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1999-11-18 第146回国会 衆議院 決算行政監視委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月十八日(木曜日)     午前九時四分開議  出席委員    委員長 中村正三郎君    理事 岩永 峯一君 理事 古賀 正浩君    理事 田中 和徳君 理事 石井 紘基君    理事 坂上 富男君 理事 谷口 隆義君    理事 佐々木洋平君       奥山 茂彦君    倉成 正和君       滝   実君    林  義郎君       原田昇左右君    堀之内久男君       三塚  博君    矢上 雅義君       山本 幸三君    吉川 貴盛君       綿貫 民輔君    生方 幸夫君       鹿野 道彦君    菅  直人君       葉山  峻君    赤羽 一嘉君       草川 昭三君    福島  豊君       若松 謙維君    米津 等史君       辻  第一君    中林よし子君       保坂 展人君     …………………………………    大蔵大臣         宮澤 喜一君    国務大臣    (科学技術庁長官)    中曽根弘文君    防衛政務次官       依田 智治君    建設政務次官       加藤 卓二君    会計検査院長職務代行    検査官          杉浦  力君    会計検査院事務総局第二局    長            諸田 敏朗君    会計検査院事務総局第三局    長            白石 博之君    会計検査院事務総局第五局    長            小川 光吉君    政府参考人    (公正取引委員会事務総長    )            塩田 薫範君    政府参考人    (警察庁長官官房首席監察    官)           片山 晴雄君    政府参考人    (総務庁行政監察局長)  東田 親司君    政府参考人    (防衛庁装備局長)    及川 耕造君    政府参考人    (厚生大臣官房総務審議官    )            宮島  彰君    政府参考人    (厚生省社会援護局長) 炭谷  茂君    政府参考人    (厚生省年金局長)    矢野 朝水君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官) 河野 博文君    参考人    (年金福祉事業団理事長) 森  仁美君    参考人    (金属鉱業事業団理事長) 田代 直弘君    参考人    (金属鉱業事業団理事)  木村 文彦君    参考人    (宇宙開発事業団理事)  石井 敏弘君    参考人    (核燃料サイクル開発機構    理事長)         都甲 泰正君    参考人    (日本原子力研究所理事長    )            松浦祥次郎君    決算行政監視委員会専門員 中谷 俊明君     ————————————— 委員の異動 十一月十八日  辞任         補欠選任   石田 勝之君     若松 謙維君   村山 富市君     保坂 展人君 同日  辞任         補欠選任   若松 謙維君     石田 勝之君   保坂 展人君     村山 富市君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  平成年度一般会計歳入歳出決算  平成年度特別会計歳入歳出決算  平成年度国税収納金整理資金受払計算書  平成年度政府関係機関決算書  平成年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成年度国有財産無償貸付状況計算書  平成年度一般会計歳入歳出決算  平成年度特別会計歳入歳出決算  平成年度国税収納金整理資金受払計算書  平成年度政府関係機関決算書  平成年度国有財産増減及び現在額総計算書  平成年度国有財産無償貸付状況計算書  歳入歳出の実況に関する件  行政監視に関する件     午前九時四分開議      ————◇—————
  2. 中村正三郎

  3. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 平成年度一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書会計検査院検査報告とともに国会に提出し、また、平成年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計におきまして、歳入決算額は八十一兆八千九十億三千八百八十五万円余、歳出決算額は七十八兆八千四百七十八億六千七百四十万円余でありまして、差し引き二兆九千六百十一億七千百四十四万円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計平成年度歳入繰り入れ済みであります。  なお、平成年度における財政法第六条の純剰余金は四千四百四十二億八千六百九十四万円余となります。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額七十七兆七千七百十二億三千九十八万円余に比べて四兆三百七十八億七百八十六万円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れ予算額に比べて増加した額三兆六千九百五十一億九千六百三十六万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は三千四百二十六億千百四十九万円余となります。  一方、歳出につきましては、予算額七十七兆七千七百十二億三千九十八万円余に、平成年度からの繰越額三兆六千七百七十三億二千二百六十八万円余を加えました歳出予算現額八十一兆四千四百八十五億五千三百六十七万円余に対しまして、支出済み歳出額は七十八兆八千四百七十八億六千七百四十万円余でありまして、その差額二兆六千六億八千六百二十七万円余のうち、平成年度に繰り越しました額は二兆三千四百九十五億二千二百三十万円余となっており、不用となりました額は二千五百十一億六千三百九十六万円余となっております。  このうち、予備費でありますが、平成年度一般会計における予備費予算額は二千億円であり、その使用額は千九百八十六億二千三百八十九万円余であります。  次に、平成年度特別会計決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。  次に、平成年度における国税収納金整理資金受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は五十六兆六千七百二十四億六千八百八十六万円余でありまして、この資金からの一般会計等歳入への組み入れ額等は五十六兆六千五百八十五億五千十九万円余でありますので、差し引き百三十九億千八百六十七万円余が平成年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。  次に、平成年度政府関係機関決算内容、国の債権の現在額及び、物品増減及び現在額につきましては、それぞれの決算書等によって御了承願いたいと存じます。  以上が、平成年度一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等概要であります。  なお、平成年度予算執行につきましては、予算の効率的な使用経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでありますが、なお会計検査院から三百十四件の不当事項等について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  予算執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。  次に、平成年度国有財産増減及び現在額総計算書並び平成年度国有財産無償貸付状況計算書を、会計検査院検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成年度国有財産増減及び現在額総計算書概要について御説明いたします。  平成年度中に増加いたしました国有財産は、行政財産二兆五千四百十八億千三百九十三万円余、普通財産二兆九千九百十六億千四百二十八万円余、総額五兆五千三百三十四億二千八百二十一万円余であり、また、同年度中に減少いたしました国有財産は、行政財産四千百七億六千四百九十二万円余、普通財産九千三百六十六億六百四十一万円余、総額一兆三千四百七十三億七千百三十四万円余でありまして、差し引き四兆千八百六十億五千六百八十六万円余の純増加となっております。これを平成年度末現在額八十七兆四千百九十三億六千七百十五万円余に加算いたしますと九十一兆六千五十四億二千四百二万円余となり、これが国有財産法に基づく平成年度末現在額であります。  この内訳を申し上げますと、行政財産四十七兆二千五百九十三億七千九百六十八万円余、普通財産四十四兆三千四百六十億四千四百三十三万円余となっております。  以上が平成年度国有財産増減及び現在額総計算書概要であります。  次に、平成年度国有財産無償貸付状況計算書概要について御説明いたします。  平成年度中に増加いたしました無償貸付財産総額は千九百五十五億六千百四十二万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産総額は千七百四十四億九千八百四十七万円余でありまして、差し引き二百十億六千二百九十四万円余の純増加となっております。これを平成年度末現在額一兆千三百九十二億六千七百六十六万円余に加算いたしますと一兆千六百三億三千六十一万円余となり、これが平成年度末現在において国有財産法に基づき無償貸し付けをしている国有財産総額であります。  以上が平成年度国有財産無償貸付状況計算書概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付しております。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。  次に、平成年度一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書会計検査院検査報告とともに国会に提出し、また、平成年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計におきまして、歳入決算額は八十兆千七百四億七千三百七万円余でありますが、この歳入決算額には、決算調整資金に関する法律第七条第一項の規定により、平成年度において予見しがたい租税収入減少等により生ずることとなった一般会計歳入歳出決算上の不足額一兆六千百七十四億千三百二十四万円余を補てんするため、同額の決算調整資金からの組み入れ額が含まれております。  また、歳出決算額は七十八兆四千七百三億千十八万円余でありまして、差し引き一兆七千一億六千二百八十九万円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計平成年度歳入繰り入れ済みであります。  なお、平成年度における財政法第六条の純剰余金は生じておりません。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額七十八兆五千三百三十一億五千九百九十九万円余に比べて一兆六千三百七十三億千三百八万円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れ予算額に比べて増加した額二兆三千五百三億三千五百九十三万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純減少額は七千百三十億二千二百八十五万円余となります。  一方、歳出につきましては、予算額七十八兆五千三百三十一億五千九百九十九万円余に、平成年度からの繰越額二兆三千四百九十五億二千二百三十万円余を加えました歳出予算現額八十兆八千八百二十六億八千二百三十万円余に対しまして、支出済み歳出額は七十八兆四千七百三億千十八万円余でありまして、その差額二兆四千百二十三億七千二百十一万円余のうち、平成年度に繰り越しました額は一兆六千九百九十三億四千九百二十六万円余となっており、不用となりました額は七千百三十億二千二百八十五万円余となっております。  このうち、予備費でありますが、平成年度一般会計における予備費予算額は千五百億円であり、その使用額は二百二十一億三千六十七万円余であります。  次に、平成年度特別会計決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。  次に、平成年度における国税収納金整理資金受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六十兆四千八百六十三億六千八百二十九万円余でありまして、この資金からの一般会計等歳入への組み入れ額等は五十九兆五千六百九十六億五千八百三十二万円余でありますので、差し引き九千百六十七億九百九十六万円余が平成年度末の資金残額となります。これは、主として特定地方税に係る還付金支払い決定未済のものであります。  次に、平成年度政府関係機関決算内容、国の債権の現在額及び、物品増減及び現在額につきましては、それぞれの決算書等によって御了承願いたいと存じます。  以上が、平成年度一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書等概要であります。  なお、平成年度予算執行につきましては、予算の効率的な使用経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでありますが、なお会計検査院から三百四件の不当事項等について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  予算執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。  次に、平成年度国有財産増減及び現在額総計算書並び平成年度国有財産無償貸付状況計算書を、会計検査院検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成年度国有財産増減及び現在額総計算書概要について御説明いたします。  平成年度中に増加いたしました国有財産は、行政財産二兆五千二百四十七億八千四百十二万円余、普通財産二兆八千三百三十七億三千八百三十万円余、総額五兆三千五百八十五億二千二百四十二万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産四千九百四十四億五千百四十万円余、普通財産八千四百九十一億八千七百一万円余、総額一兆三千四百三十六億三千八百四十二万円余でありまして、差し引き四兆百四十八億八千四百万円余の純増加となっております。これを平成年度末現在額九十一兆六千五十四億二千四百二万円余に加算いたしますと九十五兆六千二百三億八百三万円余となり、これが国有財産法に基づく平成年度末現在額であります。  この内訳を申し上げますと、行政財産四十九兆二千八百九十七億千二百四十一万円余、普通財産四十六兆三千三百五億九千五百六十一万円余となっております。  以上が平成年度国有財産増減及び現在額総計算書概要であります。  次に、平成年度国有財産無償貸付状況計算書概要について御説明いたします。  平成年度中に増加しました無償貸付財産総額は千八百七十五億八千十三万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産総額は二千百十八億九千四百六十四万円余でありまして、差し引き二百四十三億千四百五十万円余の純減少となっております。これを平成年度末現在額一兆千六百三億三千六十一万円余から減算いたしますと一兆千三百六十億千六百十万円余となり、これが平成年度末現在において国有財産法に基づき無償貸し付けをしている国有財産総額であります。  以上が平成年度国有財産無償貸付状況計算書概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付しております。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  4. 中村正三郎

  5. 杉浦力

    杉浦検査官 平成年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  会計検査院は、平成九年十月三日、内閣から平成年度歳入歳出決算送付を受け、その検査を終えて、平成年度決算検査報告とともに、平成九年十二月十二日、内閣に回付いたしました。  平成年度一般会計決算額は、歳入八十一兆八千九十億三千八百八十五万余円、歳出七十八兆八千四百七十八億六千七百四十万余円、各特別会計決算額合計額は、歳入二百八十兆七千百四十四億九千九百六万余円、歳出二百四十五兆二千百四億七千九十万余円であります。  また、国税収納金整理資金は、収納済み額五十六兆六千七百二十四億六千八百八十六万余円、歳入組み入れ額五十三兆六千三百四十八億一千八百三十二万余円であります。  政府関係機関平成年度決算額総計は、収入七兆四千七百七十九億四千三十万余円、支出七兆三千八百四十七億七千五百三十九万余円であります。  平成年度歳入歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等検査対象機関検査いたしました結果について、御説明いたします。  まず、法律政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項は、合計三百十四件、百七十億五千五百十四万余円であります。  このうち、収入に関するものは二十七件、七十四億二千七百三十九万余円、支出に関するものは二百四十件、八十八億一千九百六十三万余円であり、また、収入支出以外のものは四十七件、八億八百十一万余円となっております。  次に、平成九年中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善処置を要求いたしましたものは一件、また、同法第三十六条の規定により、改善の意見を表示いたしましたものは一件、改善処置を要求いたしましたものは一件となっております。  また、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項が三十三件あります。  以上のほか、本院の検査業務のうち特にその検査状況を報告する必要があると認め、検査報告に掲記いたしましたものは六件であります。  以上をもって平成年度決算検査報告説明を終わります。  平成年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  会計検査院は、平成九年十月十四日、内閣から平成年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成年度国有財産無償貸付状況計算書送付を受け、その検査を終えて、平成年度国有財産検査報告とともに、平成九年十二月十二日、内閣に回付いたしました。  平成年度末の国有財産の現在額は九十一兆六千五十四億二千四百二万余円、また、その無償貸付財産総額は一兆一千六百三億三千六十一万余円になっております。  検査の結果、国有財産管理及び処分に関しまして、平成年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項が二件であります。  以上をもって平成年度国有財産検査報告説明を終わります。  次に、平成年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  会計検査院は、平成十年十月二日、内閣から平成年度歳入歳出決算送付を受け、その検査を終えて、平成年度決算検査報告とともに、平成十年十二月十一日、内閣に回付いたしました。  平成年度一般会計決算額は、歳入八十兆一千七百四億七千三百七万余円、歳出七十八兆四千七百三億一千十八万余円、各特別会計決算額合計額は、歳入二百八十三兆四千九百九十三億一千五十五万余円、歳出二百四十七兆三百五十九億七千六百七十二万余円であります。  また、国税収納金整理資金は、収納済み額六十兆四千八百六十三億六千八百二十九万余円、歳入組み入れ額五十四兆二千七百五十一億五千四百三十七万余円であります。  政府関係機関平成年度決算額総計は、収入七兆三千五億八千八百三十六万余円、支出七兆二千五百五十六億六千七百六十九万余円であります。  平成年度歳入歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等検査対象機関検査いたしました結果について、御説明いたします。  まず、法律政令もしくは予算に違反し、または不当と認めた事項は、合計三百四件、百三十三億八千二百七十九万余円であります。  このうち、収入に関するものは二十三件、六十三億四千四百五十九万余円、支出に関するものは二百五十二件、六十六億五千八百二十八万余円であり、また、収入支出以外のものは二十九件、三億七千九百九十二万余円となっております。  次に、平成十年中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善処置を要求いたしましたものは四件、また、同法第三十六条の規定により改善処置を要求いたしましたものは二件となっております。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項は、三十件となっております。  また、特に掲記を要すると認めた事項は、一件であります。  以上のほか、平成十年次におきまして、国会から会計検査要請を受けて検査を実施した事項として、公的宿泊施設運営に関する会計検査の結果に関するもの一件、及び本院の検査業務のうち特にその検査状況を報告する必要があると認めたもの八件を検査報告に掲記いたしております。  以上をもって平成年度決算検査報告説明を終わります。  次に、平成年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。  会計検査院は、平成十年十月二十日、内閣から平成年度国有財産増減及び現在額総計算書及び平成年度国有財産無償貸付状況計算書送付を受け、その検査を終えて、平成年度国有財産検査報告とともに、平成十年十二月十一日、内閣に回付いたしました。  平成年度末の国有財産の現在額は九十五兆六千二百三億八百三万余円、また、その無償貸付財産総額は一兆一千三百六十億一千六百十万余円になっております。  検査の結果、国有財産管理及び処分に関しまして、平成年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項が一件、及び国会から会計検査要請を受けて検査を実施した事項が一件であります。  以上をもって平成年度国有財産検査報告説明を終わります。  会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係省庁などに対して、適正な会計経理執行について努力を求めてまいりましたが、なお平成年度及び九年度決算検査報告において申し述べましたような事例がありますので、関係省庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。  以上です。
  6. 中村正三郎

    中村委員長 これにて平成年度決算外二件、平成年度決算外二件の各件についての概要説明は終わりました。     —————————————
  7. 中村正三郎

    中村委員長 この際、資料要求に関する件についてお諮りいたします。  平成年度決算及び平成年度決算の審査に当たり、決算検査報告に掲記されました会計検査院指摘事項に対する関係責任者処分状況調べについて、大蔵省当局に対してその提出を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中村正三郎

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。      ————◇—————
  9. 中村正三郎

    中村委員長 次に、歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として年金福祉事業団理事長森仁美君、金属鉱業事業団理事長田代直弘君、同理事木村文彦君、宇宙開発事業団理事石井敏弘君、核燃料サイクル開発機構理事長都甲泰正君、日本原子力研究所理事長松浦祥次郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中村正三郎

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。  引き続き、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として公正取引委員会事務総長塩田薫範君、警察庁長官官房首席監察官片山晴雄君、総務庁行政監察局長東田親司君、防衛庁装備局長及川耕造君、厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生省社会援護局長炭谷茂君、厚生省年金局長矢野朝水君、資源エネルギー庁長官河野博文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 中村正三郎

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     —————————————
  12. 中村正三郎

    中村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中和徳君。
  13. 田中和徳

    ○田中(和)委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の田中和徳でございます。  本日は、他の委員会等との重複もありまして大臣のお出ましがいただけないままの質疑になってまいります。政府参考人の皆様に、直接の担当者として、ぜひ積極的に前向きな御答弁をまず御期待申し上げたいと存じます。  まず、行政監視の根幹にかかわる部分について、総務庁に対し質問をいたします。  この決算行政監視委員会も、さきの大蔵省の汚職事件などさまざまな行政腐敗という党派を超えた共通の問題意識を基礎に、従来の決算委員会を改組し、行政監視機能をプラスし、新たな組織として、立法府の責務を果たすため、昨年一月十二日にスタートして以来早くも二年近くが経過をしております。  そして、本委員会では、発足時の目玉の一つとしていわゆる平成の目安箱を設け、国民からの行政に関する苦情処理の受け付けを開始したのであります。寄せられた月別の苦情件数は、平成十年二月のスタート時がピークで五百八十三件、その後減り続けまして、ことしの七月には四十二件まで減少しておりますけれども、決して公僕の不祥事件が減ったわけではない、こういうことでございます。少しPR不足も手伝って数が減ったのかなと思うわけでございますが。  いずれにしても、この行政監視制度、いずこの国家でも、知恵を絞り腐心をしておるわけでございます。行政機関によるみずからの取り組みによるのか、また立法機関など第三者によるのかは別といたしましても、オンブズマン制度であるとか行政監察制度があって、行政の非効率や不正を正して、主権者国民の立場に立った適正な行政を確保するということは、我が国と同じく、どこの国も民主主義を採用する国家にとっては不可欠なことであるからであります。  その中でも、私は、中華民国の、政府、立法院、司法院という三権に加えて、人事・採用権を掌握する考試院、それから調査・監察等の権限を持った監察院を有する五権分立の制度が、私が調査した限り、世界で一番独立性を保ち、かつ効果的に機能する行政コントロールの制度ではないか、このように実は思っておるのでございます。  まず、中華民国の五権分立、特に監察制度についてどのように評価をしておられるのか、感想をお伺いしておきたいと思います。
  14. 東田親司

    ○東田政府参考人 お答え申し上げます。  先生ただいま御指摘の中華民国の五院制度でございますけれども、考試院や監察院が他の三権と同格に扱われておりまして、統治構造が、総統のほかにこれら五院から構成されているというふうに承知しております。ただ、しかしながら、詳細につきましては、私ども正直申し上げましてこれまで勉強しておりませんので、今後勉強させていただきたいと考えております。  我が国とは国情とか制度の背景事情を異にする面があると考えますけれども、学ぶべき点については謙虚に受けとめさせていただきたいと考えております。
  15. 田中和徳

    ○田中(和)委員 ぜひひとつしっかりと勉強していただきたいと思いますし、中国の長い歴史の中で、孫文が立国をしたときに考え、国の基本としてスタートさせておるわけでございますが、私も相当現地にも行って確認をしましたけれども、なかなかやはり教えてくれる面がありまして、ぜひひとつ勉強していただきたいなと思っております。  我が国の会計検査院、地方の監査委員会、私の川崎市ではオンブズマン制度までございますけれども、これらをすべてカバーしておりますし、弾劾権も持っているのですね。とにかく、税金が使われているのは地方も中央も関係なくすべて監察を行う、こういうことになっておるわけでございます。我が国の昨今の状況も、見る限り相変わらず不祥事の連続でございまして、本当に残念でありますけれども、いまだ道遠し、こういう感を強くしておるわけでございます。  そこで、総務庁行政監察局長に、片山監察官にお伺いをしますけれども、大蔵省の汚職事件、あるいは防衛庁の調達をめぐる事件、農水省構造改善局の不祥事、また、私の地元である神奈川県警の犯罪もみ消し事件、とにかく続くこれらのことについてどのように責任を感じているのか。大臣にお伺いしたかったわけでございますけれども、御都合が悪いわけでございますので、ぜひひとつ担当者としてお答えをいただきたいと思います。  また、二度とこんなことが起こってはならない、何度も繰り返しながら今日に至っておるわけでありまして、どんな取り組みというのか、新しいアイデアをどのように駆使していこうとしているのか、決意をお聞かせいただきたいと思っております。  また、第三者機関というのか、いろいろと制度というのは考えられておるわけでございますけれども、限られた人材や財源の中でより大きな行政監察などをしていくという成果を出していくためには、大変知恵を絞っていかなければならないのですが、一方では、マンパワーが十分なのか、担当者が足りているのか、こんなことも実は心配するわけであります。広い行政機構の中で、本当に今の体制で大丈夫なのか、この点についてもお聞かせをいただきたいと思います。  以上でございます。
  16. 東田親司

    ○東田政府参考人 先生から二点御指摘をいただきました。一点目は、一連の不祥事に対してどのように考えてこれから対応するつもりかということでございます。  これにつきまして、私は行政監察局長でございますが、行政の制度、運営の評価・監視の立場にある者でございますので、まず、このような一連の不祥事案が発生していることにつきましては、大変遺憾なことと考えております。  これらの不祥事の原因でございますが、個々の公務員の自覚とか、管理者としての責任感等の欠如に根源するものであると考えますけれども、このような自覚や責任感の欠如をもたらすような素地が行政の制度や運営の仕組みの中に存在する場合も考えられまして、そうした場合には積極的に行政監察を実施することが要請されますので、昨今の不祥事の背景とかあるいは要因につきまして、十分関心を持って見守っているところでございます。  それから二点目の、私ども行政監察の体制についての御指摘をいただきました。  現在千百五十人の人員をいただいておりまして、本庁に百五十人、地方出先機関に約千人配置させていただいております。これら要員でもちまして三種類の仕事をやっておりまして、本庁が全国的に計画を立てて調査を行う中央計画監察というタイプ、それから、地方の出先機関限りで現地的な問題を対象に監察する地方監察というタイプ、そして三つ目に、国民からの苦情を受け付けてあっせんを行う行政相談というタイプ、この三種類の仕事をさせていただいております。  先生から大変お励ましをいただきまして、要員が足りないのではないか、こういう御指摘でございましたが、大変ありがたく、感謝申し上げたいと思います。  ただ、一方で、定員を今後十年間大変厳しく抑制するという政府全体の方針もございますので、必要な定員要求は行っていくつもりでございますけれども、私どもの仕事の仕方につきまして、現在の体制のもとでできるだけ的確な行政評価・監視の機能が発揮できますように、例えば、的確なテーマの選定、あるいは職員の資質の向上等の努力をいたしまして、効果的、効率的な業務運営となるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
  17. 田中和徳

    ○田中(和)委員 済みません。東田総務庁行政監察局長でございました。違う政府参考人とちょっと言葉を間違って、お許しをいただきたいと思います。  実は私は、行革というのは、当然のことながら、やはりスリムな行政府をつくるという上で国の基本であると同時に、極めて重要なことだと思うのですが、一方においては、やはり国民の信頼を得る、そういう行政をどのように進めていくかということを、先ほど来より申し上げているように、一方で腐心していかなければならない、何としてもその面でしっかりとした仕事をしていかなければいけない、こういうことから考えると、ここまで出ると、私から見れば、何かやはり機構組織に欠陥があるのかな、あるいは手が足りないのかな、このように思うのも御理解いただけるのじゃないかと思うのです。ぜひ、改めて十二分に組織の検討を加えていただいて信頼の監察行政をひとつ進めていただきたい、このように申し上げておきたいと思います。  続いて、神奈川県警の不祥事について、時間の関係もございますので、一、二点お尋ねをしてまいりたいと思います。  今回の事件は、キャリア組の県警本部長みずからの関与によるもみ消し事件という、残念というよりも大変な、どのように言っていいかわからないほどの重大な、史上前例のない事件に発展をしたわけであります。神奈川県知事岡崎さんが胸をかきむしられる思いで会見をしておりまして、無念の気持ちを述べているわけでございますけれども、県民の気持ちを、行政責任者の気持ちをともに表現した言葉と思いますし、私どももこの県民の怒りを深く受けとめなければならない立場だと思っております。  実は、私の友人が、二、三日前の話ですけれども、こんな話をしているんですね。駐車違反で切符を切られそうになったときに、こんなことを取り締まる暇があったら覚せい剤を取り締まれ、身内だともみ消すのに、何でこんな駐車違反なんかに張り切ってやって、こっちの言い分も余り聞いてくれないんだ、こんなことを警察官に言ってやったよ、こう言っているんですね。私は、これは大変なことだなと。  私も早速調べてみましたら、神奈川県警の交通違反の取り締まり件数が、八月までは前年を上回るペースでずっと来ていたんですが、九月は六万四千件、十月は七万二千件と、昨年同期に比べてそれぞれ一万五千件減っているんです。私は、だからとは思いません、一生懸命警察官の人はきちっと仕事をしていただいているとは思うんですけれども、邪推であればいいのでございますが、もし事実であったら大変なことでございます。  そういうことで、私は、本当にこれは国家の一大事であるとともに、このことがまさしく警察組織の自殺行為につながっていったら重大なことだな、このように実は思っております。二十三万人のほとんどの警察官はまじめに仕事をしてくれているんですが、こんなことで本当に長い日本の警察の歴史に、すばらしい実績に、重大なことになっていったときにどうしたらいいのかということで、私はあえて言いづらいことを申し上げるのです。  確かに、管理責任を厳しく追及するというのは私は当然だと思うんですけれども、一方では、関係者に全部及んで、そして県警本部のトップまで出処進退にかかわることになるといえば、場合によっては、こういうことが潜んでいく、潜在をしていくというようなことが起こる可能性があるんじゃないか。もっとトップや上司の連帯責任というものについては明確に検討して明らかにし、だれもがわかるシステムを構築しなきゃいけないんじゃないか、このように私は思うんですが、まずお考えを伺っておきます。
  18. 片山晴雄

    ○片山政府参考人 警察では、従来から、不祥事案が発生いたしました場合、早期に全容を解明いたしまして、速やかに所要の行政処分を行うとともに、刑罰法令に該当する場合には事件として立件しているところでございます。  その際、本人に対する懲戒責任、場合によっては刑事責任を問うことになるのはもちろんでございますが、本人の上司につきましても監督責任を問うこととなる場合がございます。そのときには、どこまでの範囲で、またどの程度の重さを監督責任として問うかにつきましては、あくまでもケース・バイ・ケースでございますが、上司については過酷なものとならないよう、しかし責任の所在は明確になるよう考えていくべきだと承知しております。
  19. 田中和徳

    ○田中(和)委員 現実に機能していないわけですから、これはやはり相当考えて新しいシステムをつくらなきゃいけないと思うんですね。こんなことはないと思うけれども、私の神奈川県警で本当に不幸にしてこんな大事件になってしまいましたけれども、全国で、何かもっと違うところにも同類の事件が潜んでいるんじゃないかということをやはり心配する向きも大変あるわけでございまして、これが実は私たちがもっと心配をする話なんですね。ですから、これは徹底的にひとつ対策を講じてもらいたいと思うんです。  時間がないものですからちょっとはしょりますが、私は、第三者のチェック機能を導入すべきじゃないか。例えば、弁護士さんだとかあるいは市民だとか有識者だとか、とにかくこういう視点から、内部だけでのシステムじゃなくて、外部からもひとつ導入して、開かれたチェック体制を築くべきじゃないか、こういう話があります。  それからもう一点は、都道府県警に公安委員会があるわけでありますが、公安委員というものは、もちろん民間の皆さんから出ていただいて大変すばらしいお仕事をしておられるんですが、こういう事柄が起こってくると、果たしてこれが機能しているのかな、目付役の仕事がきちっとできているのかな、こういう心配もあるわけでございまして、この点もちょっと、どう検討していく考えがあるのか、お答えをいただきたいと思います。
  20. 片山晴雄

    ○片山政府参考人 公安委員会は、国におきましても、都道府県におきましても、国民の各界を代表する、豊富な経験と高い見識を有する方々により構成されておりまして、国民的視点から警察を管理することによりまして、不祥事案の問題を含め、その運営の適正を図るという極めて有用な役割を担っていると承知しているところでございます。  今回の一連の不祥事案が発生したことを重く受けとめまして、警察庁といたしましては、不祥事案の再発防止対策を推進していくことといたしておりますが、その一つといたしまして、不祥事案発生時及び懲戒処分時における公安委員会に対する適時適切な報告の徹底を全国警察に指示いたしましたほか、公安委員会の管理機能を一層充実強化するための警察法の改正について検討いたしているところでございます。  なお、警察庁及び都道府県警察におきまして、広報担当部門に、広く市民一般から警察に対する要望、御意見を賜るセクションを設けておりまして、ここに寄せられている御意見等につきましても今後生かしてまいりたいと考えているところでございます。
  21. 田中和徳

    ○田中(和)委員 これはぜひひとつ早急に努力を願いたいと思います。  もう時間でございますので、あと、最後に一点だけひとつお尋ねをさせていただきたいことがあるのでございます。私の地元で起こった事件でございまして、ぜひ先生方にも御理解と、また御指導がいただければと思うんです。  ことしの五月二十六日に、私の地元の民間病院に、一人の中国人女性が瀕死の重体で、警察官が付き添い、川崎市の消防局の救急車で救急搬送されてきたのでございます。後でわかったのですが、この人は密入国者で、不法滞在者であったのです。そして、中国人同士の男女六人の殺傷事件、川崎で大事件があったわけでございますが、そのときの被害者なんです。それで、瀕死の重体でございましたので、医師団の医療スタッフの努力によって一命を取りとめて、そして結果、回復を待って警察官がまた逮捕して、実は国に強制送還をさせた。  ところが、診療費が二百四十七万円かかって、どこの役所に行っても払ってくれない。それはあくまでも本人に交渉してくださいというので、いろいろとやってみたけれども、どうしようもないんです。  ところが、医師法では、搬送された救急患者は断れないわけでございますし、ホームレスも含めて、あるいは外国人の方も、きちっとした、登録された方だったら全部生活保護の対象になるわけでありますけれども、このケースは全くどこからもお支払いがいただけない。  これは、裏を返して言えば、救急車が当然通信をして、確認をして連れてくるわけですから、もし外国人とわかれば、お金がもらえない可能性もあるとなれば、お医者さんがいませんとか、あるいは都合がどうだとかいってたらい回し、あるいは拒否という事態にもなってくる可能性があるんです。  当然これは、医療機関としては行政訴訟でもという話までするわけでございますけれども、私は、そんなところに至らないうちに、こういう時代ですから何か解決をする方法があればな、こう思って実は一言だけ、もう時間が来ておりますので厚生省から一言だけ短く答えていただいて、今後の宿題とさせていただきますけれども、御答弁を願い、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  22. 宮島彰

    ○宮島政府参考人 今御指摘の不法滞在の外国人に対する医療につきましては、不法状態が前提なだけに、国としてどう対応していくかというのは非常に難しい問題でございます。  厚生省といたしましては、有識者の懇談会でこの問題を検討していただきまして、その報告書におきましては、不法滞在外国人のために特別に新しい制度をつくるということになりますと、不法滞在を助長するおそれがあるのではないか、他方、今先生御指摘のように、現実問題として、不法滞在外国人の、治療を受けながら医療費が支払われないという事態も発生しているということが指摘されております。  このため、今後の方向としては、国、地方自治体、医療機関など関係者がそれぞれのかかわりの程度を広げながら、できるだけこの問題を縮小していこうというのが現実的対応ではないかという指摘を受けているところでございます。  この提言を受けまして、厚生省におきましては、新たな制度をつくるということはしないで、ただし人道的見地から、不法外国人であっても、少なくとも生命に直結するような緊急かつ重篤な疾病に対する医療については何らかの対応が必要ではないかということで、平成年度から、救命救急センター、これは二十四時間重篤な救急患者に対する高度な緊急医療を行っている医療施設でありますが、全国に百三十ほどございますけれども、ここにおいて、いわゆる不法滞在の外国人を受け入れた場合の補助制度を設けているところでございます。  今後とも、必要に応じ、医療に係る諸制度の適用法や運用のあり方を検討してまいりたいというふうに思っております。
  23. 田中和徳

    ○田中(和)委員 ありがとうございました。
  24. 中村正三郎

  25. 若松謙維

    若松委員 公明党の若松謙維でございます。  公明党・改革クラブを代表して、特に現在問題となっております防衛庁関係について、集中して質問をさせていただきます。  まず、近年、防衛庁において、当委員会でも昨年追及がなされました防衛装備品に対する業者の過大請求とこれらに係る防衛庁幹部の背任事件を初め、航空燃料JP4に係る入札問題、海上自衛隊の艦船修理に係る契約問題、通信機器に係る納入問題等新聞紙上をにぎわす事態が次々に明らかになってきております。しかし、これらの問題をよく見ると、すべては調達に係る防衛庁の体質的問題にあるように見えてなりません。  昨年の防衛調達問題については、中央の調達実施本部における随意契約の問題であったものが、その後の事件では、本来、公正を期すために会計法令等で規制している競争入札にまで不適切な事態が発生しているほか、中央のみならず、地方調達においても不適切な事態が露見しております。  これらの諸問題については、防衛庁と業者との間になれ合いの風潮があると見てとれるわけでございますが、去年、額賀長官が、いわゆる政治的責任をとられて退任されました。いわゆる随意契約の問題です。そういう状況で、隣では競争入札の面で相変わらず談合がなされておる。政治家が長官になって、幾ら首を切っても、現場が全然変わらないのでは、果たしてこれから、私たちは何のために政治家としての責任をとる意味があるのか、残念でならないのですね。  そういうことなので、まず、防衛庁の政務次官、来ていただいていると思いますけれども、これらの問題が次々に発生する原因は一体どこにあるとお考えですか。
  26. 依田智治

    ○依田政務次官 次々問題が発生しておるが、どこに問題があると考えるかということでございます。  会計の専門家でおられる先生からの御質問でございますが、私のような素人が、また、現在調査しているので、詳細は後ほどその調査結果を踏まえてお答えしたいと思うわけでございます。  防衛装備品の場合、一般的に、特別の製造設備や技術を必要とする、また需要も防衛庁に限られるというような面から、製造企業が限定される、そのために随意契約というのが大部分を占めざるを得ない、競争入札においても、対象の企業が非常に少数である、こういう実情がそもそも前提としてあるわけでございます。このために競争原理が十分機能し得ない。加えて、複雑な専門性と高い原価計算。  実は私も、船舶の場合どうかということで、定期検査等、五年に一度とか年に一回の年次検査をやる場合に、仕様書というのを現場は検査してつくるのですが、一つの船の場合でも、膨大な仕様書をつくって、それからいろいろ積算していくというような、非常に専門性を要求される。  そんな面から、調達経緯が透明性という面で非常に不十分な面があったり、それから非常に専門性があるものですから、内部のチェック体制というのも十分機能し得ないような状況にあった。このあたりがいろいろ基本的問題ではなかったか、こう思っているわけでございます。  現在、防衛庁では、このような観点を踏まえまして、防衛調達の透明性、公正性の向上を図るために各種の調達改革に取り組んでいるというのが現状でございます。
  27. 若松謙維

    若松委員 今の御答弁ですと、恐らくまただれか政治家が犠牲者になるのかな、そう思えてならないのですね。  具体的に、ちょっと観点を変えて質問いたします。  防衛庁の調達の契約においては、天下りを含めて常に業者との癒着的な体質の存在を感じますが、これに対してはどのような見解をお持ちですか。
  28. 依田智治

    ○依田政務次官 天下り的な体質ということでございますが、防衛装備品の契約に関しましては、先ほど申しましたように製造企業が限定される傾向がありますことから、調達の経緯の透明性等が不十分であったり、防衛庁と企業との関係というものも、長期にわたり関係が保たれることで緊張関係が保たれにくい、こんなような状況がございまして、昨年の背任事件に関しても、一般の公務員に比較して厳格さを欠くのじゃないかというようなことで、自衛隊員の再就職手続等についても問題が提起されておるところでございます。  そこで、防衛庁としましては、かかる観点を踏まえまして、競争原理の強化策、企業側提出資料の信頼性確保等を盛り込んだ調達改革を現在推進しておるところでございます。また、再就職手続につきましても、適正な手続を経させることで不正を防止し、多くの隊員が再就職に対するいわれなき批判等を払拭するよう努めている、こういう現状でございます。
  29. 若松謙維

    若松委員 それでは、また違った観点から質問いたします。  昨年来、防衛庁内におきまして、調達制度の改革を行うための防衛調達改革本部を組織して、今まで十回以上の会議を行ってきたり、外部有識者を交えた防衛調達適正化会議ですか、これを設けて、六回にわたり会議を行ってきていると認識しておりますが、実際にこれらの会議は、集まってお弁当を食べて終わっているような会議じゃないのか。どういうふうに機能しているのですか。
  30. 依田智治

    ○依田政務次官 ただいま御指摘ございましたように、昨年十月に、防衛庁の方に防衛調達改革本部を設置しまして、額賀元長官、それから野呂田前長官と、二人の本部長のもとで精力的に検討を行って、本年四月に調達改革の具体的措置をまとめて、今日、鋭意このフォローアップに努めておるところでございます。  また、十月に瓦長官が本部長として就任して以来、さらに新しい目で調達改革の具体的措置についてのフォローアップをせよということで指示したところでございまして、今般の燃料入札談合事件等を受け、前回の本部会議において、瓦長官から、内局、各機関等に対しまして、防衛調達のさらなる透明性を追求するよう指示して、現在、徹底して組織を挙げてやっておるところでございます。私どもとしては、このような調達改革本部が防衛庁における調達改革の中心として機能するように、今鋭意努めておるというのが現状でございます。  一方、先生からただいま御指摘ありましたように、防衛調達適正化会議、お茶飲んで終わっているんじゃないか、こういう御指摘でございますが、私どもとしては、やはり第三者による監視体制が欠如していたなということで、現在、大学教授、弁護士、公認会計士の方にも入っていただきまして、本年四月からやっておる。それで、きのうも第七回を開催したところでございますが、現在までに、何しろ件数が多いものですから、過払い事案の処理要領、さらには調達改革の具体的措置のフォローアップの状況等もいろいろ議論していただいておるという状況でございます。  また、本年度締結の契約について、件数は少ないわけですが、サンプリング調査の実施を開始しておりまして、現在、効率的なチェックの方策を試みておる、こういう状況でございます。  瓦長官からも、さらにサンプリング調査について推進するようにという指示もあったところでございまして、今後とも、私どもとしては、この調達適正化会議等の御意見を十分に伺いながら、公正性、透明性の確保に全力を挙げていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  31. 若松謙維

    若松委員 今、過払い等もあるということで、具体的に過払いでわかっているところはどのくらいあるのですか、もしわかったら教えてください。
  32. 依田智治

    ○依田政務次官 過払い事案がどのぐらいあるか、四社事案等については一応結論を出し、さらにNECについては、何とか年末までにやろうということで今鋭意やっておるわけでございます。  その他について、ちょっと私、件数を手元に持っていませんので失礼いたします。
  33. 若松謙維

    若松委員 では、後で私どもの事務所の方に資料を提供してください。お願いします。  それでは、再来年、平成十三年一月に組織改革を行うとしておりますけれども、この一連の不祥事に関連して、どのように改革して、どのようにその実効性を担保しようとしているのかお聞かせください。
  34. 依田智治

    ○依田政務次官 本年四月に取りまとめました調達改革の具体的措置に基づきまして、平成十三年一月、再来年の一月からですが、中央省庁改革の実施にあわせて抜本的な調達機構の改革をするということで考えております。  具体的には、調達本部における原計部門と契約部門、相互牽制が機能しなかったという点に着目しまして、調本を廃止するということで、原計部門は内局に吸収する、契約部門については別途契約本部として設ける、こういうことで考えております。  それで、予算から調達まで一貫性を確保するために、内部部局の経理局と装備局というのを統合して、仮称でございますが、管理局というのを設置し、そのもとに原価計算部というのを設けるべく十二年度の概算要求をしておるところでございます。  また、調達に係る第三者監視体制を確立するために、防衛調達適正化会議を発展的に解消いたしまして、これも仮称でございますが、恒常的な審議会として防衛調達審査会を設けるべく、現在、平成十二年度概算要求をしておるところでございます。  防衛庁としましては、かかる一連の調達改革の実現によりまして、相互の牽制の実効性の確保、内局による監督機能の強化、部外者の知見の活用による防衛調達の透明性、公正性の一層の向上ということで、調達制度の改革と相まって、調達改革の実効性を確保してまいりたい。  なお、予算から原計まで一貫してということになりますと、これはやはりまたそこが非常に難しいと思いますので、このあたり、専門家を多く登用したりして、我々としても、より適正に行われるように努力していきたい、こんなことで今考えておるところでございます。
  35. 若松謙維

    若松委員 組織の改革ですけれども、契約部と原価計算部、いわゆる監査とを分離すると。監査の方が上位に位置すべきというのが当然常識だと思うのですけれども、そういう理解でよろしいわけですか。
  36. 依田智治

    ○依田政務次官 監査部門は、むしろ原価計算部門を内局に入れて管理局長の統括のもとに置き、そこで直轄的にやっていく。それと契約部門も、恐らく監督するところは管理局長のもとになるんじゃないかと思いますが、そういうことで私どもとしては重点的に監査をやっていく必要があるというように考えております。
  37. 若松謙維

    若松委員 質問は、監査をする局が、監査を受ける契約部よりも上位の組織的な位置づけかということを聞いたのですけれども、そういう理解でよろしいわけですね。対等だと結局は監査にならないのですよ。あくまでも監査の立場というのは上位に位置づけてもらわないと実効性が担保できませんので、そういった意味で確認なんです。
  38. 依田智治

    ○依田政務次官 監査は、全く独立した監査部門というのを実はつくることになっておりません。しかし、我々としては、監査部門にできるだけ専門家を投入したりして、できるだけ公平性、公正性が保てるように運用していきたい、こういうように現在考えておるところでございます。
  39. 若松謙維

    若松委員 ぜひその監査の原則というものをしっかり組織に反映していただきたいと思います。  それでは、会計検査院にお伺いしますけれども、平成年度決算検査報告におきまして、「航空タービン燃料JP—4の調達に係る事務を適切に行うよう改善させたもの」というのを指摘しております。これは、防衛庁の調達実施本部長が流した「航空タービン燃料JP—4の調達事務について」という通達に基づいていわゆる処置済み事項としたものであります。この通達の実効性についてどのように会計検査院として考えておられるのか。  また、本件につきましては、当然処置済み事項としたわけですけれども、そのとおりきちんとなっているのかどうか。次から次へと新たなこういう談合的な事件が発生しているわけですから、そのアフターチェックというかフォローアップが必要だと思うのですね。それについてどのように行っているか、説明ください。
  40. 杉浦力

    杉浦検査官 お答え申し上げます。  検査院は、御案内のように、検査対象機関会計経理検査して、その適正を期し、かつ是正をすることが目的でありますが、お話のような件につきましては、防衛庁調達実施本部におきましてJP4の調達に関する諸手続の見直しをされたわけであります。そして、その後、見直しを昨年十一月に関係のところにお出しになったということでございます。そして、その見直しの中身を私ども厳密に分析させていただきまして、それが適正な措置を生むと判断いたしたわけであります。その結果、先生おっしゃったような、この事務は適正を期したものだということで、処置済みということをいたしたわけであります。  そして、その指摘後の入札の状況についてどうかということでございますので、私ども検査いたしましたところ、そのほとんどが、当初、一番初めの入札またはそれに引き続きます商議で落札しておりまして、従来のような再入札とかやり直しとかいうようなことは見つかっておりません。  なお、私どもといたしましては、防衛庁が調達する装備品等に係る検査につきましては、今後とも、調達数量あるいは調達の価格等の妥当性の検査にとどまることなく、契約事務や入札の状況といったものについて十分検査をしていく所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。
  41. 若松謙維

    若松委員 公正取引委員会の事務総長にお伺いしますけれども、さきに、このJP4の調達につきまして、十一社及び九名(七社)ですかを検事総長に告発しておりますが、その概要について説明をいただきたいと思います。  また、本件について、防衛庁と業者との間になれ合い的体質があったのかとの認識をお持ちかどうか、お伺いをしたいと思います。
  42. 塩田薫範

    ○塩田政府参考人 お答えいたします。  まず第一点の、検事総長に対する告発の件でございますけれども、公正取引委員会におきましては、防衛庁調達実施本部が発注する航空タービン燃料等の石油製品に関する入札談合事件について審査を行ってきたところでございますけれども、独占禁止法に違反する犯罪があったと思料して、十月十三日に石油会社十一社を、さらに十一月九日に、これらの会社等で石油製品の受注業務に従事していた者九名をそれぞれ検事総長に告発したところでございます。  その内容でございますけれども、被告発会社十一社は、防衛庁調達実施本部が平成年度に調達するガソリン、軽油、灯油、重油及び航空タービン燃料の各石油製品の発注に係る指名競争入札におきまして、受注予定者を決定すること等を合意し、さらにこの合意に従って受注予定者を決定し、もって十一社が共同してその事業活動を相互に拘束し遂行することにより、公共の利益に反して、これらの各石油製品の受注に係る取引分野における競争を実質的に制限したというものでございます。  御質問の第二点の、なれ合い的な体質があったのかどうかということでございますが、防衛庁と業者との間になれ合い的体質があったかどうかということは私どもの判断の限りではございませんけれども、調達実施本部の職員が、不調に終わった一回目の入札及び商議と称する価格交渉の後に行われる再入札の予定価格について、事実上指名業者に伝達する等により、公正かつ自由な競争を阻害する行為を行っていた事実が認められましたことから、公正取引委員会は、調達実施本部に対し、監督体制の見直し及び入札に係る情報管理の徹底等の再発防止措置や改善措置を講じること等を要請したところでございます。
  43. 若松謙維

    若松委員 言う立場じゃないということですが、私は言う立場だと思います、公正取引委員会は。  いずれにしても、再入札価格等の事実上の通知等が行われていたということでの告知ですから、なれ合い体質があった、そう認識しているとはっきり申されたと私は理解いたしました。  それでは、会計検査院と公正取引委員会の関係についてお聞きしたいのですけれども、JP4調達におきまして、まず、談合を行った石油会社側と、それを黙認していた防衛庁側のなれ合いやもたれ合いといった体質がその元凶だと思います。これはどちらか一方の指摘改善により事態が解決するものではないということですね。  今回、防衛庁調達実施本部側の入札に対する不適切な事態については会計検査院検査報告指摘して、石油会社側の談合については公正取引委員会が告発をし、そして今回の結果となったということですので、このようなケースにおきましては、会計検査院と公正取引委員会の両者の連携を密にした調査等が非常に重要になると示した例ではないでしょうか。  こういう考え方に立ちまして、会計検査院並びに公正取引委員会にそれぞれの考え方と今後の方策について御意見をいただきたいと思います。
  44. 杉浦力

    杉浦検査官 まず、一般論で申し上げますと、先生御案内のとおりだと思いますが、会計検査院は民間業者の談合の有無そのものを究明する立場にはございません。その点が第一でございます。  そして、本院が会計検査の場で指摘した事項が公正取引委員会の業務の参考になるという点は当然あることだと思われます。私どもといたしましては、公正取引委員会の審査結果も念頭に置いて検査をすることもございます。  このようなことから、必要に応じて、公正取引委員会との事務の説明や問い合わせ等は相互に行ってきたところでございます。今後も、必要に応じ努めてまいりたいと思っております。
  45. 塩田薫範

    ○塩田政府参考人 お答えいたします。  会計検査院からの御説明とほぼ同様のことになろうかと思いますけれども、公正取引委員会は、防衛庁の調達実施本部が発注する石油製品の入札談合事件に関する審査に当たりまして、会計検査院平成年度決算検査報告等も参考とさせていただいたところでございます。  今後とも、会計検査院決算検査報告等を十分に参考とさせていただき、必要に応じ会計検査院とも連絡をとって、入札談合等の独禁法違反行為に対する情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
  46. 若松謙維

    若松委員 ちょっと時間がありませんので、結論的な話になりますけれども、いずれにしても、このような談合的な話は、それを黙認というか、そういう環境を提供してしまう行政側、それをチェックする会計検査院の重要性、そしてこの日本の、特に談合体質、なれ合い体質をチェックする公正取引委員会、両者の本当に緊密な関係というのがやはり大事になろうかと思いますので、まさに会計検査院と公正取引委員会の一体のアプローチ、これを引き続きお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。  いずれにしても、今回、この随意契約、まだまだやはり九割近くが随意契約、そして一般なり指名競争入札なりは一割強ですけれども、ほとんどこの比率は変わっていないのですね。では、随意契約を一般契約にしたらどうかということでこのていたらく。ですから、これは一括してやはりもっと議論しなくてはいけない。  かつ、防衛庁は大変巨額の外部委託をするわけですから、これは別に防衛庁だけでなくて全部の省庁にも関係するわけですけれども、本当はアメリカがやっているような、大統領ですか、日本ですと総理任命、そして国会同意人事による外部からの監察総監、いわゆるインスペクターゼネラルみたいなものがどんどん、本当に外部の立場に立って各省庁のいろいろな問題点を情報提供する、それを会計検査院が吸い上げて行うことによって会計検査院の威力というのは増すと思うんですね。  そういった議論とかその情報を今度は公正取引委員会が活用する。こういった三位一体——今は二位一体なんですよ。三位一体じゃないとだめだと思うんですよ。そういう監察総監とかの導入、これはやはりいろいろと議論しなくてはいけませんので、ぜひ委員長、この防衛庁問題はまだまだ議論が必要だと思いますので、当委員会でさらに集中審議を行うことを要望しますけれども、ぜひ理事会等で議論していただきたいと思います。
  47. 中村正三郎

    中村委員長 理事会で協議いたします。
  48. 若松謙維

    若松委員 もう時間がありませんので、最後に、これは委員長にお聞きしたいのですけれども、この決算委員会というのはいわゆる与野党ともに行政をチェックする機関ということで、変な言い方ですけれども、野党的な指向というんですかね。一方、今回国会法の改正によりまして、政治家同士の議論、いわゆる議員主導というんですか、こういう状況に大きな環境変化が成りました。ですから、これから与党も野党も含めて、当委員会におきましては、いわゆる議員の議論材料は、会計検査院にいろいろ問題点を提供していただく。  そういうことを考えますと、会計検査院の帰属関係というんですか、これは憲法によりましては、憲法はあくまでも「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。」会計検査院法では、「内閣に対し独立の地位を有する。」これだけですから、でも実質的には行政の一部という感じですので、やはりこういう国会法が改正になった事態におきましては、別に憲法改正の必要はないと思いますよ、私は。会計検査院法の改正だけで、まさに会計検査院の帰属関係というのは、国会、イギリス的な形での対処ができるのじゃないかと思いますけれども、委員長のお考えをもしお聞きできれば、お聞きをさせていただきたい。  さらに、これは重要なイシューですので、理事会等で今後会計検査院のあり方について引き続き議論いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  49. 中村正三郎

    中村委員長 会計検査行政監視ということが極めて重要なことだという先生の御認識、これは与野党の別なく論議をしていかなければいけないという御認識、私も全く同感でありますが、ただいま私は委員長という立場でございますので、先生の御意見を貴重な御意見として伺わさせていただきたいと思います。
  50. 若松謙維

    若松委員 理事会等で引き続き議論していただくことはお約束いただけますか。
  51. 中村正三郎

    中村委員長 理事会でも先生からそういう御発言があったことは協議いたしますけれども、それはこの委員会の中でいろいろ御審議をいただくそのもののことだとも思いますが、理事会でも先生の御提案を協議させていただきます。
  52. 若松謙維

    若松委員 ぜひよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。     〔委員長退席、古賀(正)委員長代理着席〕
  53. 古賀正浩

    ○古賀(正)委員長代理 次に、米津等史君。
  54. 米津等史

    ○米津委員 自由党の米津でございます。  本年の八月三十日、三十一日と、当決算行政監視委員会にて硫黄島と父島を視察いたしました。特に硫黄島では、今なお多くの英霊が安らぎを得ぬまま望郷の念を抱き、祖国への帰還を待ちわびております。祖国防衛の防人として硫黄島で戦い散華された将兵、並びに同島で徴兵され、軍属として戦い命を落とされた方々、すべてが祖国へ帰還し、安らぎを取り戻したときこそ硫黄島に真の平和が訪れるということを再認識いたしました。私どもは、おのれのとうとい命と引きかえに、愛する家族あるいは愛する祖国を守り抜こうとした英霊の方々のことを決して忘れてはいけないと思います。  そこで、五月に続き再度厚生省にお尋ねをいたしますが、硫黄島は、二万人余りの方々の御遺骨の中で、いまだ戦没者の四〇%しか遺骨収集がされておりません。この現状についてどのようにお考えなのか。そしてまた、戦没者の遺骨収集の取り組みについてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
  55. 炭谷茂

    ○炭谷政府参考人 まず先生から御披露されました、本年八月に本委員会の先生方には硫黄島を視察されたとのお話を伺い、心から感謝申し上げる次第でございます。  まず、硫黄島における遺骨収集の現状につきまして、先生がただいま御披露されましたように、昭和二十七年以来延べ四十一回にわたって遺骨収集団を政府において派遣いたしております。ただ、残念なことに現在のところ、戦没者概数は二万一千人いらっしゃるわけでございますけれども、現在まで祖国にお迎えすることのできました御遺骨は八千七十八柱、約四割にとどまっているわけでございます。  硫黄島につきましては、先生御案内のように、特に地下ごうの発掘調査が大変難しいなどの諸般の事情がございまして、すべての御遺骨を収集することは困難な状況にあるわけでございますけれども、戦後既に五十四年が経過し、硫黄島の関係遺族の方々からは、残る御遺骨も早期に収集して祖国にお迎えしてほしいという強い要望を受けております。私どもとしても、一柱でも多く御遺骨を日本にお迎えしたいというふうに努力をしているわけでございます。  具体的にこれまでの私どもの経過を申し上げますと、平成二年から三年におきまして、硫黄島戦没者埋没地下ごうの全島的な調査を行いました。ここで明らかになった、発見された地下ごうについて、すべて平成年度までに遺骨収集を実施いたしました。しかし、残念なことにまだ四割にとどまっておるわけでございますので、さらに平成年度からは、生存者から聞き取り調査また埋没地下ごうの所在の調査を実施し、未発見の埋没ごうの確認に全力を尽くしております。その結果、発見されました地下ごうにつきましては十年度から、これはだらだら続けるよりむしろ短期集中的に行わなければいけないというふうに私ども考えておりまして、十年度からは前年、平成年度などと比較いたしまして大幅に人員等を投入いたしております。  具体的に申しますと、平成年度は実施期間は十七日にとどまっておりますが、平成年度からは五十五日間行いました。そして、御協力いただきました調査団は、平成年度は七十名でございましたけれども、平成年度においては百九名、これは防衛庁の方また民間団体等の御協力も得ましたけれども、百九名。また資材も多く防衛庁から、自衛隊でございますけれども、御協力いただきまして、相当力を入れているわけでございます。  このようなことで、私どもといたしましては、残る御遺骨について、一柱でも多く、できるだけ速やかに日本へお迎えするよう努力をさせていただきたいというふうに考えております。
  56. 米津等史

    ○米津委員 厚生省が努力をなさって、少しずつでも進歩してきたなというふうに私思っておりますが、当委員会で何度も質問をさせていただいておりますように、海外の戦没者の方々については、遺骨収集と慰霊と二本の大きい柱があると思います。  海外戦没者の慰霊碑につきましては、五月二十七日の決算行政監視委員会で厚生省さんに質問をいたしましたけれども、やはりいまだ補修について、維持管理について十分な改善がなされていないというふうに思えます。したがいまして、戦没者の慰霊碑について、今後の維持管理についてどのようにお取り組みになるのかお伺いをしたいと思います。
  57. 炭谷茂

    ○炭谷政府参考人 海外戦没者の慰霊碑につきましては、昭和四十六年の硫黄島の戦没者慰霊碑を初め、昭和四十七年度以降、計画的に海外の慰霊碑の建立に努めております。現在のところ、硫黄島のほかに、海外十三カ所、計十四カ所建立いたしております。  問題は、先生が御指摘されましたその後の維持管理、また必要に応じての補修でございます。維持管理につきましては、建立地の相手国の適切な関係機関、例えば公の機関もございますし、住民の自治的な組織もございます。このようなしっかりした機関と維持管理に関する契約を締結し、維持管理が適切に行われるよう努めております。この費用につきましても、国において負担いたしております。  また、年月の経過によって補修が必要になるという慰霊碑につきましては、必要に応じて適切に補修を行っておりますので、今後とも補修の必要なものについてはできるだけ速やかに補修をしていくという方針でございます。
  58. 米津等史

    ○米津委員 そのように厚生省さんはおっしゃっておりますが、私はまだまだ維持管理あるいは補修について十分な体制ではないと思います。  そのことにつきましては次回に持ち越させていただきますが、特に海外から、また御遺族の方々からも、慰霊友好親善事業についてのお問い合わせが多く寄せられております。この慰霊友好親善事業についてさらに充実を図るべきではないかというふうに考えますが、そのところをお伺いしたいと思います。
  59. 炭谷茂

    ○炭谷政府参考人 慰霊友好親善事業につきましては、平成年度から新設されて実施いたしております。ただいま先生が御披露されましたように、この事業につきましては遺族の方々の参加希望が大変強うございます。また、この慰霊友好親善事業は、戦没犠牲者の遺族という旧戦域の人たちとの共通の立場に立つということで、相手国との理解を深める意味でも大変有効な事業でございます。  そのため、私どもといたしましては、逐次この事業の充実に努めております。平成年度から十年度までの八年間におきましては、フィリピン、マリアナ等の地域において実施し、延べ二千三百九十一名の遺児の御参加をいただいております。しかし、この事業について希望者が大変多うございます。そのため私ども、逐次その参加人数を予算の手当てをいたしまして増加をする、また内容も充実をさせるということで努力をしております。  今年度におきましても、新たに相手国側の犠牲者の慰霊碑、墓地等における追悼式を加えるようなことをいたしております。また、さらに来年度以降も参加人数の大幅な増加というようなところで努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  60. 米津等史

    ○米津委員 いずれにいたしましても、さきの大東亜戦争において国家の礎になられました英霊の方々に対し、速やかに、そして心のこもった対応をぜひ厚生省に要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  61. 古賀正浩

    ○古賀(正)委員長代理 次に、保坂展人君
  62. 保坂展人

    保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  私は、きょうは、大変高い関心を集めている年金の問題、中でも年金の運用にかかわる年金福祉事業団のいわゆるグリーンピアなどの事業について質問をしたいと思います。  さきの日曜日もこの年金福祉事業団の事業に関してのテレビ番組などもあって関心を高めているところですけれども、私は、当委員会において、二月二十四日でしたけれども、公的宿泊施設を検証した際に、同様のグリーンピア運営のあり方について質問をしております。その際にもおいでいただいていますし、きょうも森理事長においでいただいているので、九カ月前になるんですが、お尋ねした点をもう一度ちょっと再質問させていただきたいと思います。  まず、年金福祉事業団の業務委託をされている年金保養協会がございます。この年金保養協会が、私の九カ月前の質問では、平成年度に六千万、七年度に二億四千万、八年度に一億、こういう赤字が出ているんですが、それ以後の赤字、これはどうでしょうか。今大枠をお答えになれるでしょうか。
  63. 森仁美

    ○森参考人 お尋ねでございますが、年金保養協会そのものは、私ども、密接な関係はございますものの、監督官庁ではございませんで、残念ながら今手元にその資料、数字を持ち合わせておりません。
  64. 保坂展人

    保坂委員 それでは、年金保養協会の理事長の給料が八百万、常勤専務理事が二千万ぐらい、こういう報道があったけれども事実かという質問をこの当時しているんですね。これは細かくわからないけれども、かなり切り詰めた運営になっていると森理事長は答えられているんですが、これはわかりますか。
  65. 森仁美

    ○森参考人 先般のお尋ねのときに、七百万円台ではないか、たしか七百六十万ぐらいではないかというお尋ねがあったやに記憶をいたしますが、調べてみましたところ、七百四十万円というのが理事長の実支給額ということでございます。(保坂委員「専務理事は」と呼ぶ)専務理事につきましては千七百万円ということでございまして、いずれも、これは十年度にカットをしておりますので、カット後の十年度の額と御理解いただきたいと存じます。
  66. 保坂展人

    保坂委員 八百万ではなくて七百四十万、二千万ではなくて千七百万というのが相当に切り詰めた運営かどうかは、これからの議論を踏まえて考えていきたいと思います。  では、これは森理事長にまた質問なんですが、年金保養協会に年金福祉事業団が運営を、グリーンピア自体、年金福祉事業団ではなくて年金保養協会が運営を委託されている施設がありますが、例えば、このグリーンピア事業の中で、指定されたのが日本で第一号というグリーンピア三木というところがございますよね。これは大変広大な施設で、甲子園球場が相当入る、三百個だか二百五十ですか、かなり広い施設と聞いております。  ところが、このグリーンピア三木の運営の基本的なあり方なんですが、この協会が全額出資した兵庫年金保養サービス、こういう会社、この会社に運営をまた丸投げしている、こういう実態があるようですが、どうしてこういうことになっているんでしょうか。
  67. 森仁美

    ○森参考人 運営の形態といたしまして、年金保養協会が運営をいたすわけでございますが、現地におきます三木の清掃事業あるいはベッドメーキングの一部といったようなところを行う会社が今お尋ねの会社であると承知しております。
  68. 保坂展人

    保坂委員 ですから、今理事長おっしゃるように、年金福祉事業団の直接のものはここで会計の開示を求めることができる、しかし、その下につくった年金保養協会というのははっきりしないわけですね。資料を要求して幾らかいただいていますけれども、しかし、その下にまたこのような兵庫年金保養サービス、有限会社というようなものがつくられてしまっている。  質問は、これをつくったことで何かメリットがあったのですか、経費の削減があったのですか、それとも、むしろ増加してしまったのですか。どういう効果があって、どういう動機があってこういうものをつくったのですか。
  69. 森仁美

    ○森参考人 いろいろないきさつがあったと承知をしておりますが、その眼目とするところは、効率的に業務を行うというところにあったものと考えております。
  70. 保坂展人

    保坂委員 では、グリーンピア三木について、今森理事長も詳細な資料をお手元に恐らくお持ちじゃないですよね。ですから、ぜひ今後の審議を深めるためにも資料として出していただきたいという趣旨で、ちょっと資料要求をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ゆっくり言います。  今の、兵庫年金保養サービスをつくることで、いかなる収支上のメリットがあったのかなかったのかという資料、これを見ることのできる資料。さらに、グリーンピアはほかの施設もありますよね、同様の会社を設立しているのかどうか。さらに、設立をしていない場合でも、年金保養協会から民間会社に運営の再委託を行っている事例があれば、その一覧をお願いしたい。行っている場合は、その会社名、所在地、あるいは役員の中に厚生省もしくは県庁関係者のOBがいるかどうか、こういうことも明かしていただきたい。そして、今理事長はわからないというふうに言われましたけれども、最後に、年金保養協会設立時から現在までの事業報告書、損益計算書、貸借対照表、財産目録など、これらをなるべく速やかに当委員会に提出していただきたいのですが、いかがでしょうか。     〔古賀(正)委員長代理退席、委員長着席〕
  71. 森仁美

    ○森参考人 ただいまお話しの四点については、検討させて提出をするようにいたします。
  72. 保坂展人

    保坂委員 それでは、細かい数字が必要のない質問でさらに理事長にお尋ねいたしますけれども、二本松や恵那、それから幾つかの施設を運営している財団法人グリーンピアという法人があると思いますけれども、こちらの方と請負契約を結んでいる会社がありますが、たくさんあるようですが、こういう会社はどういう経緯で設立されているのか。つまり、このグリーンピア事業の赤字や経営の実態がそういうことによって見えなくなっているんですが、この点はいかがでしょうか。
  73. 森仁美

    ○森参考人 グリーンピアの経営につきましては、極力効率的に行うということを当初から考えておりまして、事業団が直接に行うよりも、運営は公共団体にお願いをする。公共団体は、さらにそれを効率的に行うために株式会社に委託をして、民間色を取り入れながら事業を進めるという考え方でスタートいたしておりますものでございますから、それぞれのグリーンピアの運営につきましていろいろな知恵、工夫がなされている、その一つがその株式会社というものであろうと思っております。
  74. 保坂展人

    保坂委員 そういうことで、効率的な運営を図るために財団法人グリーンピアは株式会社等と契約を結んでおられるということなんですが、これも理事長に資料の方を要求したいと思うのです。  財団法人グリーンピアと請負契約を結んでいる株式会社との間で交わされている請負契約書がございます。及び各株式会社の営業報告書、損益計算書、貸借対照表、設立のときから現在までのもの。さらに、財団法人グリーンピアもしくは請負契約会社がさらに民間の会社に委託をしている場合があるかと思うのですね、あるとすれば、その会社名や所在地、役員の中に厚生省や県庁関係者のOBがいるかなど。さらに、財団法人グリーンピア、これは岩沼とか南紀など三カ所ですが、運営の一部もしくは全部を民間会社に丸投げしているケースがあるのかどうか。あるとすれば先ほどと同様に、委託をしている会社名、所在地、会社役員の中に厚生省もしくは県庁関係者のOBがいるかなど、こういうことについて資料を出していただきたいのですが、いかがですか。
  75. 森仁美

    ○森参考人 ただいまのお尋ねの中で、創設時からということでございまして、いろいろかなり長いものもございますので、可能なものにつきまして検討させていただきます。
  76. 保坂展人

    保坂委員 それでは、グリーンピア自体が巨額の赤字を抱えているということはもう再三指摘されているとおりなんですが、このグリーンピア関係で一体どれだけ赤字があるのか、その実体額はどうなのか、そしてグリーンピアを廃止していく際にどういう処理計画を持っているのか、この点を最後に理事長にお尋ねします。厚生省でも結構です。
  77. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 お答え申し上げます。  まず、グリーンピアの運営関係の赤字額でございますけれども、これは各基地によりまして収支状況というのは相当異なってまいります。黒字のところもありますし、赤字のところもあるということでございます。ただ、これをトータルで見ますと、平成年度末の累計で二億六千七百万円の赤字ということになっております。  それから、グリーンピアを設置いたします場合には、土地建物といったものは年金福祉事業団が資金運用部から資金を借り受けまして設置したわけでございます。そういった施設整備費関係が約千九百億でございます。千九百二十八億、こういうことになっております。  それから、維持管理費、固定資産税を初めこういったものにつきましても、これは地元の負担とすることなく年金福祉事業団の方で支払っているわけでございまして、こういったものの累計が約百五十五億ということになっております。  それから、グリーンピアにつきましては、これは撤退ということが既に決まっておるわけでございまして、私どもとしましては、グリーンピアの建設からその運営を地元自治体と御相談しながらこれまでやってきたということでございまして、何とか地元自治体でこれを受けて引き続き有効活用していただきたい、こういう考え方で現在地元自治体と御相談をさせていただいております。  こういう非常に厳しい時期でございますし、地方公共団体も財政が非常に悪化している中で、協議は率直に申し上げまして難航しておるわけでございますけれども、来年の三月いっぱいには最終的な御返事をちょうだいしたいということで今御相談をしているところでございます。
  78. 保坂展人

    保坂委員 年金局長、まだ質問があるので、答弁をなるべく短く簡潔にお願いしたいと思うのです。  テレビ番組でも報道していましたけれども、グリーンピア自体が、開設から早いところでは相当たっていて、施設の老朽化も目立つし、また遊休地も何の手入れもなくあるわけですね。今、現時点でもなかなか地方でこれを受けようというところは少ないわけですね。ましてや、十年たってさらに十年、建物が老朽化しいろいろ傷んだものをどこが引き受けるのか、非常に難しい。  では、最終的にどうするのかというところをお聞きしたいのですが、これは年金資金を投入せざるを得ない、こういうことなんですか。
  79. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 最終的にどうなるかということでございますけれども、私どもは、今申し上げたとおり地元自治体で何とか受けていただきたい、それがどうしてもできない、こういうことでありますと、民間を含めて広く売却先を探す、こういうことになるわけです。  したがって、そういう中で、最終的に損失がどうなるのかということにつきましては、現時点で何とも言えないわけでございますけれども、最終的には、損失が生じます場合には、現在年金福祉事業団に出資金という形で国が出資しているわけでございまして、そういう出資金でもって処理をするというのがぎりぎりの最終的な処理の方法でございます。
  80. 保坂展人

    保坂委員 その出資金の財源は何ですか。
  81. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 これは、年金福祉事業団の事業に対しまして年金特別会計から出資しているものでございます。
  82. 保坂展人

    保坂委員 これは本当に重大な事態ですよね。  会計検査院公的宿泊施設についての報告書が出ましたね。この中で、平成四年から八年まで三百十億円もの増改築費が使われているということです。  森理事長にもう一度伺いますけれども、例えば北海道の大沼では平成八年に九十八億かけて増築している。これはどういうことですか。この事業全体の困難性、あるいは転換、あるいはもう撤退ということも出ているわけですけれども、にもかかわらず、かなり最近ですね、こういうことがどうして行われたのでしょう。
  83. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 グリーンピアにつきましては、昭和五十八年の閣議決定で新設は行わないという決定が行われたわけでございまして、その後も五十九年の一月、五十九年の十二月、同じような趣旨の閣議決定が行われております。したがいまして、私どもは、当初の十三基地以外に新たに新設をするということは、この閣議決定に沿ってやっておらないわけでございます。  また、利用者の方に快適に御利用いただく、こういったためにはいろいろな修繕もしなければいけませんし、ボイラー等の取りかえもしなければいけない、そういう中で増改築も必要だということで、この閣議決定に触れない範囲内でいろいろな整備を行ってきたということでございます。
  84. 保坂展人

    保坂委員 そうすると、この大沼の九十八億というのは一部の補修だったということですか。ほんの一部、古い建物があって補修したということで答弁されたと理解してよろしいですか。
  85. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 新設は行わないという閣議決定は絶対守らなければいけません。ただ、端的に言いますと、これはお客さん商売であるわけでして、快適に御利用いただける、あるいは施設が足りないところは少しふやしていくとか、いろいろな形で整備を進めてきたということでございます。
  86. 保坂展人

    保坂委員 時間がもうほとんどないので、一問だけ年金局長に伺います。  もう一つは老人福祉財団、これも報道されましたが、ゆうゆうの里、これは、本当に安心して老後を過ごせる、かなりのお金を持っていって、そこをついの住みかとして、安心されて皆さん、おられる。ここが大変な経営難に陥っているということが伝えられていますよね。例えば、このゆうゆうの里について厚生省はどういう責任を感じているのか。  大量に職員の方が退職されそうだという情報もあります。例えば、年金福祉事業団からの融資の百三十五億円も、これはもう利息も含めて返済不能ということになっている現状、そして、厚生省から天下った吉田理事が経営を全部握っているという状態で、今座礁に近い状態である、これについて責任を感じているのかどうかだけ聞いて終わりたいと思います。
  87. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 責任を感じているのは当然でございます。入居者の方に安心して暮らしていただく、これが最も大事なことでございますし、そのためには、財団の運営を安定させる、これが一番重要なことでございます。そういうことで、財団の再建を目指して、現在いろいろ私どもが必要な範囲内で指導を行っておるということでございます。
  88. 保坂展人

    保坂委員 そうすると、厚生省は、これだけの大規模で、しかも高額の財産を全部処分してそちらに行っている方を裏切らない、そういう約束が年金局長はできますか。
  89. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 もともと財団の経営が非常に困難に陥ったといいますのは、京都に新しい施設をつくったわけでございます。非常に大金をかけて、銀行なり年金福祉事業団から借り入れをしてつくった。ところが、バブル崩壊以降、新規入居者が激減いたしまして、まだ三割弱の入居率にとどまっている。それからまた、新しい施設をつくるということで横浜に土地を購入したり、アメリカに土地を購入した、こういうことがすべて裏目に出ておるわけでございまして、これは財団の権限と責任のもとで行われたわけでございまして、厚生省ができることとできないことというのはおのずからあるわけでございます。私どもができる範囲内で精一杯頑張りたいと思っております。
  90. 保坂展人

    保坂委員 もう終わりますが、委員長にお願いですが、このゆうゆうの里、大変な問題だと思いますので、財務書類などを提出させていただくよう、理事会でぜひ協議いただきたいと思います。
  91. 中村正三郎

    中村委員長 はい、わかりました。
  92. 保坂展人

    保坂委員 終わります。
  93. 中村正三郎

    中村委員長 次に、辻第一君。
  94. 辻第一

    ○辻(第)委員 私は、きょうは建設省と会計検査院に質問をいたします。時間が限られておりますので、はしょった質問になりますが、ひとつ御協力をお願いいたします。  まず、賃貸住宅の退去時の原状回復をめぐるトラブルの問題で質問をいたします。  今、原状回復のトラブルが激増をいたしております。私も、本年二月の十日、この問題で建設委員会で質問をいたしましたが、そういう中で、建設省の住宅局などが、いろいろな判例の動向なども参考にして、原状回復に関するガイドラインを作成されました。まことに時宜を得たものと喜んでいるわけでありますが、そのガイドラインの考え方の中心の一つは、通常の使用による自然的な損耗の原状回復は借り主の負担にするものではない、こういうことではないかと思うわけでございます。  そういう中で、建設省は、このガイドラインをもとに、民間賃貸住宅に対して、続いて公社住宅、あるいは住都公団住宅、今は都市基盤整備公団と言うようでありますが、それぞれ御対応をされたというように認識をしているわけであります。そういう中で、このガイドラインの精神といいましょうか方向が一つの大きな流れになりつつあるというのが私の今の認識でございます。  そこで、建設省にお尋ねをいたします。このガイドラインが発表されてからもう一年数カ月がたつわけでありますが、どのように御対応をされ、どのような成果があらわれているのか。民間住宅、公社住宅、公団住宅、このようにお答えをいただきたいと思います。できるだけ簡潔にお願いをいたします。
  95. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 今、原状回復のガイドラインについて辻委員からお尋ねでございますが、民間の賃貸住宅の賃貸借の契約は、民間の自由の原則というのでやらせておりますが、いろいろあったので、委員が御指摘するような問題になったのだと思います。  しかし、平成十年の三月に原状復帰の費用負担の考え方に対する指針としてガイドラインが出された、このことに関して今お尋ねなので、私たちも思うのですが、民間のやっていることに建設省とか行政が余り立ち入ることは、原則的には非常に難しい問題もあるということは委員も御承知だと思うのですが、これを直していかないと、なかなか問題があるのじゃないかなと思います。  ガイドラインは、取引の実務等を考慮して、自然損耗や通常の使用に伴うところの損耗については貸し主負担にしよう、こういう原則論でつくられておりますが、各都道府県や各業界団体などに配付して、講習会等を通じて普及啓蒙に今努めているところでございます。  都市基盤整備公団においては、退去時に、障子やふすまとか自然損耗に伴うものは当然公団の負担にしましょうよ、これは今徹底してそういうふうに行うようになっておりますし、これに対応しております。  それから、地方住宅供給公社なんかの場合は、地方の習慣や住宅管理の実情なども踏まえて、これらは公社において見直しを具体的にするように今作業はしているわけでございますが、まだまだいろいろむらがあるようでございます。  これに関しては、委員の奈良の方は事業者負担、こういうふうになっているようでございますが、県によってはなかなかそうにもいっていないところもあって、すべて入居者の負担というところが四十七都道府県の中でまだ二十七ございます。それから、一定の条件つきでやっているのが四十七都道府県の中で十一、委員のところの奈良やなんかを含めて、すべて事業者負担にしているのは東京だとか奈良だとか七都道府県でございますので、よろしくお願いします。
  96. 辻第一

    ○辻(第)委員 ガイドラインができて、御努力をいただいて一定の成果が広がりつつある、公団でははっきりそういうことをうたっていただいたということでもございます。こういうことが大きな流れになってきていると思うのです。  そういう中で、公営住宅でございますが、私どもも少し調べてみましたら、これは全国各地でばらばらでございます。ガイドラインの方向でやっていただいているところとそうでないところと、いろいろばらばらなんですが、殊に最近、私どもにいろいろ御相談や御要望があるのは、公営住宅が多くなってまいりました。  例えば、神奈川県の例でございますけれども、二十万とか四十万とか請求をされたというようなお話も聞いているわけです。神奈川県は、これまでは取っておられなかったのを最近取られるようになった、そんなふうにも聞いておるのですが、いろいろ財政の事情なんかでそういうこともあるのかなというふうにも思うのですけれども、いろいろとまだトラブルがございます。  公営住宅と申しますと低い所得の方が多いし、最近は高齢化が進んでいるのではないかというふうに思うのですが、そういう方に二十万とか四十万とかいうことは、もうそれは我々の想像を絶する御心配、御苦労なことだと思うのですね。ですから公営住宅全般について、それから、所得が上がって強制的に退去をさせられるというのですか、そういう方もおられるようでありますが、公営住宅も全般にこのガイドラインの精神に基づいて、自然的な損耗については借り手の負担にさせない、こういう方向で、地方分権とかいろいろ御苦労な問題があるようでありますけれども、やり方はいろいろあると思うのですね。  今のガイドラインの問題を周知していただくとか、今のこういう流れもいろいろ周知をしていただく、その他いろいろな方法で、指導というとちょっとぐあいが悪いのですが、誘導とかあるいは指導というようなことで、ぜひ公営住宅の居住者のこの問題でのトラブルをなくする、負担をなくする、心配をなくする、そういうことをぜひ御努力いただきたい、この点で御答弁をいただきたいと思います。
  97. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 委員のおっしゃられること、よくわかるのですが、地方公共団体でも、自然損耗部分とかは入居者の負担にしているところと事業者負担にしているところとまちまちでございますので、その上でトラブルが起きていると思うのですが、建設省としては、そのガイドラインに沿ってぜひひとつそういうトラブルをなくしましょうということで今やっておりますので、ひとつ、よくまた委員の気持ちに沿えるように、各公共団体というか、事業主になっているところにお話しするようにしたいと思います。国の方がやっているところは率先してやっておりますということをここで御報告させてもらいます。  それから、低所得者の人に向かっては、極めて手厚くしようということで、そういう方針でやっているところが非常に多いと思いますので、よろしくお願いいたします。
  98. 辻第一

    ○辻(第)委員 ガイドラインができて、御努力をいただいてかなり前進をしている、そういう状況の中で、公営住宅は取り残されるというようなことがないように、ぜひぜひ、御苦労があろうと思いますが、十二分に対応していただきたい、重ねて要望して次に移りたいと思います。  次に、建設省の国道工事事務所の事業執行体制の問題に関して質問をいたします。これは建設省と会計検査院にお尋ねをいたします。  私は、この十月二十日に京都の国道工事事務所で調査をし、勉強をさせていただきました。今、大型公共事業優先の情勢の中で仕事がどんどんふえております。当初予算、時間がありませんので私がお聞きをしたので申し上げますと、京都国道工事事務所では、九五年では二百三十億、九九年では四百三十億、大幅にふえております。これに補正とかいろいろあるのですけれども、基本的に当初予算ではこういう状況でございます。  職員数は、長年、国の定員削減、私はこの問題で何度も質問してきたのですけれども、定員削減も、起こってもう三十年ほどになるのですか、約一万人ぐらい定員削減されているんじゃないでしょうか、僕の、ちょっと正確でないかもわかりませんけれども、そういう状況。そして最近では、京都国道工事事務所では、大体現状維持というのですか、今は百十三名ということでございます。仕事が予算量でいえば倍になっておるのに、仕事の中身ではそう比例するかどうかわかりませんけれども、一般的には比例すると思うのですが、人員はふえていないという状況ですね。  そういう中で、この人員の不足というのを、多数の業務委託の方あるいはアルバイト、こういう方で補って、大変な量の仕事をやっていただいているということであります。職員の方も、業務委託の方も、アルバイトの方も一生懸命仕事をやっていただいているのですが、現状いろいろ見たり聞いたりしますと、本当に大変な仕事だな、状態だなというふうに、私はこの間行って一層感じてまいりました。  そこでお尋ねをいたしますが、近畿地建管内の工事事務所、いろいろありますが、その総職員数と業務委託の人数、まとめてお答えをいただきたいと思います。
  99. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 近畿地方建設局の職員数及び業務委託者数は、九五年度平成年度は、職員数が二千四百八十一人、業務委託者数は千四百四十人、九八年度平成年度は、職員数が二千四百十七人、業務委託者数は千四百七人。  京都国道事務所の予算額は、当初の予算で、九五年度平成年度は二百二十六億円、九九年度平成十一年度が四百三十四億円になっております。
  100. 辻第一

    ○辻(第)委員 やはり相当数の業務委託の方が近畿地建管内の工事事務所でお仕事をしていただいているということでございます。  先ほども申しましたように、仕事がどんどんふえる、人員はその割にふえていない、そして委託とかアルバイトでカバーしておられる、そういうことでありますが、職員の皆さん方の労働条件というのは本当に厳しいですね。これは何年言うても変わらぬのですが、私は何回も言うておるのですが、この間調査に行かせていただいた京都の国道工事事務所では、お一人の月の平均の残業が三十四時間だったと思います。多い人は月に百時間。さらにそういう多い人は年間に千二百時間を超える人がある。私も昔は医者をしておりましたので、これは……。  それから、いろいろストレスのたまる仕事ですね、この仕事は。今、世の中にストレスのない仕事なんてありやしませんけれども、建設省の仕事も御苦労いただいておると思うのですが。そして、こういうふうな労働条件あるいは長時間の通勤なんかを考えてみますと、これは本当に真剣に考えていただかなくてはならない。まともな家庭生活なんかできるのかというふうにも思うわけであります。  そういうことを指摘いたしまして、時間がありませんので、こういう問題も十分御対応いただきたいというふうに思うわけでありますが、次の問題に具体的に入っていきたいと思います。  このような中で、多数の業務委託の人が加わってお仕事をしていただいているのですが、いろいろな矛盾があるのですね。何ぼ建設省に言うても、大したことありませんと言うていつも答弁が返ってくるんですけれども、現実にやはりいろいろな矛盾が噴き出ていると私は言ってもいいと思うのですね。  業務委託の人、一生懸命仕事していただいているのですが、業務の補助を超えて、職員の行うべき本来の業務である積算などにもかかわっておられる。こういうことになりますと、守秘義務の問題、あるいはそういうことが不正につながるのではないか、そういう温床になるのではないか、こういうことが懸念をされるわけです。それから、官と民、立場は違いますね、そういう中でいろいろな問題がある、こういうことがあります。いろいろほかにもあるのですが、割愛をいたします。  そして、今の財政危機の中で国民の税金の使われ方が鋭く問われていますね。こういうときに、むだや浪費がないのか、不正がないのか、問われているのですが、業務委託の方は、近畿地建では、コンサルタント会社というのですか、それから建設協会というようないわゆる法人ですね、こういうところから派遣されておられるわけです。派遣法には適用されないということですが、現実は派遣をされた労働者ということだと思うのです。  先ほども申しましたように、職員の皆さんと机を並べて仕事をされる。積算のことにも携わっておられるという方もありますね。あるいは現場では、現場の監督というのでしょうか、パトロールをされたり、地元の住民と接触をされたり、あるいは道路の不法占用のことに対して指導をされたり、いろいろお仕事をしていただいているのですね。そういうお仕事で御努力いただいているのですが、費用の問題ですね。  例えば、これは建設省からも資料をいただいたのですが、技術のC、こういう業務委託の方の契約額及びその単価の内訳というのをいただきました。これは平成年度です。直接人件費は八百九万です。業務打ち合わせが十四万二千五百円、こういうことで、八百二十三万二千七百八十円、これが直接経費。それから、間接的な諸経費・技術経費というのがあるのです。これが何と千五十三万七千二百二十円ということですね。そして業務価格は、それらを合わせますと千八百七十七万、それに消費税相当額が九十三万八千五百円、合わせて千九百七十万八千五百円、こうなっているのです。  これは、業務Cという方はレベルの高い方の方で、千七百万とかいう方もあるようでございますが、それにしても、直接人件費が八百九万で、こういう諸経費・技術経費が千五十三万なんというのは、どんなに考えてみても、これは私は納得できないのです。  上田耕一郎さんが四年ほど前に質問された議事録を私も見ました。あれではまともな答弁でなかったと思うのですけれども、当時の大臣も、いろいろ検討してまいりますと言って、そういうことで終わったのですが、どうもその後、検討されたのでしょうけれども、何も変化がないということです。  これは、わかりやすく言ったら、直接経費が八百二十三万で、間接経費が千五十三万なんというのは、技術者が体一つで来て、ほとんどそこでお仕事をされる。自動車をちょっと使われても、それの費用のある方もあるようでありますが、そんなもの知れていますね。こんなことがこの時代にいつまででも許されていいのか。  加藤政務次官は、経済問題では権威を持っておられて、企業の経営にも非常に練達をされていると思うのですが、こんなことで今民間の企業は一体成り立ちますか。私は、本当にこの問題を真剣に解決をしていただきたい、このように思うわけであります。  まず、この問題について建設省からお答えをいただきたいと思います。
  101. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 辻委員のおっしゃることはよくわかりますが、私たちも、こういうふうに公共事業を一生懸命やっていかなきゃならないときに、建設省の人件費を削って本当にプラスがあるのかなという考え方は委員と同じ考え方でございますが、行革という枠の中で、やむを得ず人員を減らしている、その中で、どうしても公共投資だけはわっと来ると業務委託がふえるんじゃないのかな、こう思うのです。  業務委託の経費は、業務を行うに当たって直接必要な人件費でございますが、直接業務費と諸経費や技術経費から成る経費でこの業務委託費というのは構成されております。  経費のうち諸経費は、企業活動を営むために必要な建物の費用、資産の減価償却費、間接部門の費用、福利厚生費、役員の報酬、通信交通費、水道光熱費、租税公課などによって構成されております。  技術経費というのは、技術者の教育訓練など平素から技術能力の向上に要する費用でございまして、これらの計算に必要な単価及び経費は、給与等の全国の実態調査の結果を基準にしてつくっておるので、これは民間でもそうなんですが、一人人を頼むとその何倍か費用がかかりますよというように言われるわけでございますので、委員のおっしゃっているとおり、合理化は当然進めて、そういう経費を節減してもらいながらやっていくことは当然大事だと思いますが、技術者の単価は、法令によっていろいろな規定のある人を使わないと、先ほど委員がおっしゃっているように、秘密が外に漏れるような人には頼めないということで、それなりのところから頼まなきゃならない、こういうことでございますので、御理解いただきたいと思います。
  102. 白石博之

    ○白石会計検査院当局者 お答え申し上げます。  御指摘の業務委託経費についてでございますが、これは建設省が定めました積算基準に基づいて算定をされているというものでございます。  先生の御指摘にもございましたように、委託費ということでございますので、委託をいたします相手方の法人等の間接経費を見込む必要があるという問題もございますし、これも先生の御指摘もございましたように、やります職種が、工事監督でございますとか積算業務といった技術的、専門的知識を要するものということでもございます。  したがいまして、直接人件費のほかに、諸経費あるいは技術経費を含んだものとなっているということでございまして、金額の水準のみをもって一概には高い低いを論ずるということはなかなか難しいのかなという感じを持っているところでございます。  なお、今後の検査におきまして、さらに業務委託費につきましては注意を払って検査をしてまいりたいというふうに考えております。
  103. 辻第一

    ○辻(第)委員 大体時間が来たようですが、少しはというお話がありましたので。  京都国道工事事務所の職員の平均の年間所得というのは七百五十万なんですよ。それに対して、一人業務委託で来ていただいたら、こういう技術の高い人は二千万とかあるいは千七百万とかいうのは、これは一般国民が納得しやしませんよ。加藤政務次官も心の中ではほんまにそうやなと思っていらっしゃるんだと思うんだけれども、そんなことは言えへんやろうけれども。そういうようなのが実態だと思うのですね。  僕は、こんなのには会計検査院もしっかり対応していただきたい、国民の期待にこたえていただきたい、強く要望いたします。  申しわけないのですが、もう少し。  私ども日本共産党は、今我が国は、国と地方を合わせて、公共事業五十兆、社会保障費を二十兆、欧米諸国と逆転をしていることに対し、大型プロジェクト、ゼネコン型の公共事業を大幅に削減することを要求し、公共事業は国民生活密着型に転換をする、住宅、生活道路、下水道、防災、そして教育や福祉の施設などに転換することを求めてきました。そのことは、中小企業や業者に仕事がふえ、雇用もふえ、不況打開にもなると考えています。  ところが、このような政府の大型プロジェクト中心の公共事業の大幅な増加から、建設行政、国道工事事務所など、矛盾が噴き出していると言って私は言い過ぎでないと思うわけでございます。  執行体制に無理がある膨大な公共事業を削減し、まともな、責任の持てる業務体制を確立していただきたい、そして、この業務委託の過大な負担という問題にもメスを入れていただきたい、このことを重ねて強く求めて質問を終わります。ありがとうございました。
  104. 中村正三郎

    中村委員長 次に、石井紘基君。
  105. 石井紘基

    石井(紘)委員 私たち民主党では、おととい実は、政治と行政の不正を監視する議員の会、通称国会Gメンというのを打ち上げました。  その趣旨は、聞いていただきたいのですが、今日のように、とにかく行政と政治の権力が経済、社会に直接乗り込んでいって、補助金やら財政投融資の資金やらあるいは特別会計やらという財政の仕組みの中で、国民の税金をざぶざぶつぎ込んで、しかもその流れが極めて不透明である。多くの場合には、政治団体やらあるいは天下り団体やらに流れておる。こういうふうに国民の貴重な税金が筒抜けでは、このままではこの国は到底もたないぞ、これは何とかしなくちゃいけない、ここは政治家が意を決して、こうしたさまざまな不正や疑惑、あるいは国民の感覚を離れた政治、行政に対して根本的なメスを入れていかなきゃいけない、そういう立場から打ち上げたわけでありますが、私もそのメンバーの一人として、民主党を代表して質問をさせていただきます。  まず最初に、前国会から私が何度か各委員会で取り上げてきた問題でありますが、いわゆる特殊法人の電源開発というのがございます。  この電源開発がいろいろな発電所建設の事業をやっておるわけですが、そのうちの一つに新潟県の湯之谷村というのがあります。何しろその村は、私も行ってみましたけれども、大変風光明媚な、そして自然の豊かな、イヌワシだとかクマタカだとかさまざまな貴重な、絶滅危惧がなされておる猛禽類等がすんでおるすばらしいところですね。そこに揚水発電所というものをつくる、上にも下にもというようなことで、現地の住民の心ある皆さん方はこれを大変危惧しておる、そういうことでありますが、そこで反対運動が強いわけですね。  それに対して電源開発というのはどういうことをやるかといいますと、さあ湯之谷村の必要なものをみんな言ってください、何もそのダムをつくるための経費だけじゃなくて、村として何か村民交流センターをつくりたいのですか、どうぞお金上げます、あるいはケーブルカーをつくりたいのですか、どうぞお金上げますというので、もう毎年何度かにわたって、長年の間、いわば援助交際みたいに、それは住民の自然と心を買うわけですから、そういう形でお金をつぎ込んできているわけですね。  それに対して、私は、これは余りにもひどいんじゃないかというので取り上げてきたわけでありますけれども、きょうは、その具体的な資料を、もう既に申し上げてありますので詳しくは申し上げませんが、そのときに会計検査院に、これは国の金が直接間接に流れていることであるのでぜひ検査をしてもらいたい、こういう要望をいたしまして、検査院の方でも、検査をいたしましょうということでありました。  そこで、会計検査院にまず最初に伺いたいのですが、その検査状況はどのようになっておるのでしょうか。     〔委員長退席、古賀(正)委員長代理着席〕
  106. 杉浦力

    杉浦検査官 御説明申し上げます。  先生お申し越しのように、七月にお話を伺いました。そして、私どもの疋田院長が、一生懸命検査に入りますと申し上げたわけであります。その後、私どもといたしましては、電源開発株式会社に参りまして、その間の事情を聴取いたしました。そして、資源エネルギー庁にも参りましていろいろな事情を聴取いたしたところでございます。  まだ、当局といたしましては、引き続き詳細なものも調べたいと思っておりますし、またさらに、そのときの補償の対象になりました側の方の実態とか、あるいは具体的なプロジェクトにつきましても調べて、細かい点まで詰めさせていただきたいと思っております。  さらに、このほかにも、同じような類似の例があると思われますので、そういったものも含めて、電源開発側が申しておられます公共事業関連の補償の関連として適切な事例であるかどうかということも含め検討してまいりたいと思っております。
  107. 石井紘基

    石井(紘)委員 そういたしますと、現地へも近々乗り込んで検査を行う、そういうことでございますか。
  108. 杉浦力

    杉浦検査官 近々という、いつということはすぐ申し上げられませんが、現地は雪の深いところもございますし、時期が大変まずい時期になるかもわかりませんが、可能な限りのチャンスをつかまえまして調べてみたいということは申し上げられると思います。
  109. 石井紘基

    石井(紘)委員 ありがとうございました。  通産省の方は、前のときの答弁が、どうも数字とか団体名がはっきりしなかったのでもう一度言ってもらいたいのですが、その電源開発のお金というのは、何村と何村と何村に幾らこれまでに出されて、また、漁業補償なんかは、何漁協と何漁協と何漁協に幾らずつ出されておるのか、それを述べてください。
  110. 河野博文

    ○河野政府参考人 お答え申し上げます。  電源開発が平成年度までに行いました補償費の支出でございますが、合計十・二億円でございますが、このうち、湯之谷村に対しまして、公共補償として七・七億円を支出いたしております。この内訳といたしましては、公共施設整備に対するものが七・二億円、それから行政経費の増加負担分ということで〇・六億円でございます。合計が七・八になるわけでありますけれども、四捨五入の関係で七・七億円が合計というふうに申し上げさせていただきます。  それから、漁業補償といたしましては、檜枝岐村漁協、伊北漁協、それから魚沼漁協、この三漁協に対しまして合計約一億円を支払っておりまして、その他調査工事用の用地の原状回復費用で一・四億円を支出しております。  前回の御質疑のときに、参考人の方からの答弁で四億円というふうに申し上げたことがあろうかと思いますけれども、これは、公共施設整備に対する先ほどの七・二億円のうち、平成年度までに支出されました分をまず申し上げたために四億円という数字がどうも出たようでございますけれども、トータルは、先ほど申し上げましたように七・二億円でございます。  それから、湯之谷揚水発電所建設関係では、湯之谷村に対しまして、公共補償として平成年度までに〇・八億円、さらに一般補償費、これは地形調査に伴う立ち木伐採補償などでございますけれども、〇・九億円を支出いたしております。
  111. 石井紘基

    石井(紘)委員 漁協の名前は言われましたけれども、各漁協に対するそれぞれの金額というのは言えないのでしょうか。
  112. 河野博文

    ○河野政府参考人 これは、電源開発が三漁協とのいわば私契約で契約を結びまして対処いたしましたものでございますので、個々の漁協の数字の公表は控えさせていただきたいと存じます。
  113. 石井紘基

    石井(紘)委員 不明の点がまだ多々ありますので、引き続きまた取り上げていくことにして、きょうは、この問題はこれで終わりたいと思います。  東海村の例の原子燃料の加工に関連する事故の問題でありますが、高速増殖炉というものは、今、「もんじゅ」が動かなくなったという中で、こうした事業というものが一体必要なのかどうなのかという問題があるわけですね。それにもかかわらず、「常陽」という非常に古いものを使って実験炉を続けておる。こういう古いものであっても、これまでのいろいろな、それにまつわる人間もいたり、システムもあったり、あるいは利権等々もあるものだから、そういう体制を維持する、そういう要素がどうも私は強いのじゃないかと感じているわけです。こういう、目的がはっきりしない事業というものを盛んにやっておるわけですね。私は、これは原因、理由のあることだと思います。  一つの大きな理由は癒着ですね。政官業の癒着。この事故の原因も、ここに私は大きな問題がある。なれ合い、癒着というふうに思いまして、そのことをこれからるる証明してまいりたいと思います。  ただ、その前に、あの事故からプルトニウムというものは絶対に出なかったのかどうか、それをお答えいただきたいのですね。あそこで事故後の処理に当たっておった警察官を見ておりましたら、防毒マスクのようなものをしているのですが、これは、プルトニウムが出ていなければ、こんなものはする必要がないものなのじゃないかと、私も素人でありますが、そう思うのでありますが、絶対にプルトニウムは出ていなかったのかということを、ちょっと長官、御答弁をお願いします。
  114. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 東海村の事故によりましてプルトニウムが出ているかという御質問でございますけれども、放射性物質としては、沃素やガンマ、中性子等は出ておりますが、プルトニウムは出ておらないと承知しております。
  115. 石井紘基

    石井(紘)委員 それが本当でしたら、それはもうそれだけ現地の皆さんも安心度が増すといいますか、心配が減るということもあるかと思います。本当でしたら結構だと思うのですが。  それから、このウラン235というのは、プルトニウムと合わせるとこれは原爆等の爆弾になりますよね。こういうものは、アメリカなんかでは軍事施設でしか使われていないのですね。そうした軍事施設というものは、少なくとも半径二十キロぐらいには民家は一つもないというところでしかやられていないのですよ。  アメリカでも、こういう同じような事故が、ナショナル・ニュークリア・サイトというようなところでも起こっているわけですね、かつて。少なくとも、これほどの人口密集地にそうした施設を置くこと自体、これを許可、認可すること自体が大変重大な責任問題だと私は思いますけれども、その点はどうですか。
  116. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 御質問の点につきましては、原子炉等規制法等によりまして、きちっとした管理のもと、規制のもと、そのような事業所を設置しておるわけでございます。
  117. 石井紘基

    石井(紘)委員 規制法のもとにきちっとした審査をして許可、認可をしたというのですか。  それでは申し上げますけれども、いいですか、昭和四十七年の三月に、住友金属鉱山株式会社が核燃料物質の使用許可という許可をとったわけですね。さらに昭和五十四年には、今のは物質の使用許可です、今度は転換試験棟、この施設の新設許可をとったわけです。許可するのは科学技術庁。総理大臣なんですが、これは総理大臣に委任をされて科学技術庁長官ということになっておるわけですね。  この許可をとったときは、ウランの濃縮度は一二%までということになっていたわけですよ。一二%まで、この施設で扱うウランは。それが、そのままの施設で、そのままの施設条件で、今度は五十五年以降になりますと、住友金属鉱山がその許可を得て仕事、事業をやり始めた。それを今度はそのまま、自分のところで子会社をつくって、わけのわからないと言っては失礼ですけれども、実際そうですよね、結果から見ればわけのわからない会社でしょう、そういう子会社をつくって、そこにそのまま、核物質の使用と施設の所有、管理運営というものを全部そっちへ任せちゃったわけですよ。科学技術庁は、住友鉱山に対して許可を与えた。  住友鉱山というのは大きな会社ですから、一定の社会的な責任も認めることができる。しかし、忽然と、突然そういう子会社をつくって、そっちの方へ全部任せてしまった。もちろんその子会社でもそういうものを扱うわけですから、そういう許可をとりますよね。ところが、もう既にある許可ですからそのまま、むしろほとんど審査もなしにでしょう、自動的にそっちのわけのわからない子会社の方に行ってしまう、こういうことにも一々許可を与えてきたのです。そして、五十九年になると、これは濃縮度二〇%までということにして、これにも安易に許可を与えてきた。  こういう経過があって、今中曽根大臣が言われたように、規制のもとにきちんとした管理、許可をやってきたということが言えるんでしょうか。
  118. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 委員おっしゃいますように、住友金属鉱山のこの施設は、昭和五十五年に核燃料コンバージョンという名前の子会社に譲渡されております。そのときに新たな申請がございまして、行政といたしましては、きちっとした審査を行い、新たな許可を行っております。  さらに、今御指摘の二〇%にしたときも申請がありまして、こちらもきちっと審査をしております。
  119. 石井紘基

    石井(紘)委員 そういうのは、決してきちっとしたものじゃないと私は思います。いいですか、これは癒着からきているんですよ、癒着から。これから幾つか伺いますけれども、原子力の安全管理というものと開発促進というものとが混然一体となっている、その区別がない、この行政のやり方は。  ちょっときょうはいろいろ参考人にもおいでいただいておりますので、まず、特殊法人、私が最初に調べてありますので申し上げましょう。  科学技術庁関係の特殊法人及び公益法人、これは全部科学技術庁から補助金がいっている団体、これが、きょう私が挙げる団体は四つです。それから、通産省関係も同じく七つ。  科学技術庁関係から言いますと、核燃料サイクル開発機構、これは特殊法人ですね。これは、住友金属鉱山に対して随意契約の細かな事業を過去五年間で八億八千万円余発注しております。この核燃料サイクル開発機構というのは、人間がたしか二千何百人かおりまして、そういう大きな世帯でありながら住友金属鉱山を初め多くの民間企業に、そういうように年間何千万というような単位の細かな事業、研究調査だとか、簡単なものですよ、ここにもありますけれども、こんなものが何百万円もするかというようなものをあちこちにごまんと発注している。  それから、財団法人核物質管理センター、これは過去三年間で四億三千二百万円、原子力施設デコミッショニング研究協会、これも過去三年間で九千六百万円、日本原子力研究所、特殊法人、これは過去五年間で千八百四十万円。全部言っちゃいましょう。  通産省関係は、金属鉱業事業団、特殊法人、これは五年間で五億七千六百万円、新金属協会、五年間で二億四千六百万円、産業創造研究所、財団法人、五年で二億四千六百万円、それから、原子力環境整備センター、財団法人、一億三千九百十八万円、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDO、これが五年間で二千四百三十八万円、資源・環境観測解析センター、これが同じく一億五千八百二十一万円、トータルすると、これは何十億円という事業を発注してきている。  それからまた、極めて低利子の融資だとか助成金、こういうものを払っておる。これは、金属鉱業事業団から、融資残高で三十五億四千七百万円、利息は平均しても二%いくかいかないかということですね。それから、助成金が過去二カ年で八千六百万円、それから、資源・環境観測解析センターからの助成金が一年で七千八百万円、こういうような便宜を与えておる。  一方、今度は住友金属鉱山から、住友金属鉱山というのは、さっきも言いましたように、この問題の相手側の最大の責任者です。一方の責任者はもちろん科学技術庁ですよ。その住友金属鉱山からの出向をこれらの団体が受け入れておるというのは、サイクル開発機構が五年間で七名、これ、一々もう一回名称を言うのも時間がかかりますから、七名、一名、七名、二名、一名、それから理事もまた、一名、三名、三名というふうに、トータルしますと、このほかの政府系の団体もありますから、住友金属鉱山だけで五年間で三十人ぐらいの出向者をこれらの政府系の団体に派遣して受け入れておるということですね。  これは住友金属鉱山に限らないわけです。こういう関連の、原子力関係の仕事をやらせているところ、請け負わせているところから、例えば核燃料サイクル機構は全部で二百八十三名もの出向者を各企業、業界団体から入れている。あるいは、日本原子力研究所は三百二十一名のそういう出向者を入れておるというようなぐあいであります。  それからまた、今度は住友金属鉱山に出資金を出しなさいといって出資金を出させた団体、これは、日本原子力研究所、七百五十万円の出資金を出させておる。あるいは、通産省関係の産業創造研究所、これは産業創造研究所以外にも二つの団体があるようでありますが、年間六百十二万円の、これは会費という形で徴収しておる、あるいは、寄附という形で千三百万円を徴収しておる。これは産業創造研究所ですね。  それからまた、住友金属鉱山は、こうした役所関係とは別に政治家に対しても政治献金を二十名余りの方々にしておる。これは住友金属鉱山に私は一昨日行って聞いてまいりました。これは、いわゆるそういうことに関係のある議員さんがこのうちの大半であります。  こういうふうな実態を、科学技術庁長官もこれほど詳しくは御存じなかったのだろうと思いますが、しかし、企業、業界側と政府側と、こういうぐあいに混然一体となってやっておる、これでもって原子力の開発と安全規制というようなものが図れると思うのかどうなのか、ちょっと科学技術庁長官、答弁してください。  それでは先に、日本原子力研究所、あなたのところは、副理事長は科学技術庁から行った方ですね。それから、理事八名のうち三名はやはり科学技術庁、大蔵省、運輸省のOBです。監事二名のうちの二名ともこれは科学技術庁と大蔵省のOBです。私が先ほど申し上げた数字は間違っておりませんか、どうですか。
  120. 松浦祥次郎

    ○松浦参考人 お答えいたします。  先生御指摘のように、現在のところ、民間企業から原研への出向者は三百二十一名でございます。
  121. 石井紘基

    石井(紘)委員 それから、核燃料サイクル開発機構は、理事のうち一名が科学技術庁のOB、監事一名がやはり科学技術庁のOBですが、先ほど私が申し上げた数字はいかがですか。
  122. 都甲泰正

    ○都甲参考人 お答えいたします。  今御指摘いただいた理事はそのとおりでございます。それから、出向者二百八十何名、これもそのとおりでございます。
  123. 石井紘基

    石井(紘)委員 原研もそうですけれども、先ほど私が申し上げた数字はどうかと聞いているのに、出向者はそのとおりですと、私はそれだけ言っているんじゃないですよ。住友金属鉱山との関係における数字も言っているわけでしょう。二人とももう一回答弁をやり直してください。
  124. 松浦祥次郎

    ○松浦参考人 住友金属鉱山への、先生は過去五年間とおっしゃいましたが、私、申しわけございませんが、五年間の数字は持っておりませんが、しかし、平成年度の契約は二件でございまして、合計が五百四十万七千五百円でございます。  なお、住友金属鉱山とはこれとほぼ同様の仕事を四年ほど前にやっておりますので、先生御指摘の数字のとおりだと考えます。
  125. 都甲泰正

    ○都甲参考人 お答えいたします。  住友金属鉱山からの出向者でございますが、過去五年間、毎年度一ないし二人来ておりまして、合計して七人でございます。
  126. 石井紘基

    石井(紘)委員 金属鉱業事業団は、常勤理事四名中四名とも天下りで、通産省が二名、外務省が一名、大蔵省が一名、顧問二名中一名が通産省からの天下りということでありますが、これは、先ほど私が申し上げた住金鉱との関係も含めて、いかがですか。
  127. 田代直弘

    ○田代参考人 総数におきましては、民間全体からの出向者の受け入れは現在二十名でございます。その二十名の中に住友金属鉱山の関係者一名を含んでおります。  以上でございます。
  128. 石井紘基

    石井(紘)委員 ちょっと話はそれますけれども、こうした特殊法人に今出てもらいましたのでついでにと言っちゃなんですが、宇宙開発事業団、これは原子力と関係ありませんが、またロケット失敗しましたね。その都度、私はこれはむだ遣いかどうかということは、はっきりむだ遣いとは言いませんけれども、しかし、大体税金のむだ遣いというのは私はダムや何かつくって川に流されるものだと思ったら空にも流されるんですね。  宇宙開発事業団は、関連団体との人的な交流関係、そうしたものもまた相当お持ちだと思うんですね。企業との間の出向とか天下りとか、そういう関係も相当お持ちだと思いますが、そのあたりいかがでしょうか。
  129. 石井敏弘

    石井参考人 先生御指摘のように、去る十一月の十五日にHIIロケット八号機をもちまして運輸多目的衛星を打ち上げましたが、この失敗ということになりまして、まことに国民の信頼にこたえられなかったということで私ども大変重く受けとめ、現在原因究明に徹底的に当たっておるところでございます。  御質問の、民間からの出向者ということにつきましては、私ども今現在二百三十九名の出向を受け入れておるということでございます。
  130. 石井紘基

    石井(紘)委員 二百三十九名とおっしゃいました。民間の会社、これがざっと数えても六十社前後ぐらい、随分たくさんあるんですよね。これもまた、出向もあれば受け入れもあるんですね。そういう中でどうも安易な関係というものがありはしないかなという疑問を抱くわけでありますので、この点は指摘だけさせていただきたい。  やはり莫大な、何百億円というのを一機打ち上げるたびに飛ばしちゃうわけですから、これはやはりそう簡単なことじゃないので、ひとつそのあたりも十分に今後念頭に置いて改革を進めてもらいたい、こういうふうに思うんです。  それで、またもとへ戻ります。  そこで、私は今、東海村の事故、原子力の問題に関して取り上げてきているわけですが、この政官業の癒着ということが大体大きくおわかりいただけてきているんじゃないかと思うんですが、もう一つ申し上げますと、さっき私が住友鉱山等との関係指摘いたしました財団法人核物質管理センターというものの所管は科学技術庁ですよね。これは科学技術庁のどこの局の所管になりますか。
  131. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 原子力局でございます。
  132. 石井紘基

    石井(紘)委員 科学技術庁には原子力局というのと原子力安全局というのが原子力関係ではあるわけですね。原子力安全局というのは、どちらかというと安全についての規制を主として担当していくということになっているのじゃないでしょうか。原子力局というのは、これはいわば原子力の開発というものに主として携わっていく、そういうことでよろしいのですか。
  133. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 そのとおりでございます。
  134. 石井紘基

    石井(絋)委員 そうすると、この核物質管理センターというのが、今の長官の答弁のように原子力局の方に属しておるということになりますと、これはいわば推進側の方であります。  この核物質管理センターの役員構成を見てみますと、この理事長は都甲泰正さんというのですか、読み方はそれで正しいかどうかわかりませんが、原子力安全委員会の元委員長なんですね。原子力安全委員会というのは、まさに原子力の安全についてを担当して、そして規制を心がけていく機関なんでしょう。先ほど来申し上げております住友金属鉱山やジェー・シー・オーに対する安易な認可とか許可、こういうものも科学技術庁長官が認可、許可をするのだけれども、しかし、原子力安全委員会に諮問をしたりなんかするわけでしょう。その原子力安全委員会というものは、この名簿を見てみると、原子力を推進するいろいろな企業だとかというところからもメンバーが大勢入っておる。  それからまた、どうですか、今申し上げた原子力安全委員会の委員長が、原子力を推進する中心的な団体の理事長を務めているということ、このことを見ると、あなた方はまさに、原子力について、安全と規制と推進というようなものをごっちゃにしているのじゃないですか。どうですか。
  135. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 核物質管理センターの会長は下邨氏でありまして、安全委員長はこのポストに今ついておりません。
  136. 石井紘基

    石井(絋)委員 私はそんなことを言っているのじゃないのです。元安全委員長だった人が理事長をやっているのじゃないですかと言っているのですよ。
  137. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 今ちょっと私、手持ちで役員の資料がありませんので、調べて御報告させていただきます。
  138. 石井紘基

    石井(紘)委員 その事実はわからないのですか。これは科学技術庁からもらったものですから、見てください。書いてありますよ。  ちょっと委員長、時間とめてくれます。
  139. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 今ちょっと調べておりますので、調べ次第御報告します。——会長は、先ほど申し上げましたように下邨氏でありまして、理事長は空席でございます。
  140. 石井紘基

    石井(紘)委員 いや、原子力安全委員会の委員長のことを言っているのではないのですよ。  余り時間をとらせないようにしてもらいたいのですが、核物質管理センターというのは、科学技術庁の補助金が平成年度で十七億三千二百十万円出ておる、そして会長や専務理事は科学技術庁のOBがやっておる、そういう財団法人、公益法人ですよ。それで、住友金属鉱山には三年間で四億三千二百万円を出しておる、こういう団体ですよ。この理事長は、都甲さんという原子力安全委員会の元委員長をやっていた人ではないのですかと言っているのですが、わかりましたか。
  141. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 核物質管理センターへの補助金のお話が今ありましたけれども、これは補助金ではございません。事業をやっていただくための委託費でございます。
  142. 石井紘基

    石井(紘)委員 長官は、そういう、人の聞いていることに答弁をしないという態度でいいのですか、それで。ちょっと委員長、これは、答弁をしないというのは、答弁をしないというので委員会が進められますか。  委員長はどこへ行っちゃったの。
  143. 古賀正浩

    ○古賀(正)委員長代理 ちょっと今、私が代理をやっておりますので……。
  144. 石井紘基

    石井(紘)委員 人の聞いていることに答えないというのはどういうわけですか。ちょっと速記をとめてください、委員長
  145. 古賀正浩

    ○古賀(正)委員長代理 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  146. 古賀正浩

    ○古賀(正)委員長代理 では、速記を起こしてください。  石井紘基君。
  147. 石井紘基

    石井(紘)委員 私が申し上げたいのは、原子力政策を推進する団体の責任者に、原子力安全委員会というものの委員長をやっておった人が就任をしているということを見ても、科学技術庁は、原子力の推進ということと安全管理、規制ということとを一体にしておる、この区別をつけておらないということを言いたいわけでありまして、先ほど核物質管理センターという財団法人を挙げましたけれども、これは科学技術庁からもらった資料で、核燃料サイクル開発機構理事長に都甲泰正さんという元原子力安全委員会の委員長が就任しているわけでありまして、これは否定なさらないだろうと思うのですね。  そうしますと、一体こういうことでいいのかどうか。長官、安全を担当するべき人が、その仕事が終わったら、今度はこっちの、推進の側の陣頭指揮をとる、核燃料サイクル機構ですから、もっともっと大きな、むしろ推進の本体と言ってもいい、そういう組織の長になるということは一体許されるのか、どうなんでしょう。
  148. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 失礼いたしました。  委員も今おっしゃいましたように、核物質管理センターは、先ほど私申し上げましたように、会長は下邨氏で理事長は空席でございます。都甲氏ではありません。都甲氏はこちらにいらっしゃいますが、核燃料サイクル開発機構理事長さんを現在お務めいただいておりまして、おっしゃるとおり元原子力安全委員長でいらっしゃいますけれども、「もんじゅ」の事故等もありまして、安全面等、やはり有為な人材にぴしっと責任者としてやっていただきたいということでお願いをしたところでございます。問題は全然ございません。
  149. 石井紘基

    石井(紘)委員 問題ない。(中曽根国務大臣「はい」と呼ぶ)  原子力の安全と推進という点から見て、こういう人事をするということは、この核燃料サイクル機構というのは、住友金属鉱山へも八億八千百万円、これだけの事業を発注しておる、こういう特殊法人でありまして、推進の最たる組織ですね。こういうものの委員長に就任することは全く問題がないというふうに答弁をされましたか。
  150. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 有為な人材に責任者として開発機構を見ていただくということは、非常に大切なことだと思っております。そして、この人事につきましては、内閣総理大臣が任命権者でありまして、原子力委員会の同意をいただいております。
  151. 石井紘基

    石井(紘)委員 だから、科学技術庁長官としては、これは全く問題がないということですか。そうすると、内閣総理大臣が任命権者だから内閣総理大臣の問題である、そういうことですか。     〔古賀(正)委員長代理退席、委員長着席〕
  152. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 内閣総理大臣が任命権者だからということではなく、先ほど申し上げましたように、核燃料サイクル機構におきましては、以前は動燃でございましたけれども、「もんじゅ」等の事故もありまして、しっかりとした体制で、安全面等もこれから体制を整えていかなければならないということで、都甲氏の御経験等を評価させていただいて御就任をいただいたわけでございます。
  153. 石井紘基

    石井(紘)委員 私は、都甲さんのような方が推進団体の理事長になるということは、神奈川県警みたいな話じゃないかと思うのですね。取り締まって安全を確保すべき立場の人が、ところがむしろ取り締まられる方に、取り締まられるというのはおかしいですけれども、安全を管理されるべき方に回っていく、これは明らかにおかしい。科学技術庁長官がそういう答弁をされるのだったら、科学技術庁の原子力政策について、その根本に大きな問題がある、こういうふうに言わざるを得ないと思うのですね。これは後の問題に残しておきたいと思います。  科学技術庁は、この東海村の現場への立入検査というものを相当の回数これまで行ってきましたね、どうですか。この施設への立入検査
  154. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 株式会社ジェー・シー・オーの転換試験棟に対しましては、原子炉等規制法に基づきまして、昭和五十九年に建物を初め化学処理施設等の各種施設、さらに、平成七年に転換試験棟内に設けられた貯蔵施設を対象として施設検査を実施しております。  また、これまでの運転状況につきましては、行政指導の一環として、保安規定の遵守状況について実施する任意の調査、これは保安規定遵守状況調査でございますが、平成十年の四月に設置いたしました運転管理専門官による巡視などによりまして、施設の運転状況等の把握に努めてきたところでございます。
  155. 石井紘基

    石井(紘)委員 そういう運転管理者による巡視というものだけでも、平成十一年になってからだけを数えてみても六回やっていることになっておるわけですよ。平成十年にはもっとやっておる。これだけ頻繁にやっていると言いながら、バケツでくみ出しをやっておったというようなこととか、その他安全管理規定がさっぱり守られておらなかった、でたらめだったというのは一体どういうことですか。そういう癒着、なれ合いがあるからそういうことになるのでしょう。
  156. 中曽根弘文

    ○中曽根国務大臣 今申し上げましたように、施設検査それから運転状況等の検査を行ってまいりましたけれども、今回の臨界事故が発生いたしまして、大変残念に思っております。  それらの事故が発生したということを踏まえまして、原子炉等規制法改正案を今回提出させていただき、加工施設に定期検査等の規制項目を追加し、また、保安規定遵守状況について定期的に検査を行うとともに、科学技術庁及び通商産業省に原子力保安検査官を今後は置きまして、保安に係る検査に係る事務を行わせることとしておるところでございます。
  157. 石井紘基

    石井(紘)委員 そういう巡視や監視も今までやってきたと言うが、それが、やってきたと言ってもだめなんだから、そんなことを幾らふやしたってだめなんですよ、改正したって何したって。根本のところを正さなきゃいけないのですよ。癒着、なれ合いでなあなあでやっておるから、そういう構造が背景にあるから起こるのでしょう。これは、つけ焼き刃で、その場で法改正か何かをやりましたなんと言えば済む問題ではない。  さっきも言いましたように、これは大変大きな、広範囲にわたって人命あるいは国土を破壊する可能性のあるものなんですから、規則をつくってそれを守れば安全だというのだったら、あなた、規則だけつくっておけば、世の中に何も要らないということになるでしょう。この原子力の問題は、そういう問題ではないということですよ。  ちょっと答弁がすっきりしませんので、これもまた問題が残っていくわけでありますので、次に移りたいと思います。  防衛庁のジェット燃料の談合の問題で会計検査院検査の報告を出しました。平成七年から九年までの間に六百七十四の契約が石油会社との間で行われて、四百八十五億円の契約額であったということでありますが、これは談合によって行われたものだ。したがって、当初の予定価格というのはほとんど無視されて、そして談合でなってきたわけですね。  そうすると、当初の予定価格というのは幾らだったのか、トータルの数字を出していただきたい。これは防衛庁。
  158. 依田智治

    ○依田政務次官 お答えいたします。  先生御指摘の四百八十五億円というのは、航空自衛隊のJP4の平成年度から九年度の契約総額でございまして、先生から予定価格という話でございましたが、この問題につきましては、現在公判等も行われておりまして、この事実関係等については、公判等に影響を与えるおそれもあるということで、私どもの方としては明らかにすることを差し控えたい、このように考えておる次第でございます。
  159. 石井紘基

    石井(紘)委員 公判に影響を与えるんですか。どうして公判に影響を与えるんですか。予算決算上の問題ですね、この事案は。会計検査院指摘をされて、今司法でもって扱われている問題ですが、では防衛庁は、これはどういう立場をとっておるんですか。会計検査院指摘を基本的には認めているわけなんでしょう。どうなんですか。
  160. 依田智治

    ○依田政務次官 会計検査院から指摘をいただきまして、私どもとしては、昨年十一月に、その後の契約等につきまして是正措置というものを講じておるところでございます。  一方、今先生御指摘のような予定価格という問題は、現在裁判所等で公判中でございまして、それが幾らであって、落札価格が幾らで、その間にどれだけの損害が生じたのかどうかというような問題がまさに公判の中で問題になる事案でございまして、私どもとしては、その推移を見守るということをとっておるのでございまして、したがって、今そのあたりの数字を明らかにすることは差し控えさせていただきたい、このような立場をとっているわけでございます。
  161. 石井紘基

    石井(紘)委員 それは納得できない話ですよ。防衛庁の予算をどう執行してきたかということを国会に隠しておくということは、これは許されない話ですよ。いいですか。  では言いますけれども、ここに、会計検査院平成年度決算検査報告概要という、防衛庁がつくってよこしたものがあります。この中では、この書きぶりからすると、当然防衛庁は、そういう不正が行われたということに対して何らの異議を挟んでいないわけですね。ここに書いてある参考図というのは、会計検査院が出している報告と違うんです。これは改ざんされたものなんです。  参考図。最初は、当初の指名競争入札は、二社から七社を指名する。次に、一回から三回目の入札、これを不調にする。入札の都度、数社が辞退をして、その後、もうだめだからというので商議、商議というのは値段の交渉ですね、そういうことをやる。そして、商議もまた不調になる。最終の商議をやる。みんな辞退をしてしまう。そして今度は、再度の指名競争入札を、非常に手が込んでいるんですが、やって、そして再算定をする。再予定価格というのを出して、最終の商議の提示価格をやって、これまた不調にするとかさんざん手の込んだことをやって、最終的には一社だけ残る、一社だけとの契約をする。  これは、途中でもって入札というものを事実上やめてしまうわけですね。これは会計法にも違反する行為なんですよ。  同じ参考図の中に、会計検査院の方の参考図には、例えば、この中間のところの最終商議というようなところで、見積書での提示価格は三万二千円、最初の予定価格は二万八千円、これはある時点のケースをとったんでしょう、最初は二万八千円だ。それが、何回も何回もこうやって、入札を不調にしてしまう、そして商議をやって、そこで三万二千円という数字を出すというようなことで、ここにずっと数字が書き込まれているわけですが、防衛庁のものはその数字を消し去っているじゃないですか。こういうふうに報告書類を改ざんしてしまうということまで防衛庁はやっているんじゃないですか。  会計検査院にちょっと伺いたいと思うんですが、これは入札を途中で不調にしてしまうわけでありまして、そうすると、入札についての規定をした会計法というものにこれは抵触してくることにならないでしょうか。
  162. 諸田敏朗

    ○諸田会計検査院当局者 お答えいたします。  先生御指摘の会計法違反ではないかということでございますけれども、入札した結果、一社も入札に応じていないという場合には、一度そこでその入札は終わるといいますか、それで再度予定価格を決めて再度入札をするということにつきましては、即会計法のどこの条文に違反するかということではないというふうに考えております。
  163. 石井紘基

    石井(紘)委員 この問題はさらに解明していかなきゃならないと思うんです。  だんだんと時間がなくなってきました。もう一つ、防衛庁。  防衛庁は、例の過払い事件というものは、さんざんあの中でうそ八百並べ立てて、知らぬ存ぜぬで、正しい正しいとやってきて、とうとう最後は、全部一年間の答弁が間違っておりましたというようなことをやって、それでも懲りずに次々にこういう問題を起こしているわけです。  もう一つの問題は、自衛艦の修理の談合といいますか、この入札をめぐる不正事件ですね。これは予定価格もつくらなかったのじゃないですか、どうですか。
  164. 依田智治

    ○依田政務次官 これは、予定価格をつくっておりますが、随意契約のための予定価格はつくったけれども、数社を指名したけれども、結局応札してきたのは一社だけであった。したがって競争入札に至らず、したがって競争入札のための予定価格はつくらず随契の予定価格をつくった、こういう状況でございます。(石井(紘)委員「そういうのを予定価格というのですか」と呼ぶ)
  165. 中村正三郎

    中村委員長 石井議員、指名を受けてから質問してください。(石井(紘)委員「どうも済みません」と呼ぶ)  石井紘基君。
  166. 石井紘基

    石井(紘)委員 この種の事業というのは入札でやらなければいけないんですよ。だから、予定価格というのは当然、これは一般常識ですけれども、入札の予定価格ですよ。随意契約の予定価格はあるけれども入札の予定価格はありませんなんて、そんな変な答弁はないんじゃないですか。
  167. 依田智治

    ○依田政務次官 先生、ちょっと御説明いたしますと、艦船の修理、定期検査は五年に一度、年次検査は一年でやるわけですが、現場から検査要求があった場合には造修所というところで船舶の状況を調べ、仕様書をつくり、これは一つの船でも膨大なものですが、それをいろいろ原価計算等をして予定価格なりなんなりつくっていくわけでございますが、最終的にその予定価格をつくるまでの間に並行して業者の指定をし、おたくは応じますか、説明会をやりますから来ますか、うちは結構だということで、結局最後に一社しか残らないという状況が続きましたので、一社と契約するについての予定価格をつくった、こういうことでございます。  この点につきましては、私ども、会計法等の面からどうかということでいろいろ関係機関とも協議したのですが、随意契約を行うための手続として、予決令九十九条の五に従い予定価格を作成し、これにより辞退しなかった一造船所と随意契約を締結していることは会計法に違反するものではない、こういうような見解もいただいておるわけでございまして、私どもの方は一応、この限りにおいては、法に基づいて処理しているというふうに考えております。
  168. 石井紘基

    石井(紘)委員 それは法に基づいてないと思います。  今、依田次官が言われたのは、入札をしたけれども残らない、一社しか残らないというので随意契約の予定価格をつくったということは、最初の予定価格はつくってなかったということですよ。最初の予定価格はつくっていなかったのですよ、公開入札の予定価格は。そこをはっきり言わないと、今の答弁は後に残りますよ。  こういうふうに、入札をやるのに予定価格をつくらない、あるいはさっきのジェット燃料の問題にしても、予定価格というものを途中で変更してしまう、こういうのは会計法違反なんですよ。会計法ではそういうことを禁止しているのですよ。  そういうことを申し上げまして、私は、あいまいな答弁をなさらないように、今後お気をつけにならないと、これはまた防衛庁は大変な問題に発展していくということを思いますので、そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  169. 中村正三郎

    中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十三分散会