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1999-07-08 第145回国会 参議院 本会議 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月八日(木曜日)    午後一時三十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第三十四号     ─────────────   平成十一年七月八日    午後一時三十分 本会議     ─────────────  第一 地方分権推進を図るための関係法律の   整備等に関する法律案内閣提出衆議院送   付)  第二 内閣法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  第三 内閣設置法案内閣提出衆議院送付   )  第四 国家行政組織法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第五 総務省設置法案内閣提出衆議院送付   )  第六 郵政事業庁設置法案内閣提出衆議院   送付)  第七 法務省設置法案内閣提出衆議院送付   )  第八 外務省設置法案内閣提出衆議院送付   )  第九 財務省設置法案内閣提出衆議院送付   )  第一〇 文部科学省設置法案内閣提出衆議   院送付)  第一一 厚生労働省設置法案内閣提出衆議   院送付)  第一二 農林水産省設置法案内閣提出衆議   院送付)  第一三 経済産業省設置法案内閣提出衆議   院送付)  第一四 国土交通省設置法案内閣提出衆議   院送付)  第一五 環境省設置法案内閣提出衆議院送   付)  第一六 中央省庁等改革のための国の行政組織   関係法律整備等に関する法律案内閣提出   、衆議院送付)  第一七 独立行政法人通則法案内閣提出、衆   議院送付)  第一八 独立行政法人通則法施行に伴う関係   法律整備に関する法律案内閣提出衆議   院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      ─────・─────
  2. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより会議を開きます。  日程第一 地方分権推進を図るための関係法律整備等に関する法律案  日程第二 内閣法の一部を改正する法律案  日程第三 内閣設置法案  日程第四 国家行政組織法の一部を改正する法律案  日程第五 総務省設置法案  日程第六 郵政事業庁設置法案  日程第七 法務省設置法案  日程第八 外務省設置法案  日程第九 財務省設置法案  日程第一〇 文部科学省設置法案  日程第一一 厚生労働省設置法案  日程第一二 農林水産省設置法案  日程第一三 経済産業省設置法案  日程第一四 国土交通省設置法案  日程第一五 環境省設置法案  日程第一六 中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律整備等に関する法律案  日程第一七 独立行政法人通則法案  日程第一八 独立行政法人通則法施行に伴う関係法律整備に関する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上十八案を一括して議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。行財政改革税制等に関する特別委員長吉川芳男君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に 掲載〕     ─────────────    〔吉川芳男登壇拍手
  3. 吉川芳男

    吉川芳男君 ただいま議題となりました地方分権推進を図るための関係法律整備等に関する法律案及び内閣法の一部を改正する法律案等中央省庁等改革関連十七法律案につきまして、委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、地方分権一括法案は、国と地方公共団体の分担すべき役割を明確にし、かつ地方公共団体自主性自立性を高めるため、機関委任事務制度廃止及びこれに伴う地方公共団体事務区分の再構成、国の関与の縮減、権限移譲推進必置規制整理合理化地方公共団体行政体制整備確立等を行い、地方分権推進を図ろうとするものであります。  なお、本法律案につきましては、衆議院におきまして、第一号法定受託事務新設を抑制し、適宜適切な見直しを行うこと、地方社会保険事務局等職員処遇等について七年間の経過措置を講ずること、地方税財源充実確保の方途について経済情勢推移等を勘案しつつ検討し、結果に基づいて必要な措置を講ずること等の修正が行われております。  次に、中央省庁等改革関連十七法律案は、二十一世紀国家行政組織等基本を定めるため、昨年の第百四十二回国会において成立した中央省庁等改革基本法にのっとって、内閣機能強化とそれを通じた政治主導強化府省再編成と行政整合性確保行政スリム化並びに行政透明化及び効率化を図ろうとするものであります。  まず、内閣法の一部を改正する法律案は、国民主権理念明確化、国務大臣の数の変更、内閣総理大臣指導性明確化内閣及び内閣総理大臣補佐支援体制強化等について所要改正を行うものであります。  次に、内閣設置法案は、内閣府の設置並びにその任務所掌事務及び組織特命担当大臣設置経済財政諮問会議等新設等について所要措置を講ずるものであります。  次に、国家行政組織法の一部を改正する法律案は、国家行政組織任務を基軸とする構成、政策の評価及び調整、副大臣政務官新設官房及び局の数等について所要改正を行うものであります。  次に、総務省設置法案等十一件の設置法案は、いずれも各省庁任務及びそれを達成するために必要な所掌事務並びに各省庁に置かれる職、機関及び外局について定めるものであります。  次に、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律整備等に関する法律案は、総理府設置法等廃止審議会等の統廃合、内閣府及び各省に置かれる外局等に関する規定整備等を行うものであります。  次に、独立行政法人通則法案及び独立行政法人通則法施行に伴う関係法律整備に関する法律案は、新たに独立行政法人制度を設け、その運営基本、その他の制度基本となる共通の事項を定め、及び独立行政法人通則法施行に伴う国家公務員法その他の関係法律規定整備を行うものであります。  委員会におきましては、中央省庁等改革関連十七法律案趣旨説明を、また、地方分権一括法案趣旨説明及び衆議院における修正部分説明をそれぞれ聴取した後、十八法律案を一括して議題とし、小渕内閣総理大臣を初め全閣僚に対する総括質疑関係大臣に対する一般質疑を行ったほか、参考人からの意見聴取公聴会並びに神奈川県及び大阪府での地方公聴会を行いました。  委員会における質疑は、自治事務に対する国の関与あり方法定受託事務の定義とその抑制の必要性地方税財源充実強化地方行政体制整備再編後の省庁体制あり方国家公務員数二五%削減の根拠とその達成方法独立行政法人化意義等多岐にわたり熱心に行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、まず地方分権一括法案について、日本共産党を代表して富樫理事より自治事務に対する是正の要求の規定を削除する等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、原案及び修正案を一括して討論に入りましたところ、日本共産党を代表して八田委員より原案反対修正案賛成自由民主党及び自由党を代表して星野委員より原案賛成修正案反対民主党新緑風会を代表して藤井委員より原案賛成修正案反対公明党を代表して魚住委員より原案賛成修正案反対社会民主党護憲連合を代表して日下部理事より原案賛成修正案反対参議院の会を代表して菅川委員より原案賛成修正案反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  次いで、採決の結果、修正案は否決され、地方分権一括法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、附帯決議を行いました。  次に、中央省庁等改革関連十七法律案について討論に入りましたところ、民主党新緑風会を代表して川橋委員より反対自由民主党及び自由党を代表して星野委員より賛成日本共産党を代表して池田委員より反対公明党を代表して渡辺委員より賛成社会民主党護憲連合を代表して三重野委員より賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。  次いで、順次採決の結果、中央省庁等改革関連十七法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、中央省庁等改革関連十七法律案の各法律案に対し附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。福山哲郎君。    〔福山哲郎登壇拍手
  5. 福山哲郎

    福山哲郎君 私は、民主党新緑風会を代表して、ただいま議題となりました政府提案中央省庁等改革関連法案に対し、反対立場から討論をいたします。  私たちが本法案反対する理由は明快であります。政府は、今回の行政改革を通して、簡素、効率、透明な行政実現すると国民に約束をしてきたにもかかわらず、実際に政府が提出した法案はこの公約から余りにもかけ離れた内容であり、これをおよそ行政改革と称することはできないことが国会審議を通じて明らかになったからであります。  昨日の特別委員会審議において、まさに私たちが本法案反対する理由総務庁長官自身みずから説明していただきました。同僚の江田議員の、今回の本法案において権限財源、人間のうち、どれがどれくらいスリム化されるのかという質問に対し、長官は、この法案で直接スリム化実現するということではなく、行政改革実現するシステムがビルトインされたということだと答弁されたのです。この答弁からも明らかなように、政府自身でさえ今回の本法案行政スリム化実現するとは考えていないのです。  それでも、今回の本法案によって本当に行政改革実現を期待できる組織が構築できるならまだ理解はできます。しかし、私たちはこの本法案行政改革推進するシステムをビルトインしているとは到底考えられません。  ここでは、以下の六点に絞って問題点を指摘いたします。  第一の問題点は、本法案における基本理念の欠如です。  何のために省庁再編を行うのか。この省庁再編向こう側、つまり二十一世紀日本が一体どこに向かうかが全く明らかにされていません。行政改革会議最終報告理念として掲げた、肥大化し硬直した政府組織を改め、重要な国家機能を有効に遂行するにふさわしく、簡素、効率的、透明な政府実現とはほど遠い内容であり、後に述べる国土交通省総務省の出現など全く逆行しています。明治時代に構築された基本形を維持したままの行政制度体制では、その後に大きく変化した行政ニーズに対応できないことが明らかになったからこそ、現在、行政改革が求められているのです。  来る二十一世紀には経験したことのない少子高齢社会を迎え、一方ではグローバルな大競争社会に放り出される我が国が、いかにその荒波の中でも国民生活、安全を守っていけるような効率的で国民の信頼に足る行政組織を構築するかが私たち立法府に課せられた大きな課題なのです。しかし、本法案にはこのような社会基本的な構造変化を意識した行政改革に対する理念が感じられません。  第二の問題点は、手順の問題です。  そもそも、省庁半減という役所の大ぐくり再編から議論をスタートさせた今回の省庁再編は、その結果数合わせが至上命題となり、この実現にこだわる余り実質的な行政改革がおざなりになったのです。あるべき手順とは全く逆になっています。本来なら、まず社会変化を踏まえた上で新たな官民関係基本を定める。次に、公的部門が負うべき範囲を定め、地方が負うべき分野については地方への権限移譲とこれに見合った財源移譲を進める。そしてさらに、中央政府が担う事務のうち、外部化した方が効率的なものを定める。こうして残ったものが中央政府がみずから実施しなければならない分野なのであり、そういった作業の後に省庁再編に取り組むべきなのであります。  審議の過程においては、政府もこの手順が本来の手順であることは認めておられます。しかし、基本理念手順を間違えたために、その結果とんでもないものになってしまいました。その代表的なものが国土交通省総務省です。この巨大な省庁のどこが簡素であり、透明であり、効率なのか、審議において再三明確な答弁を求めましたが、結局、政府は何ら回答していません。  第三の問題点は、まさにその国土交通省の誕生です。  建設、運輸、国土、北海道開発庁の四省庁を統合したその巨大官庁には、地方整備局という大きな問題を抱えています。国土交通省の巨大な出先機関である地方整備局事業決定権を持ってしまえば、国民の代表である国会がチェックすることさえ困難になるのです。現在、全国のあちこちで公共事業を進めようとする国と地元住民の間で摩擦が生じていることから見ても、時代に逆行していると言わざるを得ません。こういった巨大官庁を認めることは、国会の存在を否定しているようなものです。  第四の問題点は、財政金融の分離問題です。  小渕総理は我々民主党との合意を破り、その結果提出された本法案改革という名に全く値しないものになっています。公党間の合意を平気で踏みにじるという小渕総理政治姿勢は許せるものではなく、財政金融完全分離及び金融行政の一元化という命題を不完全な決着に終わらせることは、我が国金融システムにとって大きな禍根を残すことは明らかであります。財政金融の規律があいまいなまま、またぞろ公的資金の投入を繰り返すということになれば、ただでさえ危機的な状況にある我が国財政は完全に破綻への道を歩むことになるでしょう。真の行政改革進展を阻むだけではなく、将来の世代にも大きなツケをもたらしています。  第五の問題点は、定数削減のごまかしです。  小渕総理が昨年政権を引き継いで以来、この行革について唯一リーダーシップを発揮したのが、公務員の二五%削減行政コストの三〇%削減であります。しかし、この公約もまた見せかけの公約と言われても仕方のないものであります。公務員削減については、昨年の基本法にある一〇%削減と実質的に何ら変わることがなく、独立行政法人化される機関職員削減内数とすることによって見かけ上の削減割合をふやしただけのものであり、また、行政コスト削減については、その内容が抽象的で、これでは検証のしようがありません。このように公約を掲げること自体、国民を欺くに等しい行為であると考えます。  第六の問題点は、内閣総理大臣リーダーシップについてです。  日本内閣制度の機構と運営の実態は、同じように議院内閣制度を採用しているイギリスやドイツとは似て非なるものとなっています。そもそも、議院内閣制度は、内閣を通じて政治リーダーシップを発揮するための装置であるという認識が基盤にあって成り立つ制度であるにもかかわらず、初めに行政ありきという明治憲法下の変則的な内閣制度の残滓をそのまま引きずっています。  本法案では、単に従来から当然の権利とされている閣議における内閣総理大臣発議権を明記したにすぎず、一方で事務次官会議閣議全会一致制分担管理原則など、官僚支配の温床となっている制度はそのままとなっており、政治リーダーシップを発揮しようがありません。さらに、内閣補佐機能である内閣府についても、予算、人事や組織体制を統括していないなど、政治的リーダーシップにより各省庁をコントロールする仕組みとしては極めて不十分と言わざるを得ません。  以上、この欠陥だらけ法案政府自身行政スリム化実現できないという法案に対して、我々民主党新緑風会反対意思を明らかにするとともに、既得権益温存官僚依存の現政権にかわって国民が主役の行政体制実現を目指して邁進することを国民にお誓い申し上げ、私の反対討論を終わらせていただきます。(拍手
  6. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 石渡清元君。    〔石渡清元登壇拍手
  7. 石渡清元

    石渡清元君 私は、自由民主党自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました中央省庁等改革関連法案及び地方分権推進一括法案につきまして、賛成立場から討論をいたします。  間もなく二十世紀幕引きを迎えるに当たり、我が国は現在、重大な岐路に立たされております。  経済社会のグローバリゼーションの進展や戦後の右肩上がり経済成長の終えん、少子高齢化の進行、国民価値観多様化等々、さまざまな要因を背景として、かつては社会に活力をもたらしていた国家社会経済システムやさまざまな制度はその時代適合性を厳しく問われております。  そのため、これを抜本的に見直し複雑化の様相を見せる現代社会に迅速的確に対応するとともに、日本を取り巻く閉塞状況を打破し、新たな時代展望を切り開くための仕組みの構築が急務となっておりました。  この変革の求めに対し、政府は、この国のあり方を変え、二十一世紀のさらなる飛躍のための土台にして柱ともなる中央省庁等改革関連法案及び地方分権一括法案国会に提出してまいりました。  以下、両法案につきまして、賛成理由を申し上げますが、行政需要の増大に応じ肥大化の一途をたどってきた我が国行政システムあり方を両案は抜本的に変革していくことを目的とするものだけに、その内容も非常に広範かつ多岐にわたっていることから、ここではごく主要な点についてのみ触れさせていただきます。  まず、中央省庁等改革関連法案についてであります。  ますます複雑化し、混迷の度を深める内外の諸情勢にあって、これを乗り切っていくためにも、政治主導性を発揮し、行政縦割りの壁を打開し、大局的な見地からいかなる価値を優先すべきか総合的に判断し、かつその意思決定を迅速に行うことが重要であります。  また、災害や事故等突発的事態における危機管理の観点からも、行政かなめとしてかじ取りを行う内閣についてその機能強化していくことが求められております。  本法案では、閣議における総理基本方針発議権明確化を初め、経済財政諮問会議等合議制機関が置かれる内閣府の設置等、従前に比べ、より一層総理リーダーシップが発揮しやすくなり、政治主導による行政運営制度的、法的にも裏づけられ、効果的な施策を迅速に展開できるようになるものと確信いたします。  また、二十一世紀初頭での一府十二省庁体制移行に伴い、独立行政法人制度導入官房局等内部組織整理地方支分部局合理化等行政組織スリム化への道筋も明確化されており、その着実な実行を望むものであります。  さらに、行政目的別による省庁再編により、縦割り行政の弊害が除去され、行政総合性機動性確保が図られるとともに、国民ニーズに即応した行政サービス提供等が図られるものと期待いたします。  次に、地方分権一括法については、平成五年の衆参両院における地方分権推進決議採択以来、加速され、深められてきた地方分権の流れの一つの大きな到達点でもあろうかと存じます。  本法案は、国と地方の新たな役割論に立脚しつつ、国と地方との関係を現行の上下・主従の関係から、対等・協力の関係へと変化させることを基本としております。特に永年の懸案であった機関委任事務廃止は、各方面から高く評価されていることは御案内のとおりであり、また、権限移譲の促進や法定主義原則、公正、透明の原則等に基づく国の関与必置規制見直しが行われております。  また、地方分権には、その受け皿となる地方公共団体体制整備が肝要でありますが、この点でも、合併特例債の創設を初め、措置がなされており、市町村合併がより推進されることを期待いたします。  以上、両法案につきまして、賛成理由を簡単に申し述べてまいりました。  しかしながら、二十一世紀の新たな展望を切り開いていく日本再生の大事業はまだ緒についたばかりであります。  両法案を新たなスタートとし、さらに引き続き行政組織簡素化効率化推進するとともに、さらなる地方への権限移譲推進するなど、中央省庁改革地方分権に我々は不断の取り組みを進めていかなければなりません。  総理リーダーシップのもと、今後とも一連の改革政府がより一層積極的に取り組んでいかれることを期待いたしまして、私の討論を終わります。(拍手
  8. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 吉川春子君。    〔吉川春子登壇拍手
  9. 吉川春子

    吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、中央省庁再編関連十七法案及び地方分権推進関係法律整備に関する法律案四百七十五本について、反対討論を行います。  これらの一括法審議を本日終えるということは、法案の数の多さと国民への影響の重要性に照らして、審議時間が余りにも短く、到底認めることはできません。また、五百本近い法案一つ特別委員会に付託し、同時に審議に付すなどということは先例のない異常な事態です。  法案提出後まだ三月しかたっていません。この法案審議時間は衆議院が八十一時間、参議院が六十五時間弱です。当然、国民に十分周知されていない、またする時間的余裕もありません。来年から導入が予定されて、今地方公共団体で大問題になっている介護保険を初め、重要なテーマを十分審議せずにたくさん残したままです。国会審議がこれでいいのでしょうか。これでは国民不在ではありませんか。この不十分な審議に対して、まず強く抗議をいたします。  次に、中央省庁関連法案反対理由を述べます。  第一は、政府が進めてきた内閣総理大臣及び内閣機能強化が新ガイドライン周辺事態法実施体制推進のためでもあることがますますはっきりしてきたことです。そのかなめとなるものが、ガイドライン実効性確保目的として設置された十八関係省庁局長会議であります。専門家は、これによって国家及び国民の総力を動員してガイドラインを実行していく体制ができ上がったと強調しているのであります。  第二は、内閣設置される経済財政諮問会議が、総理が任意に選ぶ民間人四人を含む十人以内のメンバー構成され、予算編成方針財政計画など国の基本となる重要方針を策定することです。憲法六十六条は、行政権合議体である内閣に属するとしているのです。諮問会議内容閣議にかけるとはいえ、事実上この会議で決定されてしまうことになり、閣議を形骸化することになるではありませんか。  第三に、多数の国会議員が天皇の認証官たる副大臣政務官として内閣メンバーとなり、また、政務官国会委員会運営にも関与することであります。そうなれば、内閣国会の境目があいまいになり、三権分立を弱め、憲法が国権の最高機関であると規定する国会行政へのコントロールの力を弱めるものです。また、これは国会の地位の低下にもつながりかねません。  第四は、公共事業抜本的見直しやむだな事業削減政治課題になっているときに、公共事業の約八割を集中させる巨大官庁国土交通省設置することです。超大型プロジェクト推進で、ゼネコン、大企業などに専ら奉仕する仕組み強化する反面、厚生省と労働省一つにして部局を減らし、雇用・失業対策労働時間短縮、介護保険障害者全面参加、年金の充実等憲法生存権労働権保障のための行政を縮小させることは許されません。  第五は、独立行政法人制度導入によって、一定期間後、法人組織民営化廃止をし、国民福祉や医療、教育、国民生活部門を徹底的にスリム化することが審議を通じていよいよはっきりしたことです。長期的かつ広域的な視点で研究すべき国立研究機関を三年から五年という短期的評価効率化採算性優先のもとに置くことは学問研究を成り立たせにくくするものです。また、将来の課題とされている国立大学独立行政法人化についても反対を表明するものです。  第六は、国家公務員の二五%削減についてです。国民奉仕行政をやろうとすれば人手が必要です。ヨーロッパなどに比べても公務員の比率が少ない我が国において、公務員を大幅に削減することは国民への行政サービスの後退であり、福祉や教育を大事にする政治は行えません。  次に、地方分権一括法案について、反対理由を述べます。  第一に、国の地方への関与、統制が強化され、町づくりの分野でも、暮らし、福祉、教育の分野でも、住民の声と自治体の努力が抑え込まれているのです。政府は、乳幼児医療に対する独自の助成を行っている地方公共団体に対してペナルティーを課し、あるいは公立高校の授業料の値上げを事実上指示しているのです。地方分権推進というなら、こうした中央政府の干渉は即刻中止すべきです。  第二に、地方議員定数のさらなる削減政府が都道府県を動かして市町村に合併を勧告、強要、必置規制の緩和など、住民サービスの後退につながりかねない地方自治の切り詰め、住民犠牲の自治体リストラ推進法案となっていることであります。  第三に、国による自治体締めつけ、統制の大きな手段となってきた通達行政も温存され、地方交付税、国庫補助金などによる財政面での統制の仕組みには何ら手がつけられていないことであります。  第四に、極めて重要な問題として、米軍用地特別措置法の改悪を盛り込み、地方自治体と住民をアメリカの戦争に協力させようとしていることです。  本来、地方分権は、憲法地方自治の本旨の精神にのっとって地方自治権を拡充することであるにもかかわらず、提案されている地方分権一括法案は、むしろ住民と自治体への国による統制強化内容となっており、到底賛成することはできません。  最後に、今回の両法案が女性施策の後退につながることについて触れざるを得ません。  政府は、内閣府に男女共同参画会議設置するのは女性政策の重視であると宣伝していますが、この会議任務は男女共同参画の政策立案や実施状況の監督にすぎません。  今回、地方事務官の廃止に伴い都道府県に労働局が設置されますが、重大なのは、実際に男女差別是正に取り組んできた都道府県にある労働省の女性少年室が廃止されてしまうことです。これは、世界の流れから見ても、女性の地位向上施策の重大な後退と言わなくてはなりません。  二十一世紀のあるべき国家社会像を中軸に据えた改革と言うのであれば、憲法の民主的、平和的原則に沿って国民基本的人権、生存権の保障のための中央省庁改革地方分権を目指すべきであることを強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手
  10. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  11. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  まず、地方分権推進を図るための関係法律整備等に関する法律案採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  12. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  13. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成             二百十     反対             二十五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  14. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 次に、内閣法の一部を改正する法律案内閣設置法案総務省設置法案郵政事業庁設置法案法務省設置法案外務省設置法案文部科学省設置法案厚生労働省設置法案農林水産省設置法案経済産業省設置法案国土交通省設置法案及び環境省設置法案を一括して採決いたします。  十二案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  15. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  16. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百五十四     反対             七十九    よって、十二案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  17. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 次に、国家行政組織法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  18. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  19. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百五十四     反対             七十九    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  20. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 次に、財務省設置法案及び中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律整備等に関する法律案を一括して採決いたします。  両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  21. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  22. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十二     賛成            百四十九     反対             八十三    よって、両案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  23. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 次に、独立行政法人通則法案採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  24. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  25. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成            百五十四     反対             八十一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  26. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 次に、独立行政法人通則法施行に伴う関係法律整備に関する法律案採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕
  27. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕
  28. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成            百五十四     反対             八十一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────
  29. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時十四分散会      ─────・─────