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1999-12-01 第146回国会 衆議院 本会議 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十二月一日(水曜日)     —————————————  議事日程 第六号   平成十一年十二月一日     午後一時開議   一 国務大臣演説に対する質疑     —————————————  第一 民法の一部を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第二 任意後見契約に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第三 民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第四 後見登記等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  国家公務員倫理審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件  検査官任命につき同意を求めるの件  国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件  日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件  中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件  国務大臣演説に対する質疑  日程第一 民法の一部を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第二 任意後見契約に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第三 民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第四 後見登記等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)     午後一時三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————  国家公務員倫理審査会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件  検査官任命につき同意を求めるの件  国家公安委員会委員任命につき同意を求めるの件  日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件  中央社会保険医療協議会委員任命につき同意を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件
  3. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) お諮りいたします。  内閣から、  国家公務員倫理審査会会長及び同委員  検査官  国家公安委員会委員  日本銀行政策委員会審議委員  中央社会保険医療協議会委員 及び  電波監理審議会委員に 次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。  内閣からの申し出中、  まず、  国家公務員倫理審査会会長花尻尚君を、  同委員芦田甚之助君、島田あき子君及び浜田広君を、  検査官森下伸昭君を、  電波監理審議会委員辻井重男君を 任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。  次に、  国家公安委員会委員渡邊幸治君を、  中央社会保険医療協議会委員工藤敦夫君を 任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  5. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。  次に、  日本銀行政策委員会審議委員田谷禎三君を 任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  6. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。      ————◇—————  国務大臣演説に対する質疑
  7. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これより国務大臣演説に対する質疑に入ります。海江田万里君。     〔海江田万里登壇
  8. 海江田万里

    海江田万里君 私は、民主党を代表して、去る二十五日に行われた第二次補正予算についての宮澤大蔵大臣財政演説に関し、総理並びに関係大臣質問いたします。  まず、本臨時国会が召集されましたのは十月の二十九日であります。確かに、幾つかの指標において明るい兆しは見られているものの、相変わらず低迷を続ける日本経済を、確実な回復軌道に乗せるために必要な施策をとらなければいけないということで始められた臨時国会でありますが、政府が肝心の第二次補正予算案を閣議決定したのは、実に国会がスタートしてからおよそ一カ月たってからのことであります。  そして、本会議場宮澤大蔵大臣財政演説を行い、私どもがその財政演説に対する質疑を行おうとしたやさきに、厚生委員会でのあの暴挙であります。国民生活に多大な影響を与える年金制度の改悪を、実質たった三日間の審議法案採決日を決定するという、国民を無視した与党議会運営を、私たちは満腔の怒りをもって糾弾するものであります。  現在、自自公与党三党は、本院において七一%を占める巨大与党となっていますが、もちろん国民の選択によってできた与党ではありません。政権の維持というその一点で結ばれた野合政権で、到底国民の支持を得られるものではありませんが、国会の中では数を頼りにおごり体質をあらわにしています。いずれ、与党のこのおごり体質は、国民の審判で鉄槌を下されることになるだろうと私は確信を持っております。(拍手)  さて、現在の我が国経済状況でございますが、私は、これを東京の渋谷や原宿で若い女性に流行の厚底靴経済と名づけたいと思います。  厚底靴というのは、履いている若い女性に聞きますと、とにかく背が高くなって、むさくるしいおじさんたちを見おろすことが快感だというわけであります。もちろん、二十センチや三十センチという厚底靴は人体に悪い影響を与えるわけで、足首の捻挫や骨折の患者がふえているという実害も起きていますが、これを履いている本人は意に介さないわけでございます。  私は、冒頭、我が国経済は多少明るい様相を呈していると述べましたが、これはまさに、日本経済が、何でもありの小渕政権のもとで、多額の借金を頼りに公共事業ばらまきによってかさ上げされた結果です。本来の身長は決して高くないのに、あたかも身長が高くなったと錯覚して町を濶歩しているわけで、この厚底靴を脱いでしまえばもとのもくあみです。  終戦直後、GHQの経済顧問であるドッジ氏が、アメリカ経済援助と各種の補助金によって支えられている当時の日本経済竹馬経済と名づけたことはよく知られるところですが、現在の我が国経済は、赤字国債やじゃぶじゃぶの公共事業によって底上げされた、まさに厚底靴経済と言うことができると思います。  以下、具体的な質問に入ります。  まず、自自公の三党連立政権に至る過程で演じられたどたばた劇に対する質問です。  三党の連立政権合意書を見ますと、高齢化社会生活安心実現するため、まず二〇〇五年を目途に、年金介護後期高齢者医療を包括した総合的な枠組みを構築する。それに必要な財源のおおむね二分の一を公費負担とする。基礎的社会保障財政基盤を強化するとともに、負担公平化を図るために、消費税目的税に改め、その金額基礎年金高齢者医療介護を初めとする社会保障経費財源に充てるとありますが、総理は、二〇〇五年までに基礎年金を二分の一国庫負担にする意思があると考えてよろしいわけですね。介護についても、おおむね二分の一を公費負担ということは、基本的には社会保険方式を残すという理解でよろしいわけですね。  同じ質問を、自由党の二階運輸大臣にもしたいと思っております。自由党の従来からの主張は、介護全額税で賄うということを主張していたはずですが、その主張を現在は撤回したのか、あるいは、今後の協議によっては介護全額税方式になる可能性もあるのか、そこのところをはっきりお示しいただきたいと思います。  自自公党連立に至るどたばたと言いましたが、特に、介護保険高齢者保険料を取る、取らないの右往左往は、国民に大きな政治不信と、せっかく生まれたばかりの公的介護制度に大きな不安を与えることになりました。小渕政権は早くもダッチロールの状態に入ったと断じざるを得ません。  小渕総理、一度決まった介護保険について、実施間際になってかくも大きな変更を行うなら、衆議院の解散を行って国民に信を問うべきだと思いますが、その覚悟はおありでしょうか。(拍手)  六十五歳以上の高齢者については半年間は保険料を徴収しないというのは、介護保険法の第百二十九条の規定、つまり、市町村は、介護保険事業に係る費用に充てるため、保険料を徴収しなければならないという規定に違反するのではないでしょうか。今回の決定は、政府みずから法律違反を犯していることにならないのでしょうか。これは厚生大臣お尋ねをします。  また、何ゆえ六カ月の保険料徴収猶予なのか。期間を六カ月と区切った意味は一体どこにあるのか。これは総理答弁をお願いしたいと考えます。  総理にはもう一つ医療保険制度改革も喫緊の課題であることは言をまたないところですが、総理は、二〇〇〇年度からの医療改革実施は既に何度も口にされています。ですから、この二〇〇〇年度からの医療改革実施政府の公約だと思いますが、二〇〇〇年の四月から一体どんな医療改革を行うつもりか、内容を明らかにしていただきたいと思います。  また、総理考えている将来の介護年金医療などの社会保障の将来像は一体どんなものなのか、これも明らかにしていただきたいと思います。  年金の問題では、まさにこれからも充実した審議厚生委員会で行われると思いますが、ここで改めて一つだけただしておきたい問題があります。それは、本日の厚生委員会で我が党の菅政調会長も取り上げましたが、年金積立金百四十兆円の自主運用資金株式運用の問題です。  これは大変大きな問題でございますが、何といっても最大の問題は、そもそも、国が国民から集めた老後資金を、株式のようなリスク商品運用していいものかどうかの問題です。  この問題について、最近株価が絶好調なアメリカで、クリントン大統領年金基金資金を使って株式を購入したらどうかという提案をしたところ、グリーンスパンFRB議長の猛反対によって提案を引っ込めた経緯があります。  アメリカでは、四〇一Kプランのように個人の老後資金はどんどん株式に流れていますが、国が関与する年金基金については、やはり株式での運用はしてはいけないという歯どめがあります。しかし、我が国の場合はそうした歯どめが一切ありません。  もちろん、株式運用をするのはその一部に限られるでしょうが、国が百四十兆円という巨額資金を使って株式市場になだれ込んだら、株式市場は混乱をします。マーケットをゆがめることになります。また、民間企業の株を間接的に国が保有することによるコーポレートガバナンス、企業統治の問題もあります。  それに、もし株式の下落などによって年金積立金に穴があいた場合の責任とり方はどうするのか。国、年金資金運用基金運用金融機関それぞれのレベルでどういう責任をとるのか当然明らかになっていなければならないと思います。  これまでの年金福祉事業団の自主運用でも、運用に失敗をしています。単年度で損益が黒字になったのは十三年間で四回だけ。いわば四勝九敗の成績で、累積赤字簿価で約二兆円になっています。この損失責任はだれがとったのか。だれもとらない体質になっています。積立金運用に失敗しました、それでは保険料を値上げです、あるいは給付水準の引き下げですでは、済まされません。この年金積立金株式による運用は直ちにやめるべきで、年金法案のこの部分の関連法案は撤回すべきだと思います。  この問題は極めて重大ですので、総理のお考えを伺いたいと思います。  先ほども申し上げましたが、グリーンスパンFRB議長は、アメリカ下院公聴会ではっきりと、年金基金株式市場での運用は支持しない、それだけ巨額資金政治と切り離せられるとは信じられないし、年金受給者に低いリターンしか残せないことを憂慮すると言い切っています。  どうしても法案のとおり年金積立金株式運用を行うというのであれば、情報公開はどうするのでしょうか。損失が出たときの責任とり方はどうするのでしょうか。そのことをこの場で明らかにしていただきたい。この答弁厚生大臣に伺います。損失の出ないような運用に努めるですとか、今研究中だというおざなりの答弁では納得できないことを、事前に申し上げておきます。  そこで、今回の補正予算についてですが、何といっても今回の補正予算の特徴は、経済新生対策関連費などの財源として七兆五千六百六十億円の国債を発行して、この結果、九九年度の国債発行額は三十八兆六千百六十億円になって、地方交付税分を除いた国の税収、これは三十二兆六百億円でございますが、これを戦後初めて抜いたということにあると言えます。家計でいえば、働いて稼ぐ収入よりも借金による調達の方が多いことになります。これはもはや破綻した家計そのものであると言えます。  まず、総理は、こうした破綻財政を来したことに対する責任意識がおありかどうか伺います。  景気回復に失敗したのは、これまでの内閣が悪いのだ、自分はできるだけのことをやっているので、その結果、多少借金がふえても仕方のないことだと考えておられるのか。それとも、やはりこれでは財政がもたないから、もう借金に頼った景気浮揚策はやめにしようと考えておられるのか。国の借金がここまで膨らんでしまったことへ、国のかじ取りとしての責任あるお考えを聞かせていただきたいと思います。  宮澤大蔵大臣は、記者会見などで、この補正予算と来年度の予算で大規模財政出動は終わりになると発言しておられるが、本当にそうなるのか。よしんばそうしたところで、これまでに大量発行した国債のツケは今後確実に我が国財政を襲う。例えば、国債新規発行分を抑えたところで、借りかえ分を入れると、二〇〇一年度にはどうしても百兆円を超える国債を発行しなければならなくなります。我が国財政はさらに悪化をしていきます。  大蔵省は、ことしの一月、本予算国会審議に際して中期財政試算を提出して、二〇〇三年度までの公債依存度公債残高公債残高の対GDP比などを明らかにしましたが、今回の補正に際しても、この中期財政試算を提出すべきです。補正後の二〇〇三年までの公債依存度公債残高、対GDP比はそれぞれにどうなるか、明らかにしていただきたい。  さらに、問題は補正予算の中身です。  今次補正では、経済新生対策を踏まえて、社会資本整備関係国費支出として三兆五千億円、事業ベースで六兆二千億円程度が計上されています。そして、その看板は、生活基盤充実特別対策費だとか、情報通信科学技術振興等経済発展基盤強化特別対策費などと、一見して斬新な印象を与える言葉がちりばめられていますが、実態は、単に従来の農業土木事業を継承するだけの事業がほとんどであると思われます。  今次補正予算社会資本整備関係費の中で、真に新規事業と呼べるものが一体どれだけあるのでしょうか。事業費ベース幾ら国庫支出幾らと教えていただきたい。  そして、総理にもお尋ねします。  もともと、公共事業景気下支え効果しかなく、しかも、近年は建設資材の在庫が膨らんでいることや、海外からの安い建設資材の輸入などによって、乗数効果は年々低下傾向にあるというのが一般理解であります。  また、ストック面から見ても、特に九〇年代に入って景気対策として行われた公共事業は、その費用効果の十分な吟味が行われておらず、道路、港湾整備農業土木などは、地域や生産者生産性の向上に対する効果が極めて乏しいものであったわけでございます。  景気対策というとすぐ公共事業だというのは、我が国だけに際立っている日本の常識、世界の非常識であります。一体世界先進国のどこに、日本のようにGDPに占める公共事業割合の高い国があるのか。そんな国があったら教えていただきたい。  総理は、このような我が国公共事業あり方について、基本的にどんなお考えを持っておられるのか、お示しいただきたいと思います。  今回の臨時国会は、中小企業国会と銘打って始まりましたが、補正予算に出てきた中小企業対策は、お粗末の一言です。  中小企業金融安定化特別保証を来年三月末まで一年間延長し、保証枠を十兆円追加するという経済新生対策を受け、補正予算では今年度分として五兆円を計上しています。十兆円の積算根拠についても甚だ不明確で、当初、通産省では二兆円程度と言っていたのが、選挙対策でいつの間にか四兆円という金額に膨れ上がったとも仄聞しています。  十兆円の根拠は何か。そして、そもそも、こうした融資を継続することが、中小企業の自立を妨げ、今国会で改正した中小企業基本法の精神と方向性に反することにならないか、総理お尋ねをします。  そして最後に、企業団体献金を廃止する政治資金規正法改正案でございます。  現在、自自公与党三党で協議中と聞きますが、総理与党総裁として、附則第九条に基づく法案をいつ提出することになるのか。さらに、附則第十条の取り扱いについて、自民党は削除の方針を打ち出しているとの報道もありますが、それは本当のことでしょうか。総理も、せんだってクエスチョンタイムで、我が党の鳩山代表とのやりとりの中で、はっきりと企業団体献金は廃止すると言ったのですから、ここでも、現在協議中などと答えずに、はっきりと自民党総裁としての考えを述べるべきだと思います。  以上で、私の財政演説に対する質問を終えます。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三登壇
  9. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 海江田万里議員にお答え申し上げます。  与党三党の合意におきまして、年金介護後期高齢者医療総合的枠組みの構築を二〇〇五年を目途としている理由いかんとのお尋ねでありました。  年金次期財政再計算が二〇〇四年までに行われることも勘案いたしまして、二〇〇五年を目途とされたものと承知いたしております。  また、基礎年金国庫負担を将来二分の一に引き上げる考えはあるかとのお尋ねでありますが、今回の年金改正法案におきましては、「基礎年金については、財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担割合の二分の一への引上げを図るものとする。」との附則が設けられたところであり、安定した財源確保のための具体的方法一体として検討する必要があると考えております。  社会保障財源についてのお尋ねでありますが、我が国社会保障給付費は、国民相互に助け合うため出し合っている保険料公費によって賄われております。今後増大する年金医療などの社会保障給付費財源を安定的に賄う仕組みとして、将来にわたってどのように国民相互で支え合うかなど、国民的議論が重要と考えており、今後、与党協議等も踏まえながら、検討していくべきものと考えております。  介護保険との関連解散についてお尋ねがありましたが、今回決定した特別対策は、介護保険法の円滑な実施のため講ずるものであります。また、我が国には経済新生安全対策など、直ちに実行、実現に努めなければならない緊急の課題が数多くあり、また、その一方で、二十一世紀を見据え、長い視野で考え先見性を持って手を打たなければならない課題もあります。  こうした中で、この内閣に与えられた使命にかんがみ、また、まさに今国会補正予算を初めとして現下の緊急課題につき御審議をいただくときに当たり、安定的で確固たる政権運営に全力を傾注すべきであり、解散は全く念頭にありません。  保険料を徴収しない期間についてのお尋ねですが、法施行後半年間、すなわち本年十月の要介護認定開始から一年間を経過するまでの間は、国民が要介護認定の手続や新しい介護サービス利用方法になれるまでの、いわば制度本格的スタートに向けての助走期間として位置づけ、その間は高齢者保険料を徴収しないことができるようにしたものであります。  医療保険制度抜本改革に関するお尋ねでありますが、安定した制度を確立するため、現在、制度の全般にわたり見直しを行っているところであり、個別具体的に制度改正案の検討を急ぎ、改革実現に向けて最大限努力してまいります。  介護年金医療など、社会保障の全体的将来像についてのお尋ねでありますが、政府としては、有識者の皆さんに御参加もいただき、議論の場を設けることとしており、社会保障あり方について制度横断的な議論を進めてまいりたいと考えております。  年金積立金自主運用についてお尋ねですが、年金積立金自主運用に当たりましては、国債等の債券を中心に、株式を含めた分散投資を行うことにより、安全確実かつ効率的な運用に努めるとともに、運用関係者に対する責任体制法律上明確化することといたしております。  補正予算は、赤字垂れ流しばらまき予算ではないかとお尋ねでありました。  我が国経済は、厳しい状況をなお脱していないものの、緩やかな改善を続けております。今ここで重要なのは、手を緩めることなく経済を本格的な回復軌道につなげていくとともに、二十一世紀の新たな発展基盤を築き、未来に向け経済を新生させることであり、こうした観点から第二次補正予算を編成し、国会の御審議をお願いいたしておるところであります。  第二次補正予算におきましては、社会資本整備費について、情報通信科学技術振興生活基盤充実強化少子高齢化教育環境特別対策といった分野中心に総額三兆五千億円を計上しているのを初め、我が国経済のダイナミズムの源泉である中小ベンチャー企業への資金供給を円滑化すること等を目的といたしました中小企業対策費七千億円余りを計上するなど、将来の新たな発展基盤の確立に不可欠な分野に重点的に配分を行っております。  今後とも、変化していく国民のニーズをしっかり見きわめ、貴重な財源のより効果的、効率的配分に努めてまいる所存であります。  公共事業のシェアと効果についてでありますが、御指摘のように、GNPに占める一般政府の総固定資本形成割合を見ると、日本は、他の先進諸国に比べ高くなっておりますが、これには我が国のおくれた社会資本状況地理的条件が関係しているものと考えられます。  また、政府におきまして、九〇年代に入って以降、累次の経済対策を講じてきたところでありますが、これら対策による公共投資の増加につきましては、バブル崩壊後の民需の落ち込みを相殺する形で景気がスパイラル的に悪化していくのを防止し、その下支えに貢献してきたものと考えております。  今回の経済新生対策におきましては、二十一世紀の新たな発展基盤を築くため、情報通信科学技術振興生活基盤充実強化少子高齢化教育環境特別対策といった分野中心整備を進めることといたしております。政府としては、本対策の強力な推進を図ることにより、公需から民需へバトンタッチを円滑に行い、我が国経済本格的回復軌道に乗せていくよう努めてまいります。  次に、特別保証制度についてのお尋ねでありましたが、今回の制度を一年間延長し保証枠を十兆円追加することとしたのは、セーフティーネットとしての本制度の趣旨に照らし、今後の資金需要に十分対応し得る規模を確保するためであり、また、政府がそうした姿勢を示すことで中小企業者安心感を与えるという効果も期待いたしておるところであります。こうしたセーフティーネット整備は、今国会で改正した新中小企業基本法のもとでも重要な政策の柱であります。  また、制度の延長に当たりましては、雇用の増大など建設的努力の計画を有することを要件とすることにより、多くの中小企業者経済構造改革に向け前向きに努力するための契機といたしたいと考えております。  最後に、企業団体献金についてのお尋ねがありました。  企業労働組合団体献金につきましては、平成六年の改正法附則により、施行後五年を経過した場合の取り扱いについて定められているところであります。既に、政治家個人に対する企業団体献金については、附則第九条の指し示すところに従いこれを受け取らない旨の判断を下しており、これをもとに三党派で協議を進め、所要の法案を提出させていただきたいと考えております。  政党及び政治資金団体に対する企業団体献金については、附則第十条において、法の施行後五年を経過した場合においてそのあり方について見直しを行うものとするとされているところであり、まずは与党内、さらに各党各会派における御議論を見守ってまいりたいと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣宮澤喜一君登壇
  10. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 総理の御答弁を補足いたします。  今の財政の現状につきましていろいろ御批判があり、また、今の状態は交付税を除けば国債の発行額よりも税収の方が少ないということまでおっしゃいました。まことにそのとおりでありまして、国税収入は十年前の状態に戻っておりますから、そのような憂うべき状況でございます。  ただ、せんだっても申し上げましたように、小渕内閣が発足をいたしまして一年余りでございますが、確かに経済は恐らく底をついたろう、少しずつよくなりつつあるというところまでは、徐々ではありますけれども、そういう認識は持ってよろしかろう。しかし、この前に申し上げましたように、個人消費は非常に弱いわけでございますし、設備投資は起こっていないわけですから、民需による回復力というものはやはり非常に弱いと言わざるを得ません。  したがいまして、このたびの補正予算と来年度の予算財政の困窮はわかっておりますけれども、ここはやはり財政が支援をしなければ、もう一度だけしなければならないという気持ちで補正予算を編成いたしましたし、また、来年度の予算もその延長で考えざるを得ないだろうと思っておるわけでございます。  それに関連いたしまして中期財政のことにお触れになりましたが、十数年、予算委員会の御審議でこの中期財政見込みを提出いたしております。今年も、本予算を完成いたしましたら、その編成後に予算委員会に御提出を申し上げるつもりであります。  ただ、よく御存じのとおり、この試算は、従来から一定の成長率を仮定しておるものでございますから、今日のようにマイナスの成長率になりますと、仮定している仮説が全く異なってしまっておりますので、正直を申しますと、我が国経済がもっと成長のサイクルに入りましたときに、改めてこの中長期の見通しをつくって御審議をいただく、御討議をいただくということが大事ではないかと考えております。現状で差し上げております資料は、意味はございますけれども、想定しておりますところがかなり現実と離れておるということでございます。  そこで、お尋ねの一番大事な点は、財政はこうなっているが、さて来年をどういうふうに見ているのかということであったと思います。  来年度の予算は、ただいま査定をいたしておるところでございますので、全体のことを正確には実は申し上げられないと思いますけれども、私の見ておりますところでは、来年度の歳入、国税の税収について見ますと、プラスだと思われる面と、それからいろいろな意味でマイナスになる面と両方ありますが、差し引きでは多少税収はプラスになる、増が見込まれると考えてよろしいのではないかと思っております。  他面で、歳出面は、いわゆる一般歳出の方はまあまあ大まかにはわかっておりますから、そういう意味では、歳出と歳入との関係は来年度は少しはことしよりもよくなる公算が多いと思いますが、問題は、御承知のように、こういうような異常な経済状態というのはなるべく早くもうおしまいにしなければいけませんので、その中で、金融関連の安定についての今後というものはやはり問題が少し残っておると思いますので、来年度の予算の編成の中で、将来の金融の安定のための予算的な、資金的な準備をどれだけしておくか、もうこういうことは何度もしてはならぬことですし、早くそういうことの処理はしてしまった方がいいと思いますので、余裕がありましたら、そういうことに予算的、資金的な措置をしようか、そのいかんによりまして歳入の規模が変わってまいると思いますが、税収につきましては多少のプラスが出るのではないかという、そういう見通しをしております。(拍手)     〔国務大臣丹羽雄哉君登壇
  11. 丹羽雄哉

    国務大臣(丹羽雄哉君) 海江田議員にお答えいたします。  高齢者保険料制度施行当初から半年間徴収しないことについてのお尋ねでございますが、介護保険法百二十九条において、市町村は、介護保険事業に充てるため、保険料を徴収しなければならないこととされており、また同法の百三十条におきましては、保険料は年度を単位として賦課する、こういうことになっておるわけでございます。  しかしながら、今回の措置は、年度を通じて高齢者保険料を徴収しないという趣旨ではなくて、制度施行当初の半年間に限って市町村が保険料の徴収を行わないことができることとするものでありまして、法律上問題はございません。  それから、年金積立金自主運用についてのお尋ねでございますが、年金積立金自主運用に当たっては、国債などの債券を中心に、株式を含めた分散投資を行うことにいたしております。安全確実かつ効率的な運用に努めたいと思っております。  また、新たな仕組みのもとでは、基本方針に沿いまして運用することになりまして、運用関係者に対する注意義務などを法律上明記し、違反した場合には懲戒処分を行うなど、責任体制も明確化いたしておるような次第でございます。  それから最後でございますが、株式投資でございます。  確かにアメリカでは指摘されているようなことでございますけれども、アメリカで指摘されているようなことを我が国は、PKOそのものを排除いたしておるわけでございますし、先ほど来申し上げておりますように、分散投資を進めることによって安全で確実な運用に努めていきたいと思っております。  それから、年福事業団の一兆二千億円の赤字でございますが、これは平成十一年の三月末現在でございます。その後、景気の上昇によりまして、現在は四千億円程度に減少していることをつけ加えさせていただきます。  以上でございます。(拍手)     〔国務大臣二階俊博君登壇
  12. 二階俊博

    国務大臣(二階俊博君) 海江田議員にお答えをいたします。  介護の税方式についてのお尋ねであります。  国が基礎的社会保障に関して責任を持つことを明確にして老後や疾病への不安を取り除くためには、現行の保険方式はもはや限界であると自由党考えております。基礎的社会保障財政基盤を確立するとともに、負担公平化を図るため、消費税を福祉目的税に改め、その金額基礎年金高齢者医療介護財源に充てるべきであるという考え方は自由党の基本政策であって、与党協議の場等を通じて主張を続けてまいることと思います。  次に、自民、自由、公明の三党連立発足に際しても、自由党は従来の主張を貫き、この三分野を包括した総合的な枠組みを構築することと、また、消費税を福祉目的税に改めることを合意いたしておる次第であります。今後、与党協議を通じて検討がなされるものと確信をいたしております。  以上でございます。(拍手)     —————————————
  13. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 佐々木陸海君。     〔佐々木陸海君登壇
  14. 佐々木陸海

    ○佐々木陸海君 私は、日本共産党を代表して、第二次補正予算財政演説について質問をいたします。  今、日本経済国民生活が直面しているのは、雇用不安のかつてない広がりであり、中小企業の最悪の倒産、廃業であります。財政演説宮澤大蔵大臣も、所得が低迷し、殊に企業のリストラが雇用に与える影響等を考えると、消費が持続的に回復する状況には至っていないと述べているのであります。国民が今切実に求めているのは、まさに生活の安定であり、個人消費の拡大を通じた景気の回復であります。  ところが、政府経済新生対策の実行と銘打って提出した第二次補正予算案には、景気回復にとって最も肝心な、個人消費を刺激し、拡大する対策がほとんどないのであります。  首相にお聞きしたい。なぜ国民の個人消費を直接刺激する方向に踏み出そうとしないのですか。それを拒否し続ける理由は何ですか。明確に答弁していただきたいのであります。(拍手)  今度の補正予算は、経済新生対策のうちの実に六八%がゼネコンと大銀行に振り向けられており、浪費の蛇口は拡大する一方であります。  社会資本整備三・五兆円の大半は、相も変わらない従来型の大型公共事業、波及効果が低下する中で規模ばかり膨らんできた大型公共事業であります。国際拠点と称する空港や港湾、整備新幹線、大都市環状道路などがそれですが、例えば中部国際空港計画は、関西空港や成田空港の利用者までが利用することを前提にして採算の予測を立てており、関連事業を含めた事業費は一兆五千億円を超えるものであります。これまでに建設した多くの港湾が釣り堀と化しているのは周知の事実であります。  首相、これらは国民の必要にこたえるというものではなく、結局ゼネコンへの大盤振る舞い、浪費の拡大でしかないのではありませんか。これでは、これまで何度も何度も失敗してきた景気対策の上に、さらに失敗の上塗りをするだけではありませんか。  また、金融システム安定化の名目で、大銀行支援のために九千二百億円、NTT株の売却益分を含めると、総額で一兆九千億円もの財政資金を投入することも極めて重大であります。  中小企業への貸し渋りを続けつつ商工ローンに巨額の融資をして社会的糾弾を受けている銀行に対して、その責任を問いもしないで、また銀行業界の一円の負担さえ求めもしないで、最終的に税金にはね返る公的資金をなぜ湯水のように投入しなければならないのですか。首相の見解を問うものであります。  しかも、本来国の借金の返済に充てるべき九八年度の剰余金約六千億円を銀行支援の財源に充てるなどというのは、財政法の解釈をも逸脱するものではありませんか。蔵相の答弁を求めます。  政府経済対策は、浪費を無制限に拡大する一方で、肝心かなめの国民向けにはほとんど内容がありません。雇用対策では、失業増大と収入低下の元凶となっている大企業のリストラを野放しにしている上、失業給付の改善、職業訓練の充実など切実な要求には全くこたえていません。中小企業対策も、融資以外はほとんどありません。これで消費の回復にどう役立つというのですか。首相の見解を求めます。  次に、介護保険問題について聞きます。  政府は、この保険の見直し策を突如として打ち出し、その費用補正予算に盛り込みました。見直し策の中心は、六十五歳以上の被保険者からの保険料徴収を半年間延期し、その後一年間は半額徴収にすることなどであります。それは、介護サービスの基盤整備などで国民的大事業のスタートにふさわしい国の責任を果たさないまま、保険料、利用料など過重な負担国民に押しつけ、介護サービスについては保障がないという政策が、国民の批判の前に行き詰まったことを示すものであります。  厚生省の発表によれば、九八年度の数字で、特別養護老人ホームに入所できる資格がありながら入所できない待機者が九万人、在宅で約四万七千人に上ります。現在ある特養ホームの増床計画を達成したとしても、なお待機者が多数に上ることになります。これを放置すれば、国を挙げての契約違反になることは必至であります。  政府は、保険料を徴収しないというその期間に、この特養ホームの具体的な不足を解消するつもりがあるのですか。その問題を含めて、介護サービスの基盤整備をどこまで進めるのですか。また、保険料、利用料の引き下げ、低所得者、高齢者への減免制度をどうするのですか。認定制度をどう改善するのですか。それらを具体的に示していただきたい。見直しが単なる問題先送りでないとすれば、これらは避けて通れない問題のはずであります。首相の明快な答弁を求めます。  最後に、財政危機の打開についてお聞きしたいと思います。  今回の国債発行の規模は、七兆五千億円となり、その結果、今年度の国債依存度は過去最高の四三%になります。国、地方を合わせた債務の総額は、六百兆円から六百八兆円に膨れ上がります。小渕内閣が発足して一年余りで、何と約六十四兆円も借金をふやしたことになります。首相は、その痛みを本当に感じているのでしょうか。率直にお聞きしたいのであります。  九五年十二月、我が国の債務残高がGDPの八八・九%に達していたとき、財政制度審議会は、発達した資本主義諸国の中で最悪であるということで、ヨーロッパの基準である六〇%を目指すべきことを蔵相に報告しました。それから四年たって、債務残高は何とGDPの一二三%にも膨張しています。  首相は、景気が回復の軌道に乗ってから財政再建を考えるという答弁ばかりを繰り返してきました。しかし、既にその四年前の財政審報告で、景気が急回復しても巨額の歳入歳出ギャップをすぐに埋めることは困難であると指摘していたのであります。首相は、今この指摘をどう受けとめるのでしょうか。  ことし一月に発表された大蔵省の中期財政試算では、今後も毎年三十兆円程度国債発行が必要であると述べているではありませんか。将来の見通しもなしに借金だけ膨らませるやり方は、全く無責任ではありませんか。答弁を求めます。(拍手)  日本共産党は、国、地方合わせて公共事業に五十兆円、社会保障に二十兆円という財政の大きな枠組みを変え、社会保障中心予算財政に切りかえる方向を提案してきました。財政の浪費構造に徹底的にメスを入れ、こうした転換を実現することによって、国民の暮らしと営業、社会保障を守ることと財政再建の道筋をつけることとは、立派に両立させることが可能であります。  自自公連立政権、小渕内閣への国民の評価は、日増しに低下をしています。どの世論調査でも、評価をしないという声が評価する声の二倍、三倍になっています。  この内閣、この政権は、存続すること自体が害悪であります。私は、衆議院の解散と総選挙を一刻も早く行うことを首相に要求して、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三登壇
  15. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 佐々木陸海議員にお答えいたします。  景気回復のための個人消費拡大策を打ち出すべきとの御指摘がありました。  個人消費は、GNPの約六割と大きなウエートを占める重要なものと認識をいたしており、政府といたしましては、十一年度予算におきまして、個人所得課税の恒久的減税を実施いたしているほか、公共事業中小企業対策、雇用対策に最大限配慮するとともに、住宅ローンの減税を行うなど、人々の生活基盤の安定化につながる施策を積極的に講じているところであります。  今回の経済新生対策におきましては、事業規模十七兆円程度、さらに介護対策を含めれば十八兆円程度事業を早急に実施し、公需から民需への円滑なバトンタッチを図ることといたしており、第二次補正予算において、この対策実現するため必要な措置として、社会資本整備費について、情報通信科学技術振興生活基盤充実強化少子高齢化教育環境特別対策といった、将来の我が国経済発展基盤の確立に不可欠な分野中心に総額三兆五千億を計上しているのを初めとして、中小企業対策、雇用対策といった国民生活に直結した分野に重点的配分を行っております。  これらの施策により、有効需要が創出され、国民の購買力の向上につながるものと考えております。  経済新生対策中の社会資本整備国民の必要にこたえていないのではないかとのお尋ねでありました。  政府におきましては、九〇年代に入って以降、累次の経済対策を講じてきたところでありますが、これら対策による公共投資の増加については、バブル崩壊後の民需の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防止し、その下支えに貢献してきたものと考えております。  今回の経済新生対策の取りまとめに当たりましては、従来の概念や計画あるいは省庁の枠組み等にとらわれない新たな構想と目標を策定し、投資効率と利用者の使いやすさを考えたハード、ソフト、制度改革実施に最大限配慮しており、社会資本整備について、二十一世紀の新たな発展基盤を築くため、情報通信科学技術振興生活基盤充実強化少子高齢化教育環境特別対策といった分野中心整備を進めることといたしております。  政府といたしましては、本対策の推進を図ることにより、公需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せていくよう努めてまいります。  銀行に対する公的資金投入についてのお尋ねでありますが、金融システムはしばしば経済の動脈に例えられており、経済の基盤をなすものであり、その安定は我が国経済景気回復軌道に復帰するためには必要不可欠なものであり、このような観点から、金融機関の破綻処理について公的資金での対応をお願いいたしておるところであります。  経済新生対策に関し、雇用対策及び中小企業対策を例に、消費の回復に役立つのかとのお尋ねがありました。  本対策におきましては、雇用対策として、地域特性を生かし雇用機会の創出を行う先導的な中小企業への支援、大規模なリストラの実施により大きな影響を受ける地域における雇用創出、中小企業の発展を担う人材の育成などのための施策を盛り込んでおります。  また、中小企業対策に関しては、日本経済がダイナミズムを発揮するための重要な施策と位置づけ、このたび成立いたしました中小企業基本法の改正と並んで、関係法律の改正を図りたいと考えております。また、御指摘の中小企業金融対策に加え、中小企業の多様なニーズに対応して、人材、技術、知識、情報などのソフトの経営資源の円滑な確保をきめ細かく支援するなど、総合的な政策を進めることといたしております。  以上のような雇用対策により雇用不安を払拭するとともに、日本経済の牽引車となることが期待される中小企業の活性化により、公需から個人消費を初めとする民需への円滑なバトンタッチを図っていくよう努めてまいります。  次に、介護サービスの基盤整備保険料等の減免及び認定制度についてのお尋ねでありますが、特別養護老人ホームを初めとする介護基盤の整備を引き続き推進していくほか、介護保険法の円滑な実施のための特別対策において、高齢者保険料についての軽減等の措置や、訪問介護、ホームヘルプサービスについての低所得者の利用者負担の軽減措置を講ずることといたしております。  また、要介護認定につきましては、三年間にわたる試行的事業を経て実施しているところであり、今後とも、実施状況を踏まえつつ、必要に応じ、適切に対処いたしてまいりたいと考えております。  今回の補正予算を含め、我が国財政状況に対する認識及び財政再建の見通しについて、御指摘の上、お尋ねがありました。  我が国財政は、歳入歳出ギャップ、すなわち公債依存度が第二次補正後に四三・四%、十一年度末の国、地方の長期債務残高が六百八兆円にも達する見込みである等、極めて厳しい状況にあることは十分認識をいたしております。その認識の上に立って、将来世代のことを考えるとき、財政構造改革という大きな重い荷物を背負っていると痛感いたしております。  ただ、せっかく上向きになりました我が国経済をさらに大きく前進させることによりまして、税収の増加等を通じ、財政状況の改善が図られるような時点をしっかりと見きわめる必要があり、その見きわめを誤り、景気後退といった流れになってしまってはいけないと考えます。  したがって、我が国経済回復軌道に乗り、足元がしっかり固まった段階において、財政、税制上の諸課題につき、中期、長期的な視点から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆様にそのあるべき姿を示すというのが順序でないかと考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣宮澤喜一君登壇
  16. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 金融機関の再生を助けるために国が資金援助をするということを先ほど総理から御答弁されましたが、お尋ねは、その次の部分にも関しておりまして、その資金援助は、御承知のように預金保険機構からなされておりますので、預金保険機構に対して、政府は、その財源として国債を、御承知のように交付しておるわけでございます。  この国債は、現金需要が起こりましたときには償還というか、現金化をする必要があるわけでございまして、現にこのたびの補正予算におきまして、その現金化のための支出をお認めを願いたいということをお願いしておるわけであります。  その点が、九八年度の剰余金をその財源にするのは法律に違反していないかというお尋ねでございましたが、財政法六条におきましては、決算上の剰余金の二分の一を下らない金額は、公債または借入金の償還財源に充てなければならないと書いてございますので、これはまさしく償還財源であるというふうに考えております。(拍手)     —————————————
  17. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 伊藤茂君。     〔伊藤茂君登壇
  18. 伊藤茂

    ○伊藤茂君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、財政演説に対して、総理並びに関係大臣質問をいたします。  今回の二次補正予算案を見まして、私がまず思うのは、小渕内閣には確かなあすを語る能力はないということでございます。予算政府の顔とよく言われます。今回の政府案に示された政府の顔と表情は、暗く、ゆがんでおります。  それは、年金改悪を強行しようとする行為に象徴されております。これが自自公政治の現実であります。私は、質問の前提として、政府与党厚生委員会で改悪を強行しようとしたことを厳しく反省し、改悪をやめ、国民合意年金制度を確立する徹底的な審議をすることをまず強く要求します。  私は第一に、小渕首相に、経済政策の基本的な判断を伺いたい。  この補正予算案の内容では、経済の再生も新生も不可能であります。予算規模六兆七千八百八十九億円、規模は大きいが、内容には、総理が言われた、はっとするようなところはどこにもございません。水膨れ、ばらまき、従来発想という印象しかないというのが社会一般の評価であります。あなたの党、自民党の内部からも、そういう批判の声が上がっているではありませんか。  今必要なのは、最近の経済指標を見ても明らかであります。景気は下げどまりと言いますが、消費は回復せず、設備投資はまだかなりのマイナスを続けています。落ち込んでいるところ、消費、国民生活のあすを明るくすることに重点を置くのが当然なのに、年金改悪、介護保険をめぐる混乱で逆に不安をかき立てています。どう反省なさいますか。  先ほどの答弁総理は、消費の、あるいは生活のために最大限の努力という御答弁をなさいました。効果は全然上がってないではありませんか。効果はゼロであります。この現実をどうお考えですか。  いつまでも借金でカンフル注射、公共事業中心でという惰性ではありませんか。きのうの段階ときょうとあすの段階と、政策目標を鮮明にしなければ効果は生まれません。どうお考えですか。十五カ月予算という言葉をよく使われますが、来年度も同じ手法を続けるのでしょうか。  第二に私が見解を伺いたいのは、財政の将来は真っ暗やみだということでございます。  小渕首相は、たった一年間で国の借金をふやす新記録をつくられました。  ドイツの社民党と緑の党の政策協定を読みましたら、健全なる社会は健全な財政で支えられると強調し、政策を述べています。私は、それがあすを語る政治だと思います。  政府のやり方について、孫の名義でキャッシュカードをつくって、親がざぶざぶ使いまくるようだとも言われていることを御存じでしょうか。現実はまさに戦後最悪であります。宮澤大臣は、どうあすの責任を語られますか。来年度もさらなる国債の増発を続けるのですか。戦略会議の報告のような、景気回復が先と言うだけの先送り、抽象論では許されないのが現段階である、国民の不安であると思います。  また、不安が増大しているのは長期金利動向で、中期国債中心にしてもその不安は解消されません。調整インフレという話題があちこちで語られていますが、将来のインフレへの懸念を大蔵大臣はどうお考えですか。  第三に伺いたいのは、福祉型、分権型に財政を改造、改革することであります。  二十一世紀日本の最大の課題は、福祉社会であります。福祉は地域が主役、当然ながら福祉型であり、同時に分権型にしなければなりません。大胆に財政構造を変える発想なしに、財政再建も福祉社会の設計もできないのであります。公共事業も、その事業内容、地方主体に転換することが大きな課題です。大蔵大臣、いかがでしょう。  今、政府税調は消費税率引き上げを答申しようとしているが、どうしますか。今の財政構造、今の財政政策のままで、消費税率アップを納得する国民はどこにもおりません。消費税の構造の改革、税制民主主義の原則と基本に立った税制決定の仕組みへの改革など、思い切ってやらなければならないと思います。  厚生大臣に伺います。  介護保険では赤字国債ばらまき年金では負担増、政策混乱の政府与党への国民の厳しい批判にどうおこたえになりますか。特に、二十一世紀を前にして、次の時代の総合的福祉計画のグランドデザインにどう取り組まれますか。  第四に、目下の緊急課題である雇用失業問題の打開について伺います。  乱暴な大企業のリストラの横行を許しているのをどう認識しておりますか。深刻な問題です。リストラ、失業増大、中小企業、下請の危機に対して効果的な手を打っていないではありませんか。  ベンチャー支援と言いますが、大事なことなんですが、新しい企業を支援する組織としてのインキュベーターを見ても、他の先進国と比べてみても、その内容も数も著しく立ちおくれております。中小企業における雇用増大の認識も極めて安易であります。通産大臣、どうお考えですか。  総理、ドイツでは政労使トップによる雇用開発のための戦略同盟などの新しい努力がなされております。EUでは広くそういう努力が行われておりますが、政労使合意で社会のあすを考え、努力するということをどう認識されておられますか。  今、一つの時代が終わり、新しい時代を迎えようとしております。あすに希望を語る責任政治に問われているときに、富国有徳など抽象的な言葉ではあすを語ることもできませんし、真空総理と言われているようなことでももちろんできないわけであります。今必要なことは、あすに無責任小渕政権をかえて確かなあすを語る政治をつくること、総選挙で新しい出発をすること以外にはありません。私ども社会民主党は、新しい政治に向けて全力を尽くす決意を申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三登壇
  19. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 伊藤茂議員にお答え申し上げます。  今回の補正予算の重点の置き方につきまして、年金及び介護保険の問題等種々御指摘の上、従来型から脱していないのではないかというお尋ねがありました。  私は、今回の経済新生対策を、新規性、期待性、訴求性、すなわち、はっとする新しさを持ち、国民の期待にかない、内外にわかりやすく訴える魅力のあるものとするため、対策の取りまとめに当たっては、従来の概念や計画、省庁の枠組みにとらわれない新たな構想と目標を策定し、景気本格的回復軌道に乗せていくとともに、構造改革を強力に推進し、二十一世紀の新たな発展基盤を築くことに重点を置いたところであります。  また、国民安心して暮らせる活力ある社会を築くことができるよう、本対策年金改革介護保険法の円滑な実施のための措置を盛り込んだところであります。  第二次補正予算において、この対策実現するために必要な措置として、社会資本整備費について、情報通信科学技術振興生活基盤充実強化少子高齢化教育環境特別対策といった分野中心に、総額三兆五千億円を計上いたしております。  また、我が国経済のダイナミズムの源泉である中小ベンチャー企業への資金供給を円滑化すること等を目的として、中小企業等金融対策費七千億円余りを計上するなど、将来の新たな発展基盤の確立に不可欠な分野に重点的配分を行うとともに、国民生活に直結した雇用対策介護対策についても必要な措置を講じております。  政府は、本対策を初め必要な諸施策を強力かつ機動的に推進することにより、公需から民需への円滑なバトンタッチを図り、我が国経済民需主導の本格的回復軌道に乗せていくよう努めてまいります。  十五カ月予算ということでありますが、来年も同じ手法を続けるかというようなお尋ねでありました。  私は、就任以来、内閣の命運をかけ、財政、金融のあらゆる手段を講じて経済再生に取り組んできたところであり、これらの施策の効果の浸透などにより、景気は、厳しい状況をなお脱していないものの緩やかな改善を続けております。  今ここで重要なことは、手を緩めることなく、経済本格的回復軌道につなげていくとともに、二十一世紀の新たな発展基盤を築き、未来に向け経済を新生させることであると考えております。  こうした視点から、先般、経済新生対策を取りまとめ、これを実現するため、十五カ月予算考え方に立って第二次補正予算を編成し、御審議をお願いいたしておるところであり、十二年度予算についても、引き続き景気に配慮し、公需から民需への円滑なバトンタッチが行われるものとなるよう、全力を挙げて編成作業に取り組んでいるところであります。  一方、我が国財政は、平成十一年度末の国、地方の長期債務残高が六百八兆円程度となる見込みであるなど極めて厳しい状況にあり、将来世代のことを考えるとき、財政構造改革という大変重い課題をしょっていると痛感しております。これについては、経済本格的回復軌道に乗った段階において、そのあるべき姿をお示しいたしたいと存じます。  政労使合意で社会のあすを考えることの意義についてお尋ねがありました。  ドイツでは、雇用問題の解決に向けて、社民党・緑の党連立政権のもとで、雇用のための同盟と呼ばれる政労使トップ会談が開催されていることは承知をいたしております。  厳しい雇用失業情勢のもと、政労使が一体となって雇用の創出、安定策を推進していくことは大変有意義なことであり、我が国におきましても、昨年九月以来、政労使雇用対策会議を開催するなど、率直な意見交換を行っているところであります。今後とも、政労使が協力して雇用の創出、安定に向けて取り組んでいくことが重要であると考えております。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣宮澤喜一君登壇
  20. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、経済の中で民需の回復は十分でありませんので、このたびの補正予算、来年度の本予算まではやはり財政が相当景気刺激的な処置をしなければならないというふうに考えておるわけでございますが、その際にしかし、将来の財政というのはどうなるのかね、一体いつまでこういうことをやっていくのかというごもっともなお話であるわけです。  それで、来年度のことでございますが、先ほどちょっと一部申し上げましたが、まだ予算編成、十分にいっておりませんので正確には申し上げられませんが、歳入の方では多少プラスになる要因がありまして、マイナス要因もありますが、差し引きすると幾らかプラスになるのではないかというふうに、今としては思っております。  ただ、その場合に、例の二〇〇一年の問題もございますから、少し金融の安定のための準備を厚目にやる方がいいかなどうかなといったあたりが、一般歳出の方はほぼわかりますものですから、そういうようなことを今議論しておりまして、多少税収の面では、大した余裕じゃございませんが、多少プラスが出るのではないかというふうに見ております。  次に、国債を増発していって長期金利はどうなるかということは、おっしゃいますように、必ず注意しなければならない問題でありますが、したがって、発行の内容、条件等もできるだけ市場とすり合わせながらやるつもりでございます。ある段階から民需が出てまいりますと、長期金利というのは高くなるのはあるいは自然かもしれませんが、しかし、国の国債民需とがうまくすれ違う、入れかわるということはできませんので、どうしても両方ということになりやすいかもしれません。したがって、長期金利の問題は、できるだけ十分に注意をいたしてまいるつもりでございます。  それから、いわゆる調整インフレということは、いってみれば金融緩和によって通貨量をふやして、人為的にインフレ率を高めて、金利を下げて、そして消費と投資、そういう理屈だと思いますけれども、私はその具体的な政策手段というものについてどうもよく納得できないでおりますし、日銀政策委員会でも別にそういうことを考えておられないようで、私自身はどうも懐疑的でございます。  それから、公共事業をもっともっと地方にしないとというのは実際そのとおりでして、しかし、地方財政が非常に悪いものですから、単独事業でもなかなかやってもらえないというのが現状で、したがって、来年度の予算編成では、やはり国と地方の財政の大きな調整をまたやらなければならないと思っています。  ただ、第二次分権計画では、国の直轄事業なんかはできるだけ採択基準を上げておりまして、砂防の場合には、今まで五億円以上は国であったのが百億円、海岸は十億円を五十億円と、かなりそういう努力は一生懸命になっていたしておりまして、方向といたしましては、おっしゃるようにいたしたいというふうに努力をいたしておるところでございます。(拍手)     〔国務大臣深谷隆司君登壇
  21. 深谷隆司

    国務大臣(深谷隆司君) 伊藤議員の私どもに対する質問は二点であります。  一つは、企業事業再構築に当たってのリストラについてどう思うかという点であります。  私は、企業がその経営資源を得意分野に集中させていくという戦略的な事業再構築というのは、生産性を向上させて、企業の足腰を強くして、結果において、中長期的に見て、経済の活性化につながっていくと思います。ただ、問題は、その取り組みに当たって、雇用とか下請企業にどのような影響を及ぼすか、そこに真剣に配慮するという点が大事であろうと思います。  政府といたしましては、緊急雇用対策の迅速かつ効果的な実施であるとか、あるいは下請取引のあっせん事業による新たな受注開拓の支援等の対策を講じて万全を期していきたい、そのように思っています。  二つ目は、ベンチャー支援についてのお尋ねでございます。  ベンチャー企業は、産業の新たな分野を拡大するだけでなくて、新しい関連産業や、何よりも雇用の創出に極めて重要な効果を上げてまいります。したがって、その支援については、これからも一層努力をしなければならないと思っています。  今回の経済新生対策においては、中小企業の私募債発行に対する信用保証の付与であるとか、投資事業組合への公的機関の出資拡充などの措置を講じております。  また、通産省としましては、例のエンゼル税制の抜本的な拡充に向けた平成十二年度税制改正要望を行うなど、中小ベンチャー企業資金供給の一層の円滑化、多様化を図ってまいりたいと思っています。  また、お話のありましたインキュベーターの整備を初めとする創業者、ベンチャー企業を含めた多様な中小企業の育成、発展に資するために、その環境整備を行うことは大変大事であります。国のレベルの支援センター、都道府県の支援拠点、さらには全国三百カ所の身近な支援センターを通じて、この対応に万全を期したいと思っております。  以上です。(拍手)     〔国務大臣丹羽雄哉君登壇
  22. 丹羽雄哉

    国務大臣(丹羽雄哉君) 介護保険年金、さらに総合的福祉計画のグランドデザインについてお尋ねをいただきました。  まず、介護保険についてでございますが、最も大切なことは介護保険法を来年の四月から円滑に実施することであります。  新しい制度のもとでは、利用方法が措置から契約へと変更になるとともに、お年寄りには保険料負担していただくことになります。今般の特別対策は、お年寄りに新しい制度について十分な理解をいただきながら、混乱なく移行していただくための措置であり、制度の理念、基本的な枠組みを揺るがすものではないと考えております。  次に、年金でございますが、将来世代への過重な負担を防ぐとともに、適正な水準の給付を約束するとの考え方に立って、負担は年収の二割程度に抑制し、給付は現役世代の手取り年収のおおむね六割程度を確保することを目指しております。改正案を提出しているところでございます。  今回の改正を行うことによりまして、年金に対する国民の信頼を揺るぎないものにしていきたい、このように考えているところでございます。  最後に、総合的な福祉計画のグランドデザインについてでございますが、これまでの改革論議の中でも、制度ごとに縦割りに議論が行われていたのではないか、こういうような指摘が一部にあったことは事実でございます。  先ほど、総理からも御答弁がございましたけれども、私といたしましても、社会保障あり方について、真に豊かな老後を確保する視点から、幅広く制度横断的に議論し、将来にわたって安定して運営できる制度とすることが必要である、このように考えているような次第でございます。  この点につきましては、総理のもとで有識者の皆様方に御参加をいただき、議論の場を設けたいと考えているような次第でございます。  以上でございます。(拍手
  23. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) これにて国務大臣演説に対する質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 民法の一部を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第二 任意後見契約に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第三 民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  日程第四 後見登記等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付
  24. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 日程第一、民法の一部を改正する法律案日程第二、任意後見契約に関する法律案日程第三、民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案日程第四、後見登記等に関する法律案、右四案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。法務委員長武部勤君。     —————————————  民法の一部を改正する法律案及び同報告書  任意後見契約に関する法律案及び同報告書  民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案及び同報告書  後見登記等に関する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔武部勤君登壇
  25. 武部勤

    ○武部勤君 ただいま議題となりました四法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、民法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、高齢社会への対応及び障害者福祉の充実の観点から、痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者等の判断能力の不十分な者の保護を図るため、禁治産及び準禁治産の制度を後見及び保佐の制度に改め、これに加えて補助の制度を創設するとともに、聴覚または言語機能に障害のある者が手話通訳等により公正証書遺言をすることができるようにするものであります。  次に、任意後見契約に関する法律案について申し上げます。  本案は、任意後見契約の方式、効力等に関し特別の定めをするとともに、任意後見人に対する監督に関し必要な事項を定めることにより、任意後見制度を創設しようとするものであります。  次に、民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案について申し上げます。  本案は、民法の一部を改正する法律施行に伴い、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律外百八十の関係法律について規定整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。  最後に、後見登記等に関する法律案について申し上げます。  本案は、民法の禁治産及び準禁治産の制度を後見、保佐及び補助の制度に改め、新たに任意後見制度を創設することに伴い、禁治産及び準禁治産の宣告を戸籍に記載する公示方法にかわる新たな登記制度を創設し、その登記手続、登記事項の開示方法等を定めようとするものであります。  以上四法律案は、いずれも、前国会、本院において可決され、参議院において継続審査となっていたものであり、今国会の去る十一月二十四日参議院において原案のとおり可決の上、本院に送付され、同日本委員会に付託されたものであります。  委員会においては、四案を一括して議題とし、十一月二十六日提案理由の説明を省略し、質疑及び討論の申し出もなく、直ちに採決を行った結果、四案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  26. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 四案を一括して採決いたします。  四案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  28. 伊藤宗一郎

    議長伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十一分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  小渕 恵三君         法務大臣    臼井日出男君         大蔵大臣    宮澤 喜一君         文部大臣    中曽根弘文君         厚生大臣    丹羽 雄哉君         通商産業大臣  深谷 隆司君         運輸大臣    二階 俊博君         郵政大臣    八代 英太君         労働大臣    牧野 隆守君         建設大臣    中山 正暉君         自治大臣         農林水産大臣臨時代理  保利 耕輔君         外務大臣臨時代理         国務大臣    青木 幹雄君         国務大臣    越智 通雄君         国務大臣    瓦   力君         国務大臣    堺屋 太一君         国務大臣    清水嘉与子君         国務大臣    続  訓弘君  出席政務次官         大蔵政務次官  大野 功統君      ————◇—————  去る十一月二十九日は、会議を開くに至らなかったので、ここに議事日程を掲載する。     —————————————  議事日程 第五号   平成十一年十一月二十九日(月曜日)     午後一時開議   一 国務大臣演説に対する質疑     …………………………………  第一 民法の一部を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第二 任意後見契約に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第三 民法の一部を改正する法律施行に伴う関係法律整備等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第四 後見登記等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出)(参議院送付)  第五 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会内閣提出)  第六 年金資金運用基金法案(第百四十五回国会内閣提出)  第七 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案(第百四十五回国会内閣提出