用途に用いたために発生したものでございます。
  76. 西山登紀子

    西山登紀子君 ちょっとおかしいんじゃないですか。最初から沈殿槽というのは硝酸ウラニルというものを溶かすというところに目的はあるんです。粉末はその後です。  誠実な御答弁がないんですけれども、大臣質量管理をしているとかいろいろ言われますけれども、これは一貫して形状管理されていないと質量や濃度で管理するしかなくなる。では、その質量や濃度はだれが管理するかというと、それは人間が管理することになる。それでも安全だと言うのだったら、専ら人は全く誤りを行うものじゃないというのが大前提になっているんじゃないですか。とすれば、科技庁の審査というのはヒューマンエラーは全く考慮しなかったんでしょうか。その点どうですか。
  77. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) 今回の場合、形状管理質量管理、また秤量等、当時の安全審査としては多重のバリアがある、このように判断をしたものでございます。故意にその多重のバリアを一気に乗り越えるということはあり得ない、こういう判断をしたものでございますけれども、今回現実にこれがこういう形で事故が起きたということで、もう一度安全審査指針を見直そう、こういう形になっておるわけでございます。
  78. 西山登紀子

    西山登紀子君 当時の許可されていたとおりにやっていたら事故は起こらなかったんだ、違反を起こしたのはジェー・シー・オーなんだとおっしゃっているけれども、私はそうじゃないと思うんです。行ってみて二つ調査ではっきりわかったことは、一貫して形状管理されていない施設質量管理が手作業で行われれば、作業員が計量や濃度管理を間違えれば臨界に達する可能性が強い仕組みになっていた、もともと、許可したときから。  先日、十月二十七日に我が党調査団が参りまして、志位団長がジェー・シー・オーの幹部にこのように聞きました。このもともとのシステムでは、許可されたとおりに、許可された手順に従って作業を実施しても、作業員が間違えれば臨界事故は起こるんじゃないですかと聞きましたところ、ジェー・シー・オーの幹部もこれをお認めになったんです。専ら人手による質量管理を残して、その上、百リットルという増量を誘うような沈殿槽形状を許したところに審査上の初歩的なミスがあったのではないかと思います。  この点についてお聞きしても、何度お聞きしてもお認めになりませんので、このことはまた続けてお聞きするとして、次のテーマに移りたいと思うんです。  今回の事故は、ジェー・シー・オーの職場の安全教育も非常にずさんだったということが問題になっているわけですけれども、当委員会調査のときに、私はジェー・シー・オーの教育マニュアルというものを提出してくださいというふうにお願いをいたしました。  事故作業員の方は、当日お聞きしたところ、お二人は回復が見られるということ、しかしお一人の方は依然重体だというふうにお聞きしたわけです。スペシャルクルーと名づけられていたそうですけれども、このグループは、しかし、臨界についての特別な教育はされていませんでした。臨界の危険性が十分教育されていれば、命を犠牲にしてまで今回のような作業をやるでしょうか。  ジェー・シー・オーの教育マニュアルの中身はどうなっていたか調べてみました。ジェー・シー・オーの方から私の手元に宅急便で送られてきた教育マニュアル、その部分に「臨界安全」という部分がございます。これは非常に大事な点でもございますし、私、少し時間がかかりますが、ゆっくり読ませていただきます。   臨界安全  臨界とはU235が連続的に核分裂反応を起こす状態を言い、原子炉ではこれにより熱エネルギーを発生させている。しかし、我々の工場では絶対に核分裂連鎖反応を起こしてはならない。  上記のような臨界状態を起こさないために色々な制限があり、それを守るための指示書や手順書がある。また人の行動には間違いがあることを前提に、物理的な制限が加えられている。  色々な制限方法を挙げると次の三つがある。  (1)質量制限 一度に取り扱う量は定められた量以下にする。  (2)濃度制限 Uの濃度は定められた濃度以下にする。  (3)形状制限 Uを取り扱う設備形状を安全形状に設計する。  たとえば、設備の直径、厚みは安全値に設計する こういうふうに物理的な制限が加えられているということを述べています。その後で、  Uは放射性物質であり、従って放射線を出すが、Uの放射線は微弱でUに触れることがあっても障害を起こすことはない。しかし粉塵を吸入する事はさけなければならない。そのために、粉末をオープンで取り扱う作業がある場合は必ず所定の防塵マスクをしなければならない。  Uは放射性物質で且つ核燃料物質であることから世間一般には怖がられているが、規則を遵守した取り扱いをすれば、全くおそれる必要がなく心配もない。 このように説明がされているわけでございます。  これは教育マニュアルですけれども、そこの問題点は、人の行動には間違いがあることを前提にして物理的な制限が加えられているから大丈夫なんだと、こういうふうにむしろ教育マニュアルはなっているわけです。そして、世間一般には怖がられているけれども、全く恐れる必要がなく心配もないものだというふうに最後はだめ押しがされているわけでございます。  つまり、ジェー・シー・オーの教育というのは、手順を間違えば起こり得るよと厳しく警告をして、そして全体のものにするというそういう教育がなされていないで、むしろ安全神話に基づいた教育になっていた。こういう点が私は非常に問題だというふうに思ったわけですけれども、長官はこういうジェー・シー・オーの教育マニュアルの中身をごらんになっていらっしゃるでしょうか。そして、ごらんになったときにどういうお考えをお持ちになったでしょうか。
  79. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) そのマニュアル、見ておりません。教育マニュアル見ておりません。
  80. 西山登紀子

    西山登紀子君 今、焦点の問題でございます。なぜジェー・シー・オー職員がこういう作業をやったのか、自分の命を犠牲にするまでのようなこういうことを、教えられていたらそれはやらなかったと私は思います。  ですから問題は、作業員の問題ではなくて、ジェー・シー・オーのもちろん管理にあったわけでございます。ですから、この教育マニュアルというのは、どういう教育がなされていたのかという今度のこの事故原因を追及する上で一つの非常に重要な中身を持っているわけですから、私は、もう二カ月がたとうとしている中なので、当然長官もお目通しになっているものだというふうに思っておりましたけれども、私はそれは非常に国民に対する責任を果たしていない態度だと思うわけです。大変厳しい指摘かもしれませんけれども、この点もう一度、長官どうですか、やっぱり御自身の目で調べてみるべきじゃないでしょうか。
  81. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 現場での作業状況あるいは教育の状況がどうなっているかということは、やはり十分に勉強すべきことと思っております。
  82. 西山登紀子

    西山登紀子君 このマニュアルは、間違って作業を行った方は教育を受けていなかった。このマニュアルで受けていたとしても、十分物理的な制限が加えられているので安全だよ、全く恐れる必要はないよというマニュアルになっているんですから、これはもう安全だな、何をやってもいいんだなということで作業員の方はむちゃなことをやってしまった、こういうことではないかと思います。  そこで、今後の問題として大事なことは、私が思いますのは、こうした安全神話に基づいた安全教育がジェー・シー・オーだけで行われて、ジェー・シー・オーだけなのかというと、そうは言えないだろうという問題でございます。  政府が、核燃料加工施設では臨界事故は起こらない、その対策もとらなくてもいいとしてきたその安全神話による原子力行政の空洞化という問題は、恐らく全国の核燃料加工施設でも起こっているだろうと思うんです。事故後の二十施設の立入検査報告をざっと見せてもらいましても、教育をやられている、一回やっている、二回やっている、こういうふうな報告はあっても、そのなされている教育の中身は何なのかということについては御報告がなかったようにも思うわけです。  そこで、提案したいと思うんですけれども、全国の工場に、今回のジェー・シー・オー事故を教訓とするためにも、新しい教育マニュアルを徹底する必要があるのじゃないかと思うんです。すべての核燃料施設というのは臨界のおそれのある施設だとして必要な教育を受ける、また事故が起こった場合にはこういう対策をとる、住民の皆さんにはこういう適切な対応をとるんだというような訓練も含めて、すべての核燃料施設に徹底を図っていただきたい、図る必要があるだろうと思いますけれども、長官の御答弁を伺いたいと思います。
  83. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 委員指摘のとおり、今回の事故を踏まえて、この反省を今後の教育マニュアルに反映するということは大変重要なことであろうと思っておりまして、御意見を大いに参考にさせていただきたいと思っております。  今月の十九日には、私ども、教育の重要性あるいは保安管理の重要性から、原子力関係の事業をやっております事業者百二十六社に声をかけまして、このような安全の徹底に関する説明会を開かせていただきました。出席されましたのは百七社でございましたけれども、私の方から各事業所の出席者に対しまして、安全管理についてあるいは教育等につきましてそれぞれの事業所において徹底をしていただきたいと協力をお願いしたところでございます。  今後とも、規制当局といたしまして、教育訓練の状況等につきましても適切な指導を行う等によって安全確保に万全を期していきたい、そういうふうに思っております。
  84. 西山登紀子

    西山登紀子君 やったやったとおっしゃるんですけれども、私大変心配なのは、今度の事故を起こしたときのジェー・シー・オーの教育がどうなっていたのかということについても十分掘り下げられていないんです。そして、対策とっています、とっていますとおっしゃられても、本当に大丈夫かなという気持ちがいたします。  もちろん、おやりになるというその決意は私はきちっと受けとめたいと思いますけれども、問題は中身なんです。安全神話に裏づけられたような教育をやっていたのでは今回のジェー・シー・オー事故の教訓は生きてこないというふうに思いますので、このジェー・シー・オーの何やっても安全だよというような教育マニュアル、また全く恐れる必要がない、心配もないというような教育ではなくて、危険なものなんだ、危険なものを扱っているんですよ、だから大いに警戒をしていきましょうねと、そして事故が起こったときにはこういうふうに対応しましょうねという、きちっとした本当の意味の安全教育をぜひ徹底して国民の安全を守っていただきたいと思います。  終わります。
  85. 水野誠一

    ○水野誠一君 私も現場を見に行きまして、バケツによるウラン溶液の注入というようなことはとんでもない言語道断の話なんですが、その後の対応を聞いても、決死隊のような水抜き作業だとかあるいは有志による土のう積みだとか、何か第二次世界大戦のころの話を聞いているような、非常に原子力というイメージとはかけ離れた前近代的な対応しかなかったということにやはり大きなショックを受けました。  今の西山委員お話にもありましたけれども、今後も原子力を重要政策としていく以上は、安全性を前提とするのではなくて、やはり危険性を十分配慮した、前提とした原子力のリスク管理という観点も必要になってくるなという意味で、私はきょう幾つか御質問をさせていただきたいと思います。  まず大臣に伺いたいんですが、つい先日、原子力委員会が進めております原子力研究開発利用長期計画の見直し作業において、ジェー・シー・オー事故を受けて、原子力発電推進の是非にまで立ち戻った議論が始まっているという報道を拝見いたしました。この五年置きに実施されてきた過去の改定作業が原子力推進を当然のこととして、それを前提として進められてきたのに対して、今回はやや異例の展開だったのかなというふうに思います。  委員のコメントとして、「原子力発電を進めるかどうか原点から議論しないと国民理解は得られない」とか、あるいは「原子力なしで何とかなるかどうかがカギ。」だというような発言があったという紹介がされているわけであります。確かに分科会の会議録概要などを取り寄せて拝見をしても、原子力の積極的推進がまず前提にあるようだが、脱原子力も視野に入れたものでなければ、この会議自体が無意味ではないかといった意見すらその中で見ることができました。  そこで、大臣委員長を務めておられる原子力委員会においてこうしたそもそも論が出ていることも踏まえた上で、今後の原子力政策における姿勢、大臣のお考えを伺えればと思います。
  86. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) たびたび申し上げておりますが、事故発生によりまして国民の皆様に本当に多大な御心配、御迷惑、特に地元の皆様方に御迷惑をおかけしたことは大変に私ども厳しく厳粛に受けとめております。原子力発電を初めとする原子力政策につきまして、今委員からも御指摘ありましたけれども、今回の事故を踏まえまして、原点と申しますか、そういうところから議論するということも私は重要であると、そういうふうに思っております。  現在の原子力の利用状況はもう私から申し上げるまでもなく委員が十分御承知のとおりでありますけれども、資源に乏しい我が国が社会経済の安定的発展とそして地球環境の保全を図るためには、やはり石油や石炭等の化石燃料の使用を増大させていくわけにはいかない。  そういうところから、新エネルギーの導入等にも今努力しているところでございますけれども、新エネルギーの導入やまた省エネルギー対策に努めましても、例えば二〇一〇年度の新エネルギーによる一次エネルギー供給の割合は、予測でありますけれども、三・一%程度の見込みでございます、現在は約一%弱でございますが。また、最大限省エネルギー対策を実施いたしましたとしても、二〇一〇年度の最終エネルギー消費は一九九六年度に比しまして一・八%増となるわけでありまして、したがいまして、原子力抜きのエネルギー供給は極めて困難なのが現状でございます。  今回の事故により失われました信頼の回復に全力を挙げながら、今後とも安全の確保を大前提に、そして国民の皆様に十分に御理解をいただきながら原子力開発利用を進めていくことが必要である、そういうふうに考えております。
  87. 水野誠一

    ○水野誠一君 事故時の急激な放射線被害の問題というのが今回浮き彫りになったわけでありますが、原子力施設労働者の被曝問題というのは何も今に始まったことではないという指摘も一方であります。  これはどういうことかというと、一見非常に近代的に見える原子力発電関連施設の管理、特に例えば清掃作業、こういう作業が下請業者の人海戦術で手仕事で行われている。これは今回、土のうを積んだり水抜きをしたりというようなところでも非常に原始的な作業を強いられたということだけではなくて、日常茶飯事のメンテナンス作業の中でこういったいわゆる内部被曝というものがかなり行われているんだという指摘がたびたびされるわけであります。  そこで、そもそも原子力関連施設の通常の操業時における従業員の放射線被曝問題について、科技庁としてはどのように把握されているのか、伺いたいと思います。直近のデータではどうなっているのか、またその調査方法についても、簡単で結構でございますが、御説明をいただきたいと思います。
  88. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 放射線被曝の管理につきましては、事業者は法令に基づきまして放射線業務従事者の線量当量が年間五十ミリシーベルトを超えないように管理することが義務づけられております。  一九九七年度、平成九年度における放射線業務従事者の被曝状況につきましては、科学技術庁所管のすべての原子力施設について原子炉等規制法に定める線量当量限度の年間五十ミリシーベルトを下回っておりまして、放射線業務従事者一人当たりの平均線量当量はそれぞれ、試験研究用原子炉施設でございますと〇・四ミリシーベルト、核燃料施設で〇・一ミリシーベルト、廃棄物埋設施設及び廃棄物管理施設で〇・一ミリシーベルト以下でございました。  調査方法でございますが、放射線被曝管理につきましては、フィルムバッジ、全身カウンター等による個人被曝線量管理等により放射線業務従事者の被曝管理が行われております。この放射線管理状況につきましては、法令の規定に基づきまして年に一回事業者が国に報告することとされております。
  89. 水野誠一

    ○水野誠一君 今の御答弁ですと、五十ミリシーベルトどころか五ミリシーベルトを超える者もほとんどないという御答弁だったわけです。  ところが、通産省の資源エネルギー庁が発電所の業務従事者の線量当量分布を毎年発表しておりまして、こちらの直近データは平成十年度分でありますが、科技庁の調査と同じく五ミリシーベルト置きに被曝従業員数を集計しているものがございます。それによると、年間五ミリから十ミリを被曝した従業員が二千六百人余り、十ミリから十五ミリシーベルトでは九百人余り、十五ミリ以上が四百人余りと。つまり、労働省が局長通達で認定基準としている年間五ミリシーベルト以上を合計すると、何と三千九百七十六名にもなっているんです。  事故対策もあるいは従業員の健康対策も発電所はその他の原子力施設よりも十分念を入れているというふうに言われているわけでありますが、その発電所では五ミリシーベルト以上の被曝が四千人近くもいる。それなのに、一方の科学技術庁所管の原子力施設ではほとんどゼロだという話を聞くと、若干違和感を覚えるわけでありますが、これはデータのとり方の違いなのかどうか、この辺を伺いたいと思います。我々はこの公表データのとおり信じていいのでしょうか。
  90. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 突然でございますので用意がございませんが、一つ考えられるとすれば、これはちょっと確認とらずにでございますけれども、原子炉、いわゆる発電所の場合は定期検査が毎年入っているというところが大きく違う要素かと思いますので、これは確認してまた御報告したいと思います。
  91. 水野誠一

    ○水野誠一君 大変重要なところなので、後でぜひしっかりとした御報告をいただきたいと思います。  ジェー・シー・オー職員線量当量分布については、直近の調査ではどうなっているのか、その点についてはいかがでしょうか。これもないですか、データは。では、これも後できちっとした報告をしてくだされば結構です。時間がありませんので、次に移りたいと思います。  先月二十日の当委員会において加藤委員から強い指摘があった点でありますが、私も改めて申し上げたいのは、ICRP勧告の問題であります。  炉規法上の年間五十ミリシーベルト以下という放射線業務従事者についての基準は、加藤委員からも御指摘があったように、ICRPが七七年に出した勧告に従った値であります。しかし、その後ICRPは、広島、長崎の健康影響調査などを再評価した結果、線量限度を年間平均二十ミリシーベルト以下、かつ単年五十ミリ以下と厳しく改定する新勧告を九〇年に出しているということでありますが、我が国でも放射線審議会がこの新勧告を受け入れる内容の中間報告をされております。  この点の御質問に対して、加藤委員に対して、時間がかかっていることについていろいろ釈明があったわけなんですが、私もこの点非常に重要だと思っておりまして、原子力に対する国内外の信頼を築いていくためにも他国よりもさらに一歩先んずる積極的な対応が必要だと思いますが、改定の時期を明言することは今なおできないのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
  92. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) ICRPの一九九〇年勧告につきましては、放射線審議会より平成十年六月、関係行政機関に対して関係法令への取り入れに係る意見具申がなされたところでございます。  この意見具申を受けまして、平成十一年八月、科学技術庁、労働省等関係七省庁から放射線審議会に対しまして、放射線業務従事者の被曝線量限度の変更など関係法令への取り入れについて諮問がなされ、現在審議が行われているところでございます。  当庁といたしましては、今後放射線審議会から答申を受けた後、二〇〇一年四月から改正法令を施行する予定でございます。
  93. 水野誠一

    ○水野誠一君 ありがとうございました。  次に伺いたいのは、十月二十日の当委員会において、事業者に対する事業許可が取り消しになった場合、これは今話題になっています例えばジェー・シー・オーの事業許可が取り消しになった場合という想定でありますが、保管されている放射性廃棄物は一体どこに行くのかという質問をさせていただきました。  通常の操業時においても、発電所から出る低レベル放射性廃棄物については六ケ所村の廃棄物処分施設で処分されるということになっているのに対して、その他の原子力関連施設から出るものについては、事業者施設内で保管せざるを得ない現状であるということでございます。やはり、原子力政策が発電所に重点を置いているものであって、完全なシステムとしてその他の核燃サイクル構成施設に対する目配りができていないんじゃないだろうかという点をそこでも指摘をさせていただいたわけであります。  この点、非常に私は重要な点ではないかなというふうに思うんですが、その後の検討状況がどうなのか、御説明をいただきたい。また、ジェー・シー・オーに残っている放射性廃棄物は結局この後どうなるのか、あわせて伺って、質問を終わりたいと思います。
  94. 斉藤鉄夫

    政務次官斉藤鉄夫君) まず、ジェー・シー・オー施設内に残されている放射性廃棄物の処理でございますけれども、現在沈殿槽に残っているウラン溶液では、臨界反応の結果生成する核分裂生成物が混在したものとなっているほか、臨界を終息させるために投入した硼酸、沃素の発生を抑えるために投入した硝酸銀もまじった状態となっております。  この溶液の処理につきましては、茨城県、東海村等からも早期の処理を要請されているところでございまして、一義的にはジェー・シー・オーにおいて行うべきものでございますが、当方としても日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構の技術的協力を得つつ、ジェー・シー・オーに対して早期に処理方法を検討するよう指導しているところでございます。  いずれにいたしましても、沈殿槽内のウラン溶液の処理につきましては、地元自治体等の理解を得つつ進めることが必要であり、できる限り早期に処理の計画を立てるべくジェー・シー・オーを指導してまいります。  また、いわゆる放射性廃棄物につきましては、これも一義的にはジェー・シー・オー責任を持って行うべきものでございますけれども、この問題につきましても指導をしてまいります。  それから、ちょっと前の質問に返って大変申しわけないんですけれども、科技庁所管の施設においては年間被曝線量、たくさん浴びた人が通産省所管よりも少ないのではないかという御質問でございましたが、先ほど安全局長がお答えいたしましたのは平均値でございまして、五ミリシーベルト以上浴びている人は科技庁所管で百八十四人でございます。この人数は母数になる数が違いますので、先ほど水野委員おっしゃった通産省関係の四千数百人とは一概に比較できませんけれども、パーセンテージとしては約半分程度ということで、科技庁所管の施設が比較的小規模なものであるということから考えれば理解できない数字ではない、このように考えております。また、後ほど詳しい数字はお届けいたします。
  95. 水野誠一

    ○水野誠一君 終わります。
  96. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 私、政府参考人を呼んで、おいでいただいておりますけれども、前に出ていただいて。そして大臣には、できるだけ小さいことは聞きませんで、判断を求めるときだけ聞きますから。政務次官はもう答弁要りませんから、時間の関係で。  この前、私は中間報告をいただきまして、これは大体目を通しました。それから、十六日に東海村に委員長以下本委員会のメンバーと一緒に行ってまいりました。そこらを前提にして、少し疑問を持ったことを幾つかお尋ねしたいと思います。  最初に、臨界が発生したときに室内で熱が出たようなことを聞いたり聞かなかったり、中間報告ではなかなかはっきりわからないんですが、その点はいかがでしょうか。これは通告しておりません。
  97. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 今の点、我々は承知をいたしておりません。
  98. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 この前、現地へ行ったときに、私ども転換試験棟のすぐそばまで行ったんですが、三人が倒れたところはどこかと、救急車が来たところは。そうしたら、現場から三人とももうちょっと違うところまで逃げてきておって、水膨れができておったとかおらないとかいう話を現場に私どもを連れていった人が言っていたんです。  だから、帰って科学技術庁に聞けばわかるだろうと思ったんですが、わからないならわからないでいいです。
  99. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 水膨れということでございますと、時間にもよりますが、いわゆる被曝をした場合当然そういう症状は出てくるわけでございまして、それがすぐに出るのか時間がたって出るのか、時間のところは私はちょっとわかりませんが。
  100. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 だから、発熱というのか、熱が発生したのかどうかというのは後で調べてくれますか。
  101. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) わかりました。
  102. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 次に、ジェー・シー・オーの要するに事務系の人がおる建物があり、その横にちょっと歩いたところに工場のスタッフがおるような現場があり、そしてそこを真っすぐ行って左に曲がって行き詰めたところに転換試験棟があるわけですね。十時三十五分ですか、アラームが鳴って、何かベルが鳴って、そして避難をして、避難をした場所は、工場のスタッフの皆さんがおる隣のグラウンドかどこかに第一次避難を従業員はしたそうなんです。そしてそこで、どうもガンマ線か何かが下がらないので、それからもう一度、今度は事務所の前を通ってもうちょっと南の方に行ったところに第二次避難をしたようなんですね。そういう話をちょっと聞きました。第二次避難をした場所というのは、恐らく私の推測では現場から三百五十メーターぐらい離れている、直線で行って。歩けばもっと遠いんですが、直線ではそのくらいじゃないか、そういう判断をしたんです。  それで、その時点ごろに、東海事業所の方から東海村の方に、やっぱり早く避難をさせてくださいというのをどうも複数回東海村に事業所の方から言ったような話もちょっと聞いたんですけれども、そのような状況というのは科学技術庁の方で把握しておりますか。
  103. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 正確にではございませんが、今おっしゃいましたような、いわゆるある地点からある地点にということで移動を何回か繰り返したということでございます。  それと、東海村に関しましても、ちょっと正確ではございませんけれども、そんなような事情があったかと思っております。
  104. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 そこらをもうはっきり東海村の所長なりに聞いて、そしてそこらの状況というのは我々が少し言えば大体わかるように、長官、そういうように少し指導していただきたいと思うんです。何かわけがわからぬことをぐちゃぐちゃ言うんじゃなくて。そういうことがあったようだとか、そういうことでは困るんですよ。我々が現地へ行って大体聞いてきたことぐらいはもう整理しておかなきゃ困るじゃないですか。
  105. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) これは事故調査委員会に提出した資料でございますが、退避経路につきましては図上で明示されておりますので、後ほどお持ちいたします。
  106. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 図がどうやというんでなくて、一連の流れですね、自分たちも第一次避難場所から第二次避難場所に行って、そういう流れの中で、早う避難させた方がいいですよ、臨界が続いている、こういうことを東海村に複数回言っていったんじゃないんですかね。その辺のことの流れをひとつ知りたいんです。  それで、先ほども質問がありましたように、日本原研の方で話を聞いたら、なかなか私どももぱっと一回臨界になれば後はもう臨界が続かないのかと思ったとか、いやそうじゃないとかいうような話をしておりましたが、臨界が続いていたということを科学技術庁が本当に認識したのは何時何分ですか。
  107. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 臨界の継続につきまして確かでなかったということは、ガンマ線の放射線量等が増大の傾向にはなかったということ、それと中性子線測定データが得られなかったということで確認がおくれたわけでございます。  その後、中性子線測定が午後四時半ごろから開始されまして、五時過ぎにデータが入ってまいりまして、それをもとに原子力安全委員会の緊急技術助言組織で臨界が継続しているという確認が行われたのが午後六時ごろでございます。
  108. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 責めるつもりはないですが、事実関係をしっかりしておきたいと思うんです。  東海村と日本原研の現地対策本部を置いたところというのは、距離は幾らですか、直線で行きますと。五キロなんですよ。多分五キロぐらい。そんな遠いところで、ジェー・シー・オーの所長か何かに聞けば、これはやっていると、臨界状態が続いているというのはすぐわかるんです、六時までかからぬでも。そこらの連絡体制とかそういうものは一体、五キロも離れておって、何をしておったんですか。
  109. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 臨界可能性ありというところはもちろん最初からそうなっていたわけでございますが、やはり、先ほど政務次官からもお答えいたしましたように、多くの人が臨界は一回で終わるものということを考えていたわけでございまして、かつ臨界継続にとりまして不可欠という中性子線データが入らなかったということで、そこはいずれも決めかねていたということでございます。
  110. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 長官、五キロ離れているんですよ、原研の本部から。だから、わからぬなら現場へ行って、そして現地の工場の連中に聞けばすぐわかったんですよね。そこらの手を抜いている。  だから、長官、なぜそうなったか、ひとつよく精査をしてください。それで、もうすっきり答弁ができるように命令をしてください。そして、後日また機会を見てお聞きをしたいと思っております。非常に不十分ですが、次に移ります。  それから、三菱原子燃料株式会社に行って聞きましたら、あそこの工場をずっと見ながら話を聞いたんですが、あそこでは安全衛生法に基づいて、職場の安全衛生委員会の中でも、従業員の被曝という観点から、安全衛生法の十八条の第一項、「労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。」というのは労使の安全委員会で話し合うようにうちはしておりますと。  ところが、ジェー・シー・オーの所長に本委員会に来ていただいて、安全衛生委員会は機能しておらなかったのかと、バケツで溶かしてそうやる、それは、もちろん被曝をしないとしても従業員の安全衛生には非常にかかわることだから、やっておらないのかと言ったら、私どもはそのことは、普通、ヘルメットをかぶったり靴のかたいのを履いたりするのは気をつけていたけれども、そういうことはやっておらないと言うんですね。  労働省の見解を求めたところが、やっぱり労働省としては、従業員の安全衛生に関するような事項に入っている、当然それはやるべきだ、こういうような判断をしているということなんですね。だから、その点について科学技術庁も労働省もやっぱり監督責任はあるんじゃないか、このように思うんです。  事務方から何かそこら答弁があれば聞いておきます。
  111. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) 国の認可を受けた保安規定に基づきまして、加工施設の保安に関する重要事項を審議する安全専門委員会が、三菱原子燃料の場合では安全衛生委員会ということで設置をされております。ジェー・シー・オーでは安全専門委員会という名前であります。  しかしながら、当方が行ったこれまでの調査によりますと、ジェー・シー・オーでは、臨界管理基準や手順書の変更がこの安全専門委員会で審議されておらず、委員会が保安規定に定められた機能を果たしていなかったということが判明してございます。  今回の原子炉等規制法の改正案では、このような保安に関する重要事項の審議を行う組織の活動を含む保安規定の遵守状況について国が定期的に検査を行うことを盛り込んでいるところでございまして、かかる規定に基づきまして、このような組織の活動状況を把握し、必要に応じ適切に指導してまいりたいと考えております。
  112. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 だから、これから指導するとかどうとかということを聞いているんじゃなくて、やっぱり過去のことを、これの起こった遠因みたいなものを聞いているわけですから、そのように答弁をしてもらいたいと思います。  エネ庁においでいただきましたが、日本には大きな電力会社で原発を持ってやっておるところがありますね。そこで、安全衛生委員会においてこういう放射能漏れとか放射線の問題というのは議論されて重要な課題とされているのかどうなのか。どういうように把握しておりますか。
  113. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 先生御指摘のように、電力会社、これは発電所ごとにでございますけれども、労働安全衛生法に基づきまして労働安全衛生委員会が設けられております。ここでは労働者の方々の危険防止のための基本対策あるいは労働者の皆さんの健康障害防止のための基本対策などについて審議するということで、私ども、御質問いただきましたので、直近のところで電力会社に聞いてみましたところ、その電力会社では月一回程度そういった課題について開催をしているということでございました。  また、今、科学技術庁の方から御答弁ございましたように、原子炉等規制法自身にも、保安規定に基づきまして、これも発電所ごとでございますけれども、原子力発電保安運営委員会を設置するということになっておりまして、ここでも放射線管理とかあるいは放射線防護に関する教育訓練などの安全上重要な事項について審議をするということが定められております。  事実、これも電力会社に確認しました例では、年に三、四回こういった会合を開催して、さらに安全運転管理の問題などについても審議をしているというふうに承知しております。
  114. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 ジェー・シー・オーに対する業の管理というのか、管理監督というのはどこが持っているんですか。
  115. 間宮馨

    政府参考人間宮馨君) ジェー・シー・オーの規制の担当官庁は科学技術庁でございます。
  116. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 だから、ジェー・シー・オー、この問題についても何か関心のないような科学技術庁では困りますから、何度も前から話をこれはしているところなんですから、十分気をつけていただきたいし、指導をしっかりしてください。  採算の問題なんですけれども、ジェー・シー・オーをずっと見てきまして、三菱燃料を見てきまして、一体十八億ぐらいの売り上げでジェー・シー・オーがやっていけているのか、いけていないのか。燃料を電力会社から預かって加工して、そしてまた半製品みたいな形で出す。ジェー・シー・オーのそういう原価構成みたいなものは一体どうなっているのか、わかれば教えていただきたいと思います。
  117. 興直孝

    政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。  ジェー・シー・オーは、当該関係の再転換加工という部分につきまして、その部分を担当する会社ではございますけれども、ただいま先生の方から御指摘ございましたウラン原材料に対します最終製品の加工費の単価についての中身、内訳の問題については、商業機密上の問題がございまして、私どもその中身を詳細までは承知していないところでございます。
  118. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 大体しかし、秘密だから知らないというのか、それとも調べるつもりがないのか、どっちですか。
  119. 興直孝

    政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。  これは極めて、形の上で加工料がどのぐらいになったのか、売上高がどうなのかというふうなところから出てきております数字をもとに例えば加工費の単価というものを算定いたしますと、平成十年度におきまして、先ほど先生からございましたとおり、売上高が約十七億円でございますそのときでございますけれども、加工費単価ベースで申し上げますと大体約五百万円、一トンウラン当たりの単価でございます。  なお、その際、平成六年度にさかのぼってその数値を考えてみましても、大方加工費の単価は同じぐらいであるやに私ども数値上は押さえてございます。  このうち、先ほど先生の方からの主要経費別の割合というふうなものを概観してみますと、原材料が大体二割ではないか、あと人件費がそのうち四割以上を占めるのではないか、このように考えてございます。
  120. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 三菱原燃でちょっと聞いたんです、時間がなかったから余り聞けなかったんですが。三菱燃料は燃料棒まで、最終製品までつくっておるんだね。大体、原価に占める人件費が一番大きいのかとこう聞いたら、そうじゃなくて、金属の製品の要するに燃料棒、これが一番大きいんだという話を聞きまして、人件費というのはもっと小さい話を聞きました。  だから、三菱の場合とあれは違うんですけれども、少なくとも十七億に対して占める人件費の割合あたりぐらいは、それは会社の秘密事項じゃないんじゃないかな。そのくらいのことはわかってもいいんじゃないですか。
  121. 興直孝

    政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。  先ほど私、御説明申し上げたつもりでございますが、これまで出ている数字で概観してみますと、人件費が大体四割を上回るぐらいの数字ではないかと申し上げたものでございます。  なお、先ほど先生の方からお話しございました三菱原子燃料につきましては、ジェー・シー・オーが当該加工事業と申し上げましても再転換部分のみを扱っている会社である一方、三菱原子燃料におきましてはPWR用の燃料の再転換いたしましたものを同時に成形加工する、そういう一連の燃料加工事業者でございますので、先生御指摘のとおり、人件費の占める割合は圧倒的に低くなる、このように私どもも承知してございます。
  122. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 もう少し議論するのに必要なそこらをまた後日出していただきたいと思います、委員長。  私が言いたいのは、恐らく燃料を電力会社から預かって加工してそしてまた売るという形の中で非常に経営が厳しかったんじゃないか、ジェー・シー・オーは。そういう状況の中で、あの三人のメンバーというのは、スペシャルクルーか何かで、日ごろは排水の事業をやっている、廃液か排水か廃棄物の。これを何年越しかにやっているんです。そして今回。そういうやっぱり非常に厳しい状況の中で何か追い込まれて事業をやる。そうすると、安全や衛生の問題とかあるいは放射能の臨界の問題なんということよりも、そっちの方に会社としては、社内としては気をとられておったんじゃないか。こういうことを考えてみますと、これはもっともっと奥にあるものを我々としても察知して、もっと深いやっぱり読みが要ってくるんじゃないか、人間がやることですから。そういうことも考えているんです。  ですから、広範な、今後の問題も考えたら、相当周辺からいろんな問題をやっぱり推測しながら打つ手を打っていかないと、これはなかなかうまくいかない。またやる、そういうことがどこか今度は違うところで出てくる、そのように思うんです。  ですから最後に、長官、本気で状況調査科学技術庁としてさせてください。今のような答弁になっていないような話を次々されても困りますから。長官にその決意をお伺いして、終わりたいと思います。
  123. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 事故原因調査原因究明が最も大切で、今後の再発防止のための第一歩であるわけでありますが、今委員指摘のとおり、原因究明に当たりましては、会社の経営状況あるいは労働環境、教育状況等々、やはり総合的に調べるということが大切だと私も思っておりまして、できるだけの範囲でそのような状況も調べながら、今後の対応を考えていきたいと思っております。
  124. 成瀬守重

    委員長成瀬守重君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十一分散会