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国務大臣(
河野洋平君) 訪朝団の何人かの方からは帰国後御報告をお伺いいたしました。貴重な
お話を伺いまして、ありがとうございました。また
機会がありましたらいずれ
お話を伺いたいと思います。
それはそれといたしまして、繰り返しになりますが、大変大事な場面というふうに私どもも
考えておりまして、それは我々がこうして
正常化のための
会議が行える
可能性が非常に出てきたということでございます。北朝鮮に対しましては、
アメリカ、韓国とともに今三カ国でいろいろと連絡をし相談をしながら対応してきたわけでございます。いわゆるペリー調整官のペリー・プロセスもそうでございますが、三カ国でいろいろと話し合って政策を統合して、
アメリカはベルリンにおいて米朝
会談という直接的な
会談をやっておられますし、韓国は御案内のとおり民間の交流というものが
かなり活発になってきているというふうに聞いております。
そういう中で、
日本は一体どういうことをするのがいいのかということを我々もいろいろ
考えておりまして、今回のこうした場面、こうした
状況でテーブルに着いて、しっかりと話し合うことによって、第二次世界大戦後の正常でない
関係を正しくするように
努力をしなければならぬということがまず第一だと思います。
さらにまた、先ほど来
議員からも
お話がございますように、双方には双方のいろいろな問題がございます。我が方にも人道問題、つまり北朝鮮によって拉致されたのではないかという疑いのある事案がございます。先方には食糧を支援してほしいという大きな要請もあるだろうと思います。さらには里帰り問題というものもあると思います。こうした問題をやはり
一つずつ話し合っていくということが必要だろうと思います。そういうことのためには、例えば、双方で赤十字の皆さんのお力を拝借するということもまた
一つのやり方でもあるだろうということも
考えまして、我々が
考え得るできる限りの方法をとりたいと思っております。
ただ、
外務省としてそうしたことを
考えておりますが、これらにつきましてはやはり
議員の先生方の御理解もいただいておかなければならないところも多いわけです。今回、幸いにして訪朝団には各党の皆さんが、それぞれ資格はいろいろだと思いますけれども、とにかく各党から参加をされた、そして大型の訪朝団をつくられたという経緯がございますから、私は、
議員の先生方の御理解は従来よりは得やすいと申しますか、得ることができる
状況でもあろうというふうに思っておりまして、慎重にしかし着実に
両国関係の
正常化に向かって
努力をしていきたい、こう思っております。