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1999-11-18 第146回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月十八日(木曜日)     午前九時三十四分開議  出席委員    委員長 中村 鋭一君    理事 稲葉 大和君 理事 今村 雅弘君    理事 高市 早苗君 理事 日野 市朗君    理事 渡辺  周君 理事 石垣 一夫君    理事 達増 拓也君       奥谷  通君    栗原 博久君       小林 多門君    佐田玄一郎君       鈴木 俊一君    砂田 圭佑君       田中眞紀子君    竹本 直一君       蓮実  進君    桧田  仁君       松下 忠洋君   三ツ林弥太郎君       宮路 和明君    目片  信君       望月 義夫君    渡辺 博道君       渡辺 喜美君    北村 哲男君       小林  守君    辻  一彦君       葉山  峻君    松崎 公昭君       山本 譲司君    赤松 正雄君       木村 太郎君    旭道山和泰君       三沢  淳君    平賀 高成君       藤木 洋子君    北沢 清功君     …………………………………    国務大臣    (国土庁長官)      中山 正暉君    内閣官房長官      額賀福志郎君    科学技術政務次官     斉藤 鉄夫君    国土政務次官       増田 敏男君    外務政務次官       山本 一太君    通商産業政務次官     茂木 敏充君    運輸政務次官       中馬 弘毅君    建設政務次官       岸田 文雄君    自治政務次官       橘 康太郎君    政府参考人    (内閣審議官)      中村  薫君    政府参考人    (科学技術庁原子力局長) 興  直孝君    政府参考人    (大蔵省主計局次長)   津田 廣喜君    政府参考人    (気象庁長官)      瀧川 雄壯君    衆議院調査局第三特別調査    室長           澤崎 義紀君     ————————————— 委員の異動 十一月十八日  辞任         補欠選任   栗原 博久君     鈴木 俊一君 同日  辞任         補欠選任   鈴木 俊一君     栗原 博久君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に対する件  災害対策に関する件     午前九時三十四分開議      ————◇—————
  2. 中村鋭一

    中村委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣審議官中村薫君、科学技術庁原子力局長興直孝君、大蔵省主計局次長津田廣喜君、中小企業庁長官岩田満泰君、気象庁長官瀧川雄壯君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村鋭一

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 中村鋭一

    中村委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。奥谷通君。
  5. 奥谷通

    奥谷委員 おはようございます。奥谷通でございます。  私は、出身が神戸でございますので、やはりあの阪神淡路大震災に触れずしてこの災特質問に立つことはできません。そしてまた、このたび中山大臣が御就任いただきまして、お隣で同じあの大震災経験をした者として、あるいはまた実力派大臣であるということで、大変心強く思っております。どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。  阪神淡路大震災が起こりまして、きのうではや四年十カ月となりました。自来、数々の支援をいただきまして、大変感謝をいたしておるところでございます。また、数々の特例措置も設けていただきましたが、壊滅的な被害を受けました神戸港やあるいは周辺交通網、ライフライン、住宅等生活基盤社会基盤整備は着々と進んでおりまして、おかげさまでほぼ完了いたしました。ただ、人が自立するに足る経済産業復興が、現下の長期不況と重なりまして、惨たんたるありさまでございます。  そのような中、今臨時国会におきましても、補正予算阪神淡路メモリアルセンターを認めていただきましたこと、大臣の御英断に衷心より感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。このセンターは、単にあの大震災を記録にとどめようとするためだけではなくて、大震災経験や教訓を共有財産として、防災に関する総合的、実践的な能力を有する人材を育成する、いわば機動的、戦略的な試みでございます。既に、トルコ北西部大地震においても要請が相次いでいると伺っております。  そのような中で、来年の一月で震災から五周年を迎えるわけでございます。総理大臣本部長とする阪神淡路復興対策本部設置法期限も来年の二月に到来をいたします。と同時に、数々のいただきました特例措置期限も参るわけでございまして、それらについては、個々に総括、検証する中で、特に必要なものについては延長要望活動をいたしておりますが、肝心かなめのこの阪神淡路復興対策本部がなくなってしまうのは大変心配で仕方がございません。  先ほどございました天皇の在位十周年の記念式典におきましても、被災地より代表の方が祝意を述べさせていただいたところでございますし、また、その翌日の茶会におきましても、天皇皇后陛下にお出会いをさせていただいた中でお話をさせていただきましたところ、大変御心配をいただいておったようなわけでございまして、復興対策本部が今後どのようになってしまうのか、また、その受け皿をどのように考えておられるのかということをお伺いしたいと思います。
  6. 中山正暉

    中山国務大臣 早いもので、阪神淡路大震災が起こりましてからもう五年の歳月が過ぎようとしておりまして、あの一月十七日の五時四十七分、新幹線が走る直前でございましたが、それでも六千四百三十人ばかりのとうとい犠牲が出まして、激甚災害指定地に、兵庫県の方では十市、それから大阪でも五市が指定をされて、あれから四兆九千五百億という国費が投入をされて、先生にもお地元で大変御苦労願ったことでございます。  これから阪神淡路復興対策本部は、阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律に基づきまして、五年間の時限組織でございますので、御指摘のように、来年の二月二十三日をもって解散するということになりますので、その後も引き続いて地域経済活性化、再生の問題その他鋭意努力をしていかなければならないと私どもも決意を固めております。  私も、十月十七日、先生も御同席しておられましたが、いろいろな地域の御要望を承ったところでございますし、それからまた現場視察に十月二十七日と、就任早々二回現地に入らせていただきまして、現地方々ともお話し合いをしたところでございますが、今後も阪神淡路地域復興のために関係省庁と引き続き必要な支援を行っていきたいと思いますので、復興本部期限満了後においても関係省庁の施策が円滑に実施されますような必要な体制について、関係省庁間で検討させていただいております。まだ確定的なものは発表するに至っておりませんけれども実務者による組織をつくってまいりたい、こんなふうに希望を述べております。
  7. 奥谷通

    奥谷委員 ありがとうございます。  もう就任早々何度も被災地の方へ行っていただきましたこと、本当に心より感謝いたしております。また、それだけに地元の方といたしましても大きな期待があると思いますので、今後ともの御支援をよろしくお願いしたいと思います。  それから、震災の件についてもたくさんあるわけでございますが、次に取り上げたいのは、ことし六月二十九日に西日本を襲いました集中豪雨被害の件でございますが、昨年九月の台風のときにもあったわけでございますけれども神戸兵庫区の新湊川という二級河川がございます。この川がはんらんをいたしまして、大きな被害を出しました。前回、七月二十二日に行われました災害対策特別委員会におきましてもこの質問をさせていただいたわけでございますけれども、とても短時間でございましたし、またさらに具体的な対策についてお伺いをしたいと思うわけでございます。  この新湊川というのは過去何回かはんらんをいたしておりまして、大きな被害を出しております。幹川流路延長十三・一キロ、流域面積二十九・九平方キロという本当に小さな何でもない二級河川でございますけれども流下能力が百立方メートル・パー・セコンドと河積が狭く、人家や日本有数商店街市場が密集しているために、幾度となく溢水はんらんで今まで大きな被害を出しております。  先ほど触れました阪神淡路大震災でございますけれども、これによりまして、河川災害復旧助成事業の認定を受けまして、河積の拡大を図る工事を現在行っております。その工事中に、昨年、ことしと二回溢水、大被害を出したわけでございまして、昨年の九月のものにつきましては、工事中の不手際というものが認められまして、一部補償が行われておりました。しかしながら、ことしの、今回の件につきましては補償の対象にはなっておりません。というのも、今回のものにつきましては、十分な対策が行われておる中で、それ以上の雨量があったということでございます。  私は、きょうはその補償についてのことを云々というわけではございませんで、きょう声を大にして言いたいのは、被害が出るたびに、二度と起こらないようにと口にする、これがもう何度も繰り返されておるわけでございまして、百歩譲りまして、三度目が決して起こらないようにしていただきたい、これを願うわけでございます。  仏の顔も三度までというような言葉もございますけれども商店街市場の商品の被害だけでなくて、こういったお客様が集まる場所でございますから、イメージというものも今や台なしになっております。現在も雨に備えて土のうが山積みされまして、歩道やシャッターの前に置いてあります。工事中とはいえ、雨が降るたびに恐々と恐れなければならないというのが現実でございまして、これも大変心配の種でございます。  お伺いしますと、会下山トンネルというトンネル完成すればもう少し心配もなくなるだろうということでございますけれども、この会下山トンネルというのも難工事で、一体いつ完成するのかわからないというような状況でございます。  それまでの間は仮の水防柵によりまして溢水を防いでおるというようなことでございますが、既にことしの水害のときも、この水防柵が水の勢いで吹っ飛ばされまして、そして溢水被害が広がったわけでございます。この同じような水防柵では不十分ではないか、そのような気持ちが私はするわけでございますので、何とかこの会下山トンネル完成までの間に、水防柵しか方法がないのかどうか、あるいはもっと頑丈なものにかえることができないのかどうか、その辺のことをあわせてお伺いをしたいと思います。
  8. 岸田文雄

    岸田政務次官 新湊川につきまして、先生お話しいただきましたように、平成七年の阪神淡路大震災被災を受けまして、新湊川災害復旧助成事業を推進しているところでございますが、御指摘の二度にわたる被災にかんがみまして、県の方で立命館大学中川博次教授委員長とする新湊川浸水災害調査委員会、こういったものをつくりまして調査検討しているところでございます。  その委員会提言をことしの九月に受けまして、その提言に基づきまして、例えば、工事期間中の河道から洪水があふれることを防ぐ水防柵の強化、あるいは橋など川幅の狭い箇所の拡幅を行う、あるいは住民に的確に情報が伝わるために雨量、水位の監視体制を強化する、こういったことを県に対して指導しているところでございます。  そしてまた、御指摘いただきました会下山トンネルでございますが、この会下山トンネル、明治二十九年に神戸洪水から守るために建設された河川トンネル先生御案内のとおりでございますが、これは平成七年度から地元調整に入り、平成九年度から本格工事に着手して、今工事を進めているわけでございます。  この工事につきましては、難航している理由としまして、トンネルに通水しながら施行しなければいけない、こういった条件下にある。また、真上を私鉄や、多くの住民が住んでおられるために、沈下等影響がないように慎重に行わなければいけない、あるいは住民皆様方の理解を得ながら工事を進めなければいけない。そして、先ほど御指摘がありました、二年連続雨による被災を受けた、こうした厳しい条件が重なりまして、工事が難航しているわけでございます。  こういった厳しい条件でありますが、ぜひ、先生お話にもありますように、二度とこうした心配がないようにしっかりとした工事を進めなければいけない、最大限の努力で進めているところでございます。ぜひまた御指導いただきながら努力を続けたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  9. 奥谷通

    奥谷委員 いろいろとお話を伺えば伺うほど難工事ということ、いろいろな問題が重なり合いまして難しいとは思うのですけれども、そういった当局側熱意というものが地元住民に必ずしも正確に伝わっていない。地元住民は前のままの方がかえってよかったんだとかいうような非常に間違った認識をしていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいまして、せっかくそれだけの熱意と費用をかけていい方向で行っている工事でございますので、地元の、その近隣の方々にもその辺のPRというものをひとつ十分にやっていただきながら、協力を得て、一日も早いこの工事完成を祈り、また被害の出ないように祈るわけでございます。  今後とも、特段の御協力、御支援をお願い申し上げまして、本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  10. 中村鋭一

  11. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 おはようございます。自由民主党の鈴木俊一でございます。  きょうは災害対策に関する一般質疑ということでございまして、我が党では奥谷先生が当初三十分やることになっていたわけでありますが、十五分お譲りをいただきました。  実は、十月の二十七から二十八日にかけまして、私の地元でありますが、岩手県北におきまして大変な大雨による被災がございました。  被災状況でございますが、これは十一月十五日現在ということで、今後まだふえる可能性は大いにあるんでありますけれども土木施設被害が三百九億円余、農業関係八十二億円余、住家被害四十八億円、そして林業施設四十三億円ということでございまして、総額は五百二億円という岩手県政史上二番目の大きな災害でございます。  そして、その被害といいますものが比較的限られた市町村に集中して起こっているわけでありまして、例えば、県北軽米町では二百五十六億円、二戸市で八十九億円、山形村で五十五億円、九戸村で三十五億円、こういうことであります。総額が五百二億円ということでありますから、その半分以上が軽米町、二百五十六億円被害が出たということであります。これがどれぐらいの被害かといいますと、軽米町の年間予算、これは平成九年で七十一億円程度でありますから、実に年間予算の三・六倍に上る被害が出たということでございます。  これの被害、何とか早急に復旧をしていただかなければならないわけでございますが、まずその第一歩として、ぜひ激甚災指定をしていただきたい、これが重要なことでございます。そこで、この激甚災害指定に向けての作業進捗状況、それから指定見込みにつきましてお尋ねをいたします。
  12. 中山正暉

    中山国務大臣 十月の二十六日に発生いたしましたこの災害によりまして、お気の毒に死者四名の方が出ておられます。心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。同時に、自治体に対しましての大変な被害、お見舞いを申し上げます。  激甚災害指定につきましては、被害額被害を受けた自治体財政状況、また被災地農業所得状況に照らしまして判断することになっておりまして、地方公共団体被害報告を受けて、関係の各省庁におきまして、指定の前提となる被害額、今いろいろ詳細な被害額を拝聴したところでございますが、復旧事業費査定作業をこれから行っていきたい、鋭意努力をいたしております。  今、指定基準に該当するものについては速やかに対処をいたしたい、かように考えておりまして、全国的な激甚災害、いわゆる本激の指定時期については、被害査定見込み額段階指定が可能なために、災害終息後おおむね二カ月間はかかるのでございますが、これが通例になっておりますが、指定基準に該当すれば年内にも指定をできるのではないか、かように考えております。
  13. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 今後の調査によるわけでございますが、私どもとしては、あの災害を目の当たりにいたしますと、ぜひ激甚災、しかも本激の指定というものを、これはいろいろ決まりがあるわけでありますが、心から望むところでございます。  しかし、最近、公共土木施設につきましては本激の指定がほとんどないということも聞いておりまして、激甚災害基準の見直しの検討も行われている、そういうお話も伺っておりますが、その状況についてもあわせてお伺いいたします。
  14. 中山正暉

    中山国務大臣 今のお話でございますが、近年の全国的な激甚災害、いわゆる本激の指定状況を見ますと、農地等関係指定は一定程度行われていますが、公共土木施設関係指定はほとんどない。阪神淡路大震災ぐらいで、これが平成七年でございますが、その前は昭和五十七年と五十八年にありましたぐらいでございまして、公共土木事業関係指定はほとんどありません。  このために、現在、近年の災害による被害額、それから国と地方公共団体財政負担の実情、そういうものを踏まえまして、国民経済に著しい影響を及ぼすような災害につきましては、適切に激甚災害指定できるように指定基準についても検討を行いたいと思っております。これも遅くとも年度内に完了できるように関係省庁とも鋭意努力をいたしておるところでございまして、日本周辺台風が発生したりするような異常気象が続いておりますので、それに対応できるような措置を講ずべきだと私も思っております。
  15. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 今大臣から激甚災指定にはこういう段階があるというスケジュール的なことも伺いましたが、地元では、急いでその結果を見きわめないと心理的なあれもございます。  そこで、今後の災害査定等災害復旧に対する対処方針というものについてお尋ねをしたいと思います。
  16. 岸田文雄

    岸田政務次官 十月末のあの豪雨において発生いたしました災害につきましての御質問でございますが、被災施設早期復旧を図るために災害査定申請が必要となるわけですが、この申請、例えば机上査定あるいは総合単価適用範囲あるいは応急復旧事前協議、こうした申請に必要な作業につきましてはできるだけ簡素化を図る、まずこれを進めているところでございます。そして、査定につきましては早期に実施できるように県を指導しておりまして、年明け早々にもこれを行う予定になっております。  ただ、御指摘軽米町の復興につきましては、大変大きな被害であったわけですが、その特徴としまして、町の中心部が集中的に被害を受けたために、災害復興計画いかんによりましては町全体に大きな影響を与えることになってしまう、こういった特徴があるために、町あるいは県とも綿密に連携をとりながら進めていかなければいけない、その辺を配慮しながら進めていく必要があると考えております。
  17. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 今政務次官からお話ございましたとおり、今回の災害復旧は将来的な町のあり方みたいなものも考えながら進めていただかなければならないと思うんですが、今回の災害、実は町中に雪谷川というのが流れておりまして、これが洪水を起こした、こういうことであります。大変川底が浅い川でありまして、そういう中で被害が起こったのかな、こう思うんであります。  この雪谷川平成五年にも災害を起こしたんでありますが、そのときに災害関連事業というものも一部導入をされまして、この関連事業によって、原状復旧だけじゃなくて、さらに高度な河川改修が行われたんであります。今回、私も現地に入りまして驚きましたのは、そういう関連事業をしたところは全然災害がない。そして、そのままのところから非常に被害が出たということで、この関連事業の威力と申しますか、効果の絶大さを改めて感じたわけでございます。  ぜひ、今回の災害復旧に当たりましても、必要な箇所はそうした関連事業というものでやっていただきたい、そういう地元要望がございますが、いかがでございましょうか。
  18. 岸田文雄

    岸田政務次官 災害復旧に当たりましては、単なる原形復旧では再度の災害を防ぐことができない、こういった場合もあるために、これまで改良復旧制度が整えられてきて、今日こうした改良復旧が積極的に使われているところでございます。  今先生指摘いただきましたように、同じ軽米町の蛇口地先では、平成五年七月二十八日から三十日の豪雨におきまして被害を受けられたわけですが、その際に二千三百メートルの区間が改良復旧により整備されたため、今回の豪雨では被害を免れたということでございます。  こうしたことも踏まえまして、今回の豪雨による軽米町の雪谷川災害復旧についても、再度災害を防ぐために改良復旧の積極的な活用が必要と考えておりますので、県の方をそうした方向で指導してまいりたいと思っているところでございます。
  19. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 非常に前向きな御答弁をいただきました。ぜひそういうことでお願いをいたしたいと思います。  質問時間もやってまいりましたので、最後に、市町村に対する財政支援について自治省にお伺いをいたしたいと思います。  先ほど申し上げましたとおり、今回の被害は十一月十五日現在で五百二億円ということでございますが、先ほどからしばしば名前が出ております軽米町はそのうち二百五十六億円、町予算のほぼ四年分弱に当たる、こういうことでございます。激甚災指定をしていただければ補助かさ上げ等がなされるわけでありますけれども、しかし、今回のこの災害によって町財政に与える影響というものは本当に甚大なものがあると思います。  私、現地に行って一つ感じましたのは、例えば、今回の災害によって、水の災害でありますから、大量の災害廃棄物というのが出てまいりました。これは広場に山積みになっておりまして、私も行きましたけれども、大変においを発生して、ぬれた畳とかそういうのがある。それを破砕機で細かくしながら処理しようというのでありますが、これも現行の制度があって、災害廃棄物処理事業費国庫補助金というのがあるのですが、実はこれも二分の一しか見てもらえないのです。残りは地元負担をしなければならない。  それから、今度の災害水道取水口がやられました。ずっと水をとって浄水場まで持っていく管が道路と一緒に全部流失してしまいました。この水道復旧も、これも規定があって二分の一なんです。これは激甚災になろうが何だろうが二分の一しか出ない。  そういうことを考えますと、この軽米町を初めとする、ほかにも山形村とか九戸村とかあるのでありますが、いずれも大変財政力の乏しい町村であるわけでありまして、今後のことを考えますと、何とかこうした町村特別交付税でありますとか地方債など財政支援に万全を期していただかなければならないと思うわけでございますが、自治省のお考えをお尋ね申し上げます。
  20. 橘康太郎

    橘政務次官 先生の御指摘のとおり、先生地元におきまして大変な災害が起こったことは、よく承知をしておるところでございます。  自治省といたしますれば、先生の御指摘のとおり、特別交付税あるいは地方債によりまして適切な財政措置を行い、先生の御指摘のとおりの適切な対処をしていきたい、このように存じておるところでございます。その点、自治省といたしまして最大の努力をいたしますので、よろしく御理解を賜りたいと思うわけであります。  ありがとうございました。
  21. 鈴木俊一

    鈴木(俊)委員 ただいま橘副大臣から大変に力強い御回答をいただきまして、本当に心強い限りであります。  先般、土曜日でしたか、実は本県に保利自治大臣おいでになりまして、そのときに軽米町長さんが陳情されました。そのときの陳情の言葉は、一言、助けてください、それだけの陳情でありまして、本当に悲痛な訴えであったと思います。保利大臣も、私がここに来てそういうお話を聞いたからには万全を尽くしたいという回答をいただいたわけでありますが、重ねて橘次官からもお話をいただきました。  ぜひ、この点は自治省において十分に御対応いただきますことを心より、再度、重ねてお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  22. 中村鋭一

    中村委員長 木村太郎君。
  23. 木村太郎

    ○木村(太)委員 長官初め皆さん、おはようございます。  今鈴木先生からお話ありましたが、実は、被害的には岩手県北が一番被害が多かったわけですけれども、私の地元青森県も三八地区というところを中心に、去る十月二十七から八日にかけての大雨洪水暴風による被害が大きく発生したわけであります。また、その前に、九月の二十四日から五日にかけては、台風十八号によりまして、これは津軽地区というところを中心に、リンゴの約一万四千トンの落果など大きな被害がありました。  鈴木先生と重なるようなことになりますけれども、今、県や被災市町村では復旧に向けて努力が続いておりますし、またそれが進むに当たって国からの支援というものを求めてくると思います。いわゆる査定早期完了や農林水産関係における激甚災害法の指定特別交付税支援など、いろいろな対応を国に求めてくるかと思いますが、どうぞいま一度、私にも国の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  24. 中山正暉

    中山国務大臣 青森県もその際の死者一名、先ほど私が鈴木先生に御答弁申し上げました、四名の死亡された方がおられるわけでございますが、そのうちで青森県一名の方が出ておられます。  激甚災害指定につきましては、被害額被害を受けました自治体財政状況、先ほどと同じような御答弁になって恐縮でございますが、被災地農業所得状況に照らしまして判断をすることといたしておりますために、現在、復旧事業費等の査定作業を急いでおるところでございます。その結果を踏まえまして、指定基準に該当するものについては速やかに対処をいたしたい、かように考えております。  青森県の八戸市及び岩手県の軽米町の被害に対しましても被災者生活再建支援法の適用をしたところでございますが、これによりまして、一定要件に合致する住宅が全壊した世帯等に対して被災者生活再建支援金の支給が可能となっているところでございます。これも所得に応じてのいろいろな基準があるわけでございますが、国土庁といたしましては、被災地が迅速かつ適切な復旧を遂げることができるように、今後とも関係省庁と一丸となって復旧事業等の実施に努めてまいりたいと思っております。  木村議員には、お父上の知事さんにもむつ小川原問題等で大変いろいろお世話になっておりまして、お父様とともに御活躍を祈念をいたしているところでございます。
  25. 木村太郎

    ○木村(太)委員 個人的な激励もいただきまして、まことにありがとうございました。  ちょっと確認したいのですけれども、やはり財政というか、お金があっての支援ということにもなると思いますので、ことしは特に全国的にも大雨による被害が九州等いろいろなところであったわけでありますが、いわゆる災害復旧等事業費というものが今年度十二分に対応できているのかどうか。間もなく第二次補正、あるいはまた年末に向けての来年度予算案編成ということにもなっていくと思いますが、この点、財政当局からお聞きしたいと思います。
  26. 津田廣喜

    津田政府参考人 まず、制度の面でございますけれども、我が国の地形の関係上、ほかの国に比べまして災害が非常に多いわけでございます。その分、災害復旧事業に関しましては、国の助成の制度というのはかなり幅広く適用されることになっております。一般の公共事業では、地方単独事業というものが今や補助事業より多くなっておるわけですけれども災害復旧に関しては地方単独事業というものはほとんどないと思います。ほとんどが国の補助の対象になっていると思います。  それから、今お尋ねの予算面でございますけれども、財政当局といたしましても、災害復旧に当たりましてはできるだけ早く復旧を図る、それによって民生の安定を図るということが何よりも大切だと思っております。  本年度も各地で災害が多発をしておりますものですから、災害査定が済んだものにつきましては、補正予算を待たずに、既に九月末の時点で公共事業予備費の執行に当たりまして、六百二十億円の手当てをしております。これから提出申し上げる予定になっております第二次の補正予算におきましても、できるだけ早く復旧をするという観点から、必要額を計上したいというふうに思っておりまして、私どもとしては、今後とも災害復旧事業の早期かつ円滑な執行に努力してまいりたい、このように考えております。
  27. 木村太郎

    ○木村(太)委員 ぜひ、特に今回被害が大きかった岩手県北、また青森県三八地区の実態というものを適切にとらえて対応をお願いしたいと思います。  気象庁にちょっとお聞きしたいのですけれども、この十月の二十七から八にかけての大雨洪水暴風被害というもの、当時の天気予報からいいますと、これだけの被害が出るとは地元の皆さんは思っていなかったと思います。つまり、実際の予報以上に悪天候あるいは短期間のうちの雨量ということになったと思います。そこで、近年の天気予報の仕組みというか、どういった取り組みをしているのかということでちょっとお聞きしたいのですけれども、最近、天気の分布をメッシュであらわす量的予報という新たな体制も始まっているようでありますが、天気予報や気象情報の充実強化に向けての取り組み方は今後どう考えているのか、お聞きしたいと思います。
  28. 瀧川雄壯

    瀧川政府参考人 お答えいたします。  先ほど御指摘ございました十月末の雨でございますけれども、非常にこの季節としましては例のないような雨が降ってございます。気象庁では、気象災害が予想されるようなときに当たりましては、警報などの防災情報を的確に発表して、注意、警戒を呼びかけてございます。  また、ことしの九月からは緊急防災情報ネットワークの運用を開始してございます。この緊急防災情報ネットワークと申しますのは、コンピューターとコンピューターをオンラインでつなぎまして必要な情報を迅速にまた確実に伝達する、さらにわかりやすい情報を図などを使って送る、そういうことを行っております。また、先ほど御指摘ございましたような集中豪雨等、非常に局地的に発生する気象現象の予測精度を図る必要があるわけでございますけれども、さらにきめの細かい数値予報技術の導入を考えてございまして、現在スーパーコンピューターの更新を進めてございます。  それから、近年、土砂災害が頻発しておるわけでございますけれども、これに対しまして、土砂災害の発生の可能性を示すインデックスと申しましょうか、いわゆるがけ等が崩れやすいかどうか、そういうものを開発中でございまして、これらの成果に基づきまして、地域的あるいは時間的によりきめの細かい予報、警報を行う計画でございます。
  29. 木村太郎

    ○木村(太)委員 気象庁としても、さらに新しいシステムを持って、努力をしているという答弁とお聞きしました。  国土庁にも聞きたいのですけれども、いわゆる防災基本計画の中では、情報収集・連絡体制の重要性ということも大きくとらえているわけでありますが、そこで私、この委員会でも今まで指摘もしてきたのですが、いわゆる地理情報システム、GISとか地震防災情報システム、DISとか、今また気象庁に指摘した量的予報など、こういったシステムを充実強化し連携を図ることが情報収集・連絡体制の構築につながっていくと思いますが、国土庁としての考え方を確認したいと思います。
  30. 増田敏男

    ○増田政務次官 木村委員お尋ねにお答え申し上げます。  大臣からもお話がございましたが、十月二十七日の大被害では、死者、行方不明者、負傷者、大変だったと思います。  それでは、お答えに入りますが、大規模災害が発生した場合には、政府、地方公共団体等が一丸となって的確かつ迅速に災害情報の収集・連絡を行うことが何よりも肝要であると認識をいたしております。  被害状況等に関しましては、消防庁、警察庁また関係機関から国土庁に伝達が参ります。それを踏まえて、国土庁から内閣情報集約センター及び関係省庁へ連絡することとなっております。また、必要に応じて収集、集約した情報を迅速に内閣総理大臣へ報告をいたします。事態が深刻な場合には、直ちに官邸において関係省庁の局長級職員をもって緊急参集チームによる情報の集約を実施することとなっております。なお、国土庁は、職員二十四時間の当直体制で情報収集を実施するとともに、災害時の情報収集・連絡を円滑に実施するため、中央防災無線網の拡充強化を実施いたしております。  今後とも、大規模災害発生時に的確かつ迅速に情報の収集・連絡を実施できるよう、今委員から御指摘のありましたことも十分踏まえながら、体制の整備に万全を期していく所存であります。御理解を賜りたいと思います。
  31. 木村太郎

    ○木村(太)委員 ぜひよろしくお願いします。  テーマをがらっと変えたいと思いますが、去る十六日の本会議から、原子力災害対策特別措置法案の審議が始まり、科学技術委員会を中心に議論されているようでありますけれども平成九年の六月に、政府は災害対策基本法に基づく防災基本計画を制定しております。その際に、自然災害に加えまして、原子力災害を初め八分野の事故災害も加えたわけであります。  今回の原子力災害対策特別措置法案の提出は、私なりに感じるのは、我が国エネルギー政策における原子力の重要性や、昨今の事故、不祥事の続発に対する国民サイドからの不安、不信感に対応するためともとらえております。そのために、災害対策基本法からある面では独立させた、万全の原子力防災体制を整えるための今回の措置法案提出なのかなというふうにとらえております。  この法案には、国土庁も実際入って作業を進めてきたようでありますし、専門的には科技庁、通産省が所管となっているようでありますけれども、我が国の防災害対策の総合的な役割を果たすべき国土庁長官に、原子力災害対策に関する考え方と、そして今回の措置法案と災害対策基本法との整合性というものをどう考えているのか、お尋ねしたいと思います。
  32. 中山正暉

    中山国務大臣 基本的には、事故災害はそれぞれ専門、原子力の場合は科学技術庁とか、それからまた先般のオイルタンカーの転覆事故がありまして、日本海で大変な被害をこうむったわけでございます。そういうときには通産省というようなことが基本ではございます。しかし、原子力災害につきましては、これが発生いたしました場合の影響の大きさにかんがみまして、平成九年の防災基本計画の中に原子力災害対策編を加えまして、原子力安全担当省に協力してその対策の強化を図ってきたところでございます。  今回の東海村の臨界事故について見ますと、防災基本計画が主として想定していた原子力発電所ではなくて、核燃料加工施設で発生する。特に、私どもの世代から見ますと、東海村というのは何か原子力問題の象徴みたいなところがありますから、想定外の状況が、現地を初めとして、現実に対応が大変な混乱をしたわけでございます。いわゆる地震が起こったときに、原子力発電所がどんなになるのかとか、こういう原子力施設がどんなになるのかという、自然災害に備える国土庁というものの責務の重要性というのを、複合事故に備える体制を整えなきゃいけないと私は思っております。  このために、今回、災害対策一般法である災害対策基本法の特別法として、原子力災害対策特別措置法案が、科学技術庁、通産省を中心に、国土庁も参加する形で立案されまして提出されたところでございます。  同法案に関しましては、原子力災害の特殊性というのは、五感に感じられないもの、また特別な訓練とか専門的な知見が必要でございまして、事業者の責任の重大さ等を踏まえまして、対応ができるように措置をしたい。一般法では対応が不可能だと思っております。  国土庁は、防災行政全般を預かる立場として、原子力安全担当省、そういう関係省庁協力をいたしまして二度とあのような事故が生じないように万全の措置を講じますとともに、予算面でも原子力災害対策の充実強化を図ってまいりたい。いわゆる低価格で発電ができます原子力というもの、それから公害の問題としては一般的には非常に低いのでございますが、しかし、事故が起こった場合の害というものは想像を絶するものがございますから、そういうものに対する万全を期するというのは近代国家の政府としての責務であろう、かように考えております。
  33. 木村太郎

    ○木村(太)委員 時間が大分なくなってきたので急いで聞きますが、私の地元青森県には六ケ所村に核燃料サイクル施設が立地しております。また、東通、大間というところには原子力発電所の建設が進もうとしているわけです。そして、地元の県からは何年も前から、原子力及び原子力災害について高度な専門的知識と必要な資機材を備え、かつあらゆる原子力災害に対応できるよう高度に訓練された、仮称でありますが原子力レスキュー隊なるものの設置を重点要望としてお願いしてきたし、求めてきたし、私も実はこの委員会で何度か指摘してきたことがあるんです。今回の措置法案の中に原子力防災専門官を置きというような文面のところがあるんですが、この部分がいわゆる原子力レスキュー隊的なものなのかどうか確認したいし、具体的にもう少し言いますと、実際に原子力災害が発生したときに現場で作業に当たるのはだれなのかということを、大変失礼ですが、斉藤科学技術政務次官にもおいでいただきましたので、お答えいただきたいと思います。
  34. 斉藤鉄夫

    ○斉藤政務次官 長年青森県としてこの原子力の防災に対して提案をいただいたことに対して感謝をしておりますし、今回の原子力災害特別措置法制定に関しましてもいろいろ御意見をいただきました。ありがとうございました。  今木村委員指摘の原子力レスキュー隊、その機能がこの新しい法律の中に入っているのか、こういう御指摘でございますが、結論から言いますと入っております。原子力緊急事態宣言、これは事故対策本部長である総理大臣が発しますけれども、この宣言後は、その事業所のすぐ近くにあるオフサイトセンター、前線拠点と言えばいいでしょうか、このオフサイトセンターに原子力事業者、それから国、市町村、県等の自治体、それからいろいろな関係諸団体が集まります。この中におきまして原子力災害現地対策本部長が現場における実質的な責任者としてリーダーシップを発揮するわけですけれども、この対策本部長関係者の調整、指示等を行うことによって、原子力事業者の原子力防災組織、それから原子力防災専門官、それから原研等の原子力の専門家、青森の場合でありますと核燃料サイクル等とも関係あるかと思いますが、あと自衛隊、消防、警察、医療チーム、連携をとりつつ、総力を挙げて応急対策を実施することになっております。これがいわゆる実質的なレスキュー隊になります。  また、本法案におきましては、特別の措置として防衛庁長官に対して自衛隊の派遣要請を行えるとしております。  また、実際原子力災害が起こったときに被曝のおそれのある作業をだれがするのかということでございますが、一義的にはその事故の責任を有する原子力事業者が行うべきものと考えておりますが、その具体的状況、必要な装備、要員等を勘案いたしまして、関係機関が事業者に協力して、適切な被曝管理のもと、総力を挙げて対応に当たることとしております。
  35. 木村太郎

    ○木村(太)委員 法案の中で青森県が求めてきたレスキュー隊なるものは入っているということを明確に答弁いただいたこと、これは大変意義が大きいと私は思います。  ただ、答弁を聞きますと、警察あるいは消防等既存のものに対して今後原子力災害に対応できる知識、技術あるいは資材を配備していくというような受けとめ方をしたわけであります。時間がなくなりましたので、それに対してちょっと具体的に最後に聞いて終わりますが、そうしますと、この専門官の責任が大きくなると思うんですね、指揮をしたり指導したりするわけですから。その専門官というのはだれが養成して、また専門官というのはどこに所属するのか。  あるいはまた、既存のものに原子力災害に対応できる役割を果たさせていくということですと、例えば共同防災訓練などを考えた場合に、いわゆる相互が連携するようなプロジェクトチームみたいなものも必要であるだろうし、あるいは原発もあれば六ケ所の核燃料サイクルもあるし、原子力施設といっても結構機能的に違いがあるわけですね。そういったこと、あるいはまた、その周辺の人口、地理的なことを考えた場合の配置状況なんかもどうなっていくのかということが気になるわけでありますが、最後にその点、お尋ねして終わります。
  36. 斉藤鉄夫

    ○斉藤政務次官 まず、原子力防災専門官はどこに所属して、だれが養成するのかという御質問でございますが、この原子力防災専門官、通産省もしくは科学技術庁、省庁再編後は経済産業省もしくは文部科学省に所属をいたします。それぞれ管轄する施設が違いますので、それぞれ異なってまいりますけれども。この原子力防災官は、平常時から原子力事業所に駐在をして、平常時は施設の点検、防災上のいろいろなアドバイス、また事業者との情報の共有等を行っておりますし、緊急時には情報の収集、また緊急事態宣言が発せられるまでの実質的な現地対策の責任者として中核的役割を果たすことになります。  どういうふうに養成をするか、どういう人がなるのかということでございますが、広範な知識と現場における十分な経験を有する適切な者を配置する、原子力行政の経験に加えて防災に関する知見を有する者ということで、年代的にも経験的にも十分な人が配せられるもの、このように我々考えております。  例えば六ケ所村、これはいろいろな施設が集まっておりますので十人程度の原子力防災官が配置されるというふうに考えておりますけれども、この原子力防災官が中核的になって、先ほどお話のございました原子力レスキュー隊と、これはレスキュー隊がそこに常駐しているというよりも、その事故またその現場現場におきまして、防災官を中核としていろいろな機能を事故対策本部長をもとに編成した方がより有効なレスキュー機能を発揮できる、このように判断をしてこのような制度とさせていただきました。
  37. 木村太郎

    ○木村(太)委員 ありがとうございました。終わります。
  38. 中村鋭一

    中村委員長 渡辺周君。
  39. 渡辺周

    渡辺(周)委員 民主党の渡辺周でございます。  本日御出席をいただきました、答弁される大臣あるいは政務次官、副長官、御都合もあるようでございますので、二〇〇〇年問題につきまして、まずはお尋ねをしたいと存じます。  いよいよ残すところあとわずかという状況になってまいりました。従来、危機管理ということが言われてまいりましたけれども、これはどちらかといいますと、突発的な災害でありますとか、あるいは、まさに予期せぬ、サリン事件に見られるようないわゆる社会不安を引き起こす大きな犯罪等によってその都度危機管理ということが言われてまいったわけですけれども、今回のY2Kの問題につきましては、ある意味ではあらかじめ予期できるあるいは予見できる、そういう意味での危機管理だということにおきまして、まさに政治の対応というものがこれから問われてくるわけであります。大震災等に見られるように、ある日突然突発的に起きた、その後どのような対応をとったかということにつきましては、かねてからいろいろと批判もあり、あるいはその都度改善された部分もあるかとは存じますけれども、このY2Kにつきましては、早くから指摘をされていた問題でございます。  そうした、この残りわずかとなった中で、現在政府として、まずはY2Kに対する対応状況というものがどうなっているのか。そしてまた、今しきりに報道等でも言われております、また多くの国民の中にも、当初は耳なれなかった二〇〇〇年問題という言葉が、やっとどういうことだということがある程度浸透してきたのかなと思いますけれども、その点につきまして、政府側の今の進捗状況、そしてまた有権者にどれぐらい理解をされているのかということにつきまして、率直な御感想、御答弁をいただければありがたいと思います。
  40. 額賀福志郎

    ○額賀内閣官房長官 渡辺先生の御質問にお答えをさせていただきますけれども……(発言する者あり)周先生。なぜ朗先生というお名前が出てきたかと申しますと、私は、新聞記者時代に初めての赴任地が静岡県でございまして、あのヘドロ公害とかさまざまな問題を取材しておりました。そのときに、朗先生に何回かお会いをして御指導いただいた経緯があるものですから、きょうは、周先生にお答えをすることはまことに感慨深いものであります。  ただいまの御質問でございますけれども、政府におきましても、先生と同じように、重大な問題と受けとめまして、誠心誠意、各省庁一体となって準備を進めてきているところでございます。  現状でございますけれども、昨年九月に、小渕総理が本部長を務める高度情報通信社会推進本部において行動計画を決定されました。これまで電力とか金融とか医療分野とか重要五分野において、また中央省庁地方公共団体等におきまして、コンピューターシステム等の修正あるいは模擬テスト等を鋭意行ってまいりまして、準備を行っているところでございます。  この結果、去る九月末現在の調査によりますと、ほぼすべての分野におきまして、完了あるいは完了の目途が立っているという報告を受けておりまして、我々も、若干心配なところもありますけれども、着々と準備が整えられているというふうに受け取っているところでございます。  いずれにいたしましても、二〇〇〇年問題に対しまして、日常生活に深刻な影響を与えるようなことがないように万全を尽くしてまいりたいと思っております。  さらに、この十月二十九日には、国民みずからが年末年始に向けて準備を行うに際して参考となる具体的な事項についてアピールをしたところでございます。これは、渡辺先生が所属している御党におきましても非常に熱心に取り組まれていることは承知しております。これは、各党の共通の課題でありますから、お互いに連携をしながら国民に啓蒙を図っていくことが大事であるというふうに思っております。  また、政府の年末年始の危機管理につきましては、官民がともに情報の連絡網を構築するとともに、あるいは重要五分野の企業それから地方公共団体、そういうところに窓口を置いて国民の皆さん方の不安を一掃するための準備を整えてまいりたいというふうに思っております。
  41. 渡辺周

    渡辺(周)委員 情を絡めた御答弁をいただきまして、死んだおやじも喜んでいるかなと思うわけでございます。  今確かにそのような形で、政府あるいは私ども民主党も大変に力を入れて、先般も私どもの党の調査団がアメリカへ行きまして、Y2Kに対しての米国の対応というものも視察をし、またヒアリングを重ねて、幾つかレポートとしてまとめてまいりました。その中で、今御答弁がありましたように、民間の重要分野、金融、エネルギー、情報通信、交通、医療分野というところで、確かに幾つかの修正や模擬テストが行われ、また中小企業においても、十月上旬の段階で事務処理系のシステムで九二%対応済みであるというような報告が政府から出されているわけではあります。しかし、これはまさに人類が遭遇する未知の問題でございます。備えをここまでしたけれども、現実問題として何が起きるかということは、正直言って、言葉を選ばずに言えば、人知の及ぶ範囲でない部分もございます。  そうした中で、かねてから言われていることでありますが、この危機管理体制ということをとらえたときに、日本の政府は、まさに十二月三十一日から一月一日にかけて、政府としてどのような体制をしくのか。きょうはお見えでございますが、例えば、内閣官房あるいは国土庁、強いて挙げれば総理大臣はどこにいて、この対応をどうされるのか。この点について、民間企業の場合は、コンピューター会社あるいは金融機関はこの暮れから正月にかけて泊まり込みで増員をして万が一に備える。肝心の政府としてどういう形でこの陣頭指揮に、万が一に備えて対応されるのか。その点につきまして、御答弁をいただきたいと思います。
  42. 額賀福志郎

    ○額賀内閣官房長官 渡辺先生指摘のように、危機管理というものは、いつ何がどういう形で起こるかわからないところに万全の体制をしいておこうということでございます。したがいまして、もちろん一億二千万の国民の皆さん方が、この二〇〇〇年問題についていたずらな不安をあおることはいかがなものかと思いますけれども、やはり安心して安定した形で新年を迎えることができるように万全を尽くすのが我々の仕事であるというふうに思っております。  その意味におきまして、政府にある危機管理センターを中心といたしまして、お互いの連絡網それから民間企業との連絡網あるいは地方自治体との連絡網等々を密にいたしまして、内閣総理大臣そしてまた青木官房長官それから関係省庁大臣、それぞれがどういう形でこの二〇〇〇年問題について国民の皆さん方に安心をしてもらうかについて、今鋭意検討をしております。具体的な措置はまだ決まっておりませんけれども渡辺先生の御指摘に、また国民の皆さん方に安心をしてもらうためにどうしたらいいかということをよく踏まえた形でつくらせていただきたいというふうに思っております。
  43. 渡辺周

    渡辺(周)委員 二代目の宿命でございまして、どうしてもおやじの名前を言われてしまうわけでございます。  今そのように、若干抽象的な御答弁でございます。私どもとしましては、やはり危機管理のトップに当たる人間は、ぜひともそういう意味において、例えばセンター周辺に十分以内、五分以内に到着できるところにいるべきではないだろうか。  きょうは国土庁長官もいらっしゃいますが、プライベートな部分にも立ち及ぶかもしれませんが、大みそかの夜はどちらにいらっしゃって何をしていらっしゃるのか。選挙区に帰られて御家族で雑煮を食うのかもしれませんけれども、いや、そんなことをしていられないよ、自分は五分以内に到着できるところにいるはずだというのか、その点についてもちょっと、長官がいらっしゃいますので、御答弁いただければと思います。
  44. 中山正暉

    中山国務大臣 コンピューターによるユートピア時代、コンピュートピア時代なんて言われましたが、実はそれが大変な危機を予測しなければならない二〇〇〇年問題ということでございますので、私は、結論から申しますと、九段宿舎二〇五号室に十二月三十一日の晩から元旦の朝にかけております。  アメリカあたりでは、アジアが、先進国で最初に元旦を迎えるのは日本だといいますから、日本が何をするか対応を見ている。日付変更線を、六時間後に向こうは新年を迎えるわけでございますから。航空機の飛行予定も、三分の一にアジアでは減らしているというようなうわさを聞いております。  これに対応すること、何が起こるかわかりません。あとは神様にお祈りするだけみたいな形になるかもわかりませんが、神は世界を統治する、その統治の内容、その計画の遂行、それが世界史であるなんということわざがあります。ですから、この新しい科学技術の時代の世界史の一ページをめくる瞬間、特に二〇〇〇年の、ミレニアムという千年紀の最初が幸せでスタートするのか、それともそれを人知で克服できるのかという瀬戸際でございますので、万全の対応を期したいと思っております。
  45. 渡辺周

    渡辺(周)委員 九段宿舎にいらっしゃると。もちろん、長官のみならず官房副長官あるいは官房長官、そして小渕総理も、この日はとにかく公邸か宿舎かあるいはすぐそばのホテルか、何かありましたときに、とにかくすぐに駆けつけられるような対応を考えていただきたい。まさに、こういう時点で予期している危機管理でございますので、その点につきましては、政府として、決して漏れのないような対応をしていただきたい、そのように要望する次第でございます。  この二〇〇〇年問題につきましては、確かに政府あるいは政治家挙げていろいろ対応してまいりましたけれども、アメリカ等に比べますとまだ本格的な情報提供の分野において——民主党のコンピュータ西暦二〇〇〇年問題対策本部が米国に派遣団を出しまして、さまざまな、議会関係者ですとか国防総省、国務省の方々と意見交換をしてまいりました。その報告書を我々も受け取っているわけでありますけれども、アメリカというのは、確かに、タウンミーティングを繰り返してみたりブックレットを随分配ってみたり、いろいろな形で、二〇〇〇年問題とは何か、そしてどうすべきであるかといったようなことで、ある程度情報の提供が行き渡ったんではないだろうかという感触を持ったようです。  日本の場合はこれからある程度、そういう分野というのはどうも我々には関係ないよというようなことを思っている方もいるわけでありまして、先般も、私が地元でお年寄りの方とお話をしましたら、新聞で水を蓄えておけ、食料を三日間蓄えておけと言われたけれども、一体何が始まるんですかと本当に心配している方もいらっしゃいました。これから必要以上に過激な情報を流すと、かえって社会不安といいましょうか、パニックとは言わないまでも、かなり不安を大きくしてしまうだろう、そういうジレンマも我々は実は感じているところであります。  残すところがあと四十日強であります。どういう形でこれから啓蒙あるいは準備、情報提供していくのか。情報の伝達というのは、まさにこれからの危機管理の上で必ずや、さまざまな学者の方々指摘をしておりますが、その伝え方一つによってはいたずらに混乱を巻き起こす、危機管理上、情報の伝達ということは大変大きな要因を占めるわけでありますが、今後の国の対応はどうされるのか。  そしてまた、アメリカの例で恐縮ではありますけれども、アメリカでは常に、国民に対して大変イメージしやすい比喩を用いていたんですね。これは、大体三日ぐらいの嵐が来ると。アメリカは、サイクロンですか、ハリケーンが来る、大体三日ぐらいの嵐が来るということを想定すればいいんではないかということを国民にメッセージとして発信をしておりました。  そういう意味では、こうした非常にイメージしやすい、わかりやすい比喩を、まねるというわけではありませんけれども、やはり国民に対する呼びかけというのを日本としても何らかの形で伝えたい。そして、その反面で、余り社会不安を巻き起こすようなことではなくやっていくべきではないかと思いますが、その点の、残り四十日強となりました中での政府のこれからの対応をお尋ねしたいと思います。
  46. 額賀福志郎

    ○額賀内閣官房長官 今の渡辺先生の御指摘はもっともであるというふうに思っております。  先ほど申し上げましたように、政府は先般、新聞の広告をもって、どういう点について御注意をしていただきたいかということについて、国民の皆さん方にPRをさせていただいたところでございますが、今後も、新聞やマスメディアを使いまして、あるいは協力をいただいて、この二〇〇〇年問題についての、我々が注意しなければならないことについて、言ってみれば浸透を図っていきたいというふうに思っておるところでございます。  また、地方団体、それから企業の皆さん方、あらゆるネットワークを通じて、注意、あるいはまた備えることについて、我々は喚起をしていきたいというふうに思っておるところであります。  また、アメリカが、言ってみれば三日ぐらいの嵐を想定すればよいというようなことをキャッチフレーズに使って注意を喚起しているということでございますけれども、この辺もマスメディアに乗っけて、どういうふうに国民の皆さん方に浸透させるかということは大事なことだというふうに思っております。  思いついた限りで言えば、みんなで備えて明るい二〇〇〇年みたいな形で、それぞれの家庭が、お父さん、お母さん、あるいは小さな子供まで、そういうことが徹底をしていくことによって一つの共通の認識を持つことが大事ではないか。我々の小さいころは、戦争直後でありまして、停電なんかはしょっちゅう起こったことがありましたから、幼い子供心にも、そういうことが起これば真っ暗やみでも一人で家の中や家の周辺は歩ける、そういう触覚が働いたと思いますけれども、そういうことも子供たちに教えながら、一家がお互いの自己責任の中でこういう問題を処理していくという形、習性をつくっていくことができればよいのではないか、そういうことを考えております。
  47. 渡辺周

    渡辺(周)委員 まさに人心に対して不安を起こさぬように、的確な周知啓蒙というものはぜひとも、我々も含めまして図っていかなければならないと思います。  あと二点ほどこの二〇〇〇年問題について御質問しますが、自治省と外務省でございますので、もし副長官が御多忙のようでございましたら、ここで御退席いただいても差しさわりはございませんけれども、ぜひ名前は覚えていただきたいなと思う次第でございます。  それでは、あと市町村の対応という点につきまして自治省お尋ねをするわけでございます。  政府あるいは民間企業の対応に比べまして、市町村あるいは地方自治体、その自治体の所有するシステムあるいはその関与する事業においても対応は当然していると思いますけれども住民が、例えば大みそか、もし何かあったときに、とにかく、わからないけれども、消防署に電話してみろ、あるいは市役所に問い合わせしてみろということで、まさか政府の対策本部に直接聞こうなどという方はほぼいらっしゃらない中で、まずは身近な問い合わせ先はやはり地元の役場であろう、あるいは役所であろうと思うわけです。  そうしたところで、当然、住民に対して、もし何かあったときには、御心配なく、あるいは不安を持たぬようにということで、適切な情報を提供することがまさに望ましいわけでありますし、また、当然、国として年末年始の相談窓口の設置を求めているということも伺っておるわけですが、このことについて今どのぐらい自治体に対して国として協議をしているのか、そしてその進捗状況はどうであるのかということにつきまして、自治省にまずお尋ねをしたいと思います。
  48. 橘康太郎

    橘政務次官 お答え申し上げます。  自治省におきましては、平成十一年九月三十日現在の調査結果によれば、市町村におけるシステムの修正作業は九割以上終了いたしております。模擬テストは八割以上のシステムで完了いたしております。危機管理計画の策定が完了しているシステムが約五割でございます。これらの取り組みにつきましては、いずれも、遅くとも年内には対応が完了するめどが立っているところでございます。  自治省におきましては、地方公共団体に対して、自己の保有するシステムだけではなく、民間が保有する社会インフラにかかわるシステムが問題を起こした場合でも対応できる危機管理計画の策定や、年末年始における住民からの相談や問い合わせに対し迅速かつ的確に対応できる体制の整備について要請をしておるところでございます。  なお、私自身は、十二月三十一日、家内と一緒に東京に入りまして、がっちりと対応いたします。そして、指示をすることをお誓いいたしておきます。  さらに、この十月二十九日に自治大臣官房総務審議官より各市町村に対しまして、年末のコンピューター二〇〇〇年問題に対して十分対処するよう文書でもってきちっと対応いたしておりますので、各市町村において、御指摘のように、十二月の末から二〇〇〇年の初めにかけまして問題が起こらないように十分なる配慮をすべく、きちっと文書で対応しておりますことを御報告申し上げます。ありがとうございました。
  49. 渡辺周

    渡辺(周)委員 住民にとっては身近な相談窓口である地方自治体、ぜひともこれは指導を徹底していただいて、いたずらに不安が起こらぬように対応していただきたいと思います。  この二〇〇〇年問題、もう一つ、おしまいになりましたけれども、私ども調査団がアメリカへ行きました際に、国防総省あるいは上院等々でこのY2K対策について伺ってまいりました。  そうした中で、これは外務省にお尋ねしますけれども、アメリカ側の話の中で、残念ながら北朝鮮については情報はないが、中国あるいはロシアという国々について、コンピューター化がまだ進んでいないということもありますけれども、安全保障面においても、あるいはインフラの活動における、そこの国にいる米国人に対して何らかの情報提供あるいは呼びかけをしているということを言っておりました。  その点につきまして、日本の国として、今現在、これは今国内のお話お尋ねを幾つかしましたけれども、アジア、特に中国でありますとかロシアでありますとか、こうした軍事大国における二〇〇〇年問題の対応、幾つか週刊誌等で、元旦には何らかのものがあるんじゃないかというような、いたずらに不安を引き起こすような変なシミュレーション等のレポート等も載るわけでありますけれども、外務省として、その点どのように諸外国の状況を把握していらっしゃるのか。その点につきまして、この二〇〇〇年問題の質問のおしまいに伺いたいと思います。
  50. 山本一太

    山本(一)政務次官 国際関係につきましての見識をお持ちの渡辺先生の御懸念はごもっともだと思います。  今外務省としては、ロシア、中国を含めた関係各国の二〇〇〇年問題につきましては、在外公館を通じてそういった諸外国の政府機関に直接いろいろな調査をさせていただいています。それと同時に、Y2K関連の国際会議があるときには積極的にそういう場を利用して情報収集を行っているというのが現状でございます。さらにまた、御存じだと思いますけれども、国際機関とかあるいは民間のコンサルタント会社とかでいろいろこの問題についての報告書なども作成しておりますので、そういうものを入手したり、あるいはインターネットとか雑誌とか新聞とか、公開されている情報も含めていろいろと情報収集に努めているということでございます。  もう一点だけ申し上げるならば、この問題についての情報収集は必ずしも容易ではないところもございまして、ロシアについて申し上げますと、これも先生御存じかもしれませんけれども、正式には政府の方から、二〇〇〇年問題については対策を講じてきているので大きな混乱は恐らくないでしょう、こういう話がございます。ただ、専門家の中では、さっき先生がおっしゃったシミュレーションなんかもいろいろ雑誌なんかに出ているようですが、意見の分かれているところもありまして、本当に、例えば通信分野とか金融とか暖房とか交通機関とか、こういうものにいかなる影響があるのかということについては見方が分かれておりまして、一部もしかしたらそういう可能性を排除できないというようなことも言われているというふうに聞いております。  それから、ロシアでいいますと、大切なのは軍の話だと思うんですが、これも先生御存じかもしれませんが、軍の戦略ロケット本部か参謀かなんかがありまして、そこの軍司令官が、二〇〇〇年問題についてのコンピュータープログラムを、ことしの十一月ですから今月だと思うんですが、今月までには何とか整備が終わるというようなことも話しておりますし、軍のロケットの施設等につきましても整備や点検を今やっているということだと理解しております。  中国につきましては、九八年だったと思うんですけれども、国務院の方から地方と中央の関係部局に二〇〇〇年問題しっかり対応してくださいという指示が出ておりまして、一応それに従って各関係機関が今一生懸命動いているというふうに了解をしています。  いずれにせよ、北朝鮮は、先生おっしゃったようにかなり日本側としても情報収集が難しいんですが、できるだけ情報収集ができるように積極的に努力をしてまいりたいと考えております。
  51. 渡辺周

    渡辺(周)委員 ぜひ、これは当然諸外国にいる在留の邦人の不安ということもございましょうし、またある意味では、先ほど長官もおっしゃいましたけれども、先進国の中で一番最初に二〇〇〇年問題を迎えるのがこのアジアでございますし、また、日本の場合はそれに対してどういう対応をできるということが、これは国内外の大きな課題としてまさに国民挙げて対応していかなければならない。この点につきまして、また私どももいろいろな形での検討をしていきたいなと思います。  ここでひとまず二〇〇〇年問題についての質問は終わらせていただきますので、また、時期を改めまして、この委員会等でも質疑をしたいと思います。  もう一つ、残り時間がわずかになりましたが、地震の対策ということにつきまして質問をしたいと思います。  私ども静岡県でございまして、東海地震というのがかねてより言われてまいりました。もう一つ、神奈川県西部地震というものも、大変危険な空白域があることによって、いろいろ学者の説によっては、もうまさにあす、あさってだというようなことを言う方もいらっしゃいますけれども、そんな中で、ことしの七月に大震法に基づく地震の防災基本計画が見直されました。  そんな中で、従来は、東海地震の場合、警戒宣言が出された場合に、ある意味では、自治体それから民間、特に運輸手段それから情報通信、ある程度の分野において具体的に行動しなければならないということがこの計画に基づいてされたわけです。  ここで大きな問題になってきますのが、警戒宣言というものが出されたときに、ある意味では社会機能をストップさせなければいけない、高速道路しかり、あるいは輸送手段しかりであります。そうしますと、一日当たりの損失が大体七千二百億円という大変莫大な金額で、特に地震防災対策の強化地域、私ども静岡を含めまして、東京、神奈川から愛知、岐阜、長野、山梨と七つの都県にまたがるわけでございます。  その中で、経済的な大きなダメージを考えたときに、警戒宣言というのはそうむやみやたらに発令できない。発令したはいいけれども、それが一体いつの時点でどういう緊迫した状況になるのかというのは、三日なのか、十日なのか、それとも一時間後なのかわからないわけでございまして、学者の方々、特に判定会の前会長であった茂木さんは、ある意味では、赤信号なのか青信号なのかじゃなくて、注意報的な黄色信号も必要じゃないかというようなことを常々言っておられました。それによって段階的に心構えあるいは対応をしながら社会機能を維持するべきであろう、そういうこともおっしゃっておったわけです。  今後のこの問題におきまして、地震予知ということについて、現在政府としてどのぐらいの可能性として考えていらっしゃるのか。これは非常に難しい部分ではございます。だとすれば、警戒宣言前に発令される判定会の招集という点について重みを置いて考えるべきと思いますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  52. 中馬弘毅

    ○中馬政務次官 予知の問題についてお答えしますが、まずその前に、渡辺先生にも私は大変御指導をいただいた次第でございまして、こうして周先生、引き続き御活躍のほど、敬意を表する次第でございます。  また、先ほどありました二〇〇〇年問題についてちょっと運輸省の方の立場だけを御報告申し上げておきます。  運輸省の方としましても、管轄しております政府関係のコンピューターすべてチェックいたしました。プログラムの修正等も行い、その実験もいたしました。一〇〇%大丈夫でございます。  それから、JRまた航空会社等にもそのことは指示いたしておりますが、これまた一〇〇%という答えが返ってきております。旅客船につきましても、ほぼ八〇%以上の確度で大丈夫だというところ、今の段階でですけれども。  ただ、外国の問題、今外務省の方からお答えありました、これにつきましては少しわかりません。外国の影響でどのような混乱が起こるか予測もできませんので、万が一に備えて、我々運輸省としましては、大臣も我々政務次官も役所に泊まり込むことにしましたので、御報告申し上げておきます。  ところで、地震の予知でございますが、まだ研究段階と言っていいかもしれません。時期、規模、場所、これが特定されて初めて地震予知ということになろうかと思いますけれども、現状でははっきり困難ということにされております。  ただ、マグニチュード八程度の東海地震に限って言えば、この地域では百年から百五十年の間隔で繰り返されております、そういったこと、そして、それははっきりプレートが沈み込むところでございますから、その点でエネルギーがどのぐらいたまってきているかということもある程度予知がされるわけでございます。しかも、一九四四年、昭和十九年の紀伊半島沖で発生しました東南海地震に先立ちまして御前崎が数日から数時間前にかなりぐっと隆起いたしました。そういった異常が認められるときにはほぼ一〇〇%の確率で起こるであろうということですから、このときには、今言いましたはっきりとした警報が発令できるのじゃないかと思っております。  そういうことでございますので、地震に先立っての異常な現象が観測された場合には予知ができると考えております。しかし、その間隔におきましても、数日から数時間前ということで、数カ月前ということは到底できないかと思っております。
  53. 渡辺周

    渡辺(周)委員 まさに予知というものは非常に難しい。当初は、ある程度地震予知が確度を持ってできるということが前提であって地震防災基本計画ができたわけであります。しかし、これが見直されまして、可能な限り社会機能を維持しながら、ある程度その情報は伝えていこうと。しかし、これもまたいたずらな不安を起こすという、むだな、また矛盾したことも実は起こってしまうことであります。  非常に難しいのは、情報提供を的確に伝えながらもパニックを起こさない、こうしたまさに厳しい状況にあるわけでありますが、こうした中で、判定会が招集されたという段階において何らかの心構えをしていただくためにも、私どもは、この基本計画の見直しの上において、地方自治体に対しても、今こういう状況になっているということをぜひとも伝えていただきたいなと思います。  ちょっと時間がなくなりましたが、残念ながら予知もできない、実際我々は、被害を最小限に食いとどめることはできるけれども、残念ながら自然災害の発生というものを人力によってとめることができないとするのであれば、これはでき得る限りの対応をしておくべきであります。  今、コンクリートクライシスというのでしょうか、コンクリート壁の崩落でありますとか、いろいろな形で言われております。その点につきましては、この強化地域六県の学校の耐震化が三分の一がまだ手つかずだ、あるいは、何かあればこういうことが起きるわけですが、ぜひともその点についての対応もお願いしたい、とにかくやっていただきたいと思うわけでございます。  それから、事が起きた後の対応の一つとしまして、阪神・淡路の地震、あるいは重油の流出もありました。いろいろな形で何か災害が起きると、大勢の方々がボランティアで行かれます。また、そうした団体が組織化されているNPO団体もございます。国の防災基本計画あるいは静岡県の地域防災計画、こういうものを見てみましても、ボランティアの受け入れであるとかあるいは連携ということがあるのですけれども、いわゆる平時からの連携あるいは協力体制ということについては残念ながら言及をされておりません。  こうしたボランティアで阪神・淡路へ行かれた方々が中心になりまして、我が郷土に何かあった場合には、自分たちも、受け入れ側のコーディネートであるとか、あるいは自分たちができることを、即座にとは言わないまでも、できる段階になったらやろうという自然発生的なグループが例えば私ども沼津市にもございます。あるいは、アマチュア無線をやっているような方々も、何かのときには自分らは少しでも役に立ちたい、アマチュア無線が大変な威力を発揮したということも過去の事例から明らかでありますので、こうした方々との日ごろからの情報交換あるいは協力体制の構築ということについて政府としてはどうお考えになるのか、また、自治体にできるだけそういう方々との連携を強めるように指導すべきと思いますけれども、その点について政府はどうお考えか、お尋ねしたいと思います。
  54. 橘康太郎

    橘政務次官 先生のおっしゃるとおりであると私は感じております。  そこで、自治省におきましては、本年十一月に都道府県並びに政令指定都市の防災局と自治省、消防庁におきまして、関係団体の意見を聞きながらこれらの対策を立てる協議会を行うところでございます。先生のおっしゃるとおりでございまして、そのような体制自治省は今後力を入れてやっていくことをお約束いたしまして、答弁とさせていただきます。
  55. 渡辺周

    渡辺(周)委員 まさに最後に国土庁長官お尋ねしたいわけでありますが、ぜひともこの問題につきましては、先ほど申し上げましたような耐震構造等に対して、まだまだ耐震診断等が終わられていない、あるいは耐震強化されていない施設もございます。特に、事が起きた場合には、災害弱者という方々、いつも子供であるとかお年寄りであるとか病人であるとか、そういう方々が最初に被害に遭う可能性も非常に高いわけでございますので、その点につきましての長官としての御認識、あるいは今後のお考えなどを聞かせていただいて、質問を終わりにしたいと思います。
  56. 中山正暉

    中山国務大臣 先生のお地元は、ユーラシアプレートとそれからまたフィリピン・プレートがねじれ合う場所にありまして、一番耐震関係でも危険が予測されるということになっておるわけでございます。  しかし、そうはいいましても、まさかと思っていました阪神・淡路、あの活断層が突然大地震を起こすというようなこともあります。  それから、私はこの間から古い資料、これは文化庁長官にお願いをして、「地震加藤」といいまして、一五九六年に大地震があって、伏見の城が崩落をいたしまして、五百名が死亡しているというときに、蟄居を命ぜられていた加藤清正が豊臣秀吉のもとに駆けつけるという、これは歌舞伎で明治二年に上演されておりますが、「地震加藤」という歌舞伎の題材もありまして、私はそういうものを今度神戸のメモリアルセンターなんかの資料に備えてはどうかと思っております。  それから、幕末の、プーチャチンが来ましたときに、プーチャチンが乗っておりました船が下田の、安政の大地震で、これは今の新島と式根島が本当は続いていたのが切れたという大地震が下田を襲いまして、戸田でプーチャチンが帰るための船をつくってあげたという大変な美しい話があります。そういう資料も私はメモリアルセンターに備えたらどうかというようなことを言っておるのでございます。  大規模地震対策特別措置法に基づいて指定された地震防災対策の強化地域において警戒宣言を発せられた場合の対応方針を地震防災基本計画として示しておるところでございますが、この基本計画についても、本年七月から、最近の社会経済情勢の変化や、それからまた阪神淡路大震災の反省を込めまして、教訓に対応する見地からも見直しを行ったところでございます。二十年間これは見直しがされていませんでした。これを、その反省の中で私どもは見直しを行いました。  そのポイントと申しますのは、防災関係機関の初動対応が迅速にできるように規定したこと、それからまた判定会招集連絡報、いわゆるその段階から防災関係の機関が対応を始めることにいたしました。招集から対応しよう、今までは連絡があってから対応しようというのを、招集があったときにも対応しようということにしたわけでございます。  それからまた、屋外に出たことでかえって危険な場合もありますので、屋内避難。安全は内と外を対応しながら、その実施による災害弱者への配慮をすること。今の先生のコンクリートクライシスの話がありました。かえって建物の外へ出たために、崩落してくるガラスそれから瓦れき、そんなものに当たる子供たちの危険を予測しないといけませんから、そういうものは教育施設にも徹底して周知を図らなければならないと思います。  それから、小規模店舗が、コンビニなんかは閉められますとたちまち何もかも困ってしまうわけでございますので、コンビニなんかには営業を続行してもらうこと。もちろん新幹線とかそれから銀行なんかは営業をやめてもらうとか、時間をとりますので詳細は、ライフライン、電話、JR、私鉄、バス、タクシー、船、一般道路、高速道路、それから銀行、郵便局、デパート、スーパー、それから病院、劇場、学校、オフィス、いろいろなその内容によって区分をいたしまして適当な指示をしなければならない。小規模店舗、今申し上げました施設とかそれから現金自動支払い機なんかの営業は継続してもらうとか、居住者等の日常生活への配慮をいたしたい、こう思っております。  今回の見直しを踏まえまして、強化地域内の地方公共団体それからまた特定の民間事業者などに、地震防災計画を自主的に見直しを進めていただくということも指示をしたいと思っております。国土庁といたしましては、今後とも東海地震対策の一層の充実強化を図りたい。  それから、つけ加えておきたいと思うのでございますが、先ほどの二〇〇〇年問題に関しましても、これは国土庁では二十名ぐらいで役所に泊まり込みまして対応することになっております。どうぞ今後ともひとつよろしく御指導をいただきますようにお願いします。
  57. 渡辺周

    渡辺(周)委員 ありがとうございました。
  58. 中村鋭一

    中村委員長 達増拓也君。
  59. 達増拓也

    達増委員 自由党の達増拓也でございます。  前回の災害特の委員会、閉会中に開かれた委員会の際に、私は、どうも去年、ことしにかけて、経験したことのないような災害、今までになかったような災害、そういうのが起こりやすくなっていて、それに対する災害対策行政、政府としてきちんと備えるべきではないかということを取り上げたのでありますけれども、残念ながら、十月二十七、二十八日、岩手県にまさにそのような、経験したことのないような集中豪雨が発生してしまいました。  二百年以上に一度の降雨量ということでありまして、その結果、岩手県史上二番目の規模の被害額、五百億円の被害に上る、そういう災害でございました。特に軽米町という町、これは年間の予算規模、平成十一年度予算では五十九億円という規模の町なんですけれども岩手県全体の被害の約半分、十一月十五日現在で二百五十六億円の巨額の被害が出ている。年間予算規模の四、五倍の被害額という状況でございます。壊滅的な被害と言ってもいいわけであります。  災害対策、まず第一義的には自治体住民の生命、安全、財産等を守る義務があるわけでありますけれども、このような災害は国がきちんと対策を講じて国民の生命、財産、安全を守る、こういう責任を果たしていかなければならないと思います。  きょうは橘康太郎自治政務次官にいらしていただいておりまして、そういった意味で、ちょうど十二月の特別交付税の時期になってまいるわけでありますけれども、この岩手県北を中心とした災害に対しまして特別交付税による支援をしていただけるのかを質問したいと思います。
  60. 橘康太郎

    橘政務次官 達増先生には、私は法務委員会で大変な御指導をいただいておりまして、心から感謝を申し上げるところでございます。本当にありがとうございました。  今回、先生の御地元で大変な災害が起きましたことにつきましては、自治省といたしましてもよく存じ上げておるところでございます。  先生のおっしゃいますように、大変な災害が起こったということでございますので、我々自治省といたしましても、おっしゃいますとおり、特別交付税地方債による財政措置をきちっとやりまして、先生の御要望に一〇〇%おこたえしていきたい、このように思います。  以上、よろしくお願いいたします。
  61. 達増拓也

    達増委員 力強い御答弁、ありがとうございました。  また、激甚災害指定については、鈴木俊一委員の方からさきに中山大臣質問がありまして、大臣の方から査定等速やかに行っていきたいということでありましたので、そちらの方はよろしくお願いいたします。  また、地元からは、被災住民、商工業者、農家への強力な復興支援策を早急に図っていただくよう特段の御配慮をお願いしますという陳情を受けておりまして、これも政府によろしくお願いしたいところなのでありますけれども、きょうは茂木通産政務次官にいらしていただいております。  といいますのも、私も今週月曜日に地元の県議さんと一緒に現地視察をしてまいったのですけれども、この軽米町の中心部商店街が丸ごと床上浸水にやられておりまして、商店街が丸ごと人の背丈くらいまで水につかってしまいまして壊滅状態なわけであります。阪神淡路大震災のときにも、やはり商工業地帯、商店街等が壊滅的な打撃を受け、純粋な災害対策のほかにも、町づくりとか再開発的ないろいろな工夫をして、復旧さらに復興のためのさまざまな支援策が講じられたわけでありますけれども、この軽米町のケースもまさにそういういろいろな工夫が求められると思うわけであります。この点、政府として、商店街に対してどのような支援ができるのか、伺いたいと思います。
  62. 茂木敏充

    ○茂木政務次官 達増委員からの御質問でございますが、中小企業それから商工関係商店街災害復旧を図るために一番重要なのは、何にしても円滑な資金の確保をそれぞれのお店や中小企業ができる、こういうことだと考えております。  このために、中小企業庁におきましては、今回の大雨で大きな被害を受け、災害救助法が適用された岩手県及び青森県の中小企業金融公庫等政府系金融機関の支店及び信用保証協会に、十月の二十九日より、被害に係る融資相談窓口を設置しますとともに、政府系中小企業金融機関を通じまして災害復旧貸付が利用できるようにしたところであります。現在までのところ、岩手県内で相談件数で十八件受けている、こういう形でございます。  今後も引き続き、委員指摘の中小企業者そして商店街災害復旧には中小企業庁としても万全を図ってまいりたいと考えております。
  63. 達増拓也

    達増委員 ありがとうございます。  今週月曜日、地元岩手県の環境衛生同業組合の大会がありまして、この軽米町からも飲食業をやっている方がそこにいらしていて、着物でびしっと決めたおかみさんだったのですけれども、私が視察に行ったという話をしたら、本当に町全体が大変なんですけれども、とにかく頑張っていかなければならない、たくさんの人たちの応援、支援、そうした気持ちが本当にありがたいと涙を浮かべて話されておりましたので、そういう地元の皆さんの思いにこたえるような措置をしていただきたいと思います。  さて、次に、コンピューター二〇〇〇年問題について質問をしていきたいと思います。  コンピューター西暦二〇〇〇年問題、自由党は、ことし二月の段階から、これは危機管理の問題だということで、国としての危機管理体制をいち早くつくっていくべきだと訴えていたのでありますけれども、ようやく七月三十日に、小渕総理を長とします高度情報通信社会推進本部が「コンピュータ西暦二千年問題に関する危機管理体制の強化について」という決定をしまして、内閣官房にコンピュータ西暦二千年問題総合対策会議を設置、そして、内政審議室にはコンピュータ西暦二千年問題対策室が置かれた。それまでは内政審議室が二〇〇〇年問題もやっていたわけでありますけれども、二〇〇〇年問題のための特別の対策室がつくられて、そういう危機管理体制に向けての形ができたわけであります。  きょうは、政府参考人としてその二千年問題対策室長に来ていただいているわけでありますけれども、いよいよ年末が迫ってまいりまして、二〇〇〇年問題に関する政府の越年体制がどういったことになっていくのか。先ほど、額賀官房副長官からその概要の説明があったわけでありますけれども、もう少し具体的な、若干技術的細部にわたるようなところを政府参考人として答えていただきたいと思います。
  64. 中村薫

    中村政府参考人 政府全体の体制についてお答え申し上げます。  コンピューター西暦二〇〇〇年問題に対する年末年始の体制につきましては、政府においては、地方公共団体や民間事業者と連携して、内外に生じるすべての情報収集、さらに提供に努めるとともに、万が一に万全を期すため、官邸危機管理センターを起点とする情報連絡網を構築することとしております。これにつきましては、来週の二十六日に、民間及び市町村を含む全自治体を統合した模擬訓練を実施することとしております。  このようなことを踏まえ、十二月二十九日から一月三日までの期間については特別の体制を組むこととし、それぞれの各省、具体的体制はその責任を満たす範囲ということでございまして、人員を張りつけることになりますが、現時点の調査では、金融、エネルギー等、民間五分野を所管する省庁を中心に、関係省庁の中央省庁、いわゆる霞が関に当たる部分でございますけれども、延べ九千人の人員が情報収集や相談等々の危機管理に当たることとしております。  さらに、官邸の体制については、現在、そういうふうな情勢を踏まえまして、どういう形でやるか、いずれにしろ万全の体制を組むように検討中でございます。  以上でございます。
  65. 達増拓也

    達増委員 先ほどからの答弁の中でも、大臣あるいは政務次官、内閣そろって越年体制をしっかりやっていこうということで、総理を頂点とした国家の、政府のリーダーシップをきちんと発揮される体制が準備されていると承知いたします。  春ごろでしたでしょうか、通常国会のころ、私がある委員会に差しかえで質問に立った際は、まだこういう認識が政府の中に広まっていなかったのか、重要五分野の一つを所管する大臣だったのですけれども、私が自由党で二〇〇〇年問題を担当しているので大みそかは東京に詰めようと思っているということを言ったら、まさかそんなというような顔をして、首を振りながら何かせせら笑ったような大臣もいらっしゃったのでありますけれども、そこはかなりさま変わりという感じであります。  自民党と自由党、自自両党は、もう二月から二〇〇〇年問題対策のプロジェクトチームを組みまして、各種ヒアリング、視察、さまざまな検討を続けてきたわけでありますけれども、自自公三党連立ということになって、今自自公の三党のプロジェクトチームという形になりまして、このプロジェクトチームもやはり年末年始にかけましてきちっと東京で政府と連携をとりながら無事に越年できるような体制を準備しているところでございます。  さて、十月二十九日、小渕総理大臣から国民への直接のアピールが出されたわけであります。これも五月の災害対策特別委員会、二〇〇〇年問題の集中審議をやった際に私の方から、政府から中小企業でありますとかあるいは医療界でありますとか各分野に対する訴え、こういうことをしなさいというのはあるけれども、国民一人一人に直接訴えるものがない、これは一日も早くやってほしいということを五月の段階で自由党の方から主張していたわけでありますけれども、ようやく十月二十九日になって国民への直接のアピールが出た。  ちょっと遅いなという感じはあるのですけれども、ただ中身については、本当に検討され練られた内容で、大分これは国民一人一人、二〇〇〇年問題の本質、またどういうことをしなければならないのか、非常に参考になるものだったと思います。また、それについていろいろ国民から質問を受け付けるような体制も同時につくったというふうに聞いておりますけれども、政府から国民に対する直接のアピール、これの手ごたえといいますか、やった感触、また今後のそういう広報体制も含めまして、質問をいたしたいと思います。
  66. 中村薫

    中村政府参考人 先ほど言及がございましたように、去る十月二十九日、高度情報通信社会推進本部において、国民への年末年始の心の備えにつきまして決定したところでございます。  この指針につきましては、翌日の十月三十日付の全国紙及び地方紙七十五紙以上の紙面に政府広報によって周知するとともに、自治省さんから御指導いただきまして、地方自治体等を通じ広報に現在努めているところでございます。以来、関係省庁の窓口には、本件問い合わせが大体、正確には我々実は一々電話の件数を数えておりませんけれども、毎日五十件程度ございます。他方、我々のところには、各県や各自治体から、住民広報用のものにこれをそのまま使っていいかどうかというような問い合わせがかなり来ておりますし、来ないままに自分で大丈夫だろうということで、住民広報用のあれに用いられるというふうに聞いております。  今後、さらにこの指針が徹底されるように、十二月初旬等に、テレビとかラジオであるとか、それからさらにポスター等を使って、年末年始に国民がどういうふうに対応したらいいかということの趣旨が徹底されるように、国、地方公共団体関係団体等を挙げてきめ細かな情報提供を行ってまいりたいと考えております。
  67. 達増拓也

    達増委員 思えば五月の段階、さらにそれ以前の段階では、国民の側の関心もまだそれほど高くなかったということもあったと思います。しかし、今はもう本番が間近でありますから、国民の側の関心もどんどん高まっているところでありますので、それに正面からこたえるような呼びかけ、情報提供をやっていっていただきたいと思います。  私、つつがなくお過ごしくださいという言葉を思い出すのであります。これは、ツツガムシという虫につかれて悪い病気にならないようにという意味なんですけれども、二〇〇〇年問題は二〇〇〇年バグ、英語でバグと呼ばれていますけれども、直訳すれば虫でありまして、中国では、ミレニアムバグを直訳し千年虫と呼んで、千年虫に気をつけろとやっているそうでありますけれども、まさにそういう虫のせいで悪い病気が起こらないように、つつがなくお過ごしください、これを、全国民、さらには世界の人々がつつがなく過ごせるように、日本政府も頑張って、国会議員の側も政党の側もともに全力で取り組むよう、要望とまた誓いを述べさせていただいて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  68. 中村鋭一

    中村委員長 藤木洋子君。
  69. 藤木洋子

    ○藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。  阪神淡路大震災被災地は、来年の一月十七日で丸五年を迎えることになります。ことしも多くのとうとい命を奪った大雨による被害だとか土砂災害への対策など、課題はたくさんございますけれども、内閣総理大臣本部長とする阪神淡路復興対策本部の設置期限が来年二月二十三日までと迫っておりますこともありまして、きょうは阪神淡路大震災被災地のことに絞ってお伺いをしたいと思います。  中山国土庁長官は、先月二十七日、兵庫県庁での記者会見で、本部解散後は実質的な効果がある組織をつくりたいと述べられたと報じておりましたし、きょうの委員会でもそのような御発言をしていらっしゃいました。被災地では、震災から五年近くたっても生活も営業も再建できずに苦労しているのに、国の復興対策本部解散ということは、いよいよ国は私たちのことを見捨てるのかと不安といら立ちの声が上がっております。  長官は、対策本部の解散というのは当然の前提のようにおっしゃっているわけですけれども阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律で定めました、国と地方公共団体とが適切な役割分担のもとに、阪神淡路地域における生活の再建及び経済復興を緊急に図るというこの目的、それから基本理念、これを達成されたというふうにお考えなのか。だからもう法律に基づく対策本部は必要がない、このように認識をしておられるのか、その点をまずお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、稲葉委員長代理着席〕
  70. 中山正暉

    中山国務大臣 先般、十七日にも入りまして、それから今お話のありました二十七日には、今度は兵庫県とか神戸市とかの皆さん、市議会の対策本部の皆さんとか、そういう方々にお目にかかりました。  先生お尋ねでございますが、やはり時限立法で二月の二十三日ということになっておりますので、私は、先生の御懸念を克服するためにも、実務者による、法律の期限は切れますが、その後やはり緩やかにいろいろな軟着陸をしていただく方々、特に私はメモリアルセンターお話もしてまいりました。事業費も含めまして二百三十億ぐらいということになるんじゃないかと思いますが、先ほどからいろいろお話のあっております情報とか、それからまた、ありがたいことにボランティア活動の人数が、平成七年の一月十七日から八年の一月二十日の一年間でも、百三十七万七千三百人という多数のボランティアの方がお入りをいただきました。災難は忘れたころにやってくるということでございますから、地震国の日本、そういうボランティアのノウハウを一番最大に情報として持っているのは神戸でございますから、そんなものも含めましてメモリアルセンターに集積していただく。  それからまた、さっきちょっと、幕末のプーチャチンの話を「幕末のスパシーボ」という、これは静岡のJC、青年会議所でビデオにつくられまして、そういう国際的な幕末の地震協力みたいなものもありますものですから、そういうものも含めて集積をしていきたいと思っております。  阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律においては、阪神淡路地域復興を迅速に推進することを目的として、同地域における生活の再建及び経済復興を緊急に図ることを基本理念としたものでございますが、この目的及び基本理念のもとに、政府といたしましては、これまで阪神淡路大震災関連経費として、平成六年度補正、それから十一年度で総額四兆九千五百億円という国費を投入いたしまして、被災地復旧復興に最大限の支援をしてまいりました。もちろん地元地方公共団体地元住民の一体となった取り組みにより復興は着実に進んでいるところでございますが、今後とも、恒久住宅への円滑な移行、それから生活の再建支援産業復興、それから市街地の復興などに取り組んでいきたい。先般も、ケミカルシューズメーカー「ツカサ」の社長さん、岩木典紀さんとおっしゃいますが、これは神戸市の復興支援工場内で、中小企業総合事業団からの無利子融資、災害復旧高度化資金を受けて神戸市が建設した貸し工場でございますが、そこで働いている皆さんともお話をしてまいりました。  私は、この日本の高度な技術力を使ったすばらしい復旧をした神戸というのを、本当に日本の国民の一人として誇りに思っておる次第でございまして、二〇〇八年に大阪でオリンピックということが計画されているようでございます。私は、そのときは神戸震災復興状況を世界の人にも見てもらうというようなものも考えの中に一つ入れていいんじゃないかと、ちょうど神戸でもバレーボールか何かが、試合が行われるようなことを聞いておりますので。私は、大阪湾臨海地域開発整備法というような法律ができておりまして、大阪湾一体化ということでございますから、神戸のそういう震災復興状況を、世界でも、二、三日前にもトルコのデュズジェとかいうところでも三カ月目にまた災害が起こっておりまして、台湾でも台中で災害が起こりましたし、そういう意味での国際的な支援のノウハウというものを神戸に集積をするべきだ、かように考えておりますので、先生の御懸念のないように、お地元の御心配は私にもよくわかりますので、ひとつ今後とも御示唆をいただきたいと思います。     〔稲葉委員長代理退席、委員長着席〕
  71. 藤木洋子

    ○藤木委員 いろいろ御見識を御披露いただくのは結構なんですが、私の持ち時間も非常に短いものでございますから、できるだけ端的にお答えをいただきたいと思います。  今のお話を伺っていますと、課題は残っていないわけじゃない、あるんだけれども期限が来たからこれは解散せざるを得ないんだ、こういうことだと思うんですね。だから、かわるようなことをやっていこうと思っているんだというふうにおっしゃるわけですけれども、私は、阪神淡路大震災復興基本方針及び組織に関する法律、この法律で定めたことに対して、本当にその本部が責任を負ってきたのか。最大限のことをしてこられたというふうにおっしゃいますけれども、今の被災地の実態をしっかりと見据え直して、その上で今後どうしていくかということをお考えいただかなければならないというふうに思うわけです。  そこで、議論の出発点になる被災地被災者の生活と営業再建の問題について伺いたいと思うんですが、長官はこの問題でどういうふうに認識されているか。営業再建の問題では、先ほど町の復興というようなことをおっしゃいましたけれども、中小業者の皆さんが営業の復興でどんなふうな状況にあるのか、苦しみを持っていらっしゃるかというようなことを御存じでしょうか。
  72. 中山正暉

    中山国務大臣 簡単にということでございますから、簡単に申し上げたいと思いますが、先ほどのケミカルシューズの現場を見てまいりましたし、それから中小企業金融公庫等政府系中小企業金融機関の災害復旧貸付とか、それから復旧支援の貸し工場、それから貸し店舗の整備と、通産とも協力いたしまして、今後とも先生の御懸念のないように被災対策というものをひとつ進めてまいりたいと思いますし、大体、住宅も、今まだ仮住まいをしていらっしゃる方は六十になりまして、今年度中には全部これが解決するということになっておりますので、今後とも万遺漏なきを期したいと思っております。
  73. 藤木洋子

    ○藤木委員 仮設住宅の入居者が年内にゼロになる見込みだということは報道されてもおりますし、そういう方面に動いていることは確かですけれども、しかし、それは表面上のことでありまして、それだけでは判断できない重い現実があるということもぜひ知っていただきたいと思うわけです。  復興住宅に移転して相次いで起こっている孤独死、自殺。私、垂水区のベルデ名谷というところへこの間行ってまいりました。ここは七棟になっておりまして、九百世帯ぐらいが入っているわけですけれども、ここでも、九月だけで四名、十月から今日までで六名の方が孤独死あるいは自殺で亡くなっていらっしゃいます。二重ローンだとか多重ローンの重圧というのも深刻です。  経済について申しますと、去年の兵庫県内の倒産件数を見ても、有効求人倍率を見ても、被災地では大変厳しい状況が続いております。ことし五月に、神戸の商工会議所が通常行っております経営経済動向調査というのをなさいまして、その直近の報告を見ましても、一般の大手企業を除いて、自社業績の総合判断はマイナス九・一と、大変厳しい見通しが行われております。被災者を取り巻く状況は、震災から五年経てよくなるどころか、より深刻化している問題も多く残されている、こういう状況でございます。  そこで、先ほど課題と述べられた経済復興についてですが、どのぐらいリアルに実態を把握していらっしゃるのか。とりわけ、被災地経済の重要な役割を占める中小業者の現状、復興状況についてどう認識されているのでしょうか。ケミカルシューズのことをおっしゃいましたけれども、私もあそこは行ってまいりまして、見てまいりましたけれども、外国のに押されているということもありますし、シェアが名古屋の方に移っているというようなことで、神戸がどんどんやせ細っていっているというようなことも言っておられましたけれども、そういったことはお聞きになってこられましたでしょうか。
  74. 中山正暉

    中山国務大臣 そのお話、伺ってまいりました。いろいろ、休んでいる間に外国の製品に押されているというお話伺いました。特にイタリアとの技術提携みたいなことをしていらっしゃる状況を見てまいりましたが、鉱工業生産指数でいいますと、震災前が一〇一・七でございましたが、今は一一二・六ぐらいに復興しております。それから、有効求人倍率も〇・三六ということでございまして、これは震災前が〇・四六ぐらいでございましたが、そういう感じでございまして、大型小売販売額指数は、震災前を一〇〇といたしますと一〇二、直近の十一月九日の調査でございます。  それから小売業が、震災前が六兆六百四十五億円でございましたのが、六兆二千九百六十六億円と、プラス三・八%ということになっておりまして、これは百貨店、スーパー、コンビニ、小売店の合計でございます。それから、今のケミカルシューズでございますが、これは確かに、震災前は一〇〇でございましたのが今は七〇になっておりまして、それから、兵庫県の代表的な生産品、粘土とかわら、これは主に淡路島だと思いますが、一〇〇のものが六六と落ち込んでいることは確かでございます。ですから、いろいろなものによってひずみがあるという感じでございます。
  75. 藤木洋子

    ○藤木委員 今おっしゃった中で、有効求人倍率について言いますと、それは兵庫県全体のことであろうと思いますけれども被災地だけ限りますと〇・二四倍、それから、四十五歳以上になればどうなるかというと〇・一〇倍でしかない、こんな状況であるわけですね。  ですから、兵庫県の商工部にも私伺ってきたんですけれども、実際、調査がないんですよ。やっていらっしゃるのは総務庁による全国調査でございまして、それはたまたま震災を前後して一九九四年と一九九六年にやっていたから、その前と後の違いがわかったというようなことでございまして、しかも、最近のものでしたら、特定の業種を除いては全く資料がないというのが実態ですから、つかみようがないと思うんですね。現状把握といった場合は、事業所数の減少だとか売り上げの変動、今おっしゃいましたけれども、そういった把握は当然必要なことでありますけれども、それだけにとどめないで、実際に中小業者の方がどうして立ち上がれないでいるのか、何が求められているのか、何に困っているのか、そういったところをきちんと把握できるような調査というのがぜひ必要だろう。そうでなければ、本当にリアルな実態を反映したものとは言えないというふうに存じます。  例えば、商店街市場の現状につきまして、兵庫県商工団体連合会と大学教授によって、今、阪神大震災五年目の被災商業施設実態調査というのを行っていらっしゃいまして、中間レポートが出ております。これを拝見いたしますと、兵庫区の稲荷市場では、震災前の九十店が二十八店にまで減少しております。西宮の中央商店街は、震災前は四百店近くございましたけれども、今は百二十店あるかないかという状況でございます。ですから、県の報告では、昨年の七月末現在で被災地域の商店街、小売市場の営業再開率というのは約九〇%というふうになっているわけですけれども、実態は、地域商店街が丸ごとなくなってしまいかねないというような状況があるんですよ。  長官は、こうした状況について恐らく御存じないのではないかというふうに思うわけですよ。そういうことが把握されていないから、対策本部は解散してもよいという認識に立っていられるんじゃないですか。いかがでしょうか。
  76. 中山正暉

    中山国務大臣 先般二十七日に行きましたときにも、地元の商工業者の方々の代表の方、市の方、それから市会議員の方々、それから県の方、皆さんとお目にかかって、先生のよりもっと激しいいろいろな窮状を訴えられた方々もいらっしゃいましたので、私、現場での実感、私も隣の大阪でございますから、そのときもすぐに駆けつけました。そういう状況は把握をしておるつもりでございます。  法律上の措置がなくなったから何もなくなるのではないかという、たちまちゼロになるようなお話でございますが、その御懸念はございません。実務者が実際にはずっと続けている、実際に対応をしている人たちの組織は何とか残していきたいということを私は現場でもお約束をしているぐらいでございますし、メモリアルセンターをつくりたいというのは、メモリアルという意味自体を考えていただいたら、簡単に忘れちゃいかぬぞということでございますので、決しておさおさ対応に怠りないように、本当は、簡単にとおっしゃったので、貸付限度枠とか貸付期間とか中小企業金融公庫とか国民金融公庫、商工組合中央金庫とかが一般とは違う、年数においても倍の対応をしたり、運転資金十年以内というのを、通常は五年のものを十年にしていますし、これは国民金融公庫もそうでございますが、運転資金でも五年のものを十年にしたり、設備資金は通常は十五年のものを二十年にしたり、据え置きの問題、期間の問題でもそれから貸付利率の問題でもいろいろ特別な配慮をしているということは御銘記いただきたいと思います。
  77. 藤木洋子

    ○藤木委員 そういう特別な配慮をされた上で被災地は全国平均を大きく下回る。全体に中小企業は今大変ですよ。しかし、被災地の中小業者はそれをさらに大きく下回るという状況が実際にあるわけですよ。この原因として、被災業者の方からは、不況のせいだとか言うけれども、やはり震災影響が大きいんだ、こういうことを言っておられるわけです。ですから、このままでは、震災被害を受けた、そのために廃業に追い込まれるという方がますますこれからふえていくということを私は警告申し上げたいというふうに思うわけです。  なぜこんなことになっているのかというのは、それは国として、今も言いましたけれども、実態が本当にリアルに把握されていなかった、そのために打つ手を打ってこなかったということがこういう事態を招いたと私は思うんですよ。だって、いろいろ聞いてこられた、私も一週間に一遍地元に帰っていますよ。一週間に一遍帰って、私が聞ける範囲なんていうのは知れているんです。  ですから、県が組織を挙げて、そういう地元が、市だとか町だとかそういったところが本当に組織を挙げて、年に一遍なら一遍どういう調査をするのか、そういう問題別の調査をするというようなことをぜひやるべきだと私は思うんです。そうでなければ、全体を手のひらの上に乗せることはできなかろうというふうに思うわけです。そういう意味で、実際に営業されている方たちの苦労を本当には御存じなかろう、私でさえ知らないというふうに申し上げておきたいと思うんです。  兵庫区で家電販売をされている奥さんと二人暮らしの七十三歳の方なんですけれども、この方は震災前からの借り入れと震災での被害による借り入れで毎月七万五千円を返済されています。まじめに一生懸命返済しようとしていますけれども、三十万円から四十万円の利益があった売り上げが震災後三分の一まで減っておりまして、少ないときは十万円ぐらいの利益しか出ないという状態になっているんですね。子供もなくて、もしものときにと掛けてきた保険も全部解約しなければならなくなって、今は全く保険はありません。震災さえなかったら被害を受ける前の借金はもうなくなっていたはずだ、こうおっしゃっています。今は、震災を受けたために借りたお金と売り上げの減少で、返しても返しても借金が減らない、本当にそのことを考えて、元金を返済しなければならなくなったらどうしよう、震災さえ受けなければ背負わずに済んだ負債の返済と売り上げの減少で先の見通しが立たないという心労で、本当に眠れない毎日を送っていらっしゃいます。  生活再建支援金についても、事業所は全壊しても支給の対象に組み込まれておりませんし、これもまた営業再建の妨げになっているところです。  そもそも中小業者が災害被害を受けた場合、その対策として低利融資が柱になっておりますけれども、低利といっても、五千万円借りますと、年利二・三%の場合一年で百十五万円もの利子を払う必要がございます。兵庫県の場合、震災後、先ほども言われましたけれども、三年間は、全壊、半壊の条件はついておりましたけれども復興基金から利子補給を行ってまいりましたし、四年目以降は住民所得割のかからない業者に限定されていて、一部の人を除いて、元金の返済は猶予されても利子だけは頑張って一生懸命払い続けているというのが実態です。  阪神大震災のような大規模な都市型災害の場合、その被害は、地域経済のみならず日本経済に与える影響も極めて大きいものがあります。経済復興に力を注いでいればこんな状況にはなっていなかったという指摘もございます。そこで、被災地の実態を本当に知っていれば、被災前の借入金の一時凍結あるいは買い上げ、こういった思い切ったこれまでの枠を超えた対策をとることが必要であろうというふうに思いますし、緊急最低限の手だてとしても、返済猶予の延長というのは当然の対策として出てくると思うのですが、大臣、この点はどうでしょうか。
  78. 中山正暉

    中山国務大臣 きのうも、最初に御質問いただきました奥谷先生神戸の市議会の方々を御案内なすって、国土庁の方へお越しいただきました。実態はかなり把握をしておるつもりでございますし、地元方々も、地元地方公共団体被災者の主な支援相談体制というのは、民生委員、児童委員を通じて低所得者世帯の自立更生援護とか児童の健全育成、高齢者福祉等の地域福祉の活動とか、これはまた長くなってしまいますから、保健婦、健康アドバイザー、保健婦に至っては五百四十名、それから民生委員、児童委員は六千六百五十八名が活動しておりますし、健康アドバイザーが百十七名、それから生活援助員、LSAが九十九名、高齢世帯支援員四十四名、生活復興相談員百六十五名、情報サポーター二百六十名、復興住宅対策交番相談員九十五名、アルコールソーシャルワーカー四名、自殺の問題なんかありましたが、苦労を酒で紛らわそうとする人たちに対する配慮もいたしておりまして、被災地復旧復興状況については、被災地住民及び被災企業に最も身近な地元地方公共団体とか生活復興相談員、中小企業関連団体等を通じて幅広く具体的な要望を把握しておるつもりでございます。  まだ至らないところがあるかと思いますが、政府といたしましては、地方公共団体との意見交換の場を設けまして、正確な状況の把握に努めてまいりたい。必要な措置を講じてきたところでございますが、協議会の設置をしております。それからさらに、商工会議所と定期的な協議の場を設けるほかに、私自身も、先ほど申しましたように就任後すぐに二回行っておりますが、今後とも何かありましたらまた飛んでいきたい、かように思っておりますので、先生からまたいろいろ御指摘をいただきたい、万全を期したいと思っております。
  79. 藤木洋子

    ○藤木委員 いろいろ言われましたけれども、私が伺いたかったのは、緊急に最低限必要な手だてとして、返済猶予の延長ですね。それでは、この問題は通産省の方にお伺いさせていただきたいと思いますので、お答えくださいますでしょうか。
  80. 茂木敏充

    ○茂木政務次官 藤木委員指摘被災地の中小企業が依然大変まだ厳しい状況にある、その点につきましては、当省としても十分認識をいたしているところであります。このため、国との協調融資である兵庫県、神戸市の緊急災害復旧資金の据え置き期間、償還期間につきましては、過去二回にわたってそれぞれ一年ずつ延長してきたところであります。  これらの期間のさらなる延長につきましては、現在政府部内で調整中でありまして、この問題も含めまして、被災中小企業の経営安定のために当省としても引き続き万全を期してまいりたい、このように考えております。
  81. 中村鋭一

    中村委員長 藤木さん、時間ですのでね。
  82. 藤木洋子

    ○藤木委員 調整中ということでございますけれども、一刻も早く返済猶予の結論を出していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  最後ですから、きょうは中小業者の問題に絞って伺ってきましたけれども、改めて被災地のこうした状況、実態を見ていただきましたら、対策本部が掲げてきた目標を対策本部は果たし得ていないということをぜひ認識していただいて、そして、その上に立って対策本部の目的、基本理念を達成させるまで政府が責任を負うということをひとつ最後に言明していただきたいというふうに思います。
  83. 中山正暉

    中山国務大臣 先生の意見とちょっと違うわけでございます。  私は、国民の血税を使いまして、四兆九千五百億円という巨大な資金を投じましてこれに万全を、全国民の被災地に対する配慮というのは大変なものだったと思います。復興本部はそのために全力を尽くして、先生は目的を完遂していないとおっしゃいますが、私は目的を完遂したと自信を持って言えると思っております。しかし、上手の手から水が漏るということもございます。その水の漏れを防いでいくこと、人の苦しみ、悲しみを理解することが政治の要諦であると私は思っておりますので、万全を期したいと思います。
  84. 藤木洋子

    ○藤木委員 終わります。
  85. 中村鋭一

    中村委員長 北沢清功君。
  86. 北沢清功

    ○北沢委員 社民党の北沢でございます。  先般の東海村臨界事故が契機となりまして、このたび新たに原子力災害対策特別措置法案が提出をされております。ということは、平成九年度に立てられました防災基本計画では不備であるということですが、事故や災害が起きてみなければ効果的な対策が立てられないということになれば、非常に心もとないと言わざるを得ません。  実は、以前に私はこの委員会で、原子力災害について、これでは実際には対応できないのではないかということを指摘いたしてまいりました。残念ながら机上の計画としか言えなかったわけですが、原子力以外の事故については大丈夫であろうか、見直しの必要はないでしょうかと言えるわけでございます。例えば危険物の項についてでありますが、この間首都高速で起きた過酸化水素の爆発事故は、危険物として定着していないものも化学的反応によって危険になっているということで、それは、そうした原因となり得るものがごく身近を走っているということの恐ろしさを示したものと言えるわけであります。たまたま死者がなかったことが幸いでありまして、偶然性によるもので、あり得ないことで大災害に発展しないとも限らないわけであります。  対策は緊急を要すると思われますが、この危険物等災害対策で万全な対応ができるのかどうでしょうか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
  87. 増田敏男

    ○増田政務次官 北沢先生お尋ねにお答えを申し上げます。  危険物の関係お尋ねがありましたが、危険物災害などの他の事故災害については、さまざまな事態を想定いたしまして万全の措置を講ずるのが実は私たちの仕事であり、防災基本計画を策定した、こういうことになっております。  勝手なことを申し上げて恐縮ですが、何十台、何万台と走っている危険物を、町の中を走っていますが、そういうことを想定して、私も約二、三十年、そのことを真剣に取り組んできたこともございました。時間の関係があるから例を引いて申し上げることができませんけれども、特にタンクローリーが横転をした、その町の中における災害のひどさなどというのは、当時、消防団長として先頭で対応しておりましたので、先生の御質問はひとしお身にしみます。  そこで、今回の東海村臨界事故のように、防災基本計画が主として想定していた原子力発電所等ではなく、核燃料加工施設で発生するなど、想定外の事態が生じる可能性があることはもちろん否定するところではないので、そういうこともあると認識をいたしております。このために、いわゆるフェールセーフの考え方に立ちまして、想定外の事態が生じた場合に対応できる体制検討、整備を行う必要がある、このような考え方で、先生の今のお尋ねに対しては真剣な取り組みを強めていくということで現在おります。  以上です。
  88. 北沢清功

    ○北沢委員 防災対策基本計画についてお尋ねをしたわけでありますが、今度の過酸化水素の爆発事故、それから、今も若干お話のございましたような想定しないような原子力の事故ということはやはり想定をすべく防災計画を立てるということが非常に大事であります。そんなことで、今、さらに検討を加えたいし、また検討された結果として今回の措置法の提案になっておるわけでありますから、十分にひとつ意を尽くしてこのことに当たっていただきたいと思っております。  次に、新たに制定されました原子力災害対策特別措置法案の所管官庁は通産省、科学技術庁になっておりますが、災害対策基本法との関連、また国土庁との関連はどうなっているでしょうか。所管官庁が幾つもできるということは責任の所在が不明確になる心配も出てくると思いますので、この点についてどのようにお考えになっておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
  89. 増田敏男

    ○増田政務次官 原子力災害については、放射能が五感で感じられずに、被害の発生の認識が困難であるなど、したがって、特別な訓練や装備が必要であるなど特殊性があることから、こうした特殊性に適切に対処するために、災害対策の一般法である災害対策基本法の特別法として原子力災害対策特別措置法案が今国会に提出されております。先生お話のとおりであります。  この法案の基本的枠組みとしては、原子力事業者に対して、平常時における防災業務計画の策定義務、緊急時における通報の義務、また、緊急事態に対し国としてとるべき措置として、原子力緊急事態宣言を発し、関係市町村等への避難の指示を行うとともに、内閣総理大臣本部長とする原子力災害対策本部を設置することとしたこと、国として、事前に緊急事態応急対策拠点、オフサイトセンターを確保するとともに、総合防災訓練を実施することとしたことなどを規定しております。  原子力災害については、高度の専門的知見や特別な設備、装備を必要とすることから、原子力安全担当省庁である科学技術庁及び通産省が基本的に取り組むことになるとされております。  国土庁は、防災行政全般を預かる立場として、緊急事態宣言の発出や原子力災害対策本部の設置に当たって内閣総理大臣を補佐することとなっており、当該本部には国土庁長官が本部員として参画し、科学技術庁及び通産省と協力をして原子力災害対策に取り組むこととなっております。  二つあるからおかしいというふうに一般に思いがちですが、自然災害に対しては国土庁長官が全部本部長でやっていきます。それから、今申し上げましたように特別な災害、原子力であるとか、そういう災害に対しては専門的な省庁が表に出る、そして国土庁はそのバックは全部していく、こういうかかわり合いで、私どもとしてはきちんと仕事が仕分けられている、このようにとっておりますので、御理解を賜りたいと思います。
  90. 北沢清功

    ○北沢委員 今の面についてもう一つ突っ込んで御質問したいと思うんですが、私、もう一つ大きな役割として、地方公共団体としての役割が災害の場合は大きいと思うわけでありますが、技術面、科学面の知識、情報といった面からも国のより積極的な関与が必要だと思いますが、どうでしょうか。
  91. 増田敏男

    ○増田政務次官 おっしゃるとおり、地方公共団体の果たす役割は非常に重大であり、そのことが災害の、強いて言えば鎮圧と言っては恐縮ですが、おさめることに大きな役割を果たしていく、このようにとらえております。  災害対策基本法では、地方公共団体がまず第一義的に災害対処することとなっております。国の関係機関は、地方公共団体の業務の実施が円滑に行われますよう指導助言などの適切な措置をとること、このようになっております。  また、防災基本計画においては、法の趣旨に基づいた実効性のある対策を実施するために、災害の特性に応じ、例えば原子力災害対策編では、地方公共団体が整備すべき救急救助用資機材に関する情報提供等を国が行うものとするなど、必要な国の支援協力についても規定しているところであります。  今後とも、関係省庁ともども地方公共団体に対する指導については力を尽くしてまいりたい、このように思います。
  92. 北沢清功

    ○北沢委員 私は、東海村の今回の事故でさえも、東海村や周辺市町村長さんと住民の不安というか、怒りというまで高まっておるわけですから、全国各地における原子力発電の所在地の市町村というのは、いわゆる安全神話に乗っかかって、本当の意味の認識なり研究なりそういうものはほど遠いんじゃないか、そういうことを含めて、早急にこの面での地方自治体の指導を国土庁において完璧を期せられたい。  いずれにしても、いろいろ科学技術庁だとか通産等の問題が出てくるわけなのですが、今度の法案を含めると、やはり国土庁の責任というものが、何か実権はないけれども、最終的に負わなきゃいけないというふうに思われるぐらい重要になっておりますから、その点はひとつ十二分にお考えいただきたい。災害対策の面から見ても、やはりリーダーシップを国土庁に求めたい、そういうふうに指導性というものを求めたいと私は思います。緊急の場合に、縦割り行政のあしき面が出て対応が後手に回ることのないように、この点について、私は強く国土庁に要望いたしたいと思いますので、いかがでしょうか。
  93. 中山正暉

    中山国務大臣 お答えを申し上げたいと思います。  先生のおっしゃるとおりでございまして、国土庁は、自然災害対策に関する総合調整官庁としての役割がありますが、予防とか応急対策とか復旧とか復興とか、先ほどからの阪神淡路大震災なんかでの果たしました役割、そんなもので各省庁との災害対策の調整とか推進に取り組んでいるところでございます。  いわゆる事故災害は、直接は担当していないということになっておりましたが、しかし、安全規制を担当する省庁がそれぞれありますので、それぞれには特別の専門的な知見や体制を必要としております。さっきどなたかにも御答弁申し上げましたが、いわゆるオイルタンカーの転覆災害とか最近の東海村の原子力の問題とか、そういうところには専門的な知識を持った方に担当していただくわけでございますが、実態を最も把握している安全担当省庁と一義的に事故災害対策に当たってもらう関係を、今度は全体をサポートすることが私どもの任務だと思っております。  今後とも、国土庁といたしましては、事故災害を含むさまざまな具体的な災害対策について、実効ある対応ができますようにリーダーシップを発揮する、関係省庁との関係をひとつ確立してまいりたい。特に、自然災害とそれから原子力発電所などの災害が複合的に起こった場合には、特に重要な機能を持つのが我が庁と思いますので、今後ともいろいろと万全を期しての災害対策、これにひとつ努力をいたしてまいりたい。  それから、つけ加えておきますが、予算委員会をやっておりますときには、委員長として、先生には理事会で大変お世話になりましたこと、蛇足でございますが、お礼をこの立場から申し上げておきたいと思います。
  94. 北沢清功

    ○北沢委員 時間がございませんので、あと一問だけ簡単にあれしたいと思いますが、私は、国土庁の皆さんの役割については、さらに激励を申し上げて、あらゆる災害にひとつ万全を期していただくように、御活躍を御祈念いたしたいと思います。  最後に、地域問題で、私の友人からの話なのですが、岡山県の備中町の土地陥没事象についてお尋ねをしたいわけです。  国土庁は、現在どのようにこの点を把握されているか。また、昨日県知事からも要望もなされたように聞いておるのですが、住民方々の不安な状況が長期にわたっております。官民の対応をお願いいたしたいと思いますが、例えば、具体的には、あそこのようなカルスト地形という特殊な土壌について、地域振興策等の見直しについては可能かどうかということについてお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。
  95. 増田敏男

    ○増田政務次官 お答えを申し上げます。  岡山県の備中町平川郷地区の土地陥没については、昨年の夏ごろより断続的な発生を見ております。道路、河川、小学校あるいは民家等々にさまざまな被害を及ぼしていると承知をいたしております。もちろん、九月に田んぼが、あるいは民家の納屋が半壊した、そういうような陥没があったこと、また十月十五日にも陥没があった等々承知をいたしております。  この件については、現在岡山県において調査委員会が設置をされまして、その原因等についての検討が行われております。去る十一月三日に地質構造及び石灰岩の分布状況等が解明されてきたこと、また、二番目として、今後さらに地下水調査の継続など追加調査が必要なこととの中間報告を受けております。  国土庁といたしましては、住民の安全確保の見地から、緊急対策として、県、町の傾斜計あるいは伸縮計の設置についての支援を行うとともに、関係省庁とも連絡調整を図り、現地での事前調査の実施、調査委員会への参加など、土地陥没の原因究明に協力してきております。今後とも、関係省庁及び県と連絡調整を十分に図りながら、住民の安全確保、土地陥没の原因究明に協力をしてまいる所存であります。  なお、一括してお尋ねがございましたが、先生恐らく特土法のことを念頭に置いて言われたんだと思いますが、時間がありませんからまとめてお答えしてしまいます。  しばしば台風の来襲を受け、雨量が極めて多く、かつシラス等の火山噴出物や花崗岩風化土など、侵食を受けやすい特殊な土壌に覆われている地帯を特土法として指定をしております。したがって、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的とした制度であります。  この特殊土壌地帯の指定は、岩盤の上を覆っている土壌の性質に着目して行われております。岡山県備中町の土地陥没事象は、現在その原因調査が進められているところですが、県の調査委員会調査においても、岩盤となっているカルストの地下空洞に起因するものと考えられており、土壌の性質に着目した対策である特土法で対応することは困難かと考えております。  いずれにしても、国土庁といたしましては、今後とも関係省庁及び県と連絡調整を図りながら、特に県が実態を知っておると思いますから、県と町でよく御連絡をいただきながら、国土庁も万全を期して、何としても、こう言うと変ですが、陥没がなくなってもらいたい、このように願うところであります。  参考に、私の近くにも大谷石の採石場で大陥没がありまして、何回も私は呼び出されたことを今思い出しました。蛇足をつけ加えましたが、お答えといたします。
  96. 北沢清功

    ○北沢委員 最後に御要望申し上げたいと思いますが、広範な地域にわたって陥没の事象が次々と出ておるわけであります。住民の皆さんにとっては、特定のところが陥没するではなくて、いつどこが陥没するかわからないというところに一つの不安の根源があると思いますから、それらを含めて、ひとつ県と御連絡をとりながら指導に完璧を期していただくように御要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
  97. 中村鋭一

    中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十一分散会