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1999-11-16 第146回国会 衆議院 内閣委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成十一年十月二十九日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。    委員長 二田 孝治君    理事 植竹 繁雄君 理事 萩野 浩基君    理事 北村 哲男君 理事 佐々木秀典君    理事 河合 正智君 理事 三沢  淳君       越智 伊平君    小泉純一郎君       佐藤 信二君    関谷 勝嗣君       谷川 和穗君    近岡理一郎君       虎島 和夫君    桧田  仁君       堀内 光雄君    松本  純君       武藤 嘉文君    持永 和見君       米田 建三君    岩田 順介君       堀込 征雄君    山元  勉君       倉田 栄喜君    白保 台一君       鰐淵 俊之君    瀬古由起子君       中路 雅弘君    深田  肇君       笹木 竜三君     ————————————— 十月二十九日  二田孝治委員長辞任につき、その補欠として植竹繁雄君が議院において、委員長に選任された。     ————————————— 平成十一年十一月十六日(火曜日)     午前十時一分開議  出席委員    委員長 植竹 繁雄君    理事 鈴木 俊一君 理事 虎島 和夫君    理事 萩野 浩基君 理事 松本  純君    理事 岩田 順介君 理事 山元  勉君    理事 河合 正智君 理事 三沢  淳君       越智 伊平君    小泉純一郎君       佐藤 信二君    関谷 勝嗣君       田中 和徳君    谷川 和穗君       桧田  仁君    堀内 光雄君       御法川英文君    持永 和見君       米田 建三君    北村 哲男君       佐々木秀典君    中沢 健次君       堀込 征雄君    倉田 栄喜君       白保 台一君    山中あき子君       鰐淵 俊之君    瀬古由起子君       中路 雅弘君    深田  肇君       笹木 竜三君     …………………………………    国務大臣    (内閣官房長官)     青木 幹雄君    国務大臣    (総務庁長官)      続  訓弘君    国務大臣    (北海道開発庁長官)   二階 俊博君    内閣官房長官      額賀福志郎君    内閣官房長官      松谷蒼一郎君    総理府政務次官      長峯  基君    総務政務次官       持永 和見君    北海道開発政務次官    米田 建三君    沖縄開発政務次官     白保 台一君    政府特別補佐人    (人事院総裁)      中島 忠能君    政府参考人    (人事院事務総局給与局長    )            大村 厚至君    内閣委員会専門員     新倉 紀一君     ————————————— 委員異動 十月二十九日  辞任         補欠選任   二田 孝治君     鈴木 俊一君 十一月十六日  辞任         補欠選任   近岡理一郎君     御法川英文君   武藤 嘉文君     田中 和徳君   佐々木秀典君     中沢 健次君   倉田 栄喜君     山中あき子君 同日  辞任         補欠選任   田中 和徳君     武藤 嘉文君   御法川英文君     近岡理一郎君   中沢 健次君     佐々木秀典君   山中あき子君     倉田 栄喜君 同日  理事小此木八郎君十月五日委員辞任につき、その補欠として松本純君が理事に当選した。 同日  理事小林興起君十月二十八日委員辞任につき、その補欠として虎島和夫君が理事に当選した。 同日  理事植竹繁雄君十月二十九日委員長就任につき、その補欠として鈴木俊一君が理事に当選した。 同日  理事北村哲男君及び佐々木秀典君同日理事辞任につき、その補欠として山元勉君及び岩田順介君が理事に当選した。     ————————————— 十月二十九日  国の行政機関職員等営利企業等への就職の制限等に関する法律案松本善明君外一名提出、第百四十二回国会衆法第一九号)  国家公務員法及び自衛隊法の一部を改正する法律案若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第一八号)  特殊法人役員等給与等規制に関する法律案若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第一九号)  日本銀行法の一部を改正する法律案若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第二〇号)  審議会等委員等の構成及び審議等公開等に関する法律案松本善明君外一名提出、第百四十五回国会衆法第一四号)  国と民間企業との間の人事交流に関する法律案内閣提出、第百四十五回国会閣法第一一三号) 十一月十二日  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出第六五号)(参議院送付)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第六六号)(参議院送付) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  政府参考人出頭要求に関する件  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出第六五号)(参議院送付)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第六六号)(参議院送付)  特定公益増進法人の認定及び寄附の実態に関する予備的調査についての報告     午前十時一分開議      ————◇—————
  2. 植竹繁雄

    植竹委員長 これより会議を開きます。  この際、一言あいさつを申し上げます。  このたび内閣委員長に選任されました植竹繁雄でございます。  御承知のとおり、当委員会は、行政機構恩給あるいは公務員制度等、国の基本にかかわる重要な諸問題を所管いたしておりまして、責任の重さを痛感する次第でございます。  今後の委員会運営につきましては、大変微力ではございますが、練達堪能なる委員各位の御支援、御協力を賜りまして、一層の充実を図り、公正かつ円満な運営に努め、この重責を全ういたしたいと存じております。  何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 植竹繁雄

    植竹委員長 続きまして、理事辞任についてお諮り申し上げます。  理事北村哲男君及び佐々木秀典君から、理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 植竹繁雄

    植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任及び委員異動並びに私の委員長就任に伴い、現在理事が五名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 植竹繁雄

    植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に       鈴木 俊一君    虎島 和夫君       松本  純君    岩田 順介君    及び 山元  勉君 を指名いたします。      ————◇—————
  6. 植竹繁雄

    植竹委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  国政に関する調査を行うため、本会期中  行政機構並びにその運営に関する事項  恩給及び法制一般に関する事項  公務員制度及び給与に関する事項  栄典に関する事項 以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 植竹繁雄

    植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  8. 植竹繁雄

    植竹委員長 この際、新たに就任されました国務大臣及び政務次官の方々から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。青木内閣官房長官
  9. 青木幹雄

    青木国務大臣 このたび内閣官房長官を拝命いたしました青木幹雄でございます。  植竹委員長を初め理事委員先生方の温かい御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。  第百四十六回国会における内閣委員会審議に先立ちまして、所信一端を申し述べます。  小渕内閣は、発足以来、国会の御協力をいただきながら、金融危機経済不況の克服に全力で取り組んでまいりました。  今後は、経済を本格的な回復軌道につなげていくとともに、二十一世紀の新たな発展基盤を築き、未来に向け経済新生させるため、理念ある経済新生対策を早急に取りまとめるべく、全力で取り組んでまいる覚悟でございます。  私は、内閣官房長官として、各大臣との連携をとりつつ、総理を補佐し、内閣官房責任者としてみずからに課せられた職務を果たすべく、全力を傾注してまいる所存でございます。  また、私は、総理府本府を担当するとともに、あわせて男女共同参画阪神淡路復興対策及び沖縄問題についても担当することとなっております。  まず、男女共同参画社会形成は、政府一体となって取り組むべき国政上の最重要課題一つであります。私は、男女共同参画担当大臣として、本年六月に施行された男女共同参画社会基本法及び男女共同参画二〇〇〇年プランにのっとって、総合的な施策推進に引き続き努めてまいる所存であります。  次に、国際平和協力業務については、これまで日本は、国連平和維持活動等に参加してきており、いずれの活動も国際的に高く評価されており、我が国においても国民理解と支持が深まっていると考えております。  また、我が国国際社会への応分の貢献を行うべきことは当然であり、PKF本体業務凍結解除を含む国連平和活動への一層の協力について、国会はもとより国民各位の御理解をいただきつつ、積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、阪神淡路復興対策につきましても、担当大臣として、引き続き誠心誠意職務遂行に当たってまいります。  沖縄米軍施設・区域の整備、統合、縮小や沖縄振興策等沖縄に係る諸問題の調整につきましても、引き続き真摯に取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、広報・広聴活動栄典行政公益法人に対する指導監督等を適切に推進していく所存であります。  以上、総理府本府、男女共同参画阪神淡路復興対策沖縄の各担当大臣として、誠心誠意職務遂行に当たってまいる所存でありますので、委員長初め理事委員の皆さんの御協力のほどを心からお願いを申し上げます。  ありがとうございました。(拍手
  10. 植竹繁雄

  11. 続訓弘

    ○続国務大臣 お許しをいただきまして、ごあいさつを申し上げます。  このたび総務庁長官及び行政改革担当大臣を拝命いたしました続訓弘でございます。  内閣委員会の御審議に先立ち、当面の重要課題について所信一端を申し上げます。  まず第一に、行政改革につきましては、内閣の最重要課題一つと位置づけております。特に、中央省庁等改革につきましては、さき通常国会において成立した中央省庁等改革関連十七法にのっとり、二〇〇一年一月の新体制への移行を円滑かつ着実に実施するために、省庁改革施行関連法案提出するなど、諸準備を進めております。また、公務員制度改革国家公務員定員削減規制改革情報公開政策評価などの諸課題にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  第二に、国家公務員給与改定につきましては、本年度の人事院勧告が、民間給与実態を反映したかつてなく厳しいものとなっていることなどを踏まえ、九月二十一日に勧告どおり改定を行う旨の方針を閣議決定いたしました。このような政府方針に基づき、一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案国会提出し、十二日に参議院において可決され、衆議院に送付されたところであります。  また、公務員制度改革一環として、国と民間企業との間の人事交流に関する法律案さき国会提出させていただいており、本法案の成立に引き続き努力してまいりたいと考えております。  第三に、平成十二年度恩給改善につきましては、恩給受給者の期待にこたえるべく、諸般の事情を総合勘案した上で、方針が決定され次第、所要措置を講じてまいりたいと考えております。  植竹委員長を初め理事委員皆様方の格段の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手
  12. 植竹繁雄

  13. 二階俊博

    ○二階国務大臣 このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました二階俊博でございます。  植竹委員長を初め委員の諸先生におかれましては、日ごろより北海道開発行政に御理解と御協力を賜っておりますことに心から感謝を申し上げます。  内閣委員会の開かれるこの機会に、お許しをいただきまして一言あいさつを申し上げる次第であります。  北海道は、御承知のとおり、大変豊かな自然と広大な空間を有しており、その恵まれた環境や資源は、我が国の長期的な発展にとって欠くことのできないものと考えております。  しかしながら一方、北海道は、全市町村に占める過疎地域市町村割合全国平均の約二倍という深刻な過疎問題を抱えております。また、広域分散型社会であるにもかかわらず、高規格幹線道路整備率がわずかに二四%と全国の半分以下であるなど、社会資本整備水準本州等に比べますとまだ十分とは言えない状況にあります。  産業経済に目を転ずれば、総生産に占める製造業の比率が一一%と、これまた全国の半分程度であります。産業構造が脆弱である上、北海道拓殖銀行の経営破綻という金融不況影響を受けた北海道経済は、依然として厳しい状況にあります。  このような現下の課題に的確に対処して、北海道開発可能性を最大限に発揮させるために、第六期北海道総合開発計画に基づき、積極的に社会資本整備などの各種施策を進めてまいりたいと考えております。  平成十一年度の予算執行においては、過去最高の前倒しや公共事業等予備費による追加事業早期実施に努め、北海道経済の再生を図ってまいりたいと思います。  さらに、景気後退への懸念を払拭し、北海道経済新生を図るために、治山治水道路整備、港湾、農業、農村整備などの各種社会資本整備や、北海道産業振興高度化に資する施策を進めてまいりたいと思っております。  公共事業については、地域のニーズなどを踏まえながら、一層の重点化効率化を図るとともに、各種事業間の連携を促進し、事業の効果を高めてまいります。  また、北海道の将来に明るさをともす具体的な施策一環として、関係諸機関連携し、各方面から意見を聞きながら、二十一世紀初頭に、毎年の来道、いわゆる北海道においでになる観光客数を、現在は六百万人でございますが、一千万人を目指し北海道観光振興に積極的に取り組んでまいる所存であります。  国土交通省への移行については、新しい国土交通省の中で北海道開発行政が円滑に推進できますように、所要準備全力を注いでいるところであります。  今後とも、あすに希望を持ち、将来に夢が持てる北海道の実現を目指し、北海道開発全力を傾注してまいる所存であります。  委員長を初め委員の諸先生の一層の御理解と御協力お願い申し上げて、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手
  14. 植竹繁雄

  15. 額賀福志郎

    額賀内閣官房長官 このたび内閣官房長官を拝命いたしました額賀福志郎であります。  植竹委員長を初め当委員会理事、各委員先生方の御指導のもとに、青木官房長官を補佐し、全力投球をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手
  16. 植竹繁雄

  17. 松谷蒼一郎

    松谷内閣官房長官 このたび内閣官房長官を命ぜられました松谷蒼一郎でございます。  植竹委員長を初め諸先生方の御指導、御協力を賜りながら、額賀長官ともども青木内閣官房長官を補佐してまいりたいと存じますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。(拍手
  18. 植竹繁雄

  19. 長峯基

    長峯政務次官 このたび総理府総括政務次官を拝命いたしました長峯基でございます。  総理府本府は、男女共同参画社会形成国際平和協力業務を初め政府広報栄典行政など、内閣官房一体となって、政府として統一的に取り組むべき重要な行政を担っております。  私は、総理府本府に課せられましたこのような任務の重要性を認識し、また、今般の国会活性化の流れの中で新たな役割を担うことになりました政務次官としての重責を果たすべく、全力を尽くしてまいる所存でございます。  植竹委員長を初め諸先生方の格別の御指導を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。(拍手
  20. 植竹繁雄

  21. 持永和見

    持永政務次官 このたび総務庁総括政務次官に命ぜられました持永和見でございます。  植竹委員長を初め内閣委員会理事あるいは各委員皆様方の御指導、御鞭撻を受けながら、続長官を補佐し、行政改革あるいは総務庁所管行政推進全力を尽くす決意でありますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。  ありがとうございました。(拍手
  22. 植竹繁雄

  23. 米田建三

    米田政務次官 このたび北海道開発総括政務次官を拝命いたしました米田建三でございます。  北海道は、実に国土の二二%を占める広大な空間と、また雄大な自然環境を有する極めて開発可能性の高い地域であります。また、食糧安定供給を担う食糧基地国民余暇需要にこたえる観光保養基地としての発展が期待されます。さらに、サハリン開発等の展開を見据えれば、その地理的要素からも、今後の我が国全体への大きな貢献が期待されているわけであります。この北海道開発は、同地域のみならず、我が国全体の長期的発展に欠くことのできない課題であり、極めて重要なものであると考えております。  金融不況影響等北海道を取り巻く環境には厳しいものがありますが、二階長官の御指導のもと、社会資本の効率的かつ重点的な投資などにより、新たな発展基盤整備してまいる所存であります。  今回の国会改革趣旨にかんがみ、総括政務次官として与えられた使命を踏まえ、北海道開発行政推進のために全力を尽くす決意であります。  植竹委員長を初め委員の諸先生方の御指導、御鞭撻を何とぞよろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)      ————◇—————
  24. 植竹繁雄

    植竹委員長 次に、内閣提出参議院送付一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。続総務庁長官。     —————————————  一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案  特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  25. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいま議題となりました一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  本年八月十一日、一般職職員給与改定に関する人事院勧告提出されました。政府としては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、一般職職員給与に関する法律国家公務員育児休業等に関する法律及び一般職任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律等について所要改正を行うこととし、ここにこの法律案提出した次第であります。  法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、一般職給与法改正について申し上げます。  その改正の第一点は、人事院勧告どおり指定職及び本省庁課長級職員を除く職員俸給月額改定することであります。また、福祉施設勤務する指導員等を対象とする福祉職俸給表を新設することといたしております。  第二点は、期末手当及び期末特別手当について、支給割合をそれぞれ年間〇・三月分引き下げることであります。  第三点は、宿日直手当について、通常宿日直勤務に係る支給額限度額勤務一回につき四千二百円に引き上げるなど、所要改善を図ることであります。  第二は、国家公務員育児休業法改正については、期末手当勤勉手当または期末特別手当基準日育児休業をしている職員のうち、直前の基準日の翌日から基準日までの間に勤務した期間がある職員には、それぞれ期末手当勤勉手当または期末特別手当を支給することといたしております。  第三に、任期付研究員法改正については、任期付研究員に適用する俸給表のすべての俸給月額改定することといたしております。  第四に、さき通常国会において成立いたしました国家公務員法等の一部を改正する法律について、所要規定整備を行うこととしております。  以上のほか、施行期日適用日、この法律施行に関し必要な経過措置等について規定することといたしております。  引き続きまして、特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  本法律案は、特別職職員給与について、一般職職員給与改定にあわせて、所要改正を行おうとするものであります。  法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  秘書官の俸給月額を、一般職職員給与改定に準じて引き上げることといたしております。  以上のほか、施行期日適用日等について規定することといたしております。  なお、内閣総理大臣国務大臣等一般職における本省庁課長級に相当する職以上の特別職給与については、据え置くこととしております。  以上が、これらの法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  26. 植竹繁雄

    植竹委員長 これにて両案についての趣旨説明は終わりました。     —————————————
  27. 植竹繁雄

    植竹委員長 この際、お諮りいたします。  両案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局長大村厚至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 植竹繁雄

    植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  29. 植竹繁雄

    植竹委員長 これより質疑に入ります。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。松本純君。
  30. 松本純

    松本(純)委員 自由民主党の松本純でございます。  本日は、続総務庁長官を初めとする国務大臣並びに政務次官皆様に、まず御就任のお祝いを心から申し上げさせていただきたいと存じます。  ただいま御説明をいただきました法案につきまして、基本的な問題について幾つか御質問をさせていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず初めに、勧告基本的な考え方についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  我が国経済雇用情勢は引き続き厳しい状況にあります。ことし九月の完全失業率は、若干改善をされたとはいえ、まだ四・六%と高いレベルで推移をしているところであります。人員削減を抑え賃上げを行った企業等、これらはまさに血の出るような経営合理化を努力し進めてきたことと推察をするところでありますが、このような努力の積み重ねによってあらわされた失業率ではないかと思います。  人事院勧告制度公務員の労働基本権制約の代償措置として非常に重要なものであり、労使関係を安定させる上でも人事院勧告の実施は非常に重要なことであると考えます。この安定した関係の中で、国家公務員の皆さんにはそれぞれの立場で国家国民のために大いに力を発揮していただかなければなりませんが、一方、厳しい経済環境下にさらされている民間人、民間企業皆様のことを考えると、身分保障の厚い公務員のベースアップを行うことは国民感情に反することになるのではないかという意見もあります。  本年の勧告は、ボーナスの減により戦後初のマイナス勧告になるとのことでありますが、民間の情勢をどのように受けとめながら勧告を行うに至ったのか、まず人事院総裁基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  31. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 本年の勧告をするに当たりまして、民間の賃金をめぐる状況が大変厳しい状況であったということは、今先生がお話しになったとおりでございます。したがいまして、私たちといたしましては、民間の賃金改定状況、賃金水準の状況、そういうものを正確に把握いたしますとともに、ことし非常に目についたことは、賃金を抑制する、あるいは賃金をカットするというような状況もございましたので、そういうこともあわせてしっかり調査をいたしました。  そういうようなことのみならず、今先生がお話しになりましたように、民間企業におきましては、ベースアップをするために種々の合理化努力というものも行っております。組織の面あるいは人員の面、そういう面において合理化を行っておりますが、そういう状況をもよく把握いたしまして、それに加えまして、ボーナス、いわゆる公務員の期末・勤勉手当に相当するものですが、そういうものの支給状況がどのようになっておるかということも調査をし、私たちは賃金というものを考えるに当たって、必要な諸情勢というものをできるだけ的確に把握するように努めたわけでございます。  そういうような中にありましてことしの勧告に臨みましたけれども、人事院勧告というのは、今先生がお話しになりましたように、労働基本権というものが公務員に制約されておる、その制約されておることに対する代償措置として機能しなければなりませんので、そのことをよく考えた上で、私たちは次の三点というものを考慮に入れて、結局、一般職員については〇・二八%、課長以上の管理職についてはベースアップを見送らせていただくというような決断をしたわけでございます。  その一つの要因というのは、やはりこういう厳しい状況にありましても、民間企業のおおむね六割に近いところがベースアップを非常にわずかでございますけれども行っておるという状況が見られました。  第二番目に、同じ公務組織で働きます四現業職員、おおむね三十万人を超えるわけでございますけれども、その四現業職員につきましては、中央労働委員会の仲裁裁定が〇・二五%というベースアップを出しておりますけれども、それを実施するという決定がございました。  そして第三番目といたしましては、先ほど申し上げましたように期末・勤勉手当、いわゆるボーナスですが、その民間状況を的確に把握いたしますと、やはりどうしてもことしは公務員の期末・勤勉手当のマイナス勧告というのをせざるを得ないということでございまして、それもかなり大幅だということになりますと、マイナス勧告とあわせまして、ベースアップの方の〇・二八%、わずかでございますけれども、それもやはり勧告させていただくのがバランスがとれていいだろう、そういう判断をさせていただいたわけでございます。  そういうことでことしの勧告というものをさせていただいたということでございまして、私たちも、及ばずながら、いろいろなデータを把握し、そして、いろいろな方面の御意見というものもお聞かせいただいた上で、そういう決断をさせていただいたわけでございます。
  32. 松本純

    松本(純)委員 ただいま総裁より、さまざまな調査をされて、データを得て、その中で情勢を的確に把握をし、この決断をされたというお答えであります。  この民間調査についてでありますが、公務員給与国民の負担によるものなので、当然のことながら、国民の納得を得られるような公正なものである必要があることは言うまでもありません。したがって、民間状況をしっかりと、ただいまお話にありましたように、調査をされ、勧告に反映させていくことが大変重要でありますが、その調査につきましては、どのような民間給与調査を行われてきたのか、人事院総裁にお尋ねをしたいと思います。
  33. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 ただいまの答弁で少し触れさせていただきましたけれども、一つは、民間企業で働く労働者のことしの四月一日現在の賃金水準というのを把握いたしました。その場合に、ベースアップというものをことしの春闘で行った企業だけではなくして、ベースアップをしていない、あるいはまた賃金カットをしておる、そういう企業も含めまして、四月一日現在の賃金水準を把握するようにいたしております。  それから、賞与でございますけれども、公務員の期末・勤勉手当でございますけれども、年間の民間企業で働く労働者のボーナス、その支給額というものを把握し、そして、年間の民間労働者の賃金というものの額を把握して、何・何カ月分に相当するかということを算出いたしました。  それから、ことしは殊のほか労働者の身分について非常に厳しい状況が見られましたので、派遣社員等の再契約の中止とか解雇の状況、あるいは正社員の解雇の状況、そういうものも調べて、民間の厳しい状況というものを把握いたしておりました。  それから、昨年の人事院勧告を実施するかどうかいろいろ国会で御議論いただきました際に、その議論の中で、小規模企業、現在、公務員の場合には、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上という規模の企業を対象に調査しておるわけですが、それよりも小さな企業の状況も把握したらどうだというような意見もございましたので、ことしはその状況も把握するように努めました。  そういうようないろいろの状況調査し、そのデータというものをもとにして、先ほど御説明いたしましたような勧告をさせていただいたということでございます。
  34. 松本純

    松本(純)委員 ただいま人事院総裁から基本的考え方や調査についての御説明、御報告をいただいたところでありますが、この人事院勧告に基づく給与改定について、総務庁長官としてどのように感じていらっしゃるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  35. 続訓弘

    ○続国務大臣 まず冒頭に、松本委員から私に対する励ましのお言葉をいただきまして、大変恐縮いたしました。ありがとうございました。  ただいまの御質問、質問者自身も、厳しい雇用情勢、そしてまた厳しい経済情勢等々を踏まえながら御質問がございました。そして、ただいまは人事院総裁が、その人事院勧告を出した経緯についてるる御説明がございました。  私ども内閣としては、八月の十一日に出された人事院勧告を真摯に受けとめ、八月の十三日にまず閣僚懇談会を開きました。そして、九月の二十一日に再度閣僚懇談会を開き、そして、人事院勧告どおり実施しよう。その趣旨は、今委員が御指摘のとおり、人事院制度は労働基本権制約の代償措置としてあるんだ、しかも、客観的な調査の上の結論である、だとするならば、厳しい状況ではあるけれども、それを内閣として、政府として受け入れよう、こういう決定のもとに今回給与改定法が決定されたわけでございます。御理解を賜りたいと存じます。
  36. 松本純

    松本(純)委員 この決定につきましては、戦後初のマイナス勧告になるということでありますが、この今回の給与勧告公務員にとって大変厳しい内容となっているというふうに私は思うのでありますが、このマイナスというものを総務庁長官としてどのように受けとめられているか、お尋ねをしたいと思います。
  37. 続訓弘

    ○続国務大臣 松本委員御自身も先ほど、日本経済が大変厳しい、しかも失業率も大変だ、失業者もたくさんある、そういう状況分析をなされました。そしてまた、人事院総裁も今るる御説明されましたような内外のそういう状況を踏まえての実は勧告であったわけであります。  その結果は、俸給表は〇・二八のアップであり、ボーナスは〇・三月分の減額である。結果として、一人当たり九万五千円の減額になりましたけれども、今申し上げたように内外の厳しい状況国民感情等も踏まえながら、かつ一方においては、労使の安定的な関係、そして労働基本権制約の代償としての人事院勧告制度、これを尊重する、そういう総合判断のもとでの決定でございます。  したがいまして、今御指摘のように、厳しい内容ではございますけれども、国民理解が得られるものだ、こんなふうに感じております。
  38. 松本純

    松本(純)委員 戦後初のマイナス勧告ということになるわけでありますが、これが公務員の士気を失うことにつながらないように大いに激励をしていただくということは重要なことと思います。また、逆に言いますれば、国民感情から見れば、いかにそれを抑えていくかということも、やむを得ないところでの選択だということがよく今の御説明でわかりました。  どうぞ、これからも支障を来さないように、それぞれのお仕事に働きやすい状況がつくられるよう、さらに配慮されるよう、私からもお願いを申し上げたいと思います。  次に、福祉職俸給表の新設についてお尋ねをしたいと思います。  高齢社会の到来に対応すべく、来年の四月からは介護保険制度がいよいよスタートをいたします。国民の福祉に対する需要が増大をする中で、福祉関係職員の充実は重要な政策的な課題でもあると思います。今回の法案福祉職俸給表の新設が含まれたということは、まことに時宜に即した対応であると私は評価をしているところでありますが、この俸給表の新設を勧告するに至った理由について、人事院総裁にお尋ねをしたいと思います。
  39. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 勧告をするに当たりましての要点は、今先生がお話しになりましたが、もう少し詳しく御説明いたしますと、やはり日本の社会は急速に高齢社会に向かっておる、そしてまた、核家族化というのが相変わらず進行中である、そういうような社会的な変化に伴いまして、福祉の重要性というのがこのところますます増してきております。  したがいまして、そういう背景の中で、福祉業務に従事する職員というものにつきましては、非常に高度な能力そしてまた技術というものを要する。こういう福祉職員というものを数の上においてもまた質の上においても十分に確保していかなければならないという社会的な要請があるだろうということを、厚生省初め所管省庁からかねがね話を伺っております。  私たちもその必要性というものをよく認識しておったわけでございますけれども、関係各方面との調整も終わりまして、福祉職俸給表を新設することが、この際日本の福祉行政というものを前進させることになるという確信を得ることができました。  したがいまして、福祉職員というものの専門性、その技術性というものを評価しながら、そして、非常に簡素な職務執行体制で仕事をしておられる、そういうような事実というものを十分評価して、今回、福祉職俸給表というものを勧告いたしました。それによりまして、福祉職員というものが社会的に十分評価され、認知され、そして励みを持って日本の福祉社会というものを支えていただくようになることを期待しておるわけでございます。
  40. 松本純

    松本(純)委員 ただいまの福祉職俸給表の新設でありますが、この俸給表が決まってまいりますと、地方公共団体や民間の社会福祉施設に多くの福祉関係職員の皆さんが勤務をしていらっしゃると思いますが、国におきまして福祉職俸給表を新設されますと、これらの多くの福祉関係職に、専門職種として取り組んでこられた方々に、社会的に明確な立場、位置づけというもの、社会的な評価が高まるということに資するものにもなると思います。  この意義深い福祉職俸給表は具体的にどのような職員に適用になるのか、お伺いをしたいのでありますが、内容は実務的な質問になってまいりますので、人事院給与局長にお答えをお願いしたいと思います。
  41. 大村厚至

    大村政府参考人 お答えします。  福祉職俸給表の新設は、国の社会福祉施設等に勤務する職員の専門職種としての立場を適正に評価いたしまして、その職務の専門性にふさわしい処遇を図るよう措置するものでございます。  したがいまして、福祉職俸給表の適用につきましては、まず第一に、社会福祉に関する専門的知識、技術を持っておりまして、また、自己の判断に基づき独立しまして、児童とか心身の障害のある者に対して必要な援護、育成、更生のための指導とか保育とか介護等の対人サービスを行う者を対象としております。  具体的にどんな職種がこれに当たるかと申し上げますと、国の社会福祉施設等でございます国立身体障害者リハビリテーションセンター、それから国立光明寮、国立保養所、国立児童自立支援施設、国立知的障害児施設及び国立療養所等に勤務する児童指導員、保育士、介護員等約千名がこの対象になると考えているところでございます。
  42. 松本純

    松本(純)委員 千名になるということでありますが、この福祉職俸給表が適用された場合、今までの行政俸給表と比較をして給与水準はどのように変わるのかにつきましても、人事院給与局長にお尋ねをさせていただきます。
  43. 大村厚至

    大村政府参考人 福祉職俸給表は、必ずしも福祉職の職員全体の一律的な給与水準の引き上げをねらったものではございません。福祉職関係職員に対して、その職務の専門性にふさわしい適切な処遇を確保することを目的としたものでございます。  したがいまして、俸給表の水準としましては、現在適用されております行政俸給表の水準をベースとしながら、給与カーブにつきましては、福祉職員というのは当初から一定の専門的な職務に従事するということもございますので、それにふさわしいものとなるように、初任給部分を三%から六%引き上げるなどしまして、入り口部分が相応に高い、高原型の給与カーブにするようにしております。  また、級構成でございますが、こういう福祉の関係職員につきましては、簡素な職制に基づいて職務遂行されているような実態もございますので、これに合うように、六級制の、より簡素な級構成の俸給表としているところでございます。
  44. 松本純

    松本(純)委員 今回、福祉職俸給表が創設されることになりましたが、その意義についてどのようにお考えになっておられるか、総務総括政務次官にもお尋ねをさせていただきたいと思います。
  45. 持永和見

    持永政務次官 先ほど来先生からもお話がありますとおり、福祉に携わる方々が、その専門性ということに着目して、何とかその職務を評価してもらえないかという気持ちが前々から強くあったことも事実であります。それを受けて、今回、人事院が国家公務員について福祉職というものを位置づけられました。  先ほども人事院の局長から御説明がありましたように、今回位置づけられた福祉職、これは国家公務員でありますから、千人ということであります。しかし、福祉に携わる方々の数は、きょう先生もお話がありましたとおり、地方あるいは民間、そういうものを含めますとそれよりも大変多い数であります。これがひとつ先導的な役割を果たして、地方公共団体あるいは民間においてもそういった福祉に携わる方々の社会的な評価をきちんとしてもらうということについては、大変大きな意義があると私は思っております。  自治省の方も、今回の人事院の給与勧告を受けて、これは決定になったということで、自治省の事務次官から各地方公共団体の長に対しまして、ひとつ福祉職の独立性についても地方公共団体として十分検討してほしいという要請がなされておりまして、さらにそれが民間にも、恐らくこれから広がっていくと思います。  そういう意味で、高齢化がますます進む中、福祉に対する国民のニーズは増大する一方でありますから、そういう意味では、本当に福祉に携わる方々が誇りを持って、自覚を持ってその職務に専念できるような、そういうことで、私は、極めて意義深いものがあったというふうに思っておるところであります。
  46. 松本純

    松本(純)委員 どうもありがとうございました。  次に、育児休業中の職員に対する期末・勤勉手当についてお尋ねをしたいと思います。  今回の改正法律案では、育児休業中の職員に対する期末・勤勉手当の支給についても措置されていますが、これはまさに政府・与党一体となって取り組んでいる少子対策にも資する対応と考えます。  今回のような制度改正勧告するに至った考え方並びにその予定している措置概要について、人事院総裁にお尋ねします。
  47. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 公務員の世界に育児休業制度というのが導入されたのは平成四年だと思いますが、その当時はノーワーク・ノーペイという考え方で、給与は支給しない、期末・勤勉手当も支給しないということでスタートしたわけでございますけれども、スタート当初から国会を初め関係方面からいろいろな御提言あるいはアドバイスというものがございまして、そういう皆様方の御努力の結果、育児休業手当金というものを支給する。そしてまた今回、今お話しになりましたように、期末・勤勉手当も支給するというふうに制度改正が進んできておるわけでございます。  今までは、育児休業中の職員に、期末・勤勉手当基準日育児休業中であれば支給しないということでございましたけれども、これからは、もしこの勧告を受け入れていただき、法律改正ができ上がりますと、基準日育児休業中であっても対象算定期間に勤務実績がある場合には、その勤務実績に応じた期末手当勤勉手当を支給していこう、そういう制度改正でございます。これは民間とも歩調を合わせることができますし、育児休業中の職員にとっては非常に喜んでいただけるだろうというふうに思います。  今先生がお話しになりましたように、日本の社会は少子高齢化に向かって進んでおります。そういう中で安心して子育てができるということを考えますと、非常に社会的にも意義のある制度改正じゃないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
  48. 松本純

    松本(純)委員 ありがとうございました。  最後に、恩給改善基本的考え方についてお尋ねをしたいと思います。  軍人恩給は国家補償であるとの観点から、総務庁長官の御見解をお尋ねします。
  49. 続訓弘

    ○続国務大臣 さきの大戦で国のために身をささげてお亡くなりになった方々、あるいは病を得られた方々、あるいはそれらの御遺族に対して、国が何らかの措置を講ずるということは当然のことだと私は思います。今、委員御自身も国家補償とおっしゃいましたけれども、我々は、国家補償的関係だ、こんなふうに歴代言い続けております。  したがって、いずれにいたしましても、国のために一身をささげられた方々に対して国が誠意を持っておこたえすることは当然だ、これからもその姿勢を一貫して続けさせていただきたい、こんなふうに思います。
  50. 松本純

    松本(純)委員 ありがとうございました。  私の質疑持ち時間が終了をいたしましたので、以上で終わります。
  51. 植竹繁雄

    植竹委員長 次に、山元勉君。
  52. 山元勉

    山元委員 民主党の山元でございます。  最初に、青木長官、続長官持永政務次官、今大変重要課題が山積しているときですし、とりわけ難問が多いときです。御就任、お祝いを申し上げますというよりも、ぜひ国民の期待にこたえて御奮闘いただきたい、お願いを申し上げておきたいというふうに思います。  時間もないですから、簡単に給与法について触れさせていただきます。  きょう議案となっております法案内容、人勧そのものですけれども、内容について少しお尋ねをしたいのです。  今もお話がありましたように、今度の福祉職の俸給表だとかあるいは育児休業中の一時金の支給だとか、確かに前進といいますか、評価できる部分がございます。今の時代の要請にこたえたものだというふうに思います。  しかし、民間の賃金、雇用の状況を考えて理解をせざるを得ないというふうには思いますけれども、この勧告内容は、ベアはわずか〇・二八%、期末手当が〇・三カ月、勧告史上初めての年収マイナスという勧告、あるいは法案内容になっているわけです。公務員の皆さんの生活を考える、あるいは士気を考える、あるいは景気に与える影響も考えるというと、大変この勧告内容の意味というのは大きいというふうに思っているのです。  まず最初に、政府として官房長官、この勧告、この法案について、今申し上げましたようないろいろの観点がありますけれども、どういうふうに評価をしていらっしゃるか、お考えになっているか、お伺いをしたいというふうに思います。
  53. 青木幹雄

    青木国務大臣 山元委員にお答えをいたします。  今委員がおっしゃいましたように、本年度の人事院勧告は、期末手当等の引き下げ、職員の平均給与が戦後初の減少、非常に厳しい内容であることは十分承知をいたしております。ただ、これは専門第三機関である人事院が行う客観的な調査に基づくものでございまして、民間の厳しい給与実態を反映したものである、そういうふうに認識をいたしております。  本年度の国家公務員給与改定についても、人事院勧告制度尊重の基本姿勢のもと、民間が極めて厳しい経済状態にあることを踏まえて、労使関係の安定、職員の士気の向上等にも配慮しながら、国政全般の観点から議論を尽くした結果、政府としては勧告どおりの実施を決定させていただいたような次第でございます。
  54. 山元勉

    山元委員 客観的調査に基づいてということを理解できると先ほども申し上げました。人事院にお伺いしたいのですけれども、今の公務員状況というのは、例えば中央省庁の再編の問題、あるいは定員削減というような身近な問題もあります。あるいは独立行政法人へ移っていく、あるいは問題でいえば介護保険制度だとか、さまざまな仕事が多い。非常に公務員は明るい気持ち、元気にということにはなっていない状況だというふうに思うのですね。そういう状況の中で頑張っている公務員に対する勧告を人事院は出されたわけです。  私は、やはりこの今の状況というのを十分勘案してといいますか、公務員の皆さんが十分理解をして納得をして、あしたも頑張る、こういう勧告でなければならないという思いがおありだったのか、そのことについてはどういうお考えでこの勧告を出されたのか、その気持ちについて、御見解についてお伺いをしておきたいと思います。
  55. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 ことしの勧告をするに当たりましては、人事院としては非常に選択に迷うといいますか、非常に悩ましい期間がございました。おっしゃいますように、国家公務員というのは今いろいろな課題を抱えて、そして、その課題というものを国民が期待するような方向で解決していかなければならないという大変な責務を負い、日夜それに努力しておるということもよくわかります。  よくわかりますけれども、私たちも片一方、民間状況というものを調べてみましたら、やはり民間の方でも同じように、国際競争の厳しい中で生き残っていくために、競争に打ちかつために、いろいろな合理化努力をやりながら企業のリストラを行っておるという状況でございます。やはり官民ともに今大変難しい時期に来ているのだというふうに思います。  そういう中にあって、私たちが先ほど御説明申し上げましたように、民間給与状況というものを調べましたら、こういう勧告をせざるを得ない。そして、そういう勧告のもとにおいて、国家公務員の皆さん方が、今先生がおっしゃいますようないろいろな課題国民の期待するような方向で解決していただく、取り組んでいただく。そういうことをあわせて、やはり人事院としても一般国家公務員お願いしていきたいという気持ちでございます。
  56. 山元勉

    山元委員 確かに、ことしの勧告に至るまでの状況を見てみますと、政府の皆さんも、あるいは人事院の皆さんも大変な、萎縮といったら失礼かもしれませんけれども、今も総裁の言葉にありましたけれども、悩んだ、こうおっしゃっていました。確かに揺れている時期を私たちも見ていました。また、与党の中でも、こういう民間状況だから公務員の賃金は引き下げろという声も私の耳にも聞こえてまいりました。そういう状況から考えると、大事なことをしっかりと今確認しておかなければならぬというふうに思うのです。  確かに民間状況は大変だけれども、公務員の賃金については、私たちの言葉で言うと労働基本権を剥奪した代償としてあるわけですから、人事院勧告の機能というのは、民間実態をしっかりと調べて、そして粛々と勧告をするということが大事なんだろうというふうに思います。  状況が厳しいから格差があるけれども勧告をしないとか、あるいは、勧告があったけれども実施をしない、こういうことがあっては、直ちにこれは労働基本権の問題になるんだろうというふうに思います。そういう重要な意義を持っている人勧制度ですから、私は、人勧がいつもベア勧告をすべきだというようなことは言いませんけれども、しっかりとしたそういう基本的な立場というのは堅持をしていく必要があるんだろうというふうに思います。  今まで何回か政府から、あるいは人事院から、堅持するという言葉がありますけれども、私は、ことしの状況を見ていると、今も言いますように、議員の中でも、あるいは政府にも人事院にも揺れがあったというふうに思うのですが、人事院勧告制度というものについてのお考えを改めて官房長官総務庁長官にお尋ねをしておきたいと思います。
  57. 青木幹雄

    青木国務大臣 ただいま先生のおっしゃったとおり、人事院勧告は当然尊重すべきでありますけれども、我々としても、いろいろな社会情勢、それから各企業との格差、そういうものを十分検討した結果出した結論でございます。
  58. 続訓弘

    ○続国務大臣 今お尋ねの件につきまして、お答えを申し上げます。  委員御自身も御発言ございましたように、人事院制度というのは労働基本権の代償措置としてあるんだ、したがいまして、政府は一貫してその勧告を尊重するという姿勢を貫いております。
  59. 山元勉

    山元委員 ぜひそのことについては基本的な問題として堅持をしていただきたい。これは人事院総裁にはお尋ねをしませんでしたけれども、勧告する側ですから、尊重されるのは当たり前だというお気持ちで、これからもそういう仕事をしていただきたいというふうに思います。  重ねて言いますけれども、省庁再編で身分が移る人もあります、行政法人。あるいは二五%定員削減、これはむちゃな話だというふうに私は思っています。事務量、職務量、業務内容がふえていくときに、しっかりとそのことを見きわめて、特定の党の、あるいは一時の政府の、思いつきとは言いませんけれども方針で、二五%、四分の一減らすんだということがまずありきというような今の状況。  これはまた別のところで論議をいたしますけれども、この定員の問題にしてもそうですし、給与の問題にしてもそうですが、そういうことが一方的に決められて押しつけられていくということになってはならないというふうに思うのです。それは基本権の問題もありますし、士気の問題もありますから、ぜひそういう点については、公務労働者の皆さんの理解を得ながら進めていくということをきっちりと考えていただきたい。  そのことについては、官房長官人事院総裁も、今の勧告制度も現場で働いている人たちの気持ちを大事にするということの一つですけれども、きちっと大事にする、その理解がなければ国民へのサービスは保障できないんだ、低下をしていくんだという危惧があるということで積極的に対処していただきたいというふうに思いますが、重ねて官房長官人事院総裁にお伺いしたい。
  60. 青木幹雄

    青木国務大臣 ただいま山元議員がおっしゃったとおりの気持ちで、私どもも今後対処していきたいと考えております。
  61. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 おっしゃることは非常に重要なことだと思います。  私たちも、従来から、職員団体側の御意見もよくお聞かせいただいておりますし、また、その職員団体と一緒に各省それぞれ仕事をしておられる管理者側の意見もよく聞かせてもらっております。また、現場に足を運びまして、それぞれの現場でどういう苦労があるか、そして、どういうようなことに悩んでおるかということもよく把握して今まで仕事をしてきたつもりでございますけれども、そういうことをこれからもまた重ねてまいりたいというふうに思います。
  62. 山元勉

    山元委員 ありがとうございました。  今、公務員は大変忙しくなっている、そういう状況にあると申し上げましたけれども、この際、超勤の縮減についてお伺いをしたいと思うのです。  公制審の後できた公務員制度調査会で、ことし三月に答申が出されました。それによりますと、人事院が今まで出していらっしゃる超勤の縮減に関するガイドライン、指針を踏まえて、政府全体として超勤縮減について改めて努力をしなさいという答申が出ました。  それで、今まで何回かこの委員会でも論議になりました、公務員の在職死亡というのが非常に多い。きょうの朝のニュースでも、超勤、過労による自殺死というのがニュースになっていました。公務員の中にもそういう状況があるわけですけれども、この三月の答申についてどういうふうに検討をしていらっしゃるのか。これは総務庁と人事院のお仕事だろうというふうに思いますが、この超勤の縮減について、かけ声は今まであるわけです、論議もありましたけれども、具体的にどうするのかということについて、今の検討状況をお知らせいただきたいと思います。
  63. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、超勤の問題につきましては、やはり御指摘のような大変な問題がございます。したがいまして、三百六十時間を限度にという方針を示しております。  しかし、このことについても非常に難しいテーマがございました。たまたま参議院でこの問題の議論がございました。椎名議員からの質問でありました。そこで私はお願いをしました。確かに予算編成時における大蔵関係の仕事がたくさんあって、内部の公務員もさることながら、外部の人たちにも超勤を強制しているという状況がある、これはやはり事務の合理化を図る必要があるのじゃないでしょうか、あわせて、願わくは国会等々についてもぜひ御考慮をいただきたい、こういうお話を申し上げました。  ぜひこのことは御理解をいただきたいと存じます。
  64. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 職員の健康管理の面、また福祉の面におきましても重要な問題でございますので、今、総務庁長官がお話しになりました。  非常に経験の豊かな長官でございますので、よく協議をいたしまして、また御指導いただいて、取り組んでまいりたいというふうに思います。
  65. 山元勉

    山元委員 このことについては、ことし一月に人事院が通知を出していらっしゃいます。極めて具体的な部分もあるわけです。今お話にもありましたように、国会の問題もありました。例えば、上限の目安問題はもちろんですけれども、国会関係だとか国際関係、予算折衝、「他律的」というふうに書いてあります。他律的な業務を公務員がやらされるという言い方なんですけれども、そういう他律的な業務で、この国会関係というのは一番先に書いてあるのです。質問通告などもそのたぐいだろうというふうに思います。  私どもが心しなければならぬというのはこの一月のときにも話し合いをしましたけれども、あるいは長時間の超過勤務を命じざるを得ない、確かにこれはございます。そのときの健康管理をどうするのか。これは具体的に、少ない方が望ましいんだ、縮めなきゃいかぬのだというかけ声だけではどうにもならぬわけです。人事院がこういう通知をそれぞれのところへ出された。具体化していく、あるいはこれをさらに積極的に進めていくというのは、総務庁なりあるいは官房長官の仕事かもしれません。ぜひこのことについては、もっと人事院が出した通知を厳正に守っていくべしという具体的な手だてがないと、手当てをしないと、これは具体化していかない。今まで長い間のかけ声だけにやはり今度も終わってしまうのではないかという気がするわけですね。  というのは、今の状況というのは、十二省庁の再編の問題、さっきも言いましたけれども、これは想像以上に大きな仕事になっているわけですから、そこのところが大事なんだろうと思うのです。そういう大事なときにきちっとした歯どめがかけられないようじゃ空念仏になるわけですから、その点、官房長官総務庁長官の御決意をお伺いしておきたいと思うのです。
  66. 青木幹雄

    青木国務大臣 定員削減という非常に厳しい問題にこれから取り組んでいかなければいけない中で、超過勤務の問題は非常に大切な問題だという認識をいたしておりまして、政府としても、十分意を用いながら、今後前向きな検討をしていきたい、そういうふうに考えております。
  67. 続訓弘

    ○続国務大臣 もちろん、事務の合理化を図って超勤を減らすことも重要でございます。その努力は各省がおやりになっていると思います。  同時に、今委員御自身も触れられましたように、国会の問題等々については非常に、私どもが言えないテーマであります。したがって、例えば二日前に質問が出される、そうであればその準備は昼間のうちにできるわけです。そういうこともあわせて考慮していただいて、ぜひこの問題の解決に積極的に対応をお願い申し上げます。
  68. 山元勉

    山元委員 官房長官の、意を用いてとか、あるいは今の総務長官の、言えないテーマもある、これは、やはり私が心配する念仏に終わってしまう可能性があるお答えだったと思うのです。やはりこれは、きちっとそうあるべきということについての積極的な、具体的な案を出していただく必要がある。  言葉じりをつかまえるわけじゃないけれども、総務長官の、各省でやってもらっていると思っている、これはいかぬことだというふうに思いますから、どうかこのことについては具体的にお取り組みを強めていただくようにお願いをしておきたいと思います。  それから次に、勧告の中にもありました、男女の雇用について触れられていましたけれども、官房長官は、先ほどごあいさつにもありました男女共同参画の担当の大臣でもありますから、この際お聞きをしておきたいのですが、ことしの六月に法が成立を、この委員会で論議があって成立をいたしました。ですから、官房長官は先ほどは政府挙げてとおっしゃいましたけれども、国を挙げてやはりこれは日本の社会を変えていく、そういうスタートが切られたんだというふうに認識しなきゃならぬと思うのですが、その法の中に、基本計画を立てるということが決められています。  この基本計画がきちっとつくられて国民の皆さんにしっかりと見える、あ、日本の社会、こういうふうに変わっていくんだな、これは政府だけでなしに、自治体もそれからそれぞれの企業も、それぞれのところで努力しなきゃならぬという枠が見えてくる、そのための基本計画だというふうに思うのです。これの具体的な作業の進みぐあい、どういうふうに今現在お考えになっていらっしゃるか、お考えとあわせてお聞かせをいただきたいと思います。
  69. 青木幹雄

    青木国務大臣 男女共同参画社会基本法では、今委員御指摘のように、第十三条において、政府は、男女共同参画社会形成の促進に関する基本的な計画として、男女共同参画基本計画を定めていかなければならないということになっております。  本年の八月九日に、内閣総理大臣から、男女共同参画審議会に対しまして、男女共同参画社会基本法を踏まえた男女共同参画社会形成の促進に関する施策基本的な方向について諮問があり、これを受けまして、審議会において、基本計画を策定する際の、今委員御指摘のような基本的な考え方に関する検討作業を今進めていただいているところでございまして、この答申を踏まえて検討することになるわけでございますが、現時点においては、大体平成十二年度中には基本計画を策定できるように努力をいたしたい、そういうふうに考えております。
  70. 山元勉

    山元委員 人事院は、この勧告の報告の中で具体的に物を言っていらっしゃいます。各省庁における採用、登用の状況等の把握に努めるとともに、各省庁と協議しつつ、計画的な措置を促し支援するための施策について幅広く検討を進める、こうなっているわけです。  今後、今官房長官もおっしゃるように重要な施策一つですから、人事院もきちっとしたそういう検討を進めなければならないと思いますが、とりわけ大事なのは、やはり積極的な促進計画を人事院みずからが出していただくことだというふうに思います。今後、この報告が出しっ放しではなしに、実際に見えてくるようにするために、人事院は今どういうふうにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  71. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 女子職員というものを、女子の方にできるだけ公務の世界に入ってきていただくようにまずしなきゃならない。したがって、そのために、女子の学生の皆さん方に公務の世界についての理解を求めるといいますか、実態を知っていただくためのPRをまずいたしたいというふうに考えます。その上で、そういう方々ができるだけ公務員の世界にチャレンジしていただく、試験を受けていただくというふうに努めてまいりたい。その上で、入ってきてくださった方々にはできるだけいろいろな体験をしていただくということを心がけていかなきゃならないというふうに思います。  これから法の精神というものをよく踏まえまして、そして、総理府の共同参画室の御指導もいただきながら、節目節目で実態を把握しながら、各省によくお願いをしてまいりたいというふうに思います。
  72. 山元勉

    山元委員 九七年の国家公務員の女性の割合というのは一九・九%。先進諸国に比べて半分。非常に低い実態が厳としてあるわけです。  ですから、このことについては、公務員制度調査会でも具体的に七項目を挙げていらっしゃる。例えば、採用時に女性が不利にならないようにするだとか、あるいは試験官にも女性を入れるとか、いろいろ具体的なことを細かに書いてある。これは、一つ一つやはり実践していけば改善の道は開けてくるというふうに私は思います。  私の予定の時間がありませんので、具体的にこれらについてお尋ねするわけにはいきませんけれども、どうか、公務員制度調査会の一つの考え、七つほど項目が書いてありますけれども、人事院がこれから具体的に物を各省庁に求めていくという土台にしていただいて御努力をいただきたいということを申し上げて、この問題については終わりたいと思います。  それで、次ですが、公務員倫理法について、これもこの委員会で、さき通常国会、八月に成立をいたしました。論議があって成立をいたしました。  私ども民主党は、昨年の二月から、公明党さんや自由党さんや共産党さんと一緒になって共同提案をして、何とかこのことが実現するようにということで、各協議の場で積極的に主張してまいりました。今度この八月に成立した公務員倫理法は、全く十分だとは言えないというふうに私ども思っていますけれども、一つのステップとしてやはり大きな意義を持っているというふうに思っています。  これは、公務員の相次いだ不祥事に対する国民の信頼が低下をした、そういうために各省庁で倫理規程をつくってやってきて、その実効がなかなか上がらないということで法が成立したんだ、そういう力になったんだろうというふうに思っています。  そこで、公務員倫理審査会の設置、まずそこできちっとした監視なり審査をするわけですから、それがないといけないと思うのですが、その状況についてお尋ねをしたいというふうに思います。
  73. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいまのお尋ねは、あるいは人事院かもしれませんけれども、あえてお答えを申し上げます。  今委員御指摘のように、ことしの八月九日に倫理法を可決、成立させていただきました。そして、いよいよ来年の四月から同法の施行があります。そのために、今御指摘のように、国家公務員倫理法の第五条の第二項で、「内閣は、国家公務員倫理規程の制定又は改廃に際しては、国家公務員倫理審査会の意見を聴かなければならない。」こう規定してありますし、さらには十一条の第一号で、「国家公務員倫理規程の制定又は改廃に関して、案をそなえて、内閣に意見を申し出ること。」と書いてございます。  したがいまして、ただいまここに書いてございますように、審査会ができ、審査会の案を添えて内閣へ提示をされる、我々はその提示を受けて、直ちに政令や規程の整備を行う、こういう段取りでございます。御理解をいただきたいと思います。
  74. 山元勉

    山元委員 そこで、人事院にお伺いしたいのですが、政府は待っているということですか、それで動き出すのだろうというふうに思いますけれども、今の作業の状況を具体的にお答えいただきたいと思います。
  75. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 倫理審査会の委員というのは国会の同意に基づいて任命されるわけでございますから、できるだけ早く任命していただけるようにお願いを申し上げたいと思います。  倫理審査会がスタートいたしましてまず最初にする仕事というのは、法律に基づきますと、倫理規程というものの原案を作成していただくということだと思います。この原案につきましては、今までの経験を踏まえまして、その内容については非常に適正なものでなければならないというふうに思います。  まず、倫理規程というものを政令で決めていただいた上で、訓令というものに基づいて、各省それぞれ、また倫理に関する定めをしていただくということだと思います。その上で、法律規定がございますように、贈与とか接待の状況とか、あるいはまた株取引の状況等について報告することになっておりますが、その報告をしていただくための基準を定めていただくということだと思います。  それから、何といいましても、やはり倫理規程の内容というものの適正さと並びまして重要なのは、それぞれの公務員の高い倫理観というものが必要でございますので、いろいろな場所で、倫理観を高めていくための、研修を初めとして、いろいろな工夫をしていかなきゃならないというふうに思います。  いずれにいたしましても、法律でいろいろ義務が課せられておりますので、その法律に基づく責務というものを十分果たしていくための準備というものも、人事院として、また倫理審査会の事務局として、怠りなく実行していきたいというふうに思います。
  76. 山元勉

    山元委員 八月に決まったわけですから、これから急いでやっていただくということだろうというふうに思いますが、実際に運用をして効果を上げていくということについては、政治の側からのチェックも大変大事なんだろうというふうに思っています。政府として、ぜひ急いでこの準備体制をつくっていただいて、今総裁からもありましたけれども、公務員の倫理観についてきちっと確立していくような研修なり、あるいはそういう周知をお願いしたいというふうに思います。  ところで、公務員に対する厳しい倫理は決まりました。五千円以上の接待は報告をしなさい。あるいは、審議官以上でしたか、所得について報告をしなさい。非常に厳しい、五千円だとかあるいは接待の報告だとかいうことがある。しかし、これだけでは、今の日本の政治、行政について倫理を確立するということにならないだろうというふうに私は思います。  私どもは既に、政治家の倫理ということについて法案提出しています。一つは、国会議員の株の公開の問題ですが、公明党さんや自由党さんと一緒になって提案している。あるいは、あっせん利得罪と言われている、そういう処罰法について、参議院で私ども民主党と公明党、社民党、参議院の会が一緒になって、ことしの五月に提出をしているわけです。  そこで続長官、今まで公明党さんは倫理に厳しい党として重ねておっしゃってまいりましたし、私どももそういうことで期待をしている御党です。公務員倫理法は決まったけれども、政治家の倫理法についてどうするんだ、我々が出しているあっせん利得罪や株の公開ということについてどういうふうに続長官はお考えか。  これは今申し上げましたように、公明党を代表してということに当たるのですか、公明党からの入閣をされている続長官に、私ども御期待を申し上げながら質問させていただきたいというふうに思うのです。
  77. 続訓弘

    ○続国務大臣 この問題につきましては、十一月四日並びに五日の衆参本会議でも御質問がございました。御答弁申し上げました。  その趣旨は、今御指摘のような法案をかつて御一緒に出させていただきました、しかし与党の枠組みが、政党の枠組みが変わりました、しかし同時に、そうはいうものの、我々は与党三党の中でこの問題を真剣に議論し、そして成案が得られるように努力をいたします、その推移を見守らせていただきます、こう申し上げました。今もその姿勢で進ませていただきたいと思います。
  78. 山元勉

    山元委員 いや、私がお聞きしているのは、その努力をしていただく、例えば企業・団体献金の問題について、あえて反対するというような言葉も、貫くとおっしゃっていましたから、その点についてはわかるのですが、今私が申し上げたのは、例えばあっせん利得罪について、共同で既に議会に提出されているわけですね。具体的にこの法案の成立について、引き続いて努力をしていただけるのかどうかをお尋ねしたい。  今の御答弁だと、三党の中で努力しますという、一般論といったら失礼ですけれども、そうではなく、具体的に、既に党として出している法案について御努力をいただけるのかどうかということをお尋ねしたいと思っております。
  79. 続訓弘

    ○続国務大臣 委員御自身も、企業・団体献金のことに触れられました。私は、あのときにも、四日、五日のときにも申し上げました、私どもは主張し続けますと。どうでしょうか。十一月十日のクエスチョンタイムのときに、総理おんみずから決断をされました。  今のテーマにつきましても、私どもが主張し続ける、それに対して与党三党の間で議論が巻き起こり、結果として今委員がお話しされましたような方向に行くのではなかろうか、その努力をお互いにしなくちゃいかぬ、こんなふうに私は思います。
  80. 山元勉

    山元委員 確かに、企業・団体献金についてはそういう方向で努力をしていただいて、ああいうふうにいわば転換がありました。そのことについては御立派といいますか、よかったなというふうに思っています。  けれども、このあっせん利得罪とか、こういう二つの問題は、今まで論議をされていてなかなか難しい問題です。ですから、今続長官がおっしゃったのは、与党三党の中で真剣になって努力をする。私は、党が協議をしてあっせん利得罪という一つ法案をつくって国会に出すというのは、本当にこれは、公党としての決意といいますか、政策として出したわけですから、最初のときにちらっとありましたけれども、枠組みが変わったということで、この魂は変わらないのだ、変えてはいけないのだというふうに思っています。  ですから、今の御答弁は、これからも自分の政治家としての信念で努力をするという強い御決意がおありだ、そういう表明をいただいたというふうに考えますけれども、よろしゅうございますか。
  81. 続訓弘

    ○続国務大臣 これとは若干異なりますけれども、例の定住外国人に対して参政権を、御党と私どもで一生懸命汗をかきました。これもどうでしょうか。与党三党の中で協議をし、次の国会には、あるいは時間がかかるかもしれませんけれども、一生懸命それではその方向にと、こういうことが図られたと私は思います。  したがって、今の件につきましても、私どもがそういう主張をし続けることによって御理解がいただけるもの、こんなふうに思います。
  82. 山元勉

    山元委員 今の気持ちというのですか、精神の続きになるわけですけれども、藤波元官房長官の問題についてお尋ねをしておきたいと思うのです。  このリクルート事件の最高裁判決が確定をした。懲役三年、執行猶予四年というのが先日確定をしました。これは十分御案内です。バブルの最盛期に、一九八八年ごろだったと思いますが、表面化しました。そして、そのときにはおよそ十億円近い金が動いたというふうな話がありますけれども、藤波被告について言えば、リクルートコスモス社から二千万円の小切手を受け取った。そして、一万株の未公開株を受け取った。これが受託収賄罪に問われたものだというふうに理解をしています。  庶民から見れば、二千万円の小切手が動いた、あるいは値上がり必至のリクルート未公開株一万株が受け取られた、これは大変なことだというふうに思いました。そういう事件に対して九七年に判決が出ているわけですが、今度最高裁で確定したわけです。  私どもは、辞職勧告決議案というのを提出いたしました。確かに現在の法では、辞職しなくてもいい、けれども政治資金規正法が改正されたのは、あのリクルート事件から国民の批判が高まって政治家の倫理が問われる、そういうことであの法改正があった。自分が原因になっていても、それ以前のことだからやめなくてもいいのだという理屈は、これは国民には到底理解はされない問題だというふうに私は思う。議運で提出をしましたけれども、上程については否決をされてしまいました。  官房長官総務庁長官にお伺いしたいのですが、この問題について、藤波さんは考える、考えると言っています。あるいは周りの人たちは、進退については本人が考えるべきだ、こうおっしゃっている。いまだに進退がはっきりしていないのですけれども、この事件について、今どういうふうにお考えになっているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  83. 青木幹雄

    青木国務大臣 先生おっしゃいますように、一番厳しい倫理を求められるのは我々政治家だと考えております。そういう面からしまして、今回の問題は、政治家として大変残念なことだと考えております。  政治家の一人として、みずからの職務権限をはっきりさせ、みずからの行動を律し、このような事案が二度と起こらないようにすることが一番重要なことじゃないかと考えております。  いずれにせよ、私といたしましても、政治家と政治倫理の問題について重く受けとめておるところでございます。
  84. 続訓弘

    ○続国務大臣 公明党は、議院運営委員会におきまして、最高裁判所判決で藤波元長官に対する刑が確定した事実は非常に重いものであり、藤波氏は議員を辞職すべきであると述べております。しかし、同時に、先ほど委員が御指摘されましたように、採決はその時期ではない、御本人が出処進退を決めるべきだ、こういう立場から本会議上程の動議に賛成をしなかった、こんなふうに私は聞いております。  私自身も、今官房長官がお述べになりましたように、政治家の倫理というのは、これは大変重いものだ、心しなければならない、我々はそんなふうに思います。
  85. 山元勉

    山元委員 具体的なことで言いますが、先ほど申し上げましたように、公務員の倫理法というのは大変厳しい、五千円以上の接待を受けたら報告しなさい、審議官以上は所得について報告しなさい、これは公開します、こうなっているわけです。この二千万円の小切手とか一万株の株という話とはけたが違うわけです。  そういうことを官房長官の職にあった人が犯した。これは確定したわけです。けれども、それは残念で重く受けとめるけれどもということでは、いかにも公務員倫理法と整合しないでしょう。国民の皆さんが納得すると思いますか。今続長官がおっしゃったように、その時期ではないんだということを国民の皆さんが承知をすると思いますか。五千円だけれども、まあ、あしたから考えよう、それで済むと思いますか。長官、いかがですか。
  86. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、政治家がみずから判断すべきテーマだ、こんなふうに思います。
  87. 山元勉

    山元委員 みずから決める、そうすると倫理というのは、倫理観というのは、公務員にしても、あるいは政治家にしても、みずからが決めるということに戻っていくわけじゃないですか。やはり、それは時の同僚やあるいは政府がこうすべきだということを示す必要があるというふうに思う。長官の言葉というのは、私は国民の皆さんが納得するとは思いませんよ。  先ほども言いましたように、これは当てつけや何かで言っているのじゃなしに、今まで私自身がそういうことについては信頼をしてきたし、倫理に厳しい公明党だということについて思ってきたわけですね。皆さんも重ねておっしゃってきた。  例えば、現にこの問題、判決が平成九年に出たときには、私は今持ってきたのですが、この藤波孝生君の辞職勧告に関する決議案で二十名の賛同者がある。二十名の賛同者がある中で、そのときには党は違いますけれども、今の党でその所属を言いますと、二十名のうち民主党は九名です。公明党・改革クラブは六人です。自由が三、自民が二です。各党にまたがっているのです。平成九年のときに判決が出て、藤波さん、やはりやめなさい、引きなさいよという決議案をそれだけの人が出しているわけです。  それは、上告されるという時点でもこういうことが出されていて、今確定をした。そして、いまだにやはり公務員の倫理について乱れている部分がある、国民の信頼を失っている部分があるというときに、あれは枠組みが変わる前のことやということに私はならぬと思う。重ねて、いかがですか。
  88. 続訓弘

    ○続国務大臣 倫理は法律で決めるテーマではありません、本当は。みずから決めることであります、みずからに課することであります。  我々公明党は、そういう意味では、みずからに厳しい倫理観を持っております。委員も御承知でしょう。一たんひんしゅくを買うような事案が出た場合には、直ちに次の選挙なり、あるいは即刻現職を辞するというのがならわしである、このことは国民皆様方にもちゃんと理解をしていただいていると思います。  事ほどさように、私どもはみずからに課したちゃんとした倫理観を持っております。御理解を賜りたいと存じます。
  89. 山元勉

    山元委員 いや、御理解は無理ですよ。  今おっしゃいましたように、倫理というのは法律で決めるものではない、みずからが決めるものだ、公務員の場合は決めたじゃないですか。公務員は、この限度を超えたときにはみずからを律するのだ、してはだめなのだ。五千円以上は報告しなさいよ、そういうこともあろうけれども、報告しなさいよ、所得については審議官以上は報告しなさいよと法律で決めたじゃないですか。  今度の場合は、藤波さんを辞職させるという法律をつくれということは私は言っていない。同僚として、同じ国民の皆さんの信頼を得なければならない国会議員として、これはとどまるべきではない。現にリクルート事件を起こした人、ここからこの法改正が行われて、執行猶予がついてもやめるべきだという法改正をわざわざしたわけでしょう。  ですから、そこのところは今総務長官の言い方ですると、法律で決めるというのです。藤波さんはやめなさいという法律を決めるということは、だれも言っていないのです。みずから律してやめなさいよと、それが政治に対する国民の信頼を守ることですと私たちは言っているわけです。憎たらしゅうて言っているのではないし、法律を決めて首を切ろうと言っているのではないのです。そこのところ、今の答弁に対して私は納得いかぬですよ。
  90. 続訓弘

    ○続国務大臣 倫理のテーマは法律で決めるべきテーマではない、こう私は申し上げたのです。  しかしながら、今お話しのように、そうであったとしても一定の基準に基づいて倫理法ができました。これも本来ならばそうする必要はないのかもしれませんけれども、やはりいろいろな事案があります。そういう事案に対してやはり一つ法律の歯どめをかけて皆さんに御理解をいただく、そういう法律ができたと私は思います。  今重ねて、藤波元官房長官のお尋ねがございました。私は、藤波元官房長官御自身の倫理観に基づいて、みずからを処せられるべきテーマだ、こういうふうに再三申し上げているわけであります。
  91. 山元勉

    山元委員 先ほども言いましたように、政治に対する国民の皆さんの信頼、政治家に対する信頼というものはきちっと守らなければならぬ、それを乱す人については正さなければならぬというふうに、私たち同僚というのですか、国会にいる者として当然のことだと私は思うんです。ですから、おやめなさいと。  実際に、この二十四日に判決が出た当日の新聞の論調というのは、皆さんも御承知だというふうに思うんです。あの事件を風化させてはならない、政治改革は終わっていない、こういう見出しがばんばん続いた新聞を一斉に書きました。これは国民の皆さんの声だというふうに思うんです。  ですから、私はもう一遍引っ張り出しますけれども、議運でこの決議案を我々が出したときに、公明党の議運の理事さんはこうおっしゃっているんです。藤波氏は辞職の方向で進退を考えているだろう、重い事実を真摯に受けとめて辞職すべきだと藤波氏は考えているだろう、その判断の前に決議を決めるのはおかしい、こう反対していらっしゃるんですね。しかし、いまだに決着がつかないということを私は最初にお尋ねしたわけです。  あのときに、新聞に出ていました。地元の皆さんと相談をしたいとか、前の選挙であれだけ支持をいただいたのだからということがある。けれども、やはり私たちとしては、重ねてしつこく言いますけれども、国政に対する信頼を取り戻していく、守っていくためには、やはりそのことについては、同僚として、あるいは国会としてきちっとすべきだというふうに思うんです。  ですから、これはもう繰り返しません、続長官もそういうことについてはしっかり頑張ると先ほどおっしゃっていましたから。どうかこの問題については、早く国民が納得できる、ああ、少しは魂があるなということが国会に見られるように御努力をお願いしたい。それは今までの続長官の議員としての活動から考えても、今閣僚としての立場にいらっしゃるわけですが、内閣の中で御努力をいただきたいという御期待とお願いを申し上げまして、この問題は終わりたいと思います。  時間が余りありませんから、途中までしか行きませんけれども、今問題になっております企業献金の問題について官房長官にお伺いをしておきたいのです。  九五年に改正されて、そして来年一月には企業・団体献金は禁止をするという、見直しをするという附則がついている。いろいろ論議があって、先ほど続長官も御努力をいただいて、これはやはり禁止をするのだというふうに百八十度変わった。これは私は結構だというふうに思うんですけれども、そうすると、当然この国会で来年の一月に間に合うように今の政治資金規正法を改正しなければならぬと思うんですが、その手続、準備はどうなっていますか。
  92. 青木幹雄

    青木国務大臣 企業献金禁止について、最後に小渕自民党総裁が決断をして党としての決定がなされたことは、議員御承知のとおりであります。でありますから、当然法改正が必要でございます。今三党で鋭意準備に入っているところでございます。
  93. 山元勉

    山元委員 当然そういうふうに総理として、あるいは総裁として決断されたわけですから、この国会でぜひともそのことについては納得のいくような改正をしていただきたいというふうに思います。  この問題を考えてみますと、今までいろいろの紆余曲折があったのですが、時間が余りありませんからそこのところを申し上げることはできぬのですが、総務庁長官は、このことが存続ということになったときに、いち早くこれについては政治改革が後退をするという懸念が新聞にも出ました。ですから、それは私ども期待をしたいというふうに思いますけれども、今の状況を見ますと、各新聞が書いているのを見ると、ちょっと持ってきたのですけれども、これは情けないと国民の皆さんが見ているんです。  企業・団体献金はやはり禁止せざるを得ない、これは国民の反発も大きかった。ところが、新聞の見出しといったら、例えば「抜け道封じ、焦点に」「「禁止」の裏に抜け道ゾロゾロ」「なお残る“抜け道”」とか、どんどんと抜け道という言葉が大きな見出しになって出てきているわけです。これでは国民の皆さんが、ああ、きれいになるな、政治と業界との癒着がきれいになっていくなというふうには受け取っていないのだろうと私は思うんです。  そこで、時間もなにですから、そういう論議、やはりきちっと抜け道を封じて、皆さんが納得できるように、ああ、献金は禁止したのだということにならなければいかぬと私は思うんです。  続長官、今の状況について、先ほど申し上げましたように、政治改革を後退させてはならない、これで後退ということにはならぬのかもしれぬ、禁止になれば。けれども、抜け道がぞろぞろあったり、抜け道がわんさとあるようだったら、これは実質後退、あるいは少なくとも何も変わらないじゃないか、現に新聞記事で見ると、振り込み先を変えたらいいだけだ、こういう言い方をしている人もあるわけですから。長官、今の状況をどういうふうにお考えになっていますか。
  94. 続訓弘

    ○続国務大臣 小渕総理・総裁は十一月の十日のクエスチョンタイムのときに国民に公約されました。法律の指し示すところによってこの問題を処理する、こんなふうにお答えされました。私はそのとおりにされると思います。
  95. 山元勉

    山元委員 いや、長官、私たちもそう信じたいですよ。信じたいですけれども、法律で禁止をするということだけをそのとおりやっても、抜け道がぞろぞろある、こういう国民の見方というのを防ぐ仕事をしておかなきゃいかぬと思うのですね。いや、決めましたよ、法律改正しましたよ、これでもう五年前の約束を守りましたというのでは、国民の皆さんは信頼をしないし、続長官にも頑張ってもらう余地はなくなってしまうわけです。  私は、そこのところはきちっと、先ほどもあった公務員の倫理観という言葉でいえば、政治家の倫理観をこの際どう変えていくんだということでなければ、振り込み先を変えたらいいというような話ではないと思うのですが、重ねてどうですか。
  96. 続訓弘

    ○続国務大臣 山元委員の重ねての御質問、しかと受けとめまして頑張らせていただきます。
  97. 山元勉

    山元委員 私どもは、さき国会でこの政治資金規正法の改正案を出しています。約束どおり二〇〇〇年一月には禁止をすべきだという法律を出しています。できたら、良識のある与党の皆さんにも御賛同をいただいてこれを成立させたいというふうに、私たちの気持ちとしてあります。けれども、それだけではなしに、今、内閣としてこのことについてはきちっと律していこうという方向での御努力を重ねてお願いを申し上げておきたいというふうに思います。これは官房長官にも同じようにお願いをしておきたいというふうに思います。  時間が来てしまいました。私は、通告は自自連立政権についてということを、考え方をお尋ねしようと思ったのですが、時間がないようですから。  今の政権のありようというのは、例えば介護保険制度で、ああ、地方分権の時代の始まりだというふうにいって各自治体が、金がないけれども、うちの自治体はどういうふうに、よそに負けんと、いい介護制度をつくろうかと努力してきたのに、がたっとくるようなことをやる。あるいは企業献金の問題でもダッチロールをする。あるいは今、自自合流というわかりにくい問題が出てきている。  私は、国民の皆さんから見て、今の小渕政権というのがわかりづらいといいますか、現に世論調査、きょうの新聞でも、ここでは数は言いませんけれども、自自どうあるべきかというようなアンケート調査が出ています。けれども、私は、今国民の皆さんが現在の政権に、小渕内閣に対して信頼を高めていっているという状況ではないというふうに思うのです。そのことは、それの中で果たす官房長官の、よく言われます女房役という言葉は余りよくないのでしょうけれども、しっかりとかじをとっていただきたいと思うし、総務庁長官にも、今まで申し上げてきたような問題できっちりとしていくということでないと、私は信頼回復はできないだろうというふうに思っています。  私どもは、このような状況については国民の審判を受けるべきだと思いますし、そして、受けたときには厳しい審判が下るという状況だというふうに思っています。  私が調べたところで、三年ほど前です、続長官が、内閣支持率が五〇%を切っているやないかというて橋本総理に質問していらっしゃる場面がありました。この間の世論調査では、支持するというのは三二%。あのときに続長官が橋本総理に突きつけられたのは、四〇%、五〇%と、世論調査が皆、軒並みに変わっているやないかというて質問をされていました。けれども今、支持率は三二%、支持しないが三九%、あとは関心がないというて政治から離れている。小渕政権を支持する三二、支持しない三九。七一ですか。あと二割ほどは関心がない、そんなの知らぬわ、こういうふうになっている。これは日本の将来、危ないという感じがするわけです。  そういう意味でいうと、私どもは、しっかりとした国民の審判が見えるような形にしなければならぬ、そのための選挙というのは必要だというふうに思いますし、今の状況ですと、私は厳しい審判が下るというふうに思います。  どうか閣内にいらっしゃる方が、私は先ほどから、決して嫌みで言うているわけではない、努力をしていただきたいというふうに重ねてお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
  98. 植竹繁雄

    植竹委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後四時四十四分開議
  99. 植竹繁雄

    植竹委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岩田順介君。
  100. 岩田順介

    岩田委員 先ほど、我が党の山元委員がるる紳士的な質問を行いまして、それぞれお三方から紳士的な御答弁をいただきましたが、関連する部分をまず一、二点お尋ねしたいと思います。  中島人事院総裁にお尋ねをしたいと思いますけれども、私も公務員出身でありまして、極めて今回の人事院の勧告につきましては興味以上のものがございます。深く私もかかわってまいりましたけれども、その経験から申し上げますと、人事院の歴史の中にもさまざまなことがありましたね。勧告しないこともありましたし、変な勧告もありましたが、つまり、これまでの歴史の中で、政府と人事院は賃金抑制に動いてきた歴史が忘れられません。まずは管理職の給料を下げる、ベースアップを抑制する、その次の年には一般職のいわゆる抑制に入るわけですよ。こういう歴史を今思い出しております。  私は、人事院の総裁に嫌みを言って、ビーンボールを投げて牽制をして、攻撃をして、そしてそれが関係者の次の取り組みに非常に好影響を与える、そんなことは考えてはおりません。  そこで、率直にお尋ねしますから、総裁も素直にお答えをいただきたいというふうに思いますが、来年の勧告において一般職員の勧告を見送る、こういうことが絶対あってはならない、こう思いますが、率直にお答えをいただきたいと思います。
  101. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 午前中にも御答弁申し上げましたが、人事院の給与勧告というのは、労働基本権を制約されておる公務員労働者に対しまして代償機能を果たしておるということをまずしっかり胸におさめなければならないというふうに思います。その上で、参議院の附帯決議にもございましたように、民間給与の正確な把握というものを行いたい、そして、従来もそうですけれども、やはり民間企業のおおむね何%のところでベースアップが行われたか、どのくらいのパーセントでベースアップが行われていないか、賃金抑制が行われたかということを一つは把握いたしたいというふうに思います。  そして、四現業の職員の扱いがどういうふうになっておるかということはこれからも非常に重要な要素だというふうに思います。組合とか各省庁の管理者の意見もよく聞いていかなければならないというふうに思いますけれども、私たちは、今申し上げました労働基本権制約の代償措置であるということ、そして民間給与の正確な把握というものを行いまして、五%未満の格差であっても勧告をするということを行ってまいりました。今までの伝統的な扱いといいますか、その考え方というのをこれからも大切にし、そして来年以降の勧告にも臨んでまいりたいというふうに思います。
  102. 岩田順介

    岩田委員 今の御答弁は、後ほど附帯決議がなされると思いますけれども、それとも深い関係がありますので、ひとつ人事院のあり方というか存在につきまして、今言われたような方向でぜひお願いをしたい。同時に、官房長官総務庁長官も、今の御答弁、ひとつしっかり胸に置かれましてお願いをいたしたい、かように思います。  それから、総務庁長官にさっきの関連でお尋ねしますが、藤波さんの問題が出ました。それから、企業・団体献金の問題が山元先生の方から出されました。これはゆゆしき問題ですね。後ほど時間があれば触れたいと思いますが、一体どうすれば解決するかというのは、おっしゃるように、倫理なんというのは法律で決めるものではないということはそのとおりであります。  先ほどの本会議でも、我が党の代表質問で神奈川県警の問題が取り上げられました。今週は何かすんなり週が始まるかと思ったら、つまり防衛次官の問題でしょう、防衛庁の汚職の問題でしょう、神奈川県警でしょう。終わったと思ったらまたですよね。どうすればこれが一体よくなるのか、だれの責任かというのは、かなりやはり議論しなきゃならぬというふうに思いますね。  せっかく、せっかくというか、続総務長官は公明党を代表してお入りになったわけでありますが、清潔な政党であると、そんなことがもしあるようだったらば選挙には出ないと、もちろんやめるという方針というか方向をきっちり示されたことはいいと思います。自民党のこれまでの歴史をどこかで断ち切るということのためにも頑張ってほしいと思いますが、藤波さんの問題がもし仮に公明党に関する問題だったら、これはやめるべき問題だと決断されるのですよね。いかがでしょう。
  103. 続訓弘

    ○続国務大臣 岩田委員公務員生活を長くやられました。そしてさらには長年にわたって公務員労働組合の指導者でありました。それだけに、今の御質問は、私は、国民の声、働く労働者の声を代弁した真摯なお話だったと存じます。  先ほど申し上げましたように、私ども公明党の姿勢は、今質問の中にもお示しをされましたように、御理解を賜っていると思います。したがって、我が党という前提であれば、もちろん今御質問のとおりであります。
  104. 岩田順介

    岩田委員 それが当然だと思いますね。  最近こういう状況になっておりまして、地元の意見を拝聴する機会がありますが、零細企業の皆さんは、六十兆も公的資金を入れたけれども一体我々はどうすればいいんだ、税金を払うような仕事をしたいというふうにおっしゃる方もおられますね。  それから、神奈川県警の問題もそうでありますが、これはやはり長官、範を示す人たちがこういう状況ならば、これは社会が乱れますよね。当然のことだというふうに思わざるを得ないところがありますね。ぜひそういう方向で御指導をいただきたい、かように存じます。  ところで、夏から実質上の三党連立が作動いたしまして、第二次小渕内閣が出帆をしたわけでありますが、思いもかけないような出発だったと思いますね、官房長官。これほど苦労があるとは思われなかったと率直に思いますよね。私もその意味では同情いたします。一体何のためにこの連立を組んだのかと。こういうつもりじゃなかったんですよ。小渕総理が安定した政権のもとに安定した経済構築を目指していくと胸を張って言われた言葉ががらがらと音を立てて崩れているというのが実感だと僕は思いますね。  そこで、官房長官にお尋ねをいたしますけれども、最近の各紙の読者の声だとか、先ほど申し上げましたような地元の声もそうですけれども、経済問題を非常に心配しています。それから、日本の財政がパンク寸前だという心配が広まりました。今度の補正予算の中に包含されている国債発行を入れますと、国と地方の借金は六百兆を超えるということになったんですよ。  総理を補佐して厳しいかじ取りの中心になられました青木官房長官に、一体こういう情勢、財政状況の認識をどういうふうにお考えなのか、どういうかじ取りを小渕内閣はされようとしているのか、御自身の所見をお聞きしたい、こう思います。
  105. 青木幹雄

    青木国務大臣 岩田議員にお答えをいたします。  議員おっしゃったように、私どもは現在三党連立の内閣を組んで政権の運営に当たっております。私どもは、まだ連立を組んで非常に日が浅い現状でございます。私ども三党が協力しながら、本当に国民の皆さんに喜んでいただけるような連立を組んで、これから一生懸命努力をしていかなきゃいかぬ、そういうふうに考えております。  今議員お尋ねになりましたような、確かに国、地方合わせて六百兆円という大変な借金を背負っておるわけでございますけれども、小渕内閣といたしましては、まずは我が国経済が立ち直り、潜在力に沿った成長率を実現して、安定成長の軌道に乗せるということが最優先課題であろうと思って、現在一生懸命に取り組んでいるところでございます。  しかしながら、今先生おっしゃったように、これだけ大きな借金を将来に残すわけにいきませんので、私どもは、将来世代のことを考えるときに、財政構造改革は必ず実現をしていかなきゃいかぬ、非常に大きな問題だという認識を持っております。  したがって、我が国経済回復軌道に乗り、足元がしっかりと固まった段階において、財政、税制上の諸課題につき、中長期的な視野から幅広くしっかりとした検討を行い、国民の皆さんにそのあるべき姿を示すのがこれからの順序じゃないか、そのように心得ております。
  106. 岩田順介

    岩田委員 お気持ちはよくわかります。お気持ちはよくわかりますが、果たしてそうなるかどうかということを心配するわけですよね。それで、今日本の政府に、官房長官は足元をしっかりした上で経済構造改革、財政構造改革をやるというふうにおっしゃいましたが、道筋というものは全然見えていないんですよ。  例えば、この一月からの政府や大蔵省関係のいろいろなものを聞いたり読んだりさせていただいております。何も出ていませんよね。それは、経済対策としての方針は、方針というか政策は、例えば中小企業なんか出ていますけれども、一体中長期的にどうするかという意味では出ていないんです。  ことしの初めに、財政の中期展望というものをちょっと出されましたよね。あれだって非常にずさんなもの。もともとあれはずさんなものという前提で主計局長も言っておられたのじゃないかと思うんですけれども、例えば一・七五%から三%の成長率、これは高い成長率ですよ、成長率を見て、なおかつ一〇%以上の消費税を上げたと仮定をして、当面、当面というのは十年間ぐらいでしょうかね、日本の予算を組む場合に、三十兆円以上の国債を発行しなければ組めないということを言っておられるのですね。  その三十兆円以上というのは、もう説明するまでもなく、二十六日ごろに出されようとしている補正予算の中身の国債の発行高が予想されておりますが、これなどを入れると、つまり予算に占める国債比率というのが、発行比率は四割を超すことがはっきりしてきたわけですよ。  したがって、今官房長官、一生懸命御答弁いただきましたけれども、経済構造の改革に着手する、それから財政構造改革に着手するという道筋がはっきりしていないのではないかと思いますね。それに加えて、冒頭私申し上げましたように、警察の不祥事、防衛庁のあんな問題、藤波さんの問題。言葉は悪いのですが、一般の働く人々や庶民の皆さんは、こんなばからしいことで一生懸命税金を納められるかと。そういう雰囲気がもっと蔓延をしますと、財布のひもは緩みませんよ。やはり政治がしっかりしなきゃならぬ。この間、この議論を聞いておりましても、政治の責任をどうするかという御答弁は一つもないのですね。  私が今聞きたいのはそのことじゃなくて、いわゆる中期展望、中期見通しをどうするんだ。ばらまきじゃどうしようもないと思うのですよ。これだけばらまいてきたじゃないですか。ばらまいてきても雇用はふえないじゃないですか。お年寄りはお金を持っているというふうに言われますけれども、余計に財布のひもは緩みませんよ。果たして日本の財政の方向ということについてどうなさるのか、もう一度お聞きをしたいと思います。
  107. 青木幹雄

    青木国務大臣 防衛庁、神奈川県警、いろいろな問題が次から次と発生いたしておりまして、非常にこのことについては政府も大きな責任を感じております。  また、中長期的な経済政策を進めるということでございますけれども、私どもといたしましては、当面、景気を回復さす、安定さすということに全力を注いでおりまして、これが軌道に乗った時点で、はっきりと国民の皆さんにわかりやすい中長期的な経済政策を示すことによって、大きな借金を抱えた国の財政を今後どうしていくかということを真剣に考えていきたい、そのように考えております。
  108. 岩田順介

    岩田委員 ある経済アナリストが言っておられますが、こうなったらば方法は余りないだろう、超インフレ政策をとるのか、逆にデフレ政策をとるのか、それとも知らぬふりしてほおかぶりしていくのか、三つしかないと。どれという答えを私は聞くつもりはありません。かつて福田赳夫先生が、経済が悪くなったときに、無策も策なりというふうにおっしゃって平然とされておったことがありますが、時代が違いますね。  これは、要望を最後にしておきますが、やはり苦しむときは国民の皆さんも苦しんでいただくということだろうと思うのですが、それが出せない今の連立政権に私は問題があるというふうに思いますよ。この点について、いかがでしょう。襟を正すところは正す、けりをつけるところはけりをつける、けじめをつける。こういうことがないままで行くというのは、福田赳夫先生方針しかないのじゃないかと思うのですが。襟を正すということについては、後で時間があれば過去のことも聞きますが、この辺についてはいかがでしょう。
  109. 青木幹雄

    青木国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、連立三党はまだ日が浅いわけでございまして、私どもは、三党で十分協議をし、国民の皆さんの理解を得られるような中長期的な経済対策もしっかりと今後打ち立てていきたいと考えております。
  110. 岩田順介

    岩田委員 そこで、私、これはフィナンシャル・タイムズ紙の記事を持っておりますけれども、柳沢再生委員長はよくやった、日本の経済改革のためによくやった、しかし越智さんはどうも心配だ、こういう記事を持っています。これは、これだけじゃなくて、ニューヨーク・タイムズを初め幾つか出ているみたいですね。最近出ています。  この記事に関連をしてだろうと思いますが、越智長官は我が党に対して、二十日前後ですか、アメリカに行かせてほしい、サマーズ長官から呼ばれている、説明に行くと。この記事と無関係じゃないだろうと思いますが、大変アメリカも心配しているのです。これは、やがて十二月になって、クリスマスになって、経済がある意味では動くのですけれども、株が下がっては大変だということがアメリカにはあると思いますね。  もう一つこの記事の中で私が心配になりますのは、長銀のリップルウッドへの譲渡でも柳沢さんは役割を果たした、こういうふうに言っているわけですよ。しかし、それが越智さんになったら心配だということを暗に言っているわけですね。リップルウッドが買収をする前に、サマーズさんが日本にやってきたときに、柳沢さんと会っていますね。これがちょっと問題になりましたが、真相はわかりません。  長官、このリップルウッドというのはアメリカの投資組合でありますけれども、これが長銀を買収する、それで、これは市民の声でもあるのですけれども、なぜ外資系、アメリカに売り渡したのか、日本でもう少し努力をしなかったのかという声は充満していますね。しかも、四兆三千億も出した長銀が十億で売却される。これは説明すれば長くなるのでしょうけれども、そういうふうにしか受け取れませんが、これはうまくいくのですか。
  111. 青木幹雄

    青木国務大臣 私は、越智長官も一生懸命この問題について努力を続けておられるというように考えております。  今の長銀の問題についてでございますが、米国のリップルウッド社が中心になって、現在最優先の交渉先として交渉を続けておるわけでございまして、恐らく今月末くらいにはいろいろな面で合意が得られるのじゃないかというように考えております。今後いろいろな、長銀譲渡にかかわる手続を進めている中において、引き続きこうした点には国民理解が得られるような努力を政府としても続けていかなければならない、そのように考えております。
  112. 岩田順介

    岩田委員 もしうまくいかなかった場合には、二次損失でまた公的資金を投入するのじゃないかというのが心配のまず第一ですよ。これは、心配はありますね。こういうことがないことを私は祈りますが、心配はありますよ。  例えば不良債権、貸出先の企業ですね、これは、だめなところはペケとして、不良債権をRCCが買い取りましたね。これはもうだめですね。しかし、マルのところは残っていますね。ところが、このマルの会社も、いわゆるメーンバンクが、いやいや何とか融資をし続けていきますので、殺さないように生かしてくださいという念書が入っているのですよ。そういう事前のいろいろな仕組みと我々にわからなかったやりとりがあって、マルの会社が残っていって、いわゆる新長銀になるわけですよ。  株価がちょっと動いたらどうなるのでしょうね。土地は上がっていませんよ、下がりますよ。第二次損失が出たときに、長官、これはどうなるのでしょう。公的資金を入れるのですか。
  113. 青木幹雄

    青木国務大臣 今、議員は四兆三千億円とおっしゃいましたが、私は四兆円弱だというように理解をいたしております。今後、それ以上の損害が出ないように、政府としても全力を挙げて取り組んでいかなければいけない問題だと承知しております。
  114. 岩田順介

    岩田委員 誤差という意味ではかなり誤差と言えないものがありますけれども、私がお聞きしたいのは、もし二次損失が出た場合に、契約書が入っていますよ、契約書は大体わかっていますが、公的資金を、税金を入れるのか入れないのかをお聞きしているのです。
  115. 青木幹雄

    青木国務大臣 今、二次損失が絶対出ないように全力を挙げて努力をしているところでございまして、仮定の問題につきましては答弁を差し控えさせていただきます。
  116. 岩田順介

    岩田委員 せっかくの御答弁ですけれども、それじゃやはりよくないのですよ。いや、そんなことは絶対にないという御答弁ならば別です。  そういうことであれば、三つ譲渡条件がありますけれども、三年で債権の価値が二割以上目減りした場合、預金保険機構が簿価で買い戻す、こうなっているわけです。これが一番肝心な、条件のうちの肝心なポイントだと思いますよ。  何でこういうものを入れるのですか。これははっきりしたシステムがないからだと僕は思いますよ。アメリカでは、二次損失を出した場合には、政府と受け皿銀行が折半なのか、フィフティー・フィフティーなのか、七、三なのかという条件があるわけですよ。日本はありませんね、こういう規定は。再生法にはありませんよ。私は、今法律があるのは再生法だけだと思いますけれども、二次損失がもし仮に出る場合に、出る危険性は私はあると思いますが、この場合どうなるのかをお聞きしているのです。
  117. 青木幹雄

    青木国務大臣 再三御答弁申し上げておりますように、政府としては今全力を挙げて取り組んでおりまして、絶対にこういうことがないように努力をいたしておりますので、もしそういう事態が生じた場合にどうするかという先生のお尋ねに対するコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
  118. 岩田順介

    岩田委員 いや、長官、四兆円弱か四兆三千億かは別にして、これだけ公的資金という税金を投入した会社がもし仮に失敗をする、僕は危険性はゼロではないと思うのですよ。そのとき、公的資金を投入するわけでしょう。いかがですか。ここに書いてあるじゃないですか。三年間で債権の価格が二割以上目減りした場合には買い戻すと言っているわけです。そういうふうになるのでしょう。ならぬように努力されるのはそのとおりです。もしなった場合、簿価で買い戻すというふうになっているかどうかと聞いているのですよ。
  119. 青木幹雄

    青木国務大臣 現在、再生委員会で慎重に検討中でございまして、私の立場としては、そういう事態が絶対起きないように今後努力をしていかなきゃいかぬ、そういうふうに考えております。
  120. 岩田順介

    岩田委員 この点は平行線ですが、では、もう少し違った角度でお聞きをしておきたいと思います。  つまり、現状の金融にかかわる法律では、再生法では、再生委員会は二次損失を出さないと努力されているけれども、出た場合には法律でないのですね。入れる方法がないのですよ。それはそうでしょう。
  121. 青木幹雄

    青木国務大臣 私もそのように解釈いたしております。
  122. 岩田順介

    岩田委員 私は、そうだと思いますよ。  もし二割以上の損失が出た場合にはどうするかというのは、聞きますところによりますれば、民法の適用をして、瑕疵担保という概念でもって資金投入をするということが、リップルと日本政府との間に約束があるというふうに巷間言われていますね。公になっていますね。これはそのとおりでしょう。
  123. 青木幹雄

    青木国務大臣 私もその詳しい状態については存じておりませんので、発言を差し控えさせていただきます。
  124. 岩田順介

    岩田委員 ちょっと困りましたね。これだけ大きな問題で、アメリカが、今アメリカの国益を守るために日本政府に対して、ある種熱いまなざしを送っているのですよ。この新長銀の問題がかなりウエートを占めているまなざしだと思うのですよ。  瑕疵がある場合、こうなっていますが、つまり、二割以上損失が出た、いわゆる目減りした、価値の目減りがあった場合、これは瑕疵担保でという判定をして出すわけですが、これ以上ちょっと質問に、議論にならぬのかもしれませんが……(発言する者あり)あしたやりますから。私、官房長官にお聞きしているのです。先生、ちょっとお待ちくださいね。  それは、大事なことでしょう。官房長官総理を補佐されるわけですから。日本のいわゆる方針転換であるとか方針を決めるという大きな問題については補佐役ですから。小さいことを私聞いているわけじゃないのです。これほど大きな問題ですよ。一体瑕疵とは何なのかということも、この場合御質問しても御答弁になれませんか。
  125. 青木幹雄

    青木国務大臣 再三申し上げておりますように、私どもといたしましては、これ以上の損失がないように一生懸命政府としては努力をいたしております。  ただいまのいろいろな質問につきましては、通告が一切ありませんし、私自身も所管外でございますので、もしよければ答弁をかわってさせたいと思いますが、どうでしょうか。
  126. 岩田順介

    岩田委員 我が党としては、政府委員の答弁は要求していませんから。これは困りましたね。どういたしましょうか。  私は、損失が出る危険性を感じているのですよ、長官。感じているのですよ。  もう一つ言いますと、リップル側、リップルのグループ側、リップルがグループに説明したこのいわゆる譲渡条件と、日本の政府が今考えている譲渡条件との差が出てきたときにはどうするかということは、大変な問題じゃないですか。私は、このこともあって越智長官はサマーズに呼ばれるのじゃないですか。おまえのところしゃんとせいよ、公的資金入れろと。こういうことじゃないかと思っているから聞いているのです。  それから、この問題につきましては、細かくは聞いていません、通告していませんが、ゆうべ私は電話いたしました。いろいろ書類をひもといていますと、これは聞かなきゃならぬと思ったので、あえて聞きますよというふうに言いました。二次損失補てんの問題も言っておりますからね。  瑕疵とは一体どうなのかというのがこれから大変問題になりますよ、長官。いわゆるリップル社と我が政府、再生委員会との認識が違いまして、損失が出ますね。認識が違う。その場合に、民法上の適用、民法を適用して瑕疵担保というふうに判定する場合に、一体だれがそれをいわゆる瑕疵だと認めるのか。二割以上、三割なのか四割なのかというのはだれが判断をするのか。その意見が違った場合は、これはアメリカと日本は大変な摩擦になりますよ。そうじゃないでしょうか。  そうすると、果たしてその場合、ちょっと官房長官考えてください、これは最後には裁判で決着をするということにでもなるのですかね。それもお答えいただけませんか。
  127. 青木幹雄

    青木国務大臣 越智長官がアメリカへ行かれるということについて、そういういろいろな問題が絡んでおるということは、私は一切承知をいたしておりませんし、質問通告にも全然そういうこともありませんので、私は、政府として、できるだけこの問題がスムーズに、これ以上の損害を出さないように一生懸命努力するという政府基本的な考え方を申し上げているような次第でございます。
  128. 岩田順介

    岩田委員 これは大変なことを意味しておりますので、きょうは残念ですけれども、あしたの大蔵委員会以降に送らせていただきますが、問題提起だけはさせていただきたいと思います。非常に残念です。  それから、時間が参りましたので、もう一点だけ。これも山元先生との質問で関連をしますが、申し上げますように、この間いろいろな不祥事が起きていますけれども、政治的な責任という意味ではけじめがついていないです。ついた件は一件もないですね。これは、政党の問題でありましたけれども、小沢一郎先生がずっと以前幹事長をやられたときに、東京都知事選の責任をとってみずから腹を切られましたよね。あれぐらいしか私は記憶にないんですが、政治家というか、政治がきちんとしなければ、今起きているいろいろな不祥事というのは後を絶たないと思います。  そこで、西村さんが更迭されましたね。これは官房長官、今回の政務次官の人選に当たってはみずから陣頭指揮を総理がとられた、こうなっています。御相談は当然あったんでしょう。
  129. 青木幹雄

    青木国務大臣 西村前防衛政務次官の問題につきましては、政府も非常に深く反省をいたしております。  当日、異例のことでございますけれども、総理自身が全政務次官を集めまして、今後こういうことが絶対起きないように厳重に注意をいたしました。そして、本会議という公の場で、国民の皆さんにその不祥事について心から総理がおわびをし、今後こういうことが絶対起きないように国民の皆さんにお約束をしたような次第でございます。
  130. 岩田順介

    岩田委員 毎回起こるたびに総理も官房長官も担当の所管大臣もそう言われてきて、なおかつ起こるから私は言っているわけですよね。どこかで整理をしなきゃいかぬですね。  例えば、西村さんの防衛政務次官の問題ですけれども、中島洋次郎さんも防衛政務次官だったでしょう。中島洋次郎さんですね、違いましたか。防衛庁と深く取引がある会社と因縁のある政治家を防衛政務次官に入れるというのは、もともとこれは間違いですよ、こんなことは。そのときも、ある種のいわゆる反省と教訓を肝に銘じたというふうに関係の方々が発言されておりますが、全然反省もなければ教訓も生きてきていないじゃないですか。一体どうするんですか、これ。猫に小判だと言うけれども、中島さんには悪いけれども、猫にかつおぶしですよ、こんな人事は。  一定のルールをつくったらどうですか。各派閥から上がってくる、小沢さんから上がってくる、神崎さんから上がってくる、均衡をとって判を押すということだからいかぬと思いますよ。例えば、いわゆる事件の、事件というか、発言や行動の軽重はありますね、場合によれば総理責任をとるとか、この場合は官房長官責任をとられるとか。  こんな紳士である官房長官に、私はあなた個人のことを言っているわけじゃないんですよ。どこかでそのときの政権の主要な人事の担当者が責任をとるというぐらいのことをしなければ、私は絶対よくならぬと思います。村山さんが総理のときも出ましたよね。羽田さんが総理のときにも一件起こっております、残念なことですが。けじめがないからですよ。けじめというよりルールがないからですね。  こういう場合には、事の軽重にも多少よるけれども、官房長官がみずからやめるというぐらいの決意をしなければ、国民の政治に対する信頼も回復しないと私は思います。御意見はどうですか。
  131. 青木幹雄

    青木国務大臣 責任のとり方にもいろいろあると私は考えております。私どもは、二度とこういうことが起きないように国民の皆さんにお約束いたしました。しっかりとそれを守っていきたいと考えております。
  132. 岩田順介

    岩田委員 私も、また起きないようには期待をしますが、起きるんですよ。ひとつ御検討いただきたい。  これで終わります。
  133. 植竹繁雄

    植竹委員長 次に、瀬古由起子君。
  134. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  まず最初に、給与法に関連して質問をいたします。  今回の提案は、一般職員のベア〇・二八%、これはもう史上最低でございます。さらに、一時金が〇・三カ月引き下げられまして、その結果、今回発足いたしました自自公政権が、人勧始まって以来前年度よりマイナスの賃金水準を提案したことになります。特に一時金の引き下げというものは、高齢者、高い号俸者を直撃いたしまして、十年前の支給水準に逆戻りいたします。また、この提案は、国家公務員のみならず、地方公務員、学校、病院職員など、人事院が指摘しているだけでも七百五十万人の労働者、国民影響を与え、生活水準を引き下げることになります。  総務庁長官にお聞きしますけれども、こういう事態、いかがですか、胸が痛みませんでしょうか。
  135. 続訓弘

    ○続国務大臣 午前中も人事院総裁から、今回の給与勧告の基礎についてるる御説明がございました。それに対して私どもは、政府側としてどういう決断をしたかということも御説明申し上げました。  今お話しのように、国民状況は大変苦しいということはお互いに理解できることであります。しかしながら、全体の奉仕者である国家公務員もやはり国民の痛みを知る、こういう必要がある。そういう客観的な状況の中で、労働基本権の代償措置として認められた制度、すなわち人事院勧告制度のもとで勧告が出されました。政府としては、その勧告をちゃんと遵守するという姿勢で今回の措置をとらせていただいたということを御理解賜りたいと存じます。
  136. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 余り胸は痛まない、当然だという御姿勢だと思うんですけれども、今回、公務員の賃金を切り下げる大きな口実を与えました人事院勧告は、民間準拠、こういう理由で超低率ベア、一時金の引き下げの提案をしております。  公務員給与を決める基準は民間準拠だけかといいますと、そうじゃないんですね。ちゃんと国家公務員法で、第六十四条には、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められる」、このようにあるわけですけれども、公務員給与の、これを決める基準の第一に挙げているのは生計費なんですよ。  では、人事院の言っている生計費、ちゃんと公務員の実際の暮らしにきちっと合っているのかという問題をお話ししたいと思うんです。実は、人事院が今算出している生計費というものは標準生計費と言われているものなんですね。これには、老後や教育費の蓄えのための預貯金、それから住宅ローンの返済、こういうものは含まれておりません。消費支出だけを算出しているわけです。ですから、実際の支出金額よりも低い世帯平均を使用する、こういうような計算方法になっております。  実際にこの標準生計費で生活するとどうなるか、これを実際に体験してみた人たちがいるわけですね。国家公務員の労働組合ですけれども、国公労連の調査によりますと——実際に体験したんですね、この標準生計費で。  そうしますと、一人世帯が月十万八千七百八十円、これを目標に生活したら、平均十五万七千六十五円かかったというんですよ。四万八千二百八十五円不足です。それから、二人世帯の標準生計費、人事院が言っておりますのは十七万四千八百九十円、実際に生活をしてみますと、もう節約して節約して二十五万六千八百二十九円、八万一千九百三十九円の不足。三人世帯の標準生計費は二十一万六十円、結果は二十六万九千六百六十六円かかった、五万九千六百六円の不足なんですね。余りにも標準生計費と実際の生活が違っている。  それで、最後に参加者の感想を聞いてみたわけですよ。体重が一・五キログラムも減ってしまった。過去にも何度か挑戦したけれども、どんな手を使っても標準生計費でおさまることはなかった。標準生計費内で生活するには、交際を一切絶ち、電話もしない、こういう生活で生きていく。こういうふうに訴えています。  人事院総裁、この標準生計費のあり方、これを見直して、公務労働者の実際の生計費に見合った勧告にすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  137. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 たびたび御説明しておりますけれども、人事院は、公務員給与勧告に当たりましては、民間の労働者の賃金水準というものをもとに勧告しております。  その民間労働者の賃金水準というのは、当然ながら、民間企業で賃金交渉をなさるときに、民間労働者の生活水準といいますか、消費実態調査というものを考慮に入れて議論されておるでしょうから、私たちが民間労働者の賃金水準をもとに勧告するということは、国民一般の、並の生活水準というものをやはり考慮して私たちの勧告が成り立っているというふうに御理解いただきたいと思います。
  138. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 民間準拠だけじゃないでしょう。生計費というのがあるわけですよ、標準生計費。これが実際に合っていないんじゃないか。  民間準拠だけじゃない。国家公務員法の六十四条には、ちゃんと「俸給表は、生計費」というのがまず最初に来るわけですね。本当にこれでやれるのかということは、実際に、きちっとこの標準生計費が合っているのかどうか、労働者の、本当に社会的にも文化的にもその要求を満たし得るものになっているのかどうか、そこはきちっと見る必要があるんじゃないですか。そのことはもう見なくていいのですか。いかがですか、総裁。
  139. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 先ほど御説明申し上げましたように、民間企業に働く労働者の賃金水準というものをもとに私たちが勧告するということは、民間企業の労働者の賃金水準というのは、当然生計費というものを考慮に入れて賃金水準が定まっておりますので、私たちの勧告内容というのは、生計費、消費水準というものが考慮に入っているというふうに御理解いただきたいと思います。
  140. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 ですから、その標準生計費が問題じゃないかと言っているんですけれども、それはどうですか、それはお答えいただいていますか。標準生計費が公務員の実際の生活と離れているのじゃないかということを聞いているんです。それはどうですか。
  141. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 私たちの基本的な考え方というのは、やはり公務員の賃金水準というのは国民から納得されるものであることが必要でございますので、そのためには、従来から民間労働者の賃金水準をもとに決めておるわけでございます。  そして、先ほども御説明いたしましたように、そのときには、当然国民一般の賃金水準、消費水準というのが考慮に入れられておりますので、公務員の場合にも、私たちは、世間並みの消費水準というものを保障することができているというふうに理解しております。
  142. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 正確に国家公務員法の六十四条を理解されていると思うけれども、あえて「生計費」と別に「民間における賃金」と書いてあるわけですよ。生計費というのは、きちっと、果たしてこれがちゃんと実態に合っているのかどうかと見るのが当たり前なんですね。それを民間準拠だけの賃金に押しとどめるというところに私は問題があると思うんですね。六十四条をしっかり学んでいただきたいと思います。  それから、それだけ民間準拠と言われるわけですけれども、では、民間準拠の賃金がどういう状態になっているのか。皆さんのお手元にお配りしているわけですが、資料のナンバー一を見ていただきますと、この四十年間で労働者の賃金がどういうようになってきたのかというのが上の表です。下は、資本金十億円以上の大企業の内部留保ですね。これと比較してありますけれども、大企業はどんどんお金をため込んでいる、一方では労働者の賃金がどんどん下がってきているという、この表が出ております。  もう一枚のナンバー二を見ていただきますと、これは中小企業対策費なんですけれども、全国事業所の九八・九%、そして従業員でいうと七七・六%を占めます中小業者の対策費がどうなっているのかというふうに見ていただきますと、どんどん金額が少なくなってきている状態なんですね。  こういう中で、今大企業は、この間、御存じのように、リストラで銀行が合併する。興銀、第一勧銀、富士銀行の統合で六千人、住友、さくら銀行の合併で九千三百人、日産では二万一千人、NTTでは二万人、三菱自動車が一万人、次々とリストラ計画を発表しているわけでしょう。そして、このやり方で、実際には大企業がどんどんリストラすればするほどその大企業に援助するというのが、さき国会でつくられた産業再生法だったわけですよね。  今、中小企業国会だと言われていて、中小企業基本法の改定が行われようとしているわけですけれども、この中小企業基本法についても、一部のベンチャー企業を除いて中小業者を切り捨てていく、こういう状況があるわけです。  それで、今どんどん賃金が、中小企業に働く民間労働者の賃金が、こういう大企業のめちゃくちゃなやり方のために不安定な労働者がどんどん生み出されて、賃金が低く下げられている、こういう状態がございます。  資料のナンバー三を見ていただきますと、離職した企業と再就職した企業の平均年収というのが出ておりますけれども、実際に仕事をやめたら、やめるたびに収入が減っていくわけですね。特に高齢者の場合には、その落ち込みがすさまじいものがあるわけです。こうやって、これでもかこれでもかという形で、民間の労働者は今賃金がどんどん引き下げられていくわけです。  考えてみれば、むしろそういう賃金水準を政府の政策でつくり出していて、そして民間準拠だ、民間に倣えといって、そして公務員の賃金も引き下げる。こんなことが許されるだろうか。とりわけ労働基本権が剥奪されているわけですから、公務員が納得できるのだろうか。この点、いかがですか。民間の賃金がどんどん引き下げられて、それに見習ってなんということは言えないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。これは官房長官にお聞きしたいと思って、事前に通告をさせていただいております。
  143. 青木幹雄

    青木国務大臣 国家公務員給与等勤務条件に関しましては、御承知のとおり、社会一般の情勢に適応させるとの原則がございます。  政府といたしましては、給与改定に当たって、専門第三機関である人事院が行う客観的調査に基づく人事院勧告制度を尊重するとの基本線に立って対処することといたしております。
  144. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 客観的調査といっても、政府自身がそういう政策をどんどんとっておいて全体の賃金を引き下げる。先ほど言いましたように、標準生計費は実態と合っていない。こういう点では、それをもとにしての勧告というのは一体何だろうか。  人事院は、先ほど言われましたように、労働基本権制約の代償措置、このように言われていますけれども、代償措置というなら、当然労働者の代理をしなければならないわけですね、労働者の言い分も言う。言わなければならないのに、現行より後退を人事院がやる。これはどういう意味なのでしょうか。  実際には、代償措置というなら、例えば、労働組合があって、労働組合が賃金要求する。みずから下げてくださいなんという労働組合はないわけですね。それを、あなたたちの代理ですよ、代償措置で我々がやりますよ、そして賃金下げなさいなんという勧告は、少なくともやるべきでないというふうに思うのですけれども、人事院、いかがですか。
  145. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 私たちは、おっしゃるように、労働基本権が制約されておる国家公務員というものの給与を初め、勤務条件というものを決めるときの代償機能をしっかり果たしていかなきゃならないというふうに思います。  ただ、そのときの考え方というのは、もし公務員に労働基本権があったならばどういう結果になっただろうかということを考えるわけでございますけれども、そのときの一つの目安というのは、やはり労働基本権を持っておる民間労働者の賃金というのがどういうことになったかということが非常に重要なメルクマールになるだろうというふうに考えざるを得ないわけでございます。  おっしゃるように、公務員の賃金水準が引き下がるというのは私たちにとりましても非常につらいことでございますけれども、もともと国家公務員法をお決めいただきましたときに、国家公務員法の中でも、賃金水準が下がるということを前提に規定がされておるということも、やはりいろいろな状況というものを法律制定のときにお考えいただいたのだというふうに思います。  国民が納得してくださるということの前提に立って物を考えますと、やはり民間労働者の賃金水準というものに基づいて物事を考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
  146. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 民間が納得するかどうかなんというのは、本当に、こういうような賃金水準を公務員に押しつけることで、今言われたように民間といっても、国家公務員がこういう給料だ、ではそれに倣えという形で、それを見本にしてまた引き下げるということだって行われるわけです。  私が住んでおります愛知県にはトヨタ自動車というところがありますけれども、トヨタ自動車は、この人事院が使う標準生計費とトヨタのモデル生計費が結果としてほぼ一致しているということで、トヨタモデル生計費というのをこの標準生計費をもとにして出しているのですね。それで、大企業は、大きな企業が賃金の相場をつくっていく、こういう役割を果たしているわけですけれども、人事院の標準生計費が、それがもう民間の賃金の引き下げの材料になっている、こういう事実だってあるわけですから、決して民間の労働者は、公務員は賃金が下がればいいなんというふうには思っていないわけです。  実際には、公務員については日常的には厳しい服務規則というのがある、国民に対する質の高い行政サービスを提供するためには適正な処置が必要なのだと人事院自身が今まで言ってこられたわけですね。下げれば下げた方がいいなんということはないですよ。それなりの水準を公務員が持つということは当然のことです。ましてや、労働基本権を奪っているわけですから、この労働基本権の代償措置というのは、そんな簡単なものじゃないですよ。本当に、基本的な労働者の権利を奪うわけですから、それなりのふさわしい役割をして当然だと思うのですね。  代償機能、代償措置というのは一体何なのか。私、広辞苑で調べてみましたら、代償の意味、「本人に代って弁償すること。代弁。他人にかけた損害のつぐないとして、その代価を出すこと。」こういうふうに書いてあるわけですね。そのまま解釈しますと、労働者や労働組合にかわって労働基本権の剥奪で受けたその損害にふさわしい代価を人事院が要求する、これが代償機能、代償措置なのですね。  今総裁が言われたように、もし公務員に労働基本権があったら、みずから労働条件を下げてください、そんなことを言うはずはないわけですよ。いろいろな状況があって、今回は、一定これは我慢しましょうということはあるかもしれません。しかし、今の水準を労働組合が下げてくださいなんということを言うはずがないわけですね。  そういう点では、この代償機能、代償措置の持つ意味というのは、私は、もっと人事院は深く考えるべきだというふうに思います。  こういう勧告制度のもとで、マイナス勧告が出た場合に政府はどういう対応をするかという問題が、国家公務員の使用者としての政府責任というのがやはり問われていると私は思うのですね。人事院が出されてきた、マイナスだ、はいはいそうですか、こういうように受けるのではなくて、少なくとも今まで以上に、これは始まって以来ですから、引き下げという場合は、慎重な対応というのは必要だと思うのです。  国家公務員法の第百八条の五にありますように、給与勤務時間に関して交渉に応ずべき地位に今政府があるわけですけれども、この政府としての当然の責務というのはきちっと果たすべきだ、そういう点では私は、こういうマイナス勧告が出た場合に、よく関係労働組合とも協議して、どうなのかということについて、使用者の責任というのはちゃんと誠意を持って果たすということが大事だと思うのですけれども、いかがでしょうか、総務庁長官
  147. 続訓弘

    ○続国務大臣 瀬古委員のせっかくの御質問でございますけれども、私がつい何日か前に経験したことをお話しさせていただきます。  それは、私は、バッジを外した一市民としてタクシーに乗りました。私は、タクシーの運転手さんに現在の景気の状況を伺いました、どうでしょうか。いわく、ひところよりも一五%ないし二〇%賃金がカットされております。それは、なぜかといえば、お客さんが乗ってくれません。私どもは売り上げの五六%をいただいている会社です、にもかかわらず収入は減る一方であります、それに比べて公務員は、こうおっしゃいました。  私は、それを聞きながら、今それぞれの立場でいろいろな御意見があろうかと存じます。先ほど来、先輩から、何人かの御質問がございました、人事院総裁からも、るる今回の根拠について御説明がございました。それらを真摯に受けとめて、私どもは、閣僚懇談会を二回開いて、人事院勧告どおり実施をしましょう、それは、ただいま先生がおっしゃったような、労働基本権の制約の代償として、こういうお話でありました。  同日、九月の二十一日でございましたけれども、官房長官は談話を発表されまして、今回の人事院勧告を完全実施するに至った経緯について国民理解を求められました。誓って私どもは、このいろいろな状況の中であえて人事院勧告を遵守いたします、それは、労働基本権制約の代償ということもあり、かつ使用者、労働者、そういう関係の安定を願うという立場からこれに踏み切った、こんな話でありました。あわせて、これからの厳しい社会経済情勢に対応して……(瀬古委員「労働組合と話したんですかと聞いているのです」と呼ぶ)  労働組合とは七回お話を申し上げました。大臣が二回、局長並びに担当課長が五回、合わせて七回の陳情を受け、かつそれに対するいろいろな議論をさせていただきました。そういう経過の中で、今回の措置をとったということを御理解賜りたいと存じます。
  148. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 タクシーの問題で言わせれば、私も、タクシーに乗るときにいろいろ運転手さんに聞きますよ。こんな深刻な不況をだれがつくったんだといって、やはりこれは自自公政権じゃないかという声だって出ますし、大体タクシーの量も、今の状況に合わせてじゃなくて、どんどんタクシーの数をふやしているでしょう、規制緩和で。もう今の政府けしからぬといって、私なんかいつも言われているわけですよ。だから、乗っても、いろいろな声もありますね。  しかし、基本的な問題は、こういう不況で、労働者が公務員の賃金いいなというふうに言わざるを得ないほど、今多くの労働者が痛めつけられているということですよ。そういう点では、公務員の賃金を引き上げるということは、人事院でも言っていますけれども、七百五十万の人たちがそれに影響するわけですから、全体をうんと引き上げることになる。労働者と話し合ったと言うけれども、労働者の皆さんにとっては、本当に労働基本権の代償にふさわしい、誠意を持って話し合うかというと、全然違うわけですよ。もう国民に納得してもらえないから、こういう一方的なやり方でしょう。もっと誠意を持ってきちっと対応すべきだというふうに思うのですね。  今後とも、この問題については労働組合とよく、誠実に話し合うという御用意はございますか。その点はいかがでしょうか。
  149. 続訓弘

    ○続国務大臣 当然のことであります。
  150. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 先ほど人事院総裁がこういう勧告をしてつらい立場だというふうにも言われましたけれども、実際、今回の勧告が本当に代償機能足り得ないということを心の中では思ってみえるのじゃないかというふうに思うわけですけれども、こうやって、労働者の不利益変更といいますか、それを人事院が勧告するようになる。そうしたら、労働三権といいますか、労働基本権を奪っている理由が一体あるのかということになってくるわけですね。  そういう点では、現行制度のもとではもう賃金の切り下げ勧告しか出せない、公務員の労働条件が引き上がるという見通しがないということになりましたら、代償機能というのはもう言えないわけですよ。そうすれば、この際労働三権付与に踏み込む、こういう問題も浮上してくると思うのですね。そして、公務労働者が労働協約の締結権を含む団体交渉権だとか、そして組合の代表による賃金決定の手続を決める、労使間の紛争の解決のための機関を設置するということをILOの百五十一号条約がうたっていますので、国際的な水準でいえば、もうそこに踏み込まざるを得ない、こういうふうに思うのですけれども、官房長官いかがでしょうか。
  151. 青木幹雄

    青木国務大臣 人事院は、労働基本権制約の代償措置として、公務員給与について、社会一般の情勢に適応させるよう、正確な調査に基づき、官民給与の均衡を図るべく給与勧告を行っているものと私は考えております。本年の勧告も厳しい民間状況を適切に反映したものと理解をいたしております。  今後とも、勤務評定法定主義及び人事院勧告制度基本として、公務部門における円滑な労使関係を考えていきたいと考えておりまして、今先生おっしゃったようなILO百五十一号に基づくような行動は、まだする考えは一切ありません。
  152. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 私は、正確な調査ということについても問題があると言いましたし、民間の賃金がどういうふうに引き下げられていっているかというお話もいたしました。たとえ正確であったとしても、人事院が労働者の賃金の引き下げ提案をする、労働条件を悪くする提案をする、こういう事態になった場合にはもう意味がないわけですよ、労働基本権を奪う意味がない。そういう点でも、長官も、もう永遠にILO条約は日本は批准しない、こういう立場じゃないのでしょう。それは当然国際的にも要請がありますから、この問題も本来考えるべきじゃないかと言っているのですが、いかがですか。
  153. 青木幹雄

    青木国務大臣 私が申し上げたのは、現段階でこれに批准をするような考えは一切ないということを申し上げたわけでございます。
  154. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 では、福祉職俸給表の問題について言います。  これは私たちも一定評価しているものですけれども、現場から、国立病院のソーシャルワーカーとかハンセン病療養所の専門的な介護員の適用、これについても要望が出ております。この適用をどう考えているのかという問題が一点です。  それからまた、今まで、福祉職の場合に、地方自治体などが一定の水準を自治体独自でつくっている場合もございます。この俸給表ができたことによって処遇が引き下がらないかと心配している向きもございます。ですから、今度の俸給表ができることによって、国家公務員もそうですけれども、地方の公務員も含めて、関係者の、福祉にかかわる労働者の水準がうんと引き上がる、こういうものとして提案されているというふうに理解していいでしょうか。  二点お願いいたします。
  155. 持永和見

    持永政務次官 今回の人事院勧告で、新しく福祉職の俸給表が創設をされたところであります。  これは実は、福祉関係者にとっては長年の懸案であったと思いますけれども、先生承知のように、指導員だとかあるいは介護員だとか福祉士だとか保育士だとか、そういった福祉に携わる職員というのはやはり専門的な技術あるいは知識が大変必要とされるわけでありまして、そういう人たちの職務についての社会的評価というのが前々から言われておりましたし、それを受けて今回、人事院の勧告がなされましたことは、社会的に大変意義があるし、将来また、高齢化社会あるいは核家族化の進展の中で福祉に対する国民のニーズはふえる一方でありますから、そういう意味では大きな意味を持っているものと私は思います。  先生、実は、国立関係につきましては、身体障害者の方々の国立更生援護機関というのもありますけれども、国立療養所なんかで、今申し上げましたように指導員だとかあるいは介護員だとか保育士ということで働いておられる、職務についておられる方々がありますから、それは当然、今回の福祉職俸給表の対象になるものと考えていってもいいのじゃないかと思います。  それから、地方公共団体の御心配がありましたけれども、地方公共団体におきましては、この閣議決定が行われましたときに、自治省の事務次官の方から地方に対して、福祉関係職員の人材確保なりあるいは処遇改善の面からも、福祉職俸給表については、これに準じた措置を地方公共団体においてもそれぞれとってほしいということで要請がなされておりますので、これはそれぞれの地方公共団体があくまで決められるものでありますけれども、こういった措置に基づいて、それぞれの地方公共団体が適時適切に措置されるものと私どもは思っております。
  156. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 私が言いました、国立病院のソーシャルワーカーとかハンセン病の療養所の専門的な介護員、こういうところも適用するという方向で考えている、そして、地方の公務員の福祉職の、福祉にかかわる人たちの全体の水準を引き上げる、こういうふうに理解してよろしいですか。
  157. 持永和見

    持永政務次官 個々に具体的にどこまでするかというのは、これは人事院規則の問題でありますけれども、人事院においては、今私が申し上げました、また先生の御質疑にもありますような、法律趣旨が、そういう専門的、技術的な職務に当たっておられる人については当然適用されるべきだと私どもも思っておりますから、そういう判断がされるのではないかなというように思っております。  それから、全体としての福祉職の問題につきまして、私どもとしては、全体として、やはりこれから福祉に関する国民のニーズあるいは需要というのは高まるばかりでございますから、そういった人たちが福祉職として喜んでその任務に当たられるように、処遇の改善その他については、それぞれの箇所で、またそれぞれの任命権者の方で御判断をいただけるものだというふうに思っております。
  158. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 次に、前西村防衛政務次官のセクハラ暴言について発言をいたします。  先ほど官房長官は、政府として、この西村氏の問題については大変反省していると言われましたが、本人は余り反省していないわけですね。辞任の記者会見でも、反省どころか居直りまでやっている。それで、辞任の記者会見のときに、先立って官房長官にも会った、そして官房長官は納得された、今までいろいろな方がオフレコ発言とか軽い気持ちで発言したことが今回の事態のようなことになる、こういうことを話し合ったというふうに西村氏は言っておられるわけですが、これは新聞で報道されております。単なる軽い口で滑らせたのはまずかったなというお話をされたのでしょうか、官房長官
  159. 青木幹雄

    青木国務大臣 本件の経過につきましては、私が週刊誌の記事を知ったのは十九日の三時過ぎでありました。私の考えとして、西村さんも当時現職の政務次官でありますし、国民の代表として選ばれた国会議員の一人でありますので、やはり直接本人の話を聞いて進退の問題についても相談をすべきだという基本的な考えで、私は連絡をとりましたが、彼は新幹線で大阪の夜の会議に行くために既に出発をいたしておりまして、私は、明日の八時半に官邸で待っておりますから来てくださいという連絡をとりました。  八時半から約二時間ばかりにわたって、週刊誌とのインタビューの内容の報告を聞きました。間違いがあってはいけませんので、私は本人にきっちり文章で書いてもらいました、経過一切。しかし、その中には、一切そういう今までのオフレコの話などは、私は少なくとも聞いておりません。  それから、私が本人の立場を納得したという発言がございますが、そういうことは一切納得いたしておりません。彼の発言は、現職の政務次官としてこれは絶対許すべからざる発言であると考えましたので、本人の進退について速やかに決定するように求めたところでございます。
  160. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 男女共同参画担当の省としては、こういう場合には本当に厳しく伝えるということが当然だというふうに思います。やはりこの程度の認識、平気で西村さんがこうやって言っているわけですよね。それについてもきちっと、そんな話はしていないぞというなら、していないぞということで訂正されるようにぜひ求めたいと思います。  最後に、横山ノック大阪府知事のわいせつ事件の問題なんですけれども、これはもう民事訴訟で、知事は公務に専念するという理由で審理に応じないということで、この裁判は結審いたしました。知事の敗訴が確定しましたけれども、知事は裁判所の外で、原告の女子学生が反論できないような、記者会見で、本会議の答弁で、真っ赤なうそだということを繰り返しております。原告の女性の心の傷は大変深刻です。敗訴が確定した知事は、金さえ払えばいい、こういう態度なんです。これは一層女性の尊厳を踏みにじるそのものなんですね。大阪の女性団体も、全国の女性団体も、女性の皆さんも、今知事に対する抗議が殺到しております。こういう態度こそ、女性の人権を踏みにじるセクハラそのものだ。この事態を、共同参画法の担当大臣としてどう見ておられますか。
  161. 青木幹雄

    青木国務大臣 ただいまお尋ねのありました大阪府の知事の件につきましては、地方自治体の首長にかかわる個別の案件で、現在係争中の問題でもありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、男女共同参画社会は、男女の人権がお互いに尊重され、女性が一人の人間として敬意が払われる品格ある社会であり、その実現は我が国の将来を決定する大きなかぎとして、政府一体となって取り組むべき最大の課題であると私は考えております。
  162. 植竹繁雄

    植竹委員長 なお、先ほど瀬古由起子君からの質問に対しまして、総務政務次官持永政務次官からの答弁につけ加えまして、人事院中島総裁より補足することがあります。
  163. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 その前にちょっと私の方から、今の質問に対して。
  164. 植竹繁雄

    植竹委員長 では、瀬古由起子君、先にお願いします。
  165. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 今の長官のお話は、私は、事実がどうだったかという裁判の内容を言っているわけじゃないんです。実際の裁判は、民事訴訟は敗訴になったのに、女性がいないところで、あっちこっちであんなの真っ赤なうそだと言い張っている……
  166. 植竹繁雄

    植竹委員長 時間が参りましたので、簡潔にお願いします。
  167. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 はい。その行為そのもの、そういうやり方はセクハラそのものじゃないかという長官の認識を今伺っているんです。その事件についてどうというんじゃなくて、そういうやり方は女性に対する尊厳を奪うものじゃないかということを聞いているんです。いかがですか。
  168. 青木幹雄

    青木国務大臣 私は事実に対してよくわかっておりませんが、先生がおっしゃった今の発言がもし本当のことであれば、私は、これは女性を非常に軽べつしたものであり、許されるべきことじゃない、そういうふうに考えておりますが、真実がどうかということを私は存じません。
  169. 植竹繁雄

    植竹委員長 時間が参りましたので。中島総裁、お願いします。
  170. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 御質問の中で、国立病院の医療ソーシャルワーカーと、ハンセン病棟の介護専門員の話がございましたが、この二つの職種の方が、医療の分野で仕事をしておられるのか、それとも福祉の分野で仕事をしておられるのかということについて、現在厚生省で精査中でございます。また、制度もしっかりできていないという面もございますので、厚生省の方で考え方が固まれば、人事院の方に説明があるだろう。その説明を聞いて、今総務政務次官がお答えになりましたように、人事院の方で決めさせていただくということでございます。
  171. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 ありがとうございました。
  172. 植竹繁雄

    植竹委員長 次に、深田肇君。
  173. 深田肇

    深田委員 少し時間が過ぎておるようでございますから、少し絞りまして、簡単に終わらせたいと思いますので、御協力いただきたいと存じます。  各先輩、同僚議員が一般質問でいろいろなことを伺っておりますから、これは同じ気持ちですから、同じことをここで、防衛庁がどうだとか神奈川県警がどうだとかというのを申し上げてお言葉をいただくことはないと思いますから、それはもう心は一つだということで御了解いただいて、むしろ具体的な、今度の人事院勧告に伴うところの給与の問題に絞って、少し長官との間でやりとりさせてもらいたいと思います。  長官がきょうお読みになったこの提案理由説明というところに、四行目に、「政府としては、その内容を検討した結果、勧告どおり実施することが適当であると認め、」こう書いてあるんですが、ずばり聞きますが、何を検討されたか、検討した視点は何なのかということで、興味を持って先輩、同僚議員の質問を聞いておりました。  一言で言うと、人事院勧告が出てきた、これは代替措置であるから尊重せねばいかぬと思っている、加えて、タクシーの話も出ましたが、民間が今大変危ない、苦労している、だから公務員の方も下げたらいいじゃないか、それを下げた人事院勧告が出てきた。しかも、人事院勧告というのは代替措置であるから尊重せねばいかぬと思うから、今回はうちの方は踏み切ったよ、こういうふうに聞こえましたが、果たしてそれで、いわゆる公務員の士気は高まって、みずからがお言葉を使われたように、国民に奉仕する公務員として士気が高まって、これからやるところの行政改革を踏まえながら、国民奉仕の活動がしっかりできるというふうにお考えになるんだろうかと思います。  私は、そういう意味では、何の視点で、どういう点で検討された結果、今回はこれにしたという中身をちょっと正確に聞かせていただいて、恐らく長官と私の認識は違うと思うから、第二発目を申し上げたいと思いますので、まずお話をいただきたい。
  174. 続訓弘

    ○続国務大臣 私は、この職に任ぜられたのが十月の五日でありました。人事院勧告は八月の十一日であります。第一回目の閣僚懇は八月の十三日でありました。そして、第二回目の閣僚懇が九月の二十一日、そこで二回目の閣僚懇を開いて閣議決定をという段取りでありました。したがって、今の御質問は、直接かかわっておりません。  どういう議論がなされたか、しかし私は記録を見せていただきました。その記録によれば、今深田先輩が御指摘されましたように、いろいろな状況国民の塗炭の苦しみといいますか、経済状況は非常に苦しい状況がある。一方、人事院制度の根幹である今回の勧告、それに対して政府としてどう対応すべきなのかという議論がなされたと伺っております。その結果、先ほど来お話を申し上げているように、それではせっかくの人事院の勧告、これを政府として、今までもそうであったように今回も守ろう、こういう結果になったと伺っております。
  175. 深田肇

    深田委員 そういう説明では公務員の方も了解できないだろうし、一般市民も理解できないだろうと思いますよ。お言葉がありましたとおり、私がなる前の大臣が決めたんだから私は知らぬと言われれば、もう後は言いようがないのですけれども、当然引き継ぎ事項の中であると思いますから。  私が一番心配なのは、私の前に質問をされた先生とはちょっと立場が違うと思うのですけれども、私は人事院の存在を大事にして、人事院が今日の状況でマイナス勧告もせざるを得なかった状況理解をしておりますから、夏の段階にこの場所でやはりそういう調査活動もやりましたから、その点は承知の上で申し上げるのです。  どうでしょうか。世の中の景気が悪くて労働者が大変苦労している。したがって、ベースがどんどん落ちている。そこへ合わせなければならないということが準拠という言葉であるということについて、言葉として理解するけれども、では、この下がっているのはだれの責任なのか。人事院じゃないね。政府責任だと思いますよ。だから今、景気をよくするために努力しているのだとおっしゃるのだろうけれども、その状況の中で公務員は、民間が低くなっているのだからおまえらも低くするよというのが人事院から出たからそれでいいんだよということになると、私は、これは世の中のシステムに対する全体の問題として、やはりだれもが理解できないだろうというふうに思います。  むしろそのためには、前段あったような不祥事の問題にけじめをつけるとか、それからいわゆる信頼すべき警察官がこんなことをまたやったかと、これもさかのぼれば幾つも出てくる、防衛庁まで出てくるというような状況に対してのけじめをつけずにして、そして政治不信が盛り上がる中で起きてくるいろいろな不景気要素の中で民間の方が苦労している。それで、その苦労に合わせて公務員も下げろという論理は、これを一回認めてしまったらいつまでもいつまでも下げることになりますよ。  そういう意味では、後ほどまた行政改革委員会の中で、行革の担当大臣ですからやりとりさせてもらわなければいかぬと思いますけれども、私は、そういう立場をとるべきでないというふうに実は思っている次第でございます。  そういうふうに申し上げた上で、時間を考えますから次に入ります。  労働組合とのやりとりは七回と先ほどお話がありましたが、それはちょっと細かく聞かなければいけませんから申し上げますが、この閣議決定のもちろん前だから、これも現大臣じゃなくて前の大臣がやったという報告事項ですか。
  176. 続訓弘

    ○続国務大臣 そのとおりであります。
  177. 深田肇

    深田委員 さあ、そうなると太田長官に来てもらわぬとやりとりができなくなってしまうのだけれども、それは内部的に報告があるでしょうから報告を含めて聞きたいのですが、労働組合とやりとりされて、七回なり二回、五回と内容を分けるにしましても、労働組合なり公務員を代表するメンバーたちはどういうことを言ったのでしょうか。それに対して政府側はどういう説明をして納得させたのでしょうか。具体的な例を聞かせてください。
  178. 続訓弘

    ○続国務大臣 公務員労働組合連合会、代表者榎本さん、八月十一日付、総務庁長官太田誠一殿、要求書という形で参っております。その「記」に、「人事院勧告制度を維持・尊重する観点から、九九年のベアや福祉職俸給表新設勧告などを勧告通り実施すること。」これが榎本委員長の要求でありました。
  179. 深田肇

    深田委員 長官は引き継ぐのはそこだけだと言われればそれまででありますけれども、実際にそれだけですか。いわゆる下がるということを含めて、人事院勧告が出たから勧告は完全実施しろというのはもう伝統的に要求しているわけです。今度は戦後初めての少しダウンになりますけれども、そのこともあるが、我々はそこは辛抱するから、人事院勧告制度を堅持して勧告そのものを完全実施しろという要求をしたことは承知していますが、そのことと関連をして、労働組合なり労働者なり国家公務員の士気を高揚するために、彼らが言った話というものは賛同するものがあるのですか。それとも、何も彼らは言わなかったと言い切られますか。
  180. 続訓弘

    ○続国務大臣 これを全部読みますか。御存じでしょう。(深田委員「ええ、知っていますから、趣旨を言ってください」と呼ぶ)  そうだとすれば、私が一番必要なのは「記」、これが要求のすべてだと思います。ただし、前文にいろいろあります。今のような御趣旨の前文はございます。
  181. 深田肇

    深田委員 これだけ言ってもしようがありません。要するところは、公務員の働く意欲だとか、それから奉仕する側にとっての士気を高めるために、労働組合とあえて言いますが、労働組合なり職員団体は積極的に今回の人事院勧告を受けとめながら具体的に諸要求をしっかり出していると思います。  その点は、今、そこのところを御承知なんだから、再度質問せんかったら、あなたは東京都の副知事までやられた立場ですから、お役所はそういう読み方するのかもわかりませんが、「記」のところの項目だけ挙げて、人事院勧告を完全実施だけをお約束したのだから、要求したのはそこを応じればそれでいいんだというのではなくて、そこへ行くための、あえて言えば、労働組合から見れば苦渋の選択ですよ。その点を前書きに書いたり、当然文章の前後にはお話をしているはずだと思います。我々はそういう陳情も聞いています。  そのことをしっかり引き継ぎがされたかどうかわかりませんが、きょうこの場所で申し上げておきますので、新長官となるわけですからしっかり受けとめてもらって、現場の労働者や仲間たちと一緒になって、いわゆる行政改革をやるにしても、これから国の仕事をするにしても、士気が高まるような環境をどうつくるかということが一番大切だと前から申し上げておることでございます。  その点をしっかりと受けとめていただきまして、私どもの立場から申し上げますと、労働組合とあえて言いますが、現場の職員たちとしっかりと話し合いをして、意思統一をつくりながら頑張るんだ、こういう政治の仕方が一番大切だろうと思いますので、一言そのことを申し上げておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  182. 続訓弘

    ○続国務大臣 今御質問の趣旨は当然だと思います。そういう中で、これからいろいろなことをやらせていただきたいと存じます。
  183. 深田肇

    深田委員 さて、そうなりますと、その次はもう当たり前のことかもわかりませんが、新しく長官になられたことが今明らかになり、人事院勧告を決めた閣議が古い話になっておりますからあえて伺います。人事院の存在は、先ほど意見が出ておりましたけれども、絶対的にいいものだとお考えの上で、しかもこの勧告はしっかりとした勧告として受けとめていくべきだというふうに、長官のいわゆる行政上の姿勢はそういう姿勢でしょうか。それとも、人事院というものはあってもなくてもいいものと思っていたり、出てくる問題は我々の方で検討して、いいものはいい、悪いものは悪いんだ、そのぐらいのフリーハンドでおるんだよという程度の構えでしょうか。私はそれでは困ると思う。  戦後、今日までのいわゆる人間と人間の関係、それから行政と労働組合の関係を考えたときには、人事院の果たした役割は、単なる代替の問題だけではなくて、日本の全体の秩序を維持するために、お互いが出し合った知恵としてここまで来ているわけだし、それだけの一定の影響力も持ちながら成果も上げているわけですから、この点は、この人事院制度人事院勧告制度というのは大切なものだとして、これをしっかり受けとめて、原則的には完全実施でいくのが本来の姿なのだというふうに新長官からお言葉をいただきたいと思います。いかがですか。
  184. 続訓弘

    ○続国務大臣 深田委員は、先ほども申し上げたように、練達の士であります。組合幹部でもございました。その意味で、全く立場は私は同じだ。したがって、人事院制度は守り通す、これはもう当然のことだと存じます。
  185. 深田肇

    深田委員 そういうお言葉をいただきましたので、もう一遍確認しますよ。人事院制度をしっかり堅持して、その勧告は受けとめて、それを私は完全実施という言葉を使いたいが、長官は完全まで入れるかどうかわかりませんが、それは実施すべきものだというところまで、言葉として確認してよろしゅうございますか。
  186. 続訓弘

    ○続国務大臣 そのとおりであります。
  187. 深田肇

    深田委員 ありがとうございました。  それが僕は、当面の国家公務員に対する我々の態度としてあるべきことだし、その中でいわゆるお互いの秩序ができて、これからやるところの二〇〇〇年、二〇〇一年に向けての行政改革等々に対しての全体的な意思を集約して、みんなで仕事をしていくという情勢をつくることができると思いますから、その点はしっかりと守っていただきたいというふうに思う次第でございます。  そこで、人事院の方にちょっとお話を、総裁がせっかくいらっしゃいますから伺っておきたいと思いますが、夏で一度やっておりますけれども、もう一度伺います。  いろいろな民間との関係で調査されたのでしょうが、やはりどうしても、それ以降今日まで現場を歩いて、公務員の方々や、同時に一般の民間の人に、公務員でも今度は下がったのだよ、それに伴って、極端なことを言いますけれども、議員だって歳費からぼこっとことしは減るのだよという話をいたします。  国会議員が下がるのは、一般の人は笑って聞いておりますけれども、民間の労働者も、それから地方公務員なり国家公務員の方々も、やはり人事院が今回いろいろな計算をしてやったことだろうが、下げたものが出たということについては、もう一遍聞きますけれども、これはもう今年度はベストだというふうにお考えですか。ベストなのだ。それとも何かに比べてベターなのだということでしょうか。やはりみんなは、下がることについて、それは納得できない。ただ、悪くしたらもっと悪くなったかもしらぬということを言う人はいますよ。人事院勧告がここでとまってくれたからよかった。これをほっておいたらもっともっと悪くなってしまって、泥沼闘争に入ったかもしらぬという心配をする人もいますよ。  いますが、その点はもう一遍、計算された根拠を細かく聞く必要はありませんが、人事院総裁責任において、これはまさに今日的状況ではベターだ、ベストまでいかなくてもベターなものだということで出したのだということは、やはりいただいて、それを私どもは公務員等々に説明しなければいかぬのかなと思いますが、一言もう一度いただいた上で、最後に次の話をしたいと思います。
  188. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 たびたび御説明をさせていただきましたが、私たちが公務員給与のあり方について考える場合には、民間状況というものをできるだけ正確に把握するということが出発点でございます。したがいまして、民間状況というのは非常に厳しい状況であった、その厳しい状況というものを反映させたのが今回の勧告でございますので、ベストとかベターとかいうことではなくして、私は、もう非常に残念ですけれども、やむを得なかったというふうに思います。
  189. 深田肇

    深田委員 だと思いますよ。これが絶対正しくて、これで言い切るというものではないだろうと思いますが、その点は業務上の処理としてそうなったと思いますから、それは、夏以来やむを得ないものだなというふうに思っております。そこはそこといたしまして、確かに今回は、先ほども話が出ておりましたとおり、福祉の職についての別の俸給が出たり、いろいろな点でいいことがあることはよくわかりますから、その点では人事院の役割は大きいだろうというふうにきちっと思います。  人事院総裁、今、当局と言ったら語弊があるのかな。長官の方は、労働組合なり職員団体との話し合いは七回やられた。人事院の方も、そういう関係諸団体なり労働組合とは十分話し合いをされて、決まった後説明をするのか、決めるに当たっていろいろな組合の意見を聞かれるのかわかりませんが、その辺は十分果たした、十分果たした上で、もっと言えば、一定程度、労働組合筋は了解したものだというような感覚でこの勧告をされておりますか。どうでしょうか。  私は、ちょっとそこが、もっともっと積極的に現場とのやりとりをされて、その声を大事にされて人事院勧告に反映されて、一緒になって政府勧告をしていくということができなかったのかなという印象を少し持ちますが、いかがでしょうか。人事院が必要であるだけにそう思うのですが。
  190. 中島忠能

    ○中島政府特別補佐人 人事院制度とか人事院の機能についてお認めいただくというか、それを支援していただくという前提でのお話でございますので、私たちも非常にありがたく思います。  ただ、私たちは、この仕事をする過程におきましては、労働団体からたびたび意見を聞いておりまして、恐らく五十回以上じゃないかと思いますけれども、課長クラス、審議官クラス、局長クラスというふうに数えていきますと、もう五十回を超えるほど私たちは労働団体との接触をし、意見を聞いております。  こういうことを重ねながら、労働団体の方の意見も吸収し、また、片一方、各省で現実に人事管理について日々努力しておられる管理者側の意見もよく聞いております。そういう中で決断をさせていただくということでございます。また、そういうことは今後も続けてまいりたいというふうに思います。
  191. 深田肇

    深田委員 これでもう終わりますが、総務庁長官の方は、先ほどのやりとりの中で、人事院の勧告を大事にしてその勧告を実施するために努力する、こういうお言葉も出たわけでございますから、人事院は、ひとつ伝統的な力を発揮していただいて、しっかりと人事院の見解をまとめられてそれを勧告してもらう。政府の方は、その勧告をきちんと受けて実施してもらうということが、やりとりできるわけでございますから、その点では、人事院のこれからの奮闘を期待しながら、同時に、総務庁長官、改めてお願いいたしまして、私の方の質問を終わります。ありがとうございました。
  192. 植竹繁雄

    植竹委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  193. 植竹繁雄

    植竹委員長 これより両案に対する討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。中路雅弘君。
  194. 中路雅弘

    中路委員 私は、日本共産党を代表して、一般職及び特別職給与改定案に対し、反対の討論を行います。  今回の改定案は、まず第一に、一般職員のベア〇・二八%は史上最低のベアであり、さらに期末手当が〇・三カ月引き下げられ、その結果、人勧史上初めて賃金水準が前年よりマイナスとなり、期末手当は十年前の支給水準に逆戻りさせるもので、これは公務員労働者の生活水準の切り下げを強いるものであります。  また、人勧に準拠している労働者、年金や恩給生活者など多くの国民の生活水準を引き下げ、個人消費を一層低下させ、消費不況打開にとっても逆行するものであります。  なお、一般職の水準である秘書官の給与も、特別職とはいえ、大臣などの高過ぎる賃金水準とは異なり、これを引き下げることは問題であります。  第二に、政府自身が、大企業の人減らし、リストラを支援し、不安定雇用の増大に加担し、民間賃金の水準を引き下げておきながら、これを公務員労働者に押しつけることは許されるものではありません。  第三に、今回のマイナス勧告は、労働基本権剥奪の代償機能とは相入れないものであり、公務員労働者に対する労働基本権の付与が改めて重要な課題となっていることを指摘し、反対の主な理由を述べ、討論を終わります。(拍手
  195. 植竹繁雄

    植竹委員長 これにて両案に対する討論は終局いたしました。     —————————————
  196. 植竹繁雄

    植竹委員長 これより採決に入ります。  まず、一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  197. 植竹繁雄

    植竹委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  198. 植竹繁雄

    植竹委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  199. 植竹繁雄

    植竹委員長 この際、ただいま議決いたしました一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、虎島和夫君外四名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を聴取いたします。山元勉君。
  200. 山元勉

    山元委員 ただいま議題となりました自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党及び社会民主党・市民連合の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     一般職職員給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府並びに人事院は、人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることにかんがみ、勧告制度を維持・尊重する基本姿勢を引き続き堅持するとともに、給与勧告機能を十分に発揮させ、公務員の適正な処遇を確保するよう努めること。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。  よろしく御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。  以上です。
  201. 植竹繁雄

    植竹委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  202. 植竹繁雄

    植竹委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。続総務庁長官
  203. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨に添い、努力してまいりたいと存じます。     —————————————
  204. 植竹繁雄

    植竹委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 植竹繁雄

    植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  206. 植竹繁雄

    植竹委員長 この際、御報告いたします。  去る八月十三日、調査局長に命じました特定公益増進法人の認定及び寄附の実態に関する予備的調査につきまして、去る五日、報告書が提出されましたので、御報告いたします。  なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十二分散会