○中沢
委員 あと一歩という感じを率直に持っておりますが、これから大いにこの
委員会を中心に、大事なテーマでありますから、国家目標とは何ぞや、いろいろ
意見があると思いますけれども、少なくとも今までの逓信
委員会のメンバーはそのぐらいの意気込みで、こちらの席からもあるいは答弁する側からも熱意がありましたので、ぜひそのこともまた受けとめていただきたいと思います。
そこで、先ほど質問に立ちました
石崎さんは、私と同じ北海道。彼はもともと放送界の出身でありますから、専門家です。ただ、今大臣おっしゃったように、北海道のローカル局というのは三つありまして、私は、逓信
委員長のときもそうでありますが、今でも比較的、個人的にもそのローカル局の社長と親しいものですから、キー局は比較をするとそれなりに
企業の体力がある、ローカル局というのはそれから見たらこんなに小さい。地上波のデジタルを本当にやるとしたら、結論からいうと、
企業は倒産するしかない、自前でやれといったって無理だ、こういう話が非常に切々と訴えられていますよ。恐らく、きょうこちらの方に座っている
国会議員の皆さんも、やはりローカル局からは同じようなラブコールみたいなものがかけられているのではないでしょうか。
ですから、私は、キー局はいいとは言いませんが、特にローカル局のそういう体力のことなんか
考えますと、ぜひひとつこれから、それを大事にしませんと、結果的に
国民が情報の格差に埋没していってしまう。ローカル局がなくなったら、ローカル番組はない。場合によっては、アンテナがなくなって、鉄塔がなくなって、そういう放送も聞けない、こういうことになりかねませんので、その辺はひとつ大臣、よく押さえていただきたいと思います。
そこで、時間が来ておりますから最後の質問にしたいと思いますが、今、大臣おっしゃいました。いわゆる放送の分野と通信の分野、これからどうなるか、十分見ながらやるというお話、私もそうだと思うんです。
BSは来年の十二月から
NHKが始まる。地上波は早くて二〇〇三年から、十年間でやる。問題はその間、僕はパソコンを自分で操作できませんが、操作する人だとかインターネットを大いに利用している人といろいろ話をしますと、そっちの世界というのは物すごいスピードで技術が革新をされ、そして
機械が新しくなって、だんだん使い勝手がよくなって、テレビよりもインターネットを使うという方向に行くんではないか、こういう話があります。私自身はよくわかりません。
そこで、大臣、これは非常に大事な問題だと思いますが、確かに、国家目標としての地上波のデジタル放送という大方針を立てました。私は、それはそれで結構だと思うんですよ。ただ、そうはいっても、技術的にインターネットのいわゆる技術革命と言ってもいいぐらいの技術革新で、そっちの分野がどこまで広がるか。
僕からいえば、デジタル放送という一つの、
機械でいえばアクセルを踏む場合もあるでしょうし、もっとやれと。公的資金の問題も含めて。あるいは、もっとここのところはそちらの方との見合いで慎重にやったらどうだというブレーキを踏む場合もあるかもしれませんね。これを踏み違えると、別に橋本前総理の悪口を言うわけじゃありませんが、僕は野党ですからあえて言いますが、経済政策でも大混乱したと思うんです。しかし、大事な大事な放送と通信の分野でその種のアクセルとブレーキを踏み違えたら大混乱になると思いますね。
ですから、そこのところは
郵政大臣、御本人ももちろん放送界の出身ですからあれでしょうけれども、周辺にいろいろな専門家がおりますから、郵政省という立派なプロ集団があり、
NHKという立派なプロ集団がいるわけでありますから、
民放も含めて、あるいは通信の分野も含めて、しっかりとかじ取りを間違いなくやっていくべきではないか。
僕の質問は、やや自己矛盾しているんですよ。デジタル放送を国家目標としてどんどんやりなさい、公的資金の導入も大胆に決断をする時期があればやりなさいと言っている一方で、そうはいっても、もう一方では通信の分野はどうなるか、その辺をよく見きわめていただいて、間違いのない、郵政省としてのいい
意味での政策誘導といいましょうか、政策の決断をぜひ間違いなくやっていただきたい。これは、期待を込めて申し上げておきたいと思います。いかがでしょう。