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1999-12-10 第146回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十二月十日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         立木  洋君     理 事                 鴻池 祥肇君                 末広まきこ君                 笹野 貞子君                 福本 潤一君     委 員                 海老原義彦君                 鎌田 要人君                 中川 義雄君                 橋本 聖子君                 森田 次夫君                 山内 俊夫君                 郡司  彰君                 輿石  東君                 松崎 俊久君                 風間  昶君                 小泉 親司君                 照屋 寛徳君                 田村 秀昭君    国務大臣        外務大臣     河野 洋平君        国務大臣        (沖縄開発庁長        官)       青木 幹雄君    政務次官        外務政務次官   東  祥三君        外務政務次官   山本 一太君        総務政務次官   持永 和見君        沖縄開発政務次        官        白保 台一君    事務局側        第一特別調査室        長        鴫谷  潤君    政府参考人        防衛施設庁長官  大森 敬治君        外務省北米局長  藤崎 一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する  調査  (エリツィン大統領訪日問題と領土返還交渉に  関する件)  (沖縄サミット開催準備状況に関する件)  (沖縄文化伝統工芸振興開発に関する件  )  (普天間飛行場移設問題に関する件)  (嘉手納ラプコン進入管制業務返還に関す  る件)  (嘉手納飛行クラブ所属セスナ機事故に関す  る件)     ─────────────
  2. 立木洋

    委員長立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会防衛施設庁長官大森敬治君及び外務省北米局長藤崎一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 立木洋

    委員長立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 立木洋

    委員長立木洋君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査議題といたします。  この際、河野外務大臣東外務政務次官及び山本外務政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。河野外務大臣
  5. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) このたび外務大臣就任をいたしました。立木委員長を初め、委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。  まず、沖縄に関する事項について申し述べます。  私は、新内閣の発足に伴い、去る十月、青木官房長官沖縄開発庁長官及び野中前官房長官沖縄開発庁長官とともに沖縄県に出張いたしました。稲嶺知事を初めとする県内の方々との懇談では、米軍施設区域に関する問題や、来年の九州沖縄サミットに対する地元方々のお考えを直接伺うことができました。  我が国に存在する米軍施設区域の多くが沖縄県に集中していることにより、沖縄県の方々が長年にわたり我が国の平和と安全のために多大な御負担を背負ってこられたことの重みを痛切に感じております。このような皆様の御負担を軽減するためにも、SACO最終報告の着実な実現を図ることが最も重要であると認識しております。  これまで、安波訓練場返還、県道一〇四号線越え実弾射撃訓練本土移転嘉手納普天間飛行場における騒音軽減措置、日米地位協定の運用改善策といった措置を既に実施に移しておるところであります。  アメリカとの間では、これまで累次の機会に、SACO最終報告の着実な実施に向け、日米両国が緊密に協議し協力していくことにつき意見の一致を見ているところであります。また、加えまして、在日米軍地元住民とのよき隣人関係を推進することの必要性についても、機会あるごとに働きかけ、先方もこの重要性について理解を深めてきております。  普天間飛行場移設返還問題につきましては、先日、稲嶺沖縄県知事より、移設先候補地の表明をいただいたところであり、現在の動きを前向きのものと受けとめております。今後とも、普天間飛行場移設返還を初め、SACO最終報告の着実な実施に、私自身、全力で取り組んでまいります。  来年の九州沖縄サミットにつきましては、我が国にとって最重要の外交課題として、その成功のため、外務省としても最大限の努力を払ってまいります。サミットには、G8の首脳沖縄に集まります。我が国として初めて地方において開催されるサミットであり、沖縄県民方々一緒サミット成功に向けて努力をし、将来の沖縄発展にも資するものとしていきたいと考えます。  次に、北方領土問題について申し述べます。  第二次大戦が終了して半世紀以上が経過した今日に至っても、北方領土問題がなお未解決であることは、まことに遺憾なことであります。  我が国は、これまであらゆる機会を通じ、北方領土問題を解決することが日ロ両国間に真の友好関係を築く上で必要であることを繰り返し強調してまいりました。北方四島の帰属の問題を解決し、平和条約締結して日ロ関係の完全な正常化を達成することは、我が国の対ロシア外交の最重要課題であります。  平和条約について、日ロ間では、東京宣言クラスノヤルスク合意を初めとする一連の合意及び宣言が積み上げられ、四島の帰属の問題を解決して平和条約締結するという一致した交渉指針が確立しており、現在、平和条約締結問題日ロ合同委員会及びその下の国境画定委員会において、平和条約交渉が精力的に進められているところであります。  また、両国間においては、本年だけでも、六月のケルンサミットの際の日ロ首脳会談や九月のAPEC首脳会合の際の小渕総理プチン首相会談を初め、五回の日ロ外相会談など、ハイレベルの間断なき対話が進められております。  政府としては、このような首脳レベルを含めた政治対話の一層の緊密化を通じ、さまざまな分野において両国関係を着実に強化しながら、四島の帰属の問題を解決して平和条約締結するべく、引き続き全力を傾けていく考えであります。  最後に、立木委員長を初めとする本委員会委員皆様方の御指導と御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手
  6. 立木洋

    委員長立木洋君) 次に、東外務政務次官
  7. 東祥三

    政務次官東祥三君) このたび外務総括政務次官就任いたしました東祥三でございます。  立木委員長を初め、委員各位皆様方に謹んでごあいさつ申し上げます。  ただいま河野外務大臣から、沖縄にかかわる諸問題、そしてまた北方領土問題への取り組みに関しましてお話がありましたが、私もそのとおりだろうと思っております。  私といたしましては、河野外務大臣指導のもと、外務総括政務次官としての職務を全うしていくため、これらの問題の解決のために全力で取り組んでいきたいと改めて決意をさせていただいているところでございます。  立木委員長を初め、本委員会皆様方の御指導、御鞭撻そして御協力をお願いいたしまして、私のごあいさつにかえさせていただきます。  どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  8. 立木洋

  9. 山本一太

    政務次官山本一太君) このたび外務政務次官就任をいたしました山本でございます。  立木委員長を初め、委員各位皆様方に謹んでごあいさつを申し上げます。  東総括もおっしゃったように、私の沖縄北方領土問題に関する姿勢は、大臣そして総括政務次官と全く軌を一にするものでございます。  沖縄に関する事項につきましては、SACO最終報告の着実な実施、そして九州沖縄サミット成功に向けて誠心誠意努力をしてまいりたいというふうに考えております。  また、北方領土問題につきましては、今世紀中に起こったことは今世紀中に解決をするという姿勢取り組み東京宣言に基づく平和条約締結全力で取り組んでまいる所存でございます。  私といたしましても、外務政務次官としての職務を全うすべく、力の限り取り組んでまいる所存でございます。  立木委員長を初め、委員皆様方の御指導、御鞭撻と御協力をいただきますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手
  10. 立木洋

    委員長立木洋君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  11. 末広まきこ

    末広まきこ君 自民党の末広まきこです。参議院に籍を置きまして以来、沖縄北方特別委員会質疑をさせていただきますのは今回が初めてでございます。委員長を初め、先輩、同僚の委員皆様には、どうぞよろしくお願いいたします。  また、今国会は重要案件をたくさん抱えておりますが、政務御多忙の中を河野外務大臣青木沖縄開発庁長官そして各政務次官皆様に御出席をいただき本日委員会を開会できましたことは、与党理事の一人として大変うれしく、心から感謝申し上げたいと思います。  私は、沖北のメンバーとなって以来、我が国の北と南の切実な問題についていろいろと勉強してみました。その中で、北方領土問題は二十世紀中にぜひとも解決のめどをつけなければならない問題であり、また、基地を抱えながら苦渋の渦中にある沖縄には歴史と高い水準の文化があり、地理的にも我が国のサザンゲートとしてアジア太平洋地域に開かれた可能性の高い地域であることがよくわかりました。  そこで、この領土問題を解決し、また沖縄の二十一世紀に向けた可能性を施策の面でさらに発展させるには、沖縄北方特別委員会での議論が大変大切であることが痛感されます。  それではまず、北方領土問題についてお尋ねいたします。  おととし、九七年の十一月にクラスノヤルスク橋本エリツィン会談が行われまして、二〇〇〇年までに領土問題を解決して平和条約を結ぶよう全力を尽くすということで合意されております。そして翌年四月には川奈で橋本エリツィン会談が持たれ、そして十一月にはモスクワで小渕エリツィン会談が行われております。  ところが本年十一月にエリツィン大統領年内訪日はないと言明したと伝わってきております。エリツィン大統領の健康問題ですとか、十二月の下院選挙、来年六月の大統領選挙と非常に政治日程が立て込んでおります。率直に申しまして、二〇〇〇年までにといいますから一九九九年十二月三十一日までと思うんですが、となりますと、クラスノヤルスク会談合意はどうなったのか、現状について教えていただきたいと思います。  また、小渕総理エリツィン大統領が、ここ一年間このことでトップ会談を持っていないというのも気がかりでございます。政府としては、ポスト・エリツィンも視野に入れて北方領土問題と日ロ平和条約の道筋を再検討するべき時期に来ているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  12. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 日ロ両国の間で、四島の帰属の問題を解決して平和条約締結しようという基本的な認識は一致いたしておりまして、東京宣言もそうですし、今議員がおっしゃいましたクラスノヤルスクにおきます両国首脳の話もそういうことでございました。私は、この問題の最終的な決着はすぐれて両国トップの話し合いでなければなかなか事務的にできるという話ではないと考えておりますので、何としても首脳会談が持たれるということがまず何よりも必要であるというふうに考えております。  その首脳会談がいつ行われるかということでございますが、今、議員お話がございましたように、ことし首脳会談をしっかりと行ってこの話ができるということが何より重要と思っておりましたが、もちろん小渕エリツィン会談はことしもサミットの折に両首脳がお会いになって話をされたことは事実でございます。今年のケルンにおきますサミットでございますから六月二十日前後と思いますが、このケルンサミットの際に小渕エリツィン首脳は会って話をしておられるわけでございます。  その折に、小渕総理から、秋にはぜひ日本に来てほしい、そして二十一世紀にはあなたと私で新しい時代をつくろうじゃないか、クラスノヤルスク合意を実現して国境線を画定して平和条約を結ぶという歴史的な仕事を二人でやろう、こういうことを呼びかけられて、エリツィン大統領は、私も全く賛成だと。そばにいた人間メモを見ると、これに賛成だと三回にわたって繰り返し言われたとメモには残っているわけでございますが、それが六月のことでございます。  その後、今お話しのように、ロシア国内におきますさまざまな事情、それからこれはわかりませんが、我々が外から見ている限りエリツィン大統領の健康上の問題もあるいはあるかもしれませんが、多くはロシア国内事情だと聞いております。そうしたことがありまして、きょうに至るもまだ訪日はないわけでございますし、今月六日に行われました平和条約締結問題日ロ合同委員会次官級分科会で、ロシア側から年内訪日はない、来年春の訪日考えている旨のお話がございました。  今、議員は二〇〇〇年までと言うんだからこの十二月三十一日までだろうというふうにおっしゃいましたが、二〇〇〇年じゅうであってもそれは一つの幅として考えていいのだろうと思います。二〇〇〇年、来年の春にも大統領の御訪日が待たれるというのが今の気持ちでございますし、ロシア側も春の大統領訪日は極めて重要で十分な準備が必要だということを言っておりまして、我々もそのときまで十分な準備をしてお待ちしたい、こう思っているところでございます。  なお、この年末にチャンスがあればロシアイワノフ外務大臣と私との間で会談を持って、この話をさらに確認するといいますか詰めたいというふうにも思っているところでございます。
  13. 末広まきこ

    末広まきこ君 とても細かい説明ありがとうございました。いい結果が出ることを期待しております。  二〇〇〇年のサミット開催地をめぐる誘致合戦の中で首脳会議沖縄と決定されましたことは、それまで沖縄が余り話題になっておりませんでしただけにダークホースの快挙に国民一同よかったと、率直な喜びを禁じ得なかったものでございます。沖縄に頑張ってもらいたいとする国民的感情だと思います。  九州沖縄サミットでの中心議題を、政府は、平和、安全とヒューマンセキュリティーを訳した人間安全保障、この二本柱としていらっしゃいます。サミット開催前には有識者やNGO関係者らによるセミナーやシンポジウムを開催する計画もあり、実りのある議論が行われるものと期待されております。本土文化とは異なるアジア太平洋的な独自の文化を持つ沖縄でのサミット開催は、今後の日米関係のあり方や二十一世紀を見据えたアジアの一員としての日本の役割について考えていく上でよい機会であると思います。  私もサミット成功を願ってやまないのですが、シアトルのWTO閣僚会議の開幕がNGO抗議行動で大幅におくれ、会議が混乱したというのは記憶に新しいところでございます。サミット成功のためには、不測の事態を防ぐため、観光客観光関連業界との調整、そして会場における警備面での対応についても万全を期して臨まなければならないのではないでしょうか。過剰警備というのは余り気持ちのいいものではないんですが、日本サミット東京以外の地方で開催されるというのは初めてのことでございまして、それだけに乗り越えなければならない課題もあるかと思います。  特に沖縄でのサミット開催に向けての準備、お取り組みについての大臣の御所見を少し短めにお願いします。
  14. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 御指摘のように、東京以外で開かれます日本が議長となりますサミットは初めてのことでございます。そうしたことも考えますと、準備は相当周到に計画をされてやられなければならないというふうに思っております。  御指摘のように、県民生活に大きな影響を与えることのないように、あるいは観光事業沖縄の主要な収入源でございますから、こうしたことにも余り大きなマイナスがないようにということも考えなければなりません。また、時期的に万が一気候条件が非常に悪いというような場合にはどうするか、さまざまな角度から準備のための計画を練らなきゃならぬと思っておりますが、私どもとしてできる限り注意深く周到な準備をいたしたい、こう考えております。
  15. 末広まきこ

    末広まきこ君 ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  沖縄振興策については、これまで自由貿易地域観光戻し税制度のような産業観光などの分野でいろいろな振興策が講じられてきております。二〇〇〇年度の沖縄開発予算として総額三千六百十億円の概算要求がなされ、また九九年度の二次補正では二十一世紀型の社会インフラ整備のため総額五百三十三億円を決定したところでございます。  沖縄産業を興し、観光を誘発するということが沖縄経済にとって大事なことであると思います。そんな中で、とかく見落とされがちになる沖縄文化伝統というものに着目して、私案で恐縮ですが、私は沖縄町づくりを提案してみたいと思います。  沖縄には古くから紅型や芭蕉布などの染めや織物があり、壺屋焼読谷焼陶芸、それから琉球漆器などの伝統工芸、また戦後は琉球ガラスのような新しい工芸も丹念な手づくりとして受け継がれてきております。これら伝統工芸に見られる職人わざの伝承、継承というのは、どこの地域でも難しいんですが、作品が商品として世に出ていくことはあっても、職人さんのわざすばらしさ人柄すばらしさ人間の魅力といったものを間近に拝見する機会はまれでございます。  かんなという大工道具、これ一つをとってみましても、材木からたちまちやわらかな薄いベールの生き物が均一に生まれ出てくるさまは、ヨーロッパの国王が驚嘆なさって宝物にしたいとおっしゃったというエピソードがありますけれども、これはもう万国の子供たち感動を与えます。また、陶芸のろくろを回して裏側の高台を削るさまなんというのはもう神わざ的なものでございまして、称賛を惜しまないものでございます。  ところが、戦後の大量生産学歴偏重主義能率主義といったものは、職人さんを社会の片隅に追いやり、社会的評価を確立する制度もいまだ生まれておりません。したがって、わざに魅せられたり学んだりする機会もごくごく限られています。  そこで私は、沖縄振興策としましてまずこの伝統文化継承を掲げ、職人さんが腕を振るう姿を身近に一軒一軒見て回ることのできる工房町づくり市街地活性化一つとして提案したいと思います。  ちょっとイメージを説明させていただきますと、沖縄独特の建築家屋がずらっと両側に並びまして、工房、今で言うアトリエですね、これが左右ずっと道沿いに並んでいて、風や光が通り抜ける道を小学生や中学生の団体が社会見学することもできる広さ、中身は違いますけれども、外から見ると町全体が物づくりのテーマパークとなるぐらいのゆとりが必要かと思います。ただし、品物を並べて売る従来の土産物屋ではなく、職人さんのたたずまい、道具の配列、人柄わざ、それからほどよく張り詰めた空気という、物づくりの現場に触れて感動を味わって、職人にあこがれる、私もああなりたい、僕もああなりたいとあこがれる、夢を育てる場所であることが望ましいと思います。  私は、こういった地域に根差した伝統文化継承を目指す町づくり全国あちらこちらにあってよいと思いますが、まずその第一号を沖縄中心市街地活性化策として実現することができれば、必ず全国に普及し、職人さんの社会的地位の向上、技術の交流、また技術の革新につながっていくものと思いますが、大臣はどのようにお考えでございましょうか。開発庁長官の御感想と、それから沖縄独特の文化伝統を今後どのように発展継承させていくお考えかをどうぞお聞かせください。
  16. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 今先生いろいろ詳しくお話をなさいましたように、沖縄には陶器とか織物など非常に伝統的な工芸品が数多くございます。これまでも国といたしましては、後継者育成事業需要開拓事業など各種の支援策を今日までもとってきたところでございます。  国といたしましては、沖縄の特色を生かしつつ自律的発展を促すために、今後ともこれらの支援策を積極的に展開していこう、そういう考えでおります。今行っておりますのは、国立組踊劇場整備を、これは沖縄芸能文化なんですが、発展のために一生懸命やっております。  それから、今先生からお話がございました工房の町につきましては、対応する支援策というものは既存にはございませんけれども、非常におもしろいといいますか、沖縄文化を紹介するための一つのいいアイデアだと、そういうふうに考えておりますので、今後沖縄振興考えていく上で十分に勉強させていただき、参考にさせていただきたい、そのように考えております。
  17. 末広まきこ

    末広まきこ君 ありがとうございます。  一年生の私なんかの夢見ているような案で大変恐縮でございますけれども、ぜひお願いしたいと思います。  というあたりで、時間かなという感じでございますので、質問を終わらせていただきます。
  18. 松崎俊久

    松崎俊久君 民主党・新緑風会の松崎でございます。  私は、七年間、琉球大学の医学部の教授として沖縄に赴任しておりましたので、今も活動のかなりのウエートを沖縄に置いております関係上、沖縄にはしょっちゅう足を踏み入れているわけでありますが、今沖縄の最大の問題点普天間基地の移転問題であります。これはもう一日として沖縄の新聞のトップ記事に出ない日はなく、また沖縄県民はこの問題から離れた議論をしていないというような状況でありまして、すべての沖縄県民の関心はここに集中しております。  稲嶺知事選挙公約、私は昨年の県知事選挙にそのときの大田知事の運動の車に最後の日まで白保政務次官一緒に乗って応援しておりましたが、その中で稲嶺知事は我々にしてみればできっこないなと思うような公約を盛んにされておりました。それは一つ普天間基地を北部に移転すること、そしてその飛行場軍民共用とすること、それから使用期限十五年という問題を盛んに打ち出しておられました。歴代知事の中でみずから進んで基地を提供することを主張されたのは稲嶺県知事が初めてでありまして、これは沖縄県民の怒りを大変買ったところであります。その稲嶺県知事使用期限十五年。  ところが、昨日も予算委員会で論議されておりましたように、一年以上前から私は入手しておりましたが、県庁も恐らくその時期に入手したと思います。アメリカの国防省のいわゆる会計検査院に出した文書らしいのでありますが、「日本国沖縄における普天間海兵隊航空基地移設のための国防総省の運用条件及び運用構想」と訳されております。ここに本文がございますが、ここの中に明らかに稲嶺県知事の約束した、公約した内容はとても実行不可能と思われるような文章が書かれております。それは、いわゆる使用期限四十年、そして耐久期限二百年、そして四機のMV22をというふうに明確に、詳細に、かなりのページを割いて基地の避雷針や進入道路に至るまでのすべての細かいプランがあります。これはその時点で、一九九七年九月二十九日付の文書でありますから、外務省は当然その直後に入手されているはずであります。  稲嶺県知事公約し要求している十五年、それに対してこちらではそれはなかなか実現困難であるというようなニュアンス、しかし重く受けとめるというような談話を官房長官などが出されておりますが、この矛盾、いわゆる向こうが四十年を目指しこちらが十五年を要求しているこの問題に対して、外務大臣の見解をお答えいただきたいと思います。
  19. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 稲嶺知事が県内移設という、苦渋の決断と御本人もおっしゃっておられるようでございますが、大変苦悩の上出された県内移設という御決断に、まず心から敬意を表したいと思います。  この稲嶺知事の県内移設を決断された背景にはいろいろな背景があると思いますけれども、いずれにせよ、こういう決断をなさって沖縄県北部を一つの候補としてお考えになり、それらを先般東京政府に対しましてお考えを御披瀝になったわけでございます。  私どもとしても、普天間移転というこれは橋本総理以来の日米間の合意を踏まえての作業の中で大きな動きというふうに承知をいたしておりますが、私ども政府部内におきましてさらに知事のお考え地元のお考え等を受けとめて、政府部内で考えを整理しまとめるまでにまだまだ若干の時間が必要であろうというふうに考えておりまして、今議員からお話しになりましたいわゆる使用期限と申しますか、そうした考え方についてまだコメントをさせていただく状況に至っておらないことをぜひ御理解いただきたいと思います。
  20. 松崎俊久

    松崎俊久君 そうしますと、政府は、稲嶺知事の十五年という要求をあくまでもアメリカへ伝えながらそれを政府の要求となさるおつもりでしょうか。
  21. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 知事からのお話がございました当時、官房長官からもこの問題については種々の情勢、状況考えなければならぬという意味の御発言をしておられまして、今まさにそういう状況でございます。
  22. 松崎俊久

    松崎俊久君 稲嶺知事も大変困っているんだろうとは思いますが、とにかく沖縄県民は非常に素朴であり人懐こい性格を持っている県民でありますから、よもや公約が破られるとは思わず、十五年というものをひたすら希望しているんだろうと思うんです。  きのうの照屋委員外務大臣との論議をテレビで拝見しましたところ、あくまでも国防総省の内部文書であって、政府は関知しないとまではおっしゃっていませんけれども、内部文書だからそれについてコメントする立場にはないというふうな意味の発言をなさっておりますが、しかし、沖縄県民にとっては最大の重要な問題であるということは十分おわかりいただいていると思うんです。  県知事にだけ責任を負わせ、県知事にだけ説明させるのではなく、政府みずからがやはり我が政府はこのような方針で基地問題に臨むということを県民に明言されるべきではないでしょうか。
  23. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 私どもといたしましては、地元の御判断というものは、これはもう重く受けとめる、そして地元のお考えというものに誠心誠意対応をしたい、していかなければならない、こう考えております。  しかしその一方で、先ほど来申し上げておりますように、種々の要素を総合的に勘案しながら問題を整理して、政府部内の意見というものにしていかなければならないのにはまだ少し時間をかしていただきたいということを申し上げているわけでございまして、ぜひひとつこの点については地元皆様方の御理解をいただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
  24. 松崎俊久

    松崎俊久君 期限の問題と並んでもう一つ稲嶺知事公約の中に、移転された飛行場軍民共用とするという説明があります。  軍民共用ということは、当然民間機がそこへ発着するということでございますが、沖縄の経済界の中からは、これを単にエアコミューターが着陸するような小型飛行場ではなく、大型の那覇飛行場に並ぶ飛行場をというような要望が出ているようであります。これをもう少し具体的に言えば、滑走路二千五百メートルないし三千メートルというようなものになるだろうというふうに考えられます。  この報道を聞いてアメリカ側が、非常にこれは予想外のことであるというようなことが新聞に出ておりましたが、この問題は逆に非常に機能が強化されて望ましいことだというようなコメントも小さく出ておりました。こういうようなことになりますと、基地縮小というような問題とは正反対の基地機能の強化拡大、普天間以上の機能強化ということになりかねません。ましてやMV22の発着ということもあわせ考えますと、強大な基地が新しく沖縄本島東海岸につくられるということになりかねません。  この問題に対しては、基地縮小ということを常に念頭に置いて沖縄政府も交渉するとされておりますが、これとの矛盾はいかがお考えでしょうか。外務大臣、お答え願います。
  25. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 議員のお尋ねでございますが、私どもは、普天間飛行場移転にかかわる問題について、滑走路の長さとかそうしたことを具体的に知事が御提案になっておられるというふうに伺っておりません。そうした事実があるということを私ども全く承知をいたしておりませんので、それ以上のことは御返事いたしかねます。
  26. 松崎俊久

    松崎俊久君 私は何も知事が言ったと言っておりません。財界あたりからそういう声が出ている。もしもそういうことが実行されたとすれば三千メートル級のものにならざるを得ないだろう。これを待ち構えたようにアメリカがしめしめと言っている。こういうようなありさまが新聞に出ているわけでありますから、そのことを申し上げたのであって、誤解なさっては困ります。  基本的に沖縄県民の要求は、なるべくなら県内ではなく県外移設ということを希望しております。いや、できたら国外へ移設ということを希望しております。この県外移設ということは全く現時点では政府はお考えにならないのでしょうか。例えば、岩国などには誘致の動きがございますし、あるいはグアム島などは両手を挙げて歓迎の意を表しております。こういう問題があるにもかかわらず、あえてキャンプ・シュワブ周辺、本島北部に候補地を求める理由というもの、県外移設は全然考えていないのかどうか、こういうような問題を外務大臣、お答え願います。
  27. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) まず、私どもが承知をいたしております事実は先ほども申し上げましたように、県知事におかれてさまざまな問題について御検討になった結果、県内に移設するというまことに厳しい苦悩の上の御決断をなさったということを伺っているわけで、地元からそうした御判断が出たということを我々は大変重く、しかも敬意を持って伺ったわけでございます。  一方、普天間基地周辺の市民、住民の皆様からは、現在の状況を改善するためにできるだけ早く現在の状況を変えるべきだというお声も大変強いというふうに伺っておりますだけに、そうした声を踏まえての知事初め地元の御判断だというふうにも思っておるわけでございます。その他日米安保条約を初め日本安全保障という立場から考えましても、今回の知事の御判断というものを我々は重く受けとめたいというふうに思っているわけでございます。
  28. 松崎俊久

    松崎俊久君 ただいまの外務大臣のお答えを聞いておりますと、地元の知事からそういう県外北方移転の問題が出た、これを非常に重く受けとめているというような非常に受け身の表現をなさっております。しかし、知事といえど恐らく心中は県外に出ていってほしい、しかし重圧のためにそう言わざるを得なかったのだと。私は最大限の好意的な解釈をしているわけであります。  地元では海兵隊さえ出ていってもらえばという、ここら辺に本当は基地問題の妥結点が私はあるんだろうと。アメリカの空軍は海兵隊と大変仲が悪いわけですから、海兵隊に出ていってもらった方がとアメリカの軍人さえ非公式に言うような状況でありまして、こういうことを常に重く受けとめて海兵隊の移動、普天間基地のなるべく県外への移設、これを今後ともひたすら政府としては追求していただきたいというふうに思います。  次いで外務大臣に伺います。  アメリカに対する思いやり予算、これが二〇〇一年三月までと伺っておりますが、基地がそこでなくなるとは思えませんから、今後日本全体の、いやアメリカ基地はそれ以後も継続するわけでありますから、それ以後の思いやり予算というものをどのようにお考えになっているか、伺わせていただきたいと思います。
  29. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 私どもは日米安保条約に基づきます安保体制の円滑な、そして効果的な運用を確保するということが重要だ、こう考えておりまして、そうしたことを踏まえて米軍の駐留のための費用というものについて、特別協定を結ぶなどして対応をしているわけでございます。  議員の御指摘は特別協定についての御指摘というふうに伺いましたが、特別協定ということであるとすれば、それは二〇〇一年まで現在の特別協定の期限がございます。二〇〇一年までの特別協定の期限内に我々は十分にこの協定の果たした役割、意味等を検討いたしまして、さらにこれを延長するかどうかを考えたいと思います。
  30. 松崎俊久

    松崎俊久君 先日、沖縄の空が大混乱をいたしました。民間機が一日じゅう沖縄の空港を利用できないような状況になりました。後で調べると、これは嘉手納の航空管制の乱れによるものというふうに発表されておりますが、私どもしょっちゅう沖縄に行く者にとっては、飛行場を出ると長い時間帯三百メートルないしは五百メートルの低空で飛行機がずっと北上をする、特に北風が吹く冬期間は、これは基地を避けているためのものだというふうに説明されておりますが、この不便な航空管制、これは四十七年五月の日米合同委で暫定的に日本が体制を整えるまでという話だと伺っておりますが、簡単にこれを日本の手に取り戻すべく努力をなさるのか否かをお答えいただきたいと思います。これは官房長官
  31. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) ちょっと私から御答弁をさせていただきたいと思います。  いわゆる嘉手納RAPCONの返還と言われている問題であろうと思いますが、この進入管制業務移管の問題につきましては、今議員がおっしゃいましたようにもう随分長い時間が経過をいたしておりまして、当時暫定的にと言われておったものが、県民の中から暫定的と言ったにもかかわらず随分長い時間がたつではないかという御指摘があるということを私どもも伺っております。  この問題はこれまで民間航空分科委員会、これは日米合同委員会のもとにあるわけでございますが、この分科委員会でずっとその都度協議をしてきた経過がございます。先般、この親委員会とでも申しましょうか、日米合同委員会におきまして日本側からこの問題を取り上げて、県民の皆さんの声というものを背景に米側に対してお互いに討議をするようにという要請をいたしました。  外務省といたしましては、今後ともアメリカ側及び運輸省を初めとする関係省庁と協議をしつつ、進入管制業務の移管問題に今後取り組んでいこう、こういうふうに考えているところでございます。
  32. 松崎俊久

    松崎俊久君 終わります。
  33. 福本潤一

    ○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。  私は、この五年間、沖縄北方特別委員会にずっと所属させていただいて、北方領土の問題、基地の問題、さまざま質問させていただいたところでございます。北方領土は二回行かせていただきましたし、沖縄には以前からしばしば参っておるところでございますが、北方領土のときには、先ほど質問の中にありましたように、二十世紀中に解決するというお話でございました。  二十世紀といいますと、二〇〇〇年十二月三十一日まででございましょうけれども、今回村山訪朝団、日本国の訪朝団が北朝鮮に参りました。私も最年少の訪朝団のメンバーの一人として、最長老は改革クラブの小沢辰男さんでございましたけれども、参加させていただきました。そのときのキーワードの一つに、一九〇〇年代のことは一九〇〇年代に解決というふうにお話ししていました。一九〇〇年代というと、あともう一カ月ということで、二十一世紀とはまた違う区切りがあるわけでございますが、そのことに大きくあちらの金書記も答えられて、所期の目的を果たしたのではなかろうか。  最近の外交交渉、ちょうどWTOの交渉を外務大臣がやられた直後でございましたから、決裂したのと対照的にこちらは所期の目的を達成されたというふうに理解しておりますが、このときちょうど外務省の方も一緒に同行しておられました。ですので、外務省の担当者プラス全党派という議員団で参ったわけでございますので、外務省として今回の村山訪朝団の意義、またこの成果をどういうふうに考えておられるか、これを正確に位置づけしておいていただければと思います。
  34. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) このたびのいわゆる村山訪朝団と申しましょうか、村山元総理を団長とされ、各党の議員方々が参加をされた大変大型の訪朝団でございますが、今、議員おっしゃいますように所期の目的を果たされた。  と申しますのは、漏れ伺いますと、村山訪朝団はその結団式でございましたか、出発前のお集まりで、自分たちのこの訪朝団が果たすべき仕事は政府間交渉の扉を開く、あるいは環境を整備することが目的だというふうに団長は総括をしておられたというふうに伺っております。その点におきましては、現地におきましてお出しになりましたペーパーを拝見いたしましても、両国政府に対して正常化交渉を早急に開始するよう要請するという合意ができたということを伺いまして、全く所期の目的を果たされたというふうに私どもは評価をしているわけでございます。まことにこの御努力には感謝を申し上げる次第でございます。  朝鮮半島は、我が国にとりましても大変近い地域でございまして、この朝鮮半島の北部にございます北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国と我が国との不正常な関係というものはやはりどこかできちんとしておかなければならない。それは双方にそれぞれ問題を抱えていたとしても、きちんとテーブルに着いて問題点問題点として話し合うことができる、そういう状況をつくっておくことは何より重要だというふうに村山団長はおっしゃっておられますが、私も全く同感でございまして、この訪朝団がつくられましたよき環境を何とか生かしたいというふうに考えているところでございます。  もちろん、そうすべてが簡単に話が進むということではないかもしれません。双方が持っている問題意識というものは大変多いのでございますが、これらを克服する努力あるいは克服をするための状況というものもあるように思います。何とか村山訪朝団の果たされた成果を生かすことができますように、私としても努力をいたしたい、こう考えております。
  35. 福本潤一

    ○福本潤一君 私も事前から、食糧問題等も含めて大変な国であるということで、現実に初めて北朝鮮という国に入って、これは事前の想像とかなり違う状況、さまざまございました。事前にも情報をかなり収集いたしまして、例えば黄海沖海戦で南北が戦争状態になって、北が圧倒的に敗北、惨敗、南が完勝のような形が起こって死者もかなり出た。それまでは、ある意味では大本営発表のような情報統制できていたのが、死者が多数出たので、我が国は軍事力から見ても大変な状態なんだということである程度の広がりに話が広がり出した。ですので、当初は六月でしたが、十二月一、二、三に行ったとき、環境条件はかなり状況としては違っていたというのが軍備的にも現実にございました。  さらには、食糧問題も三年間は大変だったようでございますけれども、三年間は洪水で大変であって、五百万トン必要なところが二百五十万トンまでに落ちた。それが徐々に回復しまして、今はもう五百万トン近く、四百五十万トンぐらいはできているということで、九四年、九五年、九六年の三年間とはかなり状況は違っている。私は日本で生活しているとき以上の答礼宴含めてたくさんのおいしいものを食べさせていただきましたけれども、事実、太って帰ってきたぐらいの状況でございます。  これは北朝鮮全体ではございませんが、食糧問題に大変貢献している人が日本人におられまして、これが沖縄の琉球大学におられる比嘉照夫先生で、我が党から事前に話をしたり、また北朝鮮に行って具体的に各党ごとにお話をする機会がありましたけれども、今後、食糧技術協力をバイオ技術で、比嘉照夫先生がやっておられるように、やはりほかの海洋開発、宇宙開発、また資源開発等もやれるような状態をつくっていただきたいと言いましたところ、比嘉照夫先生には非常にお世話になっている、ぜひともお国に帰ったらよろしくお伝えくださいということがありましたので、外務大臣に申し述べる機会がなかったので報告させていただいた上で、とはいえ、今後の交渉はかなり大変だと思います。  具体的に年内ということになりますと、十二月に予備交渉等々、話が新聞紙上にも出ていますが、外務省として、今後の交渉で具体的に日朝正常化の環境整備ができたとしても、そのめど、それとさらにはどういうふうに具体的に人道問題でくくられた問題に対処していくのか、この点について見解をお伺いしたいと思います。
  36. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 訪朝団の何人かの方からは帰国後御報告をお伺いいたしました。貴重なお話を伺いまして、ありがとうございました。また機会がありましたらいずれお話を伺いたいと思います。  それはそれといたしまして、繰り返しになりますが、大変大事な場面というふうに私どもも考えておりまして、それは我々がこうして正常化のための会議が行える可能性が非常に出てきたということでございます。北朝鮮に対しましては、アメリカ、韓国とともに今三カ国でいろいろと連絡をし相談をしながら対応してきたわけでございます。いわゆるペリー調整官のペリー・プロセスもそうでございますが、三カ国でいろいろと話し合って政策を統合して、アメリカはベルリンにおいて米朝会談という直接的な会談をやっておられますし、韓国は御案内のとおり民間の交流というものがかなり活発になってきているというふうに聞いております。  そういう中で、日本は一体どういうことをするのがいいのかということを我々もいろいろ考えておりまして、今回のこうした場面、こうした状況でテーブルに着いて、しっかりと話し合うことによって、第二次世界大戦後の正常でない関係を正しくするように努力をしなければならぬということがまず第一だと思います。  さらにまた、先ほど来議員からもお話がございますように、双方には双方のいろいろな問題がございます。我が方にも人道問題、つまり北朝鮮によって拉致されたのではないかという疑いのある事案がございます。先方には食糧を支援してほしいという大きな要請もあるだろうと思います。さらには里帰り問題というものもあると思います。こうした問題をやはり一つずつ話し合っていくということが必要だろうと思います。そういうことのためには、例えば、双方で赤十字の皆さんのお力を拝借するということもまた一つのやり方でもあるだろうということも考えまして、我々が考え得るできる限りの方法をとりたいと思っております。  ただ、外務省としてそうしたことを考えておりますが、これらにつきましてはやはり議員の先生方の御理解もいただいておかなければならないところも多いわけです。今回、幸いにして訪朝団には各党の皆さんが、それぞれ資格はいろいろだと思いますけれども、とにかく各党から参加をされた、そして大型の訪朝団をつくられたという経緯がございますから、私は、議員の先生方の御理解は従来よりは得やすいと申しますか、得ることができる状況でもあろうというふうに思っておりまして、慎重にしかし着実に両国関係正常化に向かって努力をしていきたい、こう思っております。
  37. 福本潤一

    ○福本潤一君 大きく今後の政府間の交渉が進展するように、私どもも今回の成果を生かしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。北東アジアに平和が生まれますと、沖縄基地の問題も具体化、現実にできるのではなかろうかというふうにも思います。  今回、二〇〇〇年の七月にいよいよ現実にG8を含めて九州沖縄サミットが行われるわけでございますが、現在、もう半年前になっております。ですので、また予算の方を長くお話しされると時間かかりますので、進捗状況の方、若干の時間でお願いできればと思います。
  38. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 九州沖縄サミットにつきましては、政府といたしましては現在、古川官房副長官を本部長といたしまして、九州沖縄サミット開催準備本部を中心として諸準備を進めているところでございます。施設の面におきましても、プレスセンターについては十一月二十九日に入札が行われましたほか、関連する道路、空港の施設については随分準備が進められているところでありまして、首脳会談の行われる会議場の工事は十一月現在で進捗率が四一%と進んでおります。私も先般、沖縄を訪問して施設の状態を見てまいりましたが、十分間に合うように進んでいるというように考えております。  また、予算的には十二年度の概算要求において総額七百四億円が今回要求されておりますほか、十一年度の予備費として二百五十三億円、十一年度の第二次補正予算として総額二百四十五億円という手当てがなされておりまして、万全の体制で臨んでいるところでございます。
  39. 福本潤一

    ○福本潤一君 万全な体制、約千二百億程度の予算が組まれているということでございます。  具体的に、今回のサミットのキャッチフレーズは「世界の目を沖縄に 沖縄の心を世界に」だというふうにお伺いしています。先ほど、末広議員沖縄文化を情報発信、沖縄の心、平和、基地の問題も大きく取り上げられるかもわかりませんが、と同時に文化を情報発信していただきたい。先ほどの予算の中、プレスセンターがありましたけれども、私の方から提案したいのは、ああいうものも単発的にその期間だけではなくてむしろ常設して、情報ネットワークの予算が沖縄は毎年かなりついています。東洋の情報発信の基地にしたいというぐらいのところでございますので、そこにむしろ、沖縄文化の情報発信のパビリオンに使えるような形にしていただくとありがたい。  という意味では、我々何回も行っておるところの与那国の海底遺跡とか世界古代史が変わるのではないかというような発見等々明るいニュースもいろいろあるようでございますので、沖縄におられる白保政務次官に、その発信するべき中身、沖縄文化、またパビリオンにするという案についてどうお考えか、お願いします。
  40. 白保台一

    政務次官白保台一君) せっかくの御質問でございますのでお答えいたします。  沖縄サミットの標語については、沖縄サミット開催に際しての御期待や熱い思いが込められており、沖縄の心を真摯に受けとめ、大切にしていくべきものであると考えております。  また、沖縄県内市町村から首脳との対話、交流の御要望や御提案を数多く承っておりますが、これは沖縄県民の持つホスピタリティーのあらわれであり、大変感謝しているところであります。サミットの限られた日程の中で、沖縄らしさを生かしつつバランスのとれたサミットにできるよう鋭意検討しているところであります。  政府としても、沖縄という地方で初めて開催するサミットであることから、沖縄を世界に発信することが今後さまざまな形で沖縄発展につながるものと考えており、いずれにせよ、政府としては沖縄県を初めとした各自治体と緊密な連携をとりつつ、歴史的に意義深いサミットにするように努力していく所存でございます。
  41. 小泉親司

    ○小泉親司君 日本共産党の小泉親司でございます。  普天間移設問題について質問をさせていただきたいと思います。  今回の沖縄普天間基地の県内移設問題というのは新たな基地の増強であって、やはり今、基地の撤去、基地の整理縮小を求める沖縄県民の世論からしても世界の世論からしても逆行するものであって、私たちはこういう基地の増強には反対であります。その立場から幾つか質問をさせていただきます。  最近この問題が起きまして、新聞の報道である琉球大学の教授の方が、これまで五十年余にわたって押しつけられてきた米軍基地に抵抗して闘ってきた沖縄の歴史に、初めて県民の同意に基づく新たな基地建設というかつてない一ページがつけ加えられることになるんだというふうにおっしゃっておられます。つまり、この方がおっしゃりたいのは、沖縄は、御承知のとおり戦後直後から沖縄県民が収容所に入れられて、米軍の軍事支配によって銃剣とブルドーザーによって沖縄基地を確保された。続いて、戦後直後もサンフランシスコ条約第三条によって軍事支配の中に置かれた。さらに、七二年の約三十年近くたった返還後も今なお大変過大な負担を押しつけられている。こういうもとでの今回の県内移転は新たな基地の増強につながる一ページを開くんだという点で大変重大だということを言っておられるんだというふうに思います。  さきの予算委員会でも、青木官房長官沖縄開発庁長官沖縄県知事が苦渋の決断をしたとおっしゃっておる。しかし、私は苦汁をなめさせられるのは沖縄県民であって、これはやはり真摯な事実ではないかというふうに思います。もし官房長官が苦渋の選択を、決断をされたんだというふうにおっしゃるのであれば、私はまず県民に対してこの問題がどういう性格の問題なのか、政府としてこの普天間移設の問題のさまざまな情報をやはりきちんと県民に開示すべきであるというふうに思うんです。  例えば、今回の普天間移設は、SACO合意の報告でもこれから五年から七年にわたって提供するというわけですから、つまり二十一世紀の初めの段階、前半の段階に建つというわけで、一体この基地がどういうふうな基地になるのか、果たして基地機能の強化はないのか、それからどういう性格の航空機がこれによって配備されるのか、自然環境はどうなのか、こういう問題についてやはり政府がきちんと県民に対して情報を提示するべきだ、少なくとも最低限それはあるべきだというふうに思いますが、まず官房長官の御見解をお伺いいたします。
  42. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) ただいま委員おっしゃいましたようなどういう方法でどういう形のものをというような具体的な問題につきましては、知事は名護市にお願いをしておられますが、まだ正式に名護市自体が受けられたわけではありませんので、幸いにしてもし名護市が受けられるようなことになれば、県なり市なりと十分に相談をいたした上で県民の皆さんにも親切に細部にわたって御説明をするのが政府の立場ではないか、そういうふうに私は考えておりまして、今後その交渉を見守っているところでございます。
  43. 小泉親司

    ○小泉親司君 まず、平成八年、九六年十二月二日にSACO合意というのがあるわけです。今官房長官がおっしゃっているということは、SACO合意というのはなくなったんですか。
  44. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) SACO合意の趣旨に従って知事さんが今回非常に苦しい中、苦渋の選択をなさった、そういうふうに私は解釈をいたしております。
  45. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、SACO合意には「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、」、それから「海上施設の建設を追求し、」というのがありますが、海上施設の建設を追求しというのは今回の知事見解にはありません。それから、「普天間飛行場のヘリコプター運用機能の殆どを吸収する。」ということになっている。さらに、ヘリコプターと同時に、「短距離で離発着できる航空機の運用をも支援する能力を有する。」、こういうものは依然として維持されるお考えなんですね。
  46. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) ただいま申し上げましたように、私どもは規模、工法、そういうふうなものについてはまだ何ら決定をいたしておりません。今申し上げましたように、知事の要望に沿って名護市がもしこれをお受けになるということになりましたら、その段階において市なり県なりと国が十分に相談をした上でこういう諸問題については検討していきたい、そういうふうに終始申し上げているところでございます。
  47. 小泉親司

    ○小泉親司君 私、それは大変おかしいと思うんですよ。なぜおかしいかというと、SACO報告というのは現存していて、先ほども外務大臣は何とおっしゃっているかというと、これを誠実に実行するんだとおっしゃっている。  このSACO合意の中にはどういうことが書いてあるかといいますと、先ほども言いましたように、滑走路の長さまで書いてある。「海上施設の建設を追求し、」とも書いてある。こういうものに対して政府が何ら責任を持たないでそれは県民の責任だということは、それでは沖縄県がこのSACO合意に反するもの、つまりこういうものを出した場合にそういうものに従うということなんですか。それは必然的に私は国の責任というのがあるんじゃないかと思うんですよ。  だから、沖縄県は確かに工法の問題は出しておりません。それはよくわかっております。しかし、SACO合意が存在している以上、これをどういうふうに考えられるのか、政府が明確に示さないと私はちょっとこの問題は苦渋の決断なんという問題じゃないと思います。
  48. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 当然SACO合意を前提として、私どもはそれを守りながら市なり県なり国なりが十分相談をした上で決定していかなきゃいかぬ諸問題であると、そういうふうに考えております。SACO合意を中心に守っていかなきゃいかぬことは十分承知をいたしております。
  49. 小泉親司

    ○小泉親司君 ということは、ちょっとそこで幾つか私はお聞きしたいんですが、「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、」というのは、これはSACO合意に書いてあることです。それは守られるとおっしゃるのであれば、それじゃ「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、」というのは現行の普天間のいわゆる同質同量の移転であって、いわゆる機能強化には絶対つながらない、このことはお約束できますね。
  50. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 再三申し上げておりますように、私どもはSACO合意を前提としてこれからいろいろなことを市、県、国、十分に話し合ってやっていこうとしていることでございまして、SACO合意を守ることには何ら変わりはございません。
  51. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、これは日米で合意されていることなんですから、その解釈をお聞きしているんですよ。重要な機能を維持しつつとおっしゃっているのは、絶対に機能強化にはつながらない、こういうお約束ができるのかと、そういうふうに日米間が合意しているのかどうかということをお聞きしているんです。これは日米で合意されている文書なんですよ。外務大臣もお認めになっておりますが、そういうものなんですよ。これはどういうことなんですか。  つまり、私が言っているのは、例えば実弾射撃演習のときにも、同質同量で県外に移転するんだといって仙台の皆さんも受け入れた。しかし、実際には同質同量じゃなくて、沖縄で夜間訓練やってなかったことを今度は仙台や九州、そういうところではやる、これは同質同量とは言えないじゃないかという議論が今なおあるわけです。  だから、私がお聞きしているのは、この合意のもとでは、同質同量、つまり、あなた方が言っているのは、新たな基地機能の強化にはつながらないというふうに日米間は合意されているんですねと私はお聞きしているんでございます。
  52. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) SACO合意は、もう議員十分御承知のとおり、普天間の問題だけが書かれているわけではございません。今もお話がありましたように、実弾射撃の問題もあればその他の問題も書いてあるわけでございまして、我々としてはSACO合意に書かれておりますもの全体をできる限り誠実に実行しようという努力をしておりまして、既に幾つかの問題は実行されている。今、議員もおっしゃいました実弾射撃の問題を初めとして、幾つかの問題は実行しているわけでございます。  普天間の問題は、これはまたいろいろと経緯のあることでございまして、このさまざまな経緯を踏まえて今回の知事の御判断になったわけでございますから、先ほどから申し上げておりますように、知事には知事のいろいろお考えがあって、つまり普天間周辺の住民の意思というものも知事の御判断の中にはあったでございましょうし、いろいろな判断を知事なりに重く受けとめて今回の御判断をなさったに違いないというふうに思っているわけでございます。  したがいまして、私どもは、先ほど来官房長官から御答弁を申し上げておりますように、SACO最終報告を踏まえて誠実に作業を進めたいということを申し上げているところでございます。
  53. 小泉親司

    ○小泉親司君 私たちは、SACO合意に反対しております。  私がお聞きしているのは、あなた方がどういう合意をしたのかということをお聞きしているんですよ。あなた方は合意しているんだから、SACO合意について、その解釈を私はお聞きしているので、私は解釈する立場にないからあなた方にお聞きしているんです。  つまり、「普天間飛行場の重要な軍事的機能及び能力を維持しつつ、」というのはいわゆる機能強化にはならないと、そういう解釈なんですね。外務大臣、そこをはっきりしてくださいよ。
  54. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) SACOの報告書は、共産党の皆さんがお認めになるかならないかは私はよく存じませんが、日米両国合意をしたことは事実でございまして、多くの方々の同意を得ておることは間違いのないことでございますから、その点はひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。  SACO合意で大事なことは、日米安保条約というものの精神といいますか、日本の安全というものを考えてこのSACO合意のベースはつくられているわけでございますから、日本安全保障というものがどうやって維持されるかということについて、これがそうでない方向に行くということは我々としては考えていないのでございます。
  55. 小泉親司

    ○小泉親司君 私の質問に正確に答えていただけないので、私ぜひもう一つちょっとお聞きしたいのは、SACO合意の中に、「海上施設は、ヘリコプターに係る部隊・装備等の駐留を支援するよう設計され、」、これは海上施設だったからそう書いてあるんですね、主語が。「ヘリコプターに係る部隊・装備等の駐留を支援するよう設計され、」、つまり普天間のヘリ部隊を全部ここへ受け継ぐんだと、こういう意味なんです。それにプラスしまして、「短距離で離発着できる航空機の運用をも支援する能力を有する。」。  この「短距離で離発着できる航空機の運用」、つまり短距離で離発着できる航空機というのは何でございますか。
  56. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 知事からの御提案は、このSACO合意の中にございます海上に施設をつくるという工法については、知事は明示的にこれでいいとかこれでいけないとかいうことはおっしゃっておられない。いや、むしろ知事は、海上施設ではないということを頭に置いておられるのだろうというふうに私は解釈をいたしております。  いずれにせよ、知事の御報告には工法については触れておられないわけでございますから、この問題については、先ほど来官房長官が申し上げておりますように、まだまだ地元皆様方のお考えというものをよくお伺いして、政府としてどういう考え方でまとめるかということは、これからもっとよく作業がなされなきゃいかぬ、地元お話し合いを見守らなければいけないという状況なのだというふうに御理解をいただきたいと思います。
  57. 小泉親司

    ○小泉親司君 外務大臣、ちゃんと答えてくださいよ。短距離で離発着できる航空機というのは何ですかとお聞きしているんです。
  58. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) このSACO最終報告の中に書かれております文言についてのお尋ね……
  59. 小泉親司

    ○小泉親司君 日米合意でございますから。
  60. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) はい。文言についてのお尋ねだと思いますが、この問題について、今、具体的にこれが何かということのお尋ねに私お答えをするだけの軍事的知識がないことをまことに申しわけなく思います。
  61. 小泉親司

    ○小泉親司君 これは私どもが提起しているMV22オスプレーです。なぜかといったら、普天間飛行場にはヘリ部隊が存在する。よろしいですか。そして、KC135という給油機が存在する。  しかし、SACO合意においては、給油機は岩国へ、ヘリ部隊はすべて今度の新たな施設がやるというわけでしょう。だから、ヘリコプター部隊は全部吸収して、しかも短距離で離発着できる航空機といったら、いわゆる垂直離着陸機であります。つまり、ヘリ機能を有して垂直に離着陸し、上に上がったら飛行機になって航続をやると。オスプレー以外にこの文言は考えられないじゃないですか。だからそこを、外務省、もう一回、日米合意なんですから、短距離で離発着できる航空機というのは何かということを後で正確に私に報告してほしいというふうに思います。  それから、やはり私たちは、このMV22オスプレーについて、衆議院予算委員会でも、実際にこれが配備されるという計画になっているじゃないかと。それは先ほど松崎委員も御指摘になりましたけれども、このいわゆる国防総省の報告書の中には、実際の本文はたったこれだけなんですよ。あとは何が書いてあるかというと、全部海上基地の設計書が書いてあるんです。その設計書の中にはランウエー、つまり滑走路というふうに書いてあって、その滑走路は何のために必要かというと、最も重要な航空機はV22オスプレーであるというふうに書いてあるんです。これをあなた方は内部文書と言う。  さらに、アメリカ会計検査院、九八年三月には、沖縄における米軍事的なプレゼンスの影響を減じるための関係の問題といって報告書を出している。この報告書の中にも、これからつくられる普天間移設の海上基地はすべてV22オスプレーの所要を満たすためにつくられなければならないと書いてある。  さらに、私たちは今度インターネットでとりまして、配備計画を衆議院予算委員会で示しました。九七年からやるということを書いてあるけれども、外務省はこの点についてはアメリカに照会しないと言っている。  私、これだけ問題が山積して、しかもこの前の外務省の答弁では、二回問い合わせしたと。一回は初めのこの報告が出たときで、もう一回は副司令官のときだと。二回やったというふうに言っておられるわけですね。しかし、新聞報道でそういう副司令官のものが出て、しかもそれで問い合わせをしておきながら、国会の議論があって、つまり、公党がこういう問題だということを提起しているのにもかかわらず、それを問い合わせしない。新聞報道は問い合わせするけれども、国会での公党の議論アメリカに問い合わせしないというのは、私は国会の公党の信義、いわゆる政党間の信義上も大変重大な問題があるというふうに思います。  その意味では、このオスプレーの問題は、果たして沖縄に配備するのかどうなのか、私はそういうものを県民にきちんと示すべきだと思いますが、官房長官、いかがでございますか。政府としてそのことをやるべきなんじゃないですか。
  62. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 予算委員会でも御党からの御質問がございまして、私御答弁をさせていただいたわけでございますが、数次にわたって私どもアメリカに問い合わせをして、現在そういうことを考えていないというアメリカ側の答弁でございました。  私といたしましては、事務当局から国防省に対する問い合わせに対して国防省からあれだけの答弁があれば、これはその答弁を皆様方に御披露申し上げることでぜひ御納得をいただきたい、こう申し上げる次第でございます。
  63. 立木洋

    委員長立木洋君) 時間が来ています。
  64. 小泉親司

    ○小泉親司君 納得いたしませんが、終わります。
  65. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 私は、サイパン島のアメリカ軍の捕虜収容所で産まれて、それから二十七年間アメリカの軍事支配下の沖縄で生きて、それから日本に復帰した二十七年間、合計五十四年間生きてまいりまして、五十四歳であります。  私に与えられた時間はわずか十分間でありますので、要領よくお答えをいただきたいというふうに思います。  久しぶりに河野外務大臣の所信をこの場所でお聞きいたしました。  私は、耳が痛いかもしれませんが、国会へ参りまして、日本外務省は本当にアメリカに対して主権国家として沖縄基地問題を含めてしっかり物を言っているのかなと。私には到底思えない。だから私は、外務省アメリカ国防省霞が関出張所になっているのではないかということをかつて言ったことがあります。多くの県民もよく言ってくれたと言いました。右翼から大分抗議されましたけれども、とにかく頑張っていただきたいということを冒頭申し上げておきたいと思います。  防衛施設庁長官、昨日午後四時三十分ごろ、エアロクラブの軽飛行機が嘉手納弾薬庫区域に不時着したということが起こっておりますが、その事故の概要を簡潔に説明してください。
  66. 大森敬治

    政府参考人大森敬治君) お答えをいたします。  昨日の事故の概要でございますけれども、午後四時三十分ごろ、嘉手納飛行場を離陸いたしました嘉手納飛行クラブ所属の172型セスナ機が離陸後間もなくエンジントラブルを生じまして、嘉手納飛行場への帰還は不可能であるということで嘉手納弾薬庫区域内に緊急着陸をいたしました。  そこで、乗り組んでいました四名の乗員は無事でございましたけれども、若干の手当てを嘉手納診療所で受けたようでございます。また、これに伴います被害につきましては、現在私ども調査中でございますけれども、確認された後、私どもができることを適切に処置したいというふうに思っております。
  67. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 このエアロクラブのような遊覧飛行、要するにお遊びのための飛行がどうして嘉手納飛行場を使ってできるんですか。その根拠を教えてください。
  68. 大森敬治

    政府参考人大森敬治君) 私ども防衛施設庁として理解いたしているところでは、エアロクラブは地位協定上認められております合衆国の施設といいますか厚生施設でございまして、米軍当局が公式に認める厚生施設の一つであるというふうに理解をしております。  また、その厚生施設が使用します内容につきましては、米軍が施設・区域として提供を受けておりますところに基づきます米軍の適正なといいますか、合理的な管理権の範囲内において行われているものというふうに私どもは理解しているところでございます。
  69. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 このエアロクラブの遊覧飛行の中止については、嘉手納町が再三施設庁や米軍に対して要請していることを知っていますか。
  70. 大森敬治

    政府参考人大森敬治君) 私どもも、嘉手納町を中心といたします嘉手納基地周辺の方々から、航空機の騒音またそれに伴いますいろいろな危険、問題につきまして、軽減を米側に申し入れるようにということを受けております。この地元方々のその懸念といいますか不安につきましては私どもも重く受けとめておりまして、機会あるごとに米側に騒音の軽減ないしその飛行に当たりましては住宅地域ですとかまた休日、祭日ですとかそういうものは避けて、十分その地域に配慮した飛行を行うように申し入れているところでございます。
  71. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 もう弾薬庫区域なんかに落っこちたら大変なことですよ。やめさせなさいよ。それぐらいやらなきゃだめですよ。爆音被害や墜落の恐怖で苦しめられているんだから、地域住民は。  さて、官房長官、大きな声を出して申しわけありませんでしたが、政府は米軍普天間飛行場移転先の年内決着を望んでおられますか。
  72. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 現在、知事が移転先の名護市に申し入れをされ、名護市でこのことについて検討をしておられる最中でございまして、私どもは決して年内とかということではなくてできるだけ早くこの結論が出ることを望んでいるところでございます。
  73. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 来年、サミットが開催されるから是が非でも年内に決着してもらいたいというのが政府の本音じゃないんですか。
  74. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 普天間基地の移転につきましては、委員御承知のように、飛行場が非常に市街地にありまして、周辺住民の方々の不安を早期に解消したいという観点から、政府としては九州沖縄サミットの開催を決定する以前からこの問題に真剣に取り組んでおりまして、来年の九州沖縄サミットの開催と直接関連するものではないと考えております。
  75. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 今、知事も名護市長も、政府から年内に決着を図れ、来年サミットがあるぞとこう言われて、私は大急ぎで態度決定をしようとしているんじゃないかと思うんですよ。そうすると、年内でなくてもいいんですね。
  76. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 年内でなくてもいいとは申し上げておりません。今、県と市とで協議を続けておられますので、私どもはできるだけ早い機会に結論を出していただきたいと考えておるわけでございまして、年内とか来年とかという問題じゃなくて、できるだけ早くいい結論を出していただきたい、そういうことを願っている次第でございます。
  77. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 サミットの開催と移転先の決定はリンクをしない、そういうことですね。
  78. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) そのとおりでございます。
  79. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 よくわかりました。  さて、十五年使用期限の問題ですが、これは知事は譲れない、みずからの公約だと言っているけれども、基地を新たに八千億とも一兆円とも言われるお金をかけてつくって十五年ですよなんていうのは、アメリカが聞くはずはありませんよ。私はそう思います。ところが、知事はそれを譲れない線だと言う。  官房長官外務大臣アメリカに対して十五年使用期限を確約させることはできるんでしょうか。
  80. 青木幹雄

    国務大臣青木幹雄君) 知事が選挙の公約として十五年という期限を切られ、また名護に申し込む時点でも同じような考え方を表明しておられることは非常に私ども重く受けとめております。  しかしながら、先生御承知のように、十五年先の話でございまして、その間のいわゆる国際情勢がどうなるのか、北東アジアの情勢がどうなるのか、その他いろんなことを勘案しながらこれは決めなきゃいけない問題でございまして、私どもはこの問題をアメリカに話す前にまず県それから市、国、そういうものが十分協議をした上で臨んでいかなければならない問題であろう、そういうふうに考えております。
  81. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 知事と新旧官房長官そして河野外務大臣がお会いになったときに、知事からこの件はお話しがあったと思います。十五年先の話じゃなくして、知事が言っているのは移設先を決定する条件として十五年使用期限をあらかじめ決めるべきだと言っているんですよ。先の話じゃない、移設先を決める段階で十五年使用期限というのは決められるんでしょうか、外務大臣官房長官、明快にお答えください。
  82. 河野洋平

    国務大臣河野洋平君) 今、官房長官から御答弁ありましたように、私どもとしてはそれはもう一年でも早くこういうものが要らない世界ができるということが望ましいわけでございますけれども、現実の世界の状況は残念ながらそういう状況ではないわけでございまして、官房長官御答弁のとおり、十五年先の状況というものを私どもとしてもどういう状況になっているかということをよく考えなきゃならぬ。それは我が国にとって、国民の生命、財産そして我が国自身の安全保障考えれば、そう無責任に結論を出せる話ではないわけでございまして、まさに種々の情勢を勘案して政府として考え方をまとめるということを申し上げる以外に今ないことをぜひ委員に御理解いただきたいと思います。
  83. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 最後に、要望を含めてですけれども、もう本当に沖縄の人は五十四年間この国の安全保障の犠牲や負担を一方的に強いられてきたんです。外務大臣、もう勘弁してくださいよ。基地を提供するのは第一義的には国の責任なんですから、国の義務なんですから、それを沖縄に決めてくれと押しつけるのは酷じゃありませんか。そのことを申し上げておきたいと思います。
  84. 立木洋

    委員長立木洋君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時四十二分散会